説明

移動手すり補正装置

乗客コンベヤ(2)において移動手すり(10)の長さを補正する方法であって、乗客コンベアは、少なくとも1つの乗客輸送表面(8)を画定する乗客輸送ベルト(4)を有し、手すり(10)は、乗客輸送ベルト(4)に沿った露出経路(12)を通って、折り返し手段(14)を回り、戻り経路(16)を通って、さらなる折り返し手段(18)を回って延びている閉じられた手すり経路に沿って移動し、この手すり経路により、乗客輸送表面に対して概ね垂直な手すり平面が画定され、前記方法は、(i)手すり平面の外側に手すり(10)を曲げるステップと、(ii)補正手段(38)を通して手すり(10)を導くステップと、(iii)手すり平面内へと戻すように手すり(10)を曲げるステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスカレータや動く歩道などの乗客コンベヤに関し、特に、少なくとも1つの乗客輸送表面を画定する乗客輸送ベルトを備えた乗客コンベヤにおいて、移動手すりを補正する方法に関する。手すりは、乗客輸送ベルトに沿った露出経路を通って、折り返し手段を回り、戻り経路を通って、もう一方の折り返し手段を回って延びる閉じられた手すり経路に沿って移動し、この手すり経路により、乗客輸送表面に対して概ね垂直な手すり平面が画定される。
【背景技術】
【0002】
このような乗客コンベヤは広く用いられている。乗客コンベヤの手すりは、通常、ゴムまたはプラスチック材料から形成されており、通常は金属材料からなる長手方向の補強ケーブルなどの補強要素によって内部から補強されている。手すりは、通常、閉ループであり、その長さは、通常、少なくとも30m〜35mである(用途により異なる)。手すりの経時変化によって生じる短縮だけでなく、製造上の公差を補正するために、通常、手すりの長さの補正が行われる。このため、少なくとも1つの補正装置が手すりの戻り経路に配置される。製造上の公差(手すりの長さとは実質的に無関係である)は、±12.5mmであり、したがって、通常は少なくとも60mm、好ましくは60mm〜75mmまたはそれ以上の長さ補正が望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既存の乗客コンベヤでは、これらの補正装置は、手すり経路によって画定される平面内の空間を占める。しかし、この空間は、乗客輸送ベルト案内要素(例えば、踏段ローラレールなど)あるいは駆動要素(例えば、踏段チェーンや踏段チェーン駆動装置)などの他の乗客コンベヤの構成部品を配置するためにも必要である。特に、「スリムな」近代的な乗客コンベヤ、またはガラスの欄干を有するコンベヤでは、前記空間の問題が重要となる。したがって、このような構成においては、補正装置がより広い空間を要すること、または、十分な補正長さをもたらすために単一の手すりに複数の補正装置が要求されることにより、従来の補正装置を使用できないこと多い。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、先行技術の乗客コンベヤにおける空間の問題を回避するとともに、空間が主要な問題となる領域に乗客コンベヤの構成部品の配置を設計する設計者がより柔軟に設計可能な方法および装置を提供することである。
【0005】
本発明の実施例によれば、この目的は、上記の方法によって解決され、該方法は、(a)手すり平面の外側に手すりを曲げるステップと、(b)補正手段を通して手すりを導くステップと、(c)手すり平面内へ戻すように前記手すりを曲げるステップと、を含む。
【0006】
この目的は、補正手段と、手すりを長手軸の周囲で曲げる手段と、を有する手すり補正装置によってさらに解決される。
【0007】
手すりを長手軸の周囲で曲げるか、ねじることによって、補正装置を手すり経路平面の外側へと傾け、空間が特に制限される乗客コンベヤの部分から遠ざけることができる。これは、特に、補正装置内の手すりが、手すり経路によって画定された平面内に位置するか、あるいは平面内へと延びる他の構成部品を側方に迂回して移動可能である充分な角度で、補正装置を傾けることである。
