説明

磁界発生装置

【課題】より均等にターゲットをスパッタでき、磁場分布補正を行う磁性板の配置も容易となるなど、極めて実用性に優れた磁界発生装置の提供。
【解決手段】磁気回路を有するマグネトロンスパッタリング装置用の磁界発生装置において、磁気回路は、内側永久磁石2、内側永久磁石2を取り囲むように設ける外側永久磁石3、及び、内側永久磁石2に隣接する第一の補助永久磁石4と、外側永久磁石3に隣接する第二の補助永久磁石5と、第一の補助永久磁石4と第二の補助永久磁石5との間に設けられ、磁気回路の磁束密度の垂直成分がゼロ点を3回交差するゼロ点交差領域若しくは磁束密度の垂直成分がゼロ点でフラットとなるゼロ周辺領域が形成されるように磁化方向が設定される第三の補助永久磁石6とから成る補助永久磁石を有する磁界発生装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネトロンスパッタリング装置用の磁界発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板表面に薄膜を形成するために用いられるスパッタリング装置として、ターゲットの裏面に設けた磁気回路を用いてターゲットの表面側に磁場を発生させ、この磁場によりプラズマ密度を高めることで成膜効率を上げる所謂マグネトロンスパッタリング装置が広く利用されている。
【0003】
ところで、このマグネトロンスパッタリング装置には、ターゲットが均等にスパッタされず、一部が集中してスパッタされる(エロージョン領域が狭い)ことで、スパッタされにくい部位に比較的多くのターゲット材料が残ったままターゲット寿命が尽きてしまう問題点があり、例えば特許文献1に開示されるように、ターゲットをできるだけ均等にスパッタすべく磁気回路を構成する永久磁石の配置等を設定するなどしてターゲット寿命の長期化を図っているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−57622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述のような現状に鑑み、ターゲット寿命の更なる長期化を図るべくなされたもので、ターゲットのスパッタされる領域(エロージョン領域)が拡大され、より均等にターゲットをスパッタでき、また、膜厚分布調整を行う際の磁場分布補正のための磁性板の配置も容易となるなど、極めて実用性に優れた磁界発生装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
磁界発生用の磁気回路とこの磁気回路に近接して配置されるターゲットを支持するターゲット支持体とを備えたマグネトロンスパッタリング装置用の磁界発生装置において、前記磁気回路は、底部ヨーク1に接着されターゲット面に対して直交する方向に沿った磁化方向を有する内側永久磁石2と、この内側永久磁石2を取り囲むように前記底部ヨーク1に接着され内側永久磁石2とは反対方向の磁化方向を有する外側永久磁石3と、ターゲット表面における磁束密度の垂直成分がゼロ点を3回交差するゼロ点交差領域を形成するか若しくは前記磁束密度の垂直成分がゼロ点でフラットとなるゼロ周辺領域が形成されるように前記底部ヨーク1に接着される補助永久磁石とを有し、前記補助永久磁石は、前記内側永久磁石2に隣接するように前記底部ヨーク1に接着され、前記内側永久磁石2とは反対方向の磁化方向を有する第一の補助永久磁石4と、前記外側永久磁石3に隣接するように前記底部ヨーク1に接着され、前記外側永久磁石3とは反対方向の磁化方向を有する第二の補助永久磁石5と、前記第一の補助永久磁石4と前記第二の補助永久磁石5との間で前記底部ヨーク1に接着され、前記磁気回路の磁束密度の垂直成分がゼロ点を3回交差するゼロ点交差領域を形成するか若しくは前記磁束密度の垂直成分がゼロ点でフラットとなるゼロ周辺領域が形成されるように磁化方向が設定される第三の補助永久磁石6とから成ることを特徴とする磁界発生装置に係るものである。
【0008】
また、前記内側永久磁石2及びこの内側永久磁石2に隣接する前記第一の補助永久磁石4の先端部は、この先端部に磁性板7が載置できるように同一高さに設定したことを特徴とする請求項1に記載の磁界発生装置に係るものである。
