説明

磁気共鳴イメージング装置

【課題】被検者ができるだけ閉塞感を感じることなく撮影できることを提供する。
【解決手段】オペレータ13は、被検者12が閉所恐怖症の場合、閉所恐怖症ヘルプモードでクレードル3aの移動が行われるように、操作部26を操作する。閉所恐怖症ヘルプモードとは、ランドマークLMが、撮影可能領域28の前端面28aに一致するように、クレードル3aを移動させるモードである。したがって、撮影部位を、撮影可能領域28のうちの、ボアの搬入口21aの側に移動させることができるので、被検者12が感じる閉塞感を軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者を撮影する磁気共鳴イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング装置で被検者を撮影する場合、被検者の撮影部位をマグネットのボアの中央部分にまで搬送する。一般的に、ボアの中央部分は、良質の画像を取得することが可能な撮影可能領域となっている。したがって、被検者の撮影部位をマグネットのボアの中央部分に搬送することによって、高品質な画像を得ることができる。
【0003】
しかし、撮影部位が頭部の場合、頭部がボアの中央部分に搬送されるので、被検者の視界がボアの内壁で遮られる。したがって、被検者が閉所恐怖症の場合は、撮影できないことがある。そこで、閉所恐怖症の被検者が感じる苦痛を低減する方法が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-052663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、撮影部位が脚部の場合、脚部がボアの中央部分に搬送されても、被検者の目はボアの外側に出ることがある。この場合、被検者は、ボアの外側を見ることができるので、被検者が閉所恐怖症であっても、被検者の感じる閉塞感が軽減されるので、特段の対策を取らなくても、被検者を撮影できることがある。しかし、被検者の身長が低い場合などは、撮影部位が脚部であっても、被検者の目がボアの外側に出ないことがあるので、被検者の感じる閉塞感はそれほど軽減されず、被検者を撮影することが難しい場合がある。
したがって、被検者ができるだけ閉塞感を感じることなく撮影できることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、マグネットのボアの搬入口から被検者を前記ボアに搬入し、前記被検者を撮影する磁気共鳴イメージング装置であって、
前記被検者が載置されるクレードルと、
前記被検者の撮影部位が、前記ボアに規定された撮影可能領域のうちの、前記搬入口の側に位置するように、前記クレードルを移動させるクレードル移動手段と、
を有する、磁気共鳴イメージング装置である。
【発明の効果】
【0007】
撮影部位を、撮影可能領域のうちの、ボアの搬入口の側に位置させるので、被検者の目をボアの外側に近づけることができ、被検者が感じる閉塞感を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】、本発明の第1の磁気共鳴イメージング装置の概略図である。
【図2】ランドマークの設定位置を示す図である。
【図3】撮影部位を撮影可能領域28に搬送した後の様子を示す図である。
【図4】ランドマークの設定位置を示す図である。
【図5】クレードル3aを移動させた後の撮影部位の位置を示す図である。
【図6】被検者12をテーブル3に寝かせたときの図である。
【図7】ランドマークの設定位置を示す図である。
【図8】クレードル3aを移動させた後の撮影部位の位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
【0010】
(1)第1の形態
図1は、本発明の第1の磁気共鳴イメージング装置の概略図である。
磁気共鳴イメージング装置(以下、「MRI装置」と呼ぶ。MRI:Magnetic Resonance Imaging)100は、マグネット2、テーブル3、受信コイル4などを有している。
【0011】
マグネット2は、被検者12が収容されるボア21を有している。被検者12は、ボア21の搬入口21aから、ボア21の内部に搬入される。また、マグネット2は、超伝導コイル22と、勾配コイル23と、RFコイル24とを有している。超伝導コイル22は静磁場B0を印加し、勾配コイル23は勾配磁場を印加し、RFコイル24は、RFパルスを送信するとともに、被検者12の磁気共鳴信号を受信する。尚、超伝導コイル22の代わりに、永久磁石を用いてもよい。
【0012】
また、マグネット2には、被検者12をボア21に搬入するときの目印となるランドマークを設定するためのポジショニングランプ25が設けられている。
【0013】