【0008】
不要な曲げ仕事を低減または排除するために、手すりを長手方向の中立軸の周囲で曲げることが好ましい。
【0009】
好ましくは、手すり平面の外側へと手すりを曲げるステップは、手すりを手すり平面から約2°〜30°の角度の間で曲げることを含む。この範囲内の他の値であってもよく、例えば、約5°〜25°の間、約10°〜20°の間、約12°〜18°の間としてもよい。
【0010】
好ましくは、手すり補正装置は、手すりの移動方向に、第1の曲げ手段、補正手段、および第2の曲げ手段を有する。第1の曲げ手段は、手すりを所定の量だけ第1の方向に曲げることができ、第2の曲げ手段は、手すりを同じ量だけ反対方向に曲げることができる。このような構成は、手すりが補正装置の前と後でまったく同じ方向に移動することを意味する。手すりを単一のステップで所望の量だけ曲げるのではなく、長い距離にわたる連続的な曲げ手段に匹敵するような複数の曲げ手段を設けることによって、所定の曲げ角度を達成してもよい。
【0011】
好ましくは、曲げ手段は、第1および第2のガイドローラセットを有し、該ガイドローラは、手すりの上側(すなわち、使用者が接触する側)と、手すりの内側(すなわち、上側とは反対の側)に接触し、第2のガイドローラセットは、使用時に手すりが第1のガイドローラセットから第2のガイドローラセットに移動する間に曲げられるように、第1のガイドローラセットに対して角度的にオフセットしている。各々のガイドローラセットは、好ましくは、手すりが通過するスリットまたは間隙を形成する。第1のスリットと第2のスリットとの間の角度差により、角度的なオフセット、したがって、手すりの曲げ角度が画定される。ガイドローラセットの代わりに、スライド接触プレートや移動接触ベルトなどの任意の他の案内要素を用いてもよい。このような代替的案内手段もまた、手すりを案内するスリットまたは間隙を形成することが好ましい。
【0012】
好ましくは、第2のローラセットは、使用時に概ねC字型の手すりの内側に隣接する側に2つの内側ローラを有し、該2つの内側ローラは、使用時に、一方の内側ローラがC字型の手すりの側面の脚部に接触し、他方の内側ローラが脚部の間のウェブに接触するように、前記ローラの回転軸が互いにほぼ垂直であるように配置される。手すりの内側の案内を確実にするために単一のローラを用いると、比較的に大きな直径が必要となり、空間的な要求に一致しなくなる。この問題に対応するために、本発明の実施例は、C字型の手すりにおける2つの脚部間の距離より僅かに小さい直径を有する1つのローラまたはディスクを用い、かつ比較的小さな直径を有するとともに、2つの脚部間のウェブに円周面が接触するさらなるローラを用いることを提案する。この二重ローラ配置は、手すりの厚さを僅かに越えて延びるように構成することができる。
【0013】
好ましくは、第1および第2のローラセットは、手すりの幅の少なくとも2倍の距離だけ互いに離間している。第1のローラセットと第2のローラセットとの間の距離は、手すりが長手軸の周囲で曲げられる長さに相当する。手すりを曲げるにあたっては、そのC字型の手すりの側方の脚部が屈曲しないか、または最低限の屈曲しか生じないようにすることが好ましい。これにより、曲げによる手すりの老化が回避される。この老化を回避するように、第1のローラセットと第2のローラセットとの間に所定の距離が付与される。
【0014】
好ましくは、補正手段は、使用時に手すりの内側に作用するとともに、手すりを上側の方向に突出させる補正ローラを有する。第2のローラセットは、補正ローラの突出方向とは反対方向において、第1のローラセットから所定の距離だけオフセットしている。このような構成において手すりは、(側方から見て)最初に第1および第2のローラセットの間で上方に送られ、次いで補正ローラによって下方に送られ、次いで戻り曲げ装置の第2のローラセットに送られ、ここから再び下方に送られて元の方向に戻る。このような構成によって特に小型の補正装置がもたらされる。
【0015】