【0009】
また、前記外側永久磁石3及びこの外側永久磁石3に隣接する前記第二の補助永久磁石5の先端部は、この先端部に磁性板7が載置できるように同一高さに設定したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の磁界発生装置に係るものである。
【0010】
また、前記永久磁石の先端部に磁性板7を載置し、この磁性板7により前記ゼロ周辺領域を−30[G]以上+30[G]以下の範囲に設定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁界発生装置に係るものである。
【0011】
また、前記内側永久磁石2、前記外側永久磁石3、前記第一の補助永久磁石4、前記第二の補助永久磁石5及び前記第三の補助永久磁石6が、Nd−Fe−B系磁石から構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁界発生装置に係るものである。
【0012】
また、前記内側永久磁石2及び前記第一の補助永久磁石4若しくは前記外側永久磁石3及び前記第二の補助永久磁石5のユニットサイズを当該永久磁石の先端部に載置する磁性板7の形状と同一形状に設定したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁界発生装置に係るものである。
【0013】
また、前記内側永久磁石2及び前記第一の補助永久磁石4並びに前記外側永久磁石3及び前記第二の補助永久磁石5の磁化方向の傾きが、夫々、隣接する永久磁石と所定角度で交差するように前記各補助永久磁石を配置したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁界発生装置に係るものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述のように構成したから、ターゲットのエロージョン領域が拡大し、より均等にターゲットをスパッタでき、また、磁場分布補正を行う磁性板の配置も容易となるなど、極めて実用性に優れた磁界発生装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施例の構成概略説明断面図である。
【図2】本実施例の構成概略説明平面図である。
【図3】磁性板の取付構成の概略説明図である。
【図4】永久磁石の磁化方向の傾きを説明する概略説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0017】
磁気回路により生じる磁界は、ターゲット表面における磁束密度の垂直成分がゼロ点を3回交差するゼロ点交差領域を形成するか若しくは前記磁束密度の垂直成分がゼロ点でフラットとなるゼロ周辺領域を形成する。
【0018】
この際、内側永久磁石2に隣接配置した第一の補助永久磁石4及び外側永久磁石3に隣接配置した第二の補助永久磁石5を用いることで、磁束密度垂直成分の磁石真上からの勾配を急峻にすることができると共に、これらに加えて第三の補助永久磁石6を用いることで、ゼロ点交差領域若しくはゼロ周辺領域を従来技術(特許文献1)よりも一層広く確保することが可能となり、よって、エロージョン領域を広くすることが可能で、それだけ材料使用効率を改善することができる。
【0019】
また、よりむらのない磁界を形成すべく、磁性板を用いて一部の磁場強度を弱くしたい場合がある。この場合、磁束密度垂直成分の特性形状を大きく変えることなく磁場強度を弱くするには、磁石直上に磁性板を貼り付ける必要がある。しかし、従来技術(特許文献1)では底部ヨーク33に設けられる磁石直上に磁性板30を貼ろうとすると、磁束密度が集中しているN極31とS極32との間に磁性板30がずれてしまう(図3(a)参照)。そのため、磁性板30を固定するためには、接着材を用いる必要があり、それだけ固定に時間がかかる。
【0020】
