説明

移動式蔓性植物支持装置

【課題】蔓性植物を良好に生長させることができると共に、遮光を要する場所に容易に移動させることができて蔓性植物による日差し遮光作用を効果的に発揮させ得る、移動式蔓性植物支持装置を提供する。
【解決手段】キャスター3が付設されて移動可能となされた台車部5の前側左右に脚柱6,6を立設し、台車部5の後側左右に支柱7,7を立設する。プランタ9を下方から支持する昇降設置台10が上下動可能に設けられ、固定装置8により所要高さで、脚柱6、支柱7に固定される。支柱7,7間が、蔓性植物栽培用のネット状物15で覆われる。ネット状物15の上下の部分は、上下のネット取付杆12,13で支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動式蔓性植物支持装置に関するものである。より詳しくは、蔓性植物を良好に生長させることができると共に、日差しを遮る必要のある場所に容易に移動させることができて蔓性植物による日差し遮光作用を効果的に発揮させることができ、これによって室温の上昇を抑制できる移動式蔓性植物支持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日差しを遮る必要のある場所に容易に移動させることができて蔓性植物による日差し遮光作用を効果的に発揮させることができ、これよって室温の上昇を抑制できる移動式蔓性植物支持装置として、実用新案登録第3123899号公報が開示するものが提案されている。
【0003】
該移動式蔓性植物支持装置は、プランタを設置するためのキャスター付き台車に2本の支柱を立設すると共に、該2本の支柱間に、蔓性植物栽培用のネットを張設する構成を採用していた。かかる構成を有する移動式蔓性植物支持装置によるときは、日差しを遮る必要のある場所に移動させることにより、該2本の支柱間に張設されたネットで生長した植物による日差し遮光作用によって室温の上昇を抑制できる利点があった。
【0004】
しかしながら、かかる移動式蔓性植物支持装置によるときは、植物が植えられたプランタを台車に直接設置するため、該プランタは、地面や床面等の設置面に近い低位置の設置状態とならざるを得なかった。それ故、該移動式蔓性植物支持装置を例えばベランダに設置したときは、台車に載せられたプランタがベランダ立壁の下側部分に位置することになった。そのため、該ベランダ立壁で日光が遮られてプランタの植物が日照不足になり易く、その生育が悪くなる問題があった。
【0005】
又、プランタが設置面に近い低位置にあると、植えられている植物が犬や猫の被害に合い易い問題があった他、水遣りや追肥をしたり芽欠きをする等の栽培作業の際に屈まなければならず作業性が悪い問題もあった。更に、プランタに植えられた植物が遮光作用を発揮できるようになるためには、植物がある程度にまで生長している必要があるが、プランタが低位置に設置されている場合は、植物が遮光作用を発揮するまでに長い日数(例えば2〜3週間程度)を要することになり、その間は室温の上昇抑制を図り得ない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3123899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、プランタに植えられた蔓性植物を良好に生長させることができると共に、日差しを遮る必要のある場所に容易に移動させることができて植物による日差し遮光作用を効果的に発揮させることができる移動式蔓性植物支持装置の提供を課題とするものである。更に、水遣りや追肥をしたり芽欠きをする等の栽培作業を楽な姿勢で行うことが可能であると共に、プランタに植えられている植物が犬や猫の被害に合いにくくでき、又、植物の生長の早い段階から植物による日差し遮光作用を発揮させることも可能な移動式蔓性植物支持装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る移動式蔓性植物支持装置は、基板部にキャスターが付設されて移動可能となされた台車部の前側左右に脚柱が立設されると共に、該台車部の後側左右に支柱が立設されてなり、プランタを下方から支持して上下動し得る昇降設置台の前側の両隅部に、軸線が上下方向であって前記支柱を挿通させる挿通孔を有するスライド筒が設けられると共に、後側の両隅部に、軸線が上下方向であって前記支柱を挿通させる挿通孔を有するスライド筒が設けられており、該昇降設置台を所要高さに設定した状態で該スライド筒を前記脚柱又は前記支柱に固定するための固定装置が設けられている。又、前記支柱間が、蔓性植物栽培用のネット状物で覆われる如くなされ、該ネット状物の上部分が該支柱の上端側に取り付けられると共に該ネット状物の下部分が前記昇降設置台に取り付けられることを特徴とするものである。
【0009】
又、本発明に係る移動式蔓性植物支持装置のより具体的な態様は、基板部にキャスターが付設されて移動可能となされた台車部の前側左右に脚柱が立設されると共に、該台車部の後側左右に支柱が立設されてなり、前記支柱は、下支柱パイプ内に上支柱パイプがスライド可能に挿入され、該上支柱パイプの所要のスライドによって設定された支柱長さが固定具で固定可能となされた伸縮支柱として構成されている。又、プランタを下方から支持して上下動し得る昇降設置台の前側の両隅部に、軸線が上下方向であって前記支柱を挿通させるスライド筒が設けられると共に、後側の両隅部に、軸線が上下方向であって前記支柱を挿通させる挿通孔を有するスライド筒が設けられており、該昇降設置台を所要高さに設定した状態で該スライド筒を前記脚柱又は前記支柱に固定するための固定装置が設けられている。又、前記支柱間が、蔓性植物栽培用のネット状物で覆われる如くなされ、該ネット状物の上部分が該支柱の上端側に取り付けられると共に該ネット状物の下部分が前記昇降設置台に取り付けられることを特徴とするものである。
