説明

磁気センサおよびその製造方法

【課題】磁気コアに生じる歪を低減でき、小型化が容易な磁気センサの提供。
【解決手段】非磁性基板11の一方の面上に、第1の導体層22、第1の絶縁樹脂層12、SiO層18、磁気コア14、第2の絶縁樹脂層13の上に設けられた第2の導体層21を順に備え、第1の導体層22、第2の導体層21、ならびに第1および第2の絶縁樹脂層12,13を貫通して第1の導体層22と第2の導体層21とを導通させる導体からなるソレノイドコイル20が構成され、ソレノイドコイル20の内部に、SiO層18上に設けられた磁気コア14が配置されていることを特徴とする磁気センサ10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟磁性体からなる磁気コアに高周波電流またはパルス電流を通電し、磁気コアの長手方向の磁界の印加に対する幅方向透磁率の変化に基づき磁気を検出する磁気センサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPDA(携帯情報端末)等のモバイル機器において、小型で高感度な磁気センサに対する要求が高まっている。高感度な磁気センサとして、フラックスゲートセンサや、アモルファスワイヤを用いた磁気インピーダンス効果素子が用いられているが、フラックスゲートセンサはコイルの巻数を要すること、磁気コアの反磁界を小さくするために磁気コアの長さを長くすることが必要であり、小型化が困難である。一方、アモルファスワイヤを用いた磁気インピーダンス効果素子は、ワイヤを用いているため、基板へのはんだ付けやバイアスコイル(ピックアップコイル)の巻き付けに特殊なプロセスが必要となり、製造コストが高いといった問題がある。
【0003】
特許文献1〜3には、軟磁性体膜を用いた薄膜型磁気インピーダンス効果素子が提案されている。また、特許文献4には、磁気コアに直接高周波電流またはパルス電流を通電し、磁気コア周囲に巻かれたピックアップコイルに誘起される誘導起電力の変化を読み取る直交フラックスゲートセンサが提案されている。
これらに対して、バイアスコイル(ピックアップコイル)を薄膜プロセスにて形成する検討がなされており、特許文献5および非特許文献1では、薄膜プロセスを用いて磁気インピーダンス効果素子およびソレノイド型のバイアスコイル、負帰還コイルを集積したセンサが提案されている。また、特許文献6,7には、平面スパイラルコイルにてバイアスコイル(ピックアップコイル)を形成している。
【特許文献1】特許第3210933号公報
【特許文献2】特許第3650575号公報
【特許文献3】特許第3656018号公報
【特許文献4】特許第2617498号公報
【特許文献5】特開平11−109006号公報
【特許文献6】特開2003−163391号公報
【特許文献7】特開2006−201123号公報
【非特許文献1】「マイクロめっき法により作製した薄膜MIセンサ」、電気学会、マグネティクス研究会、資料番号MAG−00−24、2000年、p74−84
【非特許文献2】IEEE Transactions on Magnetics、2003年、第39巻、第1号、第571頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、薄膜プロセスによりソレノイドコイルを形成する場合、下層配線上に絶縁層を介して磁気コアを成膜する必要があるが、下層配線により基板上に凹凸が形成され、この上に磁気コアを形成した場合に磁気特性が劣化することがある。
特許文献5および非特許文献1では、コイル配線と磁気コア間の絶縁層として、凹凸緩和のためにレジストをハードベークして硬化させた樹脂を用いているが、このように磁気コアの下地として樹脂材料を用いた場合、樹脂のガラス転移温度や、熱分解温度の制限を受けるため、磁気コアに対して磁場中熱処理を施す際の温度に制限ができ、その結果十分な特性が得られないといった問題がある。特に磁場中熱処理時には熱膨張係数の差に起因する応力を受けることになるため、その上に形成された磁気コアに生じる歪が大きくなり、磁歪の逆効果による特性が大きく劣化する場合がある。
【0005】
また、このような問題を回避するために、特許文献6,7では、平面型スパイラルコイルを磁気コア上に形成し、下地の影響を回避している。しかしながら、このような構造では磁気コア内の磁束とコイルの発生する磁束との鎖交面積が小さいため、磁気コアに発生する磁束とコイルに流れる電流の変換効率が悪く、コイルの面積が磁気コアの面積よりも大きくなることから、余分な面積を要し、小型化が難しいといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、磁気コアに生じる歪を低減でき、小型化が容易な磁気センサおよびその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の発明は、非磁性基板と、非磁性基板の一方の面上に設けられた第1の導体層と、前記一方の面および前記第1の導体層の上に設けられたポリイミドからなる第1の絶縁樹脂層と、前記第1の絶縁樹脂層の上に形成されたSiO層と、前記SiO層の上に設けられた軟磁性体膜からなる磁気コアと、前記磁気コアに高周波電流またはパルス電流を印加するための電極と、前記第1の絶縁樹脂層、SiO層および磁気コアの上に設けられたポリイミドからなる第2の絶縁樹脂層と、前記第2の絶縁樹脂層の上に設けられた第2の導体層とを備え、前記第1の導体層および第2の導体層、ならびに前記第1および第2の絶縁樹脂層を貫通して前記第1の導体層と前記第2の導体層とを導通させる導体からなるソレノイドコイルが構成され、前記ソレノイドコイルの内部に、前記SiO層上に設けられた前記磁気コアが配置されていることを特徴とする磁気センサである。
【0008】
本発明の請求項2に記載の発明は、非磁性基板と、非磁性基板の一方の面上に設けられた第1の導体層と、前記一方の面および前記第1の導体層の上に設けられたポリイミドからなる第1の絶縁樹脂層と、前記第1の絶縁樹脂層の上に設けられた軟磁性体膜からなる磁気コアと、前記磁気コアに高周波電流またはパルス電流を印加するための電極と、前記第1の絶縁樹脂層および磁気コアの上に設けられたポリイミドからなる第2の絶縁樹脂層と、前記第2の絶縁樹脂層の上に設けられた第2の導体層とを備え、前記第1の導体層および第2の導体層、ならびに前記第1および第2の絶縁樹脂層を貫通して前記第1の導体層と前記第2の導体層とを導通させる導体からなるソレノイドコイルが構成され、前記ソレノイドコイルの内部に、前記第1の絶縁樹脂層上に設けられた前記磁気コアが配置され、前記第1の絶縁樹脂層が、400℃以上の温度でベークされたポリイミドからなることを特徴とする磁気センサである。
【0009】
