説明

磁気記録媒体

【課題】 リニア磁気記録方式の磁気テープにおいて、ラテラル・テープ・モーションを抑制し、これにより高トラック密度の磁気テープを提供する。
【解決手段】 被処理体(磁気テープ)41を、供給ロール45と巻き取りロール46の間でガイドロール47、47を介してA方向に、例えば400m/分の速さで走行させる(被処理体走行系42)。そして粒径9μmの研磨剤を用いた研磨テープ(ラッピングテープ)43を、供給ロール49と巻き取りロール50の間で押し付けロール48を介して、B方向(A方向と同一)に、例えば14.4cm/分の速さで移動させ(研磨テープ走行系44)、上部からガイドブロックにより押し付けロール48を被処理体41のバックコート層側の面に押さえて、研磨テープ43をテープバックコート層表面と接触させ、研磨(ラッピング)処理を行い、これによってバックコート層にテクスチャを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にコンピュータデータを記録するために有利に用いられる磁気テープに関するものである。更に詳しくは、本発明は、特に、磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッド)および巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド(GMRヘッド)に対応した高密度記録の磁気記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータデータを記録再生するための磁気記録再生システムにおいて、薄膜磁気ヘッドを組み込んだシステムが実用化されている。薄膜磁気ヘッドは、小型化やマルチトラックヘッドに加工し易いために、特に磁気テープを記録媒体としたシステムでは、薄膜磁気ヘッドのマルチトラック固定ヘッドが多く利用されている。薄膜磁気ヘッドの利用によって、小型化によるトラック密度の向上や記録効率の向上が可能となり、高密度の記録を実現できると共に、またマルチトラック化によりデータの転送速度の向上も可能になる。
【0003】
薄膜磁気ヘッドは、磁束の時間変化に応答する誘導型ヘッドと、磁束の大きさに応答する磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッド)に大別できる。誘導型ヘッドは平面構造のためにヘッドコイルの巻き数が少なく、起磁力を大きくすることが困難となり、従って再生出力が十分得られないと云う問題がある。このため、再生用には高い再生出力が得られ易いMRヘッドが用いられ、一方、記録用には誘導型ヘッドが用いられている。
【0004】
これらの記録及び再生ヘッドは通常一体型(複合型)としてシステム中に組み込まれている。そして上記のような磁気記録システムでは、より速いデータの転送を実現できるいわゆるリニア記録方式が採用されている。
【0005】
リニア記録方式とは、上述したマルチトラックヘッド上をテープが双方向に走行しながら記録/再生を行う記録方式である。リニア磁気記録方式では、その記録密度を向上させるうえでそのトラック幅が狭まるにつれ、テープの幅方向の変動(Lateral Tape Motion)LTM(以下、単にLTMと称することもある)を抑制することが非常に重要な要素になる。
【0006】
このLTMは完全に抑制できるものではなく、磁気記録・再生を司るヘッドスタックをテープ幅方向に可変させ、LTMに追随できるようにしている。LTMの周波数成分と振幅はそれぞれ相関があり、振幅を抑制しようとしてたとえばテープエッジをテープガイド等で規制しようとすると摩擦とそれに伴うテープ振動が発生し、テープスピードに依存し、たとえばテープスピードを8m/sまでにすると1KHz以上の周波数成分まで分布する。このような高い周波数成分に応答するには高速のアクチュエータが必要になる。
【0007】
一方テープエッジでテープを規制しないとLTMの周波数成分は顕著に低くなる。しかし振幅は数十ミクロンに達する。またテープの形状に依存するため経時変化・温度・湿度変化によりLTMが変化し、アクチュエータのトラッキング能力を超えることも考えられる。
【0008】
MRヘッドが組み込まれた磁気記録再生システムに用いられるコンピュータデータ記録用磁気テープは、例えば、IBMの規格による3480型、3490型、3590型、あるいは3570型対応の磁気テープが知られている。
【0009】
これらの磁気テープには、非磁性支持体上に酸化物磁性粉末あるいは合金磁性粉末等の磁性材料を、塩化ビニル−酢酸ビニル重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機結合剤中散させた磁性塗料を塗布、乾燥させて作製される、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が用いられている。
【0010】
このような塗布型磁気記録媒体に対して、高密度記録化への要求から、金属あるいはCo−Ni等の合金からなる強磁性材料を、メッキや真空薄膜形成技術(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等)によって、非磁性支持体上に直接被着せしめて強磁性金属薄膜よりなる磁性層を有する磁気記録媒体が実用化されている。
【0011】
このような、いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体は、保磁力、残留磁化、角形比等に優れ、短波長での電磁変換特性に優れるばかりでなく、磁性層の厚さをきわめて薄く形成できるため、記録減磁や再生時の厚み損失が小さいこと、磁性層中に非磁性材である結合剤を混入する必要がないため、磁性材料の充填密度を高め、大きな磁化が得られることができる等、数々の利点を有している。
【0012】
さらに、この種の磁気記録媒体の電磁変換特性を向上させ、より大きな出力を得ることができるようにするため、磁気記録媒体の磁性層を形成するに際し、磁性層を斜めに蒸着する、いわゆる斜方蒸着が提案され、高画質VTR用、デジタルVTR用の磁気テープとして実用化されている。
【0013】
尚非磁性支持体上に微細凹凸を有するテクスチャ層を形成し、磁性層の良好な表面平滑性と磁気記録媒体表面の適度な粗さとを両立させることが下記特許文献1に記載されている。
【0014】
また磁性層表面に微細凹凸を有するテクスチャ層を形成し、磁性層の良好な表面平滑性と磁気記録媒体表面の適度な粗さとを両立させることが下記特許文献2に記載されている。
【特許文献1】特開2002−216340号公報
【特許文献2】特開2002−222512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述したようにリニア磁気記録方式では、その記録密度を向上させるうえでそのトラック幅が狭まるにつれ、テープの幅方向の変動(Lateral Tape Motion)LTMを抑制することが非常に重要な要素になる。
【0016】
