磁気駆動ローラを有するコンベヤベルト装置及び方法
モジュラーコンベヤベルトおよび方法が、金属または磁性を有するロータ(20)を持つコンベヤベルトを提供する。コンベヤベルトに隣接する磁性または金属性のエレメントは、ロータ(20)を回転させるよう位置決めされる。磁石によってあるいは磁性ロータによって発生される磁界(45)は、ロータが磁界(45)を通過するか、あるいは、磁界(45)が変化することで、ロータを回転させる。一実施形態において、磁界(45)は、1つあるいはそれ以上のスイッチトリラクタンスモータの形態である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤベルトに関し、特に製品の転送、選別、個片化、分離、方向及び加速のような材料ハンドリング機能を提供するローラを有するコンベヤベルトに関するものである。なかでも本発明は、選択された材料ハンドリング機能を実行するために回転する磁気駆動ローラを採用した改良コンベヤベルト装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンベヤベルトは、工場、プラント、製造施設内等の製品、パッケージ、食品、機械部品等を、ある場所から別の場所に移動するような場合に使用される。いくつかのケースでは、1つのコンベヤベルトから排出ポイントに、または1つのコンベヤベルトから別のコンベヤベルトにパッケージ、製品、または他のアイテムを転送する必要がある。コンベヤベルトに関連する多くのそのような材料ハンドリング機能がある。
【0003】
特殊な材料ハンドリング機能を有するコンベヤベルトに関する特許が発行されている。以下に示すいくつかの特許は、コンベヤを順に下に保持するか、またはトラッキング(すなわち、どちらか一方にスライドしないようにすること)用に磁石を使用している。表はこのような特許文献例の一覧である。リストは、番号順である。リストの順番に意味はない。以下の米国特許公報は、参照として本明細書に援用されている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、複数ローラのコンベヤベルトを有するコンベヤを提供する。コンベヤベルトを通過する磁場は、ローラを回転させるためのローラと相互作用する。
【0005】
本発明の別の態様では、製品を移送するための方法として下記を備える。(a)コンベヤベルトのローラ上の製品を支持し、(b)磁場にローラを供すること、(c)磁場で回転方向にローラを回転させること、及び(d)回転ローラでコンベヤベルトに沿って1またはそれ以上の製品を進ませること。
【0006】
本発明のさらに別の態様では、コンベヤは、ローラを複数有するコンベヤベルトで構成されている。各ローラは、ロータと回転軸を持っている。ローラのロータとの結合磁場に置かれたステータは、ロータとスイッチドリラクタンスモータを形成する。ローラは、スイッチドリラクタンスモータによって制御され、ローラがスイッチドリラクタンスモータによって生成された磁場と接触することで回転軸周りに回転する。
【0007】
別のバージョンでは、本発明のモジュラーベルトはヒンジでコンベヤベルトを形成するため、端から端まで連結された一連のベルトモジュールを提供する。少なくともモジュールの1つは、第1端からベルトの進行方向の第2端に延びる本体部分を提供する。ヒンジエレメントは本体の最初の端に沿って設けられている。ヒンジエレメントはまた、本体の第1端に沿って設けられている。 2つのベルトモジュールのヒンジエレメントは、交互に配置され、ヒンジピンで一般的に接続されている。各モジュールは、最初の搬送面と一般的にスプロケットまたは他の回転部材とともに駆動される第2表面を有する。
【0008】
少なくとも一つの空洞部が、本体部に形成されている。その空洞部は、搬送面と連絡している。空洞部内には、ローラが軸周りに回転自在に回転するように配置されている。そしてローラの一部が、搬送面上を搬送される製品と噛み合うように搬送面上に出ている。
【0009】
さらに別のバージョンでは、少なくともいくつかのローラは、鉄または磁性を有するロータを有する。ローラは、例えばプラスチック製のシェルで覆われるかクラッドで、内部に鉄のロータを有することができる。磁気は、ロータが通過時ロータを回転させるために使用されるか、選択した場所の隣に位置している。1つまたは複数のローラの回転は、達成すべきパッケージ処理機能を可能にする。例えば、ローラは、最初のコンベヤベルトから排出付近又は第2コンベヤベルトにパッケージを移送するために回転させることができる。
【0010】
さらに別のバージョンでは、ローラは可変リラクタンスまたはスイッチドリラクタンスモータを使用して回転する。永久磁石または電磁石は、そのような最小抵抗のパスを達成する磁束線により、鉄や鋼のような軟磁石材料を引付ける。(磁束に対する抵抗はリラクタンスと呼ばれる)。これが多くの電気モータが動作する基本原理である。これらのモータは、可変リラクタンスモータ(VRM)またはスイッチドリラクタンスモータ(SRM)と呼ばれ、ロータとステータからなる。モータは、ステータ極とロータ極の数によって記述される。
【0011】
ステータは、円形状に配置された電磁石を有し、ロータは、フェライトや珪素鋼板などの透磁性材料でできている。ロータ内には配線がない。ロータの形状は、それが回転すると、緻密な金属(極)と空気の領域が交互になっているようなものである。ステータの電磁石は、ロータ極のいずれかが常にステータに引かれ、交互にオンとオフを切り替え、回転を引き起こす。
【0012】
スイッチドリラクタンスモータは、本来的にシンプルで効率的です。あらゆる回転電動モータは、そのステータとロータを展開し平面化できる。本発明の第2の実施形態は、リニアモータを採用している。スイッチドリラクタンスモータのステータは、基本的にステータの近くの適切な形状を持つロータを推進するために直線的にレイアウトされている。ロータは電磁石(制御操作のための、例えば、コンピュータ制御)または永久磁石(連続運転のため)のいずれかを持つステータによって起動することができる。これは、磁気駆動ローラの基本である。
【0013】
ロータは、プラスチックまたは類似の耐摩耗性材料の中にカプセル化され、それが自由に回転するように車軸や軸受のコンベヤベルトに取り付けることができる。ステータは、コンベヤフレームに固定され、永久磁石または電磁石のいずれかの配列で構成される。ステータによるロータへの出力は、エアギャップの磁束密度と磁極面の表面積の二乗に比例する。
【0014】
ステータによりロータに与えられる力は、ステータの磁極面とロータ磁極面間の距離の関数である。この距離は、磁気回路のエアギャップを定義する。この機能は非常に非線形であり、エアギャップ長の増加に伴いこの力は非常に急速に落ちる。
【0015】
ロータは、長方形の溝を持ち、らせん状または以下の曲線で円柱に巻き付けられる。ロータが取り付けられているベルトは、例えば射出成形フェライトで構成することができる。フェライトのベルトは、磁気回路のリラクタンスを低減する。ロータは、ロータの任意の行の選択的制御でベルトに取り付ける。
【0016】
ローラの回転方向はらせん状のロータ溝の“利き手”(時計回りまたは反時計回りのねじれ)によって決定される。磁束は、最初にロータの前に集中し、ベルトの動きは、ロータの前面から背面まで移動する最大磁束密度の場所になる。ステータコイル(タンデムで取り付けられている)数とベルト速度は、モータ動作の最大持続時間を決定する。その結果速度はベルト速度とロータにより生成された横方向速度のベクトル和になる。
【0017】
ロータは、C−コアの電磁石ステータ上を通過する際、個々に搭載され、制御されるロータ配列になれる。カップリングはベルトとステータコイルの間のギャップを小さくすることができる(例えば、約0.025インチと0.075インチ間)ことを条件に高くなる。磁場強度は、様々な動的負荷に対して調整することができる。
【0018】
ロータは異なる幾何学形状を使用して、多種多様のらせん形状を使用して作ることができる。ロータは、半回転してねじれた鋼帯の形でもよい。ロータは、プラスチック製の棒に取り付けられた緩いコイル状の4回転した鋼製バネの形でもよい。ロータは3と1/4回転でカットされた棒鋼の形にすることで3極にすることもできる。ロータは、2極を持つ半回転して撚った棒鋼の形でもよい。回転角度を有する磁気抵抗(リラクタンス)の変化が非常に高いと高トルクを生じる。ロータは4極を有する半回転の棒鋼ローラの形でもよい。このロータ配置で、大きな表面積上で作動する複数のステータ磁石の円滑かつ効率的な操作が可能となる。
【0019】
一実施形態では、磁場は複数の磁石の形をしていて、各磁石は磁極面の幅と好ましくはほぼ等しい幅を有する。各ローラは、鉄または磁性ローラと、プラスチックまたは他の非磁性材料の外側カバー、ケーシング、カプセル、またはクラッドとの組み合わせとすることができる。
【0020】
本発明は、第1方向に駆動されるコンベヤベルトを使用した製品の移送方法を提供する。コンベヤベルトは転送ローラを有するセクションが含まれている。転送ローラ(またはローラ自体が磁性をもつか磁石で構成されている場合は、材料が磁石に引き付けられ、この場合は磁場がローラと共に走行する)は、磁場を横切るコンベヤベルトで動く。磁場は、第1方向即ちコンベヤベルトの移動方向に対して一般的に横方向の選択方向にローラを回転させる。(磁場は、加速、減速、またはローラの制動ができる)。この方法は転送ローラを使用してコンベヤベルトから1つ以上のオブジェクトを転送することで完了する。転送ローラを回転させるには、第1方向(ベルトの進行方向)と角度を有する軸周りに各転送ローラを回転させることを含めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
