説明

磁気記録媒体製造方法、磁気記録媒体、および研磨装置

【課題】記録磁性部間の凹部を充填するように成膜された非磁性材料に対して研磨処理を施す研磨工程において非破壊で研磨の程度をモニタリングすることが可能な磁気記録媒体製造方法、磁気記録媒体、および研磨装置を提供する。
【解決手段】本発明の磁気記録媒体製造方法は、複数の記録磁性部21aおよび記録磁性部間21aの凹部を有する磁性膜21上に、非磁性材料を、凹部を充填しつつ成膜する工程と、成膜された非磁性材料に対して研磨処理を施すための工程とを含み、研磨工程中に、被研磨面からの光の強度を検出する工程を含む。本発明の磁気記録媒体X1は、例えば、複数の記録磁性部21aと、複数の記録磁性部21a間に介在し且つルミネセンス材料を含む非磁性部22とを備える。本発明の研磨装置は、研磨対象物を保持するための手段と、研磨処理を行うための手段と、被研磨面からの光の強度を検出するための手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定パターンの記録磁性部を有する磁気記録媒体を製造するための方法、そのような磁気記録媒体、および、磁気記録媒体の製造過程において使用される装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクなどの記憶装置を構成するための記録媒体として、磁気ディスク(磁気記録媒体)が知られている。磁気ディスクは、ディスク基板と所定の磁性構造を有する記録層とを含む積層構造を有する。コンピュータシステムにおける情報処理量の増大に伴い、磁気ディスクについては高記録密度化の要求が高まっている。
【0003】
磁気ディスクへの情報記録に際しては、磁気ディスクの記録面に対して記録用の磁気ヘッドが近接配置(浮上配置)され、当該磁気ヘッドにより、記録層に対し、その保磁力より強い記録磁界が印加される。磁気ディスクに対して磁気ヘッドを相対移動させつつ磁気ヘッドからの記録磁界の向きを順次反転させることにより、記録層の情報トラックにて、磁化方向が順次反転する複数の記録マーク(磁区)がディスク周方向に連なって形成される。このとき、記録磁界方向を反転させるタイミングが制御されることにより、各々に所定の長さで記録マークが形成される。このようにして、記録層において、磁化方向の変化として所定の信号ないし情報が記録される。
【0004】
また、磁気ディスクの技術分野においては、高記録密度化を図るのに好ましい媒体として、いわゆるディスクリートトラックメディア(DTM)やビットパターンドメディア(BPM)など、所定パターンの記録磁性部を記録層内に有するパターンドメディア(PM)としての磁気ディスクが知られている。このような磁気ディスクについては、例えば下記の特許文献1〜3に記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−71467号公報
【特許文献2】特開2005−166115号公報
【特許文献3】特開2005−293730号公報
【0006】
図17は、PMとして構成された従来の磁気ディスク70のディスク径方向に沿った部分断面図である。磁気ディスク70は、ディスク基板71、記録層72、および保護層73からなる積層構造を有する。記録層72は、複数の記録磁性部72Aと、記録磁性部72A間に介在する非磁性部72Bとからなる。保護層73の露出面は磁気ディスク70の記録面をなす。
【0007】
図18および図19は、磁気ディスク70の製造方法を表す。磁気ディスク70の製造においては、まず、図18(a)に示すように、例えばスパッタリング法により、ディスク基板71上に所定の磁性材料が成膜されることによって磁性膜72A’が形成される。次に、図18(b)に示すように、磁性膜72A’上にフォトレジスト膜81が形成される。次に、図18(c)に示すように、リソグラフィ法により、フォトレジスト膜81からレジストパターン82が形成される。レジストパターン82は、上述の非磁性部72Bのパターン形状に対応する開口部82aを有する。当該リソグラフィ法においては、具体的には、所定装置によって所定パターン(潜像)がフォトレジスト膜81に露光形成された後、当該フォトレジスト膜81に現像処理が施される。このようにして、磁性膜72A’上にレジストパターン82が形成される。この後、図18(d)に示すように、レジストパターン82がマスクとして利用されて、磁性膜72A’に対して所定のエッチング処理が施され、上述の記録磁性部72Aがパターン形成される。
【0008】
磁気ディスク70の製造においては、次に、図19(a)に示すようにレジストパターン82が除去される。次に、図19(b)に示すように非磁性材料72B’が堆積されて成膜される(成膜工程)。具体的には、スパッタリング法により、記録磁性部72A間の隙間および記録磁性部72A上に非磁性材料72B’が堆積される。
【0009】
次に、図19(c)に示すように、堆積された非磁性材料72B’において記録磁性部72A間の隙間にない過剰部分が、例えばケミカルメカニカルポリッシング(CMP)法などの研磨処理によって除去される(研磨工程)。本工程の研磨処理は、過剰な非磁性材料72B’が充分に研磨除去されたとみなされる研磨時間が経過した時点で終了される。その研磨時間は、非磁性材料72B’に対する研磨処理における研磨レートと、図19(b)を参照して上述した成膜工程にて堆積される非磁性材料72B’の厚さとに基づいて、設定される。研磨レートは、予め実験的に求められる。例えば、実際の製造プロセスにおけるのと同一の条件(図19(b)を参照して上述した成膜工程におけるのと同一の条件)で非磁性材料72B’を所定基材上に成膜した後、実際の製造プロセスにおけるのと同一の条件(本研磨工程におけるのと同一の条件)で当該非磁性材料72B’を研磨処理し、所定の研磨時間経過時点において基材上に残存する非磁性材料72B’の厚さを断面TEM観察によって測定し、このような非磁性材料72B’の成膜、研磨処理、および断面観察の一連の操作を、研磨時間を異ならせて複数回実施し、得られる複数の測定結果(所定研磨時間経過時点での残存厚さ)に基づいて、研磨工程における研磨レートが導出される。本研磨工程により、非磁性部72Bが形成され、記録層72が形成されることとなる。
【0010】
この後、図19(d)に示すように、例えばCVD法やスパッタリング法により記録層72上に所定材料が成膜されることによって保護層73が形成される。以上のようにして、所定パターンの記録磁性部72Aを記録層72内に有する磁気ディスク70が製造される。
【0011】
このような従来の方法における上述の研磨工程では、予め実験的に求められた研磨レートと、図19(b)を参照して上述した成膜工程にて堆積される非磁性材料72B’の厚さとに基づいて、研磨処理に要する時間が予測されて設定されており、当該時間が経過した時点で研磨処理が終了される。すなわち、従来の方法の研磨工程では、非磁性材料72B’の研磨量ないし研磨の程度がモニタリングされつつ研磨の程度が制御されるのではなく、直接的には研磨時間が制御されることによって、間接的に研磨の程度が制御されることが期待されるにすぎない。
【0012】
しかしながら、あくまで予測に基づくそのような時間制御では、実際に研磨処理が停止ないし終了された時点が最適な研磨終了時点でない場合がある。