そこで本発明の目的は、リニア記録方式を利用し、磁気抵抗型の再生ヘッドを組み込んだ磁気記録再生システムに適した磁気記録媒体を提供することにある。特に、本発明の目的は、テープの振動いわゆるラテラル・テープ・モーション(LTM)を抑制し、そのことにより高トラック密度の磁気テープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述の課題を解決するために本発明者等が鋭意検討した結果、磁気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)あるいは巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド(GMRヘッド)を利用した再生ヘッドによって媒体走行方向に対し双方向に磁気記録信号が再生される、いわゆるリニア記録方式に用いられ、長尺形状の非磁性支持体の一主面上に、磁性層を有し、上記磁性層形成面側とは反対側の他の主面上に、少なくとも無機固体粒子および結合剤が含有されてなるバックコート層を有する磁気記録媒体であって、上記バックコート層上に走行方向に対し平行となるテクスチャを有する磁気記録媒体であれば、LTMを抑制し、そのことにより高トラック密度磁気テープを提供可能なことを見出した。
【0018】
更に磁性面への形状転写を考慮するとテクスチャ深さが15〜400nmである磁気記録媒体が好ましいことを見出した。
【0019】
更にテクスチャの媒体幅方向の周期が25〜500(μm)である磁気記録媒体がより好ましいことを見出した。
【0020】
本発明が適用されるリニア磁気記録方式のドライブはテープ走行面に関してローラーガイドやエアーが供給されてテープが浮上する靜圧型エアーベアリング方式とは異なり、テープとガイド走行面との相対速度で発生する動圧型エアーベアリング方式が適している。
【0021】
上記に例を示したローラーガイドではテープスピードが高まるとベアリングの回転数が高くなり、ベアリングレース面の不均一さに起因する振動数は高くなると同時にローラーガイドの位置精度が高く要求されコストの上昇、生産性の低下を招く問題を抱える。
【0022】
エアーを外部から供給する靜圧型エアーベアリング方式ではそのエアーの供給量に応じてテープ浮上量が決定され、テープをガイドから完全に浮上させた場合は本発明は適さないが、テープ表面の一部がガイド表面の一部と常に接触もしくはある確率で接触する場合に適用して有用である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、磁気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)あるいは巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド(GMRヘッド)を利用した再生ヘッドによって媒体走行方向に対し双方向に磁気記録信号が再生される、いわゆるリニア記録方式に用いられる磁気記録媒体において、テープの幅方向変動(ラテラル・テープ・モーション)LTMを低減することができ、高トラック密度の媒体が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。本発明の磁気記録媒体は、磁気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)あるいは巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド(GMRヘッド)を利用した再生ヘッドによって媒体走行方向に対し双方向に磁気記録信号が再生される、いわゆるリニア記録方式に用いられ、長尺形状の非磁性支持体の一主面上に、磁性層を有し、上記磁性層形成面側とは反対側の他の主面上に、少なくとも無機固体粒子および結合剤が含有されてなるバックコート層を有する磁気記録媒体であって、上記バックコート層上に走行方向に対し平行となるテクスチャを有する磁気記録媒体である。
【0025】
前記テクスチャ形成の方法は磁気記録媒体作成後に研磨テープ又は研磨布を用いて形成しても良いし、非磁性支持体のバックコートを塗布する面に元々テクスチャを形成していても良い。また、他の手法を用いてももちろん良い。結果的にバックコート層上に走行方向に対し平行となるテクスチャを有すればどのような手法を用いても良い。
【0026】
以下に、本発明に基づく磁気記録媒体の構成材料とその製法について詳細に述べるが、本発明は、以下に示す例に限定されるものではない。
【0027】
[実施形態1:塗布型媒体]
<磁性層>
まず、磁性層の構成材料について述べる。磁性層に含有される強磁性体に特に制限はない。例示するならば、強磁性合金粉末、強磁性六方晶系フェライト粉末、強磁性酸化鉄粒子、強磁性CrO2、強磁性コバルトフェライト(CoO−Fe23)、コバルト吸着酸化物、窒化鉄等の微粒子を挙げることができる。
【0028】
強磁性合金粉末としては、Fe合金粉末、Co合金粉末、Ni合金粉末、並びに、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Co−Ni、Co−Ni、Fe−Co−B、Fe−Co−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−Co−V等の合金粉末、或いはこれらの合金と他の元素との化合物である合金粉末を使用することができる。
【0029】
更に特性を改良するために、組成中にSi、P、B、C等の半金属が添加されることもある。通常、前記金属粉末の粒子表面は、化学的に安定させるために、酸化物の層が形成されている。酸化物の形成方法としては、公知の徐酸化処理、すなわち有機溶剤に浸漬した後に乾燥させる方法、有機溶剤に浸漬した後に酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成してから乾燥させる方法、有機溶剤を用いずに酸素ガスと不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化被膜を形成する方法等が挙げられ、いずれを施したものでも用いることができる。
【0030】
前記強磁性六方晶系フェライト粉末としては、平板状で、その平板面に垂直な方向に磁化容易軸がある強磁性粉末であって、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト又はそれらのコバルト置換体等があり、中でも特にバリウムフェライトのコバルト置換体、ストロンチウムフェライトのコバルト置換体が好ましい。更に必要に応じて、その特性を改良するためにIn、Zn、Ge、Nb、V等の元素を添加してもよい。
【0031】
六方晶系フェライト粉末は、長波長記録の場合、出力は他の磁性粒子に比例して低めではあるが、高周波帯域の最短記録波長が1.5μm以下、好ましくは1.0μm以下の短波長記録となると、他の磁性粒子よりもむしろ高出力が期待できるという特徴がある。
【0032】
強磁性体の形状に特に制限はなく、例示するならば、針状、粒状、サイコロ状、米粒状及び板状のものなどを挙げることができる。針状の場合、針状比3/1〜30/1程度、更には4/1以上が好ましい。この強磁性体の比表面積は、40m2/g以上が電磁変換特性上好ましく、更に45m2/g以上が好ましい。また、磁性層中の結合剤としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は電子線等による放射線架橋型樹脂や、これらの混合物が使用可能である。上記熱可塑性樹脂としては、軟化点温度が150℃以下、平均分子量が5000〜50000、重合度が約50〜500程度のものが好ましい。
【0033】
