説明

磁気記憶媒体及び磁気記録装置

【課題】分離された磁性ドットに記録、再生を行うパターンドメデイアタイプの磁気記憶媒体において、微小位置検出部の磁性ドットの保持力を向上する。
【解決手段】磁気記憶媒体(1)のデータ領域(11)の第1の磁性ドット(41)が配置される中心線を軸に、周方向に異なる個数の第2の磁性ドット(42)で、微小位置検出部(24)を構成する。微小位置検出部の磁性ドットの面積を小さくしたので、サーボ領域の保磁力が高くなり、且つ中心線を軸に、磁性ドットの個数によって、周波数を、磁性ドット列の半径方向の位置によって、位相を変えているため、ヘッドの再生信号から容易に、ヘッドの位置ずれ量を復調できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報の記録及び再生に用いる磁気記憶媒体及びその磁気記憶媒体を用いた磁気記録装置に関し、特に、磁気記録材料を、非磁気記録材料によって分断された磁性ドットを有する磁気記憶媒体及びその磁気記憶媒体を用いた磁気記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パターンドメディア方式の磁気記憶媒体が、磁気記録装置の記録容量を向上させる技術を向上させる技術として注目されている。パターンドメディア方式の磁気記憶媒体は、記録可能な磁性を有する微小で且つ均一の大きさの結晶粒が、基板上に、所定の位置に、非磁性材料で分離されて配置された記録媒体である。パターンドメディア方式の磁気記憶媒体は、原理上、面記録密度の向上が可能である(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
このディスク状の磁気記憶媒体(磁気ディスク媒体)は、情報の記録再生を行うための磁性体を含んでなるパターン(データパターン)と、その磁性体に対して磁気ヘッドを位置決めするための磁性体を含んでなるパターン(サーボパターン)とが基板上に形成されてなる。
【0004】
図22は、従来のパターンドメデイア方式の磁気記憶媒体のデータパターンとサーボパターンの構成図、図23は、図22における部分Cの拡大図である。図22において、縦方向が、ディスクの半径方向であり、横方向がトラック(周)方向であり、横方向の点線が、トラック境界を示す。
【0005】
図22に示すように、パターンドメデイアは、データ領域の磁性部及びサーボ領域の磁性ドットが規定の位置に形成されている。データ領域211には、複数の磁性ドット(第1磁性ドット)241(図23参照)が、所定の位置に配置されている。
【0006】
通常、周方向に隣接する第1磁性ドット241は、一定の間隔で配置される。第1磁性ドット241は、例えばCo−Cr−Pt,又は、Co−Cr−Pt−B,Co−Cr−Pt−SiO2等の強磁性体の多結晶からなる。第1の磁性ドット241の周囲には、シリカ、アルミナ、空気等の非磁性体244が配置される。この非磁性体244により、隣り合う2つの第1磁性ドット241間は分断されている。
【0007】
磁気ディスク装置内において、第1の磁性ドット241は、それぞれ記録素子により、所望の磁場が印加される。この磁場により、第1の磁性ドット241の磁化は、所望の方向を向いた状態で保持される。また、再生素子は、第1の磁性ドット241に記録された磁気情報を再生する。更に、垂直磁気記録方式の磁気ディスク媒体においては、磁性ドットの磁化は、媒体表面の法線方向を向く。
【0008】
一方、図22に示すように、サーボ領域212は、磁気ディスク媒体において用いられる際の機能により、同期信号生成部221、同期信号検出部222、アドレス部223、微小位置検出部224に分類できる。
【0009】
同期信号生成部221は、サーボ情報を呼び出す前に、信号アンプの増幅率を調整して振幅を一定にする働き、及びA/D変換(Analog to Digital Converter)クロック信号のサンプリングタイミングを生成する働きを有する。同期信号生成部221は、媒体の内周から外周までの全てあるいは一部の範囲で、径方向に連続し、かつ、周方向に一定の間隔で形成された磁性部を含んでなる。
【0010】
同期信号検出部222は、サーボ情報の開始を示す特徴的なパターンである。同期信号検出部222は、媒体の内周から外周までの全てあるいは一部の範囲で、径方向に連続し、かつ、周方向に同期信号生成部に比べて長いビット長の単一の磁性部又は数ビット長の既定符号を生成する複数の磁性部を含んでなる。
【0011】
アドレス部223は、サーボフレーム毎のトラック番号およびセクタ番号を示すIDパターンである。磁気記録装置において、磁気ヘッドの位置するトラック位置を示す。
【0012】
アドレス部223は、セクタ番号を示す周方向位置では、媒体の内周から外周までの全てあるいは一部の範囲で、径方向に連続し、トラック番号の上位桁を示す周方向位置では、媒体の内周から外周までの全てあるいは一部の範囲で、径方向に連続し、トラック番号の下位桁を示す周方向位置では、媒体の径方向に断続的となる磁性体を含んでなる。
【0013】
微小位置検出部224は、磁気記録装置において、磁気ヘッドの位置のトラック中心からのずれ情報を検出するために設けられる。微小位置検出部224は、周方向に、特定の形状及び配列からなる磁性パターンを有し、それぞれの磁性パターンは、媒体の径方向に、トラック毎に、等間隔に配置されている。
【0014】
図23は、図22の部分C、すなわちサーボ領域212のうち、微小位置検出部224とデータセクタ211の境界付近を拡大した模式図である。サーボ領域224は、データ領域211に含まれる第1磁性ドット241の半径位置を特定するための第2磁性ドット242を含んでなる。サーボ領域212は、更に、非磁性部243を含んでなる。
【0015】
図22に示すように、この微小位置検出部224は、所謂、面積復調で位置を検出するため、トラック境界(図の横方向の点線)を中心に、2つの磁性ドット242が、周方向に、交互に配置して構成することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0016】
面積復調方式では、周方向に交互に配置された磁性ドット242から得られる磁界の大きさに比例する再生ヘッドの出力の大きさや極性により、再生ヘッドの位置を復調する。このため、従来は、データ領域211の第1の磁性ドット241の面積より、大きな面積の第2の磁性ドット242を、微小位置検出部224に形成していた。
【特許文献1】特開2003−109333号公報
【特許文献2】特開2002−109712号公報
【特許文献3】特開2006−344328号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
微小位置検出部の第2磁性ドットは、通常、磁気記憶媒体の使用前に、媒体全体に強い磁場を印加することにより、サーボ情報の特定に必要な単一方向の磁化を生じさせる。しかし、微小位置検出部のように、データ領域の第1磁性ドットに比べて大面積の第2磁性ドットは、保磁力が小さいため、すべての第2磁性ドットを単一方向に磁化することが可能な外部磁場を印加しても、一部が、磁化反転してしまい、安定したサーボパターンを維持することが難しかった。
【0018】
