説明

磁気ラベルを使用するトロポニンIに関するアッセイ

本発明は、サンプルを供与する、供与段階と、前記サンプルを、磁気ラベルが結合された単クローン性抗トロポニンI抗体と接触させる、第一接触段階と、前記サンプルを、検出器表面に結合された多クローン性抗トロポニンI抗体又は検出器表面に結合された少なくとも2つの異なる抗トロポニンI抗体と接触させる、第二接触段階と、前記検出器表面上の前記磁気ラベルを検出する、検出段階と、を含む、サンプル中のトロポニンIを測定する方法に関する。本発明はさらに、サンプル中のトロポニンIを測定する装置及びカートリッジに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプル内のトロポニンIを測定する、方法、装置及びカートリッジに関する。本発明はさらに、心筋梗塞を診断するプロセスにおいて、前記方法、装置及びカートリッジの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
血中のトロポニンIの測定は、心筋梗塞の診断において、重要な段階である。
【0003】
トロポニンIの最先端の生物学的解析は、ルミネセンス検出を有する、実験室的高感度不均一系イムノアッセイに基づく。これは、化学反応からの光の放出、又は、放出ラベル(emitting label)の可視化を伴う。そのようなイムノアッセイを使用することは、pg/mLオーダーでのイムノアッセイ感度をもたらす。通常、これらのアッセイは、高処理能測定のために設計された自動検出システムで実行され、中央集権された実験室の外側の、専門家でないユーザーによる、迅速な検査には適していない。
【0004】
検出ラベルとして磁気ラベルを使用するイムノアッセイは、先行技術で知られている。そのようなアッセイは、磁気作動を可能にし、アッセイ時間を減少する。これらのアッセイにおいて、磁気ラベルは、その大体積により、立体的に妨害され、分子ラベル(放射性ヨード、酵素ラベル等のような)ほど容易に、分子レセプターの表面に化学結合しない。さらに、ラベルは、アッセイの間磁化されるため、ラベル間の接触の時間が増加し、磁気ラベルが不可逆的に会合し、定量的情報が失われる確率が高まる。これは、より大きい磁気粒子(>200nm)が使用されるときに、重要な問題になり得る。それらは、不可逆的なクラスター(cluster)を、より形成する傾向にあるからである。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、サンプル中のトロポニンIを測定する、敏感かつ迅速な方法を供することである。その目的は、サンプル中のトロポニンIを測定する方法により、実現され、少なくとも次の段階:
(a)サンプルを供する段階、
(b)前記サンプルを、磁気ラベルと結合された単クローン性抗トロポニンI抗体と接触させる、第一接触段階、
(c)前記サンプルを、検出器表面に結合された多クローン性抗トロポニンI抗体又は検出器表面に結合された少なくとも2つの異なる抗トロポニンI抗体と接触させる、第二接触段階、
(d)前記検出器表面で前記磁気ラベルを検出する、検出段階、
を含み、(b)及び(c)は、如何なる順番で実行することができる。
【0006】
以下「多クローン性抗トロポニンI抗体」は、多クローン性抗トロポニンI抗体と、トロポニンIに対する少なくとも2つの異なる抗体との両方を含んで意図される。
【0007】
「如何なる順番で」は、サンプルの、単クローン性及び多クローン性抗トロポニンI抗体との同時の接触を含む。
【0008】
好ましくは、段階(b)は、段階(c)に先行する。段階のこの順番は、磁気ラベルに結合された単クローン性抗トロポニンI抗体は、検出器表面に結合された多クローン性トロポニンI抗体に比較して、より大きな自由度を有するように結合アッセイ(assay binding)を改善する。この実施形態は、アッセイ時間の減少につながる。
【0009】
本発明は、少ないサンプル体積を使用して、5分以内にトロポニンIの敏感な検出を可能にする、トロポニンIに関する素早いイムノアッセイ検査を供する。比較的大きなサイズのラベルの、巨大(bulk)検出器表面への結合は、各々の表面に取り付けられる最初お及び二番目の抗体の両方の、減少した流動性に起因する課題である。
【0010】
溶液中でうまく機能し、かつ、抗体サプライヤーにより薦められる(recommended)トロポニンIに関する抗体は、1段階磁気ラベルアッセイにおいて、高信号を生み出さない。この理論により縛られるよう望むことなく、これに関する理由は、磁気ラベルアッセイで結合するために最適に判断されている、抗体に関するより厳しい要求に起因しそうである。
【0011】
磁気ラベルと結合された単クローン性抗トロポニンI抗体の、検出器表面に結合された多クローン性抗トロポニンI抗体との併用(combination)は、トロポニンIアッセイのための、サプライヤーのデータシート推奨の抗体対と比較して、優れた結果を与える。
【0012】