テーブル3は、被検者12が載置されるクレードル3aを有している。クレードル3aは、クレードル3aを移動させるクレードル移動装置30に連結されている。クレードル移動装置30は、z方向および−z方向に移動することができるように構成されている。クレードル移動装置30がz方向に移動すると、クレードル移動装置30はクレードル3aを牽引し、クレードル3aはz方向に移動する。また、クレードル移動装置30が−z方向に移動すると、クレードル移動装置30はクレードル3aを押し出し、クレードル3aは−z方向に移動する。したがって、クレードル移動装置30によって、クレードル3aをz方向および−z方向に自在に移動させることができる。
【0014】
受信コイル4は、被検者12の膝に取り付けられている。受信コイル4は、被検者12からの磁気共鳴信号を受信する。
【0015】
MRI装置100は、更に、シーケンサ5、送信器6、勾配磁場電源7、受信器8、中央処理装置9、操作部10、および表示部11を有している。
【0016】
シーケンサ5は、中央処理装置9の制御を受けて、被検者12を撮影するための情報を送信器6および勾配磁場電源7に送る。
【0017】
送信器6は、シーケンサ5から送られた情報に基づいて、RFコイル24を駆動する駆動信号を出力する。
【0018】
勾配磁場電源7は、シーケンサ5から送られた情報に基づいて、勾配コイル23を駆動する駆動信号を出力する。
【0019】
受信器8は、RFコイル24又は受信コイル4で受信された磁気共鳴信号を信号処理し、信号処理により得たれたデータを中央処理装置9に出力する。
【0020】
中央処理装置9は、シーケンサ5および表示部11に必要な情報を伝送したり、受信器8から受け取ったデータに基づいて画像を再構成するなど、MRI装置100の各種の動作を実現するように、MRI装置100の各部の動作を制御する。中央処理装置9は、例えばコンピュータ(computer)によって構成される。
【0021】
操作部10は、オペレータ13により操作され、種々の情報を中央処理装置9に入力する。表示部11は種々の情報を表示する。
MRI装置100は、上記のように構成されている。
【0022】
次に、MRI装置100を用いて被検者12を撮影する手順について説明する。以下では、被検者の膝を撮影する場合について説明する。
【0023】
先ず、オペレータ13は、被検者12をテーブル3に寝かせて、受信コイル4を設置する。第1の形態では、撮影部位は膝であるので、オペレータ13は、図1に示すように、膝に受信コイル4を設置する。受信コイル4を設置した後、オペレータ13は、ポジショニングライト25の光を用いて、被検者12をボア21に搬入するときの目印となるランドマークを設定する(図2参照)。
【0024】
図2は、ランドマークLMの設定位置を示す図である。
第1の形態では、オペレータ13は、被検者12が閉所恐怖症であるか否かに応じて、ランドマークLMの位置を変える。
【0025】
図2(a)は、被検者12が閉所恐怖症でない場合のランドマークLMの位置を示す図、図2(b)は、被検者が閉所恐怖症の場合のランドマークLMの位置を示す図である。
【0026】
オペレータ13は、ポジショニングライト25から光を照射させて、ランドマークLMを設定する。第1の形態では、被検者12が閉所恐怖症であるか否かに応じて、ランドマークLMの設定位置を変えている。被検者12が閉所恐怖症でない場合は(図2(a)参照)、受信コイル4の中心位置にランドマークLMが設定される。一方、被検者12が閉所恐怖症の場合は(図2(b)参照)、受信コイル4の前端部にランドマークLMが設定される。図2(a)と図2(b)とを比較すると、ランドマークLMの位置が異なっていることがわかる。
【0027】
オペレータ13は、ランドマークLMを設定した後、操作部26を操作して、撮影部位(膝)がボア21の撮影可能領域28に搬送されるように、クレードル3aを移動させる。撮影可能領域28とは、良質の画像を取得することが可能な領域を意味している。撮影可能領域28は、例えば、勾配磁場の中心を表すアイソセンター27を基準にして規定することができる。第1の形態では、アイソセンター27に対してz軸方向に±25cmの範囲を、撮影可能領域28として規定している。図3に、撮影部位を撮影可能領域28に搬送させた後の様子を示す。
【0028】
図3(a)は、被検者12が閉所恐怖症でない場合の撮影部位の位置を示す図、図3(b)は、被検者12が閉所恐怖症の場合の撮影部位の位置を示す図である。
【0029】
オペレータ13は、被検者12が閉所恐怖症でない場合(図3(a)参照)、通常モードでクレードル3aが移動するように、操作部26を操作する。通常モードとは、ランドマークLMのz方向の位置が、アイソセンター27のz方向の位置に一致するように、クレードル3aを移動させるモードである。したがって、操作部26から、通常モードでクレードル3aを移動させる命令が入力されると、クレードル移動装置30は、ランドマークLMのz方向の位置が、アイソセンター27のz方向の位置に一致するように、クレードル3aを移動させる。この場合、撮影部位は、撮影可能領域28のほぼ中央部に位置決めされる。
