説明

移動光学手段を備える分光計センサおよび対応する分光計

本発明は、励起光源ビームがそこに向けられかつそこから目標ビームが分析対象の試料に向かって出射される光学手段を備える分光計用センサに関する。本発明は、光学手段が移動することができ、それによって目標ビームの方向を変化させることを可能にすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、光学分析計装のそれである。さらに詳しくは、本発明は、複合効果を有する分光分析用の、特にラマン分光分析および蛍光分光分析用の能動センサに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の分野では、様々なタイプの光ファイバセンサがラマン分光分析および蛍光分光分析に使用される。
【0003】
それらの共通の特徴は、分析される試料に送るために、例えば光ファイバを用いて、レーザビームのような外部励起光を分光計から受け取ることである。次いでセンサは、分析対象の試料によって拡散された光を、励起光がセンサから出射するのと同じ固定焦点で受け取り、次いで試料によって拡散されたこの光を、第2光ファイバを用いて分光計に戻す。
【0004】
従来、センサは、レンズ、ミラー、フィルタ、または光ファイバのような幾つかの光学素子を備える。
【0005】
しかし、現今では、センサはいわゆる単軸型である。換言すると、光学素子は固定されており、それは、センサの軸に垂直または平行に配される単一の固定点を暗に示す。これは、この焦点の位置によってセンサの使用を制限する。
【0006】
実際、特定の条件下では、焦点の位置を変更できることが望ましい。これは、公知のセンサでは、センサ全体の位置を変更することによって(それは比較的長い調整時間を必要とする)、または2つの異なるセンサに頼ることによって(それは言うまでもなく、装置のコストをかなり増大する傾向がある)のみ、可能である。
【0007】
さらに、各分光計は、それと一体化されたそれ自体の光励起源を有するか、あるいはこの分光計の間近に配された外部光励起源を使用しなければならない。
【0008】
これは、設置の観点から、かなり非現実的であることが判明している。
【0009】
加えて、これらの分光計は一般的に、光励起源を単一波長に制限される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、特に先行技術の欠点を緩和することである。
【0011】
より正確には、本発明の目的は、固定焦点に制限されない分光計用のセンサを提案することである。
【0012】
本発明の別の目的は、調整に関して先行技術の解決策と同レベルの信頼性を達成する、そのようなセンサを提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、単純かつ迅速な操作によって焦点を変更することを可能にする、そのようなセンサを提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、光源の配置に関して分光計の人間工学を最適化することを可能にする、そのようなセンサを提供することである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、ハードウェアに関して設備費を低減する、そのようなセンサを提供することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、コンパクトな構成に従って製造することのできる、そのようなセンサを提供することである。
【0017】
本発明のさらに別の目的は、設計が単純であり、かつ使い易い、そのようなセンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
これらの目的は、その後に現われる他の目的と同様に、励起光源ビームがそこで経路付けされ、かつそこから目標ビームが分析対象の試料に向かって出射される光学手段を備える分光計用のセンサであって、前記目標ビームの方向を変化させることができるように、前記光学手段が可動であることを特徴とするセンサを目的とする、本発明によって達成される。
【0019】
したがって、本発明に係るセンサは、位置の単純な変更によって、焦点軸の様々な可能な位置の迅速かつ容易な選択が可能になる構成の可動光学部を含む。
【0020】
これにより、分析中に、位置センサを変更することなく、かつセンサを変更することなく、センサの焦点の方向を変更することが可能になる。
【0021】
例えば、不透明な実験容器または不透明な管内など、分析を実行する空間が小さすぎるため、センサを幾つかの方向に向けることができない場合、本発明に係るセンサは、幾つかの方向で分析を実行することを可能にする。
【0022】
既述の通り、これは、先行技術のセンサでは、2つの異なるセンサ、例えばセンサの軸と平行な焦点軸を有する1つ、およびセンサの軸に垂直な焦点軸を有するもう1つを使用することによってのみ可能になる。
【0023】
別の実施例では、本発明に係るセンサは、細長いるつぼ、実験室、または有害な場所で、るつぼの側壁に堆積した残留物、およびこのるつぼの底に位置する物質の両方を単一のセンサで分析することを可能にする。