従って、本発明の目的は、磁性ドットで、微小位置検出部を形成しても、再生素子の微小位置検出部の再生信号により正確に位置を検出するための磁気記憶媒体及び磁気記録装置を提供することにある。
【0019】
又、本発明の他の目的は、磁性ドットで、微小位置検出部を形成しても、安定な再生信号を得るための磁気記憶媒体及び磁気記録装置を提供することにある。
【0020】
更に、本発明の更に他の目的は、磁性ドットで、微小位置検出部を形成しても、磁化保磁力の低下を防止するための磁気記憶媒体及び磁気記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この目的の達成のため、本発明の磁気記憶媒体は、情報を記録するために複数の分離された第1磁性ドットを、所定の位置に配置したトラックを有するデータ領域と、前記第1磁性ドットの位置を特定するためのサーボ領域とを備え、前記サーボ領域は、第1の個数の分離された第2の磁性ドットを第1の周期で配列した第1の磁性ドット列と、前記第1の磁性ドット列と異なる個数の第2磁性ドットを第2の周期で配列した第2の磁性ドット列とを、前記第1磁性ドットが配置されるトラック中心線を軸として、対向する位置に配置した微小位置検出部を有する。
【0022】
又、本発明の磁気記録装置は、情報を記録するために複数の分離された第1磁性ドットを、所定の位置に配置したトラックを有するデータ領域と、前記第1磁性ドットの位置を特定するため、第1の個数の分離された第2の磁性ドットを第1の周期で配列した第1の磁性ドット列と、前記第1の磁性ドット列と異なる個数の第2磁性ドットを第2の周期で配列した第2の磁性ドット列とを、前記第1磁性ドットが配置されるトラック中心線を軸として、対向する位置に配置した微小位置検出部を有するサーボ領域とを備えた磁気記憶媒体と、前記磁気記憶媒体へ磁気情報を記録する又は前記磁気記憶媒体の磁気情報を再生する磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドにより検出された前記サーボ領域の微小位置検出部の磁気再生信号から、異なる2種類の周期成分の振幅および位相を抽出し、前記第1の磁性ドットに対する前記磁気ヘッドの位置を特定する制御回路とを有する。
【0023】
更に、本発明では、好ましくは、前記磁気記憶媒体がディスク状であり、前記サーボ領域が前記磁気記憶媒体の中心を、中心とする帯状の円周上に、断続的に配置され、前記データ領域が前記帯状の円周上の前記サーボ領域が配置されていない部分に配置される。
【0024】
更に、本発明では、好ましくは、前記第1の磁性ドット列は、前記第2の磁性ドットが前記第1の個数連続して配置され、且つ前記第1の個数分の長さの非磁性領域を有し、前記第2の磁性ドット列は、前記第2の磁性ドットが前記第2の個数連続して配置され、且つ前記第2の個数分の長さの非磁性領域を有する。
【0025】
更に、本発明では、好ましくは、前記第1の磁性ドット列と、前記第2の磁性ドット列とが、前記磁気記憶媒体の周方向に、ずれた位置に配置された。
【0026】
更に、本発明では、好ましくは、前記第2の磁性ドットは、前記第1の磁性ドットの面積を越えない面積を有する。
【0027】
更に、本発明では、好ましくは、前記第1磁性ドット及び前記第2磁性ドットが、多結晶の磁性材料からなる。
【0028】
更に、本発明では、好ましくは、前記第1の磁性ドットと前記第2の磁性ドットとが同じ材料からなる。
【0029】
更に、本発明では、好ましくは、前記第1の磁性ドット列の前記第2の磁性ドットが、前記磁気記憶媒体の半径方向で同じ位置に存在する前記第2の磁性ドット列の前記第2の磁性ドットと連結された構成である。
【発明の効果】
【0030】
データ領域の磁性ドットが配置される中心線を軸に、周方向に異なる個数の磁性ドットで、微小位置検出部を構成したので、微小位置検出部の磁性ドットの面積を小さくしても、正確に再生信号から位置を復調できる。又、サーボ領域の微小位置検出部を構成する磁性ドットの面積を小さくしたので、サーボ領域の保磁力が高くなり、サーボ領域の再生信号の信頼性の点において優れ、且つデータ領域の記録再生の信頼性を向上できる。更に、中心線を軸に、磁性ドットの個数によって、周波数を、磁性ドット列の半径方向の位置によって、位相を変えているため、ヘッドの再生信号から容易に、ヘッドの位置ずれ量を復調できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を、磁気記録装置、磁気記憶媒体の第1の実施の形態、サーボパターン復調回路、磁気記憶媒体の第2の実施の形態、磁気記憶媒体の第3の実施の形態、磁気記憶媒体の製造方法、他の実施の形態の順で説明するが、本発明は、この実施の形態に限られない。
【0032】
(磁気記録装置)
図1は、後述する磁気記憶媒体を備える磁気記録装置の一実施形態を示す構成図である。図1に示す磁気記録装置は、ディスク状の磁気記憶媒体(磁気ディスク媒体)1を備える。以下、磁気ディスク媒体を備える磁気記録装置を、磁気ディスク装置と呼称する。
【0033】
磁気ディスク装置は、ディスクエンクロージャ101と、回路基板120とを含んでなる。
【0034】
ディスクエンクロージャ101は、磁気ディスク媒体1と、スピンドルモータ102と、磁気ヘッド103と、アクチュエータ105と、ヘッドアンプ107等を密封して、搭載する容器である。
【0035】
アクチュエータ105は、ヨーク130と、ボイス・コイル・モータ(VCM)104と、ヘッドジンバル組立体108と、キャリッジアーム106と、シャフト110とで構成され、磁気ヘッド103を、磁気ディスク媒体1の任意の半径位置に、位置決めするのに用いられる。磁気ディスク媒体1は、スピンドルモータ(SPM)102に装着されている。
【0036】
磁気ヘッド103は、磁気ディスク媒体1に、磁気情報を記録する記録(ライト)素子(図示せず)と、磁気ディスク媒体1に記録された磁気情報を電気信号として取り出す働きを有する再生(リード)素子(図示せず)との少なくとも一方を含む。
【0037】
記録素子は、例えばライトコイル、主磁極層、及び補助磁極層を含んでなる。ライトコイルは磁束を発生させる機能を有する。主磁極層は、ライトコイルにおいて発生した磁束を収容し、その磁束を磁気ディスクに向けて放出する機能を有する、補助磁極層は、主磁極層から放出された磁束を、磁気ディスクを経由して環流させる機能を有する。
【0038】
再生素子としては、例えばMR素子(磁気抵抗効果素子)などが挙げられる。磁気ヘッド103は、ヘッドジンバル組立体108に搭載され、磁気ディスク媒体1と対向するように配置される。磁気ディスク媒体1としては、後述する種々の磁気記憶媒体を使用することができる。
【0039】
ヘッドジンバル組立体108の磁気ヘッド103が搭載されていない端部は、キャリッジアーム106の先端に固定されている。キャリッジアーム106は、ヨーク130とVCM104により、シャフト110を回転軸にして、揺動駆動することができる。
【0040】
磁気ヘッド103は、この揺動駆動により、磁気ディスク1上を、概ね径方向に走査することができる。磁気ヘッド103が、磁気ディスク媒体1上の所望の記録トラックに、位置決めされることにより、磁気ヘッド103は、磁気ディスク媒体1上の記録トラックに配列された記録ビットに情報を書き込む、あるいは磁気ディスク媒体1から情報を読み取ることができる。
