説明

移動体使用の搬送設備

【課題】移動体の横行方向における間隔維持を構造簡単にして容易に行える移動体使用の搬送設備を提供する。
【解決手段】移動体の本体11を、連結装置20を介して左右方向で相対回動自在に連結した3本のフレーム体12,13,14により形成し、中間部フレーム体13に被搬送物の支持部50を設けた。一定経路中の所定箇所5dの側方に、支持部を設けた中間部フレーム体が移動方向に対して直交状になるとともに、他のフレーム体が移動方向に沿うように被案内装置を支持案内する複数の横行用レール体80A,80Bを設けた。所定箇所に、主レール側の被案内装置を横行用レール体に振り分ける振り分け手段151を設け、振り分け手段は、支持部を設けた中間部フレーム体13に対して、他のフレーム体12,14が同方向で直交状になるように振り分け可能に構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被搬送物搬送用の移動体を、たとえば床側や天井側の一定経路上で移動させるのに使用される移動体使用の搬送設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の設備としては、たとえば次のような構成の移動体使用の搬送設備が提供されている。すなわち、複数の被案内装置を介してレールに支持案内されることで一定経路上を移動自在な移動体の本体は、連結装置を介して左右方向で相対回動自在に連結した3本のフレーム体により形成されている。そして、中間部フレーム体には被搬送物の支持部が設けられ、また被案内装置群は、縦方向軸を介して移動体側に相対回動自在に連結されている。前記一定経路中の設定経路部には、被案内装置群を支持自在な複数の分割レール体が設けられるとともに、これら分割レール体を縦軸心の周りに回動させる回動手段が設けられている。また前記設定経路部の側方には、レールに対して分離回動した分割レール体が接続自在な横行用レール体群が設けられている。
【0003】
このような従来構成によると、移動体の各被案内装置を分割レール体に支持させた状態において、回動手段の逆回動により分割レール体群を横行用レール体に接続させる。これにより移動体を、その本体側を設定経路部に沿った姿勢としながら、各被案内装置を横方向に向いた姿勢とし得る。そして、被案内装置群を横移動させることにより、移動体を、その本体側が設定経路部に沿った姿勢で横移動し得る。したがって、横行用レール体群からなる横行経路部をストレージ経路とすることで、移動体は本体群を横並列状としてストレージできる(たとえば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−114094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した従来構成によると、横行経路部において移動体は、その横行方向における間隔維持を容易に行えず、したがって被搬送物どうしが接触しないように横移動させるためには、別途に、構造が複雑な横送り装置などを配設しなければならない。
【0005】
そこで本発明の請求項1記載の発明は、移動体の横行方向における間隔維持を、構造簡単にして容易に行え、以て移動体群を、被搬送物どうしが接触しないように横移動させ得る移動体使用の搬送設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明の請求項1記載の移動体使用の搬送設備は、移動体は、複数の被案内装置を介して主レールに支持案内されることで一定経路上を移動自在であり、前記移動体の本体を、連結装置を介して左右方向で相対回動自在に連結した3本のフレーム体により形成するとともに、中間部フレーム体に被搬送物の支持部を設け、各被案内装置は、縦方向軸を介して移動体側に相対回動自在に連結し、前記一定経路中の所定箇所の側方に、支持部を設けた中間部フレーム体が移動方向に対して直交状になるとともに、他のフレーム体が移動方向に沿うように被案内装置を支持案内する複数の横行用レール体を設け、前記所定箇所には、主レール側の被案内装置を複数の横行用レール体に振り分ける振り分け手段が設けられ、この振り分け手段は、支持部を設けた中間部フレーム体に対して、他のフレーム体が同方向で直交状になるように振り分け可能に構成したことを特徴としたものである。
【0007】
したがって請求項1の発明によると、一定経路における直線状経路部では、移動体を、その本体、すなわち各フレーム体を平面視で直線状姿勢として移動し得る。また左右のカーブ経路部では、各フレーム体を平面視において連結装置の部分でカーブに沿って屈折した姿勢で移動し得る。その際に屈曲は、縦方向軸の周りに相対回動することで行える。また被案内装置は、縦方向軸を介して回動することで、レールの左右方向のカーブに沿って向きを自動的に変更しながら円滑に移動し得る。
【0008】
このようにして、主レールの支持案内により一定経路中の所定箇所に移動してきた移動体を、振り分け手段の作動によって各被案内装置を主レールから横行用レール体に振り分けることで、支持部を設けた中間部フレーム体を移動方向に対して直交状とし、そして他のフレーム体を平行状で横行用レール体に沿わせた折れ曲がり状態として、一定経路に対して横方向に分岐移動し得る。これにより移動体を、他のフレーム体の長さに相当する間隔を横行方向に維持した状態で横方向に移動し得る。
【0009】
また本発明の請求項2記載の移動体使用の搬送設備は、上記した請求項1記載の構成において、被案内装置は、中間部フレーム体の前後端にそれぞれ設けられる中間部被案内装置と、前部フレーム体の前端部や後部フレーム体の後端部に設けられる端部被案内装置とからなり、振り分け手段が、所定箇所の主レールを分割することで先頭の端部被案内装置と前側の中間部被案内装置とを同時に支持自在とした分割レール体ならびに後側の中間部被案内装置と後端の端部被案内装置とを同時に支持自在とした分割レール体と、これら分割レール体を縦軸心の周りに回動させる回動装置とにより構成され、横行用レール体は一対であって、主レールに対して分離回動された分割レール体が、横行用レール体に接続自在に構成されていることを特徴としたものである。
【0010】
したがって請求項2の発明によると、所定箇所において分割レール体を、主レールに接続させて一体状、直線状に位置させている。そして移動体を分岐させるときには、まず先頭の端部被案内装置と前側の中間部被案内装置とを下手側の分割レール体に同時に支持させるとともに、後側の中間部被案内装置と後端の端部被案内装置とを上手側の分割レール体に同時に支持させた位置において、移動体を停止させる。次いで回動装置によって、両分割レール体を縦軸心の周りに回動させる。この回動により分割レール体を、主レールから分離させたのち横行用レール体に接続させる。そして、送り出し手段を各端部被案内装置や各中間部被案内装置に作用させることで、これら端部被案内装置や中間部被案内装置を、分割レール体から横行用レール体へと移動させることになる。その後に、回動装置の逆作動によって、分割レール体を主レールに接続するように復帰回動し得る。
【0011】
そして本発明の請求項3記載の移動体使用の搬送設備は、上記した請求項1または2記載の構成において、移動体を、その前部フレーム体と後部フレーム体とを先行状で横行用レール体に沿わせ、支持部を設けた中間部フレーム体を後続状で移動方向に対して直交状としたところの、U字型の折れ曲がり状態で分岐し得ることを特徴としたものである。
【0012】
したがって請求項3の発明によると、移動体を、前部フレーム体と後部フレーム体とを先行状で横行用レール体に沿わせ、中間部フレーム体を後続状で移動方向に対して直交状としたU字型の折れ曲がり状態で横移動し得る。
【0013】
さらに本発明の請求項4記載の移動体使用の搬送設備は、上記した請求項1または2記載の構成において、中間部フレーム体を先行状で移動方向に対して直交状とし、前部フレーム体と後部フレーム体とを後続状で横行用レール体に沿わせたところの、逆U字型の折れ曲がり状態で分岐させることを特徴としたものである。
【0014】
したがって請求項4の発明によると、移動体を、中間部フレーム体を先行状で横行用レール体に沿わせ、前部フレーム体と後部フレーム体とを後続状で移動方向に対して直交状とした逆U字型の折れ曲がり状態で横移動し得る。
【0015】
しかも本発明の請求項5記載の移動体使用の搬送設備は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の構成において、複数の横行用レール体により支持された移動体に移動力を付与する移動力付与手段を設けたことを特徴としたものである。
【0016】
したがって請求項5の発明によると、分岐した移動体は、移動力付与手段の作動によって、その支持部を設けたフレーム体を移動方向に対して直交状として横方向に移動し得る。
【0017】
また本発明の請求項6記載の移動体使用の搬送設備は、上記した請求項1〜5のいずれか1項に記載の構成において、横行用レール体を設けた箇所を、被搬送物に対する作業経路部に形成したことを特徴としたものである。