【0010】
又、本発明に係る移動式蔓性植物支持装置のより具体的な態様は、平面視で正方形状又は矩形状を呈する基板部にキャスターが付設されて移動可能となされた台車部の前側左右に脚柱が立設されると共に、該台車部の後側左右に支柱が立設されてなり、該支柱の上端相互は支柱連結杆で連結されており、前記支柱は、下支柱パイプ内に上支柱パイプがスライド可能に挿入され、該上支柱パイプの所要のスライドによって設定された支柱長さが固定具で固定可能となされた伸縮支柱として構成されている。又、プランタを下方から支持して上下動し得る昇降設置台の前側の両隅部に、軸線が上下方向であって前記支柱を挿通させるスライド筒が設けられると共に、後側の両隅部に、軸線が上下方向であって前記支柱を挿通させる挿通孔を有するスライド筒が設けられており、該昇降設置台を所要高さに設定した状態で該スライド筒を前記脚柱又は前記支柱に固定するための固定装置が設けられている。又、前記支柱間が、蔓性植物栽培用のネット状物で覆われる如くなされ、該ネット状物の上部分が該支柱の上端側に取り付けられると共に該ネット状物の下部分が前記昇降設置台に取り付けられることを特徴とするものである。
【0011】
前記の各移動式蔓性植物支持装置において、前記ネット状物の上部分は、左右方向に延長する上のネット取付杆で支持される如くなすと共に、前記ネット状物の下部分は、左右方向に延長する下のネット取付杆で支持される如くなし、該上のネット取付杆は前記支柱に取り付けられる如くなすと共に、該下のネット取付杆は前記昇降設置台に取り付けられる如くなすのがよい。
【0012】
支柱の上端相互が支柱連結杆で連結される前記移動式蔓性植物支持装置において、前記ネット状物の上部分は、左右方向に延長する上のネット取付杆で支持される如くなすと共に、前記ネット状物の下部分は、左右方向に延長する下のネット取付杆で支持される如くなし、該上のネット取付杆は、上のフック部材を介して前記支柱連結杆に着脱可能に取り付けられる如くなすと共に、該下のネット取付杆は、下のフック部材を介して前記昇降設置台に着脱可能に取り付けられる如くなすのがよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る移動式蔓性植物支持装置によるときは、キャスターによって台車が移動可能であるため、ネット状物で生長した蔓性植物を含む装置全体を所要場所に容易に移動させることができる。
かかることから、該植物を、日差しの方向に応じて、遮光を要する場所に移動させることができ、蔓性植物による日差し遮光作用を効果的に発揮させることができる。これよって、室温の上昇を抑制できることとなる。
【0014】
(2) 昇降設置台を上下動させることができ、所望の高さで固定できるため、ベランダの立壁や周辺の植木等の他物の配置に極力影響されない状態で、日当たりを良好に確保して植物栽培を行なうことができ植物の生長を促進させ得る。又、プランタを高所に位置させることにより、水遣りや追肥、芽欠き等の栽培作業を楽な姿勢で行なうことができ作業性を向上させ得る。
更に、プランタを高所に位置させることにより、植物の生長の早い段階から遮光効果を得ることもできる。
そして、強風時等においては、昇降設置台を下降させることにより重心を低くでき、装置全体の安定性を向上させ得る。
【0015】
(3) 前記支柱を伸縮支柱として構成する場合は、ネット状物を張設する作業が容易であり、又、該支柱を縮小状態とすることにより、支柱の上端側における繁茂植物の葉を切り落とす作業を、高所作業によることなく安全に行うことができる。その後、支柱を伸長させることにより、ネット状物を張った状態にできる。
【0016】
(4) ネット状物の上部分と下部分を、左右方向に延長する上下のネット取付杆に支持させる構成を採用するときは、前記支柱間の間隔が比較的小さい場合であっても、該上下のネット取付杆の長さによって幅広のネット状物を張設でき、これにより、蔓性植物の栽培面積を増大させ得る。この場合、上下のネット取付杆を上下のフック部材を介して、支柱連結杆や昇降設置台に着脱可能に取り付ける構成を採用するときは、植物栽培時期が終わったときに、上下の取付杆の取り外しが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る移動式蔓性植物支持装置を示す斜視図である。
【図2】その使用状態を示す斜視図である。
【図3】その使用状態を示す側面図である。
【図4】パイプ基材を示す一部断面斜視図である。
【図5】上支柱パイプの上端部分相互を支柱連結杆で連結した状態を示す正面図と、その部分拡大図と、その部分断面図である。
【図6】支柱の長さを固定する固定具を示す分解斜視図と、支柱の長さを固定した状態を示す斜視図である。
【図7】支柱を所要長さで固定した状態を示す断面図である。
【図8】台車部の構成を示す分解斜視図である。
【図9】脚柱と下の水平枠杆とをジョイント部材を介して連結した状態を示す断面図と、下の水平枠杆相互をジョイント部材を介して連結した状態を示す断面図である。