【0013】
図20(a)は、上述の従来の方法の研磨工程において、最適な研磨終了時点よりも早く研磨処理が停止された場合の拡大断面図である。この場合、研磨時間が不足しているために、記録磁性部72A上に有意な量の非磁性材料72B’が残存することとなる。
【0014】
図20(b)は、上述の従来の方法の研磨工程において、最適な研磨終了時点よりも遅くに研磨処理が終了された場合の拡大断面図である。この場合、研磨時間が長すぎるために、形成される非磁性部72Bの頂部に過度のディッシングDないし窪みが生じることとなる。また、この場合、非磁性部72BにクラックCが生じる場合もある。過度のディッシングDや、クラックCは、記録層72ないし記録面の平坦性を阻害する。一般に、磁気ディスクないしその記録層における面内記録密度が大きいほど、情報記録再生時に磁気ディスクに対して浮上配置される磁気ヘッドについては、より小さな浮上量(磁気ヘッドと記録面の間の距離)が要求される傾向にあるところ、小さな浮上量にて磁気ヘッドが適切に動作するためには、磁気ディスクの記録面は充分に平坦でなければならない。要求される浮上量が小さいほど(即ち、磁気ディスクの面内記録密度が大きいほど)、記録面に求められる平坦性は高くなる傾向にある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、以上のような事情の下で考え出されたものであり、記録磁性部間の凹部を充填するように成膜された非磁性材料に対して研磨処理を施す研磨工程において非破壊で研磨の程度をモニタリングすることが可能な磁気記録媒体製造方法、磁気記録媒体、および研磨装置を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の側面によると磁気記録媒体製造方法が提供される。本方法は、複数の記録磁性部および当該記録磁性部間の凹部を有する磁性膜上に、非磁性材料を、凹部を充填しつつ成膜する成膜工程と、成膜された非磁性材料に対して研磨処理を施す研磨工程とを含み、研磨工程中に、被研磨面からの光の強度を検出する光強度検出工程を含む。
【0017】
本方法の成膜工程では、記録磁性部間の凹部および各記録磁性部上にわたって非磁性材料を堆積して成膜することより、記録磁性部間の凹部を非磁性材料で充填し、また、記録磁性部上に非磁性材料が有意な厚さに堆積することとなる。非磁性材料膜の露出面は、記録磁性部のパターン形状が相応する凹凸を伴う。本方法の研磨工程では、この凹凸形状をなくして実質的な記録面を平坦化するために非磁性材料に対して研磨処理を施す。そして、このような研磨工程の途中において、適時、被研磨面からの光(発光または反射光)の強度を検出する工程を行う。記録磁性部と、成膜工程でこれを覆うように成膜される非磁性材料とは、表面からの光(発光または反射光)の強度は異なり、且つ、研磨工程にて研磨処理を受ける非磁性材料の表面からの光の強度は、残存する非磁性材料の厚さに依存し得る。そのため、研磨工程の途中で、被研磨面の所定領域(単一の記録磁性部上の狭い領域でもよいし、複数の記録磁性部上にわたる広い領域でもよい)からの光(発光,反射光)の強度を適時に検出することにより、当該被研磨面について、非破壊で研磨の程度をモニタリングすることが可能である。例えば、研磨処理開始時に検出される被研磨面からの光の強度を規格化して1とした場合、研磨工程中の適時に光強度検出工程を複数回にわたって行うと、研磨処理が進行するにつれて検出光強度が1から漸減または漸増するのをモニタリングすることが可能である。被研磨面における、単一の記録磁性部上の狭い領域からの光の強度を検出する場合であっても、被研磨面における、複数の記録磁性部上にわたる広い領域からの正味の光の強度を検出する場合であっても、研磨処理が進行するにつれて検出光強度が1から漸減または漸増するのをモニタリングすることが可能である。
【0018】
このようなモニタリングが可能な本方法の研磨工程によると、研磨の程度を直接的に制御することによって、研磨の程度について最適化を図りやすい。研磨の程度が最適な状態(記録磁性部上の非磁性材料が充分に除去された状態)にある被研磨面からの光の強度について予め調べておき、当該光強度を目安に、研磨工程中の光強度検出工程にて検出される光強度が所定レベルを超えた時点で研磨処理を停止することができるからである。このような研磨工程を含む本方法は、磁気記録媒体を効率よく製造するうえで好適である。
【0019】
本発明の第1の好ましい実施の形態においては、非磁性材料はルミネセンス材料を含む。この場合、研磨工程中の光強度検出工程では、被研磨面からの発光の強度を主に検出することが可能である。また、この場合、本方法は、好ましくは、成膜工程より後であり且つ研磨工程より前に、光照射によりルミネセンス材料を発光させる工程を更に含む。ルミネセンス材料は、好ましくは燐光材料または蛍光材料である。
【0020】
本発明の第2の好ましい実施の形態においては、非磁性材料は黒色炭素を含む。この場合、研磨工程中の光強度検出工程では、被研磨面からの反射光の強度を主に検出することが可能である。また、この場合、本方法における光強度検出工程では、被研磨面に対して光照射を行う。
【0021】
本発明の第2の側面によると別の磁気記録媒体製造方法が提供される。本方法は、複数の記録磁性部および当該記録磁性部間の凹部を有する磁性膜上にルミネセンス材料を成膜する第1の成膜工程と、ルミネセンス材料上に非磁性材料を成膜する第2の成膜工程と、成膜された非磁性材料およびルミネセンス材料に対して研磨処理を施すための研磨工程とを含み、研磨工程中に、被研磨面からの光の強度を検出する光強度検出工程を含む。
【0022】
本方法の第1および第2成膜工程では、記録磁性部間の凹部および各記録磁性部上にわたってルミネセンス材料および非磁性材料を順次成膜することより、記録磁性部間の凹部をルミネセンス材料およびその上位の非磁性材料で充填し、また、ルミネセンス材料およびその上位の非磁性材料が記録磁性部上に有意な厚さに堆積することとなる。ルミネセンス材料および非磁性材料よりなる膜体の露出面は、記録磁性部のパターン形状が相応する凹凸を伴う。本方法の研磨工程では、この凹凸形状をなくして実質的な記録面を平坦化するために非磁性材料に対して研磨処理を施す。そして、このような研磨工程の途中において、適時、被研磨面からの光(発光)の強度を検出する工程を行う。記録磁性部と、成膜工程でこれを覆うように成膜されるルミネセンス材料と、更にその上に成膜される非磁性材料とは、表面からの光の強度は異なり、且つ、研磨工程にて研磨処理を受けた場合のルミネセンス材料の表面からの光の強度は、残存するルミネセンス材料の厚さに依存し得る。そのため、研磨工程の途中で、被研磨面の所定領域(単一の記録磁性部上の狭い領域でもよいし、複数の記録磁性部上にわたる広い領域でもよい)からの光の強度を適時に検出することにより、当該被研磨面について、非破壊で研磨の程度をモニタリングすることが可能である。例えば、研磨工程の途中で記録磁性部上のルミネセンス材料が露出したときに検出光強度はピークを示し、その後、記録磁性部上のルミネセンス材料が研磨処理を受けて薄くなるに従って検出光強度が漸減するのをモニタリングすることが可能である。