本発明の実施例は、さらに、少なくとも1つの乗客輸送表面を画定する乗客輸送ベルトと、移動手すりと、を有する乗客コンベヤに関し、移動手すりは、乗客輸送ベルトに沿った露出経路を通って、折り返し手段を回り、戻り経路を通って、さらなる折り返し手段を回って延びる閉じられた手すり経路に沿って移動し、この手すり経路により、乗客輸送表面に対して概ね垂直な手すり平面が画定され、乗客コンベヤは、さらに補正手段と、手すりを長手軸の周囲で曲げる手段と、を有する。曲げ手段は、必ずしも補正装置の一部である必要はなく、他の位置、好ましくは、手すりの戻り経路に沿って配置されてもよい。手すり経路平面の外側へと傾けた状態で延びる距離にわたって手すりを案内すること、また、補正手段をこのような部分に配置することが考えら得る。
【0016】
好ましくは、乗客コンベヤは、本発明の実施例による補正装置を有する。
【0017】
好ましくは、補正装置の構成部品の一部または全ては、支持要素、例えば、支持プレートに取り付けられる。このような支持要素は、所定の曲げ角度で乗客輸送装置に取り付け可能である。実質的に全ての構成部品を単一の支持要素に配設することによって、これらの部品は、工場において容易に位置調整されるとともに、例えば、コンベヤのトラスへの取付けなどコンベヤに容易に組み付け可能であり、この際、部品を個々に取り付けおよび位置調整する必要がなくなる。
【0018】
好ましくは、補正装置の構成部品または支持要素は、乗客輸送装置の正確に位置調整された構成部品に取り付けられる。このような正確に位置調整された構成部品は、例えば、踏段ローラレール、チェーンローラレール、欄干支持部などであってよい。適当な取り付け構成、例えば、合わせ面や特定の締結具などを設けることにより、対応する位置調整された構成部品に乗客輸送装置を単に固定することによって乗客輸送装置の構成部品が正確に位置調整されるように、乗客コンベヤを設計することが可能である。このような設計によって乗客コンベヤを組み立てる労力を大幅に低減させることができる。
【0019】
本発明および本発明の実施例は以下において図面を参照しつつ、より詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、乗客コンベヤ2、具体的にはエスカレータを示しており、エスカレータは、複数の踏段6からなる乗客輸送ベルト4を有し、踏段の踏面(トレッド)により、複数の乗客輸送面8が形成される。さらに、エスカレータ2は、2つの移動手すり10を有する。各々の手すり10は、露出経路12に亘って延びる閉じられた手すり経路に沿って移動し、この露出経路12において、手すり10は、乗客に対して露出され、乗客輸送表面8に対して平行移動する。さらに、閉じられた手すり経路は、上部折返し手段14と、戻り経路16(図ではほぼ完全に隠れているが、乗客輸送ベルト4の下を走っている)と、下部折返し手段18と、を有する。折返し手段14,18は、ニュウェルと呼ばれることがある。さらに、エスカレータ2は、トラス20を有し、トラスにより、エスカレータがビルに取り付けられるとともに、エスカレータ駆動装置22、エスカレータチェーン26を駆動するチェーン駆動スプロケット24、および踏段ローラレール28などのエスカレータ構成部品が支持される。当業者であれば、図1の斜視図では、細部を図示するために、本来は隠れているエスカレータ2の構成部品の一部を剥き出しにして図示していることを理解されるであろう。
【0021】
また、図1には、側部の欄干32のガラスパネル30が図示されている。ガラスパネル30は、その下端部においてガラス保持形材34により支持され、その上端部において手すりガイド形材(図示せず)を支持している。閉じられた手すり経路により、手すり平面が画定され、この手すり平面は、ガラスパネル30と概ね一致するとともに、乗客輸送表面8に対してほぼ直角であり、垂直方向に延びている。
【0022】
図2は、本発明の実施例による手すり補正装置36の斜視図である。手すり補正装置36は、手すり補正手段38、第1のねじり/曲げ手段40、および第2のねじり/曲げ手段42を含む。さらに、図2は、トラス20の一部およびガラス保持形材34を図示している。また、図2では、踏段ローラレール44および踏段チェーンローラレール46を図示している。手すり補正手段38は、複数の補正バウローラを含んだ補正湾曲部(バウ)48と、複数のバックベンディング(後屈)ローラを含んだ2つのバックベンディングローラ湾曲部(バウ)50と、を有する。
