説明

磁気共鳴イメージング装置

【課題】少ない表面コイルで容易に広範囲の関心領域を測定することができる磁気共鳴イメージング装置を提供する。
【解決手段】寝台11と、寝台の上側に配置される下層天板12と、下層天板の上側に配置され被検体Pを載せる上層天板13と、下部コイル17と、下層天板と上層天板とを係脱自在に連結する天板連結部33と、被検体を挟んで下部コイルと対向配置された上部コイル18と、を備える。下層天板および上層天板は、被検体Pの所定の部位を撮影する際には、FOVの中心とコイル中心とが一致するよう天板連結部により連結されて一体として移動した後、天板連結部による連結を解除されて所定の部位の撮影中心とFOVの中心とコイル中心とが一致するよう上層天板のみが移動するとともに、他の部位を撮影する際には、他の部位の撮影中心とFOVの中心とコイル中心とが一致するよう上層天板のみがさらに移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板に載せられた被検体を撮影する磁気共鳴イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング(以下、MRIという)装置で高感度画像を得る手法として、関心領域の近傍に受信用の高周波コイル(表面コイル)を設置する手法が知られている。しかし、SN比の問題から表面コイルの大きさには制限がある。このため、関心領域が広範囲にわたる際には、アレイコイル(複数の表面コイルを被検体の長手方向に並行に並べて配置したもの)を用いることが多い。アレイコイルを用いれば、同一被検体に対する測定対象領域を変更する際に、表面コイルの配置をやり直す手間を省くことができる。
【0003】
しかし、アレイコイルを用いる場合、使用する表面コイルの数が増える。このため、表面コイル全体の設定が煩雑となり、設定にかかる時間が非常に増加してしまうほか、製品コストがかかってしまう。また、表面コイルと被検体が撮影とともに移動することから、被検者の安全確保のために表面コイルのケーブル処理が必要になる。このため、少ない表面コイルで広範囲の関心領域について測定することができる技術の開発が望まれる。
【0004】
従来、この種の少ない表面コイルで広範囲の関心領域を測定する技術に、特開2004−298303号公報(特許文献1)に開示されたものがある。
【0005】
この特開2004−298303号公報(特許文献1)に開示されたMRI装置は、天板を備えた寝台およびガントリに対して独立して表面コイルを支持する支持手段を備えており、被検体に対して鉛直方向下側に配置される表面コイル(以下、下部コイルという)と、この下部コイルに対向して被検体に対して鉛直方向上側に配置される表面コイル(以下、上部コイルという)とを、天板およびガントリの位置とは独立に、あらかじめ所定の位置に配置することができるようになっている。このため、天板に載せた被検体を、この1組の対向する表面コイルの間を移動させることにより、1組の対向する表面コイルのみで様々な関心領域を撮影することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−298303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の少ない表面コイルで広範囲の関心領域を測定する技術では、表面コイルを天板から独立させるため、下部コイルが天板より鉛直方向下側に位置する必要がある。このため、下部コイルを天板に備える場合に比べ、被検体から下部コイルまでの距離が遠くなり、撮影感度が悪くなってしまう。
【0008】
また、従来の技術では、表面コイルを支持する支持手段を必要とする。この支持手段の他端は、天板を備えた寝台およびガントリに対して独立させるため、天井や壁に取り付けられる必要がある。このため、この従来の技術を適用したMRI装置を設置する際には、MRI装置が設置される部屋の構造などにも気を配る必要があるなど、非常に面倒である。
【0009】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、少ない表面コイルで容易に広範囲の関心領域を測定することができる磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置は、上述した課題を解決するために、寝台と、前記寝台の上側に配置され、前記寝台の上面に沿って長手方向に移動可能な第1の天板と、前記第1の天板の上側に配置され、前記第1の天板に沿って前記長手方向に移動可能な、被検体を載せる第2の天板と、前記第2の天板と前記被検体の間であって前記被検体の撮影対象部位の直下または直下近傍に位置するように、前記天板上の複数の位置で位置決め可能に前記天板上に載設され、前記被検体から発生する信号を前記被検体の下側で受信する下部コイル要素と、前記第1の天板と前記第2の天板とを係脱自在に連結する天板連結部と、前記被検体を挟んで前記下部コイル要素と対向配置され、前記被検体から発生する信号を前記被検体の上側で受信する上部コイル要素と、を備え、前記第1の天板および前記第2の天板は、前記被検体の所定の部位を撮影する際には、撮影視野の中心と前記上部コイル要素および前記下部コイル要素のコイル中心とが一致するよう前記天板連結部により連結されて一体として移動した後、前記天板連結部による連結を解除されて前記所定の部位の撮影中心と前記撮影視野の中心と前記コイル中心とが一致するよう前記被検体を載置した前記第2の天板のみが移動するとともに、この第2の天板のみの移動の後に前記所定の部位とは異なる他の部位を撮影する際には、前記他の部位の撮影中心と前記撮影視野の中心と前記コイル中心とが一致するよう前記被検体を載置した前記第2の天板のみがさらに移動するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置によれば、少ない表面コイルで容易に広範囲の関心領域を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第1実施形態を示す概略的な全体構成図。