特性、対象、及び本発明の利点を更に理解するために、以下の詳細な説明を図面と併せて参照され、その際参照符号はエレメントと下記内容を表す。
【図1】図1は、本発明の装置の一実施形態の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の装置の別の実施形態の斜視図である。
【図3】図3は、本発明の装置の一実施例の部分斜視図である。
【図4】図4は、本発明の装置の一実施例の部分斜視図である。
【図5】図5は、単一角のローラベルトを示す本発明の装置の一実施例の部分斜視図である。
【図6】図6は、デュアルアングルローラベルトを示す本発明の装置の一実施例の部分斜視図である。
【図7】図7は、ロータを示す本発明の装置の一実施例の部分斜視図である。
【図8】図8は、ロータを示す本発明の装置の一実施例の部分斜視図である。
【図9】図9は、ロータを示す本発明の装置の一実施例の部分斜視図である。
【図10】図10は、ロータを示す本発明の装置の一実施例の部分斜視図である。
【図11】図11は、ロータを示す本発明の装置の一実施例の部分斜視図である。
【図12】図12は、本発明の装置の実施形態の一部の斜視図である。
【図13】図13は、図1の実施形態の拡大斜視図である。
【図14】図14は、本発明の装置の一実施形態の断片の図である。
【図15】図15は、本発明の装置の一実施形態の斜視図である。
【図16】図16は、本発明の装置の別の実施形態の概略平面図である。
【図17】図17は、本発明の装置の別の実施形態の概略平面図である。
【図18】図18は、本発明の装置の別の実施形態の部分斜視図である。
【図19】図19は、本発明の装置の別の実施形態の分解斜視図である。
【図20】図20は、本発明の装置の好ましい実施形態の概略端面図である。
【図21】図21は、本発明の装置の好ましい実施形態の概略端面図である。
【図22】図22は、本発明の装置の好ましい実施形態の概略端面図である。
【図23】図23は、磁気分析を示す本発明の装置の別の実施形態の模式図である。
【図24】図24は、本発明の装置の別の実施形態の模式図である。
【図25】図25は、本発明の装置の代替実施形態の回路図である。
【図26】図26は、ステータのモジュールの電子回路のブロック図の形態で本発明の装置の別の実施形態の模式図である。
【図27】図27Aと27Bは、双方向のロータを含む本発明の装置の一実施例の部分的な斜視図である。
【図28】図28は横ローラを含む本発明の装置の一実施例の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1と3に、10で一般的に指定された本発明の装置の実施例を示す。コンベヤベルト装置10は、パッケージまたは製品11の分離または加速機能を実行するために使用される。図1において、コンベヤベルト装置10は、図15のモジュール18のような1またはそれ以上のベルトモジュールの一連の行で構成されたベルトコンベヤ12を使用している。
【0023】
各モジュール18は、複数ローラ21を提供する。ローラ21は、インラインベルトローラである。即ちそれらは、ベルト移送方向46にインラインに、又は平行に製品を加速するために配置されている。インラインローラは、ベルト移送方向に垂直に軸13上を回転する。図15では、各ローラ21は、ベルトの空洞部から延びて、モジュール18の上面22を通過する。しかし、インラインベルトローラは、ベルト上面上に完全に存在するか、または反対側の底部ベルト表面14を越えて出ることができる。
【0024】
各モジュール18は、別のモジュールに接続するための目27、28を提供するためリンク29、30を有する。モジュール18は1つの列の端から端まで、又は好ましくはレンガを積んだようなパターンで、モジュールの一連の行の側面から側面までかつ端から端まで接続できるように一致して構成できる。モジュール18のようなモジュールのいくつかの行は、コンベヤベルト12を形成するために端から端まで接続されている。このような場合には、モジュールのいずれかの行のリンクは、モジュールの次の行のリンクに接続する。ピン15は、別の行のリンクに他行のリンクを接続するために使用される。
【0025】
モジュラーコンベヤベルト12を形成するために、反対側の端部に沿って、ヒンジで端から端まで、1対のモジュールまたはモジュールの行18を他のモジュールと、コンベヤベルト12を作るためリンク29はリンク30と接続される。開口部27と28が整列されるように、例えば、モジュール18のリンク29はヒンジで同一モジュールの反対側の端にあるリンク30と連結することができる。ヒンジピン15は、整列された目(即ち開口部)27、28を通して配置することができる。
【0026】
各インラインベルトローラ21は、ロータ20を有する。ロータ20の例を、例示目的のため取り外したローラの外周と共に図3に示す。各ロータ20は、永久磁石や電磁石、または可変リラクタンスモータやスイッチドリラクタンスモータのステータの複数の磁石から発生する磁場によって回転される。
【0027】
図3に、複数の磁石40を離れた位置で示す。図3のロータ20は4極ロータで、各磁極は41によって指定される。各磁極41は、磁極面42を有する。平行磁極は、ロータ軸方向に沿って直線的に延びている。一実施形態では、磁極面42は、磁石40の幅44とほぼ等しい幅43とすることができる。図15のローラ21は、ロータ20とカプセル、クラッド、被覆、またはプラスチックなどの非金属材料のコーティングからなる。
【0028】
操作では、コンベヤベルトモジュール18と他のモジュールは、ベルト移送方向46に進んでいる。磁石40は、カプセル化されたロータ20からなるインラインローラ21を有する走行ベルトのモジュール18の下に配置されている。モジュール18が磁場(上矢印と下矢印45、45’で示される。図3に2つの磁石を示す)を通過する時、各ローラ21のロータ20は、磁場45、45’の影響下に落下することで回転する。磁石40は静止しており、モジュール18の下に位置付けられる。ローラ21は、矢印46の方向に、モジュール18と共に移動する。
【0029】
磁場45はローラ21を整列させ、ロータ20の各磁極41の磁極面42は、1つの磁石または磁石40を整列させる。図3では、磁石の行は行47〜54に指定されている。 矢印45と45’が反対の方向で表示されているように、磁石は行から行へ交互に極性を変化させる。図3では、ロータ20が、磁極41が行51で指定される磁石の行を整列させる位置に達している。
【0030】
行51の磁石40は、ロータ20の磁極41が行51の磁石40を整列するように、磁極41を引付けている。コンベヤベルトが継続的に前進して、行52の磁石40を整列するため、図3の位置55に、ロータ磁極41を配置する位置にローラ21とロータ20が到る。コンベヤベルトが継続的に前進して、行53の磁石40を整列するように、ロータ磁極41が位置56に到る。その結果、図1のコンベヤベルト12中のインラインベルトローラ21は、コンベヤベルトの下に在る磁石によって生成される磁場の影響を受けて、ベルト移送方向46に回転し、ベルトに沿って前方にローラ上の製品11を進める。
【0031】
図2と4では、符号16で指定する本発明の装置の別の実施形態を示す。コンベヤベルト装置16は、パッケージまたは製品11の移送機能を実行するために使用される。図2では、コンベヤベルト装置16は、第1ベルトコンベヤ9と第1コンベヤ9から製品を受取れるように配置された第2コンベヤ8を使用している。
【0032】
第1コンベヤ9は、図14に示すように、モジュール17のような複数のモジュールを備える。各モジュール17は、製品を支持する複数ローラ19を備える。転送ローラ19は、それらがベルト移送方向46に対して斜めまたは垂直方向に回転するように配置されている。転送ローラは、ベルトに任意の数の材料の転送、選別、個片化、整列、及び方向などのハンドリング機能を与える。ベルト移送方向46に平行な軸上をベルトの走行方向に対して横方向(垂直方向)に回転するためである。この例では、転送ローラ19は横ローラと呼ばれる。各横ローラ19は、モジュール17の搬送上面22より上に出ている。図14では、転送ローラ19は、モジュール17の上面22を超えて底面14を通過した位置に示される。横ローラ上に支持されている製品がアウトフィードベルト8へと横方向に押される。横(転送)ローラ19は、底面からはみ出す必要はなく、上面上に完全に存在できるかもしれない。
【0033】
第1モジュラーコンベヤベルト9を形成する際に、リンク25は、他のモジュールとコンベヤベルト9を形成するために、モジュール対またはモジュール17の行を端から端までヒンジで連結することで、反対側の端部に沿ってリンク26に結合される。例えば、モジュール17のリンク25は、ヒンジで開口23と24が一列に並ぶように同一モジュールの反対側の端にあるリンク26と連結することができる。ヒンジピン15はその後、モジュール同士をリンクするため、目(開口部)23、24を通すために配置することができる。
【0034】