本発明の請求項3に記載の発明は、非磁性基板の一方の面上に複数の線状の導体パターンを有する第1の導体層を形成する工程と、前記一方の面および前記第1の導体層の上に、前記第1の導体層の各導体パターンの一方の側の端部と整合する位置に設けられた第1の開口部および前記第1の導体層の各導体パターンの他方の側の端部と整合する位置に設けられた第2の開口部を有するポリイミドからなる第1の絶縁樹脂層とを形成する工程と、前記第1の絶縁樹脂層の上において、前記第1の開口部からなる列と前記第2の開口部からなる列との間の領域を少なくとも含み、かつ前記第1の開口部および前記第2の開口部の上を避けた位置にSiO層を形成する工程と、前記SiO層の上に軟磁性体膜からなる磁気コアを形成する工程と、前記磁気コアに回転磁場中熱処理と静磁場中熱処理とにより一軸異方性を付与する工程と、前記第1の絶縁樹脂層、SiO層および磁気コアの上に、前記第1の開口部と整合する位置に設けられた第3の開口部、前記第2の開口部と整合する位置に設けられた第4の開口部、および前記磁気コアの端部と電気的に接続可能な位置に設けられた第5の開口部を有するポリイミドからなる第2の絶縁樹脂層を形成する工程と、前記第1および第3の開口部に充填されて前記第1および第2の絶縁樹脂層を貫通する第1の貫通導体、前記第2および第4の開口部に充填されて前記第1および第2の絶縁樹脂層を貫通する第2の貫通導体、および前記第5の開口部に充填されて前記第2の絶縁樹脂層を貫通する第3の貫通導体を設ける工程と、前記第2の絶縁樹脂層の上に、前記第1の貫通導体を介して前記第1の導体層の各導体パターンの一方の側の端部と導通するとともに、前記第2の貫通導体を介して前記第1の導体層の各導体パターンの他方の側の端部と導通する複数の線状の導体パターンを有する第2の導体層を形成する工程と、前記第2の絶縁樹脂層の上に、前記第3の貫通導体を介して前記磁気コアに高周波電流またはパルス電流を印加するための電極を形成する工程と、有することを特徴とする磁気センサの製造方法である。
【0010】
本発明の請求項4に記載の発明は、非磁性基板の一方の面上に複数の線状の導体パターンを有する第1の導体層を形成する工程と、前記一方の面および前記第1の導体層の上に、前記第1の導体層の各導体パターンの一方の側の端部と整合する位置に設けられた第1の開口部および前記第1の導体層の各導体パターンの他方の側の端部と整合する位置に設けられた第2の開口部を有するポリイミドからなる第1の絶縁樹脂層とを形成する工程と、前記第1の絶縁樹脂層を構成するポリイミドを400℃以上の温度でベークする工程と、前記400℃以上の温度でベークされた第1の絶縁樹脂層の上において、前記第1の開口部からなる列と前記第2の開口部からなる列との間の領域内に軟磁性体膜からなる磁気コアを形成する工程と、前記磁気コアに回転磁場中熱処理と静磁場中熱処理とにより一軸異方性を付与する工程と、前記第1の絶縁樹脂層および磁気コアの上に、前記第1の開口部と整合する位置に設けられた第3の開口部、前記第2の開口部と整合する位置に設けられた第4の開口部、および前記磁気コアの端部と電気的に接続可能な位置に設けられた第5の開口部を有するポリイミドからなる第2の絶縁樹脂層を形成する工程と、前記第1および第3の開口部に充填されて前記第1および第2の絶縁樹脂層を貫通する第1の貫通導体、前記第2および第4の開口部に充填されて前記第1および第2の絶縁樹脂層を貫通する第2の貫通導体、および前記第5の開口部に充填されて前記第2の絶縁樹脂層を貫通する第3の貫通導体を設ける工程と、前記第2の絶縁樹脂層の上に、前記第1の貫通導体を介して前記第1の導体層の各導体パターンの一方の側の端部と導通するとともに、前記第2の貫通導体を介して前記第1の導体層の各導体パターンの他方の側の端部と導通する複数の線状の導体パターンを有する第2の導体層を形成する工程と、前記第2の絶縁樹脂層の上に、前記第3の貫通導体を介して前記磁気コアに高周波電流またはパルス電流を印加するための電極を形成する工程と、を有することを特徴とする磁気センサの製造方法である。
【0011】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の磁気センサの製造方法において、前記第1の絶縁樹脂層を構成するポリイミドを400℃以上の温度でベークする工程を、前記第1の絶縁樹脂層を形成する工程の後であって、かつ前記SiO層の上に磁気コアを形成する工程の前に有することを特徴とする磁気センサの製造方法である。
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の磁気センサの製造方法において、前記磁気コアに回転磁場中熱処理と静磁場中熱処理とにより一軸異方性を付与する工程を、400℃以下の温度で行うことを特徴とする磁気センサの製造方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、非磁性基板の上に導体層と絶縁樹脂層の積層によりソレノイドコイルが構成され、このソレノイドコイルの内部に配置された磁気コアが、SiO層または400℃以上の温度でベークされたポリイミドからなる絶縁樹脂層の上に設けられるものとなるので、磁気コアの下地のヤング率が大きくなり、歪の影響を受けにくくなるため、磁歪の逆効果による磁気特性の劣化を抑制することができる。また、400℃未満の温度でベークされたポリイミドなどの通常の絶縁樹脂を下地とした場合に比べて、ヤング率が大きく線膨張係数(CTE)が小さくなるため、磁歪の影響を抑制することができる。また、磁気コアがソレノイドコイルの内部に配置されることにより、平面スパイラルコイルを用いてバイアス磁界を印加する場合に比べて磁束の鎖交面積が大きく、磁束と電流の変換効率をより良いものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の磁気センサの一例を示す図面であり、図1(a)は絶縁樹脂層が透明であるかのように上方から透視して図示した透視図、図1(b)は図1(a)のI−I線に沿う断面図である。図2は、図1に示す磁気センサの分解斜視図であり、非磁性基板11およびその上に設けられた第1の導体層22と、第1の絶縁樹脂層12ならびにその上に形成されたSiO層18および磁気コア14と、第2の絶縁樹脂層13およびその上に設けられた第2の導体層21とをグループにし、その間が分離したかのように図示したものである。図3は、図1(a)のIII−III線に沿う断面図である。図4は、図1(a)のIV−IV線に沿う断面図である。
【0014】
図1から図4までに示すように、本形態例の磁気センサ10は、非磁性基板11と、非磁性基板11の一方の面11a上に設けられた第1の導体層22と、非磁性基板11の一方の面11aおよび第1の導体層22の上に設けられたポリイミドからなる第1の絶縁樹脂層12と、第1の絶縁樹脂層12の上に形成されたSiO層18と、SiO層18の上に設けられた軟磁性体膜からなる磁気コア14と、磁気コア14に高周波電流またはパルス電流を印加するための電極17と、第1の絶縁樹脂層12、SiO層18および磁気コア14の上に設けられたポリイミドからなる第2の絶縁樹脂層13と、第2の絶縁樹脂層13の上に設けられた第2の導体層21とを備えている。
【0015】
さらに、図2、図3に示すように、第1および第2の絶縁樹脂層12,13を貫通して第1の導体層22と第2の導体層21とを導通させる導体23a,23bが設けられており、第1の導体層22および第2の導体層21ならびに前記導体23a,23bにより、ソレノイドコイル20が構成されている。SiO層18上に設けられた磁気コア14は、図3に示すように、ソレノイドコイル20の内部に配置された構成となっている。