この点、本発明は、N極とS極とが互いに隣接するため(例えば外側永久磁石3及び第二の補助永久磁石5、図3(b)参照)、磁束密度が集中する箇所が隣接する磁石同士の境界部分となって極めてずれ難くなり、磁性板7の固定に接着材を用いる必要がない。よって、磁性板7の貼り付けに要する時間を大幅に短縮することが可能となり、簡単に、よりむらのない磁界を形成できることになる。
【0021】
更に、例えば、前記内側永久磁石2及び前記第一の補助永久磁石4若しくは前記外側永久磁石3及び前記第二の補助永久磁石5のユニットサイズを当該永久磁石の先端部に載置する磁性板7の形状と同一形状に設定した場合には、どの位置に磁性板7を貼り付けるかの目安になり、磁性板7の貼り付けに要する時間を一層短縮することが可能となる。
【実施例】
【0022】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0023】
本実施例は、磁界発生用の磁気回路とこの磁気回路に近接して配置されるターゲットを支持するターゲット支持体とを備えたマグネトロンスパッタリング装置用の磁界発生装置において、前記磁気回路は、底部ヨーク1に接着されターゲット面に対して直交する方向に沿った磁化方向を有する内側永久磁石2と、この内側永久磁石2を取り囲むように前記底部ヨーク1に接着され内側永久磁石2とは反対方向の磁化方向を有する外側永久磁石3と、ターゲット表面における磁束密度の垂直成分がゼロ点を3回交差するゼロ点交差領域を形成するか若しくは前記磁束密度の垂直成分がゼロ点でフラットとなるゼロ周辺領域が形成されるように前記底部ヨークに接着される補助永久磁石とを有し、前記補助永久磁石は、前記内側永久磁石2に隣接するように前記底部ヨーク1に接着され、前記内側永久磁石2とは反対方向の磁化方向を有する第一の補助永久磁石4と、前記外側永久磁石3に隣接するように前記底部ヨーク1に接着され、前記外側永久磁石3とは反対方向の磁化方向を有する第二の補助永久磁石5と、前記第一の補助永久磁石4と前記第二の補助永久磁石5との間で前記底部ヨーク1に接着され、前記磁気回路の磁束密度の垂直成分がゼロ点を3回交差するゼロ点交差領域を形成するか若しくは前記磁束密度の垂直成分がゼロ点でフラットとなるゼロ周辺領域が形成されるように磁場方向が設定される第三の補助永久磁石6とから成るものである。
【0024】
本実施例は、水平板状の底部ヨーク1に各永久磁石(夫々Nd−Fe−B系磁石から成る)を立設状態に設けて磁気回路を構成し、更にこの各永久磁石上(磁気回路上)に、水平板状のターゲット支持体(図示省略)を設けたものである。このターゲット支持体にターゲットが支持される。
【0025】
本実施例においては、各永久磁石は平面視ロ字状の枠状体に形成されている。尚、本実施例においては、ターゲットが中心部にターゲットクランプ用の溝が設けられた場合を想定して内側永久磁石2も枠状体として磁気回路の中心部分に空間を設けるようにしているが、ターゲットにクランプ用の溝が不要な場合などには、内側永久磁石2は枠状体とする必要はなく、棒状(I字状)等、他の形状としても良い。
【0026】
なお、各永久磁石は、内側永久磁石2の頂面側がN極の場合、外側永久磁石3の頂面側はS極、第一の補助永久磁石4の頂面側はS極、第二の補助永久磁石5の頂面側はN極となる(逆の場合も同様)。また、第三の補助永久磁石6は、周囲の他の永久磁石により磁界に応じて頂面側をN極若しくはS極に適宜設定する。
【0027】
上述のように構成された磁気回路は、概ね内側永久磁石2と外側永久磁石3との間の中央線部分に磁束密度の垂直成分の中央のゼロ点が存在し、更にこの中央のゼロ点の左右に補助永久磁石により形成されるゼロ点が少なくとも左右1点ずつ2点存在するように構成される。そして内側永久磁石2と外側永久磁石3との間に磁束密度の垂直成分がゼロ点でフラットとなるゼロ周辺領域が形成されるようにしている(即ち、ターゲット表面における磁束密度の垂直成分がゼロ点を3回交差し、且つ、前記磁束密度の垂直成分がゼロ点でフラットとなるゼロ周辺領域を形成している。)。従って、ターゲットには平面視ロ字状に形成されるゼロ周辺領域に沿ってエロージョン領域が形成されることになる。
【0028】