【0018】
したがって請求項6の発明によると、作業経路部において、移動体の横行方向における間隔維持を行い、移動体群を、被搬送物どうしが接触しないように横移動させながら、被搬送物に対して各種作業を行える。
【0019】
そして本発明の請求項7記載の移動体使用の搬送設備は、上記した請求項1〜6のいずれか1項に記載の構成において、移動体は、各フレーム体の側面を受動面に形成するとともに、この受動面に当接自在な送りローラを有する送り手段を一定経路中に設けたことを特徴としたものである。
【0020】
したがって請求項7の発明によると、強制回転している送りローラを、移動体の受動面に当接させることで、その送り回転力により移動体に移動力(走行力)を付与し得る。
さらに本発明の請求項8記載の移動体使用の搬送設備は、上記した請求項1〜7のいずれか1項に記載の構成において、振り分け手段は、一定経路の所定箇所に達した移動体の全てを、複数の横行用レール体に振り分けるように構成したことを特徴としたものである。
【0021】
したがって請求項8の発明によると、所定箇所に到達した移動体は、通過させることなく、必ず横行用レール体に移して横移動し得る。
しかも本発明の請求項9記載の移動体使用の搬送設備は、上記した請求項1〜8のいずれか1項に記載の構成において、移動体は、少なくとも1本のフレーム体の下部に被搬送物の支持部を設けたことを特徴としたものである。
【0022】
したがって請求項9の発明によると、吊下げ搬送形式の移動体を、その支持部を水平状として横移動し得る。
【発明の効果】
【0023】
上記した本発明の請求項1によると、一定経路における直線状経路部では、移動体を、その本体、すなわち各フレーム体を平面視で直線状姿勢として移動できる。また左右のカーブ経路部では、各フレーム体を平面視において連結装置の部分でカーブに沿って屈折した姿勢で移動でき、その際に屈曲は、縦方向軸の周りに相対回動することで行うことができる。また被案内装置は、縦方向軸を介して回動することで、レールの左右方向のカーブに沿って向きを自動的に変更しながら円滑に移動できる。
【0024】
このようにして、主レールの支持案内により一定経路中の所定箇所に移動してきた移動体を、振り分け手段の作動によって各被案内装置を主レールから横行用レール体に振り分けることで、支持部を設けた中間部フレーム体を移動方向に対して直交状とし、そして他のフレーム体を横行用レール体に沿わせた折れ曲がり状態として、一定経路に対して横方向に分岐移動でき、以て平行状の他のフレーム体を介しての横移動力の付与などを安定して行うことができる。これにより移動体を、他のフレーム体の長さに相当する間隔を横行方向に維持した状態で横方向に移動できて、移動体の横行方向における間隔維持を、構造簡単にして容易に行うことができ、以て移動体群を、被搬送物どうしが接触しないように横移動できる。
【0025】
また上記した本発明の請求項2によると、所定箇所において分割レール体を、主レールに接続させて一体状、直線状に位置できる。そして移動体を分岐させるとき、まず先頭の端部被案内装置と前側の中間部被案内装置とを下手側の分割レール体に同時に支持させるとともに、後側の中間部被案内装置と後端の端部被案内装置とを上手側の分割レール体に同時に支持させた位置において、移動体を停止できる。次いで回動装置によって、両分割レール体を縦軸心の周りに回動させることにより、分割レール体を、主レールから分離させたのち横行用レール体に接続できる。そして、送り出し手段を各端部被案内装置や各中間部被案内装置に作用させることで、これら端部被案内装置や中間部被案内装置を、分割レール体から横行用レール体へと移動でき、これにより移動体を、中間部フレーム体を移動方向に対して直交状とし、そして前部フレーム体や後部フレーム体を横行用レール体に沿わせた折れ曲がり状態として、一定経路に対して横方向に分岐移動でき、その後に、回動装置の逆作動によって、分割レール体を主レールに接続するように復帰回動できる。
【0026】
そして上記した本発明の請求項3によると、移動体を、前部フレーム体と後部フレーム体とを先行状で横行用レール体に沿わせ、中間部フレーム体を後続状で移動方向に対して直交状としたU字型の折れ曲がり状態で横移動できる。
【0027】
さらに上記した本発明の請求項4によると、移動体を、中間部フレーム体を先行状で横行用レール体に沿わせ、前部フレーム体と後部フレーム体とを後続状で移動方向に対して直交状とした逆U字型の折れ曲がり状態で横移動できる。
【0028】
しかも上記した本発明の請求項5によると、分岐した移動体は、移動力付与手段の作動によって、その支持部を設けたフレーム体を移動方向に対して直交状として横方向に移動できる。
【0029】
また上記した本発明の請求項6によると、作業経路部において、移動体の横行方向における間隔維持を行うことができ、移動体群を、被搬送物どうしが接触しないように横移動させながら、被搬送物に対して各種作業を容易に正確に行うことができる。
【0030】
そして上記した本発明の請求項7によると、強制回転している送りローラを、移動体の受動面に当接させることで、その送り回転力により移動体に移動力(走行力)を付与でき、この移動体を容易に確実に移動できる。
【0031】
さらに上記した本発明の請求項8によると、所定箇所に到達した移動体を、通過させることなく、必ず横行用レール体に移して横移動できる。
しかも上記した本発明の請求項9によると、吊下げ搬送形式の移動体を、その支持部を水平状として横移動できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
[実施の形態1]
以下に、本発明の実施の形態1を、移動体として天井側走行形式に採用した状態として、図1〜図20に基づいて説明する。
【0033】
図2〜図8において、天井側からの機枠1に、断面Iの字状の主レール2が配設してある。この主レール2により一定経路5を形成するものであり、ここで一定経路5は平面視において、たとえば平行した一対の直線状経路部5a,5cと、これら直線状経路部5a,5cの始終端を接続するカーブ経路部5bなどにより形成されている。
【0034】
そして、一対の直線状経路部5cの一部が所定箇所5dに形成され、この所定箇所5dの一側方には作業経路部6が直交状に形成されている。さらに、作業経路部6に直交状でかつ直線状経路部5cに平行状の別の一定経路5Aが、同様に断面Iの字状の主レール2Aなどによって形成されている。
【0035】
前記主レール2,2Aに支持案内されて一定経路5,5A上を移動自在な移動体10が設けられる。この移動体10は、その本体11が三本(複数本)のフレーム体12,13,14により形成されている。ここで各フレーム体12,13,14は、一定経路5,5Aの方向に長い四角筒状体(四角棒状体)と、これら四角筒状体の前端に一体化された前端部材と、後端に一体化された後端部材などにより形成され、そして本体11の両側面が受動面15に形成されている。
【0036】
なお、本体11の前面と後面、すなわち前部フレーム体12の前面(遊端部分)と、後部フレーム体14の後面(遊端部分)とは、当接部16,17に形成されている。また前記移動体10の本体11を形成する三本のフレーム体12,13,14のうち、前部フレーム体12と後部フレーム体14との上面側には板状の受動体18が立設状に設けられ、これら受動体18の両側面が上部受動面19に形成されている。
【0037】
前部フレーム体12と中間部フレーム体13との間、ならびに中間部フレーム体13と後部フレーム体14との間が、それぞれ連結装置20を介して左右方向ならびに上下方向に相対回動自在に連結されている。ここで両連結装置20は、前部フレーム体12の後端部材と中間部フレーム体13の前端部材との間、ならびに中間部フレーム体13の後端部材と後部フレーム体14の前端部材との間に設けられている。
【0038】
すなわち連結装置20としては、前記中間部フレーム体13の前端部材や後端部材に縦方向軸21を介して連結体22が左右方向に相対回動自在に連結されるとともに、この連結体22が前部フレーム体12の後端部材や後部フレーム体14の前端部材に横方向軸23を介して上下方向に相対回動自在に連結されたところの、トラニオン形式が採用されている。その際に縦方向軸21も、中間部フレーム体13や連結体22に対して、縦軸心21aの周りに相対回動自在(回転自在)に構成されている。
【0039】
前記移動体10は、複数の被案内装置を介して主レール2,2Aに支持案内されることで、一定経路5,5A上を移動自在に構成されている。その際に被案内装置は、前記縦方向軸21に連結される中間部被案内装置30と、前部フレーム体12の前端部材や後部フレーム体14の後端部材に設けられた縦方向軸25に連結される端部被案内装置40とからなり、これら被案内装置30,40は、同様なトロリ形式に構成されている。その際に縦方向軸25は、前部フレーム体12や後部フレーム体14に対して、縦軸心25aの周りに相対回動自在(回転自在)に構成されている。