【0041】
ヘッドアンプ107は、記録信号113を元に、磁気ヘッド103に搭載される記録素子に電流を流して、磁気ディスク媒体1に記録を行う、あるいは、磁気ヘッド103の再生素子が検出した磁気ディスク媒体1の磁化情報を、再生信号114として変換する働きを担っている。
【0042】
一方、回路基板120は、リードチャンネル116と、マイクロ・プロセッシング・ユニット(MPU)115と、スピンドルモータ(SPM)ドライバ111と、ボイス・コイル・モータ(VCM)ドライバ112と、ディスクコントローラ117等を含む。
【0043】
リードチャネル116は、ヘッドアンプ107からの再生信号114(サーボ信号あるいはデータ信号)を解読して、デジタル情報に変換する、あるいは、ディスクコントローラ117から記録指示された情報を、ヘッドアンプ107を駆動するための記録信号113に変換する働きを担う。
【0044】
MPU115は、リードチャネル116が解読したサーボ信号のデジタル情報(サーボ情報)を元に、VCMドライバ112を駆動して、磁気ヘッド103の位置決め制御をおこなう、あるいは、SPMドライバ111を駆動して、磁気ディスク媒体1の回転制御を行う。
【0045】
ディスクコントローラ117は、ホストコンピュータ118から記録再生命令によって、MPU115に、磁気ヘッド103の位置決めを指示し、磁気ヘッド103の磁気ディスク媒体1へのアドレッシングを行う働きを担う。また、ディスクコントローラ117は、リードチャネル116に、記録再生するデジタル情報の送受信を行なって、結果をホストコンピュータ118へ返す動作を行う働きを担う。
【0046】
次に、磁気ディスク1を、説明する。図2は、磁気ディスク装置に備えられた一実施形態の磁気ディスク媒体のセクタ構造を示す平面概念図である。図3は、図2における部分Aを拡大した図である。なお、図中、ディスクの表面において、ディスクの周方向をθ軸、径方向をr軸とする。
【0047】
図3に示すように、磁気ディスク1上に、データ領域11とサーボ領域12とが周方向に交互に配置されている。図2に示すように、サーボ領域12は、磁気ディスク媒体1の略中心を中心とする帯状の略円周上に、断続的に配置されている。また、データ領域11は、帯状の略円周上の前記サーボ領域12が配置されていない部分に配置されている。
【0048】
図3に示すように、データ領域11は、データを記憶する領域である。データ領域11には、記録再生を行うための記憶領域であるデータセクタ13が、周方向に一定長で配置されている。それぞれのデータセクタ11には、図6以下で説明するように、磁性ドットが含まれている。データ領域11に設けられた磁性部の形状及び配置を、データパターンと呼称する。
【0049】
サーボ領域(サーボセクタ)12は、データ領域11に含まれる磁性ドットの位置(特にディスクの径方向の位置)を特定するために設けられる。サーボ領域12は、後述する様々な形状及び配置がなされた磁性ドットを含んでなる。図2に示すように、サーボ領域12の形状は、磁気ディスク装置のヘッドアクセス軌跡となる円弧状で、かつサーボ領域12の周方向長が、半径位置に比例して長くなるように形成される(図3参照)。サーボ領域12に設けられた磁性ドットの形状及び配置を、サーボパターンと呼称する。
【0050】
磁気ヘッド103は、磁気ディスク媒体1を回転させた状態において、サーボ領域12に含まれる磁性ドットにより形成される再生信号を読み取ることにより、磁気ヘッド103の位置情報を得る。
【0051】
得られた磁気ヘッド103の位置情報をもとに、磁気ヘッド103は、トラックに対して位置決めされ、データ領域12の所望の位置の磁性部に、記録及び再生を行うことができる。
【0052】
サーボ領域12は、前述のように、同期信号生成部、同期信号検出部、アドレス部、微小位置検出部24とからなる。同期信号生成部は、サーボ情報を呼び出す前に、信号アンプの増幅率を調整して振幅を一定にする働き、及びA/D変換(Analog to Digital Converter)クロック信号のサンプリングタイミングを生成する働きを有する。同期信号生成部は、媒体の内周から外周までの全てあるいは一部の範囲で、径方向に連続し、かつ、周方向に一定の間隔で形成された磁性部を含んでなる。
【0053】
同期信号検出部は、サーボ情報の開始を示す特徴的なパターンである。同期信号検出部は、媒体の内周から外周までの全てあるいは一部の範囲で、径方向に連続し、かつ、周方向に同期信号生成部に比べて長いビット長の単一の磁性部又は数ビット長の既定符号を生成する複数の磁性部を含んでなる。
【0054】
アドレス部は、サーボフレーム毎のトラック番号およびセクタ番号を示すIDパターンである。磁気記録装置において、磁気ヘッドの位置するトラック位置を示す。又、アドレス部は、セクタ番号を示す周方向位置では、媒体の内周から外周までの全てあるいは一部の範囲で、径方向に連続し、トラック番号の上位桁を示す周方向位置では、媒体の内周から外周までの全てあるいは一部の範囲で、径方向に連続し、トラック番号の下位桁を示す周方向位置では、媒体の径方向に断続的となる磁性体を含んでなる。
【0055】
微小位置検出部24は、磁気ヘッドの位置のトラック中心からのずれ情報を検出するために設けられる。微小位置検出部224は、周方向に、特定の形状及び配列からなる磁性パターンを有し、それぞれの磁性パターンは、媒体の径方向に、トラック毎に、等間隔に配置されている。
【0056】
(磁気記憶媒体の第1の実施の形態)
図4は、本発明の磁気記憶媒体の第1の実施の形態の構成図、図5は、図4中の破線F部を拡大した図である。図4、図5は、微小位置検出部24と、データ部11のみを示す。
【0057】
図4、図5に示すように、データ領域11には、第1磁性ドット41が、磁気ディスク媒体1の周方向および径方向に、均等に配置される。その間隔は、周方向にTq、径方向にTpとなる。図中、一点鎖線で示されるのが、第1磁性ドット41の周方向列からなる記録トラックT0,T1,,,T4の中心線である。
【0058】
第1磁性ドット41は、例えば、CoCrPt等の強磁性体の多結晶からなる。第1の磁性ドット41の周囲には、シリカ、アルミナ、空気等の非磁性体44が配置される。この非磁性体44により、隣り合う2つの第1磁性ドット41間は分断されている。
【0059】
次に、サーボ領域12の微小位置検出部24を説明する。微小位置検出部24では、記録トラック(一点鎖線)の中心線から(1/4)Tpだけ離れた平行線上に、磁気ディスク媒体1の周方向に、第2磁性ドット42が、既定のパターンで繰返して、配置される。
【0060】
ここで、既定のパターンとは、既定個数の第2磁性ドット42の羅列の後ろに、これらと同じ長さに相当する非磁性部43が続き、これを、一周期としたパターンを意味する。
【0061】
例えば、図4においては、記録トラックT0の中心線から、半径方向に、(1/4)Tpだけ離れた平行線T0a,T0b上に、8Tq周期および6Tq周期の繰り返しパターンが配置される。
【0062】