更に、本実施例では、永久磁石の先端部に磁性板7を載置し、この磁性板7により前記ゼロ周辺領域を−30[G]以上+30[G]以下の範囲に設定する。従って、それだけむらのないゼロ周辺領域を形成できることになる。
【0029】
また、通常、当該磁気回路の内側若しくは外側のいずれかの磁場強度を補正すればむらを可及的になくすことができるため、少なくとも、内側永久磁石2及びこの内側永久磁石2に隣接する第一の補助永久磁石4の先端部(頂面)か、若しくは、外側永久磁石3及びこの外側永久磁石3に隣接する第二の補助永久磁石5の先端部(頂面)の、いずれか一方は、先端部に磁性板7が載置できるように同一高さに設定する。
【0030】
本実施例においては、各永久磁石の頂面は同一高さとなるように設定している。ターゲット支持体を良好に設けると共に、磁性体7を良好に設けられるようにするためである。
【0031】
また、磁気回路を構成する各永久磁石(内側永久磁石2及び第一の補助永久磁石4若しくは外側永久磁石3及び第二の補助永久磁石5)のユニットサイズを、載置される磁性板7の平面視形状と同一平面視形状に設定すると、膜厚分布の評価結果を用いて磁性板7を貼り付ける位置を決定する際の目安になり、磁性板7の貼り付けに要する時間を一層短縮することができる。
【0032】
また、本実施例においては、隣接するNS組の磁石の磁化方向の傾きが所定角度で交差するように各永久磁石を配置している。
【0033】
即ち、図4(a)、(b)に図示したように、内側永久磁石2及び第一の補助永久磁石4(外側永久磁石3及び第二の補助永久磁石5)の磁化方向の傾きが、夫々平行となるように配置した場合、膜厚分布にむらが生じてしまう。この点、本実施例においては、可及的にむらが生じないように、図4(c)、(d)に図示したように夫々所定角度(例えば数°)で僅かに交差するように、各永久磁石の磁化方向の傾きを調整して配置している。図4中の矢印は各永久磁石の磁化方向の傾きを示す(白抜き、黒塗りは夫々異なる極性)。なお、図4(a)〜(d)のいずれの場合も、第三の補助永久磁石6の傾きは0°である。
【0034】
永久磁石の磁化方向の傾きは、磁石の製造工程における磁界中成型プロセスにおいて、粉砕された磁石材料の磁化容易軸(磁性体において、その磁化し易い特定の結晶方向)を、磁界方向に沿って完全に揃えることができないことに起因して生じるものであり、この磁化方向の傾きは、測定することで評価できるが、傾きが0[deg.]に近い磁石ピースを選別して磁気回路を構成するには、長納期化・高コスト化は避けられない。
【0035】
この点、上述したように永久磁石の磁化方向の傾きを考慮して調整・配置した場合、磁石ピースの選別を行って磁気回路を構成する場合より、安価に磁気回路を構成することができるだけでなく、ゼロ周辺領域のむらを抑制できることを確認している。
【0036】
本実施例は上述のように構成したから、磁気回路により生じる磁界は、ターゲット表面における磁束密度の垂直成分がゼロ点を3回交差し、且つ、前記磁束密度の垂直成分がゼロ点でフラットとなるゼロ周辺領域を形成する。
【0037】
この際、内側永久磁石2に隣接配置した第一の補助永久磁石4及び外側永久磁石3に隣接配置した第二の補助永久磁石5を用いることで、磁束密度垂直成分の磁石真上からの勾配を急峻にすることができると共に、これらに加えて第三の補助永久磁石6を用いることで、ゼロ周辺領域を従来技術(特許文献1)よりも一層広く確保することが可能となり、よって、エロージョン領域を広くすることが可能で、それだけ材料使用効率を改善することができる。
【0038】
また、補助永久磁石4,5を上記のように配置することで、N極とS極とが互いに隣接するため(例えば外側永久磁石3及び第二の補助永久磁石5、図3(b)参照)、磁束密度が集中する箇所が隣接する磁石同士の境界部分となって、磁性板7を配置しても極めてずれ難くなり、磁性板7の固定に接着材を用いる必要がない。よって、磁性板7の貼り付けに要する時間を大幅に短縮することが可能となり、簡単に、よりむらのない磁界を形成できることになる。
【0039】
尚、この場合、貼り付ける磁性板7の厚みを種々変更することにより、磁束密度垂直成分のゼロ点近傍で生じる垂直磁場強度のむらを補正することができる。