図4、7、28では、ロータ31、36はそれぞれ、スパイラル状に配置またはらせん状に配置された複数のロータ磁極57〜60を有する。図4の磁石61は、ベルトの進行方向に整列されたロータ31の軸67に対してある角度で配置されている。図4の磁石61は、ベルト移送方向46に対して角度を付けている。図2の第1コンベヤ9は、ベルト移送方向46に進み、コンベヤを横断する磁場が横ローラを回転させ、搬送製品を第1コンベヤの側面に押し、テイクアウェイコンベヤ8上へ押し出す。選択的にローラの回転を可能にするため、磁石は、機械的なアクチュエータによりコンベヤベルト下に配置することができる。図28に、ベルト移送方向46に延びた6本の並列空洞122を有するコンベヤベルトモジュール121のローラ123の一構成を示す。横ローラ123は、各空洞部内に収容される。空洞の各端部の端壁124は、緩やかにロータ31の軸穴127に収容されているローラの車軸126の両端を支持するための穴125を持っている。ロータは、ローラ123の円筒形の外周シェル129の穴128にぴったりと収容される。外周シェルは、製品と高い摩擦接触が必要な場合、好ましくはプラスチックとゴム等のエラストマーをコートしたものがよい。ロータとシェル間の空隙は、注封用化合物で埋めるか、サニタリー用途にてローラの少なくとも両端を密封するためにエンドキャップを取り付けることができる。
【0035】
図5は、斜め転送ローラの配置を示している。ローラのロータ31は、コンベヤベルトの順方向に対して左右に製品を押し出すため、ベルト移送方向46に対して斜めの軸67の周りを回転する。コンベヤが進むにつれて、ロータは複数の磁石37の影響を受けて回転する。磁石37は軸67と鋭角を形成する。磁石37はまた、ベルト移送方向に対して斜めに配置されている。図6のデュアルアングルのローラベルト配置では、上部ローラ38はロータ31を持つ下部ローラ19’上で停止している。上部ローラ38は、ロータを持っているわけではなく、下部ローラ19’と噛み合い回転する。上部ローラは、下部ローラ19’と反対方向に回転し、ベルト移送方向46と反対の動きで製品を進ませることができる。この例では、下部ローラ19’は、それが上部ローラに接触できる限り、ベルトの搬送面を越えて出る必要はない。
【0036】
図7〜11と27では、インラインローラ21または転送ローラ19の一部であるロータ形状を示す。図7のロータ36では、スパイラル(らせん状)磁極をロータ31のように反時計回りでなく、時計回りに巻き付けることができる。この配置では、ロータ31の回転方向とは異なる回転方向にロータ36が回転する。
【0037】
図27Aと27Bは、図7のロータ36では時計回りのスパイラル磁極と、図4のロータ31の反時計回りのスパイラル磁極の組合せである双方向ロータ95を示す。その結果は、時計回りと反時計回りの溝115、116を交差で区切られた複数のダイヤモンド形磁極面113と、ハーフダイヤモンド形磁極面114である。例えば、図27Aの磁極面114A、113A、113B、113C、及び114Bは、連続的な反時計回り磁極のような単一のセグメント化された反時計回り磁極を形成する。図27Bの磁極面114C、113D、113B、113E、及び114Dは、図7のロータの連続的な時計回り磁極のような単一にセグメント化された時計回り磁極を形成しる。図27Aのような向きに埋め込まれた磁石117と共に、ロータは、矢印46の方向にコンベヤベルトが進むと、角度を付けた磁石によって生成される磁場とセグメント化された反時計回りの磁極との相互作用により時計回り118に回転する。図27Bのような向きに埋め込まれた磁石119とともに、ロータは、矢印46の方向にコンベヤベルトが進むと、角度を付けた磁石によって生成される磁場とセグメント化された時計回り磁極の相互作用により、反時計回り120に回転する。ロータ回転方向も、矢印46と逆方向にコンベヤベルトを進めることによって、反転させることができる。従って、これらの双方向のロータを持つローラのコンベヤベルトは、埋め込み磁石の適切な配置によって、どちらかの側に製品をそらすために使用することができる。埋め込み磁石の角度と位置は固定されるか、回転方向制御を可能にする手段を提供することによって、パッケージ11の動作方向を機械的に配向させることができる。
【0038】
図8では、ロータ32は、らせん状に巻かれた一対のメンバ62、63を有する。図9では、ロータ33は、らせん状に形成された磁気バンド65をロータ上に有する筒64である。図10では、ロータ34は、図4に示す3つの磁極(4磁極ではない)を持っている。図11では、ロータ35は、らせん状の板形状66である。
【0039】
図5のような転送ローラ配列の一部を図12及び図13に示す。永久磁石の代わりにベース98上に置かれた電磁石39、39’を除き、それぞれの電磁石は、コイル96が巻かれている鉄芯97を有する。電磁石の磁極面99は、図5中の永久磁石の磁極面のように配置されている。そして電磁石を過ぎてベルトが進むとき、ベルトローラのロータ36を回転させる磁場を生成する。磁石によって生成される磁場は、必要に応じて選択的に励磁され、また非励磁される。
【0040】
図16〜26は、図16〜17中の符号70によって一般的に指定された本発明装置の別の実施形態を示す。複数のベースプレート80は、コンベヤベルト下のステータの一部を支持し形成する。図16と17は、例示的にステータのレイアウトを示す。図16のレイアウト73は、高い合成軌道角とパッケージ11のため、又は図2のように横方向ローラベルトと共に使用される時、図16の矢印72により概略的に示されるような一般的にストレートな左右の動きのためレイアウトされた開口部130でステータの位置を提供する。図17に、低軌道角に使用できる千鳥状に並べられたステータのレイアウト74を示す。図17で矢印75は模式的にパッケージ11の移動方向を示している。図16と17の矢印71は、概略的にコンベヤの動く方向を示している。
【0041】
図16と17のコンベヤは、エッジ部分76、77を有するコンベヤフレーム90を提供する。各ステータのベースプレート80は、スイッチドリラクタンスモータのステータを取り付けることができる。図18と19で、2つの横方向転送ローラと2つのステータが、ステータとロータで形成されたスイッチドリラクタンスモータの例として示されている。プレート80は、例えば6つのローラまでの複数ローラを制御するステータをポピュレートできる。ベースプレート80は、コンベヤフレーム90に取り付けて、ステータコア83、84、85を機械的に支持して、上向きの磁極面102、103、104で終わっている。ベースプレート80は、磁束のリターンパスを提供するために、積層、軟磁性(鉄)の材料で製作される。
【0042】
図18と19では、それぞれのローラの下に3つの積層ステータコアが存在できる。任意の数のローラがコンベヤ70の任意の長さにわたって作動させることができるように、ステータの構造はモジュール式にできる。図18に見られるように、3つのステータコアの2つは、ベースプレート80に取付けられる。開口部130に収容される4つの磁極面と共に図19に示されている他のコア85は、ロータ81、82の軸方向からずれて、下に中心のある磁極面と共に、外側のステータ磁極83、84の間に挟まれている。コイル86は、コアを受け取る穴付きナイロンボビンに巻くことができる。ベースプレート80と磁極83、84、85の全体の組み立ては、適切な機械的登録を取得するために使用されるナイロンのファスナー78、ナット79とリテーナ105を使用して一緒にボルトで固定することができる。
【0043】
図20に示すのは、垂直に対して相対的に−30°の回転角のロータ81、82を有するコンベヤベルト70の正面図である。図20では、各右側ステータ磁極面103は各ロータ81、82の磁極106とぴったり合う。右側の磁極面の引力は、ステータの制御回路により停止する。中央のステータの磁極面104は、通電されると図21に示すように、垂直に対して0°の位置にロータ磁極106を引きつける。左側のステータ磁極面102は、通電されると図22に示すように+30°の回転角度となる。上記のシーケンスは繰り返すことができ、4極ロータの回転につき12通電パルスで連続して時計回りにローラ81、82に与えることになる。コンベヤベルトが移動または静止しているかどうかに関係なく、ローラを回転させることができる。シーケンスの順序は、ローラ81、82の反時計回りの回転を達成するために逆にすることができる。この配置のための磁気回路には、フィールドラインが1つのロータ磁極と2つのステータ磁極面を介してロータ81、82に沿って軸方向に作用する。ベルトの位置に係らず、ロータ下に各フェーズの2つのステータ磁極面が常に存在する。
【0044】
図23は、本発明のスイッチドリラクタンスローラ配置の磁気回路の磁気分析を示している。ほとんどのスイッチドリラクタンスモータのパスは2つのロータ磁極を介して半径方向に作用する。本発明のスイッチドリラクタンスローラ配置のパスは、1つのロータ磁極を通して長手方向に作用する。磁束は、ステータ磁極から、隣接するステータ磁極に、ロータを介して循環し、ベースプレート80を通って戻る。磁気回路のFEA(有限要素解析)のプロットを図23に示す。プロットの上部のバー87は、ベルト移送方向46の軸方向に整列したロータ磁極である。磁気回路の残りの部分はU字型を形成し、Uの2つの垂直の足が2つの連続した右手(または左手または中央)ステータコア84を表し、Uのベースは、ベースプレート80を表している。開いている長方形の2組は、ステータコイル86で、それぞれ巻かれ、各磁極面103において反対の磁極を生成するために通電される。
【0045】
本発明のスイッチドリラクタンスローラ配置の概略図を図24に示す。個々のコイルは、図25に示すような電子回路によって通電されている。 コイル86上の各ステータコア84、85、83は、順番にA−B−Cの順で操作され、時計回りの回転のためのロータ磁極88、89、91、92を引付ける。シーケンスは、反時計回りに回転させるためA−C−Bと88−92−91−89である。
【0046】
