移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置
【課題】前後方向の寸法の小さい車両においても、車両上にカウンタウエイトを支持した状態で旋回台を旋回可能とするとともに、旋回台の後部に対するカウンタウエイトの着脱を容易に行うことのできる移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置を提供する。
【解決手段】架台31に支持されたカウンタウエイトWを上下方向及び前後方向に移動させるためのカウンタウエイト移動機構32と、カウンタウエイト移動機構32によってカウンタウエイトWを移動させることによって旋回台21のブラケット21aの後部にカウンタウエイトWを係止するためのカウンタウエイト係止手段33とを備えている。これにより、架台31に支持されたカウンタウエイトWを後方に移動させることによって旋回台21を旋回可能とし、架台31に支持されたカウンタウエイトWを前方且つ下方に移動させることによって旋回台31の後部にカウンタウエイトWを係止することができる。
【解決手段】架台31に支持されたカウンタウエイトWを上下方向及び前後方向に移動させるためのカウンタウエイト移動機構32と、カウンタウエイト移動機構32によってカウンタウエイトWを移動させることによって旋回台21のブラケット21aの後部にカウンタウエイトWを係止するためのカウンタウエイト係止手段33とを備えている。これにより、架台31に支持されたカウンタウエイトWを後方に移動させることによって旋回台21を旋回可能とし、架台31に支持されたカウンタウエイトWを前方且つ下方に移動させることによって旋回台31の後部にカウンタウエイトWを係止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旋回台の後部にカウンタウエイトを着脱可能な移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動式クレーンは、自走可能な車両の上面に旋回可能に設けられた旋回台と、旋回台の上面に設けられた起伏可能な伸縮ブームと、を有している。この移動式クレーンは、伸縮ブームの先端に荷物を吊り上げたときの安定性を確保するために、旋回台の後部にカウンタウエイトを着脱自在に装着できるようにしている。
【0003】
従来、旋回台の後部にカウンタウエイトを着脱するためのカウンタウエイト着脱装置としては、自走可能な車両の上面に、カウンタウエイトを支持するための支持台が設けられ、旋回台を旋回させることによって、旋回台と支持台に支持されたカウンタウエイトとの係合及び係合解除を行うようにしたものが知られている(例えば、引用文献1)。
【0004】
前記カウンタウエイト着脱装置では、支持台に支持されたカウンタウエイトと旋回する旋回台とが接触しない位置に支持台を配置しなければならない。このため、前後方向の寸法が小さい車両の上面には、支持台に支持されたカウンタウエイトと旋回する旋回台とが接触しない位置に支持台を設置することができない。
【0005】
また、移動式クレーンには、公道上の走行を可能とするために、高さ寸法の制限がある。このため、カウンタウエイト着脱装置を構成する際には、移動式クレーンの高さ寸法が所定の高さ寸法を超えないようにすることが要求される。
【0006】
そこで、前後方向の寸法が小さい車両に対しても、車両上面に支持されたカウンタウエイト(カウンタウエイトの上面に固定されたサブウインチ)と旋回する旋回台とが接触することなく、また、移動式クレーンの高さ寸法が所定の高さ寸法を超えることのないカウンタウエイト着脱装置として、図10乃至図15に示す第1〜第3従来例が考えられている。
【0007】
図10及び図11に示す第1従来例のカウンタウエイト着脱装置100は、旋回台101の後部から後方に延びるように設けられた幅方向一対のウエイト支持部材102と、各ウエイト支持部材102の後端部に設けられ、上下に伸縮可能なシリンダ103と、を備えている。一対のウエイト支持部材102は、カウンタウエイトWの上面の幅方向中央部に固定されたサブウインチW1の高さ寸法よりも低い高さ位置にそれぞれ設けられている。また、一対のウエイト支持部材102は、それぞれサブウインチW1の幅方向外側に設けられ、一方の端部がサブウインチW1の後方に位置するとともに、他方の端部がサブウインチW1の前方に位置している。他方のウエイト支持部材102は、旋回台101が旋回する際にサブウインチW1の内側を通過可能な長さに形成されている。このカウンタウエイト着脱装置100においては、支持台104に支持されたカウンタウエイトWにシリンダ103の下端を連結してシリンダ103を縮めることによって、カウンタウエイトWが旋回台101の後部に取り付けられる。このカウンタウエイト着脱装置100は、カウンタウエイトWが車体の上面の支持台104に支持された状態で、一方のウエイト支持部材102がカウンタウエイトWから離れる方向にのみ旋回台101を旋回させることが可能である。
【0008】
また、図12及び図13に示す第2従来例のカウンタウエイト着脱装置110は、旋回台111の後部から後方に延びるとともに、後端部が上下方向に移動可能なように前後方向の中央部の前側が回転自在に旋回台111に支持された幅方向一対のウエイト支持部材112と、各ウエイト支持部材112の前端側に連結され、各ウエイト支持部材112の後端部を上下動させるためのシリンダ113と、を備えている。このカウンタウエイト着脱装置110は、ウエイト支持部材112の後端部にカウンタウエイトWが着脱可能に連結される。このカウンタウエイト着脱装置110においては、カウンタウエイトWとウエイト支持部材112の後端部とを連結してシリンダ113を縮めると、カウンタウエイトWが旋回台111に取り付けられる。このカウンタウエイト着脱装置110は、カウンタウエイトWとウエイト支持部材112との連結を解除してウエイト支持部材112の後端部を上方に移動させると、旋回台111がサブウインチW1に接触することなく旋回可能となる。
【0009】
さらに、図14及び図15に示す第3従来例のカウンタウエイト着脱装置120は、旋回台121の後部から後方に延びるように設けられた幅方向一対のウエイト支持部材122と、各ウエイト支持部材122の後端部に回転自在に設けられたシリンダ123と、を備えている。このカウンタウエイト着脱装置120は、車両上面の支持台124にカウンタウエイトWが支持された状態において、ウエイト支持部材122がカウンタウエイトWの上面のサブウインチW1の高さよりも高い位置に設けられている。また、シリンダ123は、中心軸を前後方向に向けた状態で保持することが可能である。このカウンタウエイト着脱装置120においては、支持台124に支持されたカウンタウエイトWにシリンダ123を連結した後に、シリンダ123を縮めると、カウンタウエイトWが旋回台121に取り付けられる。このカウンタウエイト着脱装置120は、カウンタウエイトWとシリンダ123との連結を解除して中心軸を前後方向に向けるようにシリンダ123を回転させると、旋回台121がサブウインチW1に接触することなく旋回可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−255481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記第1従来例のカウンタウエイト着脱装置100において、支持台104にカウンタウエイトWが支持された状態では、旋回台101を一方向にしか旋回させることができないため、操作性が悪いという問題がある。
【0012】
また、前記第2及び第3のカウンタウエイト着脱装置110,120において、支持台114,124にカウンタウエイトWが支持された状態では、旋回台111,121を旋回させるために、シリンダ113を作動させたり、シリンダ123を回転させたりする作業が発生するため作業性が悪いという問題がある。
【0013】