例示するならば、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニル共重合体、メタクリル酸エステル−エチレン共重合体、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−アルリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース)、スチレンブタジエン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、合成ゴム、及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0034】
また、熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。また、上記結合剤として使用される樹脂の分子中に−SO3H、−OSO3H、−PO3H、−OPO32、−COOH等の酸性基又はそれらの塩、或いはヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、等の極性基を持つものが、より優れた分散性と塗膜耐久性を与える。この中でも−SO3Na、−COOH、−OPO3Na2、−NH2基を持つものが好ましい。
【0035】
本発明の磁気記録媒体の磁性層には、さらにモース硬度5以上の無機質粒子を含有させることが好ましい。使用される無機質粒子は、モース硬度が5以上であれば特に制限はない。モース硬度が5以上の無機質粒子の例としては、Al2O3(モース硬度9)、TiO(同6)、TiO2(同6.5)、SiO2(同7)、SnO2(同6.5)、Cr23(同9)及びα−Fe23(同5.5)を挙げることができ、これらを単独若しくは混合して用いることができる。
【0036】
なお、特に好ましくは、モース硬度が8以上の無機質粒子である。モース硬度が5よりも低い比較的軟らかい無機質粒子を用いた場合には、磁性層から無機質粒子が脱落しやすく、またヘッド研磨作用も殆どないため、ヘッド目詰まりを発生しやすく、また走行耐久性も乏しくなる。このような無機質粒子の含有量は、通常、強磁性体100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲であり、好ましくは1〜10重量部の範囲である。
【0037】
上記磁性層用の塗料を調製する際には、前記した成分のほかに、帯電防止剤を併せて使用することもできる。帯電防止剤の例としては、カーボンブラック、カーボンブラックグラフトポリマーなどの導電性微粉末;サポニンなどの天然界面活性剤;アルキレンオキサイド系、グリセリン系及びグリシドール系などのノニオン系界面活性剤;高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム塩類、ピリジンその他の複素環化合物の塩類、ホスホニウム又はスルホニウム類などのカチオン性界面活性剤;カルボン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸性基を含むアニオン性界面活性剤;アミノ酸類、アミノスルホン酸類、含アミノエステルの硫酸又は燐酸エステル類等の両性界面活性剤等を挙げることができる。
【0038】
また、磁性層に内添される潤滑剤としては、脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪族アルコール等が使用できる。又、シリコンオイル、グラフアイト、二硫化モリブデン、チッ化硼素、フッ化黒鉛、フッ素アルコール、ポリオレフイン(ポリエチレンワツクス等)、ポリグリコール(ポリエチレンオキシドワツクス等)、アルキル燐酸エステル、チオ亜燐酸エステル、ポリフエニルエーテル、二硫化タングステンも使用できる。
【0039】
これら有機化合物からなる潤滑剤の具体例としては、脂肪酸では、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、などが挙げられる。
【0040】
エステル類ではブチルステアレート、オクチルステアレート、アミルステアレート、イソオクチルステアレート、ブチルミリステート、オクチルミリステート、ブトキシエチルステアレート、ブトキシジエチルステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、2−ヘキシルドデシルパルミテート、イソヘキサデシルステアレート、オレイルオレエート、ドデシルステアレート、トリデシルステアレート、アルコール類ではオレイルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコールなどが挙げられる。
<下層非磁性層>
次に、本発明に基づく下層非磁性層の構成材料について述べる。下層非磁性層中に含有される非磁性顔料としては、例えば、α−Fe23、TiO2、カーボンブラック、グラファイト、硫酸バリウム、ZnS、MgCO3、CaCO3、ZnO、CaO、二硫化タングステン、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、MgO、SnO2、Cr23、α−Al23、α−FeOOH、SiC、酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤモンド、α−酸化鉄、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化モリブデン、炭化ホウ素、炭化タングステン、チタンカーバイド、トリボリ、ケイソウ土、ドロマイト等を挙げることができる。それらの中で好ましいのはα−Fe23、TiO2、カーボンブラック、CaCO3、硫酸バリウム、α−Al23、α−FeOOH、Cr23等の無機粉末やポリエチレン等のポリマー粉末等である。
【0041】
下層非磁性層中の結合剤としては、下層の表面性、即ち下層顔料の分散能及び上下層の界面の一様性を満たすことを第一義に考える必要がある。これらを満たす結合剤としては、上層の結合剤と同様従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は電子線等による放射線架橋型樹脂や、これらの混合物が使用可能である。
【0042】
また、下層非磁性層に内添される潤滑剤としては、脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪族アルコール等が使用できる。又、シリコンオイル、グラフアイト、二硫化モリブデン、チッ化硼素、フッ化黒鉛、フッ素アルコール、ポリオレフイン(ポリエチレンワツクス等)、ポリグリコール(ポリエチレンオキシドワツクス等)、アルキル燐酸エステル、チオ亜燐酸エステル、ポリフエニルエーテル、二硫化タングステンも使用できる。
【0043】
これら有機化合物からなる潤滑剤の具体例としては、脂肪酸では、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、などが挙げられる。エステル類ではブチルステアレート、オクチルステアレート、アミルステアレート、イソオクチルステアレート、ブチルミリステート、オクチルミリステート、ブトキシエチルステアレート、ブトキシジエチルステアレート、2ーエチルヘキシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、2−ヘキシルドデシルパルミテート、イソヘキサデシルステアレート、オレイルオレエート、ドデシルステアレート、トリデシルステアレート、アルコール類ではオレイルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコールなどが挙げられる。