【0023】
このようなモニタリングが可能な本方法の研磨工程によると、研磨の程度を直接的に制御することによって、研磨の程度について最適化しやすい。その理由は、本発明の第1の側面に係る方法の研磨工程に関して上述したのと同様である。
【0024】
本発明の第2の側面に係る本方法は、好ましくは、成膜工程より後であり且つ研磨工程より前に、光照射によりルミネセンス材料を発光させる工程を更に含む。好ましくは、ルミネセンス材料は燐光材料または蛍光材料である。
【0025】
本発明の第3の側面によると磁気記録媒体が提供される。この磁気記録媒体は、複数の記録磁性部と、当該複数の記録磁性部間に介在し且つルミネセンス材料を含む非磁性部と、を備える。このような磁気記録媒体は、本発明の第1および第2の側面に係る方法によって適切に製造することが可能である。本磁気記録媒体において、好ましくは、ルミネセンス材料は燐光材料または蛍光材料である。
【0026】
本発明の第4の側面によると別の磁気記録媒体が提供される。この磁気記録媒体は、複数の記録磁性部と、当該複数の記録磁性部間に介在し且つ黒色炭素を含む非磁性部と、を備える。このような磁気記録媒体は、本発明の第1の側面に係る方法によって適切に製造することが可能である。本磁気記録媒体において、好ましくは、非磁性部は黒色炭素からなる。
【0027】
本発明の第3および第4の側面において、好ましくは、記録磁性部および非磁性部を含んで構成される記録面に光強度検出用領域が設けられている。このような構成は、本発明の第1および第2の側面に係る方法において適切に光強度検出工程を行ううえで好ましい。
【0028】
本発明の第5の側面によると、本発明の第1および第2の側面に係る磁気記録媒体製造方法における研磨工程にて使用するための研磨装置が提供される。本装置は、研磨対象物を保持するための保持手段と、研磨処理を行うための研磨手段と、被研磨面からの光の強度を検出するための光強度検出手段とを備える。
【0029】
本発明の第5の側面において、好ましくは、研磨手段は、研磨作用面を有し、当該研磨作用面の法線に平行な軸心まわりに自転動可能であり、且つ、当該自転動の中央領域に開口部を有する。保持手段は、好ましくは、研磨対象物の被研磨面を研磨手段の研磨作用面に当接させつつ、研磨手段の自転動の方向に交差する方向に研磨対象物を往復動させることが可能であり、且つ、被研磨面の少なくとも一部が開口部に臨む位置にまで研磨対象物を移動させることが可能である。光強度検出手段は、好ましくは、被研磨面において開口部に臨んだ領域からの光の強度を検出可能に設けられている。
【0030】
好ましくは、本装置は、ルミネセンス材料を発光させるための光照射手段を更に備える。この場合、より好ましくは、光照射手段は、被研磨面において開口部に臨んだ領域に光照射することが可能に設けられている。
【0031】
好ましくは、本装置の保持手段は、研磨対象物を自転動させつつ当該研磨対象物を保持可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る磁気ディスクX1のディスク径方向に沿った部分断面図である。
【0033】
磁気ディスクX1は、ディスク基板10、記録層20、および保護層30を含む積層構造を有し、ディスクリートトラックメディア(DTM)またはビットパターンドメディア(BPM)として構成されたものである。
【0034】
ディスク基板10は、主に、磁気ディスクX1の剛性を確保するための部位であり、例えば、アルミニウム合金、ガラス、または樹脂よりなる。
【0035】
記録層20は、磁性膜21および非磁性部22からなる。磁性膜21は複数の記録磁性部21aを有する。記録層20の保護層30側の面が、実質的に磁気ディスクX1の記録面をなす。
【0036】
記録磁性部21aは、磁気ディスクX1がDTMである場合には情報トラックを構成し、磁気ディスクX1がBPMである場合には、情報が書き込まれるビットを構成する。このような記録磁性部21aを含む磁性膜21は、例えば、CoCr合金やCoPt合金よりなる。記録磁性部21aの高さLは例えば5〜30nmであり、記録磁性部21aの幅W1は例えば30〜200nmである。
【0037】
非磁性部22は、隣り合う記録磁性部21aを磁気的に分離するためのものであり、非磁性部22の幅W2は例えば10〜200nmである。非磁性部22は、所定の非磁性材料母材に所定のルミネセンス材料が添加された材料よりなるか、或は、非磁性の所定のルミネセンス材料よりなる。非磁性材料としては、例えばSiO2やSOG(スピンオングラス)を用いることができる。ルミネセンス材料としては、蛍光材料や燐光材料を用いることができ、例えば、いわゆるアルミナ系蛍光体を採用することができる。アルミナ系蛍光体としては、例えばSrAl24:Dy(Dyが添加されたSrAl24)や、SrAl24:Eu(Euが添加されたSrAl24)、BaMgAl1017:Eu(Euが添加されたBaMgAl1017)が挙げられる。
【0038】
保護層30は、いわゆるヘッドタッチなどの衝撃や塵埃から特に磁性膜21を保護する目的で設けられる非磁性層で、例えばDLC(ダイアモンドライクカーボン)またはSiNよりなる。保護層30の厚さは例えば5nm以下である。また、保護層30の露出面には、磁気ヘッドの吸着や、いわゆるヘッドタッチなどによる衝撃を防止する目的で、潤滑剤(図示略)が塗布される。
【0039】
以上のようなディスク基板10、記録層20、および保護層30を含む磁気ディスクX1の積層構造中には、必要に応じて他の層が含まれてもよい。
【0040】
このような磁気ディスクX1の情報記録時には、磁気ディスクX1の記録面に対して記録用の磁気ヘッド(図示略)が浮上配置され、当該磁気ヘッドによる記録磁界の印加によって、記録層20の記録磁性部21aにていわゆる記録マーク(磁区)が形成される。このとき、記録磁性部21aと、これの隣りの記録磁性部21aとが、非磁性部22により分断されているため、当該隣りの記録磁性部21aの記録マークが消失ないし劣化するというクロスライト現象が抑制される。クロスライト現象が抑制される磁気ディスクは、トラックの狭ピッチ化ないし高記録密度化を図るうえで、好ましい。
【0041】
図2および図3は、磁気ディスクX1を製造するための方法を表す。本方法においては、まず、図2(a)に示すように、ディスク基板10上に磁性膜21’を形成する。磁性膜21’の形成においては、例えばスパッタリング法により、ディスク基板10上に所定の磁性材料を成膜する。
【0042】
次に、図2(b)に示すように、磁性膜21’上にレジストパターン41を形成する。レジストパターン41は、上述の記録磁性部21aに対応するパターン形状を有する。レジストパターン41の形成においては、例えば、スピンコーティング法によって磁性膜21’上にフォトレジスト膜を形成し、当該フォトレジスト膜に対して露光および現像を施す。
【0043】
次に、図2(c)に示すように、レジストパターン41をマスクとして利用して磁性膜21’に対して所定のエッチング処理を施す。これにより、磁性膜21’において記録磁性部21aおよび凹部21bを形成する。エッチング処理としては、例えば、エッチングガスとして酸素ガスや希ガスを使用し且つRF(高周波)電源を用いて行うドライエッチングを採用することができる。この後、レジストパターン41を除去する。
