説明

磁気記録媒体の製造装置および紫外線照射装置

【課題】不活性ガスの使用量を抑え、コスト低減を図ることができる磁気記録媒体の製造装置を提供する。
【解決手段】外側チャンバ1と、外側チャンバ1内に設けられて磁気記録媒体50に紫外線を照射する光源2と、外側チャンバ2内に設けられて磁気記録媒体50を収容する内側チャンバ3と、内側チャンバ3内に不活性ガスを供給する供給経路4と、内側チャンバ3内の不活性ガスを排出する排出経路5とを備えた紫外線照射装置10を備えた製造装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑膜を有する磁気記録媒体を製造する装置、およびこれに用いられる紫外線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスク等の磁気記録媒体としては、例えば基板上に磁性膜と保護膜が形成され、保護膜の表面に潤滑膜が形成されたものがある。
図8は、磁気記録媒体の一例を示すもので、この磁気記録媒体は、アルミニウム、ガラスなどからなる基板101の上にCr合金などからなる下地層102が形成され、その上に、Ru等からなる中間層103、Co合金等からなる磁性層104、カーボンなどからなる保護膜105、および潤滑膜106が形成されている。
潤滑膜106の耐久性を高めるため、潤滑膜106には、紫外線照射装置を備えた製造装置を使用して、紫外線が照射されることがある。
紫外線照射装置は、紫外線ランプが設置されたチャンバを備えている。磁気記録媒体は、搬入出口を通してチャンバ内に搬入され、チャンバ内の紫外線ランプにより紫外線が照射される。
この際、チャンバ内に酸素ガスが存在すると、紫外線照射によりオゾンが発生し、潤滑膜106の劣化の原因になるため、チャンバ内には窒素ガスなどの不活性ガスが導入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−140573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記製造装置では、磁気記録媒体の搬入出口を通して外気がチャンバ内に流入し、チャンバ内の酸素濃度が上昇し、オゾンが発生するおそれがある。
搬入出口からチャンバ内への外気流入を防ぐには、多量の不活性ガスを連続的にチャンバ内に導入し、搬入出口から常時流出させることが有効である。
しかしながら、前記製造装置では、多量の不活性ガスが必要となるため、不活性ガスのコストがかさむという問題があった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、不活性ガスの使用量を抑え、コスト低減を図ることができる磁気記録媒体の製造装置および紫外線照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の紫外線照射装置は、磁気記録媒体の潤滑層に紫外線を照射する装置であって、外側チャンバと、前記外側チャンバ内に設けられて前記磁気記録媒体に紫外線を照射する光源と、前記外側チャンバ内に設けられて、前記磁気記録媒体を収容する内側チャンバと、前記内側チャンバ内に不活性ガスを供給する供給経路と、前記内側チャンバ内の不活性ガスを排出する排出経路と、を備えている紫外線照射装置である。
前記内側チャンバは、前記光源からの紫外線を外部から内部に透過させて前記磁気記録媒体に照射可能であることが好ましい。
前記内側チャンバは、前記磁気記録媒体を収容する筒状の本体部と、前記本体部の一方の端部に設けられて、前記供給経路からの不活性ガスを前記本体部に導入する1または複数の導入口を有する供給側板部と、前記本体部の他方の端部に設けられて、前記本体部内に前記磁気記録媒体を搬入および搬出する搬入出口を有する排出側板部と、を備えていることが好ましい。
前記複数の導入口は、複数列をなすように形成されていることが好ましい。
【0006】
本発明の磁気記録媒体の製造装置は、基板上に、少なくとも磁性層と保護膜と潤滑層とを有する磁気記録媒体を製造する装置であって、基板に磁性層を形成する磁性層形成室と、前記保護膜を形成する保護膜形成室と、前記潤滑膜を形成する潤滑膜形成室と、前記潤滑膜に紫外線を照射する紫外線照射装置とを備え、前記紫外線照射装置が、外側チャンバと、前記外側チャンバ内に設けられて前記磁気記録媒体に紫外線を照射する光源と、前記外側チャンバ内に設けられて前記磁気記録媒体を収容する内側チャンバと、前記内側チャンバ内に不活性ガスを供給する供給経路と、前記内側チャンバ内の不活性ガスを排出する排出経路とを備えた磁気記録媒体の製造装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外側チャンバ内に、磁気記録媒体を収容する内側チャンバが設けられているので、容積の小さい内側チャンバ内に不活性ガスを流通させることによって、磁気記録媒体の周囲の酸素濃度を十分に低減できる。