【図2】上層天板移動部として図1に示すクランプ部を用いる場合の、下層天板、上層天板および上層天板移動部との関係を示す説明図。
【図3】上層天板移動部にフックを利用する場合の、下層天板、上層天板および上層天板移動部との関係を示す説明図。
【図4】上部コイル支持部材を、長手方向の寝台側からみた正面図。
【図5】図1に示す磁気共鳴イメージング装置のCPUにより、少ない表面コイルで容易に広範囲の関心領域を測定するために天板の移動を制御する際の手順を示すフローチャート。
【図6】図5に示す手順のスタート時における磁気共鳴イメージング装置の様子を示す説明図。
【図7】図7は、撮影対象部位が頭部である場合の図5のステップS1における磁気共鳴イメージング装置の様子を示す説明図。
【図8】図5のステップS4における磁気共鳴イメージング装置の様子を示す説明図。
【図9】図5のステップS5およびS6における磁気共鳴イメージング装置の様子を示す説明図。
【図10】図5のステップS7における磁気共鳴イメージング装置の様子を示す説明図。
【図11】図5のステップS6およびS7の間における磁気共鳴イメージング装置の様子を示す説明図。
【図12】他の部位が胸部である場合の図5のステップS10における磁気共鳴イメージング装置の様子を示す説明図。
【図13】(a)は、下層天板および上層天板を載置可能なストレッチャを上面から見た簡略的な平面図、(b)は、下層天板および上層天板を載置可能なストレッチャの側面図。
【図14】第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置において、上層天板に下部コイルを4つの位置で位置決め可能な場合の例について示す説明図。
【図15】(a)は、下部コイルをスペーサ13aと交換した場合の例について示す説明図、(b)は、下部コイルをスペーサ13cと交換した場合の例について示す説明図。
【図16】上層天板が中空であり、下部コイルがこの上層天板内をCPUによる制御に従って移動自在に構成され、下部コイルがこの上層天板内の任意の位置で位置決め可能な場合の例を示す説明図。
【図17】上層天板が中空であり、下部コイルに設けられたハンドルを介して下部コイルがこの上層天板内を手動により移動自在に構成され、下部コイルがこの上層天板内の任意の位置で位置決め可能な場合の例を示す説明図。
【図18】天板が1枚のみの場合における第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の概略的な全体構成図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第1実施形態を示す概略的な全体構成図である。
【0015】
なお、以下の説明において、長手方向とは、被検体Pの体軸方向(図1の紙面左右方向)をいうものとする。
【0016】
磁気共鳴イメージング装置10は、寝台11、寝台11の上側に配置される第1の天板としての下層天板12、下層天板12の上側に配置され被検体Pを載せる第2の天板としての上層天板13、ガントリ14、投光器15、上層天板移動部としてのクランプ部16、下部コイル要素としての下部コイル17、上部コイル要素としての上部コイル18、上部コイル要素支持部材としての上部コイル支持部材19、CPU21、RAM22、ROM23、ネットワーク接続部24、入力部25および記憶部群26などを有する。
【0017】
下層天板12は、長手方向に移動可能なように、天板駆動機構31に対して天板駆動用連結部32で連結される。天板駆動機構31はCPU21により駆動制御される。
【0018】
下層天板12と上層天板13とは、天板連結部33によって連結される。この天板連結部33による連結は、必要に応じて解除することができる。この連結が解除されている場合、上層天板13は、下層天板12に対して独立に、長手方向に移動可能となる。
【0019】
なお、天板連結部33による連結および連結の解除は、手動で行うようにしてもよいし、CPU21により天板連結部33を制御して電動で行うようにしてもよい。本実施形態では、CPU21により天板連結部33を制御して電動で行う場合の例について説明する。
【0020】
ガントリ14は、図1に2点鎖線で示したように、中央部に撮像視野(以下、FOV(Field Of View))を有する。MRI撮影は、撮影対象部位をこのFOV内に入れて行うことが好ましい。
【0021】
投光器15は、ガントリ14の寝台11側の側面に設けられ、長手方向(図1の紙面左右方向)に対して直交する方向に、ガントリ14の開口部を横切るように可視光線を出射する。図1には、上下方向に光線を出射する場合の例について示した。
【0022】
投光器15が出射する光線と、FOV中心との距離は、あらかじめROM23などに記憶されている。このため、投光器15が出射する光線を撮影対象部位が横切る位置がわかれば、的確に撮影対象部位をFOV中心に位置させることができる。