【0044】
次に、図2(d)に示すように非磁性材料22’を成膜する(成膜工程)。非磁性材料22’は、上述の非磁性部22を構成するための材料であり、所定の非磁性材料母材に所定のルミネセンス材料が添加された材料であるか、或は、非磁性の所定のルミネセンス材料である。本工程では、例えばスパッタリング法により、記録磁性部21a間の凹部21bおよび記録磁性部21a上に所定の非磁性材料22’を堆積する。或は、本工程では、スピンコーティング法による塗布およびその後の加熱処理により、記録磁性部21a間の凹部21bおよび記録磁性部21a上に、所定のルミネセンス材料が所定量添加されたSOGを、非磁性材料22’として成膜してもよい。
【0045】
この非磁性材料22’に関しては、発光源が励起されて発光する場合のその発光強度と、厚さとの関係について、予め調査しておく。例えば、図4(a)は、ルミネセンス材料としてのSrAl24:Eu(発光のピーク波長はおよそ540nm)の粉末を含むSOG膜の厚さと発光強度との関係について調査した結果をまとめた表である。本調査においては、まず、複数枚の第1のサンプル膜を作製した。当該サンプル膜の作製においては、有機シリコン化合物を含んでなるSOG材料にSrAl24:Euの粉末を所定量添加し、当該SOG材料をスピンコーティング法によって基材上に塗布した後、加熱温度120℃および加熱時間1時間の条件でこれを加熱した(膜厚は120nmとした)。次に、各サンプル膜に対してハロゲンライトを10分間照射し、サンプル膜を充分な強度で発光させた。次に、このような初期状態にあるサンプル膜からの発光強度を測定(測定波長λ=520nm)し、その発光強度を規格化して1とした。次に、各サンプル膜に対してCMP法によって研磨処理を施し、所定の研磨時間経過時点における被研磨面からの発光強度を測定し、また、当該時点における膜厚を断面TEM観察によって測定した。このような調査によって得られた複数の測定結果(所定膜厚での規格化発光強度)をまとめたのが図4(a)の表である。図4(b)は、当該調査結果に基づき作成したグラフである。本調査結果にも表れているように、発光源たるルミネセンス材料が励起されて発光している非磁性材料22’膜の厚さが減少するに従って、当該非磁性材料22’膜の発光強度も低下する。そして、このような調査結果に基づき、非磁性材料22’が充分に研磨除去され且つ過度に研磨処理がなされていない状態にあるときの発光強度を決定することができる。
【0046】
磁気ディスクX1の製造においては、次に、図3(a)に示すように、非磁性材料22’に対して光L1を照射する(光照射工程)。照射される光L1は、好ましくはハロゲンライトや紫外線レーザである。光照射は、ディスク全面にわたって行ってもよいし、ディスク内の所定の部分領域のみに行ってもよい。本工程の光照射により、非磁性材料22’中の発光源たるルミネセンス材料が励起されて発光することとなる。
【0047】
次に、図3(b)および図3(c)に示すように、非磁性材料22’において記録磁性部21a間の凹部21bにない過剰部分に対し、例えばケミカルメカニカルポリッシング(CMP)法による研磨処理を施す(研磨工程)。
【0048】
この研磨工程中、適時(例えば一定期間ごとに)、被研磨面Sないし非磁性材料22’から発せられる光L2の強度を検出する工程を行う(光強度検出工程)。記録磁性部21aは発光しない一方、記録磁性部21aを覆うように成膜されている非磁性材料22’は発光し、且つ、研磨工程にて研磨処理を受ける非磁性材料22’からの発光の強度は、残存する非磁性材料22’の厚さに依存する。そのため、研磨工程の途中で、被研磨面Sの所定領域(単一の記録磁性部21a上の狭い領域でもよいし、複数の記録磁性部21a上にわたる広い領域でもよい)からの光(発光)の強度を適時に検出することにより、当該被研磨面Sについて、非破壊で研磨の程度をモニタリングすることが可能である。そして、光強度検出工程にて検出される光強度が所定レベル以下となった時点で、研磨処理を停止して研磨工程を終了する。例えば、研磨処理開始時に検出される被研磨面Sからの光の強度を規格化して1とした場合、研磨処理が進行するにつれて検出光強度が1から漸減するところ、検出光強度が0.01以下となった時点で、研磨処理を停止して研磨工程を終了する。本工程を経ることにより、表面が平坦化された記録層20が形成されることとなる。
【0049】
また、研磨工程中、適時、図3(a)を参照して上述したのと同様の光照射工程を必要に応じて行ってもよい(発光源の発光寿命が短い場合、このような光照射工程を行うことにより、発光源の発光を継続させることが可能である)。
【0050】
磁気ディスクX1の製造においては、上述のような研磨工程を終了した後、図3(d)に示すように、例えばCVD法やスパッタリング法で記録層20上に所定材料を成膜することによって保護層30を形成する。以上のようにして、所定パターンの記録磁性部21aを記録層20内に有する磁気ディスクX1を製造することができる。
【0051】
本方法における上述の研磨工程によると、研磨の程度を直接的に制御することによって、研磨の程度について最適化を図りやすい。研磨の程度が最適な状態(記録磁性部21a上の非磁性材料22’が充分に除去された状態)にある被研磨面Sからの光(発光)の強度を目安に、研磨工程中の光強度検出工程にて検出される光強度が所定レベル以下となった時点で研磨処理を停止することができるからである(最適状態にあるときの発光強度は上述のようにして予め決定しておくことができる)。このような研磨工程を含む本方法は、磁気ディスクX1を効率よく製造するうえで好適である。
【0052】
磁気ディスクX1の記録面側には、例えば図5に示すような、外周端側の光強度検出用領域S1および内周端側の光強度検出用領域S2の少なくとも一方を設けてもよい。光強度検出用領域S1,S2は、専ら上述の研磨工程中の光強度検出工程に使用される領域であって、例えば、乱反射が抑制されるような、均等幅の同心円条の記録磁性部21aが均等間隔で配されてなる領域である。光強度検出用領域S1または光強度検出用領域S2を設ける場合、図3(a)を参照して上述した光照射工程では、この光強度検出用領域S1または光強度検出用領域S2に向けて光照射を行い、図3(b)および図3(c)を参照して上述した研磨工程中の光強度検出工程では、この光強度検出用領域S1または光強度検出用領域S2からの光の強度を検出する。
【0053】
図6および図7は、上述の研磨工程にて使用することのできる研磨装置Y1を表す。図6は研磨装置Y1の平面構成図であり、図7は研磨装置Y1の断面構成図である。
【0054】
研磨装置Y1は、回転台(図示略)と、パッド51と、複数のホルダ52と、スラリー滴下機構53と、光源54と、光検出プローブ55とを備える。
【0055】
パッド51は、磁気ディスクX1への製造過程にある研磨対象物たるディスクDに対して研磨処理を行うための研磨手段であり、研磨作用面51aを有する。このパッド51は、自転動可能な回転台(図示略)の上に固定されており、研磨作用面51aの法線に平行な軸心Aまわりに自転動可能である。パッド51の自転動の速度は、回転台の回転速度を制御することによって制御可能である。また、パッド51は、自転動の中央領域に開口部51bを有する。
