説明

移動停止判定装置、移動停止判定方法、及び移動停止判定プログラム

【課題】センサの出力値のバラつきを吸収して動的に求めた中間値を用いて移動体の停止状態を判定することができる仕組みを提供する。
【解決手段】本装置10は、加速度センサSAとジャイロセンサSBを用い、これらのセンサよりそれぞれ検出される測定信号をアナログ・デジタル変換してデジタル値情報を生成し、一定時間蓄積する。次いで、蓄積した複数のデジタル値情報の中で、頻度の高い値をそれぞれ中間値として推定し判定し、この中間値を、停止状態を判定するときの基準として動的に設定する。そして、それぞれのセンサより取得した測定信号から生成したデジタル値情報と、設定した中間値とを比較し、その差分を求め、全てのセンサに関しての差分が、何れも中間値と所定の差分範囲内にあるとき、移動体が停止状態にあると判定し、この停止状態情報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の停止状態を判定する移動停止判定技術に係り、詳しくは、物体の状態の差異を検知する複数のセンサより出力された測定信号から求めた測定値を総合的に判断して移動体の停止状態を判定する移動停止判定装置と移動停止判定方法、及び移動停止判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体の停止状態を判定する手段として、物体の状態の差異を検知する各種センサを用いる技術が知られている。たとえば移動体が車両である場合においては、車軸の回転速度を検出する車速センサの出力に基づいて行われる。すなわち、車速センサでは、走行に応じて車両より得る車速パルス信号を検知するので、車両より出力される車速パルス信号が検出できなければ単純に移動体は停止しているものと判定することができる。
【0003】
ところが車速センサでは、停車中でもエンジン振動や車室内での乗員の挙動等により一定数のパルスを連続的又は不連続的に発生するため、車速センサを用いて移動体(車両)の停止状態を導くのは難しい。
そこで、ノイズ的パルスの影響を回避して、移動体の停止状態を判定するようにした手段がいくつか提案されている。
【0004】
たとえば、シフトレバーの操作位置を検出するシフト位置検出手段がパーキングレンジを検出するか、ブレーキが制動状態にあるか否かを検出する制動状態検出手段が制動状態を検出したとき、停止モードとする判定数Aを設定し、シフト位置検出手段がパーキングレンジ以外を検出し、かつ、制動状態検出手段が非制動状態を検出したとき、走行モードとして判定数Aよりも低い判定数Bを設定する手段と、判定数A及びBにおいて停止から走行への一方向不可逆判定を許容すると共に、判定数Bよりも低い判定数Cにおいて走行から停止への一方向不可逆判定を許容する手段と、を備えることにより、走行モードの停車時でのノイズ的パルスの影響を効果的に回避させることが知られている(特許文献1を参照)。
また、車速センサからの車速パルスの入力ごとに測定された車速が所定速度以上で、しかも所定速度以上の測定連続回数が予め定められた回数に到達したとき、走行フラグを設定することにより、車両停止時のノイズに対して走行フラグを誤って設定することなく、耐ノイズ性を向上させることが知られている(特許文献2を参照)。
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1及び2に記載の手段のように、車速センサを用いる技術の場合、車両から車速パルス信号を取り出すための配線工事が必要であり、その作業が煩わしく、負担が掛かるものである。
【0006】
また、車速センサ以外に、車両の状態(ポジショニング)を確認するセンサとして、加速度センサやジャイロセンサ等も利用されている。このようなセンサは、ニュートラルな状態からの差異によって、物体の動作を制御する意味のある値を示す。すなわちセンサは、ニュートラルな位置からの相対変位で測定値を得る仕組みとなっている。したがって、センサによって測定値を求めるためには、正確な中間値を設定する必要がある。
【0007】
しかしながら、ニュートラルな位置は、異なるメーカ、異なるモデルはもちろんのこと、同じメーカの同じモデルであっても、センサ個々に不可避的なバラつきが存在し、その示す測定値にバラつきが生じてしまっている。また、通常センサにおいて取得するセンサ値はアナログであるので、A/Dコンバートをかけてデジタル値に変換している。たとえば、取得したアナログ電圧をA/Dコンバータ装置により10ビットの精度で変換するセンサがあったとすると、このセンサは、測定信号を1024段階のデジタル値に変換する。そうすると、この場合の中間値は理論的には512となるのであるが、実際には様々な条件により512にはならず、上下(プラス・マイナス)で数%かの誤差をもった中間値となり、A/D変換後の結果に誤差が生じる原因となっている。
【0008】
しかも、センサの設置状態によってもバラつきがあり、測定値に影響を及ぼすものとなっている。すなわち、センサを単に配置するだけでは、振動ノイズが加わって検出されてしまうことがあり、安定した測定を行うことが出来ないといった問題がある。
そのため、このような誤差が生じた中間値に基づいて求められた測定値を用いて移動体の停止状態を判定し、その後の制御を行ったのでは、不安定(不正確)な制御をもたらすこととなり好ましくない。