図25のステータコイルの駆動回路108は、各フェーズの2つの独立したスイッチを有することができる。高側スイッチング93(M1、M2とM3)は、直流電源107から相巻線に電源投入して、直流電圧(DC_Supply)を供給する。その間低側スイッチング94(M4、M5、M6)は、PWM(パルス幅変調)信号(PWM_A、PWM_B、PWM_C)でモータの速度制御用に地面にパルス出力する。ダイオード(D1−D6)は、ステータコイル86(L1、L2、L3)が無通電のときに、相巻線からフライバック電圧をキャッチする。電子回路は、ロータ81、82の位置を、駆動電流に比例する生成磁束に基づいて検出する。これはすべて図26に示すようなマイクロプロセッサの制御下で動作することができる。1つのプロセッサ110は、動きの要求に応じて、単一のローラ81、82の位置、ローラの行、またはローラの配列全体をコントロールする。
【0047】
図26は、スイッチドリラクタンスモータのローラの動作を示すブロック図である。本発明のこの構成には柔軟性がある。1つまたは複数のステータコイルを選択的に、PWM信号のような信号109によって、コイルの駆動回路108を介して通電し、また停止する。制御CPU110は、マイクロプロセッサであってもよく、個々のステータの制御モジュール111と通信する。例えばすべてのステータの制御モジュールと連結したシリアルバス112上でステータベースプレートの1つずつと通信する。シリアルバスは、送信線(Txデータ)と受信線(Rxデータ)が含まれている。制御CPUは、各ステータの制御モジュール111に宛てシリアルバスを介してコマンド、コントロール、及びデータ要求信号を送信する。ステータのモジュールは、そのコイルの駆動回路108によって測定された瞬時コイル電流のように、状態、診断、及び他のデータで応答する。このように制御CPUは、要求通りにベルトローラを回転させるコイル制御を調整することができる。個々のコイル86は、選別、回転、個片化、及び移送するために速度と方向の両者を制御することができる。利点は、これらの非接触、すなわちベルトローラとコンベヤフレームの軸受面間の物理的な接触は、処理をソフトウェアで設定することができることであり、ベルト速度とほぼ無関係にできることである。どんなベルト幅または長さのコントロールを容易に構成することができる。ステータは、ベースプレート80の一部である回路基板上に作られた内部接続を持つモジュール構造となる。ステータは、コンベヤベルト70の下部で、その領域にタイルを張り、その上で搬送製品のローラ回転または目標軌道に搬送動作が行われる。モジュラーステータ間の相互接続が通信経路を定め、ステータの駆動回路と次のステータへ電力を供給する。
【0048】
詳述されている例のほとんどで、ローラは製品の支持ローラであった。しかし、磁気駆動ローラは、搬送製品に接触すらしないローラの可能性がある。例えば、磁気駆動ローラは、コンベヤベルトあるいはコンベヤベルト自体の中で他のローラやエレメントを駆動するために使用することができる。ローラは、必ずしもベルトのいずれかの外面を越えて出る必要はない。前述のように、ロータをコンベヤフレームの磁石と共に使用する場合は金属材料で作るか、例えば非磁性ロータと共に使用される磁石のような場所のフレーム内では、金属元素と相互作用する磁性材料で作ることができる。
【0049】
特に断わらない限り、本明細書に示されるすべての測定は、地球上の平均海面レベルの標準温度と圧力で行われる。
【0050】
上記実施形態は単なる例示で示されているが、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ限定される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤベルトに関し、特に製品の転送、選別、個片化、分離、方向及び加速のような材料ハンドリング機能を提供するローラを有するコンベヤベルトに関するものである。なかでも本発明は、選択された材料ハンドリング機能を実行するために回転する磁気駆動ローラを採用した改良コンベヤベルト装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンベヤベルトは、工場、プラント、製造施設内等の製品、パッケージ、食品、機械部品等を、ある場所から別の場所に移動するような場合に使用される。いくつかのケースでは、1つのコンベヤベルトから排出ポイントに、または1つのコンベヤベルトから別のコンベヤベルトにパッケージ、製品、または他のアイテムを転送する必要がある。コンベヤベルトに関連する多くのそのような材料ハンドリング機能がある。
【0003】
特殊な材料ハンドリング機能を有するコンベヤベルトに関する特許が発行されている。以下に示すいくつかの特許は、コンベヤを順に下に保持するか、またはトラッキング(すなわち、どちらか一方にスライドしないようにすること)用に磁石を使用している。表はこのような特許文献例の一覧である。リストは、番号順である。リストの順番に意味はない。以下の米国特許公報は、参照として本明細書に援用されている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、複数ローラのコンベヤベルトを有するコンベヤを提供する。コンベヤベルトを通過する磁場は、ローラを回転させるためのローラと相互作用する。
【0005】
本発明の別の態様では、製品を移送するための方法として下記を備える。(a)コンベヤベルトのローラ上の製品を支持し、(b)磁場にローラを供すること、(c)磁場で回転方向にローラを回転させること、及び(d)回転ローラでコンベヤベルトに沿って1またはそれ以上の製品を進ませること。
【0006】
本発明のさらに別の態様では、コンベヤは、ローラを複数有するコンベヤベルトで構成されている。各ローラは、ロータと回転軸を持っている。ローラのロータとの結合磁場に置かれたステータは、ロータとスイッチドリラクタンスモータを形成する。ローラは、スイッチドリラクタンスモータによって制御され、ローラがスイッチドリラクタンスモータによって生成された磁場と接触することで回転軸周りに回転する。
【0007】
別のバージョンでは、本発明のモジュラーベルトはヒンジでコンベヤベルトを形成するため、端から端まで連結された一連のベルトモジュールを提供する。少なくともモジュールの1つは、第1端からベルトの進行方向の第2端に延びる本体部分を提供する。ヒンジエレメントは本体の最初の端に沿って設けられている。ヒンジエレメントはまた、本体の第1端に沿って設けられている。 2つのベルトモジュールのヒンジエレメントは、交互に配置され、ヒンジピンで一般的に接続されている。各モジュールは、最初の搬送面と一般的にスプロケットまたは他の回転部材とともに駆動される第2表面を有する。
【0008】
少なくとも一つの空洞部が、本体部に形成されている。その空洞部は、搬送面と連絡している。空洞部内には、ローラが軸周りに回転自在に回転するように配置されている。そしてローラの一部が、搬送面上を搬送される製品と噛み合うように搬送面上に出ている。
【0009】
さらに別のバージョンでは、少なくともいくつかのローラは、鉄または磁性を有するロータを有する。ローラは、例えばプラスチック製のシェルで覆われるかクラッドで、内部に鉄のロータを有することができる。磁気は、ロータが通過時ロータを回転させるために使用されるか、選択した場所の隣に位置している。1つまたは複数のローラの回転は、達成すべきパッケージ処理機能を可能にする。例えば、ローラは、最初のコンベヤベルトから排出付近又は第2コンベヤベルトにパッケージを移送するために回転させることができる。
【0010】
さらに別のバージョンでは、ローラは可変リラクタンスまたはスイッチドリラクタンスモータを使用して回転する。永久磁石または電磁石は、そのような最小抵抗のパスを達成する磁束線により、鉄や鋼のような軟磁石材料を引付ける。(磁束に対する抵抗はリラクタンスと呼ばれる)。これが多くの電気モータが動作する基本原理である。これらのモータは、可変リラクタンスモータ(VRM)またはスイッチドリラクタンスモータ(SRM)と呼ばれ、ロータとステータからなる。モータは、ステータ極とロータ極の数によって記述される。
【0011】
ステータは、円形状に配置された電磁石を有し、ロータは、フェライトや珪素鋼板などの透磁性材料でできている。ロータ内には配線がない。ロータの形状は、それが回転すると、緻密な金属(極)と空気の領域が交互になっているようなものである。ステータの電磁石は、ロータ極のいずれかが常にステータに引かれ、交互にオンとオフを切り替え、回転を引き起こす。
【0012】
スイッチドリラクタンスモータは、本来的にシンプルで効率的です。あらゆる回転電動モータは、そのステータとロータを展開し平面化できる。本発明の第2の実施形態は、リニアモータを採用している。スイッチドリラクタンスモータのステータは、基本的にステータの近くの適切な形状を持つロータを推進するために直線的にレイアウトされている。ロータは電磁石(制御操作のための、例えば、コンピュータ制御)または永久磁石(連続運転のため)のいずれかを持つステータによって起動することができる。これは、磁気駆動ローラの基本である。
【0013】
ロータは、プラスチックまたは類似の耐摩耗性材料の中にカプセル化され、それが自由に回転するように車軸や軸受のコンベヤベルトに取り付けることができる。ステータは、コンベヤフレームに固定され、永久磁石または電磁石のいずれかの配列で構成される。ステータによるロータへの出力は、エアギャップの磁束密度と磁極面の表面積の二乗に比例する。
【0014】
ステータによりロータに与えられる力は、ステータの磁極面とロータ磁極面間の距離の関数である。この距離は、磁気回路のエアギャップを定義する。この機能は非常に非線形であり、エアギャップ長の増加に伴いこの力は非常に急速に落ちる。
【0015】