【0056】
各ホルダ52は、研磨対象物たるディスクDを保持するための保持手段であり、ディスクDの被研磨面Sをパッド51の研磨作用面51aに当接させつつ、パッド51の自転動の方向に交差する方向にディスクDを往復動させることが可能であり、且つ、被研磨面Sの少なくとも一部がパッド51の開口部51bに臨む位置にまでディスクDを移動させることが可能に構成されている。また、各ホルダ52は、ディスクDを自転動させつつ当該ディスクDを保持可能に構成されている。
【0057】
スラリー滴下機構53は、その滴下口53aからパッド51の研磨作用面51a上にスラリーを一定速度で滴下可能に構成されている。スラリーは、直径数十nmの砥粒を含む溶剤である。
【0058】
光源54は、光照射手段であり、パッド51の開口部51bに臨むディスクDに向けて光を照射可能に配されている。光源54としては、例えば紫外線レーザやハロゲンライトを採用することができる。
【0059】
光検出プローブ55は、光強度検出手段であり、ディスクDにおいてパッド51の開口部51bに臨んだ部位からの発光や反射光の強度を検出可能に配されている。光検出プローブ55は、例えば、いわゆるフォトマルチメータによって構成される。
【0060】
研磨装置Y1の稼働時には、各ホルダ52にてディスクDが保持されて自転動されている状態で、パッド51が軸心Aまわりに自転動される。パッド51の自転速度は例えば10〜60rpmであり、各ホルダ52のディスクDの自転速度は例えば10〜60rpmである。
【0061】
磁気ディスクX1の製造過程における図3(a)の光照射工程では、各ホルダ52は、順次、それが保持するディスクD(自転動している)がパッド51の開口部51bに部分的に臨むように、ディスクDを移動させる。そして、ディスクDにおいて開口部51bに臨む被研磨面Sの所定領域に対して、光源54から光L1を照射する。光照射は、自転動するディスクDの全周にわたって行うことができる。このような光照射により、上述のように、非磁性材料22’中の発光源たるルミネセンス材料が励起されて発光することとなる。
【0062】
磁気ディスクX1の製造過程における図3(b)および図3(c)を参照して上述した研磨工程では、スラリー滴下機構53の滴下口53aからパッド51の研磨作用面51a上にスラリーを一定速度で滴下しつつ、各ホルダ52は、それが保持するディスクD(自転動している)の被研磨面Sをパッド51(自転動している)の研磨作用面51aに当接させる。また、各ホルダ52は、必要に応じて、パッド51の自転動の方向に交差する方向にディスクDを往復動させる。このような研磨処理により、上述のように、非磁性材料22’において記録磁性部21a間の凹部21bにない過剰部分を研磨除去していくことができる。
【0063】
この研磨工程中、上述のように、適時(例えば一定期間ごとに)、被研磨面Sないし非磁性材料22’から発せられる光L2の強度を検出する工程を行う(光強度検出工程)。この光強度検出工程では、各ホルダ52は、順次、それが保持するディスクD(自転動している)の被研磨面Sがパッド51の開口部51bに部分的に臨むように、ディスクDを移動させる。そして、ディスクDの被研磨面Sにおいて開口部51bに臨む所定領域(光照射工程にて光照射された領域)からの光(発光)の強度を、光検出プローブ55によって検出する。このような光強度検出によって、上述のように、被研磨面Sについて、非破壊で研磨の程度をモニタリングすることが可能である。そして、光強度検出工程にて検出される光強度が所定レベル以下となった時点で、研磨処理を停止して研磨工程を終了する。本工程を経ることにより、上述のように、表面が平坦化された記録層20が形成されることとなる。
【0064】
以上のように、研磨装置Y1によると、上述の光照射工程、研磨工程、および光強度検出工程を適切に行うことができる。
【0065】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る磁気ディスクX2のディスク径方向に沿った部分断面図である。
【0066】
磁気ディスクX2は、ディスク基板10、記録層20A、および保護層30を含む積層構造を有し、DTMまたはBPMとして構成されたものである。磁気ディスクX2は、記録層20に代えて記録層20Aを備える点において、第1の実施形態に係る磁気ディスクX1と異なる。
【0067】
記録層20Aは、磁性膜21および非磁性部22Aからなる。磁性膜21は複数の記録磁性部21aを有する。非磁性部22Aは、記録磁性部21a間に介在し、非磁性層22a,22bからなる。このような記録層20Aは、非磁性部22の代わりに、積層構造を有する非磁性部22Aを有する点において、上述の磁気ディスクX1における記録層20と異なる。
【0068】
非磁性部22Aの非磁性層22aは、非磁性の所定のルミネセンス材料よりなる。ルミネセンス材料としては、蛍光材料や燐光材料を用いることができ、例えば、いわゆるアルミナ系蛍光体を採用することができる。アルミナ系蛍光体としては、例えばSrAl24:Dy(Dyが添加されたSrAl24)や、SrAl24:Eu(Euが添加されたSrAl24)、BaMgAl1017:Eu(Euが添加されたBaMgAl1017)が挙げられる。
【0069】
非磁性部22Aの非磁性層22bは、所定の非磁性材料よりなる。非磁性材料としては、例えばSiO2やSOG(スピンオングラス)を用いることができる。
【0070】
図9および図10は、磁気ディスクX2を製造するための方法を表す。本方法においては、まず、図9(a)に示すように、ディスク基板10上に磁性膜21’およびレジストパターン41を形成したうえで、レジストパターン41をマスクとして利用して磁性膜21’に対して所定のエッチング処理を施し、記録磁性部21aおよび凹部21bを形成する。磁性膜21’の形成については、図2(a)を参照して上述したのと同様である。レジストパターン41の形成については、図2(b)を参照して上述したのと同様である。磁性膜21’に対するエッチング処理については、図2(c)を参照して上述したのと同様である。
【0071】
次に、図9(b)に示すように非磁性材料22a’を成膜する(第1の成膜工程)。非磁性材料22a’は、上述の非磁性層22aを構成するための材料であり、非磁性の所定のルミネセンス材料である。本工程では、例えばスパッタリング法により、記録磁性部21a間の凹部21bおよび記録磁性部21a上に所定量の非磁性材料22a’を堆積する。この非磁性材料22a’に関しては、発光源が励起されて発光する場合のその発光強度と、厚さとの関係について、予め調査しておく。
【0072】
次に、図9(c)に示すように非磁性材料22b’を成膜する(第2の成膜工程)。例えばスパッタリング法により、非磁性材料22a’上に所定の非磁性材料22b’を堆積する。或は、スピンコーティング法による塗布およびその後の加熱処理により、非磁性材料22a’上に非磁性材料22b’としてのSOGを成膜してもよい。
【0073】