このため、不活性ガスの流通量が小さい場合でも、酸素の影響による潤滑膜の劣化を防止できる。従って、不活性ガスの使用量を抑え、コスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の磁気記録媒体の製造装置の一例に用いられる紫外線照射装置の内部構造を示す正面図である。
【図2】図1の紫外線照射装置の内部構造を示す平面図である。
【図3】図1の紫外線照射装置を示す横断面図である。
【図4】図1の紫外線照射装置の内側チャンバを示す縦断面図である。
【図5】図1の紫外線照射装置の内側チャンバを示す分解斜視図である。
【図6】磁気記録媒体の一例を模式的に示す一部断面図である。
【図7】本発明の磁気記録媒体の製造装置の一例を模式的に示す図である。
【図8】磁気記録媒体の一例を模式的に示す一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(紫外線照射装置)
図1〜図5は、本発明の磁気記録媒体の製造装置の一例に用いられる紫外線照射装置10を示すものである。
紫外線照射装置10は、外側チャンバ1と、磁気記録媒体50(以下、単に媒体50ということがある)に紫外線を照射する光源2と、外側チャンバ1の内部に設けられた内側チャンバ3と、内側チャンバ3内に不活性ガスを供給する供給経路4と、内側チャンバ3内の不活性ガスを排出する排出経路5と、を備えている。
供給経路4と排出経路5は、不活性ガスを内側チャンバ3内に流通させる流通機構を構成する。
【0010】
図1〜図4に示すように、外側チャンバ1は、底壁部11と、底壁部11の両側縁に立設された側壁部12、12と、底壁部11の両端縁に立設された端壁部13、13と、側壁部12および端壁部13の上縁に設けられた天壁部14とを有する。
【0011】
図1に示すように、天壁部14には、外側チャンバ1内に窒素ガスなどの不活性ガスを導入する供給経路15が接続されている。
図3および図4に示すように、天壁部14の下面には、内側チャンバ3の本体部22(後述)に相当する範囲を含む領域に導入凹部16が形成されている。導入凹部16の内部空間は、供給経路4からの不活性ガスが導入される導入空間16aとなっている。
【0012】
図1、図3および図4に示すように、底壁部11には、長手方向(図1の左右方向)に間隔をおいた4カ所に、媒体50を搬入および搬出するための通過口11aが形成されている。
図3に示すように、底壁部11には、供給経路15から外側チャンバ1内を経た不活性ガスの流通路11bが形成されている。底壁部11の下面には、流通路11bからの不活性ガスを流出させる流出路19aを有する一対の流出部19、19が形成されている。流出路19aは、不活性ガスが底壁部11の下面に沿って排出されるように形成されている。流出部19、19は、流出路19aの開口部が向かい合うように、通過口11aを挟んで両側に設けられている。
【0013】
光源2としては、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ等が使用できる。
光源2は、外側チャンバ1内であって内側チャンバ3外に設けられている。図3に示すように、具体的には、光源2は、ホルダ17および取り付け具18を介して外側チャンバ1の側壁部12、12の内面に取り付けられている。
光源2は、外側チャンバ1の長手方向(図1の左右方向)に延在している。図示例では、複数本の光源2が側壁部12の上下方向に間隔をおいて並列して設置されている。
図示例では、光源2は、外側チャンバ1内であって内側チャンバ3外に設けられているが、内側チャンバ3内に設けることもできる。
【0014】
内側チャンバ3は、紫外線照射の対象となる潤滑膜56(後述)が形成された媒体50を収容可能なチャンバであり、外側チャンバ1の通過口11aが形成された位置に設けられている(図3および図4参照)。図示例では、内側チャンバ3は、外側チャンバ1の長手方向(図1の左右方向)に間隔をおいて4カ所に設けられている。
【0015】
図3〜図5に示すように、内側チャンバ3は、外側チャンバ1の底壁部11上に設けられた底板部21(排出側の板部)と、底板部21上面から上方に延出する筒状の本体部22と、本体部22の上端に設けられた天板部23(供給側の板部)とを備えている。