【0040】
すなわち、中間部被案内装置30のトロリ本体31は、左右一対の支持用板体31aと、これら支持用板体31aの下部間に固定された前後一対の連結用板体31bとにより構成されている。そして両支持用板体31aの上部には、それぞれ前後一対の横ピン32が内方に向けて連設され、これら横ピン32の内方突出部分に、前記主レール2,2Aに嵌合して支持案内される被支持ローラ33が遊転自在に取り付けられている。
【0041】
さらに両支持用板体31aの上部でかつ横ピン32を配設した箇所の前後外方には、それぞれブラケット34が内方に向けて連設され、これらブラケット34にはそれぞれ下向きの縦ピン35が固定され、これら縦ピン35には、前記主レール2,2Aに当接して案内される被ガイドローラ36が遊転自在に取り付けられている。
【0042】
そして中間部被案内装置30は、縦方向軸21の上端部に相対回動自在に連結されている。すなわち、縦方向軸21は、両支持用板体31a間でかつ両連結用板体31b間に挿入され、そして両支持用板体31a間に通される横方向ピン24が縦方向軸21の上端部に貫通されている。これにより縦方向軸21の上端部と中間部被案内装置30との連結が、縦方向軸21の上端部を貫通する横方向ピン24を介して行われる。
【0043】
また、端部被案内装置40も中間部被案内装置30と大略同様であって、そのトロリ本体41は、左右一対の支持用板体41aと、これら支持用板体41aの下部間に固定具(ボルト・ナット)41bを介して設けられた複数の筒状スペース材41cとにより構成されている。そして両支持用板体41aの上部には、それぞれ一本の横ピン42が内方に向けて連設され、これら横ピン42の内方突出部分に、前記主レール2,2Aに嵌合して支持案内される被支持ローラ43が遊転自在に取り付けられている。
【0044】
さらに両支持用板体41aの上部でかつ横ピン42を配設した箇所の前後外方には、それぞれブラケット44が内方に向けて連設され、これらブラケット44にはそれぞれ下向きの縦ピン45が固定され、これら縦ピン45には、前記レール2,2Aに当接して案内される被ガイドローラ46が遊転自在に取り付けられている。また前記筒状スペース材41cのうち所定の前後一対のものには、前記主レール2,2Aに下方から対向される浮き上がり防止ローラ47が遊転自在に設けられている。
【0045】
そして端部被案内装置40は、縦方向軸25の上端部に相対回動自在に連結されている。すなわち、縦方向軸25は、両支持用板体41a間でかつ両浮き上がり防止ローラ47間に挿入され、そして両支持用板体41a間に通される横方向ピン26が縦方向軸25の上端部に貫通されている。これにより縦方向軸25の上端部と端部被案内装置40との連結が、縦方向軸25の上端部を貫通する横方向ピン26を介して行われる。
【0046】
前記移動体10の本体11を形成する三本のフレーム体12,13,14のうち少なくとも1本のフレーム体、すなわち、中間部フレーム体13の下方に位置されて、被搬送物の支持部50が設けられている。この支持部50は、中間の縦方向軸21の下端間に設けられた前後材51と、この前後材51の前後端にそれぞれブラケット52を介して連結された左右方向のアーム材53と、これらアーム材53の遊端に設けられた被搬送物の支持具54などにより構成されている。その際に前後材51は、前記縦方向軸21に対して前述した縦軸心21aの周りに相対回動自在(回転自在)に構成されている。
【0047】
図2において、他方の直線状経路部5aの始端部分には、前記受動面15に作用して移動体10に走行力を付与する送り手段60が設けられている。この送り手段60は図8〜図10に示すように、そのベース枠61が主レール2の上面に取り付けられ、そしてベース枠61からのブラケット62には縦軸63が回転自在に支持されている。この縦軸63にはリンク体64が取り付けられるとともに、このリンク体64の遊端には支持部材65が設けられている。
【0048】
そして支持部材65の上面側には、回転駆動装置の一例である減速機付きのインダクションモータ66が配設され、このインダクションモータ66から下方に取り出された出力軸67には、たとえば外周部分がウレタン製の送りローラ68が固定されている。なおインダクションモータ66は、前記送りローラ68に送り回転力Aを付与するように構成されている。
【0049】
前記縦軸63を中にして前記ブラケット62と支持部材65との間には、ボルト・ナット形式で調整自在な揺動規制具69が貫通されて配設され、さらにブラケット62と支持部材65との間には、ボルトに外嵌されて圧縮ばね70が配設されている。以上の61〜70などにより送り手段60の一例が構成される。
【0050】
したがって送り手段60は、圧縮ばね70の弾性反発力により支持部材65やリンク体64を縦軸心71の周りで内側へ揺動させ、以て送りローラ68を受動面15に対して当接させる方向に付勢し得る。その際に、最大の接近位置は揺動規制具69により規制される。
【0051】
図2において、他方の直線状経路部5aの終端部分には、前記受動面15に作用して移動体10に制動力を付与する制動手段75が設けられる。この制動手段75は前記送り手段60と同様の構造であって、前記本体11における受動面15に対して側方から当接自在で、かつたとえばウレタン製の制動ローラ76と、この制動ローラ76に連動しかつ制動ローラ76に送り回転力Bを付与する回転駆動装置77などから構成される。なお回転駆動装置77はトルクモータなどからなり、その送り回転力Bは前記インダクションモータ56の送り回転力Aよりも小に、すなわちA>Bに設定されている。
【0052】
したがって他方の直線状経路部5aでは、送り手段60と制動手段75との間において、複数台の移動体10が、その前後端間に隙間を生じめることなく、すなわち前後の当接部16,17を相当接させた状態で、密に後押し状態で整列されて走行するように構成されている。
【0053】
そして一方の直線状経路部5cや、別の一定経路5Aなどには、前記送り手段60と同様の送り手段78が設けられている。またカーブ経路部5bには、図11、図12に示すように、前記送り手段60と同様の送り手段79が設けられている。なお図11、図12において、前記送り手段60と同様な構成物には、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。ここで、各手段60,75,78,79の配置パターンは種々変更されるものであり、また各手段60,75,78,79は、その一部あるいは全部を省略してもよい。
【0054】
図1、図2、図13〜図16、図20に示すように、前記所定箇所5dの側方には、支持部50を設けた中間部フレーム体13が移動方向に対して直交状となるように被案内装置30,40を支持案内する一対(複数)の横行用レール体80A,80Bが設けられ、以て横行用レール体80A,80Bを設けた箇所が、被搬送物に対する前記作業経路部6に形成されている。ここで横行用レール体80A,80Bは、その大部分が平行して配置された状態にあり、その際に配置間隔Lは、前記中間部フレーム体13における縦軸心21a間の縦軸心間距離Lに同様として設定されている。なお、横行用レール体80A,80Bの始終端は、振り分けや合流のために適宜に曲げ形成されている。
【0055】
前記所定箇所5dの始端部分には、主レール2側の被案内装置30,40を両横行用レール体80A,80Bに振り分ける振り分け手段81が設けられるとともに、横行用レール体80A,80Bの終端側には、両横行用レール体80A,80Bを移動してきた被案内装置30,40を主レール2Aに合流させる合流手段85が設けられている。
【0056】
すなわち振り分け手段81は、両横行用レール体80A,80Bに対応して2箇所に分けて配設され、主レール2を分断して形成された分割レール体82A,82Bと、これら分割レール体82A,82Bを縦軸83A,83Bの軸心回りに回動させる作動装置(シリンダー装置など)84A,84Bなどにより構成されている。その回動の際に分割レール体82A,82Bは、上流端が主レール2に常に接続され、また下流端が主レール2と横行用レール体80A,80Bとに選択して接続されるように構成されている。
【0057】
前記合流手段85は、振り分け手段81と同様の構成であって、主レール2Aを分断して形成された分割レール体86A,86Bと、これら分割レール体86A,86Bを縦軸87A,87Bの軸心回りに回動させる作動装置88A,88Bなどにより構成され、振り分け手段81に対称状として配設されている。
【0058】
前記振り分け手段81により分割レール体82A,82Bを作動して振り分け動させる(詳細は後述する。)ことによって、移動体10を、その前部フレーム体12を一方の横行用レール体80Aに沿わせ、支持部50を設けた中間部フレーム体13を移動方向に対して直交状にするとともに、後部フレーム体14を他方の横行用レール体80Bに沿わせた折れ曲がり状態で、作業経路部6において横移動させるように構成されている。
【0059】