好ましい実施形態において、磁気ラベルは、無機材料又は、例えば、ポリマーマトリクス中の酸化鉄粒の、無機材料及び有機材料の併用を含む粒子である。磁気ラベルの使用は、磁気作動を可能にし、アッセイの反応動態を促進する。さらに、磁気ラベルの使用は、単クローン性抗トロポニンI抗体に化学結合される又は非化学結合され、勾配(gradient)と好ましく相まって、磁場を介して検出器表面に複合されない、如何なるラベルの除去を容易にする。この実施形態は、バックグラウンドの結合(background binding)に対する特定の信号を同定するための、追加の洗浄段階に関する要求を無効にする。
【0013】
好ましい実施様態において、使用される磁気ラベルは、200から1000nmまでのサイズを有する。このサイズ領域の粒子が、最適なアッセイ条件及び検出を可能とする。
【0014】
他の好ましい実施様態において、使用される多クローン性抗トロポニンI抗体は、ヤギの多クローン性抗トロポニンI抗体である。ヤギの多クローン性抗体の使用は、最適化されたアッセイ結果につながる。
【0015】
他の実施様態において、磁気ラベルは、好ましくは漏れ全反射(frustrated total internal reflection;FTIR)により、光学的に検出される。さらに他の実施様態において、磁気ラベルは、磁気的に検出される。
【0016】
追加的に又は変更的に、磁気ラベルは、第二、磁気ラベル又は非磁気ラベルのいずれか、の存在に基づいて検出できると見なされる。このラベルは、磁気ラベルに直接取り付けることもできるし、検体を通じてラベルに非直接的に結合することもできる。非磁気ラベルは、磁気ラベルの外側の、無機又は有機成分を介して磁気ラベルに取り付けることもできるし、磁気ラベルに組み込むこともできる。本発明の状況における適切な第二ラベルは、制限されないが、発色団、放射性ラベル、電子発光ラベル(electroluminescent labels)、化学発光ラベル、リン光ラベル(phosphorescent labels)、蛍光ラベル又は反射ラベルのような、インビトロアッセイで古典的に使用されるラベルである。
【0017】
本発明の目的はさらに、本発明の方法による、トロポニンIを測定することができる、バイオセンサー装置により実現される。
【0018】
さらに、本発明の目的は、アッセイ装置の使用のための、カートリッジであって、
磁気ラベルに結合された単クローン性抗トロポニンI抗体、
当該カートリッジ内で検出器表面に結合された多クローン性抗トロポニンI抗体、
サンプル注入口、
を含む、カートリッジにより実現される。
【0019】
好ましくは、カートリッジ内の磁気ラベルは、200から1000nmまでのサイズを有する。
【0020】
カートリッジの好ましい実施様態において、多クローン性抗トロポニンI抗体は、ヤギの多クローン性抗体である。
【0021】
本発明は、特定の実施形態について、いくつかの図を参照して述べられるであろうが、本発明はそれに限定されない。特許請求の範囲内の如何なる参照符号は、範囲を制限するよう構成されるべきでない。述べられる図は、単に図表であり、限定されない。図において、要素のいくつかの大きさは、誇張されているかもしれず、実例となる目的のためのスケールで描かれないかもしれない。本明細書及び特許請求の範囲では「含む」という専門用語が使用されるが、それは、他の要素又は段階を除外しない。例えば、「1つ」、「その」の、単数名詞に参照されるときに、不定冠詞又は定冠詞が使用されるが、これは、何か他のものが具体的に記載されないなら、複数のその名詞を含む。
【0022】
さらに、発明を実施するための形態及び特許請求の範囲内での第一、第二、第三及びそれと同種の専門用語は、同様の要素間の区別のために使用され、起こった順番又は年代順を述べるために必要ではない。そのように使用される専門用語は、適当な状況下で置き換え可能であり、ここで述べられる本発明の実施形態は、ここで述べられる又は図示されるより他の順番で操作可能であるということが理解される。
【0023】
以下の専門用語又は定義は、本発明の理解を単に助けるために供される。これらの定義は、当業者により理解されるより少ない範囲を有するよう解釈されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明によるアッセイの略図である。
【図2】図2は、トロポニンIの用量反応曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、イムノアッセイを介する、トロポニンI、好ましくは哺乳類のトロポニンI、より好ましくは、ヒトのトロポニンIの検出のための方法を開示する。
【0026】
アッセイは、2つの異なる抗体、磁気ラベルに結合された単クローン性抗トロポニンI抗体及び検出器表面に結合された多クローン性抗トロポニンI抗体、を使用する。図1は、本発明によるアッセイの略図配置を示す。図1Aにおいて、トロポニンI(1)を潜在的に含むサンプルは、磁気ラベル(3)と結合された単クローン性抗トロポニンI抗体(2)と接触される。そのサンプルはさらに、検出器表面(5)に結合された多クローン性抗トロポニンI抗体(4)と接触される。単クローン性抗トロポニンI抗体及び多クローン性抗トロポニンI抗体は、興味のある検体、即ち、本ケースにおけるトロポニンI、が、単クローン性抗トロポニンI抗体及び多クローン性抗トロポニンI抗体の両方に同時に結合され得るように、選択される。もしトロポニンIがサンプル中に存在するなら、検出器表面に結合された多クローン性抗体、トロポニンI及び磁気ラベルに結合された単クローン性抗体からなる、複合体(6)が検出器表面上に形成されるであろう。これは図1Bで概略的に示される。好ましくは、磁気ラベル又はトロポニンIを介して表面に特異的に複合化されない、如何なる剥き出しの(bare)磁気ラベルを含む、単クローン性抗トロポニンI抗体を除去した後、検出器表面に存在するトロポニンIの量が決定される。本発明の要素は、次のセクションで述べられるであろう。