【0009】
したがって、正確な中間値を求めることは、センサを用いて移動体の停止状態を判定する者にとって重要なことであり、センサ1個毎に中間値の調整を動的に行う必要があるが、その調整に時間と費用を要するといった問題がある。
このように、各種センサを用いて物体の状態の差異を検知することができるのではあるが、センサの個体差や状態差を考慮し、出力値のバラつきを吸収して移動体の停止状態を判定する手段は、現在のところ提案されていない。
【特許文献1】特許第2895353号公報
【特許文献2】特開平9−325156号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、センサの出力値のバラつきを吸収して動的に求めた中間値を用いて移動体の停止状態を判定することができる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の移動停止判定装置は、移動体の停止状態を判定する移動停止判定装置であって、前記移動体の移動方向の加速度を検出し加速度測定信号を出力する加速度センサより、加速度測定信号を取得する加速度情報受信手段と、前記加速度情報受信手段で取得した前記加速度測定信号をアナログ・デジタル変換して加速度デジタル値情報を生成する加速度情報変換手段と、前記加速度情報変換手段で生成した前記加速度デジタル値情報を取得し、複数蓄積する加速度測定情報蓄積手段と、前記加速度測定情報蓄積手段で蓄積した複数の前記加速度デジタル値情報の中で、頻度の高い値を加速度中間値として一定時間ごとに判定する加速度中間値判定手段と、前記加速度中間値判定手段で判定した加速度中間値を、停止状態を判定するときの基準として設定する加速度中間値設定手段と、前記加速度情報変換手段で前記加速度デジタル値情報を生成したとき、この加速度デジタル値情報と、前記加速度中間値設定手段で設定した加速度中間値とを比較し、その差分を求める加速度差分算出手段と、前記移動体の移動方位の角速度を検出し角速度測定信号を出力するジャイロセンサより、角速度測定信号を取得する角速度情報受信手段と、前記角速度情報受信手段で取得した前記角速度測定信号をアナログ・デジタル変換して角速度デジタル値情報を生成する角速度情報変換手段と、前記角速度情報変換手段で生成した前記角速度デジタル値情報を取得し、複数蓄積する角速度測定情報蓄積手段と、前記角速度測定情報蓄積手段で蓄積した複数の前記角速度デジタル値情報の中で、頻度の高い値を角速度中間値として一定時間ごとに判定する角速度中間値判定手段と、前記角速度中間値判定手段で判定した角速度中間値を、停止状態を判定するときの基準として設定する角速度中間値設定手段と、前記角速度情報変換手段で前記角速度デジタル値情報を生成したとき、この角速度デジタル値情報と、前記角速度中間値設定手段で設定した角速度中間値とを比較し、その差分を求める角速度差分算出手段と、前記加速度差分算出手段で求めた全ての加速度センサに関しての差分が、何れも前記加速度中間値と所定の差分範囲内にあり、かつ、前記角速度差分算出手段で求めた全てのジャイロセンサに関しての差分が、何れも前記角速度中間値と所定の差分範囲内にあるとき、移動体が停止状態にあると判定する停止状態判定手段と、前記停止状態判定手段で判定した停止状態情報を出力する停止状態情報出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の状態測定装置は、前記停止状態判定手段が、全ての加速度センサに関して求めた前記差分が、何れも一定時間前記加速度中間値と所定の差分範囲内にあり、かつ、全てのジャイロセンサに関して求めた前記差分が、何れも一定時間前記角速度中間値と所定の差分範囲内にあるとき、移動体が停止状態にあると判定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の移動停止判定方法は、移動停止判定装置により、移動体の停止状態を判定する移動停止判定方法であって、前記移動体の移動方向の加速度を検出し加速度測定信号を出力する加速度センサから前記移動停止判定装置に、加速度測定信号を取得する第1ステップAと、前記移動停止判定装置において、前記第1ステップAで取得した前記加速度測定信号をアナログ・デジタル変換して加速度デジタル値情報を生成する第2ステップAと、前記移動停止判定装置において、前記第2ステップAで生成した前記加速度デジタル値情報を取得し、複数蓄積する第3ステップAと、前記移動停止判定装置において、前記第3ステップAで蓄積した複数の前記加速度デジタル値情報の中で、頻度の高い値を加速度中間値として一定時間ごとに判定する第4ステップAと、前記移動停止判定装置において、前記第4ステップAで判定した加速度中間値を、停止状態を判定するときの基準として設定する第5ステップAと、前記移動停止判定装置において、前記第2ステップAで前記加速度デジタル値情報を生成したとき、前記加速度デジタル値情報と、前記第5ステップAで設定した加速度中間値とを比較し、その差分を求める第6ステップAと、前記移動体の移動方位の角速度を検出し角速度測定信号を出力するジャイロセンサから前記移動停止判定装置に、角速度測定信号を取得する第1ステップBと、前記移動停止判定装置において