本発明は、前後方向の寸法の小さい車両においても、車両上にカウンタウエイトを支持した状態で旋回台を旋回可能とするとともに、旋回台の後部に対するカウンタウエイトの着脱を容易に行うことのできる移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の請求項1に記載の発明は、車両に対して旋回可能に設けられた旋回台と、前記旋回台に対して起伏自在に設けられた伸縮ブームと、を備えた移動式クレーンの前記旋回台後部に、カウンタウエイトを着脱するカウンタウエイト着脱装置であって、前記車両に設けられ、前記カウンタウエイトを支持するとともに、前記カウンタウエイトを上下方向及び前後方向に移動させるカウンタウエイト支持機構と、前記カウンタウエイト支持機構によって前記カウンタウエイトを下方に移動させると共に前記旋回台側に向かって移動させることによって前記旋回台後部に前記カウンタウエイトが係合し、前記旋回台後部に係合した状態の前記カウンタウエイトを上方に移動させると共に前記旋回台と反対側に向かって移動させることによって、前記旋回台後部と前記カウンタウエイトとの係合が解除されるカウンタウエイト係合手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1のカウンタウエイト着脱装置において、前記カウンタウエイト支持機構が、前記カウンタウエイトを下方から支持する架台と、前記架台を下方に移動させると同時に前記旋回台側に移動させるととともに、上方に移動させると同時に前記旋回台と反対側に移動させるリンク機構と、前記リンク機構を動作させるシリンダと、を有することを特徴とする
【0016】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2のカウンタウエイト着脱装置において、前記リンク機構が、前記架台の左右両側の前側及び後側にそれぞれ設けられ、前記車両と前記架台とを連結する第1リンク部材と、前後に配置された前記第1リンク部材を互いに連結し、前後に配置された前記第1リンク部材を同時に動作させる第2リンク部材と、からなることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかのカウンタウエイト着脱装置において、前記カウンタウエイト係合手段が、前記旋回台後部に設けられた左右方向に延びる係合ピンと、前記カウンタウエイトの側面に設けられ、前記係合ピンに対して上方から係脱可能に係合する係合フックと、を有していることを特徴とする
【0018】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項4のカウンタウエイト着脱装置において、前記旋回台後部と前記カウンタウエイトの側面との間に設けられ、前記係合ピンに対して係合フックが係合した状態で前記旋回台と前記カウンタウエイトとを連結固定する連結固定手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項2乃至5のいずれかのカウンタウエイト着脱装置において、前記架台の上面には、前記カウンタウエイトが係合することによって、前記架台に対して前記カウンタウエイトを位置決め可能な係合部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、カウンタウエイトを後方に移動させることによって旋回台を旋回可能とし、カウンタウエイトを前方且つ下方に移動させることによって旋回台の後部にカウンタウエイトを係止することができる。したがって、前後方向の寸法が小さい車両であっても、車両上にカウンタウエイトを支持した状態で旋回台を旋回可能とするとともに、旋回台の後部に対するカウンタウエイトの着脱を容易に行うことが可能となる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、複数の動力源を必要とすることなく、架台に支持されたカウンタウエイトを上下方向及び前後方向に移動させることができるので、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、2種類の部材からなる簡単な構成でリンク機構が構成されることから、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、カウンタウエイトを上方から旋回台の後部に向かって移動させることによって旋回台の後部にカウンタウエイトを係止することができ、カウンタウエイトの着脱の作業が容易となる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、旋回台とカウンタウエイトとの連結固定する作業を、カウンタウエイトの側面側から行うことができるので、カウンタウエイトの上で行う必要はなく、安全性を向上させることが可能となる。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、係合部をカウンタウエイトに係合させることによって架台に対してカウンタウエイトを確実に位置決めすることができるので、架台にカウンタウエイトを設置する作業を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態を示す移動式クレーンの側面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す移動式クレーンの要部側面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す移動式クレーンの要部平面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示す架台及びカウンタウエイト移動機構の斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態の旋回台後部にカウンタウエイトを取り付ける手順を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態の旋回台後部にカウンタウエイトを取り付ける手順を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態の旋回台後部にカウンタウエイトを取り付ける手順を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態の旋回台後部にカウンタウエイトを取り付ける手順を示す図である。
【図9】架台及びカウンタウエイトを車両の前側に配置した状態を示す移動式クレーンの側面図である。
【図10】第1従来例の旋回台後部及びカウンタウエイトの側面図である。
【図11】第1従来例の旋回台後部及びカウンタウエイトの平面図である。
【図12】第2従来例の旋回台後部及びカウンタウエイトの側面図である。
【図13】第2従来例の旋回台後部及びカウンタウエイトの側面図である。
【図14】第3従来例の旋回台後部及びカウンタウエイトの側面図である。
【図15】第3従来例の旋回台後部及びカウンタウエイトの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1乃至図8は、本発明の一実施形態を示すものである。
【0028】
本発明のカウンタウエイト着脱装置を備えた移動式クレーン1は、走行する車両10と、クレーン装置20と、を備えている。
【0029】
車両10は、前部及び後部のそれぞれに左右一対の車輪11を有し、エンジンEを動力源として走行する。また、車両10の前部側及び後部側の左右両側には、クレーン作業時に車両10の転倒を防止するとともに、車両10を安定的に支持するためのアウトリガ12が設けられている。アウトリガ12は、図示しないジャッキシリンダによって下方に伸長させて下端を接地させることにより使用される。
【0030】
クレーン装置20は、車両10の前後方向中央部に水平方向に旋回可能に設けられた旋回台21と、旋回台21に対して起伏可能に設けられるとともに、伸縮可能に設けられたブーム22と、旋回台21に設けられたキャビン23と、を有している。
【0031】
旋回台21は、ボールベアリング式やローラーベアリング式の図示しない旋回サークルによって車両10に対して旋回自在に設けられ、図示しない旋回用の油圧モータを駆動することによって旋回するように構成されている。
【0032】