ロータは、長方形の溝を持ち、らせん状または以下の曲線で円柱に巻き付けられる。ロータが取り付けられているベルトは、例えば射出成形フェライトで構成することができる。フェライトのベルトは、磁気回路のリラクタンスを低減する。ロータは、ロータの任意の行の選択的制御でベルトに取り付ける。
【0016】
ローラの回転方向はらせん状のロータ溝の“利き手”(時計回りまたは反時計回りのねじれ)によって決定される。磁束は、最初にロータの前に集中し、ベルトの動きは、ロータの前面から背面まで移動する最大磁束密度の場所になる。ステータコイル(タンデムで取り付けられている)数とベルト速度は、モータ動作の最大持続時間を決定する。その結果速度はベルト速度とロータにより生成された横方向速度のベクトル和になる。
【0017】
ロータは、C−コアの電磁石ステータ上を通過する際、個々に搭載され、制御されるロータ配列になれる。カップリングはベルトとステータコイルの間のギャップを小さくすることができる(例えば、約0.025インチと0.075インチ間)ことを条件に高くなる。磁場強度は、様々な動的負荷に対して調整することができる。
【0018】
ロータは異なる幾何学形状を使用して、多種多様のらせん形状を使用して作ることができる。ロータは、半回転してねじれた鋼帯の形でもよい。ロータは、プラスチック製の棒に取り付けられた緩いコイル状の4回転した鋼製バネの形でもよい。ロータは3と1/4回転でカットされた棒鋼の形にすることで3極にすることもできる。ロータは、2極を持つ半回転して撚った棒鋼の形でもよい。回転角度を有する磁気抵抗(リラクタンス)の変化が非常に高いと高トルクを生じる。ロータは4極を有する半回転の棒鋼ローラの形でもよい。このロータ配置で、大きな表面積上で作動する複数のステータ磁石の円滑かつ効率的な操作が可能となる。
【0019】
一実施形態では、磁場は複数の磁石の形をしていて、各磁石は磁極面の幅と好ましくはほぼ等しい幅を有する。各ローラは、鉄または磁性ローラと、プラスチックまたは他の非磁性材料の外側カバー、ケーシング、カプセル、またはクラッドとの組み合わせとすることができる。
【0020】
本発明は、第1方向に駆動されるコンベヤベルトを使用した製品の移送方法を提供する。コンベヤベルトは転送ローラを有するセクションが含まれている。転送ローラ(またはローラ自体が磁性をもつか磁石で構成されている場合は、材料が磁石に引き付けられ、この場合は磁場がローラと共に走行する)は、磁場を横切るコンベヤベルトで動く。磁場は、第1方向即ちコンベヤベルトの移動方向に対して一般的に横方向の選択方向にローラを回転させる。(磁場は、加速、減速、またはローラの制動ができる)。この方法は転送ローラを使用してコンベヤベルトから1つ以上のオブジェクトを転送することで完了する。転送ローラを回転させるには、第1方向(ベルトの進行方向)と角度を有する軸周りに各転送ローラを回転させることを含めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
特性、対象、及び本発明の利点を更に理解するために、以下の詳細な説明を図面と併せて参照され、その際参照符号はエレメントと下記内容を表す。
【図1】図1は、本発明の装置の一実施形態の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の装置の別の実施形態の斜視図である。
【図3】図3は、本発明の装置の一実施例の部分斜視図である。
【図4】図4は、本発明の装置の一実施例の部分斜視図である。
【図5】図5は、単一角のローラベルトを示す本発明の装置の一実施例の部分斜視図である。
【図6】図6は、デュアルアングルローラベルトを示す本発明の装置の一実施例の部分斜視図である。
【図7】図7は、ロータを示す本発明の装置の一実施例の部分斜視図である。
【図8】図8は、ロータを示す本発明の装置の一実施例の部分斜視図である。
【図9】図9は、ロータを示す本発明の装置の一実施例の部分斜視図である。
【図10】図10は、ロータを示す本発明の装置の一実施例の部分斜視図である。
【図11】図11は、ロータを示す本発明の装置の一実施例の部分斜視図である。
【図12】図12は、本発明の装置の実施形態の一部の斜視図である。
【図13】図13は、図1の実施形態の拡大斜視図である。
【図14】図14は、本発明の装置の一実施形態の断片の図である。
【図15】図15は、本発明の装置の一実施形態の斜視図である。
【図16】図16は、本発明の装置の別の実施形態の概略平面図である。
【図17】図17は、本発明の装置の別の実施形態の概略平面図である。
【図18】図18は、本発明の装置の別の実施形態の部分斜視図である。
【図19】図19は、本発明の装置の別の実施形態の分解斜視図である。
【図20】図20は、本発明の装置の好ましい実施形態の概略端面図である。
【図21】図21は、本発明の装置の好ましい実施形態の概略端面図である。
【図22】図22は、本発明の装置の好ましい実施形態の概略端面図である。
【図23】図23は、磁気分析を示す本発明の装置の別の実施形態の模式図である。
【図24】図24は、本発明の装置の別の実施形態の模式図である。
【図25】図25は、本発明の装置の代替実施形態の回路図である。
【図26】図26は、ステータのモジュールの電子回路のブロック図の形態で本発明の装置の別の実施形態の模式図である。
【図27】図27Aと27Bは、双方向のロータを含む本発明の装置の一実施例の部分的な斜視図である。
【図28】図28は横ローラを含む本発明の装置の一実施例の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1と3に、10で一般的に指定された本発明の装置の実施例を示す。コンベヤベルト装置10は、パッケージまたは製品11の分離または加速機能を実行するために使用される。図1において、コンベヤベルト装置10は、図15のモジュール18のような1またはそれ以上のベルトモジュールの一連の行で構成されたベルトコンベヤ12を使用している。
【0023】
各モジュール18は、複数ローラ21を提供する。ローラ21は、インラインベルトローラである。即ちそれらは、ベルト移送方向46にインラインに、又は平行に製品を加速するために配置されている。インラインローラは、ベルト移送方向に垂直に軸13上を回転する。図15では、各ローラ21は、ベルトの空洞部から延びて、モジュール18の上面22を通過する。しかし、インラインベルトローラは、ベルト上面上に完全に存在するか、または反対側の底部ベルト表面14を越えて出ることができる。
【0024】
各モジュール18は、別のモジュールに接続するための目27、28を提供するためリンク29、30を有する。モジュール18は1つの列の端から端まで、又は好ましくはレンガを積んだようなパターンで、モジュールの一連の行の側面から側面までかつ端から端まで接続できるように一致して構成できる。モジュール18のようなモジュールのいくつかの行は、コンベヤベルト12を形成するために端から端まで接続されている。このような場合には、モジュールのいずれかの行のリンクは、モジュールの次の行のリンクに接続する。ピン15は、別の行のリンクに他行のリンクを接続するために使用される。
【0025】
モジュラーコンベヤベルト12を形成するために、反対側の端部に沿って、ヒンジで端から端まで、1対のモジュールまたはモジュールの行18を他のモジュールと、コンベヤベルト12を作るためリンク29はリンク30と接続される。開口部27と28が整列されるように、例えば、モジュール18のリンク29はヒンジで同一モジュールの反対側の端にあるリンク30と連結することができる。ヒンジピン15は、整列された目(即ち開口部)27、28を通して配置することができる。
【0026】
各インラインベルトローラ21は、ロータ20を有する。ロータ20の例を、例示目的のため取り外したローラの外周と共に図3に示す。各ロータ20は、永久磁石や電磁石、または可変リラクタンスモータやスイッチドリラクタンスモータのステータの複数の磁石から発生する磁場によって回転される。
【0027】
図3に、複数の磁石40を離れた位置で示す。図3のロータ20は4極ロータで、各磁極は41によって指定される。各磁極41は、磁極面42を有する。平行磁極は、ロータ軸方向に沿って直線的に延びている。一実施形態では、磁極面42は、磁石40の幅44とほぼ等しい幅43とすることができる。図15のローラ21は、ロータ20とカプセル、クラッド、被覆、またはプラスチックなどの非金属材料のコーティングからなる。
【0028】
操作では、コンベヤベルトモジュール18と他のモジュールは、ベルト移送方向46に進んでいる。磁石40は、カプセル化されたロータ20からなるインラインローラ21を有する走行ベルトのモジュール18の下に配置されている。モジュール18が磁場(上矢印と下矢印45、45’で示される。図3に2つの磁石を示す)を通過する時、各ローラ21のロータ20は、磁場45、45’の影響下に落下することで回転する。磁石40は静止しており、モジュール18の下に位置付けられる。ローラ21は、矢印46の方向に、モジュール18と共に移動する。
【0029】
磁場45はローラ21を整列させ、ロータ20の各磁極41の磁極面42は、1つの磁石または磁石40を整列させる。図3では、磁石の行は行47〜54に指定されている。 矢印45と45’が反対の方向で表示されているように、磁石は行から行へ交互に極性を変化させる。図3では、ロータ20が、磁極41が行51で指定される磁石の行を整列させる位置に達している。
【0030】