図5に示すように、底板部21は、本体部22の下端部22a(排出側の端部)に、下端部22aの開口を覆って設けられている。
【0016】
底板部21には、媒体50を搬入および搬出する搬入出口24が形成されている。搬入出口24は、媒体50の断面形状に沿うスリット状とされ、長さ方向の中央部24aはホルダ41が通過できるように、他の部分より幅広に形成されている。
底板部21は、底壁部11の上面にネジ止め等により気密に取り付けることができる。
【0017】
図3および図5に示すように、本体部22は、光源2からの紫外線の透過性が高い材料からなる。本体部22は、例えば石英ガラス製とすることができる。なお、紫外線の透過性が高い材料であれば、樹脂材料を使用してもよい。
本体部22は、一対の側板部25、25と、側板部25、25の側縁に形成された一対の端板部26、26からなる断面矩形の筒状体であり、内部に媒体50を収容できる。本体部22の上端部22bは不活性ガスの供給側の端部(一方の端部)であり、下端部22aは不活性ガスの排出側の端部(他方の端部)である。
本体部22の下端部22aは、搬入出口24を囲んで配置され、底板部21の上面に気密に接している。
本体部22は、側板部25、25が外側チャンバ1の側壁部12に沿う方向となるように配置することが好ましい。
【0018】
図3に示すように、本体部22の内部空間の幅寸法W2は、外側チャンバ1の内部空間の幅寸法W1より小さくされている。
図2に示すように、外側チャンバ1の長手方向(図2の左右方向)の寸法についても、本体部22の内部空間の長さ寸法L2は、外側チャンバ1の内部空間の長さ寸法L1より小さい。このため、内側チャンバ3の容積は、外側チャンバ1の容積より小さい。
また、本体部22の内部空間の長さ寸法L2は、幅寸法W2より大とすることができる。
【0019】
図3〜図5に示すように、天板部23は、本体部22の上端部22b(供給側の端部)に、上端部22bの開口を覆って設けられている。天板部23は上端部22bに気密に接している。
天板部23には、不活性ガスを内側チャンバ3内に導入する導入口27が形成されている。導入口27の数は1でもよいが、複数であることが好ましい。導入口27は、1または複数の列をなすように配列されていることが望ましい。
【0020】
図5に示すように、図示例では、導入口27の配置は、内側チャンバ3の長さ方向(図1の左右方向)に配列された複数の導入口27からなる第1列28Aと、同方向に配列された複数の導入口27からなる第2列28Bとを有する。列28A、28Bは、互いに幅方向(図3の左右方向)に間隔をおいて形成されている。
各列28A、28Bを構成する複数の導入口27は、前記長さ方向に間隔をおいて直線状に配列している。
【0021】
列28A、28Bの一方および他方の端部は、それぞれ本体部22の長さ方向(図1の左右方向)の一方および他方の端部に近接した位置に達していることが望ましい。
例えば、図5に示すように、第1列28Aの一端部に位置する導入口27(符号27A1で示す)と、第2列28Bの一端部に位置する導入口27(符号27B1で示す)は、本体部22の長さ方向の一端部に近い位置に形成することができる。また、第1列28Aの他端部に位置する導入口27(符号27A2で示す)と、第2列28Bの他端部に位置する導入口27(符号27B2で示す)は、本体部22の長さ方向の他端部に近い位置に形成することができる。
【0022】
天板部23は、天壁部14の下面にネジ止め等により気密に取り付けることができる。
なお、導入口27の列の数は2に限らず、1であってもよいし、3以上であってもよい。導入口27の列の数を3以上とする場合においても、これら複数の列を幅方向に間隔をおいて並列して形成することができる。
【0023】
紫外線照射装置10は、外側チャンバ1内に内側チャンバ3が設けられているため、多重構造(図示例では2重構造)のチャンバを有する。なお、本発明では、3重構造以上のチャンバを有する構成も可能である。
【0024】
図1および図4に示すように、不活性ガスの供給経路4は、内側チャンバ3に不活性ガスを供給するものである。図示例では、4つの内側チャンバ3の位置に応じて4つの供給経路4が外側チャンバ1の天壁部14に接続され、天壁部14の供給口14aを通して導入凹部16内に不活性ガスを供給できる。
【0025】