【図10】移動式蔓性植物支持装置の下側部分の構成を示す斜視図である。
【図11】昇降設置台の構成を示す分解斜視図である。
【図12】昇降設置台を構成するスライドジョイント部材の構成を説明する斜視図である。
【図13】上の水平枠杆相互をスライドジョイント部材を介して連結した状態を示す断面図である。
【図14】スライドジョイント部材により昇降設置台の上下高さの調節を行なう要領と、その高さの固定状態を示す断面図である。
【図15】ネット状物を上下のネット取付杆に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図16】上のネット取付杆を支柱連結杆に取り付けると共に、下のネット取付杆を昇降設置台に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図17】移動式蔓性植物支持装置の支柱を縮小した状態を示す側面図である。
【図18】その装置において、昇降設置台を低位置にした状態を示す側面図である。
【図19】昇降設置台を低位置にした状態を示す斜視図である。
【図20】昇降設置台の他の態様を示す斜視図である。
【図21】その平面図である。
【図22】その分解斜視図である。
【図23】繋ぎ杆と上の前後の水平枠杆との連結状態を示す断面図である。
【図24】昇降設置台のその他の態様を示す断面図である。
【図25】昇降設置台の固定装置の他の態様を示す断面図と斜視図である。
【図26】昇降設置台の固定装置のその他の態様を示す断面図と斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0018】
図1〜3において本発明に係る移動式蔓性植物支持装置1は、基板部2にキャスター3が付設されて移動可能となされた台車部5の前側左右に脚柱6,6が立設されると共に、該台車部5の後側左右に支柱7,7が立設されてなり、プランタ9を下方から支持し得る昇降設置台10が、該脚柱6,6と該支柱7,7に、上下動可能となされ、該昇降設置台10が、固定装置8によって所要高さ位置で固定可能に設けられている。又、両支柱7,7間11が、上下のネット取付杆12,13を介して、蔓性植物栽培用のネット状物15で覆われる如くなされている。該脚柱6,6と該支柱7,7は共に、本実施例においては図4に示すように、鋼製の直線状パイプ材16の外表面17に樹脂被覆19を施してなる、例えば丸パイプとしてのパイプ基材20を所要長さに切断して構成されている。
【0019】
前記脚柱6,6は、本実施例においては、前記プランタ9による植物の栽培高さを考慮して設定されるものであり、本実施例においては該脚柱6の上端6a(図3)を、例えばキャスター3の下端112から約58cmに設定している。又、その外径は約22mmに設定されている。
【0020】
又本実施例においては、前記支柱7は伸縮支柱7aとして構成され、その長さは、140〜240cmの範囲で可変とされている。該伸縮支柱7aは、大径の下支柱パイプ21内に、小径の上支柱パイプ22をスライド可能に挿入し、該上支柱パイプ22の所要のスライドによって設定された支柱長さを固定具23で固定可能となされている。該下支柱パイプ21の外径は約22mmに設定されると共に、該上支柱パイプ22の外径は約19mmに設定されている。
【0021】
そして、該上支柱パイプ22,22の上端相互は支柱連結杆25で連結されている。該支柱連結杆25は、本実施例においては図1〜2、図5に示すように、前記と同様構成のパイプ基材20を所要長さに切断して構成されており、その外径は約19mmに設定されている。該上支柱パイプ22の上端部分26と該支柱連結杆25の端部分27相互は、図5(A)(B)に示すようにL字状ジョイント部材29を用いて連結されている。該L字状ジョイント部材29は、前記上端部分26を挿入させ得るジョイント孔30が設けられたジョイント筒部31と、前記端部分27を挿入させ得るジョイント孔32が設けられたジョイント筒部33が、直角に交わるように連結されており、支柱の上端部分26と一方のジョイント筒部31、支柱連結杆の端部分27と他方のジョイント筒部33は、夫々、図5(C)に示すように、タッピングビス35等を用いて固定されている。
【0022】
又、前記固定具23は、本実施例においては図1〜2、図6〜7に示すように、前記下支柱パイプ21の端部に固定される内筒部材36と、前記上支柱パイプ22を挿通させる外筒部材37とを具えている。該内筒部材36の先側部分39の外周面はテーパ面40に形成されると共に、該先側部分39には、その先端で開口するスリット41の複数が周方向に所要間隔で設けられている。又、前記内筒部材36の基端側部分42の外周面には雄ネジ部43が設けられている。そして、前記外筒部材37の基端側部分45の内周面には、該雄ネジ部43に螺合し得る雌ネジ部46が設けられると共に、その先側部分47の内周面には、該外筒部材37を締め付けたときに前記テーパ面40を内方に向けて押圧するテーパ面49が設けられている。
【0023】
そして図7に示すように、前記上支柱パイプ22のスライド長さを所要に設定した後に前記外筒部材37を締め付けると、該外筒部材37の前記テーパ面49が前記内筒部材36のテーパ面40を内方に押圧し、該押圧により、前記スリット41,41間に形成された挾持片50の夫々が内方に変形して上支柱パイプ22の外周面51を挾持し、この挾持によって、前記設定された支柱長さを固定可能となされている。