【0024】
したがって、本発明が分析計装ハードウェアに関して設備費を低減することを可能にすることは、理解される。
【0025】
好ましい解決策では、前記光学手段は、少なくとも2つの位置、すなわち、
前記目標ビームの軸と前記ソースビームの軸が併合されあるいは平行になる位置、
前記目標ビームの軸が前記ソースビームの軸と略垂直になる位置、
の間で移動することが可能である。
【0026】
そのような構成は、1つの同一ソースビームから、最も頻繁な要求事項に対応する可能性をもたらす2方向焦点を得ることを可能にする。
【0027】
優先的な実施形態では、前記可動光学手段は少なくとも3つのレンズを備え、前記レンズのうちの2つが同一の第1焦点軸を有し、前記レンズのうちの第3レンズが、前記第1焦点軸と90°の角度を成す焦点軸を有する。
【0028】
この方法により、設計が単純でありかつ実現が容易な、2方向焦点を有するセンサを製造するための解決策が得られる。
【0029】
前記3つのレンズは回転リングによって担持されることが有利である。
【0030】
この場合、前記光学手段は、前記リング内部に取り付けられることが好ましいビーム分割を含むことが有利である。
【0031】
したがって、光学手段はセンサ内に組み込むことができ、比較的小さいサイズである。
【0032】
それは、前記可動光学手段を適位置に保持する手段を備えることが好ましい。
【0033】
この方法により、ひとたびこれらが所与の焦点軸を達成するために方向付けられると、光学手段の固定が確保され、分析中に調整が喪失される危険性が回避される。
【0034】
この場合、前記光学手段は、可動ユニットを前記可動光学手段に押し付ける傾向のある弾性復帰手段に関連する可動ユニットを備えることが好ましい。
【0035】
別の特徴によると、それは、前記ソースビームの機能状態を示すように意図された、少なくとも1つのインジケータを備える。
【0036】
この場合、前記インジケータは、前記リング上に、直径方向に前記第3レンズの反対側に取り付けることが有利であり、前記ソースビームから来る光を前記インジケータランプの方向に通過させるように、前記リングには少なくとも1つのオリフィスが設けられる。
【0037】
したがって、ソースビームは、インジケータを効果的に、しかも非常に単純かつ安価なやり方で、照射することを視野に入れて、インジケータと一列に並ぶ。
【0038】
前記インジケータは、把持手段を形成するように前記リングから突出する部品の形を取ることが好ましい。
【0039】
したがってインジケータは二重機能、すなわち、光励起源の機能を示すことからなる機能、および焦点軸の位置を選択するための把持手段を形成することからなる機能を有する。
【0040】
本発明の別の態様では、センサは機能容積を画定するケースを備え、かつ前記機能容積内に少なくとも1つの光励起源を含む。
【0041】
そのようなセンサは、分光計をセットアップしかつ使用するのにかかる時間に関して節約を想起することを可能にする。これは、センサを分光計に取り付けることにより、それらを外部光励起源と関連付ける必要性が無くなるからである。
【0042】
加えて、そのようなセンサが、それ自体の光励起源を含む分光計と関連付けられる場合、センサは分光計に異なる波長の新しい光励起源を与えることができる。
【0043】
前記光励起源はダイオードレーザを備えることが好ましい。
【0044】
有利な解決策では、センサは、前記機能容積内に、前記光励起源を制御する手段をも含む。
【0045】
したがって、制御手段は光励起源の間近に近接して配置され、それは分光計のコンパクト性の観点からだけでなく、接続の観点からも、利益をもたらす。
【0046】
センサはまた、前記機能容積内に、前記光励起源に供給するように意図されたエネルギ源をも含むことが有利である。
【0047】
センサはまた、前記機能容積内に、通気手段、前記ケースに設けられた通気グリルをも含むことが好ましい。
【0048】
前記センサはまた、前記機能容積内に、前記光励起源を冷却するためのユニットであって、前記制御手段によって制御される前記冷却ユニットをも含むことが有利である。
【0049】
この方法で、光励起源の機能に不可欠な様々なコンポーネントがセンサ内に一緒に集合される。
【0050】
好ましい解決策では、前記センサは、ケースによって画定される前記機能容積へのアクセスを可能にする、着脱自在の部品を備えるケースを備える。
【0051】
したがって、特に内部の保守作業を実行することを視野に入れて、センサを容易かつ迅速に開くことが可能である。
【0052】
本発明はまた、励起光源ビームがそこで経路付けられ、かつそこから目標ビームが分析対象の試料に向かって出射される光学手段を備えるセンサであって、前記目標ビームの方向をさせることができるように、前記センサの前記光学手段が可動であることを特徴とするセンサにも関する。
【0053】
本発明の他の特徴および利点は、例証および非限定的な実施例として掲げる本発明の好ましい実施形態および添付の図面についての以下の説明を読むことから、いっそう明瞭に浮かび上がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