【0044】
また、上記非磁性層用の塗料を調製する際には、前記した成分のほかに、帯電防止剤を併せて使用することが好ましい。帯電防止剤の例としては、カーボンブラック、カーボンブラックグラフトポリマーなどの導電性微粉末;サポニンなどの天然界面活性剤;アルキレンオキサイド系、グリセリン系及びグリシドール系などのノニオン系界面活性剤;高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム塩類、ピリジンその他の複素環化合物の塩類、ホスホニウム又はスルホニウム類などのカチオン性界面活性剤;カルボン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸性基を含むアニオン性界面活性剤;アミノ酸類、アミノスルホン酸類、含アミノエステルの硫酸又は燐酸エステル類等の両性界面活性剤等を挙げることができる。
【0045】
帯電防止剤として上記の導電性微粉末を使用する場合には、例えば非磁性顔料100重量部に対し1〜15重量部の範囲で使用され、界面活性剤を使用する場合にも同様に1〜15重量部の範囲で使用される。
【0046】
また、上層磁性層と同様、モース硬度5以上の無機質粒子を含有させてもよい。モース硬度5以上の無機質粒子としては、Al23(モース硬度9)、TiO(同6)、TiO2(同6.5)、SiO2(同7)、SnO2(同6.5)、Cr23(同9)及びα−Fe23(同5.5)を挙げることができ、これらを単独あるいは混合して用いることができる。
<磁気記録媒体の製造>
次に、本発明の磁気記録媒体を製造する方法の例を述べる。上記した強磁性体と結合剤、そして必要に応じて、他の充填材、添加剤などを溶剤と混練して、磁性塗料を調製する。
【0047】
混練の際に使用する溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチレングリコールアセテート等のエステル系溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2−エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらを適宜混合して使用してよい。
【0048】
混練の方法にも特に制限はなく、また各成分の添加順序などは適宜設定することができる。磁性塗料の調製には、通常の混練機、例えば、サンドミル、ダイノミル、ダブルシリンダーパールミル、二本ロールミル、三本ロールミル、ボールミル、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、エクストルーダー、ディスパーニーダー、高速ミキサー、ホモジナイザー及び超音波分散機などを挙げることができる。非磁性支持体の構成素材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフイン類、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂類、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスルホン等のプラスチックのほかに、アルミニウム、銅等の金属、ガラス等のセラミツクス等も使用できる。これらの支持体は、塗布に先立って、コロナ放電処理、プラズマ処理、下塗処理、熱処理、除塵埃処理、金属蒸着処理、アルカリ処理を行なってもよい。
【0049】
塗布は、前記非磁性支持体上に直接行なうことも可能であるが、接着剤層などを介して非磁性支持体上に塗布することも可能である。非磁性支持体上への塗布法の例としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押し出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、キスコート、キャストコート、スプレーコート及びスピンコート法等を挙げることができ、特に下層用非磁性塗料と上層用磁性塗料を湿潤状態で重畳して塗布する、いわゆるウェット・オン・ウェット塗布方式を用いてもよい。
【0050】
ウエット・オン・ウエット方式における同時重層塗布方式においては、下層が湿潤状態のまま上層の磁性塗料を塗布するので、下層の表面(即ち、上層との境界面)が滑らかになると共に上層の表面性が良好となり、かつ上下層間の接着性も向上する。この結果、特に高密度記録のために高出力、低ノイズの要求される磁気記録媒体としての要求性能を満たしたものとなり、かつ膜剥離がなくなり、膜強度が向上する。またドロップアウトも低減することが可能であり、信頼性も向上する。
【0051】
なお、このようにして塗布される上層磁性層の厚さは、1 .5 μm以下が好ましく、更に好ましくは1 .0 μm以下、最も好ましくは 0.5 μm以下である。また、下層非磁性層の厚さは、媒体の使用目的に応じて適宜定めて良く、0.5〜3 μm とされることが多い。また、支持体の厚さも媒体の使用目的に応じて適宜定めて良く、2 〜10μm とされることが多い。
【0052】
製造された磁気記録媒体が、テープ状で使用される場合、非磁性支持体上に塗布された磁性層は、磁性層中の強磁性体を配向させる処理、即ち磁場配向処理を施したあと、乾燥される。また必要により表面平滑化処理が施される。
【0053】
配向は、乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することにより、塗膜の乾燥位置を制御できるようにすることが好ましく、塗布速度は20m/分〜1000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい、また、磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行なうこともできる。
【0054】
表面平滑化処理は、ロールとしてエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあるプラスチックロール又は金属ロールで処理する。処理温度は、好ましくは50℃以上、さらに好ましくは100℃以上である。線圧力は、好ましくは200kg/cm以上、さらに好ましくは300kg/cm以上である。
(サンプル1)
本例においては、非磁性支持体上に下層非磁性層と上層磁性層が形成される磁気記録媒体をサンプルとして作成することとした。まず、磁性層を形成する磁性塗料と非磁性層を形成する非磁性塗料の製造を行った。各塗料の製造は、通常の製造方法に従って行うものとし、両者とも、まず、顔料(強磁性粉末又は非磁性粉末)、結合剤、添加剤、溶剤等を混合し、次いで混練時の不揮発成分が85重量%となるようニーダーにより混練した。そして、この後、磁性塗料においてはサンドミルで5時間、非磁性塗料においてはサンドミルで3時間の分散を行い、各塗料を得た。各塗料の配合を下記に示す。
<磁性塗料配合>
強磁性金属粉末 100重量部
[組成/Fe:Co=90:10(原子比)
保磁力(Hc):147kA/m(1850エルステッド(Oe))
BET法による比表面積:58m2/g
結晶子サイズ:175 オングストローム
飽和磁化量(σs):130A・m2/kg(130emu/g)
粒子サイズ(平均長軸径):0.10μm
針状比:7.0
極性基(−SO3K基)含有塩化ビニル系共重合体 12重量部