SiO層18は、SiOをスパッタなどで成膜したものであり、その厚さとしては、例えば0.2〜5μmである。SiOは電気的には絶縁性であり、かつヤング率が大きく、絶縁樹脂層12,13の熱収縮や歪みなどに対して、磁気コア14に悪影響が及ぶのを防ぐことができる。また、第1の導体層22上へのポリイミドの塗布により第1の導体層22の凹凸を緩和することができる。
【0016】
本形態例の磁気センサ10によれば、第1の導体層22と磁気コア14との間にSiO層18が介在することによって、ソレノイドコイル20の下層配線となる第1の導体層22による凹凸を緩和するポリイミド層12の温度による体積変化の影響が磁気コア14に及ぶことを防ぎ、磁気コア14の特性劣化を抑制することができる。また、絶縁樹脂層の応力による歪による磁気コア14の特性劣化を抑制することができる。磁気コア14がソレノイドコイル20の内部に配置されることにより、平面スパイラルコイルを用いてバイアス磁界を印加する場合に比べて磁束の鎖交面積が大きく、磁束と電流の変換効率をより良いものとすることができる。
【0017】
非磁性基板11としては、熱酸化シリコン基板等の半導体基板のほか、ガラス基板、セラミック基板などが挙げられる。
磁気コア14は、軟磁性体からなる薄膜に、一軸異方性を付与したものである。軟磁性体としては、CoNbZr等、Co基の軟磁性体から構成することができる。例えばCo85Nb12Zrが挙げられる。また、ゼロ磁歪組成であるCoTaZr、CoFeSiB、NiFe、FeSiAl等から構成することもできる。
【0018】
本形態例の場合、図1(a)に示すように、磁気コア14は、複数本並行して形成されており、それぞれが電気的に直列に接続されるようにCu等の導体からなる導体層15が設けられている。また、複数本の磁気コア14は、磁気コア14の長手方向の長さが揃うようにつづら折り状(ミアンダ状)に配置すると、磁気コア14の配置に要する面積を小型化できるので好ましい。導体層15は、磁気コア14の端部およびSiO層18の上に設けることが好ましい。また、本形態例においては、電極パッド17,17が第2の絶縁樹脂層13の上に設けられているので、電極パッド17,17の凹凸による影響が磁気コア14に及ぶことがない。
【0019】
磁気コア14の本数は、1本でも複数本でもよく、特に限定されない。本形態例のように、偶数本をミアンダ状に接続すると、磁気コア14に高周波電流またはパルス電流を印加するための一対の電極17,17を、磁気コア14の長手方向の同じ側に配置することができるので、電極17,17の配置に要する面積をより小さくすることができる。
【0020】
本形態例におけるソレノイドコイル20について、より詳しく説明する。非磁性基板11の一方の面11aに対する平面視(図1(a)参照)において、第1の導体層22および第2の導体層21は、磁気コア14の長手方向(図1(a)における左右方向)に略直交する複数の線状の導体パターンを有する。
【0021】
図3に示すように、第1の絶縁樹脂層12は、第1の導体層22の各導体パターンの一方の側の端部22aと整合する位置に設けられた第1の開口部12aと、第1の導体層22の各導体パターンの他方の側の端部22bと整合する位置に設けられた第2の開口部12bを有する。また、第2の絶縁樹脂層13は、第1の絶縁樹脂層12の第1の開口部12aと整合する位置に設けられた第3の開口部13aと、第1の絶縁樹脂層12の第2の開口部12bと整合する位置に設けられた第4の開口部13bを有する。
【0022】
そして、第1の開口部12aおよび第3の開口部13aには、第1の絶縁樹脂層12および第2の絶縁樹脂層13を貫通する導体(第1の貫通導体)23aが充填され、第2の導体層21の各導体パターンの一方の側の端部21aが、第1の貫通導体23aを介して第1の導体層22の各導体パターンの一方の側の端部22aと導通している。同様に、第2の開口部12bおよび第4の開口部13bには、第1の絶縁樹脂層12および第2の絶縁樹脂層13を貫通する導体(第2の貫通導体)23bが充填され、第2の導体層21の各導体パターンの他方の側の端部21bが、第2の貫通導体23bを介して第1の導体層22の各導体パターンの他方の側の端部22bと導通している。こうして、第1の導体層22、第1の貫通導体23a、第2の導体層21、第2の貫通導体23bが、磁気コア14の長手方向に略直交する回路を形成することにより、ソレノイドコイル20が構成されている。図1(a)に示すように、ソレノイドコイル20の両端には、該コイル20に電流を流すための一対の電極パッド24,24が設けられている。本形態例においては、これら電極パッド24,24が第2の絶縁樹脂層13の上に設けられているので、電極パッド24,24の凹凸による影響が磁気コア14に及ぶことがない。
【0023】
また、磁気コア14は、電極17と直接導通させることも可能であるが、電極17との電気的接続を容易にするため、図1、図4に示すように、磁気コア14の両端に、Al等の導体からなる導体層16を設けるとともに、第1の絶縁樹脂層12上の導体層16と第2の絶縁樹脂層13上の電極17を導通するため、第2の絶縁樹脂層13を貫通する導体(第3の貫通導体)19を設けることが好ましい。このため、第2の絶縁樹脂層13には、第3の貫通導体19が充填される第5の開口部13cが設けられる。
【0024】
本形態例においては、ソレノイドコイル20に電流を流すための電極17および磁気コア14に高周波電流またはパルス電流を印加するための電極24が第2の絶縁樹脂層13の上に設けられているので、これら電極17,24への導通を確保する開口部を残すほかは、第2の絶縁樹脂層13および第2の導体層21の上の所望の箇所に、任意に保護層(図示せず)を形成することができる。ソレノイドコイル20の上側配線となる第2の導体層21を保護することで、外部からソレノイドコイル20への悪影響を抑制することができる。保護層は、例えばポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、シリコーンなどの樹脂により形成することができる。
【0025】
次に、本発明の第1形態例に係る磁気センサ10の製造方法の一例について説明する。
まず、非磁性基板11の一方の面11a上に、複数の線状の導体パターンを有する第1の導体層22を形成する。第1の導体層22は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、クロム(Cr)などの導体を、スパッタ、めっき等の手法により、1層単独で、もしくは2層以上の積層体として、形成することができる。
【0026】
次に、非磁性基板11の一方の面11aおよび第1の導体層22の上に、第1の導体層22の各導体パターンの一方の側の端部22aと整合する位置に設けられた第1の開口部12aと、第1の導体層22の各導体パターンの他方の側の端部22bと整合する位置に設けられた第2の開口部12bを有する第1の絶縁樹脂層12を、ポリイミドを用いて形成する。第1形態例の磁気センサ10においては、第1の絶縁樹脂層12を構成するポリイミドをベークするときの温度は、400℃未満の温度とすることができ、あるいは400℃以上の温度とすることができる。
【0027】