【0027】
[抗体]
本発明による単クローン性抗体はまた、単クローン性抗体からのFabフラグメント、アプタマー、アフィボディ(affibody)、ScFvフラグメント及び当業者により知られる他の単一エピトープ結合部位を含む。本発明による多クローン性抗体はまた、多クローン性抗体からのFabフラグメント、及び当業者により知られる、可変構造を有する、如何なる群(group)の結合部位を含む。
【0028】
好ましい実施形態において、本発明による抗体は、トロポニンI分子の、アミノ酸配列30−110、より好ましくは80−110に方向付けられる(directed)。これは、その分子の安定な部分である。好ましくは、選択されたエピトープは、ヘパリン化されたサンプルからの干渉をもたらすであろう、ヘパリン結合性に関して知られている領域と、重複しない。
【0029】
好ましくは、単クローン性抗トロポニンI抗体は、クローン A34500(トロポニンIのアミノ酸87−91に結合している)、8I−7(a34780;トロポニンIのアミノ酸135−154に結合している)、A34650(トロポニンIのアミノ酸41−49に結合している)、267(ab14530;トロポニンIのアミノ酸169−184に結合している)、16A11(a24460;トロポニンIのアミノ酸87−91に結合している)、19C7(a19615;トロポニンIのアミノ酸41−49に結合している)、560(cTnIのアミノ酸83−93に結合している)又はそれらの組み合わせを含む群から選択される。
【0030】
これらクローンの使用は、本発明による磁気イムノアッセイにおいて、向上した感度につながる。
【0031】
コーティング手順は、アッセイで使用される磁気ラベルに特異的である。当業者に知られる、アデムテックプロトコル(Ademtech protocol)を使用することができる。このプロトコルにおいて、例えば20μg抗体/mg磁気ラベルの濃度の単クローン性抗体は、EDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド)の存在下でカルボキシル化された磁気ラベルに結合される。
【0032】
本発明による検出器表面は、多クローン性抗体で機能化される。多クローン性抗体は、特に、単クローン性抗トロポニンI抗体に結合されるときに、トロポニンIの磁気ラベルとの結合に関する自由度が制限される場合、好まれる。1つの効果は、異なる抗体タイプの多クローンにより、表面上で動かなくされた多クローン性抗体の方位変動性の結果である。さらなる効果は、アッセイ結果を最適化さるよう導く異なるエピトープを対象にする(directed to)多クローン性抗体を使用することで、適切な結合部位の量を増加することにより、起こり得る。
【0033】
好ましい結果のため、トロポニンIに対して特異的な多クローン性ヤギ抗体がより好ましい。
【0034】
さらに他の実施形態において、トロポニンIに対して特異的な追加的な抗体、又はトロポニンIに対して特異的ないくつかの抗体の混合物が、検出器表面上にコーティングされる。好ましくは、追加的な抗体は、単クローン性抗体である。
【0035】
本発明の他の実施形態において、表面は、少なくとも2つ、なおさらより好ましくは少なくとも3つの、異なる単クローン性抗トロポニンI抗体又は単クローン性トロポニンI抗体の混合物でコーティングされる。これはまた、1つより多いエピトープに関する結合部位が存在するときの、レセプター上の「多クローン性」抗体表面にも通じる。このような状況は、多クローン性抗体のコーティングに、機能的に似ている。
【0036】
例えば、抗体は、PBS中でおよそ150μg/mLの濃度の液滴(例えば、2nLの)をインクジェットプリントすることにより、検出器表面上にコーティングされる。
【0037】
[磁気ラベル]
本発明において、単クローン性抗トロポニンI抗体は、アッセイ装置内の磁石を介して、ラベル化された抗体の操作を可能にする、磁気素子を含む磁気ラベルに結合される。
【0038】
本発明の状況で使用される磁気ラベルの種類(nature)は、重大ではない。適切な磁気ラベルは、無機ラベル及び無機材料及び有機材料(例えば、ポリマー)の混合物であるラベルを、完全に含む。
【0039】
磁気ラベルは、ダイナル(Dynal)、エスタポア(Estapor)、セラディン(Seradyn)から工業的に入手でき、いくつかの診断器具会社から入手できる生物学的解析で広く使用される。
【0040】