、前記第1ステップBで取得した前記角速度測定信号をアナログ・デジタル変換して角速度デジタル値情報を生成する第2ステップBと、前記移動停止判定装置において、前記第2ステップBで生成した前記角速度デジタル値情報を取得し、複数蓄積する第3ステップBと、前記移動停止判定装置において、前記第3ステップBで蓄積した複数の前記角速度デジタル値情報の中で、頻度の高い値を角速度中間値として一定時間ごとに判定する第4ステップBと、前記移動停止判定装置において、前記第4ステップBで判定した角速度中間値を、停止状態を判定するときの基準として設定する第5ステップBと、前記移動停止判定装置において、前記第2ステップBで前記角速度デジタル値情報を生成したとき、前記角速度デジタル値情報と、前記第5ステップBで設定した角速度中間値とを比較し、その差分を求める第6ステップBと、前記第6ステップAで求めた全ての加速度センサに関しての差分が、何れも前記加速度中間値と所定の差分範囲内にあり、かつ、前記第6ステップBで求めた全てのジャイロセンサに関しての差分が、何れも前記角速度中間値と所定の差分範囲内にあるとき、移動体が停止状態にあると判定する第7ステップと、前記第7ステップで判定した停止状態情報を前記移動停止判定装置から状態制御装置へ出力する第8ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の状態測定方法は、前記第7ステップが、前記第6ステップAで求めた全ての加速度センサに関しての前記差分が、何れも一定時間前記加速度中間値と所定の差分範囲内にあり、かつ、前記第6ステップBで求めた全てのジャイロセンサに関しての前記差分が、何れも一定時間前記角速度中間値と所定の差分範囲内にあるとき、移動体が停止状態にあると判定することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の移動停止判定プログラムは、移動体の停止状態を判定することを実行させるためにコンピュータを、前記移動体の移動方向の加速度を検出し加速度測定信号を出力する加速度センサより、加速度測定信号を取得する手段、取得した前記加速度測定信号をアナログ・デジタル変換して加速度デジタル値情報を生成する手段、生成した前記加速度デジタル値情報を取得し、複数蓄積する手段、蓄積した複数の前記加速度デジタル値情報の中で、頻度の高い値を加速度中間値として一定時間ごとに判定する手段、判定した前記加速度中間値を、停止状態を判定するときの基準として設定する手段、前記加速度デジタル値情報を生成したとき、前記加速度デジタル値情報と、設定した前記加速度中間値とを比較し、その差分を求める手段、前記移動体の移動方位の角速度を検出し角速度測定信号を出力するジャイロセンサより、角速度測定信号を取得する手段、取得した前記角速度測定信号をアナログ・デジタル変換して角速度デジタル値情報を生成する手段、生成した前記角速度デジタル値情報を取得し、複数蓄積する手段、蓄積した複数の前記角速度デジタル値情報の中で、頻度の高い値を角速度中間値として一定時間ごとに判定する手段、判定した前記角速度中間値を、停止状態を判定するときの基準として設定する手段、前記角速度デジタル値情報を生成したとき、前記角速度デジタル値情報と、設定した前記角速度中間値とを比較し、その差分を求める手段、求めた全ての加速度センサに関しての前記差分が、何れも前記加速度中間値と所定の差分範囲内にあり、かつ、求めた全てのジャイロセンサに関しての前記差分が、何れも前記角速度中間値と所定の差分範囲内にあるとき、移動体が停止状態にあると判定する手段、判定した前記停止状態情報を出力する手段、として機能させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の状態測定プログラムは、全ての加速度センサに関して求めた前記差分が、何れも一定時間前記加速度中間値と所定の差分範囲内にあり、かつ、全てのジャイロセンサに関して求めた前記差分が、何れも一定時間前記角速度中間値と所定の差分範囲内にあるとき、移動体が停止状態にあると判定する手段、としてさらに機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の移動停止判定装置は、加速度センサとジャイロセンサを用い、これらのセンサよりそれぞれ検出される測定信号をアナログ・デジタル変換して生成したデジタル値情報を取得し、一定時間蓄積した複数のデジタル値情報の中で、頻度の高い値を中間値として推定し、この中間値を、停止状態を判定するときの基準として動的に設定する。ゆえに、それぞれのセンサより取得した測定信号から生成したデジタル値情報と、設定した中間値とを比較し、その差分を求め、全てのセンサに関しての差分が、何れも中間値と所定の差分範囲内にあるとき、物体はニュートラルな位置から相対変位していないと推測し、移動体は停止状態にあると判定することができる。
したがって、センサの出力値のバラつきを吸収して動的に求めた中間値を用いて移動体の停止状態を判定することができる。これにより、この判定に基づいて正確な(安定した)制御を行うことができるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る移動停止判定装置、移動停止判定方法、及び移動停止判定プログラムの一例について説明する。