[−SO3K基含有量:5×10-6モル/g、重合度350
エポキシ基含有量:モノマー単位で3.5重量%
(MR−110、日本ゼオン(株)製)]
極性基(−SO3Na基)含有ポリエステルポリウレタン樹脂 3重量部
[ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)
=0.9/2.6/1(重量比)
−SO3Na基含有量:1×10-4モル/g]
α−アルミナ[(粒子サイズ:0.2μm)] 5重量部
カーボンブラック[(粒子サイズ:0.08μm)] 0.5重量部
ブチルステアレート 1重量部
ステアリン酸 2重量部
メチルエチルケトン 150重量部
シクロヘキサノン 50重量部
<非磁性塗料配合>
非磁性顔料:針状α−酸化鉄(比表面積=53m2/g、長軸長=0.15μm、
針状比=11) 100重量部
結合剤:ポリ塩化ビニル樹脂(官能基[-OSO3K]=6×10-5mol/g) 25重量部
帯電防止剤:カーボンブラック(ライオンアグゾ製 ケッチェンブラックEC)
15重量部
溶剤:メチルエチルケトン 150重量部
溶剤:シクロヘキサノン 150重量部
そして、上記のようにして得られた磁性塗料及び非磁性塗料に硬化剤としてポリイソシアネート(日本ポリウレタン(株)製コロネートL)を3重量部ずつ加えて、磁性塗料と非磁性塗料を完成した。
【0055】
そして、これら磁性塗料及び非磁性塗料をダイコーターを用いて、乾燥後の非磁性層の厚さが2.0μmとなるように、またこの上に乾燥後の磁性層の厚さが0.20μmとなるようにポリエチレンナフタレート(PEN)製支持体(厚さ:6.0μm、中心線表面粗さが5nm)上に同時重層塗布を行った。次いで、両層がまだ湿潤状態にあるうちに、0.3T(3000ガウス)の磁束密度を持つコバルト磁石と0.15T(1500ガウス)の磁束密度を持つソレノイドを用いて配向処理を行った。その後、乾燥させることにより、非磁性層及び磁性層を形成した。
<バックコート層形成用成分>
カーボンブラック 100部
[平均一次粒子径:17nm
DBP吸油量:75ml/100g
pH:8.0 BET法による比表面積:220m2/g
揮発分:1.5%
嵩密度:15 lbs/ft3
ニトロセルロース樹脂 100部
ポリエステルポリウレタン樹脂 30部
[(ニッポラン、日本ポリウレタ工業(株)製)]
メチルエチルケトン 500部
トルエン 500部
上記の成分を予備混練し、ロールミルで混練した。得られた分散物100重量部に対して、下記の成分を添加してサンドグラインダーで分散した。得られた分散物を濾過後、該分散物100重量部に対して、メチルエチルケトン120部及びポリイソシアネート5部を添加してバック層形成用塗布液を調製した。
【0056】
その後、該支持体の他方の側(磁性層とは反対側)に、上記バックコート層形成用塗布液を乾燥後の厚さが、0.5μmとなるように塗布し、乾燥してバックコート層を設けて、支持体の一方の面に非磁性層と磁性層とが、そして他方の面にバックコート層がそれぞれ設けられた磁気記録積層体ロールを得た。
【0057】
得られた磁気記録積層体ロールを金属ロールのみから構成される7段のカレンダー処理機(温度90℃、線圧29.4MPa(300kg/cm2))に通してカレンダー処理を行った。次いでカレンダー処理後の磁気記録媒体積層ロールを1/2インチ幅にスリットした。さらに粒径5μmの研磨剤を用いた研磨テープ(ラッピングテープ)を、回転ロールによってテープ送り(400m/分)と反対方向に14.4cm/分の速さで移動させ、上部からガイドブロックにより押さえることによってテープ磁性層表面と接触させ、研磨(ラッピング)処理を行った。この時の磁気テープ巻き出しテンションは100g及びラッピングテープのテンションは250gとし、サンプル1とした。
[実施形態2:強磁性金属薄膜媒体]
図1に強磁性金属薄膜媒体での実施形態での概略断面図を示す。この磁気記録媒体100は、長尺形状の非磁性支持体1の一主面に、真空薄膜形成技術により形成した磁性層2を有し、磁性層2上に、保護層3が順次形成された構成を有するものである。4は非磁性支持体1の他方の主面に形成されたバックコート層である。
【0058】
非磁性支持体1には、通常、磁気記録媒体の基体として用いられている公知の材料をいずれも適用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド等が挙げられる。
【0059】
非磁性支持体1の表面性は、非磁性支持体1上に、真空薄膜形成技術により磁性層2を形成した場合に磁性層2の表面性に影響を与え、最終的に得られる磁気記録媒体100のC/Nや走行耐久性に影響を与えるので、制御することが必要である。
【0060】
ここで、高いC/Nを得るためには、非磁性支持体1は、表面形状をできるだけ突起の少ない平坦なものに選定して、磁性層2の表面を平滑にすればよいが、磁性層2が平滑になり過ぎると、磁気ヘッドとの摩擦が大きくなり、結果として磁気記録媒体100の走行性や耐久性が劣化する。他方において、磁性層2の表面に突起を多く形成すると、耐久性の向上は図られるが、高いC/Nを得ることが困難になる。
【0061】
磁性層2を形成する金属磁性材料としては、通常磁気テープに適用されるものであれば、いかなるものであってもよい。例えば、Fe,Co,Ni等の強磁性金属、FeCo,CoNi,CoNiFe,CoCr,CoPt,CoPtB,CoCrPt,CoCrTa,CoCrPtTa,CoNiPt,FeCoNi,FeCoB,FeNiB,FeCoNiCr等の強磁性合金等が挙げられる。
【0062】
磁性層2は、真空下で金属磁性材料を加熱蒸発させ、非磁性支持体1上に沈着させる真空蒸着法や、金属磁性材料の蒸発を放電中で行うイオンプレーティング法、アルゴンを主成分とする雰囲気中でグロー放電を起こし、アルゴンイオンでターゲット表面の原子を叩き出すスパッタ法等のいわゆるPVD技術によって薄膜に形成することができる。
【0063】
なお、磁性層2は、上記方法によって成膜される金属磁性薄膜の単層膜、あるいは多層膜のいずれであってもよい。また、非磁性支持体1と磁性層2との間、さらには、磁性層2が多層膜である場合には、これを構成する金属磁性薄膜相互間に、各層間の付着力向上、保磁力向上を図るために所定の下地層や中間層を設けてもよい。また、これら金属磁性薄膜の表面近傍においては、耐蝕性の改善を目的として酸化物層を形成してもよい。
【0064】
特にマルチトラックヘッド上をテープが双方向に走行しながら記録/再生を行う、いわゆるリニア記録方式に用いられる場合、磁性層2を二層構造とし、カラム成長方向を逆に形成する事で電磁変換特性のテープ走行方向に対する正逆特性の差を小さくする試みも有効である。
【0065】
図2に、磁性層2の成膜を行う蒸着装置10の一例の概略構成図を示す。この蒸着装置10においては、排気口21、22から排気されて真空状態となされた真空室11内に、送りロール13と巻き取りロール14とが設けられており、これらの間に非磁性支持体1が順次走行するようになされている。
【0066】
これら送りロール13と巻き取りロール14との間に、上記非磁性支持体1が走行する途中には、冷却キャン15が設けられている。この冷却キャン15には、冷却装置(図示せず)が設けられ、非磁性支持体1の温度上昇による熱変形等を抑制している。
【0067】