行51の磁石40は、ロータ20の磁極41が行51の磁石40を整列するように、磁極41を引付けている。コンベヤベルトが継続的に前進して、行52の磁石40を整列するため、図3の位置55に、ロータ磁極41を配置する位置にローラ21とロータ20が到る。コンベヤベルトが継続的に前進して、行53の磁石40を整列するように、ロータ磁極41が位置56に到る。その結果、図1のコンベヤベルト12中のインラインベルトローラ21は、コンベヤベルトの下に在る磁石によって生成される磁場の影響を受けて、ベルト移送方向46に回転し、ベルトに沿って前方にローラ上の製品11を進める。
【0031】
図2と4では、符号16で指定する本発明の装置の別の実施形態を示す。コンベヤベルト装置16は、パッケージまたは製品11の移送機能を実行するために使用される。図2では、コンベヤベルト装置16は、第1ベルトコンベヤ9と第1コンベヤ9から製品を受取れるように配置された第2コンベヤ8を使用している。
【0032】
第1コンベヤ9は、図14に示すように、モジュール17のような複数のモジュールを備える。各モジュール17は、製品を支持する複数ローラ19を備える。転送ローラ19は、それらがベルト移送方向46に対して斜めまたは垂直方向に回転するように配置されている。転送ローラは、ベルトに任意の数の材料の転送、選別、個片化、整列、及び方向などのハンドリング機能を与える。ベルト移送方向46に平行な軸上をベルトの走行方向に対して横方向(垂直方向)に回転するためである。この例では、転送ローラ19は横ローラと呼ばれる。各横ローラ19は、モジュール17の搬送上面22より上に出ている。図14では、転送ローラ19は、モジュール17の上面22を超えて底面14を通過した位置に示される。横ローラ上に支持されている製品がアウトフィードベルト8へと横方向に押される。横(転送)ローラ19は、底面からはみ出す必要はなく、上面上に完全に存在できるかもしれない。
【0033】
第1モジュラーコンベヤベルト9を形成する際に、リンク25は、他のモジュールとコンベヤベルト9を形成するために、モジュール対またはモジュール17の行を端から端までヒンジで連結することで、反対側の端部に沿ってリンク26に結合される。例えば、モジュール17のリンク25は、ヒンジで開口23と24が一列に並ぶように同一モジュールの反対側の端にあるリンク26と連結することができる。ヒンジピン15はその後、モジュール同士をリンクするため、目(開口部)23、24を通すために配置することができる。
【0034】
図4、7、28では、ロータ31、36はそれぞれ、スパイラル状に配置またはらせん状に配置された複数のロータ磁極57〜60を有する。図4の磁石61は、ベルトの進行方向に整列されたロータ31の軸67に対してある角度で配置されている。図4の磁石61は、ベルト移送方向46に対して角度を付けている。図2の第1コンベヤ9は、ベルト移送方向46に進み、コンベヤを横断する磁場が横ローラを回転させ、搬送製品を第1コンベヤの側面に押し、テイクアウェイコンベヤ8上へ押し出す。選択的にローラの回転を可能にするため、磁石は、機械的なアクチュエータによりコンベヤベルト下に配置することができる。図28に、ベルト移送方向46に延びた6本の並列空洞122を有するコンベヤベルトモジュール121のローラ123の一構成を示す。横ローラ123は、各空洞部内に収容される。空洞の各端部の端壁124は、緩やかにロータ31の軸穴127に収容されているローラの車軸126の両端を支持するための穴125を持っている。ロータは、ローラ123の円筒形の外周シェル129の穴128にぴったりと収容される。外周シェルは、製品と高い摩擦接触が必要な場合、好ましくはプラスチックとゴム等のエラストマーをコートしたものがよい。ロータとシェル間の空隙は、注封用化合物で埋めるか、サニタリー用途にてローラの少なくとも両端を密封するためにエンドキャップを取り付けることができる。
【0035】
図5は、斜め転送ローラの配置を示している。ローラのロータ31は、コンベヤベルトの順方向に対して左右に製品を押し出すため、ベルト移送方向46に対して斜めの軸67の周りを回転する。コンベヤが進むにつれて、ロータは複数の磁石37の影響を受けて回転する。磁石37は軸67と鋭角を形成する。磁石37はまた、ベルト移送方向に対して斜めに配置されている。図6のデュアルアングルのローラベルト配置では、上部ローラ38はロータ31を持つ下部ローラ19’上で停止している。上部ローラ38は、ロータを持っているわけではなく、下部ローラ19’と噛み合い回転する。上部ローラは、下部ローラ19’と反対方向に回転し、ベルト移送方向46と反対の動きで製品を進ませることができる。この例では、下部ローラ19’は、それが上部ローラに接触できる限り、ベルトの搬送面を越えて出る必要はない。
【0036】
図7〜11と27では、インラインローラ21または転送ローラ19の一部であるロータ形状を示す。図7のロータ36では、スパイラル(らせん状)磁極をロータ31のように反時計回りでなく、時計回りに巻き付けることができる。この配置では、ロータ31の回転方向とは異なる回転方向にロータ36が回転する。
【0037】
図27Aと27Bは、図7のロータ36では時計回りのスパイラル磁極と、図4のロータ31の反時計回りのスパイラル磁極の組合せである双方向ロータ95を示す。その結果は、時計回りと反時計回りの溝115、116を交差で区切られた複数のダイヤモンド形磁極面113と、ハーフダイヤモンド形磁極面114である。例えば、図27Aの磁極面114A、113A、113B、113C、及び114Bは、連続的な反時計回り磁極のような単一のセグメント化された反時計回り磁極を形成する。図27Bの磁極面114C、113D、113B、113E、及び114Dは、図7のロータの連続的な時計回り磁極のような単一にセグメント化された時計回り磁極を形成しる。図27Aのような向きに埋め込まれた磁石117と共に、ロータは、矢印46の方向にコンベヤベルトが進むと、角度を付けた磁石によって生成される磁場とセグメント化された反時計回りの磁極との相互作用により時計回り118に回転する。図27Bのような向きに埋め込まれた磁石119とともに、ロータは、矢印46の方向にコンベヤベルトが進むと、角度を付けた磁石によって生成される磁場とセグメント化された時計回り磁極の相互作用により、反時計回り120に回転する。ロータ回転方向も、矢印46と逆方向にコンベヤベルトを進めることによって、反転させることができる。従って、これらの双方向のロータを持つローラのコンベヤベルトは、埋め込み磁石の適切な配置によって、どちらかの側に製品をそらすために使用することができる。埋め込み磁石の角度と位置は固定されるか、回転方向制御を可能にする手段を提供することによって、パッケージ11の動作方向を機械的に配向させることができる。
【0038】
図8では、ロータ32は、らせん状に巻かれた一対のメンバ62、63を有する。図9では、ロータ33は、らせん状に形成された磁気バンド65をロータ上に有する筒64である。図10では、ロータ34は、図4に示す3つの磁極(4磁極ではない)を持っている。図11では、ロータ35は、らせん状の板形状66である。
【0039】
図5のような転送ローラ配列の一部を図12及び図13に示す。永久磁石の代わりにベース98上に置かれた電磁石39、39’を除き、それぞれの電磁石は、コイル96が巻かれている鉄芯97を有する。電磁石の磁極面99は、図5中の永久磁石の磁極面のように配置されている。そして電磁石を過ぎてベルトが進むとき、ベルトローラのロータ36を回転させる磁場を生成する。磁石によって生成される磁場は、必要に応じて選択的に励磁され、また非励磁される。
【0040】
図16〜26は、図16〜17中の符号70によって一般的に指定された本発明装置の別の実施形態を示す。複数のベースプレート80は、コンベヤベルト下のステータの一部を支持し形成する。図16と17は、例示的にステータのレイアウトを示す。図16のレイアウト73は、高い合成軌道角とパッケージ11のため、又は図2のように横方向ローラベルトと共に使用される時、図16の矢印72により概略的に示されるような一般的にストレートな左右の動きのためレイアウトされた開口部130でステータの位置を提供する。図17に、低軌道角に使用できる千鳥状に並べられたステータのレイアウト74を示す。図17で矢印75は模式的にパッケージ11の移動方向を示している。図16と17の矢印71は、概略的にコンベヤの動く方向を示している。
【0041】
図16と17のコンベヤは、エッジ部分76、77を有するコンベヤフレーム90を提供する。各ステータのベースプレート80は、スイッチドリラクタンスモータのステータを取り付けることができる。図18と19で、2つの横方向転送ローラと2つのステータが、ステータとロータで形成されたスイッチドリラクタンスモータの例として示されている。プレート80は、例えば6つのローラまでの複数ローラを制御するステータをポピュレートできる。ベースプレート80は、コンベヤフレーム90に取り付けて、ステータコア83、84、85を機械的に支持して、上向きの磁極面102、103、104で終わっている。ベースプレート80は、磁束のリターンパスを提供するために、積層、軟磁性(鉄)の材料で製作される。
【0042】
図18と19では、それぞれのローラの下に3つの積層ステータコアが存在できる。任意の数のローラがコンベヤ70の任意の長さにわたって作動させることができるように、ステータの構造はモジュール式にできる。図18に見られるように、3つのステータコアの2つは、ベースプレート80に取付けられる。開口部130に収容される4つの磁極面と共に図19に示されている他のコア85は、ロータ81、82の軸方向からずれて、下に中心のある磁極面と共に、外側のステータ磁極83、84の間に挟まれている。コイル86は、コアを受け取る穴付きナイロンボビンに巻くことができる。ベースプレート80と磁極83、84、85の全体の組み立ては、適切な機械的登録を取得するために使用されるナイロンのファスナー78、ナット79とリテーナ105を使用して一緒にボルトで固定することができる。