図1は、本発明に係る移動停止判定装置(以下、「本装置」という)と、加速度センサSAと、ジャイロセンサSBと、を用いた移動停止判定システムの実施形態の一例を示すブロック構成図である。符号10本装置を示す。
【0019】
図1に示すように、本装置10は、物体の状態を検知する加速度センサSA及びジャイロセンサSBよりそれぞれ出力された測定信号を取得し、この測定信号から求めた測定値を総合的に判断して移動体の停止状態を判定する装置である。
【0020】
加速度センサSAは、移動体の移動方向の加速度を検出し、加速度測定信号を出力する装置であり、出力した加速度測定信号は本装置10へ送信される。
【0021】
ジャイロセンサSBは、移動体の移動方位の角速度を検出し角速度測定信号を出力する装置であり、出力した角速度測定信号は本装置10へ送信される。
【0022】
なお、図1において、加速度センサSA及びジャイロセンサSBは、何れも1つずつしか示されていないが、移動体にそれぞれ複数備えられたものとしても良い。
【0023】
次に、本装置10の構成について説明する。
本装置10は、図1に示すように、加速度情報受信部11Aと、角速度情報受信部11Bと、加速度情報変換部12Aと、角速度情報変換部12Bと、加速度測定情報蓄積部13Aと、角速度測定情報蓄積部13Bと、加速度中間値判定部14Aと、角速度中間値判定部14Bと、加速度中間値設定部15Aと、角速度中間値設定部15Bと、加速度差分算出部16Aと、角速度差分算出部16Bと、停止状態判定部17と、停止状態情報出力部18と、制御部19と、を有している。なお、図中の符号Bは、本装置10において制御信号、データ等を伝送するバスである。
【0024】
本装置10は、情報処理装置であればよく、たとえば、パーソナルコンピュータをはじめ、PDA(Personal Digital Assistant)やPND(Personal Navigation Device)、携帯電話機などで実現される。また、本装置10は、図示しないが、CPU(中央処理装置)、プログラム記憶部、キーボタン等の入力装置、ディスプレイ等の出力装置、OS(オペレーティング・システム)、等を有する。
CPUは、プログラム記憶部に記憶されたコンピュータプログラムに従い、本装置10の各構成要素を統制制御し、プログラム処理を実行する手段である。プログラム記憶部は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等で構成され、本装置10が使用する各種コンピュータプログラムを記憶している手段である。
【0025】
加速度情報受信部11Aは、移動体の移動方向の加速度を検出し加速度測定信号を出力する加速度センサSAより、加速度測定信号を取得する処理を行う。加速度情報受信部11Aは、取得した加速度測定信号を加速度情報変換部12Aへ送信する。
【0026】
角速度情報受信部11Bは、移動体の移動方位の角速度を検出し角速度測定信号を出力するジャイロセンサSBより、角速度測定信号を取得する処理を行う。ここで、移動方位とは、前後(進行)方向や、左右(横)方向、上下(縦)方向における何れかの方向をいい、角速度測定信号は、これらの方向を軸としてそれぞれ検出した角速度に基づくものである。角速度情報受信部11Bは、取得した角速度測定信号を角速度情報変換部12Bへ送信する。
【0027】
加速度情報変換部12Aは、加速度情報受信部11Aで取得した加速度測定信号をアナログ・デジタル変換して加速度デジタル値情報を生成する処理を行う。加速度情報変換部12Aは、取得した加速度測定信号を、たとえば10ビットの精度で変換し、1024段階のデジタル値に変換する。そして、加速度情報変換部12Aは、生成した加速度デジタル値情報を加速度測定情報蓄積部13Aと加速度差分算出部16Aへ送信する。
【0028】
角速度情報変換部12Bは、角速度情報受信部11Bで取得した角速度測定信号をアナログ・デジタル変換して角速度デジタル値情報を生成する処理を行う。角速度情報変換部12Bもまた、取得した角速度測定信号を、たとえば10ビットの精度で変換し、1024段階のデジタル値に変換する。そして、角速度情報変換部12Bは、生成した角速度デジタル値情報を角速度測定情報蓄積部13Bと角速度差分算出部16Bへ送信する。
【0029】
加速度測定情報蓄積部13Aは、加速度情報変換部12Aで生成した加速度デジタル値情報を取得し、複数蓄積する処理を行う。すなわち、加速度測定情報蓄積部13Aは、加速度情報変換部12Aで生成した加速度デジタル値情報の取得を一定時間繰り返し、新しく取得した加速度デジタル値情報を既に取得している加速度デジタル値情報に対してカウントアップする。
【0030】
角速度測定情報蓄積部13Bは、角速度情報変換部12Bで生成した角速度デジタル値情報を取得し、複数蓄積する処理を行う。すなわち、角速度測定情報蓄積部13Bは、角速度情報変換部12Bで生成した角速度デジタル値情報の取得を一定時間繰り返し、新しく取得した角速度デジタル値情報を既に取得している角速度デジタル値情報に対してカウントアップする。
【0031】
加速度中間値判定部14Aは、加速度測定情報蓄積部13Aで蓄積した複数の加速度デジタル値情報の中で、頻度の高い値を加速度中間値として一定時間ごとに判定する処理を行う。ここで中間値は、単純に頻度の最も高い値を採用するものとしても良いし、分布を考慮して頻度の高い値を採用するものとしても良い。