次に、第1の絶縁樹脂層12の上において、第1の開口部12aからなる列と第2の開口部12bからなる列との間の領域を少なくとも含み、かつ第1の開口部12aおよび第2の開口部12bの上を避けた位置に、SiO層18を形成する。SiO層18は、例えばCVD、スパッタ法によって形成することができる。本形態例においては、磁気コア14の幅方向(図1(a)の上下方向)において、SiO層18を、第1の開口部12aからなる列と第2の開口部12bからなる列との間にのみ形成するものとしているが、この領域の外側に広がっていてもよい。その場合は、第1の開口部12aおよび第2の開口部12bの上を避けるように、SiO層18に開口部(図示せず)を設け、第1の貫通導体23aおよび第2の貫通導体23bを形成できるようにする。
【0028】
SiO層18の上には、軟磁性体膜からなる磁気コア14を形成し、回転磁場中熱処理と静磁場中熱処理とにより、磁気コア14に一軸異方性を付与する。磁気コアに一軸異方性を付与するとき、回転磁場中熱処理と静磁場中熱処理の温度を、400℃以下とすることが好ましい。
【0029】
ここで、磁気コア14が複数本並行して形成されたものである場合には、磁気コア14を電気的に接続するための導体層15を形成する。また、磁気コア14の両端に、電極17との導通を容易にするための導体層16を設けることができる。これら導体層15,16は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、クロム(Cr)などの導体を、スパッタ、めっき等の手法により、1層単独で、もしくは2層以上の積層体として、形成することができる。導体層15,16の形成は、磁気コア14に一軸異方性を付与する工程の前に行っても、後に行ってもよい。
【0030】
次に、第1の絶縁樹脂層12とSiO層18と磁気コア14の上に、第1の開口部12aと整合する位置に設けられた第3の開口部13aと、第2の開口部12bと整合する位置に設けられた第4の開口部13bと、磁気コア14の端部と電気的に接続可能な位置に設けられた第5の開口部13cを有する第2の絶縁樹脂層13を、ポリイミドを用いて形成する。第5の開口部13cは、導体層16を設けた場合には、この導体層16と整合する位置に設ければよく、導体層16を設けない場合には、磁気コア14の端部と整合する位置に設ける。
【0031】
次に、第1の開口部12aおよび第3の開口部13aに導体を充填して第1の絶縁樹脂層12および第2の絶縁樹脂層13を貫通する第1の貫通導体23aと、第2の開口部12bおよび第4の開口部13bに導体を充填して第1の絶縁樹脂層12および第2の絶縁樹脂層13を貫通する第2の貫通導体23bと、第5の開口部13cに導体を充填して第2の絶縁樹脂層13を貫通する第3の貫通導体19を設ける。また、第2の絶縁樹脂層13の上に、第1の貫通導体23aを介して第1の導体層22の各導体パターンの一方の側の端部22aと導通するとともに、第2の貫通導体23bを介して第1の導体層22の各導体パターンの他方の側の端部22bと導通する複数の線状の導体パターンを有する第2の導体層21を形成する。また、第2の導体層21とともに、ソレノイドコイル20に電流を流すための電極17および磁気コア14に高周波電流またはパルス電流を印加するための電極24を形成する。
以上により、第1形態例の磁気センサ10が得られる。さらに、保護層を形成する工程などを追加してもよい。
【0032】
次に、本発明の磁気センサの改変例について説明する。
図5は、本発明の磁気センサの改変例を示す図面であり、図5(a)は絶縁樹脂層が透明であるかのように上方から透視して図示した透視図、図5(b)は図5(a)のV−V線に沿う断面図である。図6は、図5(a)のVI−VI線に沿う断面図である。図7は、図5(a)のVII−VII線に沿う断面図である。
【0033】
図5から図7までに示すように、本形態例の磁気センサ30は、非磁性基板31と、非磁性基板31の一方の面31a上に設けられた第1の導体層22と、非磁性基板31の一方の面31aおよび第1の導体層22の上に設けられたポリイミドからなる第1の絶縁樹脂層32と、第1の絶縁樹脂層32の上に設けられた軟磁性体膜からなる磁気コア34と、磁気コア34に高周波電流またはパルス電流を印加するための電極37と、第1の絶縁樹脂層32および磁気コア34の上に設けられたポリイミドからなる第2の絶縁樹脂層33と、第2の絶縁樹脂層33の上に設けられた第2の導体層21とを備えている。
【0034】
さらに、第1および第2の絶縁樹脂層32,33を貫通して第1の導体層22と第2の導体層21とを導通させる導体23a,23bが設けられており、第1の導体層22および第2の導体層21ならびに前記導体23a,23bにより、ソレノイドコイル20が構成されている。また、磁気コア34は、図6に示すように、ソレノイドコイル20の内部に配置され、第1の絶縁樹脂層32が、400℃以上の温度でベークされたポリイミドから形成されている。
【0035】
本形態例の磁気センサ30によれば、第1の導体層22と磁気コア34との間に設けられた第1の絶縁樹脂層32が、400℃以上の温度でハードベークされたポリイミドから形成されていることによって、400℃未満の温度でベークした場合に比べて熱による体積変化が小となり、ポリイミドの磁場中熱処理時の収縮を抑制することができ、磁歪による特性劣化を抑制することができる。磁気コア34がソレノイドコイル20の内部に配置されることにより、平面スパイラルコイルを用いてバイアス磁界を印加する場合に比べて磁束の鎖交面積が大きく、磁束と電流の変換効率をより良いものとすることができる。
【0036】
非磁性基板31としては、熱酸化シリコン基板等の半導体基板のほか、ガラス基板、セラミック基板などが挙げられる。
磁気コア34の構成は、上述の第1形態例における磁気コア14と同様に選択が可能であり、本形態例の磁気センサ30においても、磁気コア34の本数は、1本でも複数本でもよく、特に限定されない。ソレノイドコイル20の構成も第1形態例と同様に構成することができる。
【0037】
本形態例においては、ソレノイドコイル20に電流を流すための電極37および磁気コア34に高周波電流またはパルス電流を印加するための電極24が第2の絶縁樹脂層33の上に設けられているので、これら電極37,24への導通を確保する開口部を残すほかは、第2の絶縁樹脂層33および第2の導体層21の上の所望の箇所に、任意に保護層(図示せず)を形成することができる。ソレノイドコイル20の上側配線となる第2の導体層21を保護することで、外部からソレノイドコイル20への悪影響を抑制することができる。保護層は、例えばポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、シリコーンなどの樹脂により形成することができる。
【0038】
次に、本発明の第2形態例に係る磁気センサ30の製造方法の一例について説明する。
まず、非磁性基板31の一方の面31a上に、複数の線状の導体パターンを有する第1の導体層22を形成する。第1の導体層22は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、クロム(Cr)などの導体を、スパッタ、めっき等の手法により、1層単独で、もしくは2層以上の積層体として、形成することができる。
【0039】
