説明

磁気ディスク装置、磁気ディスク再生方法およびプログラム

【課題】磁気ディスクにデータが記録されてからの経過時間に応じて適切な復号処理をすること。
【解決手段】データが記録された磁気ディスクを読み取って、得られた信号を出力する読取部と、読取部により読み取られたデータが磁気ディスクに記録されてから読取部に読み取られるまでの時間長さを特定する経過時間特定部と、読取部により得られた信号に対して、経過時間特定部が特定した時間長さに応じて異なる信号処理を施すことにより、磁気ディスクに記録されたデータを算出する信号処理部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ディスク装置、磁気ディスク再生方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
歪み成分が異なる複数再生信号に対し、各々の再生信号に適応等化を行うとされる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−311442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載の技術によると、ノイズ特性が大きく異なるような波形で等化処理が決定されると、復号エラーとなる確率が高まってしまう場合がある。また、データが記録されてからの時間に応じて等化処理されないので、記録磁化の経時劣化を補正することができない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の一態様においては、磁気ディスク装置であって、データが記録された磁気ディスクを読み取って、得られた信号を出力する読取部と、読取部により読み取られたデータが磁気ディスクに記録されてから読取部に読み取られるまでの時間長さを特定する経過時間特定部と、読取部により得られた信号に対して、経過時間特定部が特定した時間長さに応じて異なる信号処理を施すことにより、磁気ディスクに記録されたデータを算出する信号処理部とを備える。
【0005】
磁気ディスクにデータが記録されてからの時間長さに対応づけて、磁気ディスクに記録されてから当該時間長さに対応する長さの時間が経過したデータに対する読み取り信号を処理する場合に用いるべき信号処理パラメータを格納するパラメータ格納部をさらに備え、信号処理部は、経過時間特定部が特定した時間長さに対応する時間長さに対応づけてパラメータ格納部が格納している信号処理パラメータを用いて、読取部により得られた信号に対して信号処理を施してよい。
【0006】
パラメータ格納部は、磁気ディスクにデータが記録されてからの時間長さに対応づけて、磁気ディスクに記録されてから当該時間長さに対応する長さの時間が経過したデータに対する読み取り信号における経時劣化を補正する場合に用いるべき、信号処理パラメータを格納してよい。
【0007】
磁気ディスク上の複数のデータ領域のうち、連続するデータが記録された複数のデータ領域を特定する連続データ特定部をさらに備え、経過時間特定部は、連続データ特定部により特定された複数のデータ領域の少なくとも1つのデータ領域にデータが記録されてからの時間長さを特定し、信号処理部は、連続データ特定部により特定された複数のデータ領域から読み取ることにより得られた信号に対して、それぞれ同じ信号処理パラメータを用いて信号処理を施してよい。
【0008】
信号処理部は、連続データ特定部により特定された複数のデータ領域の少なくとも1つのデータ領域を読取部が読み取ることにより得られた信号を復号して、当該データ領域に記録されたデータを算出し、磁気ディスク装置は、信号処理部における少なくとも1つのデータ領域から読み取られた信号に対する復号結果に基づいて、磁気ディスクに記録されてから経過時間特定部により特定された時間長さに対応する長さの時間が経過したデータに対する読み取り信号を復号する場合に用いるべき、当該信号の経時劣化を補正する信号処理パラメータを算出するパラメータ算出部をさらに備え、パラメータ格納部は、パラメータ算出部が算出した信号処理パラメータを格納し、信号処理部は、連続データ特定部により特定された複数のデータ領域における他のデータ領域を読取部が読み取ることにより得られた新たな信号に対して、パラメータ格納部が格納している、少なくとも1つのデータ領域からの信号に対する復号結果に基づいて算出された信号処理パラメータを用いて信号処理を施すことにより、新たな信号の経時劣化を補正してよい。
【0009】
パラメータ算出部は、信号処理部による復号処理が成功した信号に対する復号結果に基づいて、信号処理パラメータを算出してよい。
【0010】
信号処理部は、新たな信号に対して予め定められた復号処理を施し、予め定められた復号処理が成功しなかったことを条件として、パラメータ格納部が格納している信号処理パラメータを用いて、新たな信号を復号してよい。
【0011】
経過時間特定部は、読取部により得られた信号の波形に基づいて、経過時間を特定してよい。