ブーム22は、複数のブーム部材からなり、ブーム部材の内部に先端側に隣り合うブーム部材が収納可能な多段式に構成されている。最基端側のブーム部材(ベースブーム)22a内には、図示しない油圧シリンダが設けられ、油圧シリンダの伸縮によってブーム22が伸縮される。また、最基端側のブーム部材22aは、基端部が旋回台21のブラケット21aに上下方向に回転自在に連結されている。ブーム部材22aの伸長方向中央部の先端側と旋回台21との間には、起伏用の油圧シリンダ24が連結され、油圧シリンダ24の伸縮によってブーム22が起伏される。
【0033】
キャビン23は、旋回台21上のブラケット21aの側方に設けられ、車両10の走行に関する操作とクレーン装置20に関する操作が行われる。
【0034】
また、移動式クレーン1は、ブーム22の先端から荷物を吊り下げたときに安定性を確保するため、旋回台21の後部にカウンタウエイトWが着脱自在に装着される。移動式クレーン1は、カウンタウエイトWを旋回台21の後部に装着する作業を行うためのカウンタウエイト着脱装置30を備えている。
【0035】
カウンタウエイト着脱装置30は、カウンタウエイトWを下方から支持するための架台31と、カウンタウエイトWを支持した架台31を上下方向及び前後方向に移動させるためのカウンタウエイト移動機構32と、カウンタウエイト移動機構32によってカウンタウエイトWを移動させることによって旋回台21のブラケット21aの後部にカウンタウエイトWを係止するためのカウンタウエイト係止手段33と、を有している。
【0036】
架台31は、前後方向に延びる幅方向一対の支持部材31aと、幅方向に延びるように設けられ、一対の支持部材31aの前側及び後側の間をそれぞれ接続する接続部材31bと、から矩形枠状に形成されている。支持部材31aの上面には、カウンタウエイトを架台31上で位置決めするための突起部31cが設けられている。突起部31cがカウンタウエイトWの下面に設けられた凹部31dに嵌合すると、カウンタウエイトWが架台31上で位置決めされる。
【0037】
カウンタウエイト移動機構32は、車両10上面の後部から上方に延びる4本の支柱32aと、各支柱32aの上端側に前後方向に回転自在に連結された第1リンク部材32bと、前後に配置された第1リンク部材32bを互いに連結し、前後に配置された第1リンク部材32bを同時に回転可能とする幅方向一対の第2リンク部材32cと、前後に配置された第1リンク部材32bに回転させる力を付与するための幅方向一対のシリンダ32dと、から構成されている。
【0038】
第1リンク部材32bは、中央部が直角をなすように形成されたL字状の部材からなり、中央部が支柱32aに連結されている。第1リンク部材32bは、一端が架台31に回転自在に連結され、他端が第2リンク部材32cに回転自在に連結されている。第1リンク部材32bは、架台31上面の水平を保持して、架台31を前後及び上下に移動させる。
【0039】
第2リンク部材32cは、前後に延びる部材からなり、前端に前側に位置する第1リンク部材32bが連結され、後端に後側に位置する第1リンク部材32bが連結されている。
【0040】
シリンダ32dは、シリンダチューブ32e側の端部が後側の支柱32aの下端側に連結され、ピストンロッド32fが前側の第1リンク部材32bの他端と第2リンク部材32cの前端と共に連結されている。シリンダ32dは、シリンダロッド32fをシリンダチューブ32e内に引き込むことによって、架台31を前方且つ下方に移動させる。また、シリンダ32dは、シリンダロッド32fをシリンダチューブ32eから押し出すことによって、架台31を後方且つ上方に移動させる。
【0041】
カウンタウエイト係止手段33は、ブラケット21aから後方に延びる延出部21bの左右両側に設けられた係止ピン33aと、カウンタウエイトWの前面に設けられ、係止ピン33aと係脱自在に係合可能な係合フック33bと、旋回台21とカウンタウエイトWとを連結固定するための連結固定手段33cを有している。
【0042】
係止ピン33aは、延出部21bの左右両側面からそれぞれ幅方向外側に延びるように設けられ、延出部21bの上部側及び下部側にそれぞれ設けられている。
【0043】
係合フック33bは、各係止ピン33aに対して上方から係合するように、先端部が下方に延びる鉤状に形成されている。
【0044】
連結固定手段33cは、延出部21b側及びカウンタウエイトW側にそれぞれ設けられたピン挿入用の孔33d,33eに固定ピン33fを挿入することによって係止ピン33aに係合した係合フック33bが外れることを防止している。ピン挿入用の孔33d,33eは、それぞれ係止ピン33aに係合フック33bが係合した状態で各孔33d,33eが連通する位置に設けられている。
【0045】
以上のように構成された移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置において、カウンタウエイトWを旋回台21の後部に取り付ける手順を説明する。
【0046】
まず、図5に示すように、下方且つ前方に位置している架台31を、シリンダ32dを伸長させることによって上方且つ後方に移動させる。
【0047】
次に、図6に示すように、クレーン装置20を用いてカウンタウエイトWを吊り上げて架台31上に載せる。このとき、架台31上面の突起部31cをカウンタウエイトWの底面に設けられた凹部31dと嵌合させることによって、カウンタウエイトWは位置決めされる。
【0048】
カウンタウエイトWを架台31上に載せた後、図7に示すように、旋回台21を旋回させて旋回台21の後部をカウンタウエイトWの前方に位置させ、シリンダ32dを縮めることによって架台31を下方且つ前方に移動させる。カウンタウエイトWが載せられた架台31を下方且つ前方に移動させると、延出部21bに設けられた係止ピン33aに対して斜め上方からカウンタウエイトWの係合フック33bが係合する。これにより、旋回台21の後部にカウンタウエイトWが係止される。
【0049】
最後に、図8に示すように、孔33d,33eに固定ピン33fを挿入することによってカウンタウエイトWの取り付け作業が完了する。このとき、連結固定手段33cは、旋回台21の後部とカウンタウエイトWの前面との間に設けられていることから、固定ピン33fの着脱の作業はカウンタウエイトW上に上がる必要はない。
【0050】
また、旋回台21の後部に取り付けられたカウンタウエイトWを取り外す場合には、カウンタウエイトWを下方且つ前方に位置している架台31の上方に移動させ、固定ピン33fを孔33d,33eから抜き取った後、シリンダ32dを伸長させる。これにより、カウンタウエイトWは、上且つ後方に移動する架台31によって下方から支持され、係止ピン33aと係合フック33bとの係合が解除されて、旋回台21の後部から取り外される。
【0051】
このように、本実施形態の移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置によれば、架台31に支持されたカウンタウエイトWを上下方向及び前後方向に移動させるためのカウンタウエイト移動機構32と、カウンタウエイト移動機構32によってカウンタウエイトWを移動させることによって旋回台21のブラケット21aの後部にカウンタウエイトWを係止するためのカウンタウエイト係止手段33とを備えている。これにより、架台31に支持されたカウンタウエイトWを後方に移動させることによって旋回台21を旋回可能とし、架台31に支持されたカウンタウエイトWを前方且つ下方に移動させることによって旋回台31の後部にカウンタウエイトWを係止することができる。したがって、前後方向の寸法が小さい車両10であっても、車両10上にカウンタウエイトWを支持した状態で旋回台21を旋回可能とするとともに、旋回台21の後部に対するカウンタウエイトWの着脱を容易に行うことが可能となる。
【0052】
また、架台31に支持されたカウンタウエイトWを上下方向及び前後方向に移動させるカウンタウエイト移動機構32を、第1リンク部材32bと第2リンク部材32cとからなるリンク機構と、リンク機構を作動させるシリンダ32dとから構成している。これにより、複数の動力源を必要とすることなく、架台31に支持されたカウンタウエイトWを上下方向及び前後方向に移動させることができるので、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0053】