【0023】
さらに、図から分かるように、手すり10は、中央のウェブ54(図5参照)から突出した2つの側方脚部52を備えた概ねC字型の断面を有する。
【0024】
第1および第2の曲げ手段40,42は、第1および第2のガイドローラセット56,58を有する。第1および第2のガイドローラセット56,58は、スリット/間隙をそれぞれ画定し、これにより、手すり10のウェブ54が案内される。ガイドローラセット56のスリットの延長部分は、手すり経路によって画定される平面に対して垂直である。第2のローラセット58のスリットは、最終的に手すりのねじりまたは曲げの量を画定する所定の量だけ平面に対して角度をなしている。第2のガイドローラセット58は、バックベンディングローラ湾曲部50の1つまたは複数のローラからなってもよい。
【0025】
図2および図4を比較すれば分かるように、補正湾曲部48は、図2に図示された最小補正位置と、図4に図示された最大補正位置との間で可変である。さらに図4から分かるように、支持プレートの形態を有する支持エレメント60が見える。補正湾曲部の保持部62は、支持プレート60に摺動可能に取り付けられている。
【0026】
図3および図5は、それぞれ図2および図4に図示された手すり補正装置36の端部を示している。特に図3を参照すると、補正装置38が先行技術における従来のものと同様に手すり10を単純に下方に曲げる場合には、手すり10が踏段ローラレール44と衝突してしまうことが分かる。手すり10と踏段ローラレール44の上部部分との間の空間は制限されており、必要な補正をもたらすには十分ではない。図5において詳細に分かるように、手すりをねじる/曲げること、および補正手段38を傾けて配置することによって、手すり10が踏段ローラレール44の側方を通過し、これにより、十分な補正が得られる。このように、図3および図4は、本発明の実施例が、従来の補正装置の空間的な問題を解決する方法を明瞭に図示している。
【0027】
図6は、図4と同様の最大補正に近い状態における手すり補正装置36の斜視図である。図6を参照すると、手すりが第1のガイドローラセット56と第2のガイドローラセット58との間でねじられていることが明確に分かる。さらに図6において、手すり10は、最初に第1のガイドローラセット56から第2のガイドローラセット58へと上方に案内され、次いで補正湾曲部を通って下方に案内され、ここで再び第2の曲げ手段の第2のガイドローラセット58へと上方に案内され、ここから手すり10は再び下方に案内されて元の方向へと戻る。
【0028】
また図6は、トラス20の各部品、ガラス保持形材34および踏段ローラレール44を示している。ガラス保持形材34および踏段ローラレール44は、エスカレータ2において極めて正確に位置調整された構成部品であることが注記されたい。したがって、手すり補正装置36を、上記構成部品の少なくとも一方に固定することによって、補正装置が正確に位置調整されるため、補正装置および/またはその個々の構成部品をそれぞれ位置調整する必要がない。支持プレート60に取り付けられたビーム64により、補正装置36がガラス保持形材34に取り付けられる。第1のガイドローラセット56の保持部66が踏段チェーンローラレール46に取り付けられている。
【0029】