【0012】
信号処理パラメータを外部から取得する外部情報取得部をさらに備え、パラメータ格納部は、外部情報取得部が取得した信号処理パラメータを格納してよい。
【0013】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
図1は、一実施形態に係る磁気ディスク装置10の全体構成の一例を示す。以下に説明するように、磁気ディスク装置10は、ハードディスク装置として機能することができる。他にも、磁気ディスク装置10としては、光磁気ディスク装置を例示することができる。また、以下に説明する磁気ディスク装置10の機能および動作のうち、再生信号の劣化特性に応じた信号処理などは、光ディスクを読み取る光ディスク装置に応用することもできる。
【0016】
磁気ディスク装置10は、磁気ディスク20、記録再生ヘッド30、信号処理部100、パラメータ格納部130、経過時間特定部180、書込タイミング記憶部182、連続データ特定部184、出力部198を備える。本図のA部に、記録再生ヘッド30のブロック構成が示されているとおり、記録再生ヘッド30は、再生ヘッド32および記録ヘッド34を有する。
【0017】
磁気ディスク装置10は、ホストコンピュータ50からデジタルデータを受け取って、磁気記録媒体の一例である磁気ディスク20に記録する。なお、本図では、データを記録する記録系のブロック構成は省略した。なお、再生ヘッド32は、磁気ディスク20のトラックを読み取る読取部の一例であり、記録ヘッド34は、磁気ディスク20に磁気的に書き込む書込部の一例であってよい。
【0018】
磁気ディスク20には、データが磁気的に記録される。具体的には、磁気ディスク20には、データ列が磁気ディスク20の記録面に2次元的に記録される。なお、磁気ディスク20に磁気的に記録されるデータとは、例えばホストコンピュータから送信されたデジタルデータであってよい。また、当該データとは、ホストコンピュータから送信されたデジタルデータをNRZ符号化・NRZI符号化などの所定の符号化方式で符号化して得られたデジタルデータなど、磁気ディスク20の記録面にビット値に対応する磁化情報として実際に記録されるべきデジタルデータであってよい。なお、磁気ディスク20には、磁化方向の情報としてデータが記録される。
【0019】
記録ヘッド34は、磁気ディスク20のトラックにデータを磁気的に書き込む。記録ヘッド34は、トラックに書き込まれるべきデータに応じた強度の磁場を印可することにより、磁気ディスク20の記録層に含まれる磁性粒子層に磁化情報としてデータを書き込む。記録ヘッド34は、モータにより磁気ディスク20が回転している状態で、トラックに対してデータを連続的に書き込む。このように、記録ヘッド34は、磁気ディスク20の記録面上を移動しながらデータを書き込む。
【0020】
再生ヘッド32は、磁気ディスク20のトラックを読み取る。再生ヘッド32は、モータにより磁気ディスク20が回転している状態で、トラックを連続的に読み取る。このように、再生ヘッド32は、磁気ディスク20の記録面上を移動しながら読み取る。再生ヘッド32は、磁気ディスク20のトラックを磁気的に読み取ることにより得られた信号を出力する。なお、再生ヘッド32から出力される信号はアナログ信号であってよい。
【0021】
再生ヘッド32は、再生ヘッド32の位置における磁場強度に応じた信号を出力する。再生ヘッド32が出力する信号は、磁気ディスク20の記録層に含まれる磁性粒子層の各磁性粒子の磁化方向に応じた信号となる。再生ヘッド32としては、MR効果を利用したMRヘッド、GMR効果を利用したGMRヘッド、TMR効果を利用したTMRヘッドなどを例示することができる。
【0022】
再生ヘッド32が出力した信号は、信号処理部100に供給される。信号処理部100は、再生ヘッド32が出力した信号に信号処理を施して、磁気ディスク20に記録されたデータを算出する。信号処理部100は、再生ヘッド32から得られた信号を復号して、磁気ディスク20に記録されたデータを算出する。出力部198は、信号処理部100が算出したデータをホストコンピュータ50に伝送する。
【0023】
信号処理部100は、波形整形部110および復号処理部120を有する。波形整形部110は、再生ヘッド32からの信号に波形整形処理を施す。波形整形部110は、再生ヘッド32からの信号波形を、復号処理部120における復号処理に適した波形に整形する。復号処理部120は、波形整形部110により整形された信号を復号することにより、トラックに記録されたデータを算出する。なお、波形整形部110は、再生ヘッド32から出力されたアナログ信号に対して波形整形処理を施すが、内部の処理では、アナログ信号をデジタルに変換したデジタル信号に波形整形処理を施してよい。また、信号処理部100は、PRML方式、ピークデテクト方式など、種々のデコード方式を含む信号処理により、磁気ディスク20に記録されたデータを算出することができる。
