説明

磁気浮揚玩具

【課題】磁気の反発力や吸引力によって空中に被浮揚体が浮揚される玩具が知られている。この被浮揚体を発光させるためには、被浮揚体内に電池や発光手段を内蔵させる必要があるが、それでは被浮揚体の重量が重くなり、被浮揚体を浮揚させづらくなる。
【解決手段】発光ダイオード24を保持装置2側に取り付け、発光部23から射出される光を受光部4で受光し、その受光された光を光ファイバ41により各所に配光して、人形3の表面から発光させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気手段を内蔵した被浮揚体と、この被浮揚体の磁気手段に磁力を作用させて、浮揚させた状態で回転自在に保持する保持部材とからなる磁気浮揚玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の磁気浮揚玩具として、例えば、コマに永久磁石を取り付けると共に、電磁石を内蔵した保持台を設け、保持台から発せられる磁気とコマの永久磁石から発せられる磁気とを反発させ、コマを保持台上の空間に浮揚させた状態でコマを回転させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このほかにも、魚などの形をした人形の上面に永久磁石を取り付け、電磁石により上方から永久磁石を吸引することにより人形を浮揚させるものも知られている。なお、この上方から吸引するタイプのものでは永久磁石と共に、磁気を検知するホール素子からなる磁気センサを取り付け、人形の永久磁石と電磁石との距離が一定になるように電磁石への供給電力が制御されるように構成されている。
【特許文献1】特開平8−57157号公報(請求項1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の磁気の反発力や吸引力によって、コマや人形などの被浮揚体を浮揚させる玩具では、被浮揚体の表面を発光させることにより、玩具としての価値をさらに高めたい場合が生じる。ところが、被浮揚体に作用する反発力や吸引力はそれほど大きなものではないため、被浮揚体内に電池や発光手段を組み込むことは、被浮揚物の重量を増加させるため、困難である。
【0005】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、被浮揚物の重量の増加を可及的に少なくして被浮揚体から発光させることのできる磁気浮揚玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明による磁気浮揚玩具は、磁気手段を内蔵した被浮揚体と、この被浮揚体の磁気手段に磁力を作用させて、浮揚させた状態で回転自在に保持する保持部材とからなる磁気浮揚玩具において、被浮揚体の外面に露出し、被浮揚体の回転軸線上に位置する受光部と、この受光部で受光された光を被浮揚体の所定の位置に導き外方へ照射する光ファイバとを被浮揚体に設けると共に、被浮揚体が浮揚された状態で上記受光部に光を照射する照明手段を保持部材に設けたことを特徴とする。
【0007】
被浮揚体は浮揚しており、姿勢が固定されていないが、回転軸は移動しない、従って、被浮揚体が回転しても回転軸線上に設けた受光部は移動しない。その受光部に照明手段によって光を照射すると、受光された光は光ファイバに導かれて各所に配光される。
【発明の効果】
【0008】
以上の説明から明らかなように、被浮揚体の外部から照射した光で被浮揚体を発光させることができるので、被浮揚体内に電池や発光手段を設ける必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1および図2を参照して、1は本発明による磁気浮揚玩具である。この磁気浮揚玩具1は、環状の保持装置2と、保持装置2のほぼ中心付近に浮揚状態で保持される被浮揚体である人形3とから構成されている。
【0010】
保持装置2の上部収納部21内には図示しないが、電磁石とホール素子からなる磁気センサとが内蔵されている。そして、この磁気センサが検知する磁界の強さが一定になるように電磁石への通電電力を制御する制御装置が、保持装置2の下部収納部22内に内蔵されている。
【0011】
人形3の頂部には永久磁石31が内蔵されており、磁気センサがこの永久磁石31の磁界の強さを検知し、その磁界の強さが一定になるように電磁石の通電電力が制御されるので、電磁石31と磁気センサとの距離が一定に保持されることになる。すなわち、電磁石が永久磁石31を吸引する力が制御され、人形3が一定の高さの保持されることになる。この状態では、人形3は垂直な軸線周りに自由に回転することができる。
【0012】
本発明では、人形3が保持装置2内の空間に浮揚された状態で、人形3の回転軸線上に位置するように受光部4を設けた。また、人形3が浮揚された状態で、この受光部4に対向するように発光部23を下部収納部22の上面に設けた。
【0013】
発光部23の下方には発光ダイオード24が配置されており、発光ダイオード24から射出された光は発光部23を通って受光部4に照射される。
【0014】
受光部4には複数本の光ファイバ41が取り付けられており、受光部4で受光された光は各光ファイバ41内を通って各所に導かれる。光ファイバ41の他端は人形3の目32や人形3の体側の斑点3に開けられた穴に挿入され、光ファイバ41の端面が外部に露出するように構成されている。従って、受光部4に光が受光されると、光ファイバ41の端部が発光することになる。
【0015】
なお、発光ダイオード24は単色でもよいが、3色の発光ダイオードが1個の筐体内に封止されたマルチタイプのものを使用して、発光部23から射出される光の色を周期的に変化させることにより、人形3の発光状態を変化させるようにしてもよい。
【0016】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示す図
【図2】人形の内部構造を示す断面図
【符号の説明】
【0018】
1 磁気浮揚玩具
2 保持装置
24 発光ダイオード
3 人形(被浮揚体)
4 受光部
41 光ファイバ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気手段を内蔵した被浮揚体と、この被浮揚体の磁気手段に磁力を作用させて、浮揚させた状態で回転自在に保持する保持部材とからなる磁気浮揚玩具において、被浮揚体の外面に露出し、被浮揚体の回転軸線上に位置する受光部と、この受光部で受光された光を被浮揚体の所定の位置に導き外方へ照射する光ファイバとを被浮揚体に設けると共に、被浮揚体が浮揚された状態で上記受光部に光を照射する照明手段を保持部材に設けたことを特徴とする磁気浮揚玩具。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−275134(P2007−275134A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−102364(P2006−102364)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【出願人】(598174886)有限会社サーマル (2)
【Fターム(参考)】