本発明による、単クローン性抗トロポニンI抗体の磁気ラベル表面への取り付けは、その技術分野で述べられる方法により実行することができる。例えば、磁気ラベルは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルデヒド基又はアミノ基のような1つ又はそれより多くの官能基を有しても良い。これらは通常、そのような官能基の1つを有するポリマー、例えば、ヒドロキシル基を供するポリグリコール若しくはカルボキシル基を供するセルロース誘導体、カルボキシル基を供するアクリル酸又はメタクリル酸のポリマー又はコポリマー若しくはアミノ基を供するアミノアルキル化ポリマーと組み合わさったポリウレタン、の表面コーティングを供するよう、コーティングされていない単分散の超常磁性ラベルを処理することにより、供される。米国特許4,654,267は、そのような表面コーティングの多くの導入を述べている。他のコーティングされた磁気ラベルは、米国特許4,336,173、米国特許4,459,378及び米国特許4,654,267、によるラベルの改良により調合することができる。例えば、スチレン−ジビニルベンゼンから調合され、3.15μmの直径を有する、架橋性多孔質ポリマー(macroreticular porous polymer)粒子は、孔の表面にNO基を導入するため、硝酸で処理され得る。その後、粒子は、鉄の水溶液中で分散され得る。第一鉄イオンは、NO基により酸化され、孔の中で不溶性の水酸化鉄化合物が沈殿する。加熱後、鉄は、多孔質粒子の塊(volume)全体で、磁性酸化鉄の粒がはっきりと分配される(divided)ように、存在する。NO基は、鉄のNH基に対する反応により、還元される。孔を充填し、表面での望ましい官能基を導入するために、種々のモノマーが、孔内及び表面で、重合される。好ましいタイプの粒子の場合において、表面は、(CHCHO)8−10連鎖を介した高分子骨格に結合されたOH基を有する。他の好ましい粒子は、メタクリル酸の重合を通じて得られるCOOH基を有する。例えば、当初粒子内に存在したNH基は、米国特許4,654,267で述べられるようにジ−エポキシドと反応され、続いて、末端ビニル基を供するために、メタクリル酸と反応される。メタクリル酸との溶液共重合は、末端カルボキシル基を有するポリマーコーティングを生じさせる。同様に、アミノ基は、ジアミンと、上述のジエポキシドとの反応生成物と、の反応により導入することができ、その上、アミノグリセロールのようなヒドロキシルアミンとの反応は、水酸基を導入する。粒子の生物活性分子への結合は不可逆であるが、ラベルと生物活性分子との間の架橋結合に関するリンカー分子の使用により、可逆的になり得る。そのようなリンカーの例は、あるタンパク質認識部位を有するペプチド、ある制限酵素に関する認識部位を有するオリゴヌクレオチド配列、ストレプトアビジン/ビオチンのような結合パートナー、又は還元可能なジスルフィド基を含むような、化学的可逆架橋結合基を含む。種々の可逆的架橋結合基は、ピアースバイオテクノロジー社(ロックフォード、イリノイ州、アメリカ合衆国)から得ることができる。
【0041】
磁気ラベルは、ナノメーターからマイクロメーターまでの範囲の、種々のサイズで工業的に入手できる。
【0042】
高感度アッセイで用いる磁気ラベルサイズを考慮する場合、反作用効果に重みを加えることは重要である。ラベルを大きくすればするほど、結合事象あたりの信号は強くなる。さらに、大きい磁気ラベルは、今度は、所定の磁場に関して、大きい力が加わる、より大きい磁気容量を意味する。これにより、ラベルは、より大きい速度で、溶液を通じて集められ、移動され得る。一方で、大きい磁気ラベルは、不可逆的に凝集する傾向にあり、それらが表面に結合するとき、立体的に妨害される傾向にある。さらに、大きいラベルは、検出器表面上のラベルの集まる数(packing number)が、より大きいラベルでは制限されるので、アッセイのダイナミックレンジ及び定量性(quantitivity)を減少させる。高感度及び高速度に関して、我々は、最適な磁気ラベルサイズが200nmと1000nmとの間であると発見する。500nmの磁気ラベルで、我々は、本発明による5分のアッセイで、1pM検出下限(LOD)を得ることができる。
【0043】
[検出]
ここで使用される「検出器表面」という専門用語は、抗体が結合することができ、近接しているラベルの検出を可能にする、表面を参照する。通常、検出表面は、固体で均一の表面である。検出表面は、検出器表面、即ち、検出を伴う表面、となり得る。あるいは、検出器は、その近接、即ち、検出表面の下、に配置することができ、検出表面の近くに存在するラベルの検出を可能にする。
【0044】
種々の検出技術で、サンプル中のトロポニンI濃度の検出が説明されるが、本発明はそれに限定されない。
【0045】