【0024】
以上、記録再生ヘッド30、信号処理部100、および出力部198の動作の概要を説明した。以下に、信号処理部100による信号処理の詳細について説明する。なお、以下の説明において、再生ヘッド32が磁気ディスク20を読み取ることにより得られた信号を、単に読取信号と呼ぶ。また、磁気ディスク20の記録面におけるデータが記録された特定の領域を再生ヘッド32が読み取ることにより得られた信号のことを、特定の領域に対する読取信号と呼ぶ場合がある。また、特定のデータが記録された領域を再生ヘッド32が読み取ることにより得られた信号のことを、特定のデータに対する読取信号と呼ぶ場合がある。このような記述は、説明の冗長さをなくして意味内容を理解し易くすることを目的としており、他の特別な意味内容に限定するものではない。
【0025】
経過時間特定部180は、再生ヘッド32により読み取られたデータが磁気ディスク20に記録されてからの時間長さを特定する。信号処理部100は、再生ヘッド32により得られた信号に対して、経過時間特定部180が特定した時間長さに応じて異なる信号処理を施すことにより、磁気ディスク20に記録されたデータを算出する。
【0026】
例えば、信号処理部100は、読取信号における経時劣化を補正する。なお、読取信号における経時劣化を補正するとは、読取信号に含まれる、経時劣化による成分の強度を低減することを意味する。経時劣化としては、熱減磁によるものを例示することができる。
【0027】
例えば、隣接する2つの記録磁区の間で、一方の記録磁区に記録された磁化情報が、他方の記録磁区に記録された磁化情報に影響を受ける場合がある。この場合に、磁性粒子が微小であるほど影響を受けやすいので、記録磁区内において微小な磁性粒子の密度に応じて、読取信号の強度が変わる場合がある。このため、読取信号の波形は時間的に小さく変化して、その結果信号が劣化してしまう。信号の劣化量は、記録されてからの時間長さが大きいほど大きくなり、その結果、復号誤りが生じる確率が高まる場合がある。
【0028】
具体的には、パラメータ格納部130は、磁気ディスク20にデータが記録されてからの時間長さに対応づけて、磁気ディスク20に記録されてから当該時間長さに対応する長さの時間が経過したデータに対する読取信号を処理する場合に用いるべき信号処理パラメータを格納する。より具体的には、パラメータ格納部130は、磁気ディスク20にデータが記録されてからの時間長さに対応づけて、磁気ディスク20に記録されてから当該時間長さに対応する長さの時間が経過したデータに対する読取信号における経時劣化を補正する場合に用いるべき、信号処理パラメータを格納する。なお、外部情報取得部132は、信号処理パラメータを磁気ディスク装置10の外部から取得してよい。そして、パラメータ格納部130は、外部情報取得部132が取得した信号処理パラメータを格納してよい。
【0029】
そして、信号処理部100は、経過時間特定部180が特定した時間長さに対応する時間長さに対応づけてパラメータ格納部130が記憶している信号処理パラメータを用いて、再生ヘッド32により得られた信号に対して信号処理を施す。これにより、読取信号における経時劣化を補正することができる。なお、「経過時間特定部180が特定した時間長さに対応する時間長さ」とは、経過時間特定部180が特定した時間長さとの間の時間差が予め定められた値より小さい時間長さを意味してよい。なお、以後の説明において、データが磁気ディスク20に記録されてからの時間長さのことを、単に「経過時間」と呼ぶ場合がある。
【0030】
なお、経過時間特定部180は、読取信号の波形に基づき、経過時間を特定してよい。上述したように経過時間に応じて信号波形に劣化が生じるので、信号波形の特徴量に基づき経過時間を特定することができる。具体的には、経過時間特定部180は、読取信号の波形から波形の特徴量を抽出して、抽出した特徴量に基づき、経過時間を特定してよい。
【0031】
特徴量としては、予め定められた周波数領域における周波数成分を例示することができる。具体的には、経過時間特定部180は、予め定められた周波数における周波数成分を算出して、算出した周波数成分に基づき、経過時間を特定してよい。経過時間特定部180は、経過時間の時間長さと周波数成分の大きさとが予め対応づけられたテーブルを記憶しており、当該テーブルの内容に基づき経過時間を特定してよい。
【0032】
その他、記録ヘッド34が磁気ディスク20にデータを書き込んだタイミングを記憶しておくことにより、経過時間を特定することもできる。具体的には、書込タイミング記憶部182は、磁気ディスク20にデータが書き込まれたタイミングを記憶する。そして、経過時間特定部180は、書込タイミング記憶部182が記憶しているタイミングに基づき、経過時間の時間長さを特定してもよい。なお、書込タイミング記憶部182は、フラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリにより実現されてよい。また、磁気ディスク20が経過時間特定部180として機能してもよい。つまり、記録ヘッド34が磁気ディスク20にデータを書き込んだ場合に、書き込みのタイミングを示すデータを、磁気ディスク20に書き込んでよい。経過時間特定部180は、当該書き込みのタイミングを示すデータを磁気ディスク20から読み出すことにより、経過時間を特定してよい。