図3および図4に示すように、排出経路5は、底壁部11の下面に通過口11aおよび流出部19を囲む排出基部31と、排出基部31から延出する排出ダクト32とを有する。排出基部31には、ホルダ41およびこれに保持された媒体50が通過できる通過口31aが形成されている。
【0026】
(磁気記録媒体)
図6は、本発明の製造装置によって製造される磁気記録媒体の一例を示すもので、この磁気記録媒体50は、アルミニウム、ガラスなどからなる基板51の上にCr合金などからなる下地層52が形成され、その上に、Ru等からなる中間層53、Co合金等からなる磁性層54、カーボンなどからなる保護膜55、および潤滑膜56が形成されている。
潤滑膜56はフッ素系ポリエ−テル類(例えばパーフルオロポリエーテル)などからなり、浸漬法などの塗布方法によって形成される。
下地層52、中間層53、磁性層54、保護膜55、および潤滑膜56は、基板51の両面に形成することができる。
本発明の製造装置によって製造される磁気記録媒体としては、基板上に少なくとも磁性層と保護膜とを有し、前記保護膜表面に潤滑膜が形成された磁気記録媒体を挙げることができる。
【0027】
(磁気記録媒体の製造装置)
図7は、本発明の磁気記録媒体の製造装置の一例を示すもので、この製造装置60は、基板51上に下地層52をスパッタ法などにより形成する下地層形成室62と、中間層53をスパッタ法などにより形成する中間層形成室63と、磁性層54をスパッタ法などにより形成する磁性層形成室64と、保護膜55をスパッタ法などにより形成する保護膜形成室65と、浸漬法などの塗布方法によって潤滑膜56を形成する潤滑膜形成室66と、図1〜図5に示す紫外線照射装置10とを有する。
【0028】
(磁気記録媒体の製造方法)
次に、製造装置60を用いて磁気記録媒体50を作製する方法の一例について説明する。
図6および図7に示すように、下地層形成室62において、基板51上に下地層52をスパッタ法などにより形成する。次いで、中間層形成室63にて中間層53をスパッタ法などにより形成する。次いで、磁性層形成室64にて磁性層54をスパッタ法などにより形成する。次いで、保護膜形成室65にて保護膜55をスパッタ法などにより形成する。次いで、潤滑膜形成室66にて、浸漬法などの塗布方法によって保護膜55上に潤滑膜56を形成する。
【0029】
図1に示すように、基板51上に下地層52、中間層53、磁性層54、保護膜55および潤滑膜56が形成された媒体50(図6参照)は、キャリア42に保持されて紫外線照射装置10の下方に配置され、ホルダ41に下方から支持されて上昇する。
ホルダ41は、通過口31a、通過口11a、搬入出口24を通して、媒体50を搬入出口24から内側チャンバ3内に搬入する。媒体50は、本体部22の側板部25、25に沿う姿勢とするのが好ましい。図示例では、媒体50は側板部25、25にほぼ平行である。
【0030】
図1、図3および図4に示すように、媒体50に紫外線を照射するにあたっては、供給経路4、15から不活性ガスを内側チャンバ3および外側チャンバ1に供給する。不活性ガスとしては、窒素ガス、Ar等が使用でき、特に窒素ガスが好ましい。
【0031】
図1および図3に示すように、供給経路15を通して導入された不活性ガスは、外側チャンバ1内であって内側チャンバ3の外の空間1aに導入される。不活性ガスは、連続的に外側チャンバ1内に導入されるのが好ましい。外側チャンバ1内を経た不活性ガスは、流通路11bを経て流出路19aに導入される。
流出部19、19の流出路19a、19aは向かい合っているため、不活性ガスは底壁部11の下面に沿って互いに近づく方向に噴出し、通過口11aの開口部近傍で衝突し、内側チャンバ3から排出された不活性ガスに伴って排出基部31を経て排出ダクト32から排出される。
流出路19a、19aから噴出するガス流によって、通過口11aへの外気の流入は起こりにくくなる。
外側チャンバ1内に不活性ガスを流通させることによって、外側チャンバ1内の酸素濃度を低減させることができる。
【0032】
図3および図4に示すように、供給経路4を通して導入された不活性ガスは、天壁部14の導入凹部16(導入空間16a)に導入される。導入凹部16内の不活性ガスは、導入口27を通して内側チャンバ3内に導入される。
上述のように、導入口27は複数列をなすように形成されているため、本体部22の長さ方向および幅方向の広い範囲に不活性ガスが供給される。
不活性ガスは、本体部22内を下方に向かって流れ、搬入出口24を通して内側チャンバ3から流出し、排出基部31を経て排出ダクト32から排出される。
【0033】