前述の通り、本発明の原理は、目標ビームの方向を変化させるための可動光学手段を有する分光計用のセンサを具備することに存する。
【0055】
図1および2は、光学手段が2つの位置、すなわち、
ソースビームの軸(S)と目標ビームの軸(C)が垂直になる位置(図1)、
ソースビームの軸(S)と目標ビームの軸(C)が併合される位置(図2)、
の間で移動することが可能である、本発明の優先的な実施形態を示す。
【0056】
可動光学手段は、
センサの固定部で回転するように取り付けられ、その中に3つのレンズ2、3、4が挿入されるリング1と、
ビームスプリッタ5と、
インジケータノブ6と、
自己ロックユニット9と、
を備える。
【0057】
本実施形態では、3つのレンズ2、3、および4は平面凸型であり、リング1内に挿入され、レンズ3、4はリング1の直径方向に対向して取り付けられ、レンズ2はレンズ3、4に対して垂直にリングに取り付けられる。
【0058】
リング1は、この目的のために3つの空洞が事前に形成された、例えばアルミニウムのような固体軽量材料から製造される。
【0059】
明瞭である通り、ビームスプリッタは回転リングの中心に取り付けられる。
【0060】
加えて、好ましくは形状が球形であり、不透明であり、例えば硬質プラスチックから作られるインジケータノブ6は、焦点軸の位置を選択するためのハンドルとして、かつ光励起源の機能を果たすためのインジケータランプとして、両方に役立つように、リング1の外周が突出するように設けられる。
【0061】
「インジケータランプ」の機能は次のように達成される。
【0062】
光励起源が作動しているときに、それが放射する光はオリフィス13(直径方向にレンズ2の反対側にある)を通過し、このようにして、図5で詳述するように、インジケータノブ6を照射する。
【0063】
図4に関連して、自己ロックユニット9には、ばね10、センサの本体に固定されたワッシャ11、およびレンズ系に対する自己ロックユニット9の圧力を制限するワッシャ12が滑り嵌合されたロッドが設けられる。ばねの作用はユニット9を止め子8(または止め子7)に押し付ける傾向がある。止め子7および8は、図1に示すように焦点軸をセンサの軸と平行にして、または図2に示すように焦点軸をセンサの軸と垂直にして、可動光学手段を予め定められた位置に、すなわち図1および2に示す場合内に保持する。
【0064】
点14、15、および16は、光励起源からの焦点14の場合、および分析対象の試料からの焦点15の場合に現われる対称な虚焦点であることに留意されたい。点16は像焦点である。
【0065】
図3は、ソースビームおよび分析対象の試料から来るビームがビームスプリッタ5を通過するときのこれらのビームの分離を詳細に示す。
【0066】
例示として、スプリッタ5は50:50ビームスプリッタである。
【0067】
加えて、漂遊線、およびそのビーム19が帯域通過フィルタ17を通過した後に点20で可動光学手段に入射する光励起源の蛍光を除去するために、帯域通過フィルタ17が虚焦点14の後に配される。ミラー18は、分析対象の試料から来る戻り光ビームを光ファイバ受光部に転向させる。
【0068】
図6に示す光ファイバ受光部は、光ガイド21、例としてセルフォック光ガイド(登録商標)のような光学受動素子と、例えば有限/有限ジオメトリをを形成する平凸型の2つのレンズ22および24と、2つのレンズ22および24の間のノッチフィルタとから構成される。
【0069】
焦点15に配置された分析対象15aの試料から来るビーム19aは、ラマン効果または蛍光を分析することのできる外部分光計にこの光ビームを送る、光ファイバ26内部の光ファイバ端部品25によって方向付けられる。
【0070】
光ファイバ26はシース27によって保護され、コネクタ28によって外部分光計に接続される。光ガイド21は焦点16とレンズ22との間の距離を延長するのに役立つが、別の可能な実施形態では、図7に示すように省くこともできる。
【0071】
本発明の別の態様では、センサは、光励起源を含む機能容積を画定するケースを備える。
【0072】
本実施形態では、光励起源は、エネルギ源35、例えばリチウム電池から供給されるダイオードレーザ32である。
【0073】
エネルギ源は、コネクタ34によってレーザコントローラユニット33に接続される。レーザコントローラユニット33は、ダイオードレーザ32および小型ファン39に連結されるペルチエ効果冷却ユニット32Aを同時に制御する。
【0074】
小型ファン39は、ケーブル40によってレーザコントローラ33に接続される。センサ29の外部ケースと一体化された通気グリル39Aは、レーザによって生成される熱を、ファン39の作動により、センサの外部に排出することを可能にする。
【0075】
光励起源の電源の入切は、例えばボタン37が設けられ、ケーブル38によってレーザコントローラユニット33に接続されたスイッチ36によって行なわれる。
【0076】
例示として、そのようなセンサは約150グラムの重量の場合、外面的に直径約4cm、長さ約10cmの円筒の形状を有する。