【0033】
その他、経過時間特定部180は、経過時間を特定することができる情報をホストコンピュータ50から取得してよい。例えばホストコンピュータ50上で動作するオペレーティングシステムにおいて磁気ディスク20に記録されたあるファイル・データを読み出す場合、オペレーティングシステムが有するファイルシステムの機能により、ファイルの記録(更新)日時を特定することができる。
【0034】
例えば、ファイルシステムの機能によりファイルが磁気ディスク装置10から読み出される場合に、ファイル・データの読み出しに先立ち、ファイル・データが記録されている1以上のセクタを特定する情報を含む管理情報が磁気ディスク装置10から読み出される場合がある。当該管理情報に、ファイルが記録された日時情報が含まれている場合には、ファイル・データの読み出しに先立ち、当該ファイル・データが記録または更新された日時情報を特定することができる。これにより、ファイル・データが記録された1以上のセクタと、当該セクタに書き込まれた日時情報とを、ファイル・データの読み出しに先立って特定することができる。経過時間特定部180は、ファイルシステムの機能を通じて、当該1以上のセクタに対応づけて当該日時情報を受け取ることにより、経過時間を予め特定することができる。
【0035】
なお、複数のセクタにわたって記録される1ファイルのデータをファイルシステムが磁気ディスク装置10に記録する場合には、新規ファイルを書き込む場合においても既存のファイルを更新する場合においても、1ファイルのデータを表す全データ列を複数のセクタにわたって一度に書き込む場合がある。このような場合、複数のセクタには実質的に同じタイミングでデータが記録されることになるので、経過時間特定部180は、1ファイルのデータが記録される複数のセクタの経過時間を特定することができる。
【0036】
この場合、連続データ特定部184は、読み込み対象の複数のセクタが1ファイルのデータである旨の情報を、ファイルシステムの機能によりホストコンピュータ50から取得してよい。これにより、経過時間特定部180は、複数のセクタのそれぞれの経過時間を一括して特定することができる。このように、連続データ特定部184は、磁気ディスク20上の複数のデータ領域のうち、連続するデータが記録された複数のデータ領域を特定する。この場合、信号処理部100は、連続するデータが記録された複数のデータ領域のそれぞれに対する読取信号に、経過時間特定部180により特定された複数のデータ領域のうちの少なくとも1つに記録されたデータの経過時間に応じた信号処理パラメータを用いて、信号処理を施してよい。
【0037】
このように、経過時間特定部180は、連続データ特定部184により特定された複数のデータ領域の少なくとも1つのデータ領域にデータが記録されてからの時間長さを特定する。そして、信号処理部100は、連続データ特定部184により特定された複数のデータ領域から読み取ることにより得られた信号に対して、それぞれ同じ信号処理パラメータを用いて信号処理を施してよい。
【0038】
なお、信号処理パラメータは、信号処理部100における、連続するデータが記録された複数のデータ領域のうちの少なくとも1つの復号結果に基づき動的に決定されてよい。具体的には、信号処理部100は、連続データ特定部184により特定された複数のデータ領域の少なくとも1つのデータ領域を再生ヘッド32が読み取ることにより得られた信号を復号して、当該データ領域に記録されたデータを算出したとする。この場合に、パラメータ算出部190は、信号処理部100における少なくとも1つのデータ領域から読み取られた信号に対する復号結果に基づき、磁気ディスク20に記録されてから経過時間特定部180により特定された時間長さに対応する長さの時間が経過したデータに対する読取信号を復号する場合に用いるべき、当該信号の経時劣化を補正する信号処理パラメータを算出する。パラメータ格納部130は、パラメータ算出部190が算出した信号処理パラメータを記憶する。そして、信号処理部100は、連続データ特定部184により特定された複数のデータ領域における他のデータ領域を再生ヘッド32が読み取ることにより得られた新たな信号に対して、パラメータ格納部130が記憶している、少なくとも1つのデータ領域からの信号に対する復号結果に基づき算出された信号処理パラメータを用いて信号処理を施すことにより、新たな信号の経時劣化を補正する。
【0039】