また、一定時間における加速度デジタル値情報の取得は、物体の状態が安定するのに十分な時間を考慮して定められるものであり、たとえば300サンプル/30秒とすることができる。そして、加速度中間値判定部14Aは、判定した加速度中間値情報を加速度中間値設定部15Aへ送信する。
【0032】
角速度中間値判定部14Bは、角速度測定情報蓄積部13Bで蓄積した複数の角速度デジタル値情報の中で、頻度の高い値を角速度中間値として一定時間ごとに判定する処理を行う。なお、ここでの中間値もまた、上述した加速度デジタル値情報の場合と同様に、単純に頻度の最も高い値を採用するものとしても良いし、分布を考慮して頻度の高い値を採用するものとしても良い。
また、一定時間における角速度デジタル値情報の取得は、物体の状態が安定するのに十分な時間を考慮して定められるものであり、たとえば300サンプル/30秒とすることができる。そして、角速度中間値判定部14Bは、判定した角速度中間値情報を角速度中間値設定部15Bへ送信する。
【0033】
加速度中間値設定部15Aは、加速度中間値判定部14Aで判定した加速度中間値を、停止状態を判定するときの基準として設定する処理を行う。すなわち、この加速度中間値は、移動方向の均衡が取れ、物体の相対変位の無いニュートラルな状態を示すものといえる。したがって、加速度デジタル値情報が、この加速度中間値付近である場合は、物体は移動していない状態と推測することができる。
【0034】
角速度中間値設定部15Bは、角速度中間値判定部14Bで判定した角速度中間値を、停止状態を判定するときの基準として設定する処理を行う。すなわち、この角速度中間値は、移動方位の均衡が取れ、物体の相対変位の無いニュートラルな状態を示すものといえる。したがって、角速度デジタル値情報が、この角速度中間値付近である場合は、物体は移動していない状態と推測することができる。
【0035】
加速度差分算出部16Aは、加速度情報変換部12Aで加速度デジタル値情報を生成したとき、この加速度デジタル値情報と、加速度中間値設定部15Aで設定した加速度中間値とを比較し、その差分を求める処理を行う。加速度差分算出部16Aは、求めた差分情報を停止状態判定部17へ送信する。
【0036】
角速度差分算出部16Bは、角速度情報変換分12Bで角速度デジタル値情報を生成したとき、この角速度デジタル値情報と、角速度中間値設定部15Bで設定した角速度中間値とを比較し、その差分を求める処理を行う。角速度差分算出部16Bは、求めた差分情報を停止状態判定部17へ送信する。
【0037】
停止状態判定部17は、加速度差分算出部16Aで求めた全ての加速度センサに関しての差分が、何れも加速度中間値設定部15Aで設定する加速度中間値と所定の差分範囲内にあり、かつ、角速度差分算出部16Bで求めた全てのジャイロセンサに関しての差分が、何れも角速度中間値設定部15Bで設定する角速度中間値と所定の差分範囲内にあるとき、移動体が停止状態にあると判定する処理を行う。したがって、停止状態判定部17は、加速度センサ又はジャイロセンサの何れかによる差分が、それぞれ設定された加速度中間値もしくは角速度中間値を基準として所定の差分範囲外にある場合は、移動体が停止状態にあるとは判定しない。停止状態判定部17は、移動体が停止状態にあると判定した場合、停止状態情報を停止状態情報出力部18へ送信する。
【0038】
ここで、停止状態判定部17において移動体が停止状態にあると判定する判断基準としては、すべてのセンサによる差分が、それぞれ設定された加速度中間値又は角速度中間値を基準として所定の差分範囲内にある場合はもちろんのこと、所定の差分範囲内に一定時間とどまっている場合とすることもできる。これにより、一層精度良く移動体の停止状態を判定することができる。
また、センサごとに所定の差分範囲、すなわちそれぞれの中間値からのスレッシュホールド(閾値)の定義を変更するものとしても良い。これにより、各種センサの特徴に応じて判定を行うことができる。
【0039】
停止状態情報出力部18は、停止状態判定部17で判定した停止状態情報を出力する処理を行う。すなわち、停止状態情報出力部18は、停止状態情報を本装置10から所定の状態制御装置へ出力する。
【0040】
制御部19は、CPU、ROM、RAM等を具備し、プログラム記憶部に記憶されたプログラムに従い、第2の本装置20の各構成要素を統制制御し、プログラム処理を実行する。
【0041】
次に、上述した移動停止判定方法を実施する本装置10の動作の一例を、図2及び図3を参照しながら説明する。図2及び図3は、本装置10での移動停止判定処理の一例を示すフローチャートである
まず、加速度情報受信部11Aが、移動体の移動方向の加速度を検出し加速度測定信号を出力する加速度センサSAより加速度測定信号を取得したか否か判断する(S11)。
その結果、加速度情報受信部11Aが、加速度測定信号を取得した場合(Y)、引き続き、加速度情報変換部12Aが、取得した加速度測定信号をアナログ・デジタル変換して加速度デジタル値情報を生成する(S12)。