図7は、図6と同様であるが、手すり補正装置36以外の部品を省略して図示している。この図では、第2のローラセット58が他の図よりも見やすくなっている。特に、第2のローラセット58が2つの内側ローラ68,70を有することが分かる。これらの内側ローラ68,70は手すり10の内側72に接触する。手すり10の内側72は、乗客輸送ベルトに沿った手すり経路の部分において乗客に露出される手すりの上側74つまり外側部分の反対側に位置する。特に、2つの内側ローラ68,70は、回転軸が互いに概ね垂直に配置されており、したがって、使用時にディスク型の内側ローラ68がC字型の手すり10の側面の脚部52に接触し、円筒形ローラの形状を有する他方の内側ローラ70が脚部52の間のウェブ54に接触することが分かる。ディスク68は、2つの脚部の間の距離よりもわずかに小さい直径を有しており、したがって、2つの脚部52のどちらか一方を案内する。したがって、2つの内側ローラ68,70が必要とする高さは、従来の第1のガイドローラセット56の内側ローラ76に比べて遥かに低い。これにより、上から覆うガラス保持形材34(図6参照)による空間的な制限にも拘わらず、第1のガイドローラセット56と第2のガイドローラセット58との間で手すりを上方に案内することが可能となる。
【0030】
図8は、本発明の実施例による手すり補正装置36の側面図であり、第2のガイドローラセット58とガラス保持形材34との間の制限された空間を図示している。図9は、手すり補正装置の各固定点を図示している。第1のガイドローラセット56を除いて、全ての構成部品は、支持プレート60に固定されており、この支持プレート60は、ビーム64によってガラス保持形材34の下方に固定されるとともに、支持部78によって2つのガイドレール44,46の一方、好ましくは踏段チェーンローラレール46に固定される。このように、支持プレート60を3ヶ所の固定点で固定することによって、その固定が静的に画定される。第1のガイドローラセット56は、それぞれ個別に保持部66によって踏段チェーンローラレール46に取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】乗客コンベヤを示す図。
【図2】本発明の実施例による最小補正状態における補正装置の斜視図。
【図3】最小補正状態における図2の補正装置の端面図。
【図4】図2と同様の本発明の実施例による最大補正状態における補正装置の斜視図。
【図5】最大補正状態における図4の補正装置の端面図。
【図6】乗客コンベヤの構成部品に取り付けられた本発明の実施例による補正装置の斜視図。
【図7】乗客コンベヤの残部を取り除いた状態の図6と同様の補正装置の図。
【図8】乗客コンベヤの構成部品に取り付けられた本発明の実施例による補正装置の側面図。
【図9】周囲の構成部品を取り除いた補正装置の斜視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客コンベヤ(2)において移動手すり(10)の長さを補正する方法であって、
前記乗客コンベアは、少なくとも1つの乗客輸送表面(8)を画定する乗客輸送ベルト(4)を有し、
前記手すり(10)は、前記乗客輸送ベルト(4)に沿った露出経路(12)を通って、折り返し手段(14)を回り、戻り経路(16)を通って、さらなる折り返し手段(18)を回って延びる閉じられた手すり経路に沿って移動し、該手すり経路により、前記乗客輸送表面に対して概ね垂直な手すり平面が画定され、
前記方法は、
(i)前記手すり平面の外側に前記手すり(10)を曲げるステップと、
(ii)補正手段(38)を通して前記手すり(10)を導くステップと、
(iii)前記手すり平面内へと戻すように前記手すり(10)を曲げるステップと、
を含む移動手すり長さ補正方法。
【請求項2】
前記手すり平面の外側に前記手すりを曲げるステップは、前記手すり(10)を前記手すり平面から約2°〜30°の角度の間で曲げることを含むことを特徴とする請求項1に記載の移動手すり長さ補正方法。
【請求項3】
移動手すり(10)を有する乗客コンベヤ(2)の手すり補正装置(36)であって、前記移動手すり(10)は、補正手段(38)と、前記手すり(10)を長手軸の周囲で曲げる手段(40,42)と、を有することを特徴とする手すり補正装置(36)。
【請求項4】
前記手すり(10)の移動方向において、第1の曲げ手段(40)と、補正手段(38)と、第2の曲げ手段(42)と、を有し、
前記第1の曲げ手段(40)により、第1の方向に所定量だけ前記手すり(10)が曲げられ、第2の曲げ手段(42)により、同じ所定量だけ反対方向に前記手すりが曲げられることを特徴とする請求項3に記載の手すり補正装置(36)。