これにより、磁気ディスク20の各個体の記録特性に応じて、信号処理パラメータを適切に決定することができる。例えば、上述した熱減磁による影響は、磁気ディスク装置10が置かれた温度環境・温度履歴によって大きく左右される。上述したように磁気ディスク20が動作している環境下で信号処理パラメータを算出することで、磁気ディスク装置10が置かれた温度環境・温度履歴に応じて適切に復号することができる場合がある。
【0040】
なお、以上の説明において、経過時間に応じて適切な信号処理パラメータを用いて読取信号に信号処理を施す場合における、磁気ディスク装置10の各部の動作を説明した。読取信号が劣化する要因としては、経過時間の他に、媒体ノイズなど種々の要因が考えられる。また、磁気ディスク20の各構成要素の個体差、磁気ディスク装置10が置かれた環境などにより、読取信号波形の劣化パターンは大きく異なる場合がある。このような場合、読取信号の劣化パターンに応じて、適切な信号処理パラメータが用いられることが望ましい。
【0041】
なお、上記において、略同一時刻に記録されたデータに対する読取信号の復号結果に基づき信号処理パラメータを算出する動作を説明したが、同様にして、類似する劣化パターンの読取信号に対しては、各劣化パターンに応じて異なる適切な信号処理パラメータを用いて信号処理を施すことが望ましい。具体的には、パラメータ算出部190は、信号処理部100における復号結果に基づき、再生ヘッド32により得られた信号の劣化特性に類似する信号劣化特性を有する信号を復号する場合に用いるべき信号処理パラメータを算出する。そして、パラメータ格納部130は、パラメータ算出部190が算出した信号処理パラメータを記憶する。そして、信号処理部100は、再生ヘッド32から新たな信号が得られた場合に、パラメータ格納部130が記憶している、新たな信号の劣化特性に類似する信号劣化特性を有する信号用の信号処理パラメータを用いて、新たな信号を復号する。
【0042】
他にも、パラメータ算出部190は、入力信号履歴、温度履歴、および衝撃履歴の少なくとも1つに基づき、信号処理パラメータを算出してよい。例えば、パラメータ算出部190は、入力信号履歴、温度履歴、衝撃履歴の少なくとも1つを変数とする関数に、入力信号履歴、温度履歴、および衝撃履歴の少なくとも1つの実測値を入力することにより、信号処理パラメータを算出してよい。履歴としては、入力信号、温度、および衝撃のそれぞれについての、強度、周波数、および位相を指標とした履歴データを例示することができる。履歴データとしては、強度、周波数、および位相そのもの、または、それらの累積値の少なくともいずれかを例示することができる。なお、関数に入力される変数の値は、基準値からの差であることが望ましい。基準値は正常状態での値に設定されることが望ましく、例えば加速度について言えは基準値は0に設定されていることが好ましい。また、当該関数は、復号結果の正誤にひもづけられた学習データから求めても良い。さらに、学習データはPCA、LPP等の次元圧縮、FFT、Wavelet変換等の周波数変換などによりデータ圧縮された状態で保持されてよい。なお、衝撃は加速度センサー等により計測することができる。
【0043】
以上説明した磁気ディスク装置10によると、読取信号に対する熱減磁の影響、経時劣化、媒体ノイズなどの、種々の信号劣化をある程度許容することができる。したがって、記録密度をより高めた磁気ディスク20を使用することができる場合がある。また、磁性粒子の大きさの不揃いをある程度許容することができるので、ローコストで製造された磁気ディスク20を使用することができる場合がある。また、より過酷な温度環境において磁気ディスク装置10を使用することができる場合がある。
【0044】
なお、信号処理部100、パラメータ格納部130、外部情報取得部132、経過時間特定部180、書込タイミング記憶部182、連続データ特定部184、出力部198は、集積回路として実装されてよい。例えば、ライトチャネルICとともに、リード・ライト・チャネルICとして実装されてよい。なお、パラメータ格納部130は、リードチャネルICまたはリード・ライト・チャネルICの内部のメモリ素子として実装されてよいし、外部のメモリ素子として実装されてもよい。パラメータ格納部130として実装されるメモリ素子は、RAMタイプのメモリ素子であってよい。
【0045】
図2は、読取信号の波形の一例を概念的に示す。ここでは、磁気ディスク20が垂直記録用の記録媒体であるとして、隣接する記録磁区間で異なるビット値が書き込まれているとする。
【0046】
垂直記録の場合、隣接する記録磁区の境界の磁化遷移領域では、互いに反磁界を打ち消すように作用することにより、強い磁化が形成される。記録磁区の内部では反磁界の影響により磁化は小さくなる。読取信号の劣化としては、記録磁区の境界の揺らぎに起因するもの、記録磁区内部に形成される不規則磁区などを例示することができる。これらの要因により、読取信号には、ジッタノイズ、立ち上がりのノイズ、読取信号の直流成分にのる重畳されるDCノイズが生じる。これらのノイズは、記録されてからの経過時間によって変動する場合がある。