一方、加速度情報受信部11Aが、加速度測定信号を取得していない場合(N)、次に、角速度情報受信部11Bが、移動体の移動方位の角速度を検出し角速度測定信号を出力するジャイロセンサSBから角速度測定信号を取得したか否か判断する(S18)。
【0042】
次いで、加速度情報変換部12Aが加速度デジタル値情報を生成した場合、加速度測定情報蓄積部13Aが、生成した加速度デジタル値情報を取得し、複数蓄積する(S13)。
引き続き、加速度中間値判定部14Aが、一定時間経過したか否か判断する(S14)。
その結果、加速度中間値判定部14Aが一定時間経過したと判断した場合(Y)、引き続き、加速度中間値判定部14Aが、加速度測定情報蓄積部13Aに蓄積した複数の加速度デジタル値情報の中で、頻度の高い値を加速度中間値として一定時間ごとに判定する(S15)。
そして、加速度中間値設定部15Aが、判定した加速度中間値を、停止状態を判定するときの基準として設定する、又は以前設定された加速度中間値を更新する(S16)。
【0043】
一方、加速度中間値判定部14Aが一定時間経過していないと判断した場合(N)、加速度差分算出部16Aが、加速度情報変換部12Aで生成した加速度デジタル値情報と、加速度中間値設定部15Aで設定した加速度中間値とを比較し、その差分を算出する(S17)。
そして、加速度差分算出部16Aで算出された差分情報は、停止状態判定部17へ送信され、停止状態判定部17は、全ての加速度センサにおいて取得された加速度測定信号に基づく差分情報を受信する(S25)。
【0044】
また、角速度情報受信部11Bが、角速度測定信号を取得したか否か判断した結果、角速度情報受信部11Bが角速度測定信号を取得した場合(Y)、引き続き、角速度情報変換部12Bが、取得した角速度測定信号をアナログ・デジタル変換して角速度デジタル値情報を生成する(S19)。
一方、角速度情報受信部11Bが、角速度測定信号を取得していない場合(N)、引き続き、加速度情報変換部12Aが、加速度測定信号を取得したか否か判断を繰り返す(S11)。
【0045】
次いで、角速度情報変換部12Bが角速度デジタル値情報を生成した場合、角速度測定情報蓄積部13Bが、生成した角速度デジタル値情報を取得し、複数蓄積する(S20)。
引き続き、角速度中間値判定部14Bが、一定時間経過したか否か判断する(S21)。
その結果、角速度中間値判定部14Bが一定時間経過したと判断した場合(Y)、引き続き、角速度中間値判定部14Bが、角速度測定情報蓄積部13Bに蓄積した複数の角速度デジタル値情報の中で、頻度の高い値を角速度中間値として一定時間ごとに判定する(S22)。
そして、角速度中間値設定部15Bが、判定した角速度中間値を、停止状態を判定するときの基準として設定する、又は以前設定された角速度中間値を更新する(S23)。
【0046】
一方、角速度中間値判定部14Bが一定時間経過していないと判断した場合(N)、角速度差分算出部16Bが、角速度情報変換部12Bで生成した角速度デジタル値情報と、角速度中間値設定部15Bで設定した角速度中間値とを比較し、その差分を算出する(S24)。
そして、角速度差分算出部16Bで算出された差分情報は、停止状態判定部17へ送信され、停止状態判定部17は、全ての角速度センサにおいて取得された角速度測定信号に基づく差分情報を受信する(S25)。
【0047】
次いで、停止状態判定部17が、受信した差分情報が全て所定の範囲内にあるか否か判断する(S26)。すなわち、停止状態判定部17は、加速度差分算出部16Aで求めた全ての加速度センサに関しての差分が、何れも加速度中間値と所定の差分範囲内にあり、かつ、角速度差分算出部16Bで求めた全てのジャイロセンサに関しての差分が、何れも角速度中間値と所定の差分範囲内にあるか否か判断する。
その結果、停止状態判定部17が全て所定の範囲内にあると判断した場合(Y)、引き続き、停止状態判定部17が、移動体は停止状態にあると判定する(S27)。
【0048】
一方、停止状態判定部17が全て所定の範囲内にあるわけではない、すなわち所定の範囲内に無い差分情報があると判断した場合(N)、そのまま本装置10での一連の動作が終了する。
そして、停止状態情報出力部18が、停止状態判定部17で判定した停止状態情報を出力する(S28)。
これにより、本装置10での一連の動作が終了する。
【0049】
以上のように本実施の形態では、加速度センサとジャイロセンサよりそれぞれ出力された測定信号を連続的に取得し、集計するデッドレコニング機能を用い、これらのセンサよりそれぞれ取得した測定信号をアナログ・デジタル変換して生成したデジタル値情報を蓄積する。そして、一定時間ごとにそれぞれの中間値を推定し判定することで、これらの中間値を、センサ個々の特性差異やセンサの設置状態の差異を吸収した、停止状態を判定するときの基準として動的に設定することができる。したがって、それぞれのセンサより取得した測定信号から生成したデジタル値情報と、設定した中間値とを比較し差分を求めることで、全てのセンサに関しての差分が、何れも中間値と所定の差分範囲内にあるとき、移動体が停止状態にあると判定することができる。
【0050】
また、本発明は、車速パルスを用いることなく、移動体が停止状態にあることの判定を行うことができるので、停止時のGPS信号からくるドリフト現象を回避することができると共に、停止時に地図の不要なスクロール、及び回転を回避することができる。