また、リンク機構を、架台31の左右両側の前側及び後側にそれぞれ設けられ、車両10と架台31とを連結する第1リンク部材32bと、前後に配置された第1リンク部材32bを互いに連結し、前後に配置された第1リンク部材32bを同時に動作させる第2リンク部材32cとから構成している。これにより、2種類の部材からなる簡単な構成でリンク機構が構成されることから、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0054】
また、ブラケット21aから後方に延びる延出部21bの左右両側に設けられた係止ピン33aに対して、カウンタウエイトWの前面に設けられ、係止ピン33aと係脱自在に係合可能な係合フック33bを係合させることにより、旋回台21の後部にカウンタウエイトWを取り付けるようにしている。これにより、カウンタウエイトWを上方から旋回台21の後部に向かって移動させることによって旋回台21の後部にカウンタウエイトWを係止することができ、カウンタウエイトWの着脱の作業が容易となる。
【0055】
また、旋回台21の後部とカウンタウエイトWとの間に、旋回台21とカウンタウエイトWとを連結固定するための連結固定手段33cを設けている。これにより、旋回台21とカウンタウエイトWとの連結固定する作業を、カウンタウエイトWの上で行う必要はなく、安全性を向上させることが可能となる。
【0056】
また、架台31の上面には、カウンタウエイトWの底面に設けられた凹部31dと係合することによって、架台31に対してカウンタウエイトWを位置決め可能な突起部31cが設けられている。これにより、凹部31dと突起部31cとを係合させることによって架台31に対してカウンタウエイトWを確実に位置決めすることができ、架台31にカウンタウエイトWを設置する作業を容易に行うことが可能となる。
【0057】
尚、前記実施形態では、前後方向寸法の小さい移動式クレーン1であるラフテレーンクレーンの車両10の後部に、架台31及びカウンタウエイト移動機構32を設けたものを示している。前記実施形態の移動式クレーン1の場合には、車両10の後部に動力源としてのエンジンEが配置されるため、車両10の旋回台21の前側の前後方向寸法よりも後側の前後方向寸法が大きく形成されている。したがって、前記実施形態の移動式クレーン1の場合には、車両10の後部のエンジンEの上方に架台31及びカウンタウエイト移動機構32を配置することができる。しかし、車両10の前側に架台31及びカウンタウエイト移動機構32を配置しようとすると、図9の二点鎖線で示すように、車両10の前端よりも前方に架台31及びカウンタウエイト移動機構32が位置してしまう。このため、車両10の前側には、前後方向寸法を変更することなく、架台31及びカウンタウエイト移動機構32を配置することはできない。
しかし、例えば、車両10上面の前側の前後方向寸法が大きい移動式クレーンの場合には、車両10上面の前側に架台31及びカウンタウエイト移動機構32を設けるようにしてもよい。
【0058】
また、前記実施形態では、カウンタウエイト移動機構32を、シリンダ32dの伸縮によって前後方向及び上下方向に移動させる1つの機構から構成したものを示したが、これに限られるものではない。例えば、架台31を前後方向に移動させる機構と、架台31を上下方向に移動させる機構とを、それぞれ別に構成するようにしてもよい。
【0059】
また、旋回台21の後部に対するカウンタウエイトWの取り付けを、旋回台21の後部に設けられた係止ピン33aと、カウンタウエイトWに設けられた係合フック33bとの係合によって行うようにしたものを示したが、これに限られるものではい。例えば、旋回台21の後部に、端部が上方に延びる鉤状に形成されたフックを設け、カウンタウエイトに、フックに係合可能なピンを設けるようにしても、前記実施形態と同様に、旋回台21の後部にカウンタウエイトWを係止することができる。
【0060】
また、前記実施形態では、架台31の上面に設けられた突起部31cを、カウンタウエイトWの下面に設けられた凹部31dに嵌合させることによって、架台31に対してカウンタウエイトWを位置決めするようにしたものを示したが、これに限られるものではない。例えば、架台31の上面に設けられた凹部に、カウンタウエイトWの下面に設けられた突起部を嵌合させるようにしてもよいし、架台31の上面に、カウンタウエイトWの下面全体が嵌合する凹部を形成するようにしてもよい。
【0061】
また、前記実施形態では、カウンタウエイト移動機構32のシリンダ32dが、前側の第1リンク部材32bの他端と第2リンク部材32cの前端とともに連結されているものを示したが、これに限られるものではない。第1リンク部材32b及び第2リンク部材32cを作動させるためには、後側の第1リンク部材32bの他端と第2リンク部材32cの後端とともに連結してもよいし、第2リンク部材32cのみに連結するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 移動式クレーン
10 車両
20 クレーン装置
30 カウンタウエイト着脱装置
31 架台
31c 突起部
32 カウンタウエイト移動機構
32b 第1リンク部材
32c 第2リンク部材
32d シリンダ
33 カウンタウエイト係止手段
33a 係止ピン
33b 係合フック
33c 連結固定手段
W カウンタウエイト
【技術分野】
【0001】
本発明は、旋回台の後部にカウンタウエイトを着脱可能な移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動式クレーンは、自走可能な車両の上面に旋回可能に設けられた旋回台と、旋回台の上面に設けられた起伏可能な伸縮ブームと、を有している。この移動式クレーンは、伸縮ブームの先端に荷物を吊り上げたときの安定性を確保するために、旋回台の後部にカウンタウエイトを着脱自在に装着できるようにしている。
【0003】
従来、旋回台の後部にカウンタウエイトを着脱するためのカウンタウエイト着脱装置としては、自走可能な車両の上面に、カウンタウエイトを支持するための支持台が設けられ、旋回台を旋回させることによって、旋回台と支持台に支持されたカウンタウエイトとの係合及び係合解除を行うようにしたものが知られている(例えば、引用文献1)。
【0004】
前記カウンタウエイト着脱装置では、支持台に支持されたカウンタウエイトと旋回する旋回台とが接触しない位置に支持台を配置しなければならない。このため、前後方向の寸法が小さい車両の上面には、支持台に支持されたカウンタウエイトと旋回する旋回台とが接触しない位置に支持台を設置することができない。
【0005】
また、移動式クレーンには、公道上の走行を可能とするために、高さ寸法の制限がある。このため、カウンタウエイト着脱装置を構成する際には、移動式クレーンの高さ寸法が所定の高さ寸法を超えないようにすることが要求される。
【0006】
そこで、前後方向の寸法が小さい車両に対しても、車両上面に支持されたカウンタウエイト(カウンタウエイトの上面に固定されたサブウインチ)と旋回する旋回台とが接触することなく、また、移動式クレーンの高さ寸法が所定の高さ寸法を超えることのないカウンタウエイト着脱装置として、図10乃至図15に示す第1〜第3従来例が考えられている。
【0007】
図10及び図11に示す第1従来例のカウンタウエイト着脱装置100は、旋回台101の後部から後方に延びるように設けられた幅方向一対のウエイト支持部材102と、各ウエイト支持部材102の後端部に設けられ、上下に伸縮可能なシリンダ103と、を備えている。一対のウエイト支持部材102は、カウンタウエイトWの上面の幅方向中央部に固定されたサブウインチW1の高さ寸法よりも低い高さ位置にそれぞれ設けられている。また、一対のウエイト支持部材102は、それぞれサブウインチW1の幅方向外側に設けられ、一方の端部がサブウインチW1の後方に位置するとともに、他方の端部がサブウインチW1の前方に位置している。他方のウエイト支持部材102は、旋回台101が旋回する際にサブウインチW1の内側を通過可能な長さに形成されている。このカウンタウエイト着脱装置100においては、支持台104に支持されたカウンタウエイトWにシリンダ103の下端を連結してシリンダ103を縮めることによって、カウンタウエイトWが旋回台101の後部に取り付けられる。このカウンタウエイト着脱装置100は、カウンタウエイトWが車体の上面の支持台104に支持された状態で、一方のウエイト支持部材102がカウンタウエイトWから離れる方向にのみ旋回台101を旋回させることが可能である。