前記作業経路部6において、複数の移動体10が横行用レール体80A,80B間で支持案内されているときに、前後の移動体10における移動方向で隣接した被案内装置30,40間が連結可能に構成されている。すなわち図3、図6に示すように、先頭の端部被案内装置40に連結された縦方向軸25と、後位の中間部被案内装置30に連結された縦方向軸21には被連結体90が設けられ、また前位の中間部被案内装置30に連結された縦方向軸21と後端の端部被案内装置40に連結された縦方向軸25には連結体100が設けられている。
【0060】
前記被連結体90は、縦方向軸21,25の下端に連結用部材91を介して固定されており、前方へ突出される状態で、上面が開放される凹部92が形成され、以て凹部92を形成する後向き面によって被連結面93が形成されている。そして前端には、後位ほど上位のカムガイド面94が形成されている。
【0061】
前記連結体100は、縦方向軸21,25の中間部分に固定されたブラケット101に、横ピン102を介して上下揺動自在に連結されている。この連結体102はフック状であって、その突起部分が後方でかつ下向きとして配置され、そして突起部分の前向き面によって、被連結面93に係合可能な連結面103が形成されるとともに、突起部分の後向き面によって、前記カムガイド面94に作用可能なカムガイド面104が後位ほど上位として形成されている。また連結体100の側部には、自重に抗して連結体100を上方揺動させるための操作ピン105が設けられ、さらにブラケット101側には、連結体100の自重による下方揺動限を規制するストッパ体106が設けられている。
【0062】
なお被連結体90の凹部92は前後方向で所定の長さを持って形成されており、以て直線状経路部5a,5cなどにおいて連結体100が係合姿勢にあったとしても、当接部16,17間の当接を可能としている。
【0063】
図1、図2、図15、図19、図20に示すように、前記作業経路部6の始端部分には、両横行用レール体80A,80B側に移動体10を引き込む引き込み手段108が設けられ、また終端部分には、両横行用レール体80A,80Bにより支持された移動体10に移動力を付与する移動力付与手段110と、移動体10を一定経路5A側へ送り込む送り込み手段112とが設けられる。これら引き込み手段108と移動力付与手段110と送り込み手段112とは、前記送り手段60と同様の構成であって、この送り手段60と同様な構成物には、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
【0064】
その際に引き込み手段108や移動力付与手段110や送り込み手段112は、前部フレーム体12や後部フレーム体14に設けられた受動体18の上部受動面19、ならびに被案内装置30,40の支持用板体31a,41aに対して、送りローラ68が外側から当接されるように配設されている。そして各手段108、110、112は、送りローラ68と対の状態で、受動体18の上部受動面19に対して内側から当接されるバックアップローラ109,111,113が配設されている。
【0065】
前記引き込み手段108や移動力付与手段110や送り込み手段112は、各横行用レール体80A,80Bの外側にそれぞれ配置されている。ここで引き込み手段108や移動力付与手段110や送り込み手段112の配置パターンは、たとえば横行用レール体80A側と横行用レール体80B側とが、作業経路部6の方向において位置をずらせて配置されるなど、種々変更されるものである。
【0066】
前記作業経路部6おける移動方向の終端側部分には、前記連結体100の操作ピン105を案内するガイド体115が設けられ、以て操作ピン105がガイド体115に案内されることで連結体100は、その自重に抗して上方揺動されて連結が解除されるように構成されている。
【0067】
以下に、上記した実施の形態1における作用を説明する。
図2に示すように、送り手段78の送り回転力などによって、他方の直線状経路部5aで移動されてきた移動体10は、この直線状経路部5aに設けられた送り手段60の送り回転力Aによって移動力(走行力)が付与される。
【0068】
すなわち、図10の仮想線Cに示すように、圧縮ばね70の弾性力により内側に突出されている送りローラ68は、送り込まれてきた移動体10の受動面15に当接されることで、図10の実線に示すように、圧縮ばね70の弾性力に抗して後退された状態で受動面15に圧接されることになる。このとき送りローラ68はインダクションモータ66によって回転駆動されており、したがって強制回転されている送りローラ68を受動面15に圧接させることで、その送り回転力Aにより移動体10に移動力を与えることになる。
【0069】
その際に、直線状経路部5a上に密な列車状で位置している移動体10群の最後尾の移動体10における後端部の当接部17に、この送り込まれた移動体10の前端部の当接部16が当接され、以て直線状経路部5a上で密な列車状で位置している移動体10群は、送り手段60の送り回転力Aによって所望の速度で移動され、直線状経路部5aに密な列車状で位置している移動体10群を後押し移動させる(図3や図4の仮想線参照。)ことになる。
【0070】
このようにして直線状経路部5a上で移動され、そして終端側に達した移動体10に対して制動手段75によって制動力が付与されている。すなわち制動手段75では、送り手段60と同様の作用によって受動面15に圧接させている制動ローラ76が強制回転され、その送り回転力Bによって、移動体10に対して制動力が付与されている。
【0071】
ここで制動ローラ76の送り回転力Bに対して送り手段60側の送り回転力Aが大であることから、その差に相応して、制動手段75に対応した移動体10は制動作用を受けた状態で移動されることになる。したがって他方の直線状経路部5aにおいては、送り手段60から制動手段75の間で、複数台の移動体10が、その前後端間に隙間を生じめることなく密な後押し状態で整列されて移動されることになる。
【0072】
上述した送り手段60による移動体10の移動は、その送りローラ68を、前部フレーム体12の受動面15から中間部フレーム体13の受動面15、ならびに後部フレーム体14の受動面15へと順次作用させることで行われる。さらに連結装置20における連結体22の側面も受動面として送りローラ68が作用される。
【0073】
その際に、送りローラ68が前部フレーム体12に作用しているとき、中間部フレーム体13と後部フレーム体14は連結装置20を介して引っ張り移動され、また中間部フレーム体13に作用しているとき、前部フレーム体12は連結装置20を介して押し移動されるとともに後部フレーム体14は連結装置20を介して引っ張り移動され、さらに後部フレーム体14に作用しているとき、中間部フレーム体13と前部フレーム体12は連結装置20を介して押し移動されることになる。
【0074】
このように、他方の直線状経路部5a上で移動体10群が間欠的にまたは連続的に移動されている間に、あるいは間欠停止している間に、たとえば床上の作業者が、支持部50に支持されている被搬送物115に対して、下方から各種の作業を遂行し得る。あるいは、空または実の移動体10群を間欠的にまたは連続的に移動させながら、他方の直線状経路部5a上でストレージし得る。
【0075】
図2に示すように、制動手段75の部分から押し出され状に移動される移動体10は、送り手段79によってカーブ経路部5bで移動されたのち、一方の直線状経路部5cに送り出される。この直線状経路部5cにおいて移動体10は、送り手段78によって移動されて所定箇所5dに送り込まれる。
【0076】
すなわち所定箇所5dにおいては、図1に示すように、分割レール体82A,82Bは、その上流端が主レール2に接続され、また下流端が主レール2に接続されている。これにより分割レール体82A,82Bは、主レール2に一体状、直線状に位置されている。したがって、移動体10が作業経路部6に分岐させる必要のないものであったときには、このままの状態で移動体10を移動させることで、所定箇所5dを通過走行し得る。
【0077】
また、移動体10を作業経路部6に分岐させるときには、まず図16に示すように、振り分け手段81における下手側の作動装置84Aを作動させ、分割レール体82Aを縦軸心83Aの回りに回動させて、その下流端を横行用レール体80Aに接続させる。これにより、移動体10の先頭の端部被案内装置40は、上手側の分割レール体82Bから主レール2へと通過移動したのち、図17に示すように、分割レール体82Aを介して横行用レール体80Aへと移動することになる。
【0078】
このとき、前側の中間部被案内装置30が上手側の分割レール体82Bを通過しており、この通過を検出することで、振り分け手段81における上手側の作動装置84Bを作動させ、分割レール体82Bを縦軸心83Bの回りに回動させて、その下流端を横行用レール体80Bに接続させる。
【0079】