非磁性支持体1は、送りロール13から順次送り出され、さらに冷却キャン15周面を通過して巻き取りロール14に巻き取られていくようになされている。なお、ガイドロール16および17により非磁性支持体1には、所定のテンションがかけられ、円滑に走行するようになされている。
【0068】
真空室11内には、冷却キャン15の下方にルツボ18が設けられており、ルツボ内には、金属磁性材料19が充填されている。一方、真空室11の側壁部には、ルツボ18内に充填された金属磁性材料19を加熱蒸発させるための電子銃20が設けられている。この電子銃20は、これより放出される電子線Bが、ルツボ内18内の金属磁性材料19に照射されるような位置に配置されている。そして、この電子線Bの照射によって蒸発した金属磁性材料19が非磁性支持体1の表面に被着して、磁性層2の形成がなされる。
【0069】
また、冷却キャン15とルツボ18との間であって、冷却キャン15の近傍には、シャッター23が冷却キャン15の周面を走行する非磁性支持体1の所定領域を覆う形で配置されており、このシャッター23により蒸発した金属磁性材料19が非磁性支持体1に対して所定の入射角度範囲で斜めに蒸着するようになされている。
【0070】
さらに、磁性層の蒸着に際し、真空室11の側壁部を貫通して設けられている酸素ガス導入管24により、非磁性支持体1の表面に酸素ガスが供給されるようになされ、磁性層の磁気特性、耐久性、および耐候性の向上が図られている。
【0071】
磁気記録媒体100の磁性層2上には、保護層3が形成されてなり、保護層3は、耐久性、耐蝕性の向上を図るため、カーボンを基材として形成することが好適である。
【0072】
保護層3は、公知の真空成膜技術により形成することができるが、例えば、炭素化合物をプラズマ中で分解し、磁性層2上に成膜するCVD法は、耐磨耗性、耐蝕性、表面被覆率に優れ、平滑な表面形状と高い電気抵抗率をもつダイヤモンドライクカーボンと呼ばれる硬質カーボンを、10nm以下の厚さに安定して成膜することができる。図3に、保護層3の成膜装置として、プラズマCVD連続膜形成装置300の概略構成図を示す。
【0073】
この装置300においては、頭部に設けられた排気系330によって内部が高真空状態となされた真空室331内に、定速回転する送りロール333と巻き取りロール334とが設けられ、これら送りロール333から巻き取りロール334に、磁性層2が形成された非磁性支持体1、すなわち被処理体340が順次走行するようになされている。
【0074】
これら送りロール333から巻き取りロール334に、被処理体340が走行する中途部には、対向電極用キャン335が設けられている。この対向電極用キャン335は、被処理体340を図中下方に引き出すように設けられ、図中、時計回り方向に定速回転する構成とされる。
【0075】
被処理体340は、送りロール333から順次送り出され、さらに対向電極用キャン335の周面を通過し、巻き取りロール334に巻き取られていくようになされている。なお、送りロール333と対向電極用キャン335との間、および対向電極用キャン335と巻き取りロール334との間には、それぞれガイドロール336が配置されており、被処理体340に所定のテンションをかけ、被処理体340が円滑に走行するようになされている。
【0076】
また、真空室331内には、対向電極用キャン335の下方に、パイレックス(登録商標)ガラス、プラスチック等よりなる反応管337が設けられている。この反応管337は、一方の端部が真空室331の底部を貫通しており、この端部から成膜ガスが反応管337内に導入されるようになっている。また、反応管337内の中途部には、金属メッシュ等よりなる電極338が取り付けられている。この電極338は、外部に配設されたDC電源339と接続されており、500〜2000〔V〕の電圧が印加されるようになっている。
【0077】
このCVD装置では、この電極338に電圧が印加されることで、電極338と対向電極用キャン335との間にグロー放電が生じる。そして、反応管337内に導入された成膜ガスは、この生じたグロー放電によって分解し、被処理体340上に被着され、保護層3が形成される。
【0078】
保護層3の形成に適用する炭素化合物としては、炭化水素系、ケトン系、アルコール系等、従来公知の材料をいずれも使用することができる。また、プラズマ精製時には、炭素化合物の分解を促進するためのガスとして、Ar,H2 等が導入されていてもよい。
【0079】
その他、ダイヤモンドライクカーボンの膜硬度、耐蝕性の向上を図るため、カーボンが窒素、フッ素と反応した状態であってもよく、ダイヤモンドライクカーボン膜は単層であっても多層であってもよい。また、プラズマ生成時に、炭素化合物の他、N2 、CHF3 、CH2 F2 等のガスを単独あるいは適宜混合した状態で成膜することもできる。
【0080】
保護層3は、厚く形成し過ぎると、スペーシングによる損失が増加し、薄過ぎると、耐磨耗性および耐蝕性が劣化してしまうので、4〜12〔nm〕程度の厚さに形成することが望ましい。
【0081】
また、保護層3を形成する層は、上述したカーボン層の他、通常金属磁性薄膜型の磁気記録媒体の保護層として一般的に使用されるいかなるものも適用できる。例えば、CrO3 ,Al2 O3 ,BN,Co酸化物、MgO,SiO2 ,Si3 O4 ,SiN4 ,ZrO2 ,TiO2 ,TiC等が挙げられる。保護層3はこれらの単層膜であってもよいし、多層膜であってもよい。
【0082】
記録再生装置における走行性を向上させるために、本発明の磁気記録媒体100は、磁性層2の形成面側とは反対側にバックコート層を有してよい。バックコート層は、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂(例えばバイロン)、カーボン、および炭酸カルシウム等から選択される1種または複数種の材料を、適当な溶媒(例えば、トルエンとメチルエチルケトンの混合溶媒)に溶解および/または分散させた塗布液を調製し、この塗布液を非磁性支持体の磁性層が形成された面とは反対の表面に塗布した後、乾燥して溶媒を蒸発させる湿式塗布法により形成できる。このようにしてバックコート層を形成する場合、その厚さは100〜500nmとすることが好ましい。
(サンプル2)
本例においては、図1に示した磁気記録媒体100の非磁性支持体1として、厚さ7.5〔μm〕で幅150〔mm〕のポリエチレンナフタレートを用意した。この非磁性支持体1の表面には、微細突起が形成されており、20〔nm〕以上の高さの突起の密度が2.3〔個/μm2 〕であった。
【0083】
次に、非磁性支持体1上に磁性層2を下記の条件により形成した。
(成膜条件)
インゴット:Co100〔wt%〕
入射角:45°〜10°
導入ガス:酸素ガス酸素の導入量 :3.3×10-6〔m3 /sec〕
蒸着時の真空度 :2.0×10-2〔Pa〕
磁性層厚さ(t):50〔nm〕
次に、磁性層2上に下記に示す成膜条件によってプラズマCVD法でダイヤモンドライクカーボン保護層3を形成した。
【0084】
(成膜条件)
反応ガス:トルエン反応ガス圧:10〔Pa〕
導入電力:DC1.5kV保護層厚さ:10〔nm〕
次に、磁性層2の形成面側とは反対側の主面に、カーボンとウレタン樹脂からなる塗料を塗布して0.5〔μm〕の厚さのバックコート層4を形成した。その後、磁性面にパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を塗布して磁気テープを作製し、1/2インチ幅にスリットした。サンプル2とした。