記録トラックT0の隣の記録トラックT1の中心線から、半径方向に、(1/4)Tpだけ離れた平行線T1a,T1b上においても同様に、8Tq周期および6Tq周繰り返しパターンが配置される。
【0063】
但し、記録トラックT1上のパターン配置は、記録トラックT0上におけるパターン配置と比べ、同じ回転角における第2磁性ドット42と非磁性部43との関係が反転したパターンとなる。
【0064】
すなわち、記録トラック2本ごとに、+8Tq,+6Tq,−8Tq,−6Tqという2周期2位相の4パターンが配置される。第1磁性ドット41に記録された情報を再生するための磁気ヘッド103の再生素子が、サーボ領域12の微小位置検出部24を通過する際には、これら4パターンのうち、少なくとも2パターンの周期および位相に相当する成分を含む信号を検出する。
【0065】
第2の磁性ドット42は、方形状である。しかしながら、第2の磁性ドット42の形状は、特に限定されず、円形、楕円形、多角形等、必要に応じて種々の形状とすることができる。
【0066】
第2磁性ドット42は、例えば、CoCrPt等の強磁性体の多結晶からなる。第2磁性ドット42の周囲には、例えば、シリカ、アルミナ、空気等の非磁性材料からなる非磁性体43が配置される。
【0067】
本実施形態の磁気記憶媒体において、第2磁性ドット42の面積は、第1磁性ドット41の面積に等しいあるいは小さい。第1磁性ドット41と第2磁性ドット42との関係が、上記の場合、以下の作用を奏する。
【0068】
図6は、従来の微小位置検出部とデータ部の磁性ドットの拡大図である。図6では、同じ半径位置において、周方向に隣り合う第1磁性ドット241と、第2磁性ドット242とを並べて描いている。
【0069】
図6に示すように、それぞれの磁性ドット241,242は、多結晶の磁性粒子で構成されている。図7は、図6のE−E‘方向断面図である。パターンドメディア方式の磁気記憶媒体は、ひとつの磁性ドット内における磁性粒子は、すべて同じ方向を向く、所謂、単磁区構造を持つことが特徴である。
【0070】
図7において、面積の広い第2の磁性ドット242内における磁性粒子M4が受ける磁界について考えると、磁性粒子M4は、自分自身からの反磁界(図示せず)に加え、周囲の磁性粒子M1、M2、M3、M5、M6から受ける反磁界の影響により、自分自身の磁化状態を保つことが難しくなる。すなわち、保磁力が低下する。
【0071】
一方、第1の磁性ドット241内における磁性粒子M102が受ける磁界は、自分自身から受ける反磁界(図示せず)に加えて、周囲の磁性粒子M101からの反磁界からしか影響を受けない。すなわち保磁力が大きい。
【0072】
このように、磁性ドットの面積が大きいほど、保磁力が小さくなる傾向にあることが判った。即ち、パタードメディア方式の磁気ディスクにおいて、サーボパターンにおける磁性部のように、面積の大きい多結晶からなる磁性体は、磁化が反転しやすい、すなわち保磁力が小さい。このような磁性体の磁化は、外部磁場に対して安定に保持されない。このため、再生信号の信頼性に悪影響を及ぼす。
【0073】
第2磁性ドットは、通常、磁気記憶媒体の使用前に、媒体全体に強い磁場を印加することにより、サーボ情報の特定に必要な単一方向の磁化を生じさせる。しかし、微小位置検出部のように第1磁性ドットに比べて大面積の第2磁性ドットは、保磁力が小さいため、すべての第2磁性ドットを単一方向に磁化することが可能な外部磁場を印加しても、一部磁化が反転してしまい、安定したサーボパターンを維持することが難しかった。
【0074】
サーボ領域の再生信号の信頼性が高い磁気記憶媒体を得るため、本発明者らは、従来のパタードメディアにおける、サーボ領域の磁性ドットと、データ領域の磁性ドットとの面積の比率に注目した。
【0075】
一般的な磁気ディスク装置では、回転角速度が一定となるように、磁気ディスク媒体1を回転させる。このような回転をする磁気ディスク媒体1は、サーボ領域12の一周内に記録される情報量は、内周部と外周部とで等しくなるように設計される。
【0076】
よって、サーボ領域12において、サーボ情報1ビットを構成する磁性ドットの周方向の長さは、ディスク1の外周部において長く、内周部において短くなる。これに対し、データ領域11を構成するデータセクタ13におけるデータ情報1ビットの周方向の長さは、データの記録密度を面内にほぼ一定とするために、ディスク1の内周部と外周部とでほぼ同じである。
【0077】
このため、特に、ディスク1の外周部において、サーボ領域の磁性ドットとデータ領域の磁性ドットとの周方向長さの差が顕著となる。
【0078】
また、データ領域12は、ディスク1の周方向および径方向に、断続的に配置された独立な磁性ドット41を有する。一方、サーボ領域12、中でも同期信号生成部は、ディスクの径方向に、連続な磁性ドットを有する。このため、サーボ領域の磁性ドットとデータ領域の磁性ドットとの径方向長さの差も、両者の面積の比率に対する影響が大きい。
【0079】
たとえば、133Gbpsi(1平方インチあたり133ギガビット)クラスの2.5インチ磁気ディスク媒体が、トラック密度が140kTPI(1インチあたりトラック14万本)、ビット密度が950kBPI(1インチあたり950キロビット)となるように設計された場合、このときのデータセクタのサイズは、トラック幅181nm、ビット長26.7nmとなる。
【0080】
これを、5400rpmの回転数で駆動する場合、おおよそディスク1の最内周にあたる半径14mmの位置における線速度は7.9m/sである。サーボ周波数は、再生ヘッドから得られたサーボパターン再生信号を、A/D変換によってサンプリングする際の周波数である。
【0081】
ここで、サーボ周波数が、140MHz(1秒当たり140メガサンプル)かつ、1ビットが2サンプルの長さで構成されている場合、サーボパターンの1ビット長は、113nmであり、データビットの約5倍の長さとなっていることが分かる。この関係が、ディスクの外周においては更に2倍となる。
【0082】
本実施の形態では、微小位置検出部24の第2磁性ドット42は、データ部の第1の磁性ドット41よりも面積が小さいことにより、一度、単一方向に磁化した磁性ドットの磁化の向きは変化しにくくなる。よって、このような磁気記憶媒体は、サーボ領域の再生信号の信頼性の点において優れる。
【0083】
又、プロセスの簡便性の点から、第1の磁性ドット41と第2の磁性ドット42は、同じ材料を用いて同じプロセスで形成されることが好ましい。この場合、仮に、第2磁性ドット42の材料として、保磁力の高い磁性材料を選択したとすると、第1の磁性ドット41も保磁力の高い磁性材料により構成される。
【0084】
このとき、第1磁性ドット41の保磁力が高すぎるため、磁気ヘッドがデータ領域の磁性ドット41へ情報の記録ができないおそれがある。本実施の形態の磁気記憶媒体によれば、このような問題は生じないため、データ領域の記録再生の信頼性の点においても優れる。
【0085】
本実施の形態では、データ領域を拡大できるという効果も奏する。図7は、従来の磁気ディスク媒体における1つのサーボセクタ周辺を模式的に示しており、図中の上方向が媒体の外周を、下方向が媒体の内周を表している。
【0086】