【0023】
上層天板移動部としてのクランプ部16は、クランプ支持部34、クランプ台35およびクランプ板36を有する。
【0024】
クランプ支持部34は、図1に示すように、クランプ部16が長手方向に移動可能なように、クランプ駆動機構37に対してクランプ駆動用連結部38で連結される。クランプ駆動機構37は、CPU21により駆動制御される。
【0025】
なお、クランプ部16の移動可能距離を伸ばすためには、図1に示すように、ガントリ14の反寝台11側に、延長部27を設けてやるとよい。
【0026】
クランプ板36は、上下に移動可能にCPU21により制御され、クランプ台35とともに、上層天板13を上下にクランプする。天板連結部33による連結が解除されている場合、上層天板13は、クランプ台35およびクランプ板36によりクランプされ、下層天板12に対して独立に、長手方向に移動可能となる。
【0027】
図2は、上層天板移動部として図1に示すクランプ部16を用いる場合の、下層天板12、上層天板13および上層天板移動部(クランプ部16)との関係を示す説明図である。
【0028】
図2に示すように、下層天板12の長手方向ガントリ14側の端部には、クランプ台35が進入可能な凹部が設けられる。クランプ部16は、CPU21に制御されて、下層天板12の凹部にクランプ台35を進入後、クランプ板36を下げることにより、しっかりと上層天板13をクランプする。
【0029】
図3は、上層天板移動部にフック39を利用する場合の、下層天板12、上層天板13および上層天板移動部との関係を示す説明図である。
【0030】
図3に示すように、クランプ部16のクランプ板36のかわりに、移動用連結部としてのフック39を用いることでも、上層天板移動部によって、上層天板13を、下層天板12に対して独立に長手方向に移動させることができる。この場合、上層天板13の所要の位置に移動用連結部としての連結用開口部40(または凹部)を設けておき、この連結用開口部40にフック39を係合するようにするとよい。クランプ部16は、CPU21に制御されて、下層天板12の凹部にクランプ台35を進入後、連結用開口部40にフック39を係合する。上層天板13は、クランプ台35に支えられるため、安定した状態で移動することができる。
【0031】
なお、上層天板移動部は、上層天板13を連結し、上層天板13を下層天板12に対して独立に長手方向に移動させることができる構成であればよい。たとえば、この連結を担う構成としては、図2および図3に示した構成のほか、上層天板13のガントリ14側の端部および上層天板移動部の寝台11側端部の一方に強磁性体を、他方に電磁石を設けておき、連結がCPU21により電気的に制御されるような構成としてもよい。
【0032】
図4は、上部コイル支持部材19を、長手方向の寝台11側からみた正面図である。
【0033】
下部コイル17は、下層天板12の所定の位置に配置され、被検体Pから発生する信号を被検体の下側で受信する。下部コイル17は、下層天板12とともに移動する。
【0034】
上部コイル18は、上部コイル支持部材19により、上下移動可能に支持され、被検体Pから発生する信号を被検体の上側で受信する。上部コイル支持部材19は、下層天板12の、下部コイル17が配置されている位置近傍に配置される。この結果、下部コイル17と上部コイル18とは、被検体Pを挟んで対向配置されることになる。
【0035】
上部コイル支持部材19および下部コイル17は、下層天板12に配置されており、下層天板12と移動をともにする。また、上部コイル18は、上部コイル支持部材19に支持されている。このため、上部コイル18も、下層天板12と移動をともにする。したがって、下部コイル17と上部コイル18とは、下層天板12の移動にともない移動しても、互いに対向配置された位置関係を保つことができる。
【0036】
なお、上部コイル支持部材19は、下層天板12の移動にともない移動しても、互いに対向配置された下部コイル17と上部コイル18の位置関係を保つことができるような構成であればよい。つまり、上部コイル支持部材19は、下層天板12に配置されている必要はなく、下部コイル17をさらに支持するようにして、下部コイル17と一体的に下層天板12の所定の位置に配置されてもよい。
【0037】
また、上部コイル支持部材19の側面の、長手方向寝台11側の端部およびガントリ14側の端部には、それぞれラインセンサ41が設けられる。
【0038】
被検体Pは、下部コイル17および上部コイル18の間を、上層天板13の移動とともに通過する。被検体Pの高さに応じて上部コイル18を上下に移動させ、被検体Pと上部コイル18との距離を適切に保つようにすることにより、上部コイル18は、より正確な信号を受信することができる。
【0039】
このラインセンサ41は、被検体Pの上層天板13からの距離(被検体Pの高さ)に応じた信号を出力する。天板連結部33が連結を解除し、クランプ部16により上層天板13が下層天板12に対して独立に移動する場合、CPU21の上部コイル駆動制御部は、ラインセンサ41の出力する信号を受け、被検体Pと上部コイル18との距離を適切に保つように、上部コイル18を上下に移動制御する。
【0040】