【0008】
また、図12及び図13に示す第2従来例のカウンタウエイト着脱装置110は、旋回台111の後部から後方に延びるとともに、後端部が上下方向に移動可能なように前後方向の中央部の前側が回転自在に旋回台111に支持された幅方向一対のウエイト支持部材112と、各ウエイト支持部材112の前端側に連結され、各ウエイト支持部材112の後端部を上下動させるためのシリンダ113と、を備えている。このカウンタウエイト着脱装置110は、ウエイト支持部材112の後端部にカウンタウエイトWが着脱可能に連結される。このカウンタウエイト着脱装置110においては、カウンタウエイトWとウエイト支持部材112の後端部とを連結してシリンダ113を縮めると、カウンタウエイトWが旋回台111に取り付けられる。このカウンタウエイト着脱装置110は、カウンタウエイトWとウエイト支持部材112との連結を解除してウエイト支持部材112の後端部を上方に移動させると、旋回台111がサブウインチW1に接触することなく旋回可能となる。
【0009】
さらに、図14及び図15に示す第3従来例のカウンタウエイト着脱装置120は、旋回台121の後部から後方に延びるように設けられた幅方向一対のウエイト支持部材122と、各ウエイト支持部材122の後端部に回転自在に設けられたシリンダ123と、を備えている。このカウンタウエイト着脱装置120は、車両上面の支持台124にカウンタウエイトWが支持された状態において、ウエイト支持部材122がカウンタウエイトWの上面のサブウインチW1の高さよりも高い位置に設けられている。また、シリンダ123は、中心軸を前後方向に向けた状態で保持することが可能である。このカウンタウエイト着脱装置120においては、支持台124に支持されたカウンタウエイトWにシリンダ123を連結した後に、シリンダ123を縮めると、カウンタウエイトWが旋回台121に取り付けられる。このカウンタウエイト着脱装置120は、カウンタウエイトWとシリンダ123との連結を解除して中心軸を前後方向に向けるようにシリンダ123を回転させると、旋回台121がサブウインチW1に接触することなく旋回可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−255481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記第1従来例のカウンタウエイト着脱装置100において、支持台104にカウンタウエイトWが支持された状態では、旋回台101を一方向にしか旋回させることができないため、操作性が悪いという問題がある。
【0012】
また、前記第2及び第3のカウンタウエイト着脱装置110,120において、支持台114,124にカウンタウエイトWが支持された状態では、旋回台111,121を旋回させるために、シリンダ113を作動させたり、シリンダ123を回転させたりする作業が発生するため作業性が悪いという問題がある。
【0013】
本発明は、前後方向の寸法の小さい車両においても、車両上にカウンタウエイトを支持した状態で旋回台を旋回可能とするとともに、旋回台の後部に対するカウンタウエイトの着脱を容易に行うことのできる移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の請求項1に記載の発明は、車両に対して旋回可能に設けられた旋回台と、前記旋回台に対して起伏自在に設けられた伸縮ブームと、を備えた移動式クレーンの前記旋回台後部に、カウンタウエイトを着脱するカウンタウエイト着脱装置であって、前記車両に設けられ、前記カウンタウエイトを支持するとともに、前記カウンタウエイトを上下方向及び前後方向に移動させるカウンタウエイト支持機構と、前記カウンタウエイト支持機構によって前記カウンタウエイトを下方に移動させると共に前記旋回台側に向かって移動させることによって前記旋回台後部に前記カウンタウエイトが係合し、前記旋回台後部に係合した状態の前記カウンタウエイトを上方に移動させると共に前記旋回台と反対側に向かって移動させることによって、前記旋回台後部と前記カウンタウエイトとの係合が解除されるカウンタウエイト係合手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1のカウンタウエイト着脱装置において、前記カウンタウエイト支持機構が、前記カウンタウエイトを下方から支持する架台と、前記架台を下方に移動させると同時に前記旋回台側に移動させるととともに、上方に移動させると同時に前記旋回台と反対側に移動させるリンク機構と、前記リンク機構を動作させるシリンダと、を有することを特徴とする
【0016】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2のカウンタウエイト着脱装置において、前記リンク機構が、前記架台の左右両側の前側及び後側にそれぞれ設けられ、前記車両と前記架台とを連結する第1リンク部材と、前後に配置された前記第1リンク部材を互いに連結し、前後に配置された前記第1リンク部材を同時に動作させる第2リンク部材と、からなることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかのカウンタウエイト着脱装置において、前記カウンタウエイト係合手段が、前記旋回台後部に設けられた左右方向に延びる係合ピンと、前記カウンタウエイトの側面に設けられ、前記係合ピンに対して上方から係脱可能に係合する係合フックと、を有していることを特徴とする
【0018】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項4のカウンタウエイト着脱装置において、前記旋回台後部と前記カウンタウエイトの側面との間に設けられ、前記係合ピンに対して係合フックが係合した状態で前記旋回台と前記カウンタウエイトとを連結固定する連結固定手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項2乃至5のいずれかのカウンタウエイト着脱装置において、前記架台の上面には、前記カウンタウエイトが係合することによって、前記架台に対して前記カウンタウエイトを位置決め可能な係合部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、カウンタウエイトを後方に移動させることによって旋回台を旋回可能とし、カウンタウエイトを前方且つ下方に移動させることによって旋回台の後部にカウンタウエイトを係止することができる。したがって、前後方向の寸法が小さい車両であっても、車両上にカウンタウエイトを支持した状態で旋回台を旋回可能とするとともに、旋回台の後部に対するカウンタウエイトの着脱を容易に行うことが可能となる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、複数の動力源を必要とすることなく、架台に支持されたカウンタウエイトを上下方向及び前後方向に移動させることができるので、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、2種類の部材からなる簡単な構成でリンク機構が構成されることから、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、カウンタウエイトを上方から旋回台の後部に向かって移動させることによって旋回台の後部にカウンタウエイトを係止することができ、カウンタウエイトの着脱の作業が容易となる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、旋回台とカウンタウエイトとの連結固定する作業を、カウンタウエイトの側面側から行うことができるので、カウンタウエイトの上で行う必要はなく、安全性を向上させることが可能となる。