ここで、サーボ領域212を、微小位置検出部224とそれ以外の領域225とに分ける。媒体外周における、それぞれの領域の周方向長さOL24、OL25と、内周におけるそれぞれの周方向長さIL24,IL25とは、OL24/OL25=IL24/IL25の関係となる。さらに、媒体外周の半径をRO、媒体内周の半径をRIとすると、OL24/IL24=OL25/IL25=RO/RIの関係が成り立つ。
【0087】
一方、図8は、本実施の形態における磁気ディスク媒体における1つのサーボセクタ周辺を模式的に示しており、図中の上方向が媒体の外周を、下方向が媒体の内周を表している。
【0088】
本実施の形態におけるサーボ領域の微小位置検出部24以外の領域25′の長さは、従来と同様に、外周と内周とで、OL25′/IL25′=RO/RIの関係となる。しかしながら、微小位置検出部24では、外周と内周とで、OL24=IL24=1となる。すなわち、本実施の形態における、サーボ領域の微小位置検出部の周方向長さは、媒体の半径位置によらず、一定の長さとなる。
【0089】
このように、本実施の形態における、サーボ領域の微小位置検出部24は、データ領域11と同一の線密度であるので、従来のサーボ領域の微小位置検出部224よりも、周方向長さを短くすることができる。また、媒体外周においても、媒体内周と同じ周方向長さにすることができるので、媒体全面において、サーボ領域全体が占める面積を小さくすることができ、データ領域を拡大できる。このため、媒体一枚あたりの記憶容量を、増加させることができる。
【0090】
(サーボパターン復調回路)
図10は、本発明の一実施の形態の磁気記録装置のリードチャネル116のブロック図、図11は、図10の構成の復調シーケンサの動作説明図であり、図12は、その復調動作のタイムチャート図である。図10は、図1のリードチャネル116において、MPUが磁気ヘッドの位置決め制御を行なう際に、磁気ディスク媒体上のサーボ情報を読み取るためのブロック図である。
【0091】
以下、図11,12を参照して、図10の構成を説明する。図10において、磁気ディスク媒体1が一定角速度で回転することで、ヘッドアンプ107(図1参照)からは、一定の時間間隔で、図12のサーボパターン再生信号(a)が得られる。
【0092】
サーボパターン再生信号(a)は、リードチャネル116内で、可変ゲインアンプ121で増幅された後、低域通過フィルタ122によって高域ノイズ成分を遮断される。その後、A/D変換器123によって、A/D変換され、デジタル化された振幅情報を得る。デジタル化された振幅情報を元に、ゲイン制御器125が、最適な振幅が得られるように、可変ゲイン121のゲインを調整する。
【0093】
図12に示すように、サーボパターンの導入部は、前述の同期信号生成部に、一定周期のパターンが書かれている。位相ロックループ(PLL)回路124が、収束するのに十分な波数の同期パターンが読み取られるように、予めサーボゲート信号(b)がアサートされるようになっている。
【0094】
サーボゲート信号(b)がアサートされると、サーボパターン再生信号の同期信号生成部の同期信号に、PLL回路124が、同期する(PLLが掛けられ)。そして、PLL回路124は、図12に示す、同期信号から続いてサーボパターン再生信号に現れる前述のアドレス部および微小位置検出部24をサンプリングするのに必要なADCクロック信号(d)を生成する。
【0095】
復調シーケンサ126は、ADCクロック信号(d)で決められたタイミングで、A/D変換された再生信号を、図11に示す手順に従って、復調していく。
【0096】
まず、STEP1において、サーボゲート信号(b)がアサートされてから、一定の時間が経過するまでの間に、サーボパターンの同期信号生成部の終端に記録された、サーボ情報の始まりを示し且つ一定長のビットあるいは特定のコードパターンビットで書かれたサーボシンクマークパターンを検出したかを判定し、サーボシンクマークを検出すると、STEP2へと処理を移し、アドレス信号の復調を開始する。
【0097】
STEP2で、既定のビット長だけ、アドレス信号の復調を行い、完了すると、STEP3として、結果(g)をレジスタ129へ出力する。続いて、STEP4では、既定のビット長だけ、微小位置検出信号の復調を開始する。この復調処理は、図12以下で説明する。そして、STEP5では、その復調結果(h)を、レジスタ129へと出力する。
【0098】
以上の動作により、レジスタ129に格納されたアドレス復調値および微小位置復調値を、MPU115(図1参照)が読み取り、磁気ヘッドの位置決め制御に必要な演算を行って、VCMドライバ112を駆動する。
【0099】
以下、図4の微小位置検出部24の磁性ドットによる位置復調動作を、図13乃至図16により、詳細に説明する。図13は、図4の本実施の形態の第2の磁性ドットが規則的配列された磁気ディスクを、磁気ヘッド再生素子80が記録トラックT1の中心を走査する様子を示す図、図14は、図13の走査により、再生素子から検出される信号に含まれる2周期2位相の各パターンの成分が、記録トラックT1の中心からの距離に応じてどのように変化するかを示すグラフである。
【0100】
図13に示すように、トラックT1の上方に、(1/4)Tpだけずれた位置には、磁気ドット42の間隔の8倍の間隔(8Tq)で、4つの磁気ドット42が、隣接配置され、それと同じ間隔で、非磁性領域43が設けられている。
【0101】
一方、下方に、(1/4)Tpだけずれた位置には、磁気ドット42の間隔の6倍の間隔(6Tq)で、3つの磁気ドット42が、隣接配置され、それと同じ間隔で、非磁性領域43が設けられている。
【0102】
従って、磁気ヘッド103の再生素子80が、トラックT1の平行線T1aを走査した場合、すなわち、トラックT1の中心から、図中、上方(半径方向)に、(1/4)Tpだけずれている場合、再生信号に含まれる8Tq成分の振幅は最大に、位相は負となる。
【0103】
また、再生素子80がT1の平行線T1bを走査した場合、すなわち、トラックT1の中心から図中下方に(1/4)Tpだけずれている場合(−(1/4)Tpオフセットした場合)、再生信号に含まれる6Tq成分の振幅が最大に、位相は負となる。同様に、再生素子80が、+(3/4)Tpオフセットした場合は、+6Tq成分が、最大となり、−(3/4)Tpオフセットした場合は、+8Tq成分が最大となる。
【0104】
ここで、ヘッド位置(オフセット位置)と、8Tq成分、6Tq成分の振幅変化を、図14に示し、ヘッド位置(オフセット位置)と、8Tq成分、6Tq成分の位相変化を、図15に示す。
【0105】
図13において、再生素子80が、オフセット0近辺に存在する場合は、図15のように、8Tqパターンおよび6Tqパターン成分の位相が負となる。再生素子80が、オフセット+(1/2)Tp近辺に存在する場合は、図15に示すように、8Tパターン成分の位相が負に、6Tパターン成分の位相が正となる。
【0106】
又、図14に示すように、8Tqパターン成分の振幅と、6Tqパターン成分の振幅は、再生素子80のオフセット位置に応じて、逆の関係となり、且つオフセット位置+(1/2)Tp〜(−(1/2))Tpで、1周期の正弦波パターンとなる。
【0107】