【0077】
図8および9に示すセンサは全体を、一緒に機能容積を画定する2つの部品29および29Aの外部ケースによって保護される。
【0078】
このケースは、例えばアルミニウムのような固体軽量材料から、好ましくは円筒形状に作成される。この外部ケースは、エネルギ源35が消耗したとき、または再充電しなければならないときに、その交換を実行するために、センサを開くことを可能にするように、2つに分割される。外部ケースの着脱可能な部品は、部品29にねじ止めするか、あるいは例えば嵌着することのできる部品29Aである。
【0079】
光励起源32から来る光ビームは、焦点軸がセンサの軸と平行になる位置にセンサがあるときにはオリフィス30を通して、または焦点軸がセンサの軸と垂直になる位置にセンサがあるときにはオリフィス31を通して、センサから出射する。焦点軸のこれら2つの可能な位置は、センサを分析対象の試料15Aの位置に対して適応させるために、オペレータがインジケータノブ6を用いて選択する。
【0080】
光励起源は、センサの別の可能な実施形態では省くこともできる。この場合、光励起源部は、センサ外部の光励起源、例えば分光計の光励起源から来る光ビームを、センサの回転部の点20まで運ぶ光ファイバに置換される。その後、シース27は2つの光ファイバ、すなわち励起ビームを伝達する光ファイバ、および分析対象の試料から来る戻りビームを伝達する光ファイバを保護する。
【0081】
本発明に係るセンサの機能は次の通りである。
【0082】
本発明に係るセンサが試料の分析のためにオペレータによって使用されるときに、センサに収容された光励起源、この事例ではダイオードレーザから来る外向きの単色光は、蛍光を除去しビームを単色かつ狭隘にする帯域通過フィルタを通過する。
【0083】
この励起ビームは、センサの可動光学手段に到達する。それはまず第一に、それを平行にしてビームスプリッタに送る第1レンズを通過する。
【0084】
このビームスプリッタはビームを分割し、その軸を変化させ、それを、センサ外部の分析対象の試料に向けて収束させる第2レンズに送る。光学手段が2つの位置の間で移動することのできる第1実施形態では、1つのレンズが励起ビームをセンサの軸と平行に出射させ、もう1つのレンズが励起ビームをセンサの軸と垂直に出射させる。
【0085】
可動光学手段の位置は、オペレータがこの目的のために設けられたインジケータノブをその2つの可能な位置の1つに移動させることによって、容易かつ迅速に選択することができる。選択された位置は、回転光学部品上に配された2つの止め子の一方に嵌合する自己ロックユニットを用いて固定される。
【0086】
不透明なインジケータノブはまた、作動しているときに内側からインジケータを照射してそれを発光させる励起光の正しい機能を、オペレータが検査することをも可能にする。
【0087】
センサから来る光励起に対する分析対象の試料の反応は、励起光が出射したのと同じレンズを通してセンサに入射する戻り拡散光である。戻り光は光スプリッタに到達し、それは光を矯正してそれを収束させるレンズに送り、次いでそれを光ファイバ受光部に反射させるミラーに送る。
【0088】
この光ファイバ受光部は、
焦点距離を延長させる光ガイドと、
ビームを平行にする第1レンズと、
レイリー拡散を除去するノッチフィルタと、
ビームを分析することを視野に入れてそれを分光計まで運ぶ光ファイバにビームを収束させる第2レンズと、
から構成される。
【0089】
当然、本発明は決して、非限定的な実施例として掲げたにすぎない、記載しかつ図示した実施形態に限定されない。例えば、別の可能な実施形態では、本発明に係るセンサは光励起源を含まないかもしれず、その場合、例えば分光計から来る外部光励起源を使用することが必要になる。また光ガイドを含まないこともある。
【0090】
記載した手段と同等の技術を構成する全ての手段のみならず、それらの組合せも、それらが本発明の精神に従って実施される場合には、本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】焦点軸がセンサの軸と平行になる位置にある場合の本発明に係るセンサの可動光学部の略断面図である。
【図2】焦点軸がセンサの軸に垂直になる位置にある場合の本発明に係るセンサの可動光学部の略断面図である。
【図3】励起ビームおよび分析対象の試料から出てくるビームが回転光学部の中心に位置するビームスプリッタを通過するときのそれらの分離を説明する図である。
【図4】可動光学部材を適位置に保持するように意図された自己ロックユニットの略断面図である。
【図5】光励起源の機能を示すインジケータランプの略断面図である。
【図6】可動光学手段、および分析対象の試料によって拡散した光を分光計に戻すことを可能にする光ファイバ受光部の略断面図である。
【図7】変形実施形態に係る、可動光学手段、および分析対象の試料によって拡散した光を分光計に戻すことを可能にする光ファイバ受光部の略断面図である。
【図8】焦点軸がセンサの軸に垂直となる位置にある場合のセンサ全体の略断面図である。