(発明の実施例)
次に、本発明の磁気記録媒体100について、具体的な〔実施例〕および〔比較例〕を挙げて説明するが、本発明の磁気記録媒体は、以下の例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
サンプル1に研磨テープ(ラッピングテープ)を用いて、バックコート層上に走行方向に対し平行となるテクスチャを形成した。
【0085】
図4は前記バックコート層上にテクスチャを形成するための表面研磨装置の一例を示している。被処理体(磁気テープ)41は供給ロール45と巻き取りロール46の間でガイドロール47、47を介してA方向に、例えば400m/分の速さで走行させる(被処理体走行系42)。
【0086】
そして粒径9μmの研磨剤を用いた研磨テープ(ラッピングテープ)43を、供給ロール49と巻き取りロール50の間で押し付けロール48を介して、B方向(A方向と同一)に、例えば14.4cm/分の速さで移動させ(研磨テープ走行系44)、上部からガイドブロックにより押し付けロール48を被処理体41のバックコート層側の面に押さえて、研磨テープ43をテープバックコート層表面と接触させ、研磨(ラッピング)処理を行った。この時の磁気テープ巻き出しテンションは100g及びラッピングテープのテンションは250gとした。
【0087】
図5にバックコート層上にテクスチャを形成したメディアの表面走査形状を示す。表面走査形状はZYGO社製汎用3次元表面構造解析装置NewView5020による走査型白色光干渉法にて測定エリア2.8mm×2.11μm、対物レンズ2.5倍、ズーム倍率1.0倍にて測定を行い、FilterOFFにてCylinder補正を行った上で評価を行った。
【0088】
横軸はほぼ2mmに渡ってテープ幅方向に走査し、縦軸は表面の凹凸を示す。図5からわかるように約1.5mmの周期で40nmp-pで大きなうねりが認められる。さらに約110μmの周期で20nmの小さな凹凸が認められる。この大小のうねりはテープ長手方向に連なる。
【0089】
図8にテープ表面の凹凸を示す。尚図5は図8の横方向の断面形状であり、図中、点線で示す領域は突起(最大値;0.04568μm)を示し、右に傾く斜線領域は谷(最低値;−0.03574μm)を示している。図5の左右方向はテープ幅方向を示す。図5から上記の大小のうねりがテープ長手方向に連なっているのが認められる。
【0090】
図6、図7にテープが走行するドライブ側のテープ走行面の表面性状を示す。横軸はどちらもテープ幅方向を示す。テープガイド材はテープ表面の一部と常に接触、もしくはある確率で接触するため、テープ表面を損傷させないようなガイド材と、さらにその表面性状の選択が重要になってくる。例えばガイド材としてシリコンの結晶粒子を析出させたもしくは混在したアルミニウムを母材にしたものが考案されている。
【0091】
このようなガイド材を一般的な先端がR形状の旋盤のバイトで表面仕上げした場合の表面性状は図7のとおりである。図7から容易にわかるようにバイトの送りによって生ずる突起が形成され、その先端部はテープ表面に重大な損傷を与えてしまう。
【0092】
一方バイトの先端を特殊な形状に仕上げた超精密仕上げ面用バイトでガイド面を形成した面性状を図6に示す。図6から容易にわかるようにテープに損傷を与える突起は少なくなっていることが認められる。したがってこの表面性状のガイドでテープを繰り返し走行させた場合は問題はない。
【0093】
本発明は、テープ幅方向に形成されたテープ表面のうねりの凸部とガイド表面のテープ走行方向に形成された細かなうねりの突起部が接触することの摩擦力でテープ幅方向のLTMを規制する力とすることを特徴としている。
【0094】
上記の、テープ表面のうねりの凸部とガイド表面の細かなうねりの突起が接触することは、テープ長手方向でも接触面積という観点からは同じであるが、摩擦力の発生メカニズムとして図9に示すように、テープの凸部とガイドの突起が図示のように互いの凹部に食い込み、移動方向成分の反力が摩擦力の一部もしくは大部分であると考えられる。
【0095】
ところが図8から容易にわかるようにテープ長手方向の凸部はその高さが同じでうねりの形状が連続している。従ってテープ長手方向では図9のような食い込みは発生しにくく、摩擦力としては粘性力、分子間力、静電気力の発生が考えられるが物理的な接触力に比較すると遙かにその力は小さく、また方向異方性はない。
【0096】
図5からわかるように大きなうねりの周期は1.5mmであるため、例えば12.65mmのテープ幅では凸部は約8箇所になってしまうが、テープテンション(例えば本実施例では1N)がテープ長手方向に加わると、この大きなうねりは平坦化され、細かな周期の110μmの凸部がガイド表面に接触するので、テープ幅方向で接触箇所は12.65mm/0.11mm=115箇所になる。従って本発明の特徴である、テープ、ガイド材のそれぞれの突起の食い込みの発生確率は高くなり、摩擦力の上昇が十分期待できる。
【0097】
外部から供給されるエアーの量が大きい場合や相対速度が高い動圧型ベアリングのガイド方式では、テープの浮上量が既に述べたテープの凹凸のピーク値20から40nmとガイド表面粗度の100nmをあわせた数値をはるかに超え、前述した本発明によるテープ表面の凸部とガイド表面の突起部の固体接触は確率的にも低くなり、本発明の効果は低くなる。
【0098】
これに対して、例えばガイドに形成したスロット(溝)により浮上エアー量を制御することによりテープ表面とガイド摺動面間の摩擦係数を上昇させるようにした動圧型ベアリング装置に本発明を適用すれば、その効果は大である。
【0099】
すなわち、ベアリングガイドの、磁気ヘッドに対向する部位に溝を設け、該溝におけるガイド摺動面の稜線をシャープエッジに形成し、これにより磁気テープ走行時にテープ表面の空気境界層を剥離せしめて該テープ−ガイド摺動面間空気圧を減じて負圧とする構成の装置である。
【0100】
この構成により、前記溝近傍における磁気テープ−ガイド摺動面間の摩擦係数が上昇し磁気テープの幅方向変動が抑制されるが、このとき磁気テープとして、本発明を適用した磁気テープを用いていれば、前記摩擦係数の上昇とともに、前述のテープ表面の凸部とガイド摺動面の突起部との固体接触の確率が高くなりLTM抑制効果を十分に発揮することができる。
〔実施例2〕
ラッピングテープの粒径を5ミクロンのものを用いた以外は実施例1と同様にテープを作製した。
〔実施例3〕
ラッピングテープの粒径を16ミクロンのものを用いた以外は実施例1と同様にテープを作製した。
〔実施例4〕
ラッピングテープの粒径を30ミクロンのものを用いた以外は実施例1と同様にテープを作製した。
〔実施例5〕
ラッピングテープの粒径を57ミクロンのものを用いた以外は実施例1と同様にテープを作製した。
〔実施例6〕
サンプル1の代わりにサンプル2を用いた以外は実施例1と同様にテープを作製した。
〔実施例7〕
ラッピングテープの粒径を5ミクロンのものを用いた以外は実施例6と同様にテープを作製した。
〔実施例8〕
ラッピングテープの粒径を16ミクロンのものを用いた以外は実施例6と同様にテープを作製した。
〔実施例9〕
ラッピングテープの粒径を30ミクロンのものを用いた以外は実施例6と同様にテープを作製した。
〔実施例10〕
ラッピングテープの粒径を57ミクロンのものを用いた以外は実施例6と同様にテープを作製した。
〔比較例1〕
サンプル1をそのまま用い、テクスチャのないサンプルを作製した。