このため、図16に示すような復調ロジックを用い、各振幅成分の差分を演算して、オフセット位置を復調する。すなわち、図13において、再生素子80がオフセット0近辺に存在する場合は、図15のように、8Tqパターンおよび6Tqパターン成分の位相が負となるので、8Tqパターン成分の振幅と6Tqパターン成分の振幅との差をとることで、位置信号が復調できる。
【0108】
又、再生素子80がオフセット+(1/2)Tp近辺に存在する場合は、8Tqパターン成分の位相が負に、6Tqパターン成分の位相が正となるので、8Tqパターン成分の振幅と、6Tqパターン成分の振幅との差をとることで、位置信号が得られる。
【0109】
以上の復調ロジックは、8Tqパターン成分の位相Phs(8T)が正である場合は、6Tqパターン成分の位相Phs(6T)が正なら、(8Tqパターン成分の振幅Mag(8T)−6Tqパターン成分の振幅Mag(6T))の演算を行い、6Tqパターン成分の位相が負なら、(6Tqパターン成分の振幅Mag(6T)−8Tqパターン成分の振幅Mag(8T))の演算を行う。
【0110】
同様に、8Tqパターン成分の位相Phs(8T)が負である場合は、6Tqパターン成分の位相Phs(6T)が正なら、(6Tqパターン成分の振幅Mag(6T)−8Tqパターン成分の振幅Mag(8T))の演算を行い、6Tqパターン成分の位相が負なら、(8Tqパターン成分の振幅Mag(8T)−6Tqパターン成分の振幅Mag(6T))の演算を行う。
【0111】
図17は、図16の復調ロジックを用いて、復調された位置信号と、再生素子80のオフセット位置との関係を示す。即ち、復調位置は、(1/2)Tp単位で、線形を示す。このように、再生素子80が、どの場所に位置していても、線形な位置信号を得ることができる。
【0112】
尚、図12において、サーボパターン再生信号における微小位置検出部では、従来技術が、4相の信号を再生するのに対し、上記実施の形態では、2つの周波数成分で構成される信号を再生する。他の部分の動作は、従来の技術と同様である。
【0113】
このように、データ領域の磁性ドットが配置される中心線を軸に、周方向に異なる個数の磁性ドットで、微小位置検出部を構成したので、微小位置検出部の磁性ドットの面積を小さくしても、正確に再生信号から位置を復調できる。又、サーボ領域の微小位置検出部を構成する磁性ドットの面積を小さくしたので、サーボ領域の保磁力が高くなり、サーボ領域の再生信号の信頼性の点において優れ、且つデータ領域の記録再生の信頼性を向上できる。
【0114】
更に、中心線を軸に、磁性ドットの個数によって、周波数を、磁性ドット列の半径方向の位置によって、位相を変えているため、ヘッドの再生信号から容易に、ヘッドの位置ずれ量を復調できる。
【0115】
(磁気記憶媒体の第2の実施の形態)
図18は、本発明の第2の実施形態の磁気記憶媒体のサーボ領域とデータ領域の説明図、図19は、図18のG部の拡大図である。
【0116】
前述の第1の実施形態の説明図である図4と対比して、説明する。前述の第1の実施形態においては、サーボ領域の微小位置検出部24において、6Tqの周期を持つ第2磁性ドット列と、8Tqの周期を持つ第2磁性ドット列とが、位相を反転させながら交互に配置されていた。
【0117】
これに対し、図18の第2の実施形態においては、半径方向に隣接する第2磁性ドットを接合して、データ領域11における第1磁性ドット41と略同サイズの磁性ドット42を構成している。
【0118】
具体的には、図4において、トラック並行線T1aに配置される周期8Tqの第2磁性ドット列に着目すると、これに、図4中、下側に隣接するトラック平行線T1bに配置されている周期6Tqの第2磁性ドット列とは、磁性体同士が隣接する場所と隣接しない場所が存在する。
【0119】
本実施の形態では、図18に示すように、隣接する場所においては、トラック並行線T1bに配置された第2磁性ドットと接合された形態で配置される。隣接しない場所においては、図18中、上側に隣接するトラック平行線T0bに配置されている周期6Tqの第2磁性ドット列との隣接が確定するので、これに従い、トラック並行線T0bに配置された第2磁性ドットと接合された形態で配置される。
【0120】
さらに詳細に、図18の破線G図の拡大図である図19を用いて説明する。図19において、第1磁性ドット41と略同サイズの第2磁性ドット42において、破線で示したものが、前述の第1の実施形態における第2磁性ドット42のサイズである。
【0121】
前述の第1の実施形態においては、トラック並行線T1aには、周期8Tqの第2磁性ドットが破線のように配置されていた。本実施の形態では、図中、下側に隣接するトラック平行線T1b上に、第2磁性ドット42aが存在する場合、これと接合して、データ領域における第1磁性ドット41と同サイズの新たな第2磁性ドット42として配置される。
【0122】
また、トラック平行線T1aと隣接するトラック平行線T1b上に、第2磁性ドットが存在しない場合は、図中、上側に隣接するトラック平行線T0b上に、第2磁性ドット42bが必ず存在することになる。このため、トラック平行線T0b上の第2磁性ドット42aと接合して、データ領域における第1磁性ドット41と同サイズの新たな第2磁性ドット42として配置される。
【0123】
このように構成した場合、第2磁性ドット42を、第1磁性ドット41と略同サイズにできるので、第1磁性ドット用に設計された磁性体および製造プロセスと同一条件で、第2磁性ドット42を形成することができる。
【0124】
(磁気記憶媒体の第3の実施の形態)
図20は、本発明の第3の実施形態の磁気記憶媒体のサーボ領域とデータ領域の説明図である。
【0125】
第1、第2の実施の形態においては、サーボ領域の微小位置検出部24は、データ領域に、第1の磁性ドット41で構成される記録トラックT0、T1、T2、・・・のピッチTpの1/2のピッチで、トラック平行線T0a、T0b、T1a,T1b、・・・上に、交互に配置される周期8Tqと周期6Tqの第2磁性ドット列を用いて、構成した。
【0126】
しかしながら、これらを別の周期の第2磁性ドット列で構成しても良い。図20に示すように、周期10Tqの第2の磁性ドット列と周期4Tqの第2磁性ドット列を用いて、サーボ領域の微小位置検出部24を構成する。即ち、トラックT1の中心軸から(1/2)Tpピッチ離れた位置T1aに、5つの第2の磁性ドットが連続し、同じ長さの非磁性領域が続く周期10Tqの第2の磁性ドット列を配置する。
【0127】
又、トラックT1の中心軸から(―1/2)Tpピッチ離れた位置T1bに、2つの第2の磁性ドットが連続し、同じ長さの非磁性領域が続く周期4Tqの第2の磁性ドット列を配置する。
【0128】
このようにしても、磁性ドットの個数で、周波数を、位置で、位相を変化でき、ヘッド位置を復調できる。
【0129】
(磁気記憶媒体の製造方法)
上記本実施形態の磁気記憶媒体の製造方法は、特に限定されるものではないが、図21に示す製造方法により得られる磁気記憶媒体は、磁性体のパターンを、所望の形状に、精度よく形成することが容易である点において好ましい。
【0130】