したがって図18に示すように、前側の中間部被案内装置30が先頭の端部被案内装置40と同様に、上手側の分割レール体82Bから主レール2へと通過移動したのち、分割レール体82Aを介して横行用レール体80Aへと移動することになる。これと同時状に、後側の中間部被案内装置30が、下手側の分割レール体82Bを介して横行用レール体80Bへと移動することになる。その後に後端の端部被案内装置40が、後側の中間部被案内装置30と同様に、下手側の分割レール体82Bを介して横行用レール体80Bへと移動することになる。
【0080】
これにより図1、図13、図19に示すように、移動体10を、その前部フレーム体12を先行状で一方の横行用レール体80Aに沿わせ、支持部50を設けた中間部フレーム体13を移動方向に対して直交状にするとともに、後部フレーム体14を後続状で他方の横行用レール体80Bに沿わせた折れ曲がり状態で、作業経路部6に分岐し得る。なお、分割レール体82A,82Bは、その下流端が主レール2に接続されるように、適宜に復帰回動される。
【0081】
このようにして作業経路部6に分岐した移動体10は、図15、図19に示すように、その前部フレーム体12や後部フレーム体14に設けられた受動体18の上部受動面19や、被案内装置30,40の支持用板体31a,41aに対して、引き込み手段108の送りローラ68が外側から当接することで、上述した折れ曲がり姿勢のままで作業経路部6に引き込まれたのち横送りされる。その際に、受動体18の上部受動面19や被案内装置30,40の支持用板体31a,41aに対して、バックアップローラ109が内側から当接していることで、送りローラ68による引き込み力を確実に伝達し得る。
【0082】
そして引き込まれた移動体10は、先行している1つ前の移動体10に連結される。すなわち、1つ前の移動体10は、縦方向軸21,25に設けられた連結体100が、後方に向けて位置されている。そして横送りされてきた移動体10は、縦方向軸21,25に設けられた被連結体90が、前方に向けて位置されている。
【0083】
この状態で、横送りされてきた移動体10が1つ前の移動体10に接近動されると、まず両被連結体90のカムガイド面94が、対向されている連結体100のカムガイド面104に当接され、以て連結体100は、図6の仮想線に示すように、自重に抗して横ピン102の回りに上方揺動される。そしてカムガイド面94がカムガイド面104を通過することで、連結体100は、自重によって横ピン102の回りに下方揺動され、これにより、先端部分が凹部92内に落ち込んで、その連結面103が被連結面93に対向され、以て連結体100が被連結体90に連結される。
【0084】
このとき作業経路部6に分岐されてきた移動体10群は、作業経路部6の終端側に設けられた移動力付与手段110の送りローラ68が、対向されている移動体10における受動体18の上部受動面19や、被案内装置30,40の支持用板体31a,41aに対して外側から当接することで、上述した折れ曲がり姿勢のまま列車状で横送りされる。その際に、上部受動面19や支持用板体31a,41aに対して、バックアップローラ111が内側から当接していることで、送りローラ68による送り駆動力を確実に伝達し得る。
【0085】
このように、作業経路部6の移動体10群が移動力付与手段110によって列車状に引き移動されていることで、1つ前の移動体10の移動力が、その連結体100を介して、横送りされてきた移動体10の被連結体90に伝達される。これにより、横送りされてきた移動体10には、両横行用レール体80A,80Bに支持されている被案内装置30,40に、縦方向軸21,25を介して引き移動力が作用されることになる。すなわち、横送りされてきた移動体10は、以降においては列車状に引き移動されることになる。
【0086】
そして作業経路部6の終端部分に達した先頭の移動体10は、その連結体100に設けられた操作ピン105がガイド体115に案内されて、連結体100が自重に抗して上方揺動されることで、図14に示すように、次の移動体10との連結が解除される。そして先頭の移動体10は、送り込み手段112の作動によって一定経路5Aに合流される。その際に合流は、合流手段85が前述した振り分け手段81と同様に作動されることで円滑に行われる。
【0087】
すなわち、両分割レール体86A,86Bは、縦軸心87A,87Bの回りに回動されることで、図20に示すように、その上流端が横行用レール体80A,80Bの終端部分に接続されている。この状態で送り込み手段112の作動によって先頭の移動体10に送り込み力が付与されることで、まず、移動体10の先頭の端部被案内装置40が、横行用レール体80Aから分割レール体86Aを介して主レール2Aに合流される。そして、前側の中間部被案内装置30が同様に横行用レール体80Aから分割レール体86Aを介して主レール2Aに合流されるとともに、これと同時状に、後側の中間部被案内装置30が、分割レール体86Bを介して主レール2Aに合流される。
【0088】
その際に、前側の中間部被案内装置30が分割レール体86Aを通過したことを検出することで、合流手段85における下手側の作動装置88Aを作動させ、分割レール体86Aを縦軸心87Aの回りに回動させて、その上流端を主レール2Aに接続させている。このような状態で、主レール2Aに合流された後側の中間部被案内装置30は分割レール体86Aを通って移動され、さらに後端の端部被案内装置40が、後側の中間部被案内装置30と同様に、分割レール体86Bを介して主レール2Aに合流され、そして分割レール体86Aを通って移動される。これにより移動体10は、各フレーム体12,13,14を直線状として主レール2A上で移動し得る。
【0089】
上述したように、作業経路部6において移動体10群が列車状で間欠的にまたは連続的に移動されている間に、あるいは間欠停止している間に、たとえば床上の作業者が、支持部50に支持されている被搬送物118に対して、各種の作業を遂行し得る。
【0090】
その際に図19に示すように、前部フレーム体12や後部フレーム体14が、両横行用レール体80A,80Bの下方に沿って位置されていることで、前後の移動体10における中間部フレーム体13の間隔を、これら前部フレーム体12や後部フレーム体14の長さに相当して維持し得る。これにより、移動体10の横行方向における間隔維持を、構造簡単にして容易に行え、以て移動体10群を、被搬送物118どうしが接触しないように、作業経路部6において横移動させ得る。したがって、被搬送物118に対する各種の作業は、容易に正確に遂行し得る。
【0091】
上述したような移動体10の移動の際に中間部被案内装置30は、各被支持ローラ33を介して主レール2,2Aや分割レール体82A,82Bや横行用レール体80A,80Bに支持案内され、そして各被ガイドローラ35が主レール2,2Aや分割レール体82A,82Bや横行用レール体80A,80Bに当接して案内される。
【0092】
また端部被案内装置40は、各被支持ローラ43を介して主レール2,2Aや分割レール体82A,82Bや横行用レール体80A,80Bに支持案内され、そして各被ガイドローラ46が主レール2,2Aや分割レール体82A,82Bや横行用レール体80A,80Bに当接して案内されるとともに、浮き上がり防止ローラ47が主レール2,2Aや分割レール体82A,82Bや横行用レール体80A,80Bに下方から対向される。
【0093】
これにより移動体10の移動は、ガタ付いたり、横倒れしたり、浮き上がったりすることなく安定して行われ、以て被搬送物118に対する各種作業や被搬送物118の積み降ろしは、常に正確に行える。
【0094】
上述した一定経路5上での列車状の後押し移動において、直線経路部5aなどでは図3、図4に示すように、各移動体10の本体11、すなわち各フレーム体12,13,14が平面視ならびに側面視で直線状姿勢になることから、当接部17に対して当接部16が真後ろから当接する状態になり、その後押し移動は円滑に確実に行える。
【0095】
また、左(あるいは右)のカーブ経路部5bでは、各フレーム体12,13,14は、平面視において連結装置20の部分でカーブに沿って屈折した姿勢で後押し移動されることになる。これにより、平面視において、先行移動体10の後部フレーム体14と後続移動体10の前部フレーム体12とが成す相対角度が鈍角となり、当接部17に対して当接部16が鈍角で当接することになって、その後押し移動は円滑に確実に行える。
【0096】
その際に屈曲は、連結装置20において、縦方向軸21の周りで相対回動することで行われる。また被案内装置30,40は、縦方向軸21,25を介して縦軸心21a,25aの周りに回動されることで、主レール2,2Aの左右方向のカーブに沿って向きを自動的に変更しながら円滑に移動される。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2を、図21〜図24に基づいて説明する。すなわち、振り分け手段121が、所定箇所5dの主レール2を分割することで被案内装置30,40を支持自在とした2個の分割レール体122A,122Bと、これら分割レール体122A,122Bを縦軸心123A,123Bの周りに回動させる回動装置131A,131Bとにより構成されている。そして、主レール2に対して分離回動された分割レール体122A,122Bが、横行用レール体80A,80Bに接続自在に構成されている。