より具体的には、被検体P(上層天板13)が寝台11からガントリ14に向かって移動する場合は、CPU21の上部コイル駆動制御部は、寝台11側のラインセンサ41の出力信号を利用する。また、被検体Pがガントリ14から寝台11に向かって移動する場合は、CPU21の上部コイル駆動制御部は、ガントリ14側のラインセンサ41の出力信号を利用する。CPU21の上部コイル駆動制御部は、あらかじめROM23などに記憶されている、下部コイル17および上部コイル18の各コイル中心を結ぶ直線(以下、コイル中心という)とラインセンサ41との距離と、上層天板13(クランプ部16)の移動速度とにもとづき、ラインセンサ41を通過した被検体Pの部位がコイル中心にきたときに、被検体Pと上部コイル18との距離を適切に保つように、上部コイル18を上下に移動制御する。
【0041】
下部コイル17と上部コイル18間のRFケーブルおよび受信コイルと受信回路間の信号ケーブル42は、互いに接触しないようにする。たとえば、下部コイル17と上部コイル18間のRFケーブルは、上部コイル支持部材19に沿って処理し、受信コイルと受信回路間の信号ケーブル42は、下層天板12に固定するまたは下部コイル17と上部コイル18の間を通すようする。
【0042】
CPU21は、ROM23内に記憶されたプログラムに従って、磁気共鳴イメージング装置10の処理動作を制御する。CPU21は、ROM23内に記憶された天板移動制御プログラムおよびプログラムの実行のために必要なデータを、RAM22へロードし、天板移動制御プログラムに従って少ない表面コイルで容易に広範囲の関心領域を測定するために天板の移動を制御する処理を実行する。
【0043】
CPU21は、天板移動制御プログラムによって、少なくとも天板駆動制御部、撮影位置取得部、撮影開始指示受付部、クランプ制御部、天板連結制御部、上部コイル駆動制御部、撮影制御部および撮影開始指示受付部として機能する。この各部は、RAM2222の所要のワークエリアを、データの一時的な格納場所として利用する。なお、この機能実現部は、CPU21を用いることなく回路などのハードウエアロジックによって構成してもよい。
【0044】
RAM22は、CPU21が実行するプログラムおよびデータを一時的に格納するワークエリアを提供する。
【0045】
ROM23は、磁気共鳴イメージング装置10の起動プログラム、天板移動制御プログラムや、これらのプログラムを実行するために必要な各種データを記憶する。
【0046】
なお、ROM23は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、CPU21により読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有し、ROM23内のプログラムおよびデータの一部または全部は電子ネットワークを介してダウンロードされるように構成してもよい。
【0047】
ネットワーク接続部24は、ネットワークの形態に応じた種々の情報通信用プロトコルを実装する。ネットワーク接続部24は、この各種プロトコルに従って磁気共鳴イメージング装置10と他の電気機器とを接続する。この接続には、電子ネットワークを介した電気的な接続などを適用することができる。ここで電子ネットワークとは、電気通信技術を利用した情報通信網全般を意味し、LAN(Local Area Network)やインターネット網のほか、電話通信回線網、光ファイバ通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワークおよび衛星通信ネットワークなどを含む。
【0048】
入力部25は、操作パネル25a、天板操作部25bおよび投光器操作部25cを有する。
【0049】
操作パネル25aは、操作者が押したときにそれぞれ固有の指示信号をCPU21に与えるボタンなどのハードキーと、表示入力装置とを有する。
【0050】
表示入力装置は、表示装置としてのLCDと、LCD近傍に設けられたタッチパネルとを有する。LCDは、CPU21に制御されて、磁気共鳴イメージング装置10を操作するための情報および磁気共鳴イメージング装置10を操作するための複数のキー(以下、ソフトキーという)を表示する。タッチパネルは、操作者によるタッチパネル上の指示位置の情報をCPU21に与える。
【0051】
たとえば、操作者がLCDに表示された画面上のソフトキーの一つを押下する操作を意図した場合、操作者は画面上のこのソフトキー相当部に接触しようとする。タッチパネルは、この接触動作から得た情報、たとえば赤外線遮光方式の光学式タッチパネルであれば赤外線を遮られた位置の情報を、操作者の指示位置の情報として取得し、CPU21に与える。
【0052】
天板操作部25bは、たとえばキーボード、タッチパネル、ハードキーおよびジョイスティックなどの一般的な入力装置により構成され、操作者の操作に対応した操作入力信号をCPU21に出力する。操作者は、この天板操作部25bを介して、所望の向きおよび距離で、下層天板12を移動すべき旨の指示を与えることができる。
【0053】
投光器操作部25cは、たとえばキーボード、タッチパネル、ハードキーなどの一般的な入力装置により構成され、操作者の操作に対応した操作入力信号をCPU21に出力する。操作者は、この投光器操作部25cを介して、投光器15に対して可視光線を出射すべき旨の指示を与えることができる。
【0054】
なお、入力部25を構成する各部25a〜25cは、操作者が容易に操作できる位置に設置すればよい。たとえば、操作パネル25aは、図1に示すようにガントリ14の寝台11側の側面に設置する。操作パネル25aを2箇所以上に設置する場合は、設置箇所によって機能を振り分け、1箇所のみ操作パネル25aとし、他箇所はハードキーのみとしてもよい。また、操作パネル25aのハードキーまたは表示入力装置を、天板操作部25bおよび投光器操作部25cとして利用しても構わない。