パタードメディア方式の磁気ディスク媒体を製造する際には、一般的に、ナノインプリント・リソグラフィが採用される。図21は、ナノインプリント・リソグラフィを用いた磁気ディスク媒体製造工程の一例を示す図である。この手段を用いた媒体製造プロセスは、おおよそ次のような工程を採られる。
【0131】
まず、例えば(1)〜(4)の工程を経て、ナノインプリント用のスタンパを形成する。即ち、(1)シリコン基板81上にレジスト82をスピンコート法等により塗布する。(2)電子ビーム露光および現像によりレジスト82のパタニングを行ない、パタニングされたレジスト83を得る。(3)レジスト83上にめっき処理を行ない、めっき部84を形成する。(4)めっき部84をパタニングされたレジスト83から剥離し、ナノインプリント用スタンパ85を得る。
【0132】
次いで、(5)〜(12)の工程を経て、磁気記憶媒体を作成する。(5)ガラス基板86上に磁性層等、磁気記憶媒体に通常形成される層87を堆積させる。(6)磁性層等87の上に(9)において行うエッチングに対して耐性を有する熱可塑性樹脂88を塗布する。(7)(4)で得たスタンパ85を、熱可塑性樹脂88上に加熱しながら加圧し、変形した樹脂層89を形成する。(8)スタンパ85を剥離し、パタニングされた樹脂層90を残す。(9)磁性層のうち、樹脂層90が覆われていない部分をエッチングし、パタニングされた磁性層91形成する。(10)パタニングされた磁性層91上の樹脂層90を除去する。(11)パタニングされた磁性層91上に非磁性体92を充填する。(12)非磁性体92の表面を研磨処理等により平坦化し、磁性体91と非磁性体92とが露出した磁気記憶媒体を得る。
【0133】
以上の方法によって、製造者は、任意の位置・サイズで磁気ディスク基板上に磁性体を配置することができ、パタードメディア方式の磁気ディスク媒体を製造することができる。なお、(6)において、熱可塑性樹脂の代わりにUV硬化性樹脂を使用する場合、(7)において公知のUVインプリントを適用してもよい。
【0134】
又、パタードメディアは、データ記録トラックが、媒体の既定の位置に形成されるため、サーボパターンも、その配置に合わせるように形成される必要がある。パタードメディアは、データパターンと同時にサーボパターンも形成したスタンパを作成することが一般的な傾向となっている。
【0135】
しかし、必要に応じて、上記本実施形態の磁気記憶媒体において、データ領域の磁性体とサーボ領域の磁性体とは異なる製造方法で形成されていてもよい。
【0136】
(他の実施の形態)
前述の実施の形態では、8Tq,6Tqの磁性ドット列の組み合わせ、10Tq,4Tqの磁性ドット列の組み合わせで説明したが、他の個数、位相のドット列の組み合わせを適用できる。
【0137】
以上説明したように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0138】
尚、本発明は、以下の実施の形態を包含する。
【0139】
(付記1)情報を記録するために複数の分離された第1磁性ドットを、所定の位置に配置したトラックを有するデータ領域と、前記第1磁性ドットの位置を特定するためのサーボ領域とを備え、前記サーボ領域は、第1の個数の分離された第2の磁性ドットを第1の周期で配列した第1の磁性ドット列と、前記第1の磁性ドット列と異なる個数の第2磁性ドットを第2の周期で配列した第2の磁性ドット列とを、前記第1磁性ドットが配置されるトラック中心線を軸として、対向する位置に配置した微小位置検出部を有することを特徴とする磁気記憶媒体。
【0140】
(付記2)前記磁気記憶媒体がディスク状であり、前記サーボ領域が前記磁気記憶媒体の中心を、中心とする帯状の円周上に、断続的に配置され、前記データ領域が前記帯状の円周上の前記サーボ領域が配置されていない部分に配置されることを特徴とする付記1に記載の磁気記憶媒体。
【0141】
(付記3)前記第1の磁性ドット列は、前記第2の磁性ドットが前記第1の個数連続して配置され、且つ前記第1の個数分の長さの非磁性領域を有し、前記第2の磁性ドット列は、前記第2の磁性ドットが前記第2の個数連続して配置され、且つ前記第2の個数分の長さの非磁性領域を有することを特徴とする付記1に記載の磁気記憶媒体。
【0142】
(付記4)前記第1の磁性ドット列と、前記第2の磁性ドット列とが、前記磁気記憶媒体の周方向に、ずれた位置に配置されたことを特徴とする付記1に記載の磁気記憶媒体。
【0143】
(付記5)前記第2の磁性ドットは、前記第1の磁性ドットの面積を越えない面積を有することを特徴とする付記1に記載の磁気記憶媒体。
【0144】
(付記6)前記第1磁性ドット及び前記第2磁性ドットが、多結晶の磁性材料からなることを特徴とする付記1に記載の磁気記憶媒体。
【0145】
(付記7)前記第1の磁性ドットと前記第2の磁性ドットとが同じ材料からなることを特徴とする付記1に記載の磁気記憶媒体。
【0146】
(付記8)前記第1の磁性ドット列の前記第2の磁性ドットが、前記磁気記憶媒体の半径方向で同じ位置に存在する前記第2の磁性ドット列の前記第2の磁性ドットと連結された構成であることを特徴とする付記1に記載の磁気記憶媒体。
【0147】
(付記9)情報を記録するために複数の分離された第1磁性ドットを、所定の位置に配置したトラックを有するデータ領域と、前記第1磁性ドットの位置を特定するため、第1の個数の分離された第2の磁性ドットを第1の周期で配列した第1の磁性ドット列と、前記第1の磁性ドット列と異なる個数の第2磁性ドットを第2の周期で配列した第2の磁性ドット列とを、前記第1磁性ドットが配置されるトラック中心線を軸として、対向する位置に配置した微小位置検出部を有するサーボ領域とを備えた磁気記憶媒体と、前記磁気記憶媒体へ磁気情報を記録する又は前記磁気記憶媒体の磁気情報を再生する磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドにより検出された前記サーボ領域の微小位置検出部の磁気再生信号から、異なる2種類の周期成分の振幅および位相を抽出し、前記第1の磁性ドットに対する前記磁気ヘッドの位置を特定する制御回路とを有することを特徴とする磁気記録装置。
【0148】
(付記10)前記磁気記憶媒体がディスク状であり、前記サーボ領域が前記磁気記憶媒体の中心を、中心とする帯状の円周上に、断続的に配置され、前記データ領域が前記帯状の円周上の前記サーボ領域が配置されていない部分に配置されることを特徴とする付記9に記載の磁気記録装置。
【0149】
(付記11)前記第1の磁性ドット列は、前記第2の磁性ドットが前記第1の個数連続して配置され、且つ前記第1の個数分の長さの非磁性領域を有し、前記第2の磁性ドット列は、前記第2の磁性ドットが前記第2の個数連続して配置され、且つ前記第2の個数分の長さの非磁性領域を有することを特徴とする付記9に記載の磁気記録装置。
【0150】
(付記12)前記第1の磁性ドット列と、前記第2の磁性ドット列とが、前記磁気記憶媒体の周方向に、ずれた位置に配置されたことを特徴とする付記9に記載の磁気記録装置。
【0151】
(付記13)前記第2の磁性ドットは、前記第1の磁性ドットの面積を越えない面積を有することを特徴とする付記9に記載の磁気記録装置。
【0152】
(付記14)前記第1磁性ドット及び前記第2磁性ドットが、多結晶の磁性材料からなることを特徴とする付記9に記載の磁気記録装置。