次に、非磁性基板31の一方の面31aおよび第1の導体層22の上に、第1の導体層22の各導体パターンの一方の側の端部22aと整合する位置に設けられた第1の開口部32aと、第1の導体層22の各導体パターンの他方の側の端部22bと整合する位置に設けられた第2の開口部32bを有する第1の絶縁樹脂層32を、ポリイミドを用いて形成する。第2形態例においては、第1の絶縁樹脂層32を構成するポリイミドをベークするときの温度は、400℃以上とする。これにより、SiO層を設けなくとも、磁気コア34の特性劣化等の問題を解決することができる。
【0040】
次に、第1の絶縁樹脂層32の上に、軟磁性体膜からなる磁気コア34を形成し、回転磁場中熱処理と静磁場中熱処理とにより、磁気コア34に一軸異方性を付与する。磁気コアに一軸異方性を付与するとき、回転磁場中熱処理と静磁場中熱処理の温度を、400℃以下とすることが好ましい。
【0041】
ここで、磁気コア34が複数本並行して形成されたものである場合には、磁気コア34を電気的に接続するための導体層35を形成する。また、磁気コア34の両端に、電極37との導通を容易にするための導体層36を設けることができる。これら導体層35,36は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、クロム(Cr)などの導体を、スパッタ、めっき等の手法により、1層単独で、もしくは2層以上の積層体として、形成することができる。導体層35,36の形成は、磁気コア34に一軸異方性を付与する工程の前に行っても、後に行ってもよい。
【0042】
次に、第1の絶縁樹脂層32と磁気コア34の上に、第1の開口部32aと整合する位置に設けられた第3の開口部33aと、第2の開口部32bと整合する位置に設けられた第4の開口部33bと、磁気コア34の端部と電気的に接続可能な位置に設けられた第5の開口部33cを有する第2の絶縁樹脂層33を、ポリイミドを用いて形成する。第5の開口部33cは、導体層36を設けた場合には、この導体層36と整合する位置に設ければよく、導体層36を設けない場合には、磁気コア34の端部と整合する位置に設ける。
【0043】
次に、第1の開口部32aおよび第3の開口部33aに導体を充填して第1の絶縁樹脂層32および第2の絶縁樹脂層33を貫通する第1の貫通導体23aと、第2の開口部32bおよび第4の開口部33bに導体を充填して第1の絶縁樹脂層32および第2の絶縁樹脂層33を貫通する第2の貫通導体23bと、第5の開口部33cに導体を充填して第2の絶縁樹脂層33を貫通する第3の貫通導体39(図7参照)を設ける。また、第2の絶縁樹脂層33の上に、第1の貫通導体23aを介して第1の導体層22の各導体パターンの一方の側の端部22aと導通するとともに、第2の貫通導体23bを介して第1の導体層22の各導体パターンの他方の側の端部22bと導通する複数の線状の導体パターンを有する第2の導体層21を形成する。また、第2の導体層21とともに、ソレノイドコイル20に電流を流すための電極37および磁気コア34に高周波電流またはパルス電流を印加するための電極24を形成する。
以上により、第2形態例の磁気センサ30が得られる。さらに、保護層を形成する工程などを追加してもよい。
【0044】
以上説明したように、本発明によれば、以下のような効果がある。
(1)ソレノイドコイル20の下側の配線となる第1導体層22と、磁気コア14,34間の絶縁層としてポリイミドからなる樹脂層(第1の絶縁樹脂層12,32)を設けることにより、第1導体層22のパターンによる凹凸を緩和することができ、磁気コア14,34となる軟磁性体膜の特性劣化を抑えることができる。
【0045】
(2)ポリイミドのような樹脂材料を絶縁層としたソレノイドコイル20の配線内に設けた磁気コア14の下部に、機械的強度に優れたSiO層18を設けることにより、熱履歴が加わった際の樹脂の体積変化により磁気コア14に入る歪みを低減することができ、磁歪の逆効果による磁気特性の劣化を防ぐことができる。
【0046】
(3)また、ポリイミドのような樹脂材料を絶縁層としたソレノイドコイル20を形成する上では、磁気コア14,34形成後の上部絶縁層(第2の絶縁樹脂層13,33)であるポリイミドのイミド化ベークの際に熱擾乱により磁気コア14,34の一軸異方性が劣化するおそれがあるが、これを静磁場中にて行うことで、劣化を防ぐことができる。
【0047】
(4)第1の絶縁樹脂層12,32のポリイミドのイミド化ベーク温度を400℃以上とすることで、樹脂の熱履歴による収縮を抑えることができ、磁気コア14,34に対する磁歪の影響や、SiO層18の剥離を抑えることができる。感光性のポリイミド前駆体は、フォトリソグラフィによるパターン形成後の熱処理によりイミド化が進行しポリイミドとなる。この際の熱処理温度の影響であるが、一般に200〜250℃以上の温度でイミド化が進行し、ポリイミドとなる。しかし、低温でイミド化を進行させると、イミド化が十分でない上に、溶媒や、イミド化の反応生成物が抜けた部分などが分子の隙間として存在し、密度が小さく、機械的、化学的にも弱いものになる。この状態で熱処理を加えると、熱処理時にポリイミドの分子主鎖が流動し、分子主鎖の隙間を埋めるために体積収縮が起こる。この体積収縮により、軟磁性体膜からなる磁気コア14,34に歪みが生じ、磁歪の逆効果による特性劣化が起こったり、SiOの剥離が起こったりする。一方、400℃以上の高温でイミド化を進行させると、イミド化が十分に進行することに加え、イミド化したポリイミドの分子主鎖が流動し、溶媒や、イミド化の反応生成物が抜けた部分などを埋めるため、高密度で、機械的、化学的に強固なものになり、後に熱処理を加えても体積変化は小さくなる。その結果、ポリイミドの磁場中熱処理時の収縮を抑制することができ、磁歪による特性劣化を抑制することができる。
【0048】
以下は、本発明の第1形態例に係る磁気センサの作製方法の詳細な一例である。
熱酸化シリコン基板上に、クロム(Cr)もしくはチタン―タングステン(TiW)等の密着層を介して銅(Cu)をスパッタにより、約1μm成膜する。フォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィにより所望のパターンを形成した後、ウエットエッチングを行い、レジストを剥離することにより、コイル下層配線を得る。このとき、代わりに、熱酸化シリコン基板上に、スパッタによりCuを100nm程度成膜した後レジストフレームを形成し、めっきにより1μm程度Cuを成膜することでコイル下層配線を得てもよい。
【0049】
このコイル下層配線の上に、感光性のポリイミド前駆体を、イミド化後の膜厚が5〜30μmとなるように塗布し、フォトリソグラフィによりコイル下層配線と上層配線の導通部に開口部(第1、第2の開口部)を設け、400℃4時間窒素雰囲気にて熱処理を施し、硬化する。その後プラズマCVDによりSiOを1μm成膜した後、レジストを塗布し、フォトリソグラフィにより所望のパターンを形成した後、エッチングを行い、レジストを剥離してSiO層を得る。このとき、SiO層の形状は、磁気コアの形成される領域を囲み、かつソレノイドコイルの上層配線と下層配線の導通部には残らないように形成する。また、上下導通部のポリイミド開口部よりも広い開口部を有するように形成する。
【0050】