【図9】焦点軸がセンサの軸と平行になる位置にある場合のセンサ全体の略断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光源ビームがそこで経路付けされ、かつそこから目標ビームが分析対象の試料に向かって出射される光学手段を備える分光計用のセンサであって、
前記目標ビームの方向を変化させるように前記光学手段が移動することができることを特徴とする分光計用のセンサ。
【請求項2】
前記光学手段が少なくとも2つの位置、すなわち
前記目標ビームの軸と前記ソースビームの軸が併合されあるいは平行になる位置、
前記目標ビームの軸と前記ソースビームの軸が略垂直になる位置、
の間で移動することが可能である、
ことを特徴とする、請求項1に記載の分光計用のセンサ。
【請求項3】
前記可動光学手段が、少なくとも3つのレンズのうちの2つが同一の第1焦点軸を有し、前記レンズのうちの第3レンズが前記第1焦点軸と90°の角度を成す第2焦点軸を有するように配置された少なくとも3つのレンズを含むことを特徴とする、請求項1および2の一項に記載の分光計用のセンサ。
【請求項4】
前記3つのレンズが回転リングによって担持されることを特徴とする、請求項3に記載の分光計用のセンサ。
【請求項5】
前記光学手段がビームスプリッタを含むことを特徴とする、請求項1〜4の一項に記載の分光計用のセンサ。
【請求項6】
前記ビーム分離器が前記リングの内部に取り付けられることを特徴とする、請求項4および5に記載の分光計用のセンサ。
【請求項7】
前記可動光学手段を適位置に保持する手段を備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の分光計用のセンサ。
【請求項8】
適位置に保持する前記手段が、可動ユニットを前記可動光学手段に押し付ける傾向のある弾性復帰手段に関連する少なくとも1つの可動ユニットを含むことを特徴とする、請求項7に記載の分光計用のセンサ。
【請求項9】
前記ソースビームの機能状態を示すように意図された少なくとも1つのインジケータを備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の分光計用のセンサ。
【請求項10】
前記インジケータが前記リング上に、直径方向に前記第3レンズの反対側に取り付けられ、前記ソースビームから来る光を前記インジケータの方向に通過させるように、前記リングに少なくとも1つのオリフィスが設けられることを特徴とする、請求項4および9に記載の分光計用のセンサ。
【請求項11】
前記インジケータが、把持手段を形成するように前記リングから突出する部品の形を取ることを特徴とする、請求項9および10に記載の分光計用のセンサ。
【請求項12】
機能容積を画定するケースを備え、前記機能容積内に少なくとも1つの光励起源を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の分光計用のセンサ。
【請求項13】
前記光励起源がダイオードレーザを含むことを特徴とする、請求項12に記載の分光計用のセンサ。
【請求項14】
前記機能容積内に、前記光励起源を制御する手段をも含むことを特徴とする、請求項12および13の一項に記載の分光計用のセンサ。
【請求項15】
前記機能容積内に、前記光励起源に供給するように意図されたエネルギ源をも含むことを特徴とする、請求項12および14の一項に記載の分光計用のセンサ。
【請求項16】
前記機能容積内に、通気手段、前記ケースに設けられた通気グリルをも含むことを特徴とする、請求項12〜15のいずれか一項に記載の分光計用のセンサ。
【請求項17】
前記機能容積内に、前記光励起源を冷却するためのユニットであって、前記制御手段によって制御される前記冷却ユニットをも含むことを特徴とする、請求項14〜16のいずれか一項に記載の分光計用のセンサ。
【請求項18】
前記センサが、ケースによって画定される前記機能容積へのアクセスを可能にする着脱自在の部品を含むケースを備えることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の分光計用のセンサ。
【請求項19】
励起光源ビームがそこで経路付けされ、かつそこから目標ビームが分析対象の試料に向かって出射される光学手段を備えるセンサを含む分光計であって、
前記目標ビームの方向を変化させるように前記センサの前記光学手段が移動可能であることを特徴とする分光計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−544267(P2008−544267A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517495(P2008−517495)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【国際出願番号】PCT/EP2006/063391
【国際公開番号】WO2006/136576
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(507421289)ユニヴェルシテ・ドゥ・ナント (6)
【Fターム(参考)】