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、係合部をカウンタウエイトに係合させることによって架台に対してカウンタウエイトを確実に位置決めすることができるので、架台にカウンタウエイトを設置する作業を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態を示す移動式クレーンの側面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す移動式クレーンの要部側面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す移動式クレーンの要部平面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示す架台及びカウンタウエイト移動機構の斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態の旋回台後部にカウンタウエイトを取り付ける手順を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態の旋回台後部にカウンタウエイトを取り付ける手順を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態の旋回台後部にカウンタウエイトを取り付ける手順を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態の旋回台後部にカウンタウエイトを取り付ける手順を示す図である。
【図9】架台及びカウンタウエイトを車両の前側に配置した状態を示す移動式クレーンの側面図である。
【図10】第1従来例の旋回台後部及びカウンタウエイトの側面図である。
【図11】第1従来例の旋回台後部及びカウンタウエイトの平面図である。
【図12】第2従来例の旋回台後部及びカウンタウエイトの側面図である。
【図13】第2従来例の旋回台後部及びカウンタウエイトの側面図である。
【図14】第3従来例の旋回台後部及びカウンタウエイトの側面図である。
【図15】第3従来例の旋回台後部及びカウンタウエイトの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1乃至図8は、本発明の一実施形態を示すものである。
【0028】
本発明のカウンタウエイト着脱装置を備えた移動式クレーン1は、走行する車両10と、クレーン装置20と、を備えている。
【0029】
車両10は、前部及び後部のそれぞれに左右一対の車輪11を有し、エンジンEを動力源として走行する。また、車両10の前部側及び後部側の左右両側には、クレーン作業時に車両10の転倒を防止するとともに、車両10を安定的に支持するためのアウトリガ12が設けられている。アウトリガ12は、図示しないジャッキシリンダによって下方に伸長させて下端を接地させることにより使用される。
【0030】
クレーン装置20は、車両10の前後方向中央部に水平方向に旋回可能に設けられた旋回台21と、旋回台21に対して起伏可能に設けられるとともに、伸縮可能に設けられたブーム22と、旋回台21に設けられたキャビン23と、を有している。
【0031】
旋回台21は、ボールベアリング式やローラーベアリング式の図示しない旋回サークルによって車両10に対して旋回自在に設けられ、図示しない旋回用の油圧モータを駆動することによって旋回するように構成されている。
【0032】
ブーム22は、複数のブーム部材からなり、ブーム部材の内部に先端側に隣り合うブーム部材が収納可能な多段式に構成されている。最基端側のブーム部材(ベースブーム)22a内には、図示しない油圧シリンダが設けられ、油圧シリンダの伸縮によってブーム22が伸縮される。また、最基端側のブーム部材22aは、基端部が旋回台21のブラケット21aに上下方向に回転自在に連結されている。ブーム部材22aの伸長方向中央部の先端側と旋回台21との間には、起伏用の油圧シリンダ24が連結され、油圧シリンダ24の伸縮によってブーム22が起伏される。
【0033】
キャビン23は、旋回台21上のブラケット21aの側方に設けられ、車両10の走行に関する操作とクレーン装置20に関する操作が行われる。
【0034】
また、移動式クレーン1は、ブーム22の先端から荷物を吊り下げたときに安定性を確保するため、旋回台21の後部にカウンタウエイトWが着脱自在に装着される。移動式クレーン1は、カウンタウエイトWを旋回台21の後部に装着する作業を行うためのカウンタウエイト着脱装置30を備えている。
【0035】
カウンタウエイト着脱装置30は、カウンタウエイトWを下方から支持するための架台31と、カウンタウエイトWを支持した架台31を上下方向及び前後方向に移動させるためのカウンタウエイト移動機構32と、カウンタウエイト移動機構32によってカウンタウエイトWを移動させることによって旋回台21のブラケット21aの後部にカウンタウエイトWを係止するためのカウンタウエイト係止手段33と、を有している。
【0036】
架台31は、前後方向に延びる幅方向一対の支持部材31aと、幅方向に延びるように設けられ、一対の支持部材31aの前側及び後側の間をそれぞれ接続する接続部材31bと、から矩形枠状に形成されている。支持部材31aの上面には、カウンタウエイトを架台31上で位置決めするための突起部31cが設けられている。突起部31cがカウンタウエイトWの下面に設けられた凹部31dに嵌合すると、カウンタウエイトWが架台31上で位置決めされる。
【0037】
カウンタウエイト移動機構32は、車両10上面の後部から上方に延びる4本の支柱32aと、各支柱32aの上端側に前後方向に回転自在に連結された第1リンク部材32bと、前後に配置された第1リンク部材32bを互いに連結し、前後に配置された第1リンク部材32bを同時に回転可能とする幅方向一対の第2リンク部材32cと、前後に配置された第1リンク部材32bに回転させる力を付与するための幅方向一対のシリンダ32dと、から構成されている。
【0038】
第1リンク部材32bは、中央部が直角をなすように形成されたL字状の部材からなり、中央部が支柱32aに連結されている。第1リンク部材32bは、一端が架台31に回転自在に連結され、他端が第2リンク部材32cに回転自在に連結されている。第1リンク部材32bは、架台31上面の水平を保持して、架台31を前後及び上下に移動させる。
【0039】
第2リンク部材32cは、前後に延びる部材からなり、前端に前側に位置する第1リンク部材32bが連結され、後端に後側に位置する第1リンク部材32bが連結されている。
【0040】
シリンダ32dは、シリンダチューブ32e側の端部が後側の支柱32aの下端側に連結され、ピストンロッド32fが前側の第1リンク部材32bの他端と第2リンク部材32cの前端と共に連結されている。シリンダ32dは、シリンダロッド32fをシリンダチューブ32e内に引き込むことによって、架台31を前方且つ下方に移動させる。また、シリンダ32dは、シリンダロッド32fをシリンダチューブ32eから押し出すことによって、架台31を後方且つ上方に移動させる。
【0041】
カウンタウエイト係止手段33は、ブラケット21aから後方に延びる延出部21bの左右両側に設けられた係止ピン33aと、カウンタウエイトWの前面に設けられ、係止ピン33aと係脱自在に係合可能な係合フック33bと、旋回台21とカウンタウエイトWとを連結固定するための連結固定手段33cを有している。
【0042】
係止ピン33aは、延出部21bの左右両側面からそれぞれ幅方向外側に延びるように設けられ、延出部21bの上部側及び下部側にそれぞれ設けられている。
【0043】
係合フック33bは、各係止ピン33aに対して上方から係合するように、先端部が下方に延びる鉤状に形成されている。
【0044】