【0047】
図3は、パラメータ格納部130が記憶しているデータの一例をテーブル形式で示す。パラメータ格納部130は、経過時間に対応づけて信号処理パラメータを格納している。
【0048】
パラメータ格納部130が記憶している信号処理パラメータは、上記のジッタノイズ、立ち上がりのノイズ、DCノイズに対する経過時間依存性を排除するフィルタであってよい。波形整形部110は、パラメータ格納部130が経過時間に対応づけて記憶している信号処理パラメータを選択して、読取信号の波形を整形する。波形整形部110における波形整形処理は、デジタルフィルタ、アナログフィルタのいずれとしても実装することができる。パラメータ格納部130が当該フィルタを制御するためのパラメータを経過時間に対応づけて格納することにより、波形整形部110は、経過時間特定部180が特定した経過時間に対応づけてパラメータ格納部130が格納している信号処理パラメータを用いて、読取信号における経過時間依存のノイズ成分を低減することができる。
【0049】
なお、パラメータ格納部130は、波形処理用の信号処理パラメータに加え、復号処理部120における復号処理用の信号処理パラメータを格納してもよい。この場合、復号処理部120は、経過時間特定部180が特定した経過時間に対応づけてパラメータ格納部130が格納している信号処理パラメータを用いて、波形整形部110により整形された読取信号に対して復号処理をしてよい。
【0050】
図4は、磁気ディスク装置10における処理フローの一例を示す。波形整形部110には、再生ヘッド32により1セクタに記録されたユーザデータを読み取った読取信号が入力される(S400)。ここで、信号処理部100は、予め定められた信号処理パラメータを選択する(S402)。予め定められた信号処理パラメータは、読取信号における経時劣化が考慮されない信号処理パラメータであってよい。
【0051】
波形整形部110は、予め定められた信号処理パラメータを用いて、読取信号の波形を整形する(S404)。復号処理部120は、波形整形部110により整形された波形を復号する(S406)。なお、復号処理部120による復号処理は、パラメータ格納部130が格納している信号処理パラメータを用いて行われる。
【0052】
復号処理部120は、復号処理部120による復号処理の成否を判断する(S408)。復号処理部120は、復号処理部におけるビットエラー率に基づき、復号処理の成否を判断してよい。S408において復号処理が成功しなかった旨が判断された場合、信号処理部100は、読出対象のセクタにデータが記憶されてからの時間長さが適合する範囲に対応づけてパラメータ格納部130に格納されている信号処理パラメータを選択する(S420)。そして、S404およびS406において、S420において選択された信号処理パラメータを用いて波形整形および復号処理がなされる。
【0053】
S408において復号処理が成功した旨が判断されて場合、信号処理パラメータを算出する(S410)。パラメータ格納部130は、S410において算出された信号ステップ処理パラメータを、上記セクタにユーザデータが記録されてからの経過時間に対応づけて格納する(412)。
【0054】
このように、パラメータ算出部190は、再生ヘッド32により読み取られた信号に対する復号処理が成功した旨が判断されたことを条件として、信号処理部100における復号結果に基づき信号処理パラメータを算出する。パラメータ算出部190は、信号処理部100による復号処理が成功した信号に対する復号結果に基づき、信号処理パラメータを算出するので、正しい復号に結びつく信号処理パラメータを算出することができる。また、信号処理部100は、新たな信号に対して予め定められた復号処理を施して、予め定められた復号処理が成功しなかったことを条件として、パラメータ格納部130が格納している信号処理パラメータを用いて、新たな信号を復号する。これにより、磁気ディスク装置10の個体差などに応じた信号処理をすることができる。
【0055】
なお、パラメータ算出部190は、S410において、復号処理部120の復号処理によって得られたビットデータに基づいて、信号処理パラメータを算出してよい。例えば、パラメータ算出部190は、復号処理により得られたビット列に基づいて、当該ビット列が磁気ディスク20に記録されていた場合に、再生ヘッド32によって得られるべき信号波形を推定する。なお、得られるべき信号波形とは、符号間干渉の影響など、経過時間の影響を受けにくい要因により劣化した波形であってよい。パラメータ算出部190は、実際に得られた読取信号を、推定した信号波形に変換する変換関数を、信号処理パラメータとして算出する。なお、パラメータ格納部130が、読取対象のデータの経過時間に対応する時間範囲に対応づけて信号処理パラメータを既に格納している場合には、当該既に格納されている信号処理パラメータと、上記ビットデータに基づいて新たに算出した信号処理パラメータとに基づき、それらの合成の波形整形効果を有する信号処理パラメータを算出してよい。