【0055】
記憶部群26は、初期位置記憶部26aおよび撮影中心位置記憶部26bを有する。
【0056】
初期位置記憶部26aは、図1に示すような下層天板12が移動する前の位置(以下、初期位置という)から、コイル中心がFOV中心に合う位置までの、下層天板12の移動距離を、初期位置記憶部26aに記憶しておく。具体的には、まず、操作者は、下層天板12が初期位置にあるときに、操作パネル25aを介して、初期位置である旨の情報をCPU21に与える。また、操作者は、天板操作部25bを介してCPU21に指示を与えて下層天板12を移動させ、コイル中心をFOV中心に合う位置において、操作パネル25aまたは天板操作部25bを介して、コイル中心がFOV中心に合う位置に到達した旨の情報をCPU21に与える。この結果、CPU21はこれらの位置間の距離を算出し、この距離を初期位置記憶部26aに記憶させておくことができる。
【0057】
撮影中心位置記憶部26bは、撮影位置取得部から与えられる撮影中心位置の情報を記憶する。この撮影中心位置の情報は、初期位置からの距離であってもよいし、FOV中心からの距離であってもよいし、あらかじめ所定の位置に原点を定めた長手方向の座標であってもよい。
【0058】
次に、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置10の作用について説明する。
【0059】
図5は、図1に示す磁気共鳴イメージング装置10のCPU21により、少ない表面コイルで容易に広範囲の関心領域を測定するために天板の移動を制御する際の手順を示すフローチャートである。図5において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示す。
【0060】
図6は、図5に示す手順のスタート時における磁気共鳴イメージング装置10の様子を示す説明図である。
【0061】
この手順は、被検体Pを図6に示すように上層天板13に載せた時点でスタートとなる。
【0062】
なお、あらかじめ、図1や図6に示す初期位置から、コイル中心がFOV中心に合う位置までの下層天板12の移動距離を、初期位置記憶部26aに記憶しておく。また、あらかじめ、天板連結部33は、下層天板12と上層天板13を連結しておく。
【0063】
図7は、撮影対象部位が頭部である場合の図5のステップS1における磁気共鳴イメージング装置10の様子を示す説明図である。
【0064】
まず、ステップS1において、天板駆動制御部は、操作者から天板操作部25bを介して被検体Pを移動すべき旨の指示を受け、下層天板12(および上層天板13)を移動する。そして、天板駆動制御部は、操作者から天板操作部25bを介して、被検体Pの撮影中心を投光器15の可視光線に合わせたところで下層天板12の移動を停止すべき旨の指示をうけ、この位置で下層天板12の移動を停止させる(図7参照)。
【0065】
次に、ステップS2において、撮影位置取得部は、操作者から操作パネル25aを介して、現在の上層天板13の位置が撮影中心の位置である旨の情報を受け、現在の上層天板13の位置を撮影中心の位置として、撮影中心位置記憶部26bに記憶させる。
【0066】
次に、ステップS3において、撮影開始指示受付部は、操作者から操作パネル25aを介して、撮影中心の撮影を実行すべき旨の指示を受け付け、ステップS4に進む。
【0067】
図8は、図5のステップS4における磁気共鳴イメージング装置10の様子を示す説明図である。
【0068】
次に、ステップS4において、天板駆動制御部は、撮影開始指示受付部から撮影中心の撮影を開始すべき旨の情報を受け、初期位置記憶部26aから、初期位置からコイル中心がFOV中心に合う位置までの下層天板12の移動距離を読み出す。そして、天板駆動制御部は、コイル中心がFOV中心に合う位置まで下層天板12(および上層天板13)を移動する(図8参照)。
【0069】
図9は、図5のステップS5およびS6における磁気共鳴イメージング装置10の様子を示す説明図である。
【0070】
次に、ステップS5において、クランプ制御部は、クランプ部16を移動させ、クランプ板36を下げて上層天板13をクランプする。
【0071】
次に、ステップS6において、天板連結制御部は、天板連結部33を制御して、下層天板12と上層天板13の連結を解除する。なお、天板連結部33による連結および連結の解除を手動で行うよう天板連結部33を構成した場合は、ステップS6において、連結を解除すべき旨の警告を操作者に与え、連結が解除されるまで次の動作に移行しないようにするとよい。この警告としては、操作パネル25aの表示入力部25への警告表示や、ビープ音などの警告音などを利用するとよい。
【0072】
図10は、図5のステップS7における磁気共鳴イメージング装置10の様子を示す説明図である。
【0073】
次に、ステップS7において、クランプ制御部は、クランプ部16を寝台11から遠ざかる向きに移動させることにより、上層天板13のみを移動し、撮影中心、コイル中心およびFOV中心を一致させる。
【0074】
図11は、図5のステップS6およびS7の間における磁気共鳴イメージング装置10の様子を示す説明図である。
【0075】