連結固定手段33cは、延出部21b側及びカウンタウエイトW側にそれぞれ設けられたピン挿入用の孔33d,33eに固定ピン33fを挿入することによって係止ピン33aに係合した係合フック33bが外れることを防止している。ピン挿入用の孔33d,33eは、それぞれ係止ピン33aに係合フック33bが係合した状態で各孔33d,33eが連通する位置に設けられている。
【0045】
以上のように構成された移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置において、カウンタウエイトWを旋回台21の後部に取り付ける手順を説明する。
【0046】
まず、図5に示すように、下方且つ前方に位置している架台31を、シリンダ32dを伸長させることによって上方且つ後方に移動させる。
【0047】
次に、図6に示すように、クレーン装置20を用いてカウンタウエイトWを吊り上げて架台31上に載せる。このとき、架台31上面の突起部31cをカウンタウエイトWの底面に設けられた凹部31dと嵌合させることによって、カウンタウエイトWは位置決めされる。
【0048】
カウンタウエイトWを架台31上に載せた後、図7に示すように、旋回台21を旋回させて旋回台21の後部をカウンタウエイトWの前方に位置させ、シリンダ32dを縮めることによって架台31を下方且つ前方に移動させる。カウンタウエイトWが載せられた架台31を下方且つ前方に移動させると、延出部21bに設けられた係止ピン33aに対して斜め上方からカウンタウエイトWの係合フック33bが係合する。これにより、旋回台21の後部にカウンタウエイトWが係止される。
【0049】
最後に、図8に示すように、孔33d,33eに固定ピン33fを挿入することによってカウンタウエイトWの取り付け作業が完了する。このとき、連結固定手段33cは、旋回台21の後部とカウンタウエイトWの前面との間に設けられていることから、固定ピン33fの着脱の作業はカウンタウエイトW上に上がる必要はない。
【0050】
また、旋回台21の後部に取り付けられたカウンタウエイトWを取り外す場合には、カウンタウエイトWを下方且つ前方に位置している架台31の上方に移動させ、固定ピン33fを孔33d,33eから抜き取った後、シリンダ32dを伸長させる。これにより、カウンタウエイトWは、上且つ後方に移動する架台31によって下方から支持され、係止ピン33aと係合フック33bとの係合が解除されて、旋回台21の後部から取り外される。
【0051】
このように、本実施形態の移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置によれば、架台31に支持されたカウンタウエイトWを上下方向及び前後方向に移動させるためのカウンタウエイト移動機構32と、カウンタウエイト移動機構32によってカウンタウエイトWを移動させることによって旋回台21のブラケット21aの後部にカウンタウエイトWを係止するためのカウンタウエイト係止手段33とを備えている。これにより、架台31に支持されたカウンタウエイトWを後方に移動させることによって旋回台21を旋回可能とし、架台31に支持されたカウンタウエイトWを前方且つ下方に移動させることによって旋回台31の後部にカウンタウエイトWを係止することができる。したがって、前後方向の寸法が小さい車両10であっても、車両10上にカウンタウエイトWを支持した状態で旋回台21を旋回可能とするとともに、旋回台21の後部に対するカウンタウエイトWの着脱を容易に行うことが可能となる。
【0052】
また、架台31に支持されたカウンタウエイトWを上下方向及び前後方向に移動させるカウンタウエイト移動機構32を、第1リンク部材32bと第2リンク部材32cとからなるリンク機構と、リンク機構を作動させるシリンダ32dとから構成している。これにより、複数の動力源を必要とすることなく、架台31に支持されたカウンタウエイトWを上下方向及び前後方向に移動させることができるので、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0053】
また、リンク機構を、架台31の左右両側の前側及び後側にそれぞれ設けられ、車両10と架台31とを連結する第1リンク部材32bと、前後に配置された第1リンク部材32bを互いに連結し、前後に配置された第1リンク部材32bを同時に動作させる第2リンク部材32cとから構成している。これにより、2種類の部材からなる簡単な構成でリンク機構が構成されることから、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0054】
また、ブラケット21aから後方に延びる延出部21bの左右両側に設けられた係止ピン33aに対して、カウンタウエイトWの前面に設けられ、係止ピン33aと係脱自在に係合可能な係合フック33bを係合させることにより、旋回台21の後部にカウンタウエイトWを取り付けるようにしている。これにより、カウンタウエイトWを上方から旋回台21の後部に向かって移動させることによって旋回台21の後部にカウンタウエイトWを係止することができ、カウンタウエイトWの着脱の作業が容易となる。
【0055】
また、旋回台21の後部とカウンタウエイトWとの間に、旋回台21とカウンタウエイトWとを連結固定するための連結固定手段33cを設けている。これにより、旋回台21とカウンタウエイトWとの連結固定する作業を、カウンタウエイトWの上で行う必要はなく、安全性を向上させることが可能となる。
【0056】
また、架台31の上面には、カウンタウエイトWの底面に設けられた凹部31dと係合することによって、架台31に対してカウンタウエイトWを位置決め可能な突起部31cが設けられている。これにより、凹部31dと突起部31cとを係合させることによって架台31に対してカウンタウエイトWを確実に位置決めすることができ、架台31にカウンタウエイトWを設置する作業を容易に行うことが可能となる。
【0057】
尚、前記実施形態では、前後方向寸法の小さい移動式クレーン1であるラフテレーンクレーンの車両10の後部に、架台31及びカウンタウエイト移動機構32を設けたものを示している。前記実施形態の移動式クレーン1の場合には、車両10の後部に動力源としてのエンジンEが配置されるため、車両10の旋回台21の前側の前後方向寸法よりも後側の前後方向寸法が大きく形成されている。したがって、前記実施形態の移動式クレーン1の場合には、車両10の後部のエンジンEの上方に架台31及びカウンタウエイト移動機構32を配置することができる。しかし、車両10の前側に架台31及びカウンタウエイト移動機構32を配置しようとすると、図9の二点鎖線で示すように、車両10の前端よりも前方に架台31及びカウンタウエイト移動機構32が位置してしまう。このため、車両10の前側には、前後方向寸法を変更することなく、架台31及びカウンタウエイト移動機構32を配置することはできない。
しかし、例えば、車両10上面の前側の前後方向寸法が大きい移動式クレーンの場合には、車両10上面の前側に架台31及びカウンタウエイト移動機構32を設けるようにしてもよい。
【0058】
また、前記実施形態では、カウンタウエイト移動機構32を、シリンダ32dの伸縮によって前後方向及び上下方向に移動させる1つの機構から構成したものを示したが、これに限られるものではない。例えば、架台31を前後方向に移動させる機構と、架台31を上下方向に移動させる機構とを、それぞれ別に構成するようにしてもよい。
【0059】
また、旋回台21の後部に対するカウンタウエイトWの取り付けを、旋回台21の後部に設けられた係止ピン33aと、カウンタウエイトWに設けられた係合フック33bとの係合によって行うようにしたものを示したが、これに限られるものではい。例えば、旋回台21の後部に、端部が上方に延びる鉤状に形成されたフックを設け、カウンタウエイトに、フックに係合可能なピンを設けるようにしても、前記実施形態と同様に、旋回台21の後部にカウンタウエイトWを係止することができる。
【0060】