【0030】
一方、オペレータ13は、被検者12が閉所恐怖症の場合(図3(b)参照)、閉所恐怖症ヘルプモードでクレードル3aが移動するように、操作部26を操作する。閉所恐怖症ヘルプモードとは、ランドマークLMが、撮影可能領域28の前端面28aに一致するように、クレードル3aを移動させるモードである。したがって、操作部26から、閉所恐怖症ヘルプモードでクレードル3aを移動させる命令が入力されると、クレードル移動装置30は、ランドマークLMが、撮影可能領域28の前端面28aに一致するように、クレードル3aを移動させる。これによって、撮影部位を、撮影可能領域28のうちの、搬入口21aの側に位置させることができる。
【0031】
図3に示すようにクレードル3aを移動させた後、スキャンを行う。第1の形態では、被検者12からの磁気共鳴信号を受信する場合、マグネット2のRFコイル24は用いずに、撮影部位に設置した受信コイル4を用いる。このようにして、スキャンが行われる。
【0032】
図3(a)および(b)を比較すると、図3(b)における撮影部位(膝)が、図3(a)における撮影部位(膝)よりも、距離ΔDだけボア21の搬入口21aに近くなっている。したがって、図3(a)では、被検者12の目は、ボア21の内側に入り込んでいるが、図3(b)では、距離ΔDによって、被検者12の目を、ボア21の外側に出すことができる。このため、被検者12が閉所恐怖症の場合(図3(b)参照)、被検者12が感じる閉塞感を軽減することができる。また、図3(b)の場合でも、撮影部位(膝)は撮影可能領域28に入り込んでいるので、十分に高品質な画像を得ることができる。
【0033】
尚、第1の形態では、被検者12が閉所恐怖症の場合、ランドマークLMを受信コイル4の前端部に設定している。しかし、撮影部位を、撮影可能領域28のうちの、搬入口21aの側に位置させることができるのであれば、受信コイル4の前端部とは異なる位置に、ランドマークLMを設定してもよい。
【0034】
(2)第2の形態
第1の形態では、被検者12が閉所恐怖症であるか否かに応じて、ランドマークLMの位置を変えているが、ランドマークLMの位置は同じでもよい。第2の形態では、ランドマークLMの位置が同じ場合について説明する。
【0035】
先ず、オペレータ13は、図1に示すように、被検者12をテーブル3に寝かせて、受信コイル4を設置する。受信コイル4を設置した後、オペレータ13は、被検者12をボア21に搬入するときの目印となるランドマークを設定する(図4参照)。
【0036】
図4は、ランドマークの設定位置を示す図である。
第2の形態では、オペレータ13は、被検者12が閉所恐怖症であるか否かに関わらず、受信コイル4の中心位置にランドマークLMを設定する。オペレータ13は、ランドマークLMを設定した後、操作部26を操作して、撮影部位(膝)がボア21の撮影可能領域28に搬送されるように、クレードル3aを移動させる(図5参照)。
【0037】
図5は、クレードル3aを移動させた後の撮影部位の位置を示す図である。
図5(a)は、被検者12が閉所恐怖症でない場合の撮影部位の位置を示す図、図5(b)は、被検者12が閉所恐怖症の場合の撮影部位の位置を示す図である。
【0038】
オペレータ13は、被検者12が閉所恐怖症でない場合(図5(a)参照)、通常モードでクレードル3aが移動するように、操作部26を操作する。したがって、クレードル移動装置30は、ランドマークLMのz方向の位置がアイソセンター27のz方向の位置に一致するようにクレードル3aを移動させるので、撮影部位は、撮影可能領域28の中央部に位置する。
【0039】
一方、オペレータ13は、被検者12が閉所恐怖症の場合(図5(b)参照)、閉所恐怖症ヘルプモードでクレードル3aが移動するように、操作部26を操作する。第2の形態では、閉所恐怖症ヘルプモードとは、ランドマークLMが、撮影可能領域28の前端面28aから所定の距離ΔVだけ撮影可能領域28の内側にずれるように、クレードル3aを移動させるモードである。したがって、操作部26から、閉所恐怖症ヘルプモードでクレードル3aを移動させる命令が入力されると、クレードル移動装置30は、ランドマークLMが、撮影可能領域28の前端面28aから所定の距離ΔVだけ撮影可能領域28の内側にずれるように、クレードル3aを移動させる。ここで、ΔVは、受信コイル4の中心位置と前端部との間の距離であり、使用される受信コイル4の種類によって予め決められた値である。オペレータ13は、閉所恐怖症ヘルプモードでクレードル3aを移動させる前に、操作部26を操作して、受信コイル4の種類に関する情報を入力する。この情報が入力されると、受信コイル4の種類に応じたΔVの値が決定される。したがって、受信コイル4の種類によって、ΔVの値が違っていても、受信コイル4の前端部を撮影可能領域28の前端面28aに合わせることができる。図5に示すようにクレードル3aを移動させた後、スキャンを行う。