内側チャンバ3および外側チャンバ1に不活性ガスを流通させた状態で、光源2を点灯させる。紫外線は本体部22を外部から内部に透過し、本体部22内の媒体50の両面に照射される。
光源2による紫外線照射条件としては、例えば波長150〜400nmの紫外線を0.1〜100mW/cm2の照射強度で5〜30秒照射するなどの条件を適宜採用できる。
潤滑膜56に紫外線を照射することによって、保護膜55に対する化学的な結合形成を促進し、潤滑膜56の耐久性を高めることができる。
これによって、十分な耐久性を有する潤滑膜56を有する媒体50が得られる(図6参照)。紫外線照射処理が終わった媒体50は、ホルダ41によって搬入出口24から搬出され、キャリア42に戻される。
【0034】
紫外線照射装置10では、外側チャンバ1内に、媒体50を収容する内側チャンバ3が設けられているので、容積の小さい内側チャンバ3内に不活性ガスを流通させることによって、媒体50の周囲の酸素濃度を十分に低減できる。
このため、不活性ガスの流通量が小さい場合でも、酸素の影響による潤滑膜56の劣化を防止できる。
従って、不活性ガスの使用量を削減し、コスト低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0035】
1・・・外側チャンバ、2・・・光源、3・・・内側チャンバ、4・・・供給経路、5・・・排出経路、10・・・紫外線照射装置、21・・・底板部(排出側板部)、22・・・本体部、23・・・天板部(供給側板部)、24・・・搬入出口、27・・・導入口、50・・・磁気記録媒体、54・・・磁性層、55・・・保護膜、56・・・潤滑膜、60・・・磁気記録媒体の製造装置、64・・・磁性層形成室、65・・・保護膜形成室、66・・・潤滑膜形成室。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気記録媒体の潤滑層に紫外線を照射する装置であって、
外側チャンバと、
前記外側チャンバ内に設けられて前記磁気記録媒体に紫外線を照射する光源と、
前記外側チャンバ内に設けられて、前記磁気記録媒体を収容する内側チャンバと、
前記内側チャンバ内に不活性ガスを供給する供給経路と、
前記内側チャンバ内の不活性ガスを排出する排出経路と、を備えていることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
前記内側チャンバは、前記光源からの紫外線を外部から内部に透過させて前記磁気記録媒体に照射させることができることを特徴とする請求項1に記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記内側チャンバは、前記磁気記録媒体を収容する筒状の本体部と、
前記本体部の一方の端部に設けられて、前記供給経路からの不活性ガスを前記本体部に導入する1または複数の導入口を有する供給側板部と、
前記本体部の他方の端部に設けられて、前記本体部内に前記磁気記録媒体を搬入および搬出する搬入出口を有する排出側板部と、を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の紫外線照射装置。
【請求項4】
前記複数の導入口は、複数列をなすように形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の紫外線照射装置。
【請求項5】
基板上に、少なくとも磁性層と保護膜と潤滑層とを有する磁気記録媒体を製造する装置であって、
基板に磁性層を形成する磁性層形成室と、前記保護膜を形成する保護膜形成室と、前記潤滑膜を形成する潤滑膜形成室と、前記潤滑膜に紫外線を照射する紫外線照射装置とを備え、
前記紫外線照射装置は、外側チャンバと、前記外側チャンバ内に設けられて前記磁気記録媒体に紫外線を照射する光源と、前記外側チャンバ内に設けられて前記磁気記録媒体を収容する内側チャンバと、前記内側チャンバ内に不活性ガスを供給する供給経路と、前記内側チャンバ内の不活性ガスを排出する排出経路と、を備えていることを特徴とする磁気記録媒体の製造装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−99167(P2012−99167A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243842(P2010−243842)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(591035209)ワイエイシイ株式会社 (15)
【Fターム(参考)】