次に、図9(d)に示すように、非磁性材料22a’,22b’に向けて光L1を照射する(光照射工程)。非磁性材料22b’が充分に薄いので、光L1の一部は非磁性材料22b’膜を通過して非磁性材料22a’に至る。照射される光L1は、好ましくはハロゲンライトや紫外線レーザである。光照射は、ディスク全面にわたって行ってもよいし、ディスク内の所定の部分領域のみに行ってもよい。本工程の光照射により、非磁性材料22a’中の発光源たるルミネセンス材料が励起されて発光することとなる。
【0074】
次に、図10(a)から図10(c)に示すように、非磁性材料22a’,22b’において記録磁性部21a間の凹部21bにない過剰部分に対し、例えばケミカルメカニカルポリッシング(CMP)法による研磨処理を施す(研磨工程)。
【0075】
この研磨工程中、適時(例えば一定期間ごとに)、被研磨面Sから発せられる光L2の強度を検出する工程を行う(光強度検出工程)。記録磁性部21aおよび非磁性材料22b’は発光しない一方、非磁性材料22a’(ルミネセンス材料)は発光し且つ非磁性材料22a’の表面からの光(発光)の強度は、残存する非磁性材料22a’の厚さに依存する。そのため、研磨工程の途中で、被研磨面Sの所定領域(単一の記録磁性部21a上の狭い領域でもよいし、複数の記録磁性部21a上にわたる広い領域でもよい)からの光(発光)の強度を適時に検出することにより、当該被研磨面Sについて、非破壊で研磨の程度をモニタリングすることが可能である。具体的には、研磨工程の途中で図10(b)に示すように記録磁性部21a上の非磁性材料22a’(ルミネセンス材料)が露出したときには検出光強度はピークを示し、その後、記録磁性部21a上の非磁性材料22a’が研磨処理を受けて薄くなるに従って検出光強度が漸減するのをモニタリングすることが可能である。そして、光強度検出工程にて検出される光強度が所定レベル以下となった時点で、研磨処理を停止して研磨工程を終了する。本工程を経ることにより、表面が平坦化された記録層20Aが形成されることとなる。
【0076】
また、研磨工程中、適時、図9(d)を参照して上述したのと同様の光照射工程を必要に応じて行ってもよい(発光源の発光寿命が短い場合、このような光照射工程を行うことにより、発光源の発光を継続させることが可能である)。
【0077】
磁気ディスクX2の製造においては、上述のような研磨工程を終了した後、図10(d)に示すように、例えばCVD法やスパッタリング法で記録層20A上に所定材料を成膜することによって保護層30を形成する。以上のようにして、所定パターンの記録磁性部21aを記録層20A内に有する磁気ディスクX2を製造することができる。
【0078】
本方法における上述の研磨工程によると、研磨の程度を直接的に制御することによって、研磨の程度について最適化を図りやすい。研磨の程度が最適な状態(記録磁性部21a上の非磁性材料22a’が充分に除去された状態)にある被研磨面Sからの光(発光)の強度を目安に、研磨工程中の光強度検出工程にて検出される光強度が所定レベル以下となった時点で研磨処理を停止することができるからである(最適状態にあるときの発光強度は上述のようにして予め決定しておくことができる)。このような研磨工程を含む本方法は、磁気ディスクX2を効率よく製造するうえで好適である。
【0079】
磁気ディスクX2の記録面側には、磁気ディスクX1に関して上述したのと同様に、例えば図5に示すような光強度検出用領域S1,S2の少なくとも一方を設けてもよい。
【0080】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る磁気ディスクX3のディスク径方向に沿った部分断面図である。
【0081】
磁気ディスクX3は、ディスク基板10、記録層20B、および保護層30を含む積層構造を有し、DTMまたはBPMとして構成されたものである。磁気ディスクX3は、記録層20に代えて記録層20Bを備える点において、第1の実施形態に係る磁気ディスクX1と異なる。
【0082】
記録層20Bは、磁性膜21および非磁性部22Bからなる。磁性膜21は複数の記録磁性部21aを有する。非磁性部22Bは、隣り合う記録磁性部21aを磁気的に分離するためのものである。非磁性部22Bは、所定の非磁性材料母材に黒色炭素が添加された材料よりなるか、或は、黒色炭素よりなる。非磁性材料としては、例えばSiO2やSOG(スピンオングラス)を用いることができる。
【0083】
図12および図13は、磁気ディスクX3を製造するための方法を表す。本方法においては、まず、図12(a)に示すように、ディスク基板10上に磁性膜21’を形成する。次に、図12(b)に示すように、磁性膜21’上にレジストパターン41を形成する。次に、図12(c)に示すように、レジストパターン41をマスクとして利用して磁性膜21’に対して所定のエッチング処理を施し、記録磁性部21aおよび凹部21bを形成する。これらについて、具体的には、図2(a)から図2(c)を参照して上述したのと同様である。
【0084】
次に、図12(d)に示すように非磁性材料22B’を成膜する(成膜工程)。非磁性材料22B’は、上述の非磁性部22Bを構成するための材料であり、黒色炭素、または、所定の非磁性材料母材に黒色炭素が添加された材料である。本工程では、例えばスパッタリング法により、記録磁性部21a間の凹部21bおよび記録磁性部21a上に所定の非磁性材料22B’を堆積する。或は、本工程では、スピンコーティング法による塗布およびその後の加熱処理により、記録磁性部21a間の凹部21bおよび記録磁性部21a上に、黒色炭素粉末が所定量添加されたSOGを、非磁性材料22B’として成膜してもよい。
【0085】
この非磁性材料22B’に関しては、成膜された場合における光反射率と厚さとの関係について、予め調査しておく。例えば、図14(a)は、スパッタリング成膜された黒色炭素膜の厚さと光反射率との関係について調査した結果をまとめた表である。本調査においては、まず、複数枚の第2のサンプル膜を作製した。当該サンプル膜の作製においては、所定のスパッタリング装置を使用して行うスパッタリング法により、CoCr系磁性層上に黒色炭素を厚さ120nmで成膜した。本スパッタリングでは、スパッタガスとしてArガス(0.3Pa)を用い、黒色炭素ターゲットを用い、DC放電とし、放電電力を1500Wとした。次に、各サンプル膜に対してCMP法によって研磨処理を施し、所定の研磨時間経過時点における被研磨面からの光の強度を測定し、また、当該時点における膜厚を断面TEM観察によって測定した。光強度測定においては、被研磨面に対して赤色レーザ(波長680nm)を照射し、被研磨面からの反射光の強度を測定した。また、照射光の強度と反射光の強度から被研磨面での光反射率を算出した。このような調査によって得られた複数の測定結果(所定膜厚での光反射率)をまとめたのが図14(a)の表である。図14(b)は、当該調査結果に基づき作成したグラフである。本調査結果にも表れているように、非磁性材料22B’膜の厚さが減少するに従って、当該非磁性材料22B’膜の光反射率は上昇する。そして、このような調査結果に基づき、非磁性材料22B’が充分に研磨除去され且つ過度に研磨処理がなされていない状態にあるときの光反射率を決定することができる。
【0086】
磁気ディスクX3の製造においては、次に、図13(a)および図13(b)に示すように、非磁性材料22B’において記録磁性部21a間の凹部21bにない過剰部分に対し、例えばケミカルメカニカルポリッシング(CMP)法による研磨処理を施す(研磨工程)。