多クローン性抗トロポニンI抗体が、本発明の方法で使用される装置に結合される検出表面は、通常、分子、より具体的には、抗体又はそれに関する機能的な断片、が結合される、特異的に誘導体化された表面である。適切な表面の例は、ガラス、金属、プラスチック、有機結晶又は無機結晶(例えば、シリコン)、アモルファス無機材料又はアモルファス有機材料(例えば、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化アルミニウム)を含む。適切な表面材料及び結合要素(linking chemisties)は、当業者により知られており、例えば、「Diagnostic Biosensor Polymers」(by A. M. Usmani and N. Akmal, American Chemical Society, 1994 Symposium Book Series 556, Washington DC, USA, 1994)、「Protein Architecture, Interfacing Molecular Assemblies and Immobilization Biotechnology」( edited by Y. Lvov and H.Mhwald (Marcel Dekker, New York, 2000))、「The Immunoassay Handbook」(by David Wild (Nature Publishing Group, London, 2001, ISBN 1 −56159− 270−6))又は「Handbook of Biosensors and Electronic Noses. Medicine, Food and the Environment」(by Kress−Rogers (ISBN 0−8493−8905−4))で述べられている。コーティングされた又は非コーティングされたプラスチック及びガラス支持物(supports)へのタンパク質の結合に関する支持物は、Angenendt等(2002; Anal Biochem. 309, 253−260)で開示されている。
【0046】
本発明の方法、システム及び装置において、使用に適した検出手段は、制限されないが、磁気信号、磁気抵抗、ホール効果、光信号(反射、吸収、散乱、蛍光発光、化学発光、ラマン、FTIR、等)に対するような、関連信号を検出することができる検出手段である。そのような光学ラベルは、当業者に知られており、5−(及び6−)カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシ フルオレセイン、5−カルボキシ−2’,4’,5’,7’−テトラクロロフルオレセイン及び5−カルボキシフルオレセインのような、フルオレセイン染料、5−(及び6−) カルボキシローダミン, 6−カルボキシテトラメチルローダミン及び6−カルボキシローダミンXのような、ローダミン染料、メチル、ニトロシル、スルホニル及びアミノフタロシアニンのような、フタロシアニン、メチル、ニトロ、サルファノ(sulphano)及びアミノ誘導体のような、アゾ染料、アゾメチン、シアニン及びキサンチン、並びに、サクシニルフルオレセインを含む。他の適切なラベルは、TOTO, YOYO, TO−PRO, Cy3, Cy5, Cy5.5, Cy7等のような、シアニンダイマー及びモノマーの群からの蛍光色素分子であり、LCRed 705のような染料が、蛍光染料として使用され得る。
【0047】
特定の実施形態において、検出手段は、音響信号(水晶発振子マイクロバランス(QCM)、表面弾性波(SAW)又はバルク弾性波(BAW)等)を検出できる。そのような音響信号は、リポソーム、ミセル又はバブルのような、ベシクル(vesicle)により発生することができる。そのようなベシクルは、液体、ガス、ガス状前駆体、並びに/若しくは、固体又は溶質物質で満たされる。
【0048】
検出される信号の特質に依存して、検出表面は、検出手段(検出器表面)の不可欠な部分になり得る、つまり、その表面上の磁気ラベルの存在を検出できる。
【0049】
一例において、例えば、発光ラベル又は蛍光ラベルのような、放射性ラベルは、使用されるラベルに埋め込まれる又は取り付けられる。蛍光ラベルの励起は、例えば、そのようなラベルの光学的検出ができる、集光レーザービームを介して又はエバネセンス場励起を介してのような、照射源を使用してなされ得る。検出は、例えば、共焦点検出を使用すること又は高NAレンズを使用することのような、如何なる適切な方法でなされ得る。蛍光ラベルの使用は、励起波長及び/又は発光波長で異なる、異なる発光色素分子を使用することにより、多重化を可能にする。
【0050】
光学的検出は、表面増強共鳴ラマン分光法(SERRS)によってもなされ得る。SERRSは、コロイド状のラベル(例えば、銀粒子)上で光学的にラベルされている、分子又は種の吸収により、分子又は種を検出するための高感度の方法である。光学ラベルは、コロイド状の粒子が制御された方法で群がるとき、プラズモン共鳴及び色素発振(dye resonance)を引き起こす、適切な色素分子(ローダミンのような)である。例えば、磁気ラベルは、金属コーティングで存在することが知られている。もし、例として抗原(標的、即ち抗体が結合する)がそのような銀コーティング磁気ラベルと結合されるなら、さらに、抗原はまた、適切な色素に結合され、抗原特異的抗体は、色素の銀コーティング磁気ラベルへの結合を導く。磁気作動は、色素発振につながるクラスター/ピラー形成に導くであろう。SERRSは、エバネセント場で、非結合の検出器表面に対して、作動の後に、検出することができる。そのような設定において、抗体検出は、流体洗浄段階を含めない、単一のチャンバー内でなされ得る。検出は、表面特異的であり、溶液からの非結合色素により妨害されないからである。