【0024】
前記基板部2は、本実施例においては図1、図8〜10に示すように、平面視で正方形状に枠組みされる前後左右の下の水平枠杆52,52,52,52の、直角に交わる前記端部分53,53相互を、ジョイント部材55で連結してなる。該前後左右の下の水平枠杆52,52,52,52も、前記パイプ基材20を所要長さに切断して構成されている。
【0025】
該ジョイント部材55は、図8〜9に示すように、先端56が開放した円形のジョイント孔57を有する、軸線が水平である水平ジョイント筒部59,59相互を、直角に連結すると共に、そのコーナ部60に、上端61が開放した円形のジョイント孔62を有する、軸線が上下方向である垂直ジョイント筒部63を立設してなる。該垂直ジョイント筒部63は、図9に示すように、その下側部分に、前記キャスター3の支持軸65を保持する保持筒部66が一体的に収容状態で設けられており、該保持筒部66の外周面67と前記垂直ジョイント筒部63の内周面69との間には、前記脚柱6の下端部分70の周壁部71又は前記支柱7の下端部分72の周壁部73を圧入状態に嵌め入れる環状嵌着溝74が設けられている。
【0026】
然して図1、図9〜10に示すように、前後左右の下の水平枠杆52,52,52,52の、直角に交わる前記端部分53,53を、対応の水平ジョイント筒部59,59の円形のジョイント孔57,57に挿入することにより、平面視で正方形状をなす前記基板部2を構成できる。そして、前記保持筒部66に前記支持軸65を挿入して取り付けることにより、図1、図10に示すように、前記台車部5を構成できる。
【0027】
該台車部5の前側左右と後側左右に設けられている前記垂直ジョイント筒部63,63、63,63の円形の各ジョイント孔75に、前記脚柱6,6の下端部分70,70を挿入すると共に、前記支柱7,7の下端部分72,72を挿入し、これらの下端部分70,70,72,72の周壁部71,73を前記環状嵌着溝74に圧入状態に嵌め入れると、該脚柱6,6と該支柱7,7が該台車部5の前後左右で立設状態となる。本実施例においては図9(A)(B)に示すように、前記水平ジョイント筒部59と前記水平枠杆52の端部分53とをタッピングビス35等を用いて固定すると共に、前記垂直ジョイント筒部63と前記脚柱6の下端部分70とを、前記垂直ジョイント筒部63と前記支柱7の下端部分72とを、タッピングビス35等を用いて固定している。
【0028】
本実施例においては、前記脚柱6,6の対向内側部間の間隔及び前記支柱7,7の対向内側部間の間隔は約42cmに設定されると共に、前記脚柱6と前記支柱7の対向内側部間の間隔は約42cmに設定されている。
【0029】
又、前記昇降設置台10は、本実施例においては図1、図10〜11に示すように、平面視で正方形状に枠組みされる前後左右の上の水平枠杆83,83,83,83の、直角に交わる端部分85,85相互を、前記固定装置8を構成するスライドジョイント部材86で連結してなる。該前後左右の上の水平枠杆83,83,83,83は、前記パイプ基材20を所要長さに切断して構成されている。
【0030】
該スライドジョイント部材86は、図12〜14に示すように、先端87が開放した円形のジョイント孔89を有する、軸線が水平である水平ジョイント筒部90,90相互を、直角に連結すると共に、そのコーナ部91に、上下端92,93が開放し且つ前記脚柱6又は前記支柱7を挿通させ得る挿通孔95を有するスライド筒96が設けられている。
【0031】
然して図1、図10〜11に示すように、前後左右の上の水平枠杆83,83,83,83の、直角に交わる端部分85,85を、対応の水平ジョイント筒部90,90の円形のジョイント孔89,89に挿入することにより、平面視で正方形状をなす前記昇降設置台10を構成できる。そして、該水平ジョイント筒部90と上の水平枠杆83の端部分85とは、図13に示すように、タッピングビス35等を用いて相互が一体化されている。
【0032】
又、図12、図14に示すように、前記スライド筒96の上側部分97は、その外周面に雄ネジ部100が設けられた雄ネジ筒部101として構成されており、該雄ネジ筒部101の外径は、上端に向けて稍小径となるテーパ状に形成されている。そして該上側部分97には、その上端で開口するスリット102の4本が周方向に90度の角度ピッチで設けられている。
【0033】
かかる構成を有する雄ネジ筒部101には締付け筒部103をねじ込んで締め付けることができるようになされており、該雄ネジ筒部101と該締付け筒部103とを含んで、前記固定装置8が構成される。該締付け筒部103は、図14に示すように、その下側部分が、内周面105が平滑である円筒部106として構成されると共に、その上側部分は、その内径が、下端108から上端109に向けて稍小径となるテーパ状に形成されており、その内周面107には、前記雄ネジ部100に螺合する雌ネジ部110が内周面に設けられた雌ネジ筒部111として構成されている。
【0034】