【0097】
2個の分割レール体122A,122Bを縦軸心123A,123Bの周りに回動させるために、架台124A,124Bに軸受125A,125Bが設けられ、この軸受125A,125Bに回転のみ自在に支持された縦軸126A,126Bの下端に前記分割レール体122A,122Bが連結されている。
【0098】
そして、分割レール体122A,122Bを縦軸心123A,123Bの周りに回動させる回動装置131A,131Bが、分割レール体122A,122B毎に1つづつ設けられる。すなわち、縦軸126A,126Bの上端にはリンク132A,132Bが固定され、このリンク132A,132Bの一端と前記架台124A,124B側との間にシリンダー装置133A,133Bが設けられている。また架台124A,124B側には、前記リンク132A,132Bの他端が当接自在な一対のストッパー体134A,134B、135A,135Bが設けられている。
【0099】
なお、振り分け手段121の部分には、横行用レール体80A,80Bに接続された両分割レール体122A,122Bに対向される状態で、被案内装置30,40に作用自在な送り出し手段(図示せず。)がそれぞれ配設されている。
【0100】
以下に、上記した実施の形態2における作用を説明する。
所定箇所5dにおいては、図21、図22に示すように、分割レール体122A,122Bは、その上流端と下流端が主レール2に接続されている。これにより分割レール体122A,122Bは、主レール2に一体状、直線状に位置されている。したがって、移動体10が作業経路部6に分岐させる必要のないものであったときには、このままの状態で移動体10を移動させることで、所定箇所5dを通過走行し得る。
【0101】
また、移動体10を作業経路部6に分岐させるときには、まず図22の実線に示すように、移動体10の先頭の端部被案内装置40を下手側の分割レール体122Aに支持させた位置において、移動体10を停止させる。次いで回動装置131Aにおけるシリンダー装置133Aの伸縮動によって、リンク132Aなどを介して縦軸126Aを90度状に回動させる。この回動により分割レール体122Aは、主レール2から分離されたのち、図22の仮想線に示すように、横行用レール体80Aに接続される。
【0102】
そして、送り出し手段を先頭の端部被案内装置40に作用させることで、この端部被案内装置40を、分割レール体122Aから横行用レール体80Aへと移動させることになる。その際に、端部被案内装置40が横行用レール体80Aへ移ったことを検出することで、シリンダー装置133Aの逆作動によって、リンク132Aなどを介して縦軸126Aを逆回動させ、分割レール体122Aを主レール2に接続させる。
【0103】
この状態で、図23の実線に示すように、前位の中間部被案内装置30を分割レール体122Aに支持させるとともに、後位の中間部被案内装置30を上手側の分割レール体122Bに支持させた位置において、移動体10を停止させる。次いで回動装置131A,131Bにおけるシリンダー装置133A,133Bの伸縮動によって、リンク132A,132Bなどを介して縦軸126A,126Bを90度状に回動させる。この回動により分割レール体122A,122Bは、主レール2から分離されたのち、図23の仮想線に示すように、横行用レール体80A,80Bに接続される。
【0104】
そして、送り出し手段を両中間部被案内装置30に作用させることで、これら中間部被案内装置30を、分割レール体122A,122Bから横行用レール体80A,80Bへと移動させることになる。その際に、中間部被案内装置30が横行用レール体80A,80Bへ移ったことを検出することで、シリンダー装置133A,133Bの逆作動によって、リンク132A,132Bなどを介して縦軸126A,126Bを逆回動させ、分割レール体122A,122Bを主レール2に接続させる。この状態で、上述と同様な作用によって後端の端部被案内装置40を、分割レール体122Bを介して横行用レール体80Bへと移動させる。
【0105】
これにより図24に示すように、移動体10を、その前部フレーム体12を一方の横行用レール体80Aに沿わせ、支持部50を設けた中間部フレーム体13を移動方向に対して直交状にするとともに、後部フレーム体14を他方の横行用レール体80Bに沿わせた折れ曲がり状態で、作業経路部6に分岐し得る。なお、分割レール体122A,122Bは、その下流端が主レール2に接続されるように、適宜に復帰回動される。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3を、図25、図26に基づいて説明する。
【0106】
この実施の形態3では、所定箇所5dに到達した移動体10は通過できず、必ず作業経路部6に移されて横移動される形式が示されている。すなわち、図25に示すように振り分け手段140は、両横行用レール体80A,80Bに共通して1箇所に設けられ、主レール2の終端に連続されるレール体141と、このレール体141を縦軸142の軸心回りに回動させる作動装置(シリンダー装置など)143などにより構成されている。その回動の際にレール体141は、上流端が主レール2に常に接続され、また下流端が両横行用レール体80A,80Bに選択して接続されるように構成されている。
【0107】
図26に示すように、合流手段145も振り分け手段140と同様の構成であって、主レール2Aの始端に連続されるレール体146と、このレール体146を縦軸147の軸心回りに回動させる作動装置148などにより構成され、振り分け手段140に対称状として配設されている。
【0108】
以下に、上記した実施の形態3における作用を説明する。
移動体10を作業経路部6に移動させるときには、まず図25の実線に示すように、振り分け手段140における作動装置143を収縮させ、レール体141を縦軸142の回りに回動させて、その下流端を横行用レール体80Aに接続させる。これにより、移動体10の先頭の端部被案内装置40と前側の中間部被案内装置30は、レール体141から横行用レール体80Aへと移動することになる。
【0109】
そして、前側の中間部被案内装置30がレール体141を通過することを検出することで、振り分け手段140における作動装置143を収縮作動させ、レール体141を縦軸142の回りに回動させて、図25の仮想線に示すように、その下流端を横行用レール体80Bに接続させる。これにより、後側の中間部被案内装置30と後端の端部被案内装置40は、レール体141を介して横行用レール体80Bへと移動することになる。
【0110】
このように、振り分け手段140のレール体141を作動して振り分け動させることによって、移動体10を、その前部フレーム体12を先行状で一方の横行用レール体80Aに沿わせ、支持部50を設けた中間部フレーム体13を移動方向に対して直交状にするとともに、後部フレーム体14を後続状で他方の横行用レール体80Bに沿わせた折れ曲がり状態で、作業経路部6に移して横移動し得る。
【0111】
作業経路部6上の移動体10を一定経路5Aに移すときには、まず図26の実線に示すように、合流手段145における作動装置147を伸展動させ、レール体146を縦軸147の回りに回動させて、その上流端を横行用レール体80Aに接続させる。これにより、移動体10の先頭の端部被案内装置40と前側の中間部被案内装置30は、横行用レール体80Aからレール体146を介して主レール2Aへと移動することになる。
【0112】
そして、前側の中間部被案内装置30がレール体146を通過することを検出することで、合流手段145における作動装置147を収縮動させ、レール体146を縦軸147の回りに回動させて、図26の仮想線に示すように、その上流端を横行用レール体80Bに接続させる。これにより、後側の中間部被案内装置30と後端の端部被案内装置40は、横行用レール体80Bからレール体146を介して主レール2Aへと移動することになる。
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4を、図27〜図30に基づいて説明する。
【0113】
この実施の形態4では、前部フレーム体12と後部フレーム体14とを先行状で横行用レール体80A,80Bに沿わせ、中間部フレーム体13を後続状で移動方向に対して直交状としたところの、U字型の折れ曲がり状態で作業経路部6に分岐させる形式が示されている。
【0114】
すなわち、振り分け手段151が、所定箇所5dの主レール2を分割することで先頭の端部被案内装置40と前側の中間部被案内装置30とを同時に支持自在とした分割レール体152A,ならびに後側の中間部被案内装置30と後端の端部被案内装置40とを同時に支持自在とした分割レール体152Bと、これら分割レール体152A,152Bを縦軸心153A,153Bの周りに回動させる回動装置161A,161Bとにより構成されている。そして、主レール2に対して分離回動された分割レール体152A,152Bが、横行用レール体80A,80Bに接続自在に構成されている。