また、前記実施形態では、架台31の上面に設けられた突起部31cを、カウンタウエイトWの下面に設けられた凹部31dに嵌合させることによって、架台31に対してカウンタウエイトWを位置決めするようにしたものを示したが、これに限られるものではない。例えば、架台31の上面に設けられた凹部に、カウンタウエイトWの下面に設けられた突起部を嵌合させるようにしてもよいし、架台31の上面に、カウンタウエイトWの下面全体が嵌合する凹部を形成するようにしてもよい。
【0061】
また、前記実施形態では、カウンタウエイト移動機構32のシリンダ32dが、前側の第1リンク部材32bの他端と第2リンク部材32cの前端とともに連結されているものを示したが、これに限られるものではない。第1リンク部材32b及び第2リンク部材32cを作動させるためには、後側の第1リンク部材32bの他端と第2リンク部材32cの後端とともに連結してもよいし、第2リンク部材32cのみに連結するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 移動式クレーン
10 車両
20 クレーン装置
30 カウンタウエイト着脱装置
31 架台
31c 突起部
32 カウンタウエイト移動機構
32b 第1リンク部材
32c 第2リンク部材
32d シリンダ
33 カウンタウエイト係止手段
33a 係止ピン
33b 係合フック
33c 連結固定手段
W カウンタウエイト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に対して旋回可能に設けられた旋回台と、前記旋回台に対して起伏自在に設けられた伸縮ブームと、を備えた移動式クレーンの前記旋回台後部に、カウンタウエイトを着脱するカウンタウエイト着脱装置であって、
前記車両に設けられ、前記カウンタウエイトを支持するとともに、前記カウンタウエイトを上下方向及び前後方向に移動させるカウンタウエイト支持機構と、
前記カウンタウエイト支持機構によって前記カウンタウエイトを下方に移動させると共に前記旋回台側に向かって移動させることによって前記旋回台後部に前記カウンタウエイトが係合し、前記旋回台後部に係合した状態の前記カウンタウエイトを上方に移動させると共に前記旋回台と反対側に向かって移動させることによって、前記旋回台後部と前記カウンタウエイトとの係合が解除されるカウンタウエイト係合手段と、を備えたことを特徴とする移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置。
【請求項2】
前記カウンタウエイト支持機構は、
前記カウンタウエイトを下方から支持する架台と、
前記架台を下方に移動させると同時に前記旋回台側に移動させるととともに、上方に移動させると同時に前記旋回台と反対側に移動させるリンク機構と、
前記リンク機構を動作させるシリンダと、を有することを特徴とする請求項1記載の移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置。
【請求項3】
前記リンク機構は、
前記架台の左右両側の前側及び後側にそれぞれ設けられ、前記車両と前記架台とを連結する第1リンク部材と、
前後に配置された前記第1リンク部材を互いに連結し、前後に配置された前記第1リンク部材を同時に動作させる第2リンク部材と、からなることを特徴とする請求項2記載の移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置。
【請求項4】
前記カウンタウエイト係合手段は、
前記旋回台後部に設けられた左右方向に延びる係合ピンと、
前記カウンタウエイトの側面に設けられ、前記係合ピンに対して上方から係脱可能に係合する係合フックと、を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置。
【請求項5】
前記旋回台後部と前記カウンタウエイトの側面との間に設けられ、前記係合ピンに対して係合フックが係合した状態で前記旋回台と前記カウンタウエイトとを連結固定する連結固定手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置。
【請求項6】
前記架台の上面には、前記カウンタウエイトが係合することによって、前記架台に対して前記カウンタウエイトを位置決め可能な係合部が設けられていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項記載の移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置。
【請求項1】
車両に対して旋回可能に設けられた旋回台と、前記旋回台に対して起伏自在に設けられた伸縮ブームと、を備えた移動式クレーンの前記旋回台後部に、カウンタウエイトを着脱するカウンタウエイト着脱装置であって、
前記車両に設けられ、前記カウンタウエイトを支持するとともに、前記カウンタウエイトを上下方向及び前後方向に移動させるカウンタウエイト支持機構と、
前記カウンタウエイト支持機構によって前記カウンタウエイトを下方に移動させると共に前記旋回台側に向かって移動させることによって前記旋回台後部に前記カウンタウエイトが係合し、前記旋回台後部に係合した状態の前記カウンタウエイトを上方に移動させると共に前記旋回台と反対側に向かって移動させることによって、前記旋回台後部と前記カウンタウエイトとの係合が解除されるカウンタウエイト係合手段と、を備えたことを特徴とする移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置。
【請求項2】
前記カウンタウエイト支持機構は、
前記カウンタウエイトを下方から支持する架台と、
前記架台を下方に移動させると同時に前記旋回台側に移動させるととともに、上方に移動させると同時に前記旋回台と反対側に移動させるリンク機構と、
前記リンク機構を動作させるシリンダと、を有することを特徴とする請求項1記載の移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置。
【請求項3】
前記リンク機構は、
前記架台の左右両側の前側及び後側にそれぞれ設けられ、前記車両と前記架台とを連結する第1リンク部材と、
前後に配置された前記第1リンク部材を互いに連結し、前後に配置された前記第1リンク部材を同時に動作させる第2リンク部材と、からなることを特徴とする請求項2記載の移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置。
【請求項4】
前記カウンタウエイト係合手段は、
前記旋回台後部に設けられた左右方向に延びる係合ピンと、
前記カウンタウエイトの側面に設けられ、前記係合ピンに対して上方から係脱可能に係合する係合フックと、を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置。
【請求項5】
前記旋回台後部と前記カウンタウエイトの側面との間に設けられ、前記係合ピンに対して係合フックが係合した状態で前記旋回台と前記カウンタウエイトとを連結固定する連結固定手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置。
【請求項6】
前記架台の上面には、前記カウンタウエイトが係合することによって、前記架台に対して前記カウンタウエイトを位置決め可能な係合部が設けられていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項記載の移動式クレーンのカウンタウエイト着脱装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−35980(P2012−35980A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178605(P2010−178605)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(000148759)株式会社タダノ (419)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(000148759)株式会社タダノ (419)
【Fターム(参考)】
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