然して、前記締付け筒部103を緩めた状態では、前記雄ネジ筒部101の内径が前記脚柱6の外径や前記支柱7の外径よりも若干大きいために、前記スライド筒96は該脚柱6や該支柱7の軸線方向で上下動できる。これによって、前記昇降設置台10の高さを所要に設定できる。該昇降設置台10の高さは、本実施例においては、前記キャスター3の下端112からの上面高さが15〜60cmとなるように設定されている。そして、該昇降設置台10の高さが所要に設定された状態で、例えば、その上面113(図3)がキャスター3の下端112(図3)から50cmの高位置に設定された状態で、前記締付け筒部103を締め付ける。これにより、図14(B)に示すように、前記隣り合うスリット102,102間に形成された挾持片115の夫々が内方に変形して、前記脚柱6や前記支柱7の外周面116を挾持した状態となり、この挾持によって、各スライド筒96,96,96,96が前記脚柱6,6、前記支柱7,7に固定される。これにより、前記昇降設置台10が所要高さで安定状態で固定されることになる。
【0035】
このようにして昇降設置台10が上昇状態で固定されることにより、前記脚柱6,6と前記支柱7,7と前記基板部2と前記昇降設置台10とにより、図10に示すような直方体状の枠体117が構成されることになる。そして本実施例においては、前記基板部2に、肥料やジョーロ等の栽培用具を載せるためのメッシュ状等の棚板119が、その両側のフック片120,120を左右の下の水平枠杆52,52に上側から引っ掛けることによって取り付けられている。
【0036】
前記上のネット取付杆12は、図1、図15〜16に示すように、前記パイプ基材20を所要長さに切断して構成され、その全長が約80cmに設定されている。そして、その両端部121,121には、引掛け部材123,123が固着されている。該引掛け部材123は、本実施例においては図15に示すように、前記上のネット取付杆12の端部121を密接に嵌入させて該端部121に溶着等によって固着される有底筒部125の外面の上下に、該有底筒部125の底部126側に向けて屈曲するフック状の引掛け部127,127が突設されている。前記下のネット取付杆13は、前記上のネット取付杆12と同一の構成を有するため、その具体的な説明を省略する。
【0037】
前記ネット状物15は、図2〜3に示すように、朝顔や胡瓜、ゴーヤ等の蔓性植物の蔓が巻き付き可能なもので、正方形状のネット目130を有しており、該ネット目130の大きさは、1辺が5〜20cmに設定される。本実施例においては約10cmに設定されている。該ネット状物15は、例えば、ポリプロピレン等のプラスチック繊維やジュートを素材として形成できる。そして該ネット状物15の横幅は、前記支柱7,7間11の例えば前面側(前記脚柱6,6が存する側)131を覆い得るように、例えば約80cmに設定されると共に、その上下長さは、例えば約170cmに設定されている。
【0038】
該ネット状物15の上部分132は、左右方向に延長する前記上のネット取付杆12に支持されるのであるが、その際、例えば、該上のネット取付杆12が該ネット状物15のネット目130をジグザグ状に挿通して該ネット状物15を縫うようにして行なわれる。又、該ネット状物15の下部分133は、左右方向に延長する前記下のネット取付杆13に支持されるのであるが、例えば、該下のネット取付杆13が、前記ネット状物15のネット目130をジグザグ状に挿通して該ネット状物15を縫うようにして行なわれる。
【0039】
このようにしてネット状物15の上部分132に取り付けられた上のネット取付杆12は、例えば図1、図16に示すように、その長さ方向の中間部分の両側が、S字状を呈する上のフック部材135,135を用いて前記支柱連結杆25に着脱可能に取り付けられる。その際、上のフック部材135の下の環状部136に前記上のネット取付杆12が嵌め入れられると共に、上の環状部137に前記支柱連結杆25が嵌め入れられる。これにより、上のネット取付杆12が、左右の上のフック部材135,135を介して該支柱連結杆25の両側で吊下された状態となる。そしてこの状態で、上のネット取付杆12の両側部分139,139(図1)が、前記支柱7,7の両側で16cm程度突出した状態となる。
【0040】
前記下のネット取付杆13はその長さ方向の中間部分が、S字状を呈する下のフック部材140,140を用いて、前記昇降設置台10を構成する前の下の水平枠杆52の両側に取り付けられる。その際、該下のフック部材140の上の環状部141に前記下のネット取付杆13が嵌め入れられると共に、下の環状部142に前記前の下の水平枠杆52が嵌め入れられる。そして、このように下のネット取付杆13が昇降設置台10に取り付けられた状態で、下のネット取付杆13の両側部分143,143(図1)が、前記昇降設置台10の両側で16cm程度突出した状態となる。
【0041】
然して、前記ネット状物15の上下に取り付けられた上下のネット取付杆12,13が前記支柱連結杆25と前記昇降設置台10に取り付けられた状態で、該ネット状物15が斜め方向で張った状態となるように前記支柱7,7を伸長させる。例えば220cm程度の長さに伸長させる。
【0042】
このようにして前記ネット状物15を傾めに張設した状態で、正方形状に枠組みされた前記昇降設置台10に、図2〜3に示すようにプランタ9を設置する。該プランタ9は、左右の上の水平枠杆83a,83aで下方から支持された状態となる。
【0043】
張設されたネット状物15に蔓性植物(例えば朝顔)145が繁茂した状態を、図2〜3に一点鎖線で示している。
【0044】
本実施例においては、前記上ネット取付杆12の両側部分139,139が支柱7,7の両側で突出すると共に、前記下のネット取付杆13の両側部分143,143が前記昇降設置台10の両側で突出した状態にあるため、支柱7,7間の間隔が比較的小さい場合であっても、該上下のネット取付杆12,13の長さによって、幅広のネット状物を張設できる。これによって、蔓性植物の栽培面積を増大させることができる。