【0153】
(付記15)前記第1の磁性ドットと前記第2の磁性ドットとが同じ材料からなることを特徴とする付記9に記載の磁気記録装置。
【0154】
(付記16)前記第1の磁性ドット列の前記第2の磁性ドットが、前記磁気記憶媒体の半径方向で同じ位置に存在する前記第2の磁性ドット列の前記第2の磁性ドットと連結された構成であることを特徴とする付記9に記載の磁気記録装置。
【0155】
(付記17)前記制御回路は、前記第1の磁性ドット列による周波数の再生信号と、前記第2の磁性ドット列による周波数の再生信号を分離し、前記第1の磁性ドット列による周波数の再生信号の振幅と、前記第2の磁性ドット列による周波数の再生信号の振幅との差から、前記前記磁気ヘッドの位置を特定することを特徴とする付記9に記載の磁気記録装置。
【0156】
(付記18)前記磁気ヘッドは、前記磁気記憶媒体へ磁気情報を記録する記録素子と、前記磁気記憶媒体の磁気情報を再生する再生素子とを有することを特徴とする付記9に記載の磁気記録装置。
【産業上の利用可能性】
【0157】
データ領域の磁性ドットが配置される中心線を軸に、周方向に異なる個数の磁性ドットで、微小位置検出部を構成したので、微小位置検出部の磁性ドットの面積を小さくしても、正確に再生信号から位置を復調できる。又、サーボ領域の微小位置検出部を構成する磁性ドットの面積を小さくしたので、サーボ領域の保磁力が高くなり、サーボ領域の再生信号の信頼性の点において優れ、且つデータ領域の記録再生の信頼性を向上できる。更に、中心線を軸に、磁性ドットの個数によって、周波数を、磁性ドット列の半径方向の位置によって、位相を変えているため、ヘッドの再生信号から容易に、ヘッドの位置ずれ量を復調できる。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本発明の磁気記録装置の一実施の形態の構成図である。
【図2】図1の磁気ディスクのサーボ領域の説明図である。
【図3】図2のサーボ領域とデータ領域の説明図である。
【図4】本発明の磁気記憶媒体の第1の実施の形態の構成図である。
【図5】図4の部分拡大図である。
【図6】図4の第2の磁性ドット列の効果を説明するための従来の第2の磁性ドットの説明図である。
【図7】図4の第2の磁性ドット列の効果を説明するための従来の第2の磁性ドットの保持力の説明図である。
【図8】図4の第2の磁性ドット列の効果を説明するための従来の第2の磁性ドット列の配置説明図である。
【図9】図4の第2の磁性ドット列によるサーボ領域の長さの説明図である。
【図10】図1のリードチャネルの構成図である。
【図11】図10の復調シーケンスの説明図である。
【図12】図10の復調動作のタイムチャート図である。
【図13】図10の復調動作の説明図である。
【図14】図13における磁気ヘッドのオフセット位置と復調振幅との関係図である。
【図15】図13における磁気ヘッドのオフセット位置と復調位相との関係図である。
【図16】図10の復調ロジックの説明図である。
【図17】図16による磁気ヘッドのオフセット位置と復調位置との関係図である。
【図18】本発明の磁気記憶媒体の第2の実施の形態の構成図である。
【図19】図18の部分拡大図である。
【図20】本発明の磁気記憶媒体の第3の実施の形態の構成図である。
【図21】本発明の磁気記憶媒体の製造方法の説明図である。
【図22】従来のパターンド磁気記憶媒体の構成図である。
【図23】図22の部分拡大図である。
【符号の説明】
【0159】
1 磁気記憶媒体(磁気ディスク)
11 データ領域
12 サーボ領域
13 セクタ
24 微小位置検出部
41 データ領域の第1の磁性ドット
42 微小位置検出部の第2の磁性ドット
43,44 非磁性領域
101 ディスクエンクロージャ
102 スピンドルモータ
103 磁気ヘッド
104 アクチュエータ(VCM)
116 リードチャネル
120 制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記録するために複数の分離された第1磁性ドットを、所定の位置に配置したトラックを有するデータ領域と、
前記第1磁性ドットの位置を特定するためのサーボ領域とを備え、
前記サーボ領域は、
第1の個数の分離された第2の磁性ドットを第1の周期で配列した第1の磁性ドット列と、前記第1の磁性ドット列と異なる個数の第2磁性ドットを第2の周期で配列した第2の磁性ドット列とを、前記第1磁性ドットが配置されるトラック中心線を軸として、対向する位置に配置した微小位置検出部を有する
ことを特徴とする磁気記憶媒体。
【請求項2】
前記第1の磁性ドット列は、前記第2の磁性ドットが前記第1の個数連続して配置され、且つ前記第1の個数分の長さの非磁性領域を有し、
前記第2の磁性ドット列は、前記第2の磁性ドットが前記第2の個数連続して配置され、且つ前記第2の個数分の長さの非磁性領域を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記憶媒体。
【請求項3】
前記第1の磁性ドット列と、前記第2の磁性ドット列とが、前記磁気記憶媒体の周方向に、ずれた位置に配置された
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記憶媒体。
【請求項4】
前記第2の磁性ドットは、前記第1の磁性ドットの面積を越えない面積を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記憶媒体。
【請求項5】
情報を記録するために複数の分離された第1磁性ドットを、所定の位置に配置したトラックを有するデータ領域と、前記第1磁性ドットの位置を特定するため、第1の個数の分離された第2の磁性ドットを第1の周期で配列した第1の磁性ドット列と、前記第1の磁性ドット列と異なる個数の第2磁性ドットを第2の周期で配列した第2の磁性ドット列とを、前記第1磁性ドットが配置されるトラック中心線を軸として、対向する位置に配置した微小位置検出部を有するサーボ領域とを備えた磁気記憶媒体と、
前記磁気記憶媒体へ磁気情報を記録する又は前記磁気記憶媒体の磁気情報を再生する磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドにより検出された前記サーボ領域の微小位置検出部の磁気再生信号から、異なる2種類の周期成分の振幅および位相を抽出し、前記第1の磁性ドットに対する前記磁気ヘッドの位置を特定する制御回路とを有する
ことを特徴とする磁気記録装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図2】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−40099(P2010−40099A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201737(P2008−201737)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(309033264)東芝ストレージデバイス株式会社 (255)
【Fターム(参考)】