【0043】
図20に示すのは、垂直に対して相対的に−30°の回転角のロータ81、82を有するコンベヤベルト70の正面図である。図20では、各右側ステータ磁極面103は各ロータ81、82の磁極106とぴったり合う。右側の磁極面の引力は、ステータの制御回路により停止する。中央のステータの磁極面104は、通電されると図21に示すように、垂直に対して0°の位置にロータ磁極106を引きつける。左側のステータ磁極面102は、通電されると図22に示すように+30°の回転角度となる。上記のシーケンスは繰り返すことができ、4極ロータの回転につき12通電パルスで連続して時計回りにローラ81、82に与えることになる。コンベヤベルトが移動または静止しているかどうかに関係なく、ローラを回転させることができる。シーケンスの順序は、ローラ81、82の反時計回りの回転を達成するために逆にすることができる。この配置のための磁気回路には、フィールドラインが1つのロータ磁極と2つのステータ磁極面を介してロータ81、82に沿って軸方向に作用する。ベルトの位置に係らず、ロータ下に各フェーズの2つのステータ磁極面が常に存在する。
【0044】
図23は、本発明のスイッチドリラクタンスローラ配置の磁気回路の磁気分析を示している。ほとんどのスイッチドリラクタンスモータのパスは2つのロータ磁極を介して半径方向に作用する。本発明のスイッチドリラクタンスローラ配置のパスは、1つのロータ磁極を通して長手方向に作用する。磁束は、ステータ磁極から、隣接するステータ磁極に、ロータを介して循環し、ベースプレート80を通って戻る。磁気回路のFEA(有限要素解析)のプロットを図23に示す。プロットの上部のバー87は、ベルト移送方向46の軸方向に整列したロータ磁極である。磁気回路の残りの部分はU字型を形成し、Uの2つの垂直の足が2つの連続した右手(または左手または中央)ステータコア84を表し、Uのベースは、ベースプレート80を表している。開いている長方形の2組は、ステータコイル86で、それぞれ巻かれ、各磁極面103において反対の磁極を生成するために通電される。
【0045】
本発明のスイッチドリラクタンスローラ配置の概略図を図24に示す。個々のコイルは、図25に示すような電子回路によって通電されている。 コイル86上の各ステータコア84、85、83は、順番にA−B−Cの順で操作され、時計回りの回転のためのロータ磁極88、89、91、92を引付ける。シーケンスは、反時計回りに回転させるためA−C−Bと88−92−91−89である。
【0046】
図25のステータコイルの駆動回路108は、各フェーズの2つの独立したスイッチを有することができる。高側スイッチング93(M1、M2とM3)は、直流電源107から相巻線に電源投入して、直流電圧(DC_Supply)を供給する。その間低側スイッチング94(M4、M5、M6)は、PWM(パルス幅変調)信号(PWM_A、PWM_B、PWM_C)でモータの速度制御用に地面にパルス出力する。ダイオード(D1−D6)は、ステータコイル86(L1、L2、L3)が無通電のときに、相巻線からフライバック電圧をキャッチする。電子回路は、ロータ81、82の位置を、駆動電流に比例する生成磁束に基づいて検出する。これはすべて図26に示すようなマイクロプロセッサの制御下で動作することができる。1つのプロセッサ110は、動きの要求に応じて、単一のローラ81、82の位置、ローラの行、またはローラの配列全体をコントロールする。
【0047】
図26は、スイッチドリラクタンスモータのローラの動作を示すブロック図である。本発明のこの構成には柔軟性がある。1つまたは複数のステータコイルを選択的に、PWM信号のような信号109によって、コイルの駆動回路108を介して通電し、また停止する。制御CPU110は、マイクロプロセッサであってもよく、個々のステータの制御モジュール111と通信する。例えばすべてのステータの制御モジュールと連結したシリアルバス112上でステータベースプレートの1つずつと通信する。シリアルバスは、送信線(Txデータ)と受信線(Rxデータ)が含まれている。制御CPUは、各ステータの制御モジュール111に宛てシリアルバスを介してコマンド、コントロール、及びデータ要求信号を送信する。ステータのモジュールは、そのコイルの駆動回路108によって測定された瞬時コイル電流のように、状態、診断、及び他のデータで応答する。このように制御CPUは、要求通りにベルトローラを回転させるコイル制御を調整することができる。個々のコイル86は、選別、回転、個片化、及び移送するために速度と方向の両者を制御することができる。利点は、これらの非接触、すなわちベルトローラとコンベヤフレームの軸受面間の物理的な接触は、処理をソフトウェアで設定することができることであり、ベルト速度とほぼ無関係にできることである。どんなベルト幅または長さのコントロールを容易に構成することができる。ステータは、ベースプレート80の一部である回路基板上に作られた内部接続を持つモジュール構造となる。ステータは、コンベヤベルト70の下部で、その領域にタイルを張り、その上で搬送製品のローラ回転または目標軌道に搬送動作が行われる。モジュラーステータ間の相互接続が通信経路を定め、ステータの駆動回路と次のステータへ電力を供給する。
【0048】
詳述されている例のほとんどで、ローラは製品の支持ローラであった。しかし、磁気駆動ローラは、搬送製品に接触すらしないローラの可能性がある。例えば、磁気駆動ローラは、コンベヤベルトあるいはコンベヤベルト自体の中で他のローラやエレメントを駆動するために使用することができる。ローラは、必ずしもベルトのいずれかの外面を越えて出る必要はない。前述のように、ロータをコンベヤフレームの磁石と共に使用する場合は金属材料で作るか、例えば非磁性ロータと共に使用される磁石のような場所のフレーム内では、金属元素と相互作用する磁性材料で作ることができる。
【0049】
特に断わらない限り、本明細書に示されるすべての測定は、地球上の平均海面レベルの標準温度と圧力で行われる。
【0050】
上記実施形態は単なる例示で示されているが、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ限定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のローラをもつコンベヤベルトと、コンベヤベルトを通過し、ローラの回転に影響を与えるローラと相互作用する磁場からなるコンベヤ。
【請求項2】
ローラが、少なくとも二つの磁極を持つロータを有する請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項3】
磁極がらせん状である請求項2に記載のコンベヤ。
【請求項4】
磁極が直線状である請求項2に記載のコンベヤ。
【請求項5】
ロータが、溝間にセグメント化された磁極を提供するため、交差する周縁に、時計回りに平行な溝と反時計回りに平行な溝を有する請求項2に記載のコンベヤ。
【請求項6】
磁場を生成し、ロータとスイッチドリラクタンスモータを形成するコンベヤベルト下にステータを備える請求項2に記載のコンベヤ。
【請求項7】
ステータがコイルを有し、コンベヤがさらに磁場を変更するためにコイルに選択的に通電するコイルの駆動回路を有する請求項6に記載のコンベヤ。
【請求項8】
コンベヤに沿って離れて置かれ、コンベヤベルトのローラ下にある磁石を有する請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項9】
磁石が電磁石である請求項8に記載のコンベヤ。
【請求項10】
磁石が永久磁石である請求項8に記載のコンベヤ。
【請求項11】
ローラが製品を支持するローラである請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項12】
ローラがインラインローラである請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項13】
ローラが横ローラである請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項14】
ローラが斜めローラである請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項15】
ローラがコンベヤベルトに沿ってローラの上で搬送される製品を押すために回転する請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項16】
ローラを回転させるために磁場を介してベルト移送方向にコンベヤベルトが進む請求項1に記載のコンベヤベルト。
【請求項17】
ローラの回転に影響を与える磁場との相互作用に適応した磁極のロータを持つ複数のローラを備えるコンベヤベルト。
【請求項18】
磁極がらせん状である請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項19】
磁極が線形である請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項20】
ロータが、溝間にセグメント化された磁極を提供するために、交差するそれらの周縁に時計回りの平行な溝と反時計回りの平行な溝を有する請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項21】