この上にレジストフレームを形成した後、コバルト―ニオブ―ジルコニウム(CoNbZr)をスパッタにより1〜5μm成膜し、リフトオフによりパターニングして並行して複数個形成した磁気コアを得る。この上にCr、TiWなどの密着層を介してCuをスパッタ成膜した後、フォトリソグラフィによりレジストフレームを形成し、開口部にめっきすることで、並行して複数個形成した磁気コアを直接に接続するパッド(導体層)、および磁気コアの端部のパッドを形成する。その後、300〜400℃、3kGの真空中にて回転磁場中熱処理を2時間、次いで静磁場中熱処理を1時間行い、磁気コアの幅方向に一軸異方性を付与する。
なお磁気コアの材料としてCoTaZr、CoFeSiB、NiFe、FeSiAl等を用いた場合においても、同様にスパッタにより成膜することができる。NiFeを用いた場合は、めっきにより成膜してもよい。
【0051】
その上に感光性ポリイミド前駆体を塗布し、下層配線となるCu配線および磁気コアの端部に設けたCuパッドとの電気的なコンタクトを取るための開口部(第3ないし第5の開口部)をフォトリソグラフィにより形成する。続いて、感光性ポリイミド前駆体をイミド化させるために真空中、もしくは窒素雰囲気にて250〜380℃程度の温度で1時間熱処理を行う。この際、熱処理時に前工程の磁場中熱処理により付与した磁気コアの一軸異方性が乱されるのを防ぐため、数百Oeから数kOeの静磁場中にて熱処理することが望ましい。
【0052】
続いて、スパッタによりCuを100nm程度成膜した後レジストフレームを形成し、めっきにより1〜10μm程度のCuを成膜することでコイル上層配線を得る。この上に、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、シリコーンなどの樹脂を塗布し、外部回路と電気的なコンタクトをとるための開口部をフォトリソグラフィにより形成する。続いて、これらの樹脂を硬化させるためのベークを行い、保護層とする。この際にも、数百Oeから数kOeの静磁場中にて熱処理することが望ましい。
以上により、本発明の第1形態例に係る磁気センサが得られる。
【0053】
以下は、本発明の第2形態例に係る磁気センサの作製方法の詳細な一例である。
熱酸化シリコン基板上に、クロム(Cr)もしくはチタン―タングステン(TiW)等の密着層を介して銅(Cu)をスパッタにより、約1μm成膜する。フォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィにより所望のパターンを形成した後、ウエットエッチングを行い、レジストを剥離することにより、コイル下層配線を得る。このとき、代わりに、熱酸化シリコン基板上に、スパッタによりCuを100nm程度成膜した後レジストフレームを形成し、めっきにより1μm程度Cuを成膜することでコイル下層配線を得てもよい。
【0054】
このコイル下層配線の上に、感光性のポリイミド前駆体を、イミド化後の膜厚が5〜30μmとなるように塗布し、フォトリソグラフィによりコイル下層配線と上層配線の導通部に開口部(第1、第2の開口部)を設け、400℃4時間窒素雰囲気にて熱処理を施し、硬化する。
【0055】
この上にレジストフレームを形成した後、コバルト―ニオブ―ジルコニウム(CoNbZr)をスパッタにより1〜5μm成膜し、リフトオフによりパターニングして並行して複数個形成した磁気コアを得る。この上にCr、TiWなどの密着層を介してCuをスパッタ成膜した後、フォトリソグラフィによりレジストフレームを形成し、開口部にめっきすることで、並行して複数個形成した磁気コアを直接に接続するパッド(導体層)、および磁気コアの端部のパッドを形成する。その後、300〜400℃、3kGの真空中にて回転磁場中熱処理を2時間、次いで静磁場中熱処理を1時間行い、磁気コアの幅方向に一軸異方性を付与する。
【0056】
その上に感光性ポリイミド前駆体を塗布し、下層配線となるCu配線および磁気コアの端部に設けたCuパッドとの電気的なコンタクトを取るための開口部(第3ないし第5の開口部)をフォトリソグラフィにより形成する。続いて、感光性ポリイミド前駆体をイミド化させるために真空中、もしくは窒素雰囲気にて250〜380℃程度の温度で1時間熱処理を行う。この際、熱処理時に前工程の磁場中熱処理により付与した磁気コアの一軸異方性が乱されるのを防ぐため、数百Oeから数kOeの静磁場中にて熱処理することが望ましい。
【0057】
続いて、スパッタによりCr密着層、Cuシード層を250nm程度成膜した後レジストフレームを形成し、めっきにより1〜10μm程度のCuを成膜することでコイル上層配線を得る。
以上により、本発明の第2形態例に係る磁気センサが得られる。
【実施例】
【0058】
図8は、比較例として、ポリイミドを塗布し、イミド化ベークを375℃、1時間行った上に形成した磁気インピーダンス効果素子(図5〜7に示す構造において第1の絶縁樹脂層が375℃でベークしたポリイミドからなるもの)の、300MHzでの印加磁場とインピーダンスとの関係を記したグラフである。また、図9は、実施例1として、ポリイミドを塗布し、イミド化ベークを375℃、1時間行った上にSiO層を1μm成膜し、そのSiO層の上に形成した磁気インピーダンス効果素子(図1〜4に示す構造において第1の絶縁樹脂層が375℃でベークしたポリイミドからなるもの)の、300MHzでの印加磁場とインピーダンスとの関係を記したグラフである。2つの磁気インピーダンス効果素子(MI素子)の作製条件(膜厚1μm、長さ0.5mm、幅方向のライン/スペース:30μm/20μm、ミアンダのターン回数:1ターン、回転磁場中熱処理360℃;2時間、静磁場中熱処理360℃;1時間)は同じである。図8、図9において、縦軸は、印加磁場が0のときのインピーダンス(Z)との比(Z/Z)により表示した。
【0059】
図8では、磁場中熱処理時のポリイミドの収縮により軟磁性体膜に歪みが生じ、磁歪による長手方向への異方性が磁場中熱処理により付与された幅方向への異方性よりも大きくなり、長手方向に一軸異方性を付与したMI素子のような特性を示していた。一方、ポリイミド上にSiOを成膜したものでは、図9に示すように、ポリイミドの収縮による歪みがヤング率の大きいSiOにより緩和され、磁気コア自体に対する歪みが小さく、磁歪による異方性の影響が小さいことが判った。このことから、ソレノイドコイルの内部に磁気コアを有する構造の磁気センサにおいて、磁気コア(MI素子)下側の絶縁層にポリイミドを用いた場合、該ポリイミドの上にSiOを成膜することにより、特性劣化が抑えられることが判った。
【0060】
また、図10は、実施例2として、ポリイミドを塗布し、イミド化ベークを400℃、4時間行った上に形成した磁気インピーダンス効果素子(図5〜7に示す構造において第1の絶縁樹脂層が400℃でベークしたポリイミドからなるもの)の、300MHzでの印加磁場とインピーダンスとの関係を記したグラフである。また、図11は、実施例3として、ポリイミドを塗布し、イミド化ベークを400℃、4時間行った上にSiO層を1μm成膜し、そのSiO層の上に形成した磁気インピーダンス効果素子(図1〜4に示す構造において第1の絶縁樹脂層が400℃でベークしたポリイミドからなるもの)の、300MHzでの印加磁場とインピーダンスとの関係を記したグラフである。2つの磁気インピーダンス効果素子(MI素子)の作製条件(膜厚1μm、長さ0.5mm、幅方向のライン/スペース:30μm/20μm、ミアンダのターン回数:1ターン、回転磁場中熱処理360℃;2時間、静磁場中熱処理360℃;1時間)は同じである。図10、図11において、縦軸は、印加磁場が0のときのインピーダンス(Z)との比(Z/Z)により表示した。