【0045】
蔓性植物145が繁茂した状態にある植物支持装置の全体は、前記台車部5がキャスター3によって移動可能であるため、日差しの方向に応じて、遮光を要する場所に容易に移動させることができる。
【0046】
又、本実施例においては、上下のネット取付杆12,13を、上下のフック部材135,140を介して、前記支柱連結杆25や昇降設置台10に着脱可能とされているため、植物栽培時期が終わったときには、該上下のネット取付杆12,13の取り外しが容易となる。
【0047】
図3は、かかる構成を有する移動式蔓性植物支持装置1をベランダ146に設置した状態を示しており、前記支柱7,7は例えば220cm程度に伸長しており、支柱上端147,147は、ベランダの屋根の稍下側に達している。前記昇降設置台10の高さは、例えばベランダ立壁149の高さ等、周辺の物の配置状態等を考慮して、栽培植物に日光を極力当てることができるように設定すればよい。例えば、該昇降設置台10を、キャスター3の下端112から50cmの高所に位置固定する。この状態で、該昇降設置台10上に載置されたプランタ9の上面150の高さが例えば75cm程度になる。昇降設置台10をこのように高所に位置させることより、ベランダ立壁149によって日光が極力遮られない状態で植物栽培を行ない得ることとなり、植物を良好に生長させることができる。
【0048】
又、このようにプランタ9を高所に配置することにより、植物に水遣りしたり追肥したり、芽欠きする等の栽培作業を楽な姿勢で行ない得ることとなる。
【0049】
そして、前記台車部5により、プランタ9とネット状物15と生長した蔓性植物145の全体を一纏まりにして移動させることができるため、該植物を、日差しの方向に応じて、遮光を要する場所に移動させることができ、蔓性植物145による日差し遮光作用を効果的に発揮させることができる。これよって、室温の上昇を抑制できることとなる。
【0050】
又、プランタの植物が一定程度にまで生長するには所要日数を要するのであるが、このように高所で植物栽培を行ない得ることにより、プランタが高位置にある分だけ、蔓性植物の生長の早い段階から遮光効果を得ることもできる。
【0051】
又、蔓性植物がネット状物15で繁茂し過ぎたときは、支柱7の上端側の葉を切りたい場合があるが、このような場合は、前記支柱7を、例えば図17に示すように縮小状態とすることにより、高所作業を避けて安全に葉を切り落すことができる。その後、支柱7,7を伸長させれば、ネット状物15を張った状態にできる。
【0052】
なお強風の際は、前記支柱7を縮小状態とすることにより風の影響を緩和できる。このとき、前記昇降設置台10を図18、図19に示すように低位置に下ろすことにより、全体の重心を下げて、強風に対する安定性を向上させ得ると共に、前記ベランダ立壁149を風除けとしても機能させて植物を保護できることとなる。
【0053】
かかる移動式蔓性植物支持装置1はベランダ以外の場所に設置されることもある。かかる場合も、周辺にある植木等の他物の配置状態によって植物への日当たりが悪くなる場合は、前記昇降設置台10を所要高さに上昇させて固定状態とすることにより、良好な日当たりを確保して植物を栽培できることになる。
【0054】
そして、生長した蔓性植物を、日差しの方向に応じて、遮光を要する場所に移動させることができ、蔓性植物による日差し遮光作用を効果的に発揮させることができる。これよって、室温の上昇を抑制できることとなる。
【0055】
又、前記ベランダにおける場合と同様に、前記昇降設置台10を高所に位置させることにより、蔓性植物の生長の早い段階から遮光効果を得ることもできる。そして、植物がある程度生長した後は、昇降設置台10を低位置に下ろして固定状態とすることにより、全体の重心を下げて装置を安定化させ得ると共に、前記支柱7,7間の略全体に亘って植物を繁茂させることができる。これにより、窓の外側を効果的に緑化できて見栄えがよく、然も、日差しを遮る遮光作用も発揮させ得ることとなる。
【0056】
又、前記昇降設置台10を前記高位置に設置することにより、犬や猫等を忌避でき、その被害を防止できることともなる。
【0057】
又、前記と同様に、蔓性植物がネット状物15で繁茂し過ぎたときは、前記支柱7を、例えば図17に示すと同様にして縮小状態とすることにより、高所作業を避けて安全に葉を切り落すことができる。その後、支柱7,7を伸長させれば、ネット状物15を張った状態にできる。
【0058】
繁茂した蔓性植物を含む装置全体の設置場所を変更する場合、移動距離が長いときは、支柱の高さを低くして植物を下ろした状態で安全に移動させることができ、新たな設置場所で支柱を伸長させれば、ネット状物15を張った状態にできる。
【0059】
又、本実施例においては、前記プランタ9を、斜め状態で取り付けられたネット状物15の後側に設置しているため、移動式蔓性植物支持装置1を窓辺に設置した場合は、外に出なくても、窓を開けて室内から水遣りできる等、メンテナンスが容易となる。又、ネット状物15が傾斜状態に張設されているため、該傾斜状態のネット状物15で支持された植物に対しての日当たりが良好となる。
【実施例2】