【0087】
この研磨工程中、適時(例えば一定期間ごとに)、被研磨面Sの所定領域に対して光L3を照射しつつ、被研磨面Sからの反射光L4の強度を検出する工程を行う。照射光L3は例えば赤色レーザ(波長680nm)である。記録磁性部21aと、これを覆うように成膜されている非磁性材料22B’とは、表面からの光(反射光)の強度は異なり、且つ、研磨工程にて研磨処理を受ける非磁性材料22B’の表面からの光(反射光)の強度は、残存する非磁性材料22B’の厚さに依存する。そのため、研磨工程の途中で、被研磨面Sの所定領域(単一の記録磁性部21a上の狭い領域でもよいし、複数の記録磁性部21a上にわたる広い領域でもよい)からの光(反射光)の強度を適時に検出し、それを光反射率に変換することにより、当該被研磨面Sについて、非破壊で研磨の程度をモニタリングすることが可能である。そして、光強度検出工程にて検出される光強度ないし光反射率が所定レベル以上となった時点で、研磨処理を停止して研磨工程を終了する。例えば、研磨処理が進行するにつれて光反射率は漸増するところ、光反射率が75%以上となった時点で、研磨処理を停止して研磨工程を終了する。本工程を経ることにより、表面が平坦化された記録層20Bが形成されることとなる。
【0088】
磁気ディスクX3の製造においては、上述のような研磨工程を終了した後、図13(c)に示すように、例えばCVD法やスパッタリング法で記録層20B上に所定材料を成膜することによって保護層30を形成する。以上のようにして、所定パターンの記録磁性部21aを記録層20B内に有する磁気ディスクX3を製造することができる。
【0089】
本方法における上述の研磨工程によると、研磨の程度を直接的に制御することによって、研磨の程度について最適化を図りやすい。研磨の程度が最適な状態(記録磁性部21a上の非磁性材料22B’が充分に除去された状態)にある被研磨面Sからの光の反射率を目安に、研磨工程中の光強度検出工程にて検出される光強度が所定レベル以上となった時点で研磨処理を停止することができるからである(最適状態にあるときの光反射率は上述のようにして予め決定しておくことができる)。このような研磨工程を含む本方法は、磁気ディスクX3を効率よく製造するうえで好適である。
【0090】
磁気ディスクX3の記録面側には、磁気ディスクX1に関して上述したのと同様に、例えば図5に示すような光強度検出用領域S1,S2の少なくとも一方を設けてもよい。
【0091】
図15および図16は、磁気ディスクX3の製造過程における上述の研磨工程にて使用することのできる研磨装置Y2を表す。図15は研磨装置Y2の平面構成図であり、図16は研磨装置Y2の断面構成図である。
【0092】
研磨装置Y2は、パッド51と、複数のホルダ52と、スラリー滴下機構53と、光源56と、光検出プローブ55とを備える。研磨装置Y2は、光源54に代えて光源56を備える点においては、上述の研磨装置Y1と異なる。
【0093】
光源56は、光照射手段であり、パッド51の開口部51bに臨むディスクDに向けて光を照射可能に配されている。光源56としては、例えば、DVDドライブのピックアップ用途で用いられるものと同様の半導体レーザ(発光波長λ=680nm)を採用することができる。
【0094】
研磨装置Y2の稼働時には、各ホルダ52にてディスクDが保持されて自転動されている状態で、パッド51が軸心Aまわりに自転動される。
【0095】
磁気ディスクX3の製造過程における図13(a)および図13(b)を参照して上述した研磨工程では、スラリー滴下機構53の滴下口53aからパッド51の研磨作用面51a上にスラリーを一定速度で滴下しつつ、各ホルダ52は、それが保持するディスクD(自転動している)の被研磨面Sをパッド51(自転動している)の研磨作用面51aに当接させる。また、各ホルダ52は、必要に応じて、パッド51の自転動の方向に交差する方向にディスクDを往復動させる。このような研磨処理により、上述のように、非磁性材料22B’において記録磁性部21a間の凹部21bにない過剰部分を研磨除去していくことができる。
【0096】
この研磨工程中、上述のように、適時(例えば一定期間ごとに)、被研磨面Sの所定領域に対して光L3を照射しつつ、被研磨面Sからの反射光L4の強度を検出する工程を行う。この光強度検出工程では、各ホルダ52は、順次、それが保持するディスクD(自転動している)がパッド51の開口部51bに部分的に臨むように、ディスクDを移動させる。そして、ディスクDの被研磨面Sにおいて開口部51bに臨む所定領域(光照射されている領域)からの光(反射光)の強度を、光検出プローブ55によって検出する。この検出光強度と照射光強度とから算出される光反射率によって、上述のように、被研磨面Sについて、非破壊で研磨の程度をモニタリングすることが可能である。そして、光反射率が所定レベル以上となった時点で、研磨処理を停止して研磨工程を終了する。本工程を経ることにより、表面が平坦化された記録層20Bが形成されることとなる。
【0097】
以上のように、研磨装置Y2によると、磁気ディスクX3の製造過程における上述の光照射工程、研磨工程、および光強度検出工程を適切に行うことができる。
【0098】
本実施形態では、非磁性材料22B’として、所定の非磁性材料母材に黒色炭素が添加された材料、または、黒色炭素を用いたが、黒色炭素の代わりに他の黒色系材料を用いてもよい。
【0099】
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
【0100】
(付記1)複数の記録磁性部および当該記録磁性部間の凹部を有する磁性膜上に、非磁性材料を、前記凹部を充填しつつ成膜する成膜工程と、
成膜された前記非磁性材料に対して研磨処理を施すための研磨工程と、を含み、
前記研磨工程中に、被研磨面からの光の強度を検出する光強度検出工程を含む、磁気記録媒体製造方法。
(付記2)前記非磁性材料はルミネセンス材料を含む、付記1に記載の磁気記録媒体製造方法。
(付記3)複数の記録磁性部および当該記録磁性部間の凹部を有する磁性膜上にルミネセンス材料を成膜する第1の成膜工程と、
前記ルミネセンス材料上に非磁性材料を成膜する第2の成膜工程と、
成膜された前記非磁性材料および前記ルミネセンス材料に対して研磨処理を施すための研磨工程とを含み、
前記研磨工程中に、被研磨面からの光の強度を検出する光強度検出工程を含む、磁気記録媒体製造方法。
(付記4)前記成膜工程より後であり且つ前記研磨工程より前に、光照射により前記ルミネセンス材料を発光させる工程を更に含む、付記2または3に記載の磁気記録媒体製造方法。
(付記5)前記ルミネセンス材料は燐光材料または蛍光材料である、付記2から4のいずれか一つに記載の磁気記録媒体製造方法。
(付記6)前記非磁性材料は黒色炭素を含む、付記1に記載の磁気記録媒体製造方法。
(付記7)前記光強度検出工程では、前記被研磨面に対して光照射を行う、付記6に記載の磁気記録媒体製造方法。
(付記8)複数の記録磁性部と、当該複数の記録磁性部間に介在し且つルミネセンス材料を含む非磁性部と、を備える磁気記録媒体。
(付記9)前記ルミネセンス材料は燐光材料または蛍光材料である、付記8に記載の磁気記録媒体。