【0115】
2個の分割レール体152A,152Bを縦軸心153A,153Bの周りに回動させるために、架台154A,154Bに軸受155A,155Bが設けられ、この軸受155A,155Bに回転のみ自在に支持された縦軸156A,156Bの下端に前記分割レール体152A,152Bが連結されている。ここで縦軸156A,156Bは、互いに接近した側に位置されている。
【0116】
そして、分割レール体152A,152Bを縦軸心153A,153Bの周りに回動させる回動装置161A,161Bが、分割レール体152A,152B毎に1つづつ設けられる。すなわち、縦軸156A,156Bの上端にはリンク162A,162Bが固定され、このリンク162A,162Bの一端と前記架台154A,154B側との間にシリンダー装置163A,163Bが設けられている。
【0117】
また架台154A,154B側には、前記縦軸心153A,153Bを中心とした円弧状のガイドレール164A,164Bが設けられ、これらガイドレール164A,164Bに、前記分割レール体152A,152Bの遊端上部にブラケット157A,157Bを介して取り付けられたガイドローラ158A,158Bが支持案内されるように構成されている。さらに架台154A,154B側には、前記ブラケット157A,157Bが当接自在な一対のストッパー体165A,165B、166A,166Bが設けられている。
【0118】
なお、振り分け手段151の部分には、横行用レール体80A,80Bに接続された両分割レール体152A,152Bに対向される状態で、被案内装置30,40に作用自在な送り出し手段(図示せず。)がそれぞれ配設されている。
【0119】
以下に、上記した実施の形態4における作用を説明する。
所定箇所5dにおいては、図27、図28に示すように、分割レール体152A,152Bは主レール2に接続されている。これにより分割レール体152A,152Bは、主レール2に一体状、直線状に位置されている。
【0120】
そして、移動体10を作業経路部6に分岐させるときには、まず移動体10の先頭の端部被案内装置40と前側の中間部被案内装置30とを下手側の分割レール体152Aに同時に支持させるとともに、後側の中間部被案内装置30と後端の端部被案内装置40とを上手側の分割レール体152Bに同時に支持させた位置において、移動体10を停止させる。
【0121】
次いで回動装置161A,161Bにおけるシリンダー装置163A,163Bの収縮動によって、リンク162A,162Bなどを介して縦軸156A,156Bを90度状に回動させる。この回動により分割レール体152A,152Bは、主レール2から分離されたのち、図29、図30に示すように、横行用レール体80A,80Bに接続される。
【0122】
そして、送り出し手段を各端部被案内装置40や各中間部被案内装置30に作用させることで、これら端部被案内装置40や中間部被案内装置30を、分割レール体152A,152Bから横行用レール体80A,80Bへと移動させることになる。その際に、中間部被案内装置30が横行用レール体80A,80Bへ移ったことを検出することで、シリンダー装置163A,163Bの収縮動によって、リンク162A,162Bなどを介して縦軸156A,156Bを逆回動させ、分割レール体152A,152Bを主レール2に接続するように復帰回動し得る。
【0123】
これにより移動体10を、その前部フレーム体12と後部フレーム体14とを先行状で横行用レール体80A,80Bに沿わせ、支持部50を設けた中間部フレーム体13を後続状で移動方向に対して直交状としたところの、U字型の折れ曲がり状態で作業経路部6に分岐し得る。
[実施の形態5]
次に、本発明の実施の形態5、すなわち床側を移動自在な移動体10を採用した実施の形態を、図31に基づいて説明する。なお、この実施の形態5においては、前述した実施の形態1に比べて、主レール2や分割レール体82A,82Bなどが左右一対形式など細部は異なるが、大略は同様の構成である。したがって前述した実施の形態1と同一または類似の構成物には、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0124】
上記した実施の形態では、直線状経路部5cの一箇所に所定箇所5dが形成された形式が示されているが、これは直線状経路部5cの複数箇所に所定箇所5dが形成されるとともに、各所定箇所5dに対応して横行用レール体80A,80Bが配設された形式などであってもよい。
【0125】
上記した実施の形態1では、移動体10を、その前部フレーム体12を先行状で一方の横行用レール体80Aに沿わせ、中間部フレーム体13を移動方向に対して直交状にするとともに、後部フレーム体14を後続状で他方の横行用レール体80Bに沿わせた折れ曲がり状態で、作業経路部6に分岐させているが、これは振り分け手段81,121の作動を調整するなどして、前部フレーム体12と後部フレーム体14とを先行状で横行用レール体80A,80Bに沿わせ、中間部フレーム体13を後続状で移動方向に対して直交状としたところの、U字型の折れ曲がり状態で作業経路部6に分岐させたり、または中間部フレーム体13を先行状で移動方向に対して直交状とし、前部フレーム体12と後部フレーム体14とを後続状で横行用レール体80A,80Bに沿わせたところの、逆U字型の折れ曲がり状態で作業経路部6に分岐させてもよい。
【0126】
上記した実施の形態では、1本の中間部フレーム体13を移動方向に対して直交状として、作業経路部6において横移動させる形式が示されているが、これは、それぞれ支持部50を設けた2本(2本以上)の中間部フレーム体13を移動方向に対して直交状として、作業経路部6において横移動させる形式などであってもよく、この場合に横行用レール体3本(3本以上)が併設される。
【0127】
上記した実施の形態では、フレーム体12,13,14間を左右方向で相対回動自在に連結する縦方向軸21の端部に中間部被案内装置30を相対回動自在に連結しているが、たとえば中間部フレーム体13に別個に設けられた縦方向軸を介して中間部被案内装置30を相対回動自在に連結した形式などであってもよい。
【0128】
上記した実施の形態では、移動体10の本体11として、3本のフレーム体12,13,14からなる形式を示したが、これは前部フレーム体12の前方や後方、後部フレーム体14の前方や後方に単数または複数のフレーム体を連結した3本以上の形式や、中間部フレーム体13を複数本とした3本以上の形式などであってもよい。またフレーム体12,13,14のうちいずれかを省略した2本形式であってもよい。これらの場合、フレーム体の数や長さなどに応じて、横行用レール体80A,80Bの数や位置などが設計変更されるものである。
【0129】
上記した実施の形態では、連結装置20として、中間部フレーム体13側に縦方向軸21を設けるとともに前後のフレーム体12,14側に横方向軸23を設けた形式を示したが、これは中間部フレーム体13側に横方向軸を設けるとともに前後のフレーム体12,14側に縦方向軸を設けた形式などであってもよい。
【0130】
上記した実施の形態では、送り手段60から制動手段75の間で、複数台の移動体10が、その前後端間に隙間を生じめることなく密に後押し状態で整列されて走行される駆動形式とされているが、これは前後端間に隙間を生じる状態で移動体10が走行駆動される形式であってもよい。
【0131】
上記した実施の形態において、直線状経路部5cなどでは、送り手段60,78,79の送りローラ68を受動面15に当接させて移動体10を移動させる形式を採用しているが、これは、特に所定箇所5dなどにおいては駆動チェーン形式によって移動させてもよい。すなわち図5に示すように、前記中間部フレーム体13側に設けられた受動ピン28に対して、直線状経路部5cに沿って配設された駆動チェーン側の伝動体を係脱させる形式などであってもよい。また、受動面15に駆動ベルトを当接させる形式なども採用し得る。
【0132】
上記した実施の形態では、本体11のいずれか一方の受動面15のみに送り手段60,78,79、制動手段75などを作用させる形式が示されているが、これは他方の受動面に作用される受けローラなどの受け手段を設けることで、本体11を両側から挟みつけて強い摩擦力を得、以て充分な走行力や制動力を与え得る形式とし得る。その際に他方に作用される受けローラは、強制駆動形式や遊転形式のいずれであってもよい。
【0133】
上記した実施の形態において、横行用レール体80A,80Bを上下に変位させることで、下降経路部分や上昇経路部分を有する作業経路部6としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の実施の形態1を示し、移動体使用の搬送設備における分割レール体部分の回動前の一部切り欠き平面図である。