【0060】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0061】
(1) 前記支柱7,7は、伸縮できない一定長さのものとして構成することもある。
【0062】
(2) 前記支柱7,7の上端相互は、前記支柱連結杆25等で連結しないこともある。
【0063】
(3) 前記支柱7,7は、必要に応じて、前記昇降設置台10の最上昇位置よりも上側の部位で屈曲可能に構成することもある。このように構成する場合は、植物の栽培状態を安定させるために、支柱上端を建物の壁面等で支持させることができる。
【0064】
(4) 前記昇降設置台10は、前記したような、正方形状や矩形状等の枠体を以って構成することの他、図20〜21に示すように、前記前後の上の水平枠杆83b,83b相互を、前記左右の上の水平枠杆83a,83aと平行する1本又は複数本の繋ぎ杆159,159で連結することもある。本実施例においては、該繋ぎ杆159を2本を用いており、該2本の繋ぎ杆159,159で、左右の上の水平枠杆83a,83a間が、等幅で四分割されている。そして、該繋ぎ杆159と前後の上の水平枠杆83b,83bとの連結は、例えば図22〜23に示すように、筒状ジョイント部材160を用いて行うことができる。
該筒状ジョイント部材160は、前記上の前後の水平枠杆83b,83bを挿通させ得るスライドジョイント筒部161に、前記繋ぎ杆159の端部分158を挿入させ得るジョイント筒部162を具えている。該ジョイント筒部162は、該繋ぎ杆159の端部分158が挿入された状態で、タッピングビス35等により該繋ぎ杆159に固定されるようになされている。又、該スライドジョイント筒部161は、左右方向の位置決めが行われた後、タッピングビス35等で上の水平枠杆83bに固定されるようになされている。
そして、両繋ぎ杆159,159の上端164は前記前後左右の上の水平枠杆83b,83b、83a,83aの上端165と面一に設定されている。
かかることから、昇降設置台10上に載置されたプランター9は、その長さが比較的短いものであっても、該昇降設置台10上に安定状態で載置できることになる。
又、前記繋ぎ杆159は、図24に示すように、その両端部に、前後の上の水平枠杆83b,83bに上側から引っ掛けられるフック状の引掛け部163を有するものとして構成されることがある等、該繋ぎ杆159の両端部は、各種手段で、前後の上の水平枠杆83b,83bに連結できる。
又前記昇降設置台10は、板状やメッシュ状を呈するものとして構成されることもある。又、該昇降設置台10の平面視の形状は、長方形や矩形状を呈するものには特定されない。
【0065】
(5) 前記基板部2は、前記したような、正方形状や矩形状等の枠体を以て構成されることの他、板状やメッシュ状を呈するものとして構成されることもある。又、該基板部2の平面視の形状は、正方形状や矩形状を呈するものには特定されない。又、該基板部2や該昇降設置台10の平面視の形状は、正方形状や矩形状を呈するものには特定されない。
【0066】
(6) 前記脚柱6,6、前記支柱7,7、前記下の水平枠杆52、前記上の水平枠杆83、前記支柱連結杆25、前記上下のネット取付杆12,13を構成するために用いられる前記パイプ基材20は、角パイプ等、円形以外のパイプを用いて構成されることもある。
【0067】
(7) 前記支柱7,7を伸縮支柱7aとして構成する場合、その支柱長さの固定具23は、上支柱パイプ22の所要のスライドによって設定された支柱長さを固定できる限り、前記実施例で示したものには特定されず各種に構成され得る。
【0068】
(8) 前記昇降設置台10の四隅部に設けられた前記スライド筒96を前記脚柱6,6、前記支柱7,7に固定する前記固定装置8としては、例えば図25に示すように、該スライド筒96に設けたネジ用孔151にタッピングネジ35を螺合しその先端を、該脚柱6や該支柱7にねじ込むように構成することの他、固定ネジを螺合しその先端を支柱7の表面部に押圧状態とすること等によって行なうこともできる。
又図26に示すように、前記脚柱6や前記支柱7を嵌入させ得るC字状を呈する、スライド筒96としてのバンド部材152の縁部153でネジ軸片155,155を突設すると共に、該ネジ軸片155,155に、操作ナット部材156の内周面に設けられている雌ネジ部157を螺合し、該操作ナット部材156を締め付けることにより、前記C字状のバンド部材152で前記脚柱6や前記支柱7を締め付け得るように構成することもできる。
その他、該固定装置8は、前記スライド筒96を支柱7に固定することのできる各種の公知手段を用いて構成できる。
【0069】
(9) 前記キャスター3は、必ずしも前記脚柱6,6の下端や前記支柱7,7の下端に設けられるとは限らず、前記基板部2に付設されてもよい。
【0070】
(10)前記ネット状物15は、前記した傾斜状態で取り付けられることの他、前記支柱7,7の前面や後面に沿うように下方向に垂れた状態で取り付けられることもある。この場合、前記プランタ9は、該ネット状物15の手前に配置される。
【0071】
(11)前記上下のネット取付杆12,13を介してネット状物15を、支柱7の上端側と昇降設置台10に取り付ける場合、該上下のネット取付杆12,13は、結着等により、着脱を予定しない状態で取り付けられることもある。
【0072】