ステップS6とステップS7の間、上層天板13のみが移動するため、上部コイル支持部材19と被検体Pとの相対位置が変化する。ラインセンサ41は、コイル間に進入してくる被検体Pの高さ(上層天板13からの距離)に応じた信号を出力する。そして、上部コイル駆動制御部は、ラインセンサ41から、被検体Pの高さ(上層天板13からの距離)に応じた信号を受け、ラインセンサ41を通過した被検体Pの部位がコイル中心にきたときに、被検体Pと上部コイル18との距離が適切に保たれるように、上部コイル18を上下に移動制御する。
【0076】
この結果、被検体Pと上部コイル18との距離が適切に保たれ、上部コイル18が受信する信号のS/N比の低下を防ぐことができる。
【0077】
次に、ステップS8において、撮影制御部は、FOV中心に位置する部位を撮影する。
【0078】
次に、ステップS9において、撮影開始指示受付部は、操作者から操作パネル25aを介して、他の部位を撮影すべき旨の指示があるかどうか判定する。他の部位を撮影すべき旨の指示がある場合は、ステップS10に進む。
【0079】
図12は、他の部位が胸部である場合の図5のステップS10における磁気共鳴イメージング装置10の様子を示す説明図である。
【0080】
次に、ステップS10において、操作者は、天板駆動部を介して上層天板13を移動させ、撮影中心を、コイル中心およびFOV中心に一致させる。上層天板13を移動させるだけであれば、コイル中心はFOV中心に位置したまま移動せず、撮影中心のみを容易に移動させることができる。
【0081】
次に、ステップS11において、操作者は、操作パネル25aを介して、撮影を実行すべき旨の指示を与え、ステップS8にもどる。
【0082】
なお、ステップS9で他の部位を撮影すべき旨の指示がある場合において、再び自動制御を行う際には、ステップS9からステップS1にもどってもよい。
【0083】
以上の手順によって、少ない表面コイルで容易に広範囲の関心領域を測定するために天板の移動を制御することができる。
【0084】
本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置10は、下層天板12および上層天板13の2枚の天板を用い、下部コイル17に対する被検体Pの相対位置を容易に変更することができる。このため、上層天板13を移動するだけで、被検体Pの様々な部位を、同一の下部コイル17で撮影することができる。したがって、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置10は、少ない表面コイルで容易に広範囲の関心領域を測定することが可能である。よって、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置10によれば、アレイコイルを用いる場合に比べ、コイルの設定に要する時間が大幅に短縮でき、ケーブル処理が容易で、かつコスト面でも有利である。
【0085】
また、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置10は、2枚の天板を効率よく利用しているため、寝台11の長手方向の長さを長くすることなく、撮影領域を延長することができる。
【0086】
さらに、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置10の下層天板12は、従来の天板と同様の機構で寝台11上を移動する。従って、従来のMRI装置の天板を、下層天板12および上層天板13に置き換えることが可能である。
【0087】
図13(a)は、下層天板12および上層天板13を載置可能なストレッチャ43を上面から見た簡略的な平面図であり、図13(b)は、下層天板12および上層天板13を載置可能なストレッチャ43の側面図である。
【0088】
図1などに示したように、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置10の下層天板12は、寝台11よりも、長手方向の長さが長い。したがって、図13(a)および(b)に示すように、ストレッチャ43を利用することができる。
【0089】
なお、本実施形態においては、上部コイル18が上部コイル支持部材19に支持される場合の例について示したが、上部コイル18は、あらかじめ被検体P撮影対象部位に直接のせておいてもよいし、上部コイル18を利用せずともよく、下部コイル17と被検体Pとの長手方向における相対位置関係を容易に変更可能であれば、少ない表面コイルで容易に広範囲の関心領域を測定することができる。また、上部コイル18が上部コイル支持部材19に支持される場合には、下部コイル17はなくてもよい。この場合は、上部コイル18と被検体Pとの長手方向における相対位置関係を容易に変更可能であり、少ない表面コイルで容易に広範囲の関心領域を測定することができる。
【0090】
次に、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置10の第2実施形態について説明する。
【0091】
この第2実施形態に示す磁気共鳴イメージング装置10Aは、上層天板13に下部コイル17を複数の位置で位置決め可能に配置することにより、少ない表面コイルで容易に広範囲の関心領域を測定する。この磁気共鳴イメージング装置10Aは、下部コイル17の配置位置および上層天板13の構成が図1に示す磁気共鳴イメージング装置10と異なる。他の構成および作用については図1に示す磁気共鳴イメージング装置10と実質的に異ならないため、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0092】