【図2】同移動体使用の搬送設備における一定経路部分の概略平面図である。
【図3】同移動体使用の搬送設備における直線経路部での移動体の側面図である。
【図4】同移動体使用の搬送設備における直線状経路部での移動体の平面図である。
【図5】同移動体使用の搬送設備における直線状経路部での移動体の背面図である。
【図6】同移動体使用の搬送設備における移動体の要部の側面図である。
【図7】同移動体使用の搬送設備における移動体の要部の一部切り欠き平面図である。
【図8】同移動体使用の搬送設備における送り手段部分での移動体の一部切り欠き背面図である。
【図9】同移動体使用の搬送設備における送り手段部分の一部切り欠き側面図である。
【図10】同移動体使用の搬送設備における送り手段部分の平面図である。
【図11】同移動体使用の搬送設備におけるカーブ部送り手段部分の一部切り欠き側面図である。
【図12】同移動体使用の搬送設備におけるカーブ部送り手段部分の平面図である。
【図13】同移動体使用の搬送設備における作業経路部の始端部分での正面図である。
【図14】同移動体使用の搬送設備における作業経路部の終端部分での側面図である。
【図15】同移動体使用の搬送設備における作業経路部の各種の手段部分での一部切り欠き正面図である。
【図16】同移動体使用の搬送設備における分岐開始前の一部切り欠き平面図である。
【図17】同移動体使用の搬送設備における分岐開始時の一部切り欠き平面図である。
【図18】同移動体使用の搬送設備における分岐途中での一部切り欠き平面図である。
【図19】同移動体使用の搬送設備における分岐終了時での一部切り欠き平面図である。
【図20】同移動体使用の搬送設備における合流開始前の一部切り欠き平面図である。
【図21】本発明の実施の形態2を示し、移動体使用の搬送設備における分岐開始前の側面図である。
【図22】同移動体使用の搬送設備における分岐開始前の一部切り欠き平面図である。
【図23】同移動体使用の搬送設備における分岐途中での一部切り欠き平面図である。
【図24】同移動体使用の搬送設備における分岐終了時での一部切り欠き平面図である。
【図25】本発明の実施の形態3を示し、移動体使用の搬送設備における振り分け手段部分の概略平面図である。
【図26】同移動体使用の搬送設備における合流手段部分の概略平面図である。
【図27】本発明の実施の形態4を示し、移動体使用の搬送設備における振り分け手段部分の振り分け前の一部切り欠き側面図である。
【図28】同移動体使用の搬送設備における振り分け手段部分の振り分け前の一部切り欠き平面図である。
【図29】同移動体使用の搬送設備における振り分け手段部分の振り分け時の一部切り欠き側面図である。
【図30】同移動体使用の搬送設備における振り分け手段部分の振り分け時の一部切り欠き平面図である。
【図31】本発明の実施の形態5を示し、移動体使用の搬送設備の側面図である。
【符号の説明】
【0135】
2 主レール
2A 主レール
5 一定経路
5A 一定経路
5a 直線状経路部
5b カーブ経路部
5c 直線状経路部
5d 所定箇所
6 作業経路部
10 移動体
11 本体
12 前部フレーム体
13 中間部フレーム体
14 後部フレーム体
15 受動面
16 当接部
17 当接部
18 受動体
19 上部受動面
20 連結装置
21 縦方向軸
22 連結体
25 縦方向軸
30 中間部被案内装置
31 トロリ本体
33 被支持ローラ
36 被ガイドローラ
40 端部被案内装置
41 トロリ本体
43 被支持ローラ
46 被ガイドローラ
47 浮き上がり防止ローラ
50 支持部
54 支持具
60 送り手段
68 送りローラ
75 制動手段
76 制動ローラ
78 送り手段
79 送り手段
80A 横行用レール体
80B 横行用レール体
81 振り分け手段
82A 分割レール体
82B 分割レール体
85 合流手段
86A 分割レール体
86B 分割レール体
90 被連結体
93 被連結面
94 カムガイド面
100 連結体
103 連結面
104 カムガイド面
108 引き込み手段
110 移動力付与手段
112 送り込み手段
115 ガイド体
118 被搬送物
121 振り分け手段
122A 分割レール体
122B 分割レール体
131A 回動装置
131B 回動装置
133A シリンダー装置
133B シリンダー装置
140 振り分け手段
141 レール体
143 作動装置
145 合流手段
146 レール体
148 作動装置
151 振り分け手段
152A 分割レール体
152B 分割レール体
153A 縦軸心
153B 縦軸心
161A 回動装置
161B 回動装置
163A シリンダー装置
163B シリンダー装置
A 送り回転力
B 送り回転力
配置間隔
縦軸心間距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体は、複数の被案内装置を介して主レールに支持案内されることで一定経路上を移動自在であり、前記移動体の本体を、連結装置を介して左右方向で相対回動自在に連結した3本のフレーム体により形成するとともに、中間部フレーム体に被搬送物の支持部を設け、各被案内装置は、縦方向軸を介して移動体側に相対回動自在に連結し、前記一定経路中の所定箇所の側方に、支持部を設けた中間部フレーム体が移動方向に対して直交状になるとともに、他のフレーム体が移動方向に沿うように被案内装置を支持案内する複数の横行用レール体を設け、前記所定箇所には、主レール側の被案内装置を複数の横行用レール体に振り分ける振り分け手段が設けられ、この振り分け手段は、支持部を設けた中間部フレーム体に対して、他のフレーム体が同方向で直交状になるように振り分け可能に構成したことを特徴とする移動体使用の搬送設備。
【請求項2】
被案内装置は、中間部フレーム体の前後端にそれぞれ設けられる中間部被案内装置と、前部フレーム体の前端部や後部フレーム体の後端部に設けられる端部被案内装置とからなり、振り分け手段が、所定箇所の主レールを分割することで先頭の端部被案内装置と前側の中間部被案内装置とを同時に支持自在とした分割レール体ならびに後側の中間部被案内装置と後端の端部被案内装置とを同時に支持自在とした分割レール体と、これら分割レール体を縦軸心の周りに回動させる回動装置とにより構成され、横行用レール体は一対であって、主レールに対して分離回動された分割レール体が、横行用レール体に接続自在に構成されていることを特徴とする請求項1記載の移動体使用の搬送設備。
【請求項3】
移動体を、その前部フレーム体と後部フレーム体とを先行状で横行用レール体に沿わせ、支持部を設けた中間部フレーム体を後続状で移動方向に対して直交状としたところの、U字型の折れ曲がり状態で分岐し得ることを特徴とする請求項1または2記載の移動体使用の搬送設備。
【請求項4】
中間部フレーム体を先行状で移動方向に対して直交状とし、前部フレーム体と後部フレーム体とを後続状で横行用レール体に沿わせたところの、逆U字型の折れ曲がり状態で分岐させることを特徴とする請求項1または2記載の移動体使用の搬送設備。
【請求項5】
複数の横行用レール体により支持された移動体に移動力を付与する移動力付与手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の移動体使用の搬送設備。
【請求項6】
横行用レール体を設けた箇所を、被搬送物に対する作業経路部に形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の移動体使用の搬送設備。
【請求項7】
移動体は、各フレーム体の側面を受動面に形成するとともに、この受動面に当接自在な送りローラを有する送り手段を一定経路中に設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の移動体使用の搬送設備。
【請求項8】
振り分け手段は、一定経路の所定箇所に達した移動体の全てを、複数の横行用レール体に振り分けるように構成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の移動体使用の搬送設備。
【請求項9】
移動体は、少なくとも1本のフレーム体の下部に被搬送物の支持部を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の移動体使用の搬送設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2007−314173(P2007−314173A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−176825(P2007−176825)
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【分割の表示】特願2002−180643(P2002−180643)の分割
【原出願日】平成14年6月21日(2002.6.21)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】