【0040】
第2の形態では、被検者12が閉所恐怖症の場合、ランドマークLMが、撮影可能領域28の前端面28aから所定の距離ΔVだけ撮影可能領域28の内側にずれるように、クレードル3aを移動させている。したがって、ランドマークLMを受信コイル4の中心位置に設定しても、撮影部位(膝)が、撮影可能領域28からはみ出ないようにすることができる。また、撮影部位を、ボア21の搬入口21aに近づけることができるので、被検者12の目を、ボア21の外側に出すことができ、被検者12が感じる閉塞感を軽減することができる。
【0041】
更に、第2の形態では、被検者が閉所恐怖症であるか否かに応じて、ランドマークLMの位置を変更する必要がないので、ランドマークLMの設定作業を共通化することができ、オペレータ13の作業負担を軽減することができる。
【0042】
尚、第2の形態では、ランドマークLMを受信コイル4の中心位置に設定している。しかし、ランドマークLMの設定位置は、受信コイル4の中心位置に限定されることはなく、受信コイル4の中心位置からずれていてもよい。
【0043】
(3)第3の形態
第1および第2の形態では、受信コイル4を用いた例について説明したが、第3の形態では、受信コイル4を用いない場合について説明する。尚、第3の形態でも、第1および第2の形態と同様に、膝を撮影する場合について説明する。
【0044】
先ず、オペレータ13は、被検者12をテーブル3に寝かせる(図6参照)。
図6は、被検者12をテーブル3に寝かせたときの図である。
【0045】
第3の形態では、受信コイル4を用いないので、膝には受信コイル4は設置されない。被検者12を寝かせた後、オペレータ13は、被検者12をボア21に搬入するときの目印となるランドマークを設定する(図7参照)。
【0046】
図7は、ランドマークの設定位置を示す図である。
第3の形態では、被検者12が閉所恐怖症であるか否かに関わらず、撮影部位の中心にランドマークLMを設定する。オペレータ13は、ランドマークLMを設定した後、操作部26を操作して、撮影部位(膝)がボア21の撮影可能領域28に搬送されるように、クレードル3aを移動させる(図8参照)。
【0047】
図8に、クレードル3aを移動させた後の撮影部位の位置を示す図である。
図8(a)は、被検者12が閉所恐怖症でない場合の撮影部位の位置を示す図、図8(b)は、被検者12が閉所恐怖症の場合の撮影部位の位置を示す図である。
【0048】
オペレータ13は、被検者12が閉所恐怖症でない場合(図8(a)参照)、通常モードでクレードル3aが移動するように、操作部26を操作する。したがって、クレードル移動装置30は、ランドマークLMのz方向の位置がアイソセンター27のz方向の位置に一致するようにクレードル3aを移動させるので、撮影部位は、撮影可能領域28の中央部に位置する。
【0049】
一方、オペレータ13は、被検者12が閉所恐怖症の場合(図8(b)参照)、閉所恐怖症ヘルプモードでクレードル3aが移動するように、操作部26を操作する。第3の形態では、閉所恐怖症ヘルプモードとは、ランドマークLMが、撮影可能領域28の前端面28aから所定の距離ΔWだけ撮影可能領域28の内側にずれるように、クレードル3aを移動させるモードである。したがって、操作部26から、閉所恐怖症ヘルプモードでクレードル3aを移動させる命令が入力されると、クレードル移動装置30は、ランドマークLMが、撮影可能領域28の前端面28aから所定の距離ΔWだけ撮影可能領域28の内側にずれるように、クレードル3aを移動させる。ここで、ΔWは、被検者の撮影部位が、撮影可能領域28のうちの、搬入口21aの側に位置するように、事前に設定された値である。したがって、撮影部位を、撮影可能領域28のうちの、搬入口21aの側に位置させることができる。図8に示すようにクレードル3aを移動させた後、RFコイル24を用いてスキャンを行う。
【0050】
第3の形態では、被検者12が閉所恐怖症の場合、ランドマークLMが、撮影可能領域28の前端面28aから所定の距離ΔWだけ撮影可能領域28の内側にずれるように、クレードル3aを移動させている。ΔWは、被検者の撮影部位が、撮影可能領域28のうちの、搬入口21aの側に位置するように、事前に設定された値であるので、被検者12の目を、ボア21の外側に出すことができ、被検者12が感じる閉塞感を軽減することが可能となる。
【0051】