【0051】
他の例において、例えばホールセンサー、例えばGMR、TMR又はAMRセンサーのような磁気抵抗センサーといった、磁気検出器を使用することができる。具体的な例において、磁気センシングは、特定の周波数が、印加交流磁場に関して使用できるという事実を生かすことができる。低周波数型において、即ち、例えば100Hzより下の周波数において、磁気検出器要素の1/fのノイズが支配する(dominate)。1/fのノイズは、電流の2点間の変動により引き起こされ、周波数の逆数に比例する。磁気抵抗センサーにおいて、1/fのノイズは、自由層の磁気揺動に由来する。発生した交流磁場の周波数が100Hz又はそれより高いとき、支配的な(dominating)1/fのノイズは、先行技術と比して大きく減少され、改善されたSN比(SNR)をもたらす。交流磁場の周波数が、熱ホワイト(ナイキスト)ノイズレベルが1/fのノイズレベルに対して優勢になる値にまで、さらに増加される場合、有意である。WO2005/010542で述べられるように、一定以上のコーナー周波数f〜50kHzで、GMR検出器の熱ホワイトノイズが優勢になる。ホワイトノイズレベルは、理論上達成可能な検出限界を制限する。
【0052】
上述されたように、検出表面における磁気ラベルの検出は、その技術分野で知られる如何なる直接的又は間接的な方法により、保証することができる。具体的な検出方法は、漏れ全反射(FTIR)での検出のように、GMRのようなラベルの磁気特性又は磁気ラベルの光学的特性に基づく。取り外し可能なフローセルカートリッジと一体となった、小型化されたGMRセンサーチップは、例えば、Nellissen et al. (2007) in proceedings of thel5th European Microelectronics and Packaging Conference p210−204又はin De Boer et al. (2007) Biosens. Bioelectron. 22, 9−10で述べられるように、本発明の方法を実行するために適しており、1500μmのチップ表面上の、3つの300nmのラベルのラベル密度を検出することができる。
【0053】
[カートリッジ]
本発明の実施形態において、磁気ラベルに結合された単クローン性抗トロポニンI抗体と、検出器表面に結合された多クローン性抗トロポニンI抗体とは、カートリッジ内に存在する。アッセイのための試薬はすでにカートリッジ内に存在するので、使用者は、サンプル注入口を介してサンプル流体を加える必要だけがあり、それで試薬とラベルを再分散し、目的とする緩衝液条件を作り出す。乾燥試薬は、好ましくは、アッセイのために必要な緩衝液成分と、単クローン性抗トロポニンI抗体を有する磁気ラベルと、を含む。乾燥試薬の成分は、各々、カートリッジ内の異なる位置に又は同じ位置で一緒に堆積(deposited)及び乾燥することができる。試薬は、凍結乾燥を含む、いくつかの乾燥技術を介して堆積することができる。凍結乾燥は、結晶の形成を妨げ、試薬を、流体の添加により容易に再分散される非晶質ガラス状態に、乾燥することができる。カートリッジは、好ましくは、磁気ラベルの光学的検出に適している。
【0054】
[バイオセンサー装置]
本発明の実施形態によると、サンプル中のトロポニンIの存在又は濃度は、バイオセンサー装置を使用することにより決定される。バイオセンサー装置は、サンプルと、磁気ラベルに結合された単クローン性抗トロポニンI抗体及び検出器表面に結合された多クローン性抗トロポニンI抗体とを接触させるための反応チャンバーを含むべきである。このチャンバー内で、磁気ラベルに結合された単クローン性抗トロポニンI抗体及びトロポニンIを有する検出器表面に結合された多クローン性抗トロポニンI抗体の両方に対する、トロポニンIの結合が、促進されるはずである。
【0055】
反応チャンバーは、好ましくは、バイオセンサー装置の容易な仕様を手助けするために、カートリッジの一部である。
【0056】
本発明で述べられる方法の特定の実施形態において、抗原−抗体相互作用の最適化が、磁気作動により達成される;検出表面との最適な接触を確保するために、アッセイの間、検出表面に向けられた磁場を印加する及び/又は第一抗トロポニンI抗体を運ぶ磁気ラベルにパルス状の作動力を印加する。磁気ラベルは、固定化した抗体との接触を最適化するための、種々の方法で操作することができる。特定の実施形態において、アッセイにおける磁気作動は、次のように実行される。
【0057】
第一段階において、単クローン性抗体を有するラベルは、「収集(collection)」段階において、検出器表面に素早く引き付けられる。これは、検出器表面の方向に磁場を印加することにより保証される。特定の実施形態において、磁場は、磁気ラベルが検出器表面に達する、例えば、表面上の単分子層形成の少なくとも50%、75%又は90%で、好ましくは100%の単分子層形成で達するなど、ということを保証する。
【0058】