【0040】
よって、本実施例は、ターゲットのエロージョン領域が拡大し、より均等にターゲットをスパッタでき、また、磁場分布補正を行う磁性板の配置も容易となるなど、極めて実用性に優れたものとなる。
【0041】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0042】
1 底部ヨーク
2 内側永久磁石
3 外側永久磁石
4 第一の補助永久磁石
5 第二の補助永久磁石
6 第三の補助永久磁石
7 磁性板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁界発生用の磁気回路とこの磁気回路に近接して配置されるターゲットを支持するターゲット支持体とを備えたマグネトロンスパッタリング装置用の磁界発生装置において、
前記磁気回路は、底部ヨークに接着されターゲット面に対して直交する方向に沿った磁化方向を有する内側永久磁石と、この内側永久磁石を取り囲むように前記底部ヨークに接着され内側永久磁石とは反対方向の磁化方向を有する外側永久磁石と、ターゲット表面における磁束密度の垂直成分がゼロ点を3回交差するゼロ点交差領域を形成するか若しくは前記磁束密度の垂直成分がゼロ点でフラットとなるゼロ周辺領域が形成されるように前記底部ヨークに接着される補助永久磁石とを有し、
前記補助永久磁石は、前記内側永久磁石に隣接するように前記底部ヨークに接着され、前記内側永久磁石とは反対方向の磁化方向を有する第一の補助永久磁石と、
前記外側永久磁石に隣接するように前記底部ヨークに接着され、前記外側永久磁石とは反対方向の磁化方向を有する第二の補助永久磁石と、
前記第一の補助永久磁石と前記第二の補助永久磁石との間で前記底部ヨークに接着され、前記磁気回路の磁束密度の垂直成分がゼロ点を3回交差するゼロ点交差領域を形成するか若しくは前記磁束密度の垂直成分がゼロ点でフラットとなるゼロ周辺領域が形成されるように磁化方向が設定される第三の補助永久磁石とから成ることを特徴とする磁界発生装置。
【請求項2】
前記内側永久磁石及びこの内側永久磁石に隣接する前記第一の補助永久磁石の先端部は、この先端部に磁性板が載置できるように同一高さに設定したことを特徴とする請求項1に記載の磁界発生装置。
【請求項3】
前記外側永久磁石及びこの外側永久磁石に隣接する前記第二の補助永久磁石の先端部は、この先端部に磁性板が載置できるように同一高さに設定したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の磁界発生装置。
【請求項4】
前記永久磁石の先端部に磁性板を載置し、この磁性板により前記ゼロ周辺領域を−30[G]以上+30[G]以下の範囲に設定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁界発生装置。
【請求項5】
前記内側永久磁石、前記外側永久磁石、前記第一の補助永久磁石、前記第二の補助永久磁石及び前記第三の補助永久磁石が、Nd−Fe−B系磁石から構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁界発生装置。
【請求項6】
前記内側永久磁石及び前記第一の補助永久磁石若しくは前記外側永久磁石及び前記第二の補助永久磁石のユニットサイズを当該永久磁石の先端部に載置する磁性板の形状と同一形状に設定したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁界発生装置。
【請求項7】
前記内側永久磁石及び前記第一の補助永久磁石並びに前記外側永久磁石及び前記第二の補助永久磁石の磁化方向の傾きが、夫々、隣接する永久磁石と所定角度で交差するように前記各補助永久磁石を配置したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁界発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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