【0051】
なお、本発明は、停車状態以外でも中間値から相対値を用いて物体の状態を特定するものに適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、物体の状態を測定するセンサが出力した測定信号より停止状態を判定するデバイスを扱う業種において産業上有用であり、たとえば車両の停止状態を確認するのに各種センサを利用しているカーナビゲーション装置等の電化製品市場においても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る移動停止判定装置の実施の形態の一例を示すブロック構成図である。
【図2】本発明に係る移動停止判定装置が備える移動停止判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】図2に示す処理の続きを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
SA 加速度センサ、SB ジャイロセンサ、10 移動停止判定装置、11A 加速度情報受信部、11B 角速度情報受信部、12A 加速度情報変換部、12B 角速度情報変換部、13A 加速度測定情報蓄積部、13B 角速度測定情報蓄積部、14A 加速度中間値判定部、14B 角速度中間値判定部、15A 加速度中間値設定部、15B 角速度中間値設定部、16A 加速度差分算出部、16B 角速度差分算出部、17 停止状態判定部、18 停止状態情報出力部、19 制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の停止状態を判定する移動停止判定装置であって、
前記移動体の移動方向の加速度を検出し加速度測定信号を出力する加速度センサより、加速度測定信号を取得する加速度情報受信手段と、
前記加速度情報受信手段で取得した前記加速度測定信号をアナログ・デジタル変換して加速度デジタル値情報を生成する加速度情報変換手段と、
前記加速度情報変換手段で生成した前記加速度デジタル値情報を取得し、複数蓄積する加速度測定情報蓄積手段と、
前記加速度測定情報蓄積手段で蓄積した複数の前記加速度デジタル値情報の中で、頻度の高い値を加速度中間値として一定時間ごとに判定する加速度中間値判定手段と、
前記加速度中間値判定手段で判定した加速度中間値を、停止状態を判定するときの基準として設定する加速度中間値設定手段と、
前記加速度情報変換手段で前記加速度デジタル値情報を生成したとき、この加速度デジタル値情報と、前記加速度中間値設定手段で設定した加速度中間値とを比較し、その差分を求める加速度差分算出手段と、
前記移動体の移動方位の角速度を検出し角速度測定信号を出力するジャイロセンサより、角速度測定信号を取得する角速度情報受信手段と、
前記角速度情報受信手段で取得した前記角速度測定信号をアナログ・デジタル変換して角速度デジタル値情報を生成する角速度情報変換手段と、
前記角速度情報変換手段で生成した前記角速度デジタル値情報を取得し、複数蓄積する角速度測定情報蓄積手段と、
前記角速度測定情報蓄積手段で蓄積した複数の前記角速度デジタル値情報の中で、頻度の高い値を角速度中間値として一定時間ごとに判定する角速度中間値判定手段と、
前記角速度中間値判定手段で判定した角速度中間値を、停止状態を判定するときの基準として設定する角速度中間値設定手段と、
前記角速度情報変換手段で前記角速度デジタル値情報を生成したとき、この角速度デジタル値情報と、前記角速度中間値設定手段で設定した角速度中間値とを比較し、その差分を求める角速度差分算出手段と、
前記加速度差分算出手段で求めた全ての加速度センサに関しての差分が、何れも前記加速度中間値と所定の差分範囲内にあり、かつ、前記角速度差分算出手段で求めた全てのジャイロセンサに関しての差分が、何れも前記角速度中間値と所定の差分範囲内にあるとき、移動体が停止状態にあると判定する停止状態判定手段と、
前記停止状態判定手段で判定した停止状態情報を出力する停止状態情報出力手段と、
を備えることを特徴とする移動停止判定装置。
【請求項2】
前記停止状態判定手段は、全ての加速度センサに関して求めた前記差分が、何れも一定時間前記加速度中間値と所定の差分範囲内にあり、かつ、全てのジャイロセンサに関して求めた前記差分が、何れも一定時間前記角速度中間値と所定の差分範囲内にあるとき、移動体が停止状態にあると判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の移動停止判定装置。
【請求項3】
移動停止判定装置により、移動体の停止状態を判定する移動停止判定方法であって、
前記移動体の移動方向の加速度を検出し加速度測定信号を出力する加速度センサから前記移動停止判定装置に、加速度測定信号を取得する第1ステップAと、
前記移動停止判定装置において、前記第1ステップAで取得した前記加速度測定信号をアナログ・デジタル変換して加速度デジタル値情報を生成する第2ステップAと、
前記移動停止判定装置において、前記第2ステップAで生成した前記加速度デジタル値情報を取得し、複数蓄積する第3ステップAと、
前記移動停止判定装置において、前記第3ステップAで蓄積した複数の前記加速度デジタル値情報の中で、頻度の高い値を加速度中間値として一定時間ごとに判定する第4ステップAと、