本実施形態においては、上層天板13と被検体Pの間に下部コイル17が配置される。このため、上層天板13に被検体Pを載せた後には、下部コイル17と被検体Pとの長手方向における位置関係を変更することができない。したがって、上層天板13に被検体Pを載せる前に、あらかじめ、上層天板13の長手方向における下部コイル17の配置位置を変更しておく。
【0093】
図14は、上層天板13に下部コイル17を4つの位置で位置決め可能な場合の例について示す説明図である。
【0094】
図14に示すように、上層天板13には、あらかじめ、4つのスペーサ13a〜13dが載せられている。このうちの任意の1つを下部コイル17と交換することができる。この場合、下部コイル17は、上層天板13に4つの位置で位置決め可能である。
【0095】
図15(a)は、下部コイル17をスペーサ13aと交換した場合の例について示す説明図であり、(b)は、下部コイル17をスペーサ13cと交換した場合の例について示す説明図である。
【0096】
図15に示すように、本実施形態においても、上部コイル支持部材19に支持された上部コイル18を用いることができる。なお、上部コイル支持部材19は、上層天板13の移動にともない移動しても、互いに対向配置された下部コイル17と上部コイル18の位置関係を保つことができるような構成であればよい。つまり、上部コイル支持部材19は、上層天板13に配置されている必要はなく、下部コイル17をさらに支持するようにして、下部コイル17と一体的に、上層天板13のスペーサ13a〜13dのいずれか1つと交換して配置されてもよい。
【0097】
次に、磁気共鳴イメージング装置10Aの作用について説明する。
【0098】
本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置10Aにも、図5に示した手順を適用することができる。しかし、下部コイル17と被検体Pの長手方向の相対位置関係を、あらかじめ変更しておくべき点が、第1実施形態に示した磁気共鳴イメージング装置10と異なる。
【0099】
まず、上層天板13上の下部コイル17位置を、被検体Pの撮影体操部位の直下または直下近傍となるように、変更しておく。そして、この下部コイル17位置(たとえば図15(b)参照)における、初期位置からコイル中心がFOV中心に合う位置までの下層天板12の移動距離を、初期位置記憶部26aに記憶させる。下層天板12のみでは距離が不足する場合などには、上層天板13をさらに移動させてもよい。この初期位置記憶部26aに対する書込みが終了し、被検体Pを撮影中心がコイル中心と一致するように上層天板13に載せてから、図5に示したステップS1に進めばよい。
【0100】
なお、本実施形態において、図5に示したステップS5およびS6は、必要に応じて、すなわち下層天板12のみでは距離が不足する場合などにのみ、実行すればよい。また、図5に示したステップS4とS7は、本実施形態においては同等である。撮影中心とコイル中心は、初期位置ですでに一致させておくからである。また、ステップS9において、他の部位を撮影すべき旨の指示がある場合は、ステップS10には進まず、再び最初からやり直す必要がある。撮影部位を変更するためには、もう一度、上層天板13上の下部コイル17位置を、被検体Pの撮影体操部位の直下または直下近傍となるように、変更する必要があるためである。
【0101】
図16は、上層天板13が中空であり、下部コイル17がこの上層天板13内をCPU21による制御に従って移動自在に構成され、下部コイル17がこの上層天板13内の任意の位置で位置決め可能な場合の例を示す説明図である。
【0102】
また、図17は、上層天板13が中空であり、下部コイル17に設けられたハンドル51を介して下部コイル17がこの上層天板13内を手動により移動自在に構成され、下部コイル17がこの上層天板13内の任意の位置で位置決め可能な場合の例を示す説明図である。
【0103】
図16および図17に示すように、上層天板13が中空の場合、被検体Pを載せた後にも、下部コイル17を移動させることができる。この場合、図14および図15に示した場合と異なり、ステップS9において、他の部位を撮影すべき旨の指示がある場合は、ステップS10に進むことができる。
【0104】
本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置10Aは、上層天板13に下部コイル17を設置する。上層天板13は、上層天板13上の複数の位置で下部コイル17を位置決め可能に構成される。このため、上層天板13上で下部コイル17を移動するだけで、被検体Pの様々な部位を、同一の下部コイル17で撮影することができる。したがって、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置10Aも、少ない表面コイルで容易に広範囲の関心領域を測定することが可能である。よって、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置10Aによっても、アレイコイルを用いる場合に比べ、コイルの設定に要する時間が大幅に短縮でき、ケーブル処理が容易で、かつコスト面でも有利である。
【0105】