〔比較例2〕
ラッピングテープの粒径を3ミクロンのものを用いた以外は実施例1と同様にテープを作製した。
〔比較例3〕
ラッピングテープの粒径を80ミクロンのものを用いた以外は実施例1と同様にテープを作製した。
〔比較例4〕
サンプル2をそのまま用い、テクスチャのないサンプルを作製した。
〔比較例5〕
ラッピングテープの粒径を80ミクロンのものを用いた以外は比較例3と同様にテープを作製した。
〔比較例6〕
ラッピングテープの粒径を80ミクロンのものを用いた以外は比較例3と同様にテープを作製した。
【0101】
上記のようにして作製した〔実施例1〕〜〔実施例10〕および〔比較例1〕〜〔比較例6〕の各サンプルの磁気テープについて、LTMp-p、およびTracking error standard deviation(トラッキングエラーの標準偏差)の評価を行った。
【0102】
この評価はテープ走行系にテープとガイド走行面との相対速度で発生する動圧型エアーベアリング方式を用い、ガイドの表面形状は図6に示したような形状を持つように構成した。テープ速度は8m/sであり、テープにサーボ信号を書き、サーボ後のTracking error standard deviationを測定した。この際Tracking error standard deviationが0.2以下のものを合格とした。
【0103】
また、波長λ= 0.25μmでの出力およびC/Nを測定した。C/N比は、中心周波数から1MHz離れたノイズレベルから求めた。出力及び C/N比は、サンプル1では実施例1をサンプル2では実施例5をそれぞれ0dBとして規格化した。この結果を下記表1に示す。
【0104】
【表1】

【0105】
上記表1中、Tracking error standard deviationに関しては、サーボ品質に非常に影響を与え、0.2以下が適切である。比較例1および3ではバック表面のテクスチャが小さく、エアーの巻き込みが多くなり、幅方向の抑制力が効かずLTMおよびTracking error standard deviationが大きくなったと考えられる。
【0106】
また、比較例2および4では出力とC/Nともに劣化しており、閾値の−1を下まわった。これはメディアバックの表面性の劣化が磁性面に形状転写しこれらの値を劣化させたものと考えられる。上記表1に示すように、〔実施例1〕〜〔実施例10〕の磁気テープにおいては、テクスチャ形成によるLTM抑制効果がみられ、電磁変換特性にも悪影響を及ぼしていない事が判る。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明が適用される磁気記録媒体の一例を示す断面図。
【図2】本発明の磁気記録媒体を製造するための蒸着装置の一例を示す構成図。
【図3】本発明の磁気記録媒体を製造するための成膜装置の一例を示す構成図。
【図4】本発明の磁気記録媒体のテクスチャを形成するための表面研磨装置の一例を示す構成図。
【図5】本発明の磁気記録媒体のバックコート層上のテクスチャの表面走査形状を表す説明図。
【図6】磁気記録媒体のドライブのガイド材のミラクルバイト仕上げ面の表面走査形状を表す説明図。
【図7】磁気記録媒体のドライブのガイドのRバイト仕上げ面の表面走査形状を表す説明図。
【図8】本発明のテクスチャの表面凹凸のようすを表す説明図。
【図9】テープとガイドの摩擦力発生メカニズムを示す説明図。
【符号の説明】
【0108】
1…非磁性支持体、2…磁性層、3…保護層、4…バックコート層、10…蒸着装置、40…表面研磨装置、41、340…被処理体、43…研磨テープ、48…押し付けロール、300…プラズマCVD連続膜形成装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニア記録方式に用いられ、長尺形状の非磁性支持体の一主面上に磁性層を有し、上記磁性層形成面側とは反対側の他の主面上に、少なくとも無機固体粒子および結合剤が含有されてなるバックコート層を有する磁気記録媒体であって、上記バックコート層上に走行方向に対し平行となるテクスチャを備えたことを特徴とする磁気記録媒体。
【請求項2】
上記テクスチャ深さが15〜400nmであることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項3】
上記テクスチャの媒体幅方向の周期が25〜500(μm)であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項4】
上記テクスチャの媒体幅方向の周期が25〜500(μm)であることを特徴とする請求項2に記載の磁気記録媒体。
【請求項5】
上記磁気記録媒体は、上記磁性層が、磁性粉末等の磁性材料を有機結合剤中に分散させた磁性塗料を塗布、乾燥させて作製される塗布型の磁気記録媒体であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項6】
上記磁気記録媒体は、上記磁性層が、磁性粉末等の磁性材料を有機結合剤中に分散させた磁性塗料を塗布、乾燥させて作製される塗布型の磁気記録媒体であることを特徴とする請求項2に記載の磁気記録媒体。
【請求項7】
上記磁気記録媒体は、上記磁性層が、磁性粉末等の磁性材料を有機結合剤中に分散させた磁性塗料を塗布、乾燥させて作製される塗布型の磁気記録媒体であることを特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体。
【請求項8】
上記磁気記録媒体は、上記磁性層が、磁性粉末等の磁性材料を有機結合剤中に分散させた磁性塗料を塗布、乾燥させて作製される塗布型の磁気記録媒体であることを特徴とする請求項4に記載の磁気記録媒体。
【請求項9】
上記磁性層は、金属あるいはCo−Ni等の合金からなる強磁性材料を、メッキや真空薄膜形成技術によって、非磁性支持体上に直接被着せしめた強磁性金属薄膜であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項10】
上記磁性層は、金属あるいはCo−Ni等の合金からなる強磁性材料を、メッキや真空薄膜形成技術によって、非磁性支持体上に直接被着せしめた強磁性金属薄膜であることを特徴とする請求項2に記載の磁気記録媒体。
【請求項11】
上記磁性層は、金属あるいはCo−Ni等の合金からなる強磁性材料を、メッキや真空薄膜形成技術によって、非磁性支持体上に直接被着せしめた強磁性金属薄膜であることを特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体。
【請求項12】
上記磁性層は、金属あるいはCo−Ni等の合金からなる強磁性材料を、メッキや真空薄膜形成技術によって、非磁性支持体上に直接被着せしめた強磁性金属薄膜であることを特徴とする請求項4に記載の磁気記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−185538(P2006−185538A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−379989(P2004−379989)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【出願人】(503015204)イメーション コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】