【0056】
例えば、パラメータ算出部190は、上記のように、復号処理により得られた時系列のビット列から、再生ヘッド32により得られるべき信号系列yを算出する。パラメータ算出部190は、信号系列yを正解の信号系列として扱う。ここで、当該ビット列として復号されたデータを再生ヘッド32が読み取ることにより実際に得られた信号系列をuとする。パラメータ算出部190は、数多くのセクタのデータから得られた正解の信号系列yおよび信号系列uを用いて、Σ(u−wを最小化するwを算出し、算出したwを信号処理パラメータとする。
【0057】
他にも、信号処理部100がPRML方式で信号処理を行う場合、波形整形部110および復号処理部120は、それぞれ等化器およびML複号器として機能してよい。この構成においては、パラメータ算出部190は、波形整形部110による等化処理において得られた等化係数を、信号処理パラメータとして算出してもよい。
【0058】
以上説明したように、パラメータ算出部190は、信号処理部100における復号結果に基づき、磁気ディスク20に記録されてから経過時間特定部180により特定された時間長さに対応する長さの時間が経過したデータに対する読取信号を復号する場合に用いるべき、当該信号の経時劣化を補正する信号処理パラメータを算出する。そして、信号処理部100は、新たな信号が得られた場合に、パラメータ格納部130が格納している、新たな信号として読み取られたデータが磁気ディスク20に記録されてからの時間長さに近い期間経過したデータに対する読取信号用の信号処理パラメータを用いて、新たな信号の経時劣化を補正する。
【0059】
図2から図4に関連して、経過時間を補正する場合の各部の処理を説明した。同様にして、読取信号の波形の劣化特性に基づき、補正してもよい。パラメータ格納部130は、上記の経過時間に代えて、読取信号波形の劣化パターンを特定する情報を格納してよい。そして、信号処理部100は、新たな読取信号の劣化パターンに適応する劣化パターンを特定する情報に対応づけてパラメータ格納部130が格納している信号処理パラメータを用いて、新たな読取信号に信号処理を施してよい。劣化パターンとしては、上記のジッタ量、立ち上がりの広がり量、DCノイズ量などを、劣化パターンを特定する情報として例示することができる。
【0060】
以上説明したように、磁気ディスク装置10によると、経過時間に応じた読取信号波形の劣化を、ある程度許容することができる場合がある。また、磁性粒子の均一さがセクタ毎に異なっているなどにより、読取信号波形にセクタ毎に異なる劣化パターンが表れる場合がある。磁気ディスク装置10によると、このような空間的な劣化パターンの違いを或る程度許容することができる。記録密度が高くなるとこのような波形劣化の違いも顕著になるが、磁気ディスク装置10によると、波形劣化の違いをある程度許容することができるので、記録密度を高めた磁気ディスク20を使用することができる場合がある。
【0061】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0062】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】一実施形態に係る磁気ディスク装置10の全体構成の一例を示す図である。
【図2】読取信号の波形の一例を概念的に示す図である。
【図3】パラメータ格納部130が記憶しているデータの一例をテーブル形式で示す図である。
【図4】磁気ディスク装置10における処理フローの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
10 磁気ディスク装置
20 磁気ディスク
30 記録再生ヘッド
32 再生ヘッド
34 記録ヘッド
50 ホストコンピュータ
100 信号処理部
110 波形整形部
120 復号処理部
130 パラメータ格納部
132 外部情報取得部
180 経過時間特定部
182 書込タイミング記憶部
184 連続データ特定部
190 パラメータ算出部
198 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データが記録された磁気ディスクを読み取って、得られた信号を出力する読取部と、
前記読取部により読み取られたデータが前記磁気ディスクに記録されてから前記読取部に読み取られるまでの時間長さを特定する経過時間特定部と、
前記読取部により得られた信号に対して、前記経過時間特定部が特定した時間長さに応じて異なる信号処理を施すことにより、前記磁気ディスクに記録されたデータを算出する信号処理部と
を備える磁気ディスク装置。
【請求項2】
前記磁気ディスクにデータが記録されてからの時間長さに対応づけて、前記磁気ディスクに記録されてから当該時間長さに対応する長さの時間が経過したデータに対する読み取り信号を処理する場合に用いるべき信号処理パラメータを格納するパラメータ格納部
をさらに備え、