第二段階において、磁力が取り除かれ、ラベルは、回転自由度と同様、本質的に妨げられていない並進運動する表面を移動することができる。所定の時間後、拡散が起こり、特定の実施形態において、第一段階の指向性の磁場がまたしても印加されると予想される(envisaged)。これらの段階は、単クローン性抗体に結合されたトロポニンIを有する全ての磁気ラベルが、検出表面上で多クローン性抗体に結合されるということを保証するために、数回繰り返すことができる。この、磁場のオン/オffの切り替えにより、パルス状作動が得られる。
【0059】
ここで予想された磁気作動条件の別の実施形態において、検出表面での回転及び移動は、単に、磁場がない場合の受動拡散の結果のみならず、検出表面にわたる磁気ラベルの移動を保証する、1つ又はそれより多くの磁場の印加により大いに保証される。
【0060】
特定の実施形態において、検出表面にわたる磁気ラベルの移動を可能にする磁力は、ラベルのパルス状作動により保証される。これは、例えば、検出表面に鉛直又は検出表面と平行な磁場の方向、若しくは、種々の方位を有する種々の場の組み合わせを変更することを伴う。そのような方法は、例えば、WO2007129275で述べられる。各々のパルスの時間及び期間は、ラベルが最適に、結合表面にわたる軸線を少なくとも1回転されるよう、ラベルサイズに基づいて設計される。特定の実施形態において、検出器表面と平行な強い力が、特異的に結合された磁気ラベルを取り除き得るので、作動力は表面に対して本来鉛直である。
【0061】
ここで述べられる方法において、磁気ラベルの、磁気作動を通じた検出表面との接触の後、結合されていないラベルの除去を保証するため、磁力が、検出表面から離れたラベルに向かって印加されると、予想される。この方法において、磁気ラベルの除去のためのさらなる洗浄段階はもはや必要でない。
【0062】
検出表面上の磁気ラベルの、並進運動及び回転移動で入れ替えられた(alternated)パルス状作動を伴う方法は、ラベルを検出表面に引き付ける一定の磁力のみを伴う方法より有意に効率的である。パルス状作動は、また、ラベルが不可逆的に会合する確率を減少させる。ラベルが互いに接触する時間も減少されるからである。
【0063】
好ましい作動スキームは、カートリッジ及び磁気ラベルを有するサンプルのおよそ1分のインキュベーション、続いて、およそ4分のパルス状作動及びおよそ10秒の、トップコイル(top coil)を用いたラベル除去で構成される。
【0064】
[サンプル]
「サンプル」の専門用語は、ここでは広い意味で使用され、広い範囲での生体材料を含み、加えて、そのような生体材料から由来する又は抽出される組成物を含むよう意図される。サンプルは、対象トロポニンIが検出され得る適切な調合液、例えば、血液、であっても良い。サンプルは、例えば、体組織若しくは、制限されないが、血液(血漿及び他の画分(fractions)を含む)、髄液、粘液、痰、唾液、精液、排泄物又は尿若しくはそれらの如何なる画分のような流体を含んでも良い。例示されるサンプルは、全血、赤血球、白血球、軟膜、毛髪、爪及び爪上皮構成要素、スワブ(swab)(制限されないが、口腔スワブ、咽頭スワブ、膣スワブ、尿道スワブ、頸部スワブ、直腸スワブ、損傷(lesion)スワブ、膿瘍スワブ、鼻咽頭スワブ、鼻孔スワブ及び同種のもの)、リンパ液、羊水、脳脊髄液、腹水、胸水、嚢胞からの流体、滑液、硝子体液、房水、嚢の流体、洗顔剤、眼吸引液(eye aspirates)、血漿、漿液、肺洗浄(pulmonary lavage)、肺吸引液(lung aspirates)、体内の如何なる組織のバイオプシー材を含む。当業者は、上述の例示される生体サンプルのいずれから得られる、溶解物、抽出物、又は材料もまた、サンプルとして考慮されるであろうということを理解するであろう。移植された材料、初代細胞、二次細胞系列、及びそれと同種のもの、を含む組織培養細胞の他に、如何なる細胞、組織又は器官から得られる、溶解物、抽出物、上澄み又は材料もまた、ここで使用されるような生体サンプルの専門用語の意味の範囲内である。これらの羅列は、包括的であるようには意図されていない。
【0065】
本発明の特定の実施形態において、サンプルは、検出方法を用いたサンプルの検出を容易にするよう、前処理される。例えば、通常、対象トロポニンIの半単離又は単離をもたらす、サンプルの前処理が予想される。多くの方法及びキットが、種々のタイプの前処理サンプルに使用できる。
【0066】
本発明の特定の実施形態は、トロポニンIの検出を最適化するために、1つ又はそれより多くの異なる条件が組み合わされる方法に関する。さらなる特定の実施形態において、トロポニンIの検出を改善する上述の条件の全てが、組み合わされる。
【0067】
本発明を具体化する装置、カートリッジ及び方法の他のアレンジは、当業者にとって明らかであろう。
【0068】
好ましい実施形態、特定の構造及び構成に加え、材料が、本発明による装置及びカートリッジに関してここで議論されてきたが、形態及び詳細における、種々の変更又は修飾が、本発明の目的及び精神から逸脱することなくなされ得るということが、理解され得る。
【実施例】
【0069】