また、第3の形態では、ΔWは事前に設定された値であるが、被検者の体格(身長など)の情報に基づいて、ΔWの値を決定するようにしてもよい。一般的には、被検者の体格の違いによって、撮影部位の範囲も異なってくるので、被検者の体格の情報に基づいて、ΔWの値を決定することによって、撮影部位が撮影可能領域28からはみ出ないようにすることができる。
【0052】
尚、第1〜第3の形態では、撮影部位は被検者の膝であるが、撮影部位は膝に限定されることはなく、例えば、ふくらはぎを撮影する場合にも、本発明は有効である。
【符号の説明】
【0053】
2 超伝導マグネット
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 シーケンサ
6 送信器
7 勾配磁場電源
8 受信器
9 中央処理装置
10 操作部
11 表示部
12 被検者
13 オペレータ
21 ボア
22 超伝導コイル
23 勾配コイル
24 RFコイル
100 MRI装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネットのボアの搬入口から被検者を前記ボアに搬入し、前記被検者を撮影する磁気共鳴イメージング装置であって、
前記被検者が載置されるクレードルと、
前記被検者の撮影部位が、前記ボアに規定された撮影可能領域のうちの、前記搬入口の側に位置するように、前記クレードルを移動させるクレードル移動手段と、
を有する、磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記被検者を前記ボアに搬入するときの目印となるランドマークを設定するためのポジショニングランプを有し、
前記クレードル移動手段は、前記ランドマークに基づいて前記クレードルを移動させる、請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
前記被検者の撮影部位に設置された受信コイルを有し、
前記ランドマークは前記受信コイルに設定される、請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
前記受信コイルの前端部に前記ランドマークを設定し、
前記クレードル移動手段は、
前記ランドマークが前記撮影可能領域の前端面に一致するように、前記クレードルを移動させる、請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
前記受信コイルの中心位置に前記ランドマークを設定し、
前記クレードル移動手段は、
前記ランドマークが前記撮影可能領域の前端面から所定の距離だけ前記撮影可能領域の内側にずれるように、前記クレードルを移動させる、請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
前記所定の距離は、前記受信コイルの種類に基づいて決定される、請求項5に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
前記被検者が閉所恐怖症であるか否かに関わらず、前記ランドマークの設定位置が同じである、請求項5又は6に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項8】
前記マグネットは、RFパルスを送信するとともに、前記被検者からの磁気共鳴信号を受信するRFコイルを有し、
前記ランドマークは、前記被検者の撮影部位に設定される、請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項9】
前記クレードル移動手段は、
前記ランドマークが前記撮影可能領域の前端面から所定の距離だけ前記撮影可能領域の内側にずれるように、前記クレードルを移動させる、請求項8に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項10】
前記所定の距離は、前記被検者の体格の情報に基づいて決定される、請求項9に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項11】
前記クレードル移動手段は、
前記被検者が閉所恐怖症でない場合、前記被検者の撮影部位が、前記撮影可能領域の中央部に位置するように、前記クレードルを移動させ、
前記被検者が閉所恐怖症の場合、前記被検者の撮影部位が、前記撮影可能領域のうちの、前記搬入口の側に位置するように、前記クレードルを移動させる、請求項1〜10のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−213456(P2012−213456A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79480(P2011−79480)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】