前記信号処理部は、前記経過時間特定部が特定した時間長さに対応する時間長さに対応づけて前記パラメータ格納部が格納している前記信号処理パラメータを用いて、前記読取部により得られた信号に対して信号処理を施す
請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項3】
前記パラメータ格納部は、前記磁気ディスクにデータが記録されてからの時間長さに対応づけて、前記磁気ディスクに記録されてから当該時間長さに対応する長さの時間が経過したデータに対する読み取り信号における経時劣化を補正する場合に用いるべき、前記信号処理パラメータを格納する
請求項2に記載の磁気ディスク装置。
【請求項4】
前記磁気ディスク上の複数のデータ領域のうち、連続するデータが記録された複数のデータ領域を特定する連続データ特定部
をさらに備え、
前記経過時間特定部は、前記連続データ特定部により特定された複数のデータ領域の少なくとも1つのデータ領域にデータが記録されてからの時間長さを特定し、
前記信号処理部は、前記連続データ特定部により特定された複数のデータ領域から読み取ることにより得られた信号に対して、それぞれ同じ前記信号処理パラメータを用いて信号処理を施す
請求項3に記載の磁気ディスク装置。
【請求項5】
前記信号処理部は、前記連続データ特定部により特定された複数のデータ領域の少なくとも1つのデータ領域を前記読取部が読み取ることにより得られた信号を復号して、当該データ領域に記録されたデータを算出し、
前記磁気ディスク装置は、
前記信号処理部における前記少なくとも1つのデータ領域から読み取られた信号に対する復号結果に基づいて、前記磁気ディスクに記録されてから前記経過時間特定部により特定された時間長さに対応する長さの時間が経過したデータに対する読み取り信号を復号する場合に用いるべき、当該信号の経時劣化を補正する前記信号処理パラメータを算出するパラメータ算出部
をさらに備え、
前記パラメータ格納部は、前記パラメータ算出部が算出した信号処理パラメータを格納し、
前記信号処理部は、前記連続データ特定部により特定された複数のデータ領域における他のデータ領域を前記読取部が読み取ることにより得られた新たな信号に対して、前記パラメータ格納部が格納している、前記少なくとも1つのデータ領域からの信号に対する前記復号結果に基づいて算出された前記信号処理パラメータを用いて信号処理を施すことにより、前記新たな信号の経時劣化を補正する
請求項4に記載の磁気ディスク装置。
【請求項6】
前記パラメータ算出部は、前記信号処理部による復号処理が成功した信号に対する復号結果に基づいて、前記信号処理パラメータを算出する
請求項5に記載の磁気ディスク装置。
【請求項7】
前記信号処理部は、前記新たな信号に対して予め定められた復号処理を施し、前記予め定められた復号処理が成功しなかったことを条件として、前記パラメータ格納部が格納している前記信号処理パラメータを用いて、前記新たな信号を復号する
請求項6に記載の磁気ディスク装置。
【請求項8】
前記経過時間特定部は、前記読取部により得られた信号の波形に基づいて、前記経過時間を特定する
請求項1から7のいずれかに記載の磁気ディスク装置。
【請求項9】
前記信号処理パラメータを外部から取得する外部情報取得部
をさらに備え、
前記パラメータ格納部は、前記外部情報取得部が取得した前記信号処理パラメータを格納する
請求項2から7のいずれかに記載の磁気ディスク装置。
【請求項10】
データが記録された磁気ディスクを読み取って、得られた信号を出力する読取段階と、
読取段階において読み取られたデータが前記磁気ディスクに記録されてから前記読取段階において読み取られるまでの時間長さを特定する経過時間特定段階と、
前記読取段階において得られた信号に対して、前記経過時間特定段階において特定された時間長さに応じて異なる信号処理を施すことにより、前記磁気ディスクに記録されたデータを算出する信号処理段階と
を備える磁気ディスク再生方法。
【請求項11】
磁気ディスク装置用のプログラムであって、コンピュータを、
データが記録された磁気ディスクを読み取って、得られた信号を出力する読取部、
前記読取部により読み取られたデータが前記磁気ディスクに記録されてから前記読取部に読み取られるまでの時間長さを特定する経過時間特定部、
前記読取部により得られた信号に対して、前記経過時間特定部が特定した時間長さに応じて異なる信号処理を施すことにより、前記磁気ディスクに記録されたデータを算出する信号処理部
として機能させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−18409(P2011−18409A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−163176(P2009−163176)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】