【0061】
図10、図11に示すように、ソレノイドコイルの内部に磁気コアを有する構造の磁気センサにおいて、磁気コア(MI素子)下側の絶縁層に400℃でベークしたポリイミドを用いることにより、特性劣化が抑えられ、かつ、図8、図9のものよりも特性が向上していた。このことから、イミド化ベークの温度を400℃以上にすることで、それ未満の温度でベークした場合に比べて熱による体積変化が小となり、ポリイミドの磁場中熱処理時の収縮を抑制することができ、磁歪による特性劣化を抑制することが可能であることが判った。
【0062】
図12は、上記実施例3の磁気センサにおいて、同一ウェハ上の異なる4点で、300MHzでの印加磁場とインピーダンスとの関係を記したグラフである。
同一ウェハ上であれば、どの点においても同様な印加磁場とインピーダンスとの関係が観察され、信頼性の高さが観察された。
【0063】
図13は、実施例4として、ポリイミドを塗布し、イミド化ベークを400℃で4時間行って形成した磁気センサのソレノイドコイルにDC電流を通電し、磁気インピーダンス効果素子(図5〜7に示す構造において、第1の絶縁樹脂層が400℃でベークしたポリイミドからなるもの)に、300MHzの高周波電流を通電した際の、磁気センサにおけるインピーダンス―磁界曲線を示したグラフである。コイルに関しては、巻き数:16.5回、幅方向のライン/スペース:15μm/10μmである。また、磁気インピーダンス効果素子(MI素子)の作製条件は、膜厚:1μm、長さ:0.5mm、幅方向のライン/スペース:30μm/20μm、ミアンダのターン数:1ターン、回転磁場中熱処理:400℃;2時間、静磁場中熱処理:400℃;1時間である。図13において、横軸は磁場の強さ、縦軸はインピーダンスである。
【0064】
図13に示すように、コイルへの10mAの通電により、3.3Oeのバイアス磁界が印加されていることが判った。この際の磁界発生効率は、0.33Oe/mAであった。このことから、対称な曲線を描き、0磁界付近では感度を持たない磁気インピーダンス効果素子の特性が、ソレノイドコイルへのバイアス電流の通電により、0磁界付近で感度を有していることが判った。これにより、磁気インピーダンス効果方式で駆動した際に、0磁界付近で感度を有するセンサを実現することが可能となる。
【0065】
図14は、コイルの巻き数を12.5回、あるいは8.5回として実施例4と同様に作製した磁気センサにおいて、ソレノイドコイルの巻き数とバイアス発生効率(Oe/mA)との関係を示した図である。図14において、横軸はソレノイドコイルの巻き数、縦軸は磁界発生効率(Oe/mA)を表している。
【0066】
図14に示すように、バイアス磁界発生効率は、ソレノイドコイルの巻き数に比例していることが判った。このことから、ソレノイドコイルの巻き数が多いほどバイアス磁界発生効率が良くなることが判った。
【0067】
図15は、実施例4において、パルス状の励磁電流を通電した際に、ソレノイドコイルに生じる誘導出力を示した図である。図15において、上段の波形は励磁パルス電圧を示しており、下段の波形は、ソレノイドコイルの出力電圧を示している。
励磁パルス電圧のパルス立ち上がり部と立下り部において、ソレノイドコイルでは誘導出力が得られることが判った。なお、この誘導出力の高さ(大きさ)は、外部磁界により変化する。
【0068】
図16は、コイルの巻き数を16回とした実施例4において、図15に示すようなパルス状の励磁電流を通電した際の、外部磁界による誘導出力の変化を示したグラフである。測定条件に関しては、電圧:3.0V、電流:124mA、立ち上がり時間:3ns、パルス幅:30ns、周期1msのパルスを入力している。横軸は磁場の強さ(Oe)、縦軸は誘導出力(mV)を表している。
【0069】
図16に示すように、本発明の磁気センサにおいて、パルス入力をした際に0磁界付近で線形な特性を示す直交フラックスゲート素子の特性が得られていることが判った。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の磁気センサは、携帯電話やPDA(携帯情報端末)等のモバイル機器、そのほか各種機器に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の磁気センサの一形態例を示す図面であり、(a)は絶縁樹脂層が透明であるかのように上方から透視して図示した透視図、(b)は(a)のI−I線に沿う断面図である。
【図2】図1に示す磁気センサの分解斜視図である。
【図3】図1(a)のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図1(a)のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】本発明の磁気センサの改変例を示す図面であり、(a)は絶縁樹脂層が透明であるかのように上方から透視して図示した透視図、(b)は(a)のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図5(a)のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図5(a)のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】比較例の磁気センサの特性を測定した結果を示すグラフである。
【図9】実施例1の磁気センサの特性を測定した結果を示すグラフである。
【図10】実施例2の磁気センサの特性を測定した結果を示すグラフである。
【図11】実施例3の磁気センサの特性を測定した結果を示すグラフである。
【図12】実施例3の同一ウェハ上の異なる4点で、その特性を測定した結果を示すグラフである。
【図13】実施例4の磁気センサを磁気インピーダンス効果素子として駆動した際の磁気インピーダンス特性を測定した結果を示すグラフである。
【図14】実施例4の磁気センサを磁気インピーダンス効果素子として駆動した際のバイアス磁界発生効率を測定した結果を示すグラフである。
【図15】実施例4の磁気センサにおける励磁パルスとコイルからの出力を示した図である。
【図16】実施例4の磁気センサの直交フラックスゲート素子として駆動した際の特性を測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0072】
10…磁気センサ、11…非磁性基板、12…第1の絶縁樹脂層、12a…第1の開口部、12b…第2の開口部、13…第2の絶縁樹脂層、13a…第3の開口部、13b…第4の開口部、13c…第5の開口部、14…磁気コア、17…電極(磁気コア用の電極パッド)、18…SiO層、20…ソレノイドコイル、21…第2の導体層、22…第1の導体層、23a,23b…第1の導体層と第2の導体層とを導通させる導体、24…電極(コイル用の電極パッド)、30…磁気センサ、31…非磁性基板、32…第1の絶縁樹脂層、32a…第1の開口部、32b…第2の開口部、33…第2の絶縁樹脂層、33a…第3の開口部、33b…第4の開口部、33c…第5の開口部、34…磁気コア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性基板と、