なお、本実施形態において、上部コイル18が上部コイル支持部材19に支持される場合の例について示したが、上部コイル18は、あらかじめ被検体P撮影対象部位に直接のせておいてもよいし、上部コイル18を利用せずともよく、下部コイル17と被検体Pとの長手方向における相対位置関係を容易に変更可能であれば、少ない表面コイルで容易に広範囲の関心領域を測定することができる。また、上部コイル18が上部コイル支持部材19に支持される場合には、下部コイル17はなくてもよい。この場合は、上部コイル18と被検体Pとの長手方向における相対位置関係を容易に変更可能であり、少ない表面コイルで容易に広範囲の関心領域を測定することができる。
【0106】
また、第2実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置10Aは、1枚のみの天板であっても適用可能である。
【0107】
図18は、天板が1枚のみの場合における磁気共鳴イメージング装置10Aの概略的な全体構成図である。
【0108】
天板が1枚のみの場合、この天板は、図14ないし図17に示したように下部コイル17を複数の位置で位置決め可能に構成され、かつ、天板駆動機構31と天板駆動用連結部32を介して連結される。
【0109】
天板が1枚のみであっても、上層天板13上で下部コイル17を移動するだけで、被検体Pの様々な部位を、同一の下部コイル17で撮影することができる。したがって、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置10Aも、少ない表面コイルで容易に広範囲の関心領域を測定することが可能である。
【0110】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0111】
10 磁気共鳴イメージング装置
11 寝台
12 下層天板
13 上層天板
13a、13b、13c、13d スペーサ
14 ガントリ
15 投光器
16 クランプ部
17 下部コイル
18 上部コイル
19 上部コイル支持部材
21 CPU
22 RAM
23 ROM
24 ネットワーク接続部
25 入力部
25a 操作パネル
25b 天板操作部
25c 投光器操作部
26 記憶部群
26a 初期位置記憶部
26b 撮影中心位置記憶部
27 延長部
31 天板駆動機構
32 天板駆動用連結部
33 天板連結部
34 クランプ支持部
35 クランプ台
36 クランプ板
37 クランプ駆動機構
38 クランプ駆動用連結部
39 フック
40 連結用開口部
41 ラインセンサ
42 信号ケーブル
43 ストレッチャ
51 ハンドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
寝台と、
前記寝台の上側に配置され、前記寝台の上面に沿って長手方向に移動可能な第1の天板と、
前記第1の天板の上側に配置され、前記第1の天板に沿って前記長手方向に移動可能な、被検体を載せる第2の天板と、
前記第2の天板と前記被検体の間であって前記被検体の撮影対象部位の直下または直下近傍に位置するように、前記天板上の複数の位置で位置決め可能に前記天板上に載設され、前記被検体から発生する信号を前記被検体の下側で受信する下部コイル要素と、
前記第1の天板と前記第2の天板とを係脱自在に連結する天板連結部と、
前記被検体を挟んで前記下部コイル要素と対向配置され、前記被検体から発生する信号を前記被検体の上側で受信する上部コイル要素と、
を備え、
前記第1の天板および前記第2の天板は、
前記被検体の所定の部位を撮影する際には、撮影視野の中心と前記上部コイル要素および前記下部コイル要素のコイル中心とが一致するよう前記天板連結部により連結されて一体として移動した後、前記天板連結部による連結を解除されて前記所定の部位の撮影中心と前記撮影視野の中心と前記コイル中心とが一致するよう前記被検体を載置した前記第2の天板のみが移動するとともに、この第2の天板のみの移動の後に前記所定の部位とは異なる他の部位を撮影する際には、前記他の部位の撮影中心と前記撮影視野の中心と前記コイル中心とが一致するよう前記被検体を載置した前記第2の天板のみがさらに移動する、
磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記被検体を挟んで前記下部コイル要素と対向配置されるよう前記上部コイル要素を支持するとともに、前記第2の天板に固定されて前記第2の天板とともに移動する上部コイル要素支持部材、
をさらに備えた請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
前記第2の天板のみを移動させる際に、前記天板連結部による連結を解除すべき旨の警告をユーザに通知する警告部、
をさらに備えた請求項1または2に記載の磁気共鳴イメージング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−46783(P2013−46783A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−233070(P2012−233070)
【出願日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【分割の表示】特願2007−258986(P2007−258986)の分割
【原出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】