前記移動停止判定装置において、前記第4ステップAで判定した加速度中間値を、停止状態を判定するときの基準として設定する第5ステップAと、
前記移動停止判定装置において、前記第2ステップAで前記加速度デジタル値情報を生成したとき、前記加速度デジタル値情報と、前記第5ステップAで設定した加速度中間値とを比較し、その差分を求める第6ステップAと、
前記移動体の移動方位の角速度を検出し角速度測定信号を出力するジャイロセンサから前記移動停止判定装置に、角速度測定信号を取得する第1ステップBと、
前記移動停止判定装置において、前記第1ステップBで取得した前記角速度測定信号をアナログ・デジタル変換して角速度デジタル値情報を生成する第2ステップBと、
前記移動停止判定装置において、前記第2ステップBで生成した前記角速度デジタル値情報を取得し、複数蓄積する第3ステップBと、
前記移動停止判定装置において、前記第3ステップBで蓄積した複数の前記角速度デジタル値情報の中で、頻度の高い値を角速度中間値として一定時間ごとに判定する第4ステップBと、
前記移動停止判定装置において、前記第4ステップBで判定した角速度中間値を、停止状態を判定するときの基準として設定する第5ステップBと、
前記移動停止判定装置において、前記第2ステップBで前記角速度デジタル値情報を生成したとき、前記角速度デジタル値情報と、前記第5ステップBで設定した角速度中間値とを比較し、その差分を求める第6ステップBと、
前記第6ステップAで求めた全ての加速度センサに関しての差分が、何れも前記加速度中間値と所定の差分範囲内にあり、かつ、前記第6ステップBで求めた全てのジャイロセンサに関しての差分が、何れも前記角速度中間値と所定の差分範囲内にあるとき、移動体が停止状態にあると判定する第7ステップと、
前記第7ステップで判定した停止状態情報を前記移動停止判定装置から状態制御装置へ出力する第8ステップと、
を含むことを特徴とする移動停止判定方法。
【請求項4】
前記第7ステップは、前記第6ステップAで求めた全ての加速度センサに関しての前記差分が、何れも一定時間前記加速度中間値と所定の差分範囲内にあり、かつ、前記第6ステップBで求めた全てのジャイロセンサに関しての前記差分が、何れも一定時間前記角速度中間値と所定の差分範囲内にあるとき、移動体が停止状態にあると判定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の移動停止判定方法。
【請求項5】
移動体の停止状態を判定することを実行させるためにコンピュータを、
前記移動体の移動方向の加速度を検出し加速度測定信号を出力する加速度センサより、加速度測定信号を取得する手段、
取得した前記加速度測定信号をアナログ・デジタル変換して加速度デジタル値情報を生成する手段、
生成した前記加速度デジタル値情報を取得し、複数蓄積する手段、
蓄積した複数の前記加速度デジタル値情報の中で、頻度の高い値を加速度中間値として一定時間ごとに判定する手段、
判定した前記加速度中間値を、停止状態を判定するときの基準として設定する手段、
前記加速度デジタル値情報を生成したとき、前記加速度デジタル値情報と、設定した前記加速度中間値とを比較し、その差分を求める手段、
前記移動体の移動方位の角速度を検出し角速度測定信号を出力するジャイロセンサより、角速度測定信号を取得する手段、
取得した前記角速度測定信号をアナログ・デジタル変換して角速度デジタル値情報を生成する手段、
生成した前記角速度デジタル値情報を取得し、複数蓄積する手段、
蓄積した複数の前記角速度デジタル値情報の中で、頻度の高い値を角速度中間値として一定時間ごとに判定する手段、
判定した前記角速度中間値を、停止状態を判定するときの基準として設定する手段、
前記角速度デジタル値情報を生成したとき、前記角速度デジタル値情報と、設定した前記角速度中間値とを比較し、その差分を求める手段、
全ての加速度センサに関して求めた前記差分が、前記加速度中間値と所定の差分範囲内にあり、かつ、全てのジャイロセンサに関して求めた前記差分が、前記角速度中間値と所定の差分範囲内にあるとき、移動体が停止状態にあると判定する手段、
求めた全ての加速度センサに関しての前記差分が、何れも前記加速度中間値と所定の差分範囲内にあり、かつ、求めた全てのジャイロセンサに関しての前記差分が、何れも前記角速度中間値と所定の差分範囲内にあるとき、移動体が停止状態にあると判定する手段、
判定した前記停止状態情報を出力する手段、
として機能させることを特徴とする移動停止判定プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
全ての加速度センサに関して求めた前記差分が、何れも一定時間前記加速度中間値と所定の差分範囲内にあり、かつ、全てのジャイロセンサに関して求めた前記差分が、何れも一定時間前記角速度中間値と所定の差分範囲内にあるとき、移動体が停止状態にあると判定する手段、
としてさらに機能させることを特徴とする請求項5に記載の移動停止判定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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