用量反応曲線が、本発明による方法を使用することにより、トロポニンIに関して決定された。結果は図2に示される。カートリッジ内で使用される多クローン性抗トロポニンI抗体は、PBS内で150μg/mLの抗体の濃度で、高分子センサー表面上でインクジェッテプリントされているヤギの多クローン性抗体である。500nmのCOOH磁気ラベルは、20μg A34780(359P)、clone8I−7、抗体/mg磁気粒子の溶液で官能化され、PBS中で5%BSAに希釈された、Ademtech SAでの粒子コーティングを有する酸化鉄粒子である。トロポニンI基準(Hytest 8T62)は、PBS中で、40%ヒト血清で希釈された。磁気ラベル及びトロポニンI溶液は、1:1で希釈され、1μLが、検出器表面に曝された。4分のパルス化作動及びトップコイルを用いた10秒のラベル除去から構成される作動プロトコルが使用された。
【図1A】

【図1B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルを供する段階と、
前記サンプルを、磁気ラベルが結合された単クローン性抗トロポニンI抗体と接触させる、第一接触段階と、
前記サンプルを、検出器表面に結合された多クローン性抗トロポニンI抗体又は検出器表面に結合された少なくとも2つの異なる抗トロポニンI抗体と接触させる、第二接触段階と、
前記検出器表面上の前記磁気ラベルを検出する、検出段階と、
を少なくとも含み、
前記第一接触段階と前記第二接触段階とは、如何なる順番で実行してもよい、
サンプル中のトロポニンIを測定する方法。
【請求項2】
前記第一接触段階は、前記第二接触段階より先に実行する、請求項1に記載のサンプル中のトロポニンIを測定する方法。
【請求項3】
前記磁気ラベルは、無機材料又は無機及び有機材料を含む粒子である、請求項1又は2に記載のサンプル中のトロポニンIを測定する方法。
【請求項4】
前記磁気ラベルは、200nmから1000nmまでのサイズを有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のサンプル中のトロポニンIを測定する方法。
【請求項5】
前記検出器表面に複合されてない磁気ラベルに結合された前記抗トロポニンI抗体は、磁場及び傾斜磁場を使用することにより、前記検出器表面から除去される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のサンプル中のトロポニンIを測定する方法。
【請求項6】
使用される前記多クローン性抗トロポニンI抗体は、ヤギの多クローン性抗体である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のサンプル中のトロポニンIを測定する方法。
【請求項7】
前記磁気ラベルは、光学的に検出される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のサンプル中のトロポニンIを測定する方法。
【請求項8】
前記磁気ラベルは、磁気的に検出される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のサンプル中のトロポニンIを測定する方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法によりトロポニンIを測定することができる、バイオセンサー装置。
【請求項10】
カートリッジであって、
磁気ラベルに結合された単クローン性抗トロポニンI抗体、
当該カートリッジ内で、検出器表面に結合された多クローン性抗トロポニンI抗体又は検出器表面に結合された少なくとも2つの異なる抗トロポニンI抗体、及び
サンプル注入口、
を含む、アッセイ装置での使用のためのカートリッジ。
【請求項11】
前記磁気ラベルは、無機材料又は無機及び有機材料を含む粒子である、請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記磁気ラベルは、200nmから1000nmまでのサイズを有する、請求項10又は11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記多クローン性抗トロポニンI抗体は、ヤギの多クローン性抗体である、請求項10乃至12のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項14】
心筋梗塞の診断プロセスにおいて、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のサンプル中のトロポニンIを測定する方法、請求項9に記載の装置又は請求項10乃至13のいずれか一項に記載のカートリッジの使用。

【図2】
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【公表番号】特表2012−513586(P2012−513586A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541689(P2011−541689)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055757
【国際公開番号】WO2010/073182
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】