(付記10)複数の記録磁性部と、当該複数の記録磁性部間に介在し且つ黒色炭素を含む非磁性部と、を備える磁気記録媒体。
(付記11)前記非磁性部は黒色炭素からなる、付記10に記載の磁気記録媒体。
(付記12)前記記録磁性部および前記非磁性部を含んで構成される記録面に光強度検出用領域が設けられている、付記8から11のいずれか一つに記載の磁気記録媒体。
(付記13)付記1から7のいずれか一つに記載の磁気記録媒体製造方法における前記研磨工程にて使用するための研磨装置であって、
研磨対象物を保持するための保持手段と、
前記研磨処理を行うための研磨手段と、
前記被研磨面からの光の強度を検出するための光強度検出手段と、を備える研磨装置。
(付記14)前記研磨手段は、研磨作用面を有し、当該研磨作用面の法線に平行な軸心まわりに自転動可能であり、且つ、当該自転動の中央領域に開口部を有し、
前記保持手段は、前記研磨対象物の被研磨面を前記研磨手段の前記研磨作用面に当接させつつ、前記研磨手段の前記自転動の方向に交差する方向に前記研磨対象物を往復動させることが可能であり、且つ、前記被研磨面の少なくとも一部が前記開口部に臨む位置にまで前記研磨対象物を移動させることが可能であり、
前記光強度検出手段は、前記被研磨面において前記開口部に臨んだ領域からの光の強度を検出可能に設けられている、付記13に記載の研磨装置。
(付記15)前記被研磨面に向けて光を出射するための光照射手段を更に備える、付記13に記載の研磨装置。
(付記16)前記研磨手段は、研磨作用面を有し、当該研磨作用面の法線に平行な軸心まわりに自転動可能であり、且つ、当該自転動の中央領域に開口部を有し、
前記保持手段は、前記研磨対象物の被研磨面を前記研磨手段の前記研磨作用面に当接させつつ、前記研磨手段の前記自転動の方向に交差する方向に前記研磨対象物を往復動させることが可能であり、且つ、前記被研磨面の少なくとも一部が前記開口部に臨む位置にまで前記研磨対象物を移動させることが可能であり、
前記光強度検出手段は、前記被研磨面において前記開口部に臨んだ領域からの光の強度を検出可能に設けられており、
前記光照射手段は、前記被研磨面において前記開口部に臨んだ領域に光照射することが可能に設けられている、付記15に記載の研磨装置。
(付記17)前記保持手段は、前記研磨対象物を自転動させつつ当該研磨対象物を保持可能である、付記13から16のいずれか一つに記載の研磨装置。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る磁気ディスクのディスク径方向に沿った部分断面図である。
【図2】図1に示す磁気ディスクの製造方法における一部の工程を表す。
【図3】図2の後に続く工程を表す。
【図4】(a)は、第1のサンプル膜についての発光強度測定によって得られたデータをまとめた表であり、(b)は当該データに基づき作成したグラフである。
【図5】磁気記録媒体の記録面内に光強度検出用領域を設けた場合の当該記録面の平面図である。
【図6】図3に示す研磨工程にて使用することのできる研磨装置の平面構成図である。
【図7】図3に示す研磨工程にて使用することのできる研磨装置の断面構成図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る磁気ディスクのディスク径方向に沿った部分断面図である。
【図9】図8に示す磁気ディスクの製造方法における一部の工程を表す。
【図10】図9の後に続く工程を表す。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る磁気ディスクのディスク径方向に沿った部分断面図である。
【図12】図11に示す磁気ディスクの製造方法における一部の工程を表す。
【図13】図12の後に続く工程を表す。
【図14】(a)は、第2のサンプル膜についての光反射率測定によって得られたデータをまとめた表であり、(b)は当該データに基づき作成したグラフである。
【図15】図13に示す研磨工程にて使用することのできる研磨装置の平面構成図である。
【図16】図13に示す研磨工程にて使用することのできる研磨装置の断面構成図である。
【図17】従来の磁気ディスクのディスク径方向に沿った部分断面図である。
【図18】図17に示す磁気ディスクの製造方法における一部の工程を表す。
【図19】図18の後に続く工程を表す。
【図20】従来の研磨工程における問題点を表す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0102】
X1,X2,X3,70 磁気ディスク
10,71 ディスク基板
20,20A,20B,72 記録層
21 磁性膜
21a 記録磁性部
21b 凹部
22,22B 非磁性部
22a,22b 非磁性層
22’,22a’,22b’,22B’ 非磁性材料
30,73 保護層
Y1,Y2 研磨装置
51 パッド
52 ホルダ
54,56 光源
55 光検出プローブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録磁性部および当該記録磁性部間の凹部を有する磁性膜上に、非磁性材料を、前記凹部を充填しつつ成膜する成膜工程と、
成膜された前記非磁性材料に対して研磨処理を施すための研磨工程と、を含み、
前記研磨工程中に、被研磨面からの光の強度を検出する光強度検出工程を含む、磁気記録媒体製造方法。
【請求項2】
前記非磁性材料はルミネセンス材料を含む、請求項1に記載の磁気記録媒体製造方法。
【請求項3】
複数の記録磁性部および当該記録磁性部間の凹部を有する磁性膜上にルミネセンス材料を成膜する第1の成膜工程と、
前記ルミネセンス材料上に非磁性材料を成膜する第2の成膜工程と、
成膜された前記非磁性材料および前記ルミネセンス材料に対して研磨処理を施すための研磨工程とを含み、
前記研磨工程中に、被研磨面からの光の強度を検出する光強度検出工程を含む、磁気記録媒体製造方法。
【請求項4】
前記成膜工程より後であり且つ前記研磨工程より前に、光照射により前記ルミネセンス材料を発光させる工程を更に含む、請求項2または3に記載の磁気記録媒体製造方法。
【請求項5】
前記非磁性材料は黒色炭素を含む、請求項1に記載の磁気記録媒体製造方法。
【請求項6】
複数の記録磁性部と、当該複数の記録磁性部間に介在し且つルミネセンス材料または黒色炭素を含む非磁性部と、を備える磁気記録媒体。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一つの磁気記録媒体製造方法における前記研磨工程にて使用するための研磨装置であって、
研磨対象物を保持するための保持手段と、
前記研磨処理を行うための研磨手段と、
前記被研磨面からの光の強度を検出するための光強度検出手段と、を備える研磨装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−238310(P2009−238310A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−83265(P2008−83265)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】