非磁性基板の一方の面上に設けられた第1の導体層と、
前記一方の面および前記第1の導体層の上に設けられたポリイミドからなる第1の絶縁樹脂層と、
前記第1の絶縁樹脂層の上に形成されたSiO層と、
前記SiO層の上に設けられた軟磁性体膜からなる磁気コアと、
前記磁気コアに高周波電流またはパルス電流を印加するための電極と、
前記第1の絶縁樹脂層、SiO層および磁気コアの上に設けられたポリイミドからなる第2の絶縁樹脂層と、
前記第2の絶縁樹脂層の上に設けられた第2の導体層とを備え、
前記第1の導体層および第2の導体層、ならびに前記第1および第2の絶縁樹脂層を貫通して前記第1の導体層と前記第2の導体層とを導通させる導体からなるソレノイドコイルが構成され、
前記ソレノイドコイルの内部に、前記SiO層上に設けられた前記磁気コアが配置されていることを特徴とする磁気センサ。
【請求項2】
非磁性基板と、
非磁性基板の一方の面上に設けられた第1の導体層と、
前記一方の面および前記第1の導体層の上に設けられたポリイミドからなる第1の絶縁樹脂層と、
前記第1の絶縁樹脂層の上に設けられた軟磁性体膜からなる磁気コアと、
前記磁気コアに高周波電流またはパルス電流を印加するための電極と、
前記第1の絶縁樹脂層および磁気コアの上に設けられたポリイミドからなる第2の絶縁樹脂層と、
前記第2の絶縁樹脂層の上に設けられた第2の導体層とを備え、
前記第1の導体層および第2の導体層、ならびに前記第1および第2の絶縁樹脂層を貫通して前記第1の導体層と前記第2の導体層とを導通させる導体からなるソレノイドコイルが構成され、
前記ソレノイドコイルの内部に、前記第1の絶縁樹脂層上に設けられた前記磁気コアが配置され、
前記第1の絶縁樹脂層が、400℃以上の温度でベークされたポリイミドからなることを特徴とする磁気センサ。
【請求項3】
非磁性基板の一方の面上に複数の線状の導体パターンを有する第1の導体層を形成する工程と、
前記一方の面および前記第1の導体層の上に、前記第1の導体層の各導体パターンの一方の側の端部と整合する位置に設けられた第1の開口部および前記第1の導体層の各導体パターンの他方の側の端部と整合する位置に設けられた第2の開口部を有するポリイミドからなる第1の絶縁樹脂層とを形成する工程と、
前記第1の絶縁樹脂層の上において、前記第1の開口部からなる列と前記第2の開口部からなる列との間の領域を少なくとも含み、かつ前記第1の開口部および前記第2の開口部の上を避けた位置にSiO層を形成する工程と、
前記SiO層の上に軟磁性体膜からなる磁気コアを形成する工程と、
前記磁気コアに回転磁場中熱処理と静磁場中熱処理とにより一軸異方性を付与する工程と、
前記第1の絶縁樹脂層、SiO層および磁気コアの上に、前記第1の開口部と整合する位置に設けられた第3の開口部、前記第2の開口部と整合する位置に設けられた第4の開口部、および前記磁気コアの端部と電気的に接続可能な位置に設けられた第5の開口部を有するポリイミドからなる第2の絶縁樹脂層を形成する工程と、
前記第1および第3の開口部に充填されて前記第1および第2の絶縁樹脂層を貫通する第1の貫通導体、前記第2および第4の開口部に充填されて前記第1および第2の絶縁樹脂層を貫通する第2の貫通導体、および前記第5の開口部に充填されて前記第2の絶縁樹脂層を貫通する第3の貫通導体を設ける工程と、
前記第2の絶縁樹脂層の上に、前記第1の貫通導体を介して前記第1の導体層の各導体パターンの一方の側の端部と導通するとともに、前記第2の貫通導体を介して前記第1の導体層の各導体パターンの他方の側の端部と導通する複数の線状の導体パターンを有する第2の導体層を形成する工程と、
前記第2の絶縁樹脂層の上に、前記第3の貫通導体を介して前記磁気コアに高周波電流またはパルス電流を印加するための電極を形成する工程と、を有することを特徴とする磁気センサの製造方法。
【請求項4】
非磁性基板の一方の面上に複数の線状の導体パターンを有する第1の導体層を形成する工程と、
前記一方の面および前記第1の導体層の上に、前記第1の導体層の各導体パターンの一方の側の端部と整合する位置に設けられた第1の開口部および前記第1の導体層の各導体パターンの他方の側の端部と整合する位置に設けられた第2の開口部を有するポリイミドからなる第1の絶縁樹脂層とを形成する工程と、
前記第1の絶縁樹脂層を構成するポリイミドを400℃以上の温度でベークする工程と、
前記400℃以上の温度でベークされた第1の絶縁樹脂層の上において、前記第1の開口部からなる列と前記第2の開口部からなる列との間の領域内に軟磁性体膜からなる磁気コアを形成する工程と、
前記磁気コアに回転磁場中熱処理と静磁場中熱処理とにより一軸異方性を付与する工程と、
前記第1の絶縁樹脂層および磁気コアの上に、前記第1の開口部と整合する位置に設けられた第3の開口部、前記第2の開口部と整合する位置に設けられた第4の開口部、および前記磁気コアの端部と電気的に接続可能な位置に設けられた第5の開口部を有するポリイミドからなる第2の絶縁樹脂層を形成する工程と、
前記第1および第3の開口部に充填されて前記第1および第2の絶縁樹脂層を貫通する第1の貫通導体、前記第2および第4の開口部に充填されて前記第1および第2の絶縁樹脂層を貫通する第2の貫通導体、および前記第5の開口部に充填されて前記第2の絶縁樹脂層を貫通する第3の貫通導体を設ける工程と、
前記第2の絶縁樹脂層の上に、前記第1の貫通導体を介して前記第1の導体層の各導体パターンの一方の側の端部と導通するとともに、前記第2の貫通導体を介して前記第1の導体層の各導体パターンの他方の側の端部と導通する複数の線状の導体パターンを有する第2の導体層を形成する工程と、
前記第2の絶縁樹脂層の上に、前記第3の貫通導体を介して前記磁気コアに高周波電流またはパルス電流を印加するための電極を形成する工程と、を有することを特徴とする磁気センサの製造方法。
【請求項5】
請求項3に記載の磁気センサの製造方法において、
前記第1の絶縁樹脂層を構成するポリイミドを400℃以上の温度でベークする工程を、前記第1の絶縁樹脂層を形成する工程の後であって、かつ前記SiO層の上に磁気コアを形成する工程の前に有することを特徴とする磁気センサの製造方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の磁気センサの製造方法において、
前記磁気コアに回転磁場中熱処理と静磁場中熱処理とにより一軸異方性を付与する工程を、400℃以下の温度で行うことを特徴とする磁気センサの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−275578(P2008−275578A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−263283(P2007−263283)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】