(12)本発明に係る移動式蔓性植物支持装置1は、前記支柱7,7を縮小状態にすると共に前記ネット状物15を取り外すことにより、蔓性植物以外の植物、例えばトマトやナス等を栽培するに際し、該支柱7,7をその植物の支柱として用いることもできる。この場合、トマト等の植物の生長に合わせて支柱を伸長させ、その状態で、該支柱7の長さを前記固定具23により固定すればよい。
【符号の説明】
【0073】
1 移動式蔓性植物支持装置
2 基板部
3 キャスター
5 台車部
6 脚柱
7 支柱
8 固定装置
9 プランタ
10 昇降設置台
12 上のネット取付杆
13 下のネット取付杆
15 ネット状物
21 下支柱パイプ
22 上支柱パイプ
23 固定具
25 支柱連結杆
55 ジョイント部材
86 スライドジョイント部材
95 挿通孔
96 スライド筒
135 上のフック部材
140 下のフック部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板部にキャスターが付設されて移動可能となされた台車部の前側左右に脚柱が立設されると共に、該台車部の後側左右に支柱が立設されてなり、
プランタを下方から支持して上下動し得る昇降設置台の前側の両隅部に、軸線が上下方向であって前記脚柱を挿通させる挿通孔を有するスライド筒が設けられると共に、後側の両隅部に、軸線が上下方向であって前記支柱を挿通させる挿通孔を有するスライド筒が設けられており、該昇降設置台を所要高さに設定した状態で該スライド筒を前記脚柱又は前記支柱に固定するための固定装置が設けられており、
又、前記支柱間が、蔓性植物栽培用のネット状物で覆われる如くなされ、該ネット状物の上部分が該支柱の上端側に取り付けられると共に該ネット状物の下部分が前記昇降設置台に取り付けられることを特徴とする移動式蔓性植物支持装置。
【請求項2】
基板部にキャスターが付設されて移動可能となされた台車部の前側左右に脚柱が立設されると共に、該台車部の後側左右に支柱が立設されてなり、
前記支柱は、下支柱パイプ内に上支柱パイプがスライド可能に挿入され、該上支柱パイプの所要のスライドによって設定された支柱長さが固定具で固定可能となされた伸縮支柱として構成されており、
又、プランタを下方から支持して上下動し得る昇降設置台の前側の両隅部に、軸線が上下方向であって前記脚柱を挿通させるスライド筒が設けられると共に、後側の両隅部に、軸線が上下方向であって前記支柱を挿通させる挿通孔を有するスライド筒が設けられており、該昇降設置台を所要高さに設定した状態で該スライド筒を前記脚柱又は前記支柱に固定するための固定装置が設けられており、
又、前記支柱間が、蔓性植物栽培用のネット状物で覆われる如くなされ、該ネット状物の上部分が該支柱の上端側に取り付けられると共に該ネット状物の下部分が前記昇降設置台に取り付けられることを特徴とする移動式蔓性植物支持装置。
【請求項3】
平面視で正方形状又は矩形状を呈する基板部にキャスターが付設されて移動可能となされた台車部の前側左右に脚柱が立設されると共に、該台車部の後側左右に支柱が立設されてなり、該支柱の上端相互は支柱連結杆で連結されており、
前記支柱は、下支柱パイプ内に上支柱パイプがスライド可能に挿入され、該上支柱パイプの所要のスライドによって設定された支柱長さが固定具で固定可能となされた伸縮支柱として構成されており、
又、プランタを下方から支持して上下動し得る昇降設置台の前側の両隅部に、軸線が上下方向であって前記脚柱を挿通させるスライド筒が設けられると共に、後側の両隅部に、軸線が上下方向であって前記支柱を挿通させる挿通孔を有するスライド筒が設けられており、該昇降設置台を所要高さに設定した状態で該スライド筒を前記脚柱又は前記支柱に固定するための固定装置が設けられており、
又、前記支柱間が、蔓性植物栽培用のネット状物で覆われる如くなされ、該ネット状物の上部分が該支柱の上端側に取り付けられると共に該ネット状物の下部分が前記昇降設置台に取り付けられることを特徴とする移動式蔓性植物支持装置。
【請求項4】
前記ネット状物の上部分は、左右方向に延長する上のネット取付杆で支持されると共に、前記ネット状物の下部分は、左右方向に延長する下のネット取付杆で支持される如くなされており、該上のネット取付杆は前記支柱に取り付けられると共に、該下のネット取付杆は前記昇降設置台に取り付けられることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の移動式蔓性植物支持装置。
【請求項5】
前記ネット状物の上部分は、左右方向に延長する上のネット取付杆で支持されると共に、前記ネット状物の下部分は、左右方向に延長する下のネット取付杆で支持される如くなされており、該上のネット取付杆は、上のフック部材を介して前記支柱連結杆に着脱可能に取り付けられると共に、該下のネット取付杆は、下のフック部材を介して前記昇降設置台に着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項3記載の移動式蔓性植物支持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−120526(P2011−120526A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−281233(P2009−281233)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(392003225)第一ビニール株式会社 (27)
【Fターム(参考)】