ローラが、製品を支持するローラである請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項22】
ローラはインラインローラである請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項23】
ローラが横ローラである請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項24】
ローラが斜めローラである請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項25】
各モジュールが最初の端部からベルト移送方向の次の端部に延びる本体部分を備え、コンベヤベルトを形成するため、端から端までヒンジで連結された一連のベルトモジュールと、
モジュールの少なくともいくつかの本体部分が、搬送面と搬送面の反対側に底面を有し、少なくとも一つの本体部分に形成された空洞部または開口部と、回動自在に回転するように空洞内に配置されたローラを有する請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項26】
ロータが磁性材料でできている請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項27】
ロータを金属材料でできている請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項28】
製品の移送方法として、その方法が下記を備える:
a)コンベヤベルトのローラの上で製品を支持し;
b)磁場下にローラを置き;
c)磁場で回転方向にローラを回転させ;
d)回転ローラでコンベヤベルトに沿って、1つ以上の製品を前進させる。
【請求項29】
ステップ(c)において、ローラが磁石で回転される請求項28に記載の方法。
【請求項30】
ステップ(c)において、ローラがスイッチドリラクタンスモータのステータにより回転される請求項28に記載の方法。
【請求項31】
磁場が選択的に励磁される請求項28に記載の方法。
【請求項32】
コンベヤベルトの直線的な移動がロータの回転運動を生成する請求項28に記載の方法。
【請求項33】
ロータと回転軸を有する複数のローラを有するコンベヤベルトと
磁場と複数ローラのロータを結合し、ロータとスイッチドリラクタンスモータを形成するために置かれた複数のステータを備え、
ローラがスイッチドリラクタンスモータにより生成された磁場と接触する時、回転軸周りに回転するスイッチドリラクタンスモータにより制御されるコンベヤ。
【請求項34】
ステータがコンベヤベルトの下に置かれている請求項33に記載のコンベヤ。
【請求項1】
複数のローラをもつコンベヤベルトと、コンベヤベルトを通過し、ローラの回転に影響を与えるローラと相互作用する磁場からなるコンベヤ。
【請求項2】
ローラが、少なくとも二つの磁極を持つロータを有する請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項3】
磁極がらせん状である請求項2に記載のコンベヤ。
【請求項4】
磁極が直線状である請求項2に記載のコンベヤ。
【請求項5】
ロータが、溝間にセグメント化された磁極を提供するため、交差する周縁に、時計回りに平行な溝と反時計回りに平行な溝を有する請求項2に記載のコンベヤ。
【請求項6】
磁場を生成し、ロータとスイッチドリラクタンスモータを形成するコンベヤベルト下にステータを備える請求項2に記載のコンベヤ。
【請求項7】
ステータがコイルを有し、コンベヤがさらに磁場を変更するためにコイルに選択的に通電するコイルの駆動回路を有する請求項6に記載のコンベヤ。
【請求項8】
コンベヤに沿って離れて置かれ、コンベヤベルトのローラ下にある磁石を有する請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項9】
磁石が電磁石である請求項8に記載のコンベヤ。
【請求項10】
磁石が永久磁石である請求項8に記載のコンベヤ。
【請求項11】
ローラが製品を支持するローラである請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項12】
ローラがインラインローラである請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項13】
ローラが横ローラである請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項14】
ローラが斜めローラである請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項15】
ローラがコンベヤベルトに沿ってローラの上で搬送される製品を押すために回転する請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項16】
ローラを回転させるために磁場を介してベルト移送方向にコンベヤベルトが進む請求項1に記載のコンベヤベルト。
【請求項17】
ローラの回転に影響を与える磁場との相互作用に適応した磁極のロータを持つ複数のローラを備えるコンベヤベルト。
【請求項18】
磁極がらせん状である請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項19】
磁極が線形である請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項20】
ロータが、溝間にセグメント化された磁極を提供するために、交差するそれらの周縁に時計回りの平行な溝と反時計回りの平行な溝を有する請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項21】
ローラが、製品を支持するローラである請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項22】
ローラはインラインローラである請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項23】
ローラが横ローラである請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項24】
ローラが斜めローラである請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項25】
各モジュールが最初の端部からベルト移送方向の次の端部に延びる本体部分を備え、コンベヤベルトを形成するため、端から端までヒンジで連結された一連のベルトモジュールと、
モジュールの少なくともいくつかの本体部分が、搬送面と搬送面の反対側に底面を有し、少なくとも一つの本体部分に形成された空洞部または開口部と、回動自在に回転するように空洞内に配置されたローラを有する請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項26】
ロータが磁性材料でできている請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項27】
ロータを金属材料でできている請求項17に記載のコンベヤベルト。
【請求項28】
製品の移送方法として、その方法が下記を備える:
a)コンベヤベルトのローラの上で製品を支持し;
b)磁場下にローラを置き;
c)磁場で回転方向にローラを回転させ;
d)回転ローラでコンベヤベルトに沿って、1つ以上の製品を前進させる。
【請求項29】
ステップ(c)において、ローラが磁石で回転される請求項28に記載の方法。
【請求項30】
ステップ(c)において、ローラがスイッチドリラクタンスモータのステータにより回転される請求項28に記載の方法。
【請求項31】
磁場が選択的に励磁される請求項28に記載の方法。
【請求項32】
コンベヤベルトの直線的な移動がロータの回転運動を生成する請求項28に記載の方法。
【請求項33】
ロータと回転軸を有する複数のローラを有するコンベヤベルトと
磁場と複数ローラのロータを結合し、ロータとスイッチドリラクタンスモータを形成するために置かれた複数のステータを備え、
ローラがスイッチドリラクタンスモータにより生成された磁場と接触する時、回転軸周りに回転するスイッチドリラクタンスモータにより制御されるコンベヤ。
【請求項34】
ステータがコンベヤベルトの下に置かれている請求項33に記載のコンベヤ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図28】
【公表番号】特表2012−520814(P2012−520814A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500893(P2012−500893)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/027500
【国際公開番号】WO2010/107806
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(508181663)レイトラム,エル.エル.シー. (43)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/027500
【国際公開番号】WO2010/107806
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(508181663)レイトラム,エル.エル.シー. (43)
【Fターム(参考)】
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