【請求項5】
前記曲げ手段(40,42)は、前記手すり(10)の上側および内側(72)に接触する第1のガイドローラセット(56)および第2のガイドローラセット(58)を有し、
使用時に、前記手すり(10)が前記第1のガイドローラセット(56)から前記第2のガイドローラセット(58)まで移動する間に曲げられるように、前記第2のガイドローラセット(58)は、前記第1のガイドローラセット(56)に対して角度的にオフセットしていることを特徴とする請求項3または4に記載の手すり補正装置(36)。
【請求項6】
前記第2のローラセット(58)は、使用時に概ねC字型の手すり(10)の内側(72)に隣接する側に2つの内側ローラ(68,70)を有し、
使用時に、前記内側ローラの一方が前記C字型の手すり(10)の側方脚部(52)に接触し、前記内側ローラの他方(70)が前記脚部(52)の間のウェブ(54)に接触するように、前記2つの内側ローラは、回転軸が互いに概ね垂直であるように配置されることを特徴とする請求項5に記載の手すり補正装置(36)。
【請求項7】
前記第1および第2のローラセット(56,58)は、前記手すり(10)の幅の少なくとも2倍の距離を互いに隔てることを特徴とする請求項5または6に記載の手すり補正装置(36)。
【請求項8】
前記補正手段(38)は、使用時に前記手すり(10)の前記内側(72)に対して作用するとともに、上側(74)の方向に前記手すり(10)を突出させる補正ローラ(48)を有し、
前記第2のローラセット(58)は、前記補正ローラ(48)の突出方向とは反対の方向に、前記第1のローラセット(56)から所定の距離だけオフセットしていることを特徴とする請求項6または7に記載の補正装置(36)。
【請求項9】
前記曲げ手段(40,42)は、2°〜30°の間の所定量だけ前記手すり(10)を曲げるように適合されることを特徴とする請求項3〜8のいずれか一項に記載の手すり補正装置(36)。
【請求項10】
少なくとも1つの乗客輸送表面(8)を画定する乗客輸送ベルト(4)と、移動手すり(10)と、を有する乗客コンベヤ(2)であって、
前記移動手すりは、前記乗客輸送ベルト(4)に沿った露出経路(12)を通って、折り返し手段(14)を回り、戻り経路(16)を通って、さらなる折り返し手段(18)を回って延びる閉じられた手すり経路に沿って移動し、該手すり経路により、前記乗客輸送表面(8)に対して概ね垂直な手すり平面が画定され、
さらに、前記乗客コンベヤは、補正手段(38)と、前記手すり(10)を長手軸の周囲で曲げる手段(40,42)と、を有することを特徴とする乗客コンベヤ(2)。
【請求項11】
請求項3〜9までのいずれに記載の補正手段(36)を有することを特徴とする請求項10に記載の乗客コンベヤ(2)。
【請求項12】
前記補正装置(36)の構成部品は、支持要素(60)に取り付けられ、該支持要素は所定の曲げ角度をなして前記乗客コンベア(2)に取り付けられることを特徴とする請求項11に記載の乗客コンベヤ(2)。
【請求項13】
前記支持要素(60)は、前記乗客コンベア(2)の正確に位置調整された構成部品(34,44,46)に取り付けられることを特徴とする請求項12に記載の乗客コンベヤ(2)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2008−505035(P2008−505035A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518462(P2007−518462)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【国際出願番号】PCT/EP2004/007331
【国際公開番号】WO2006/002679
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(591020353)オーチス エレベータ カンパニー (402)
【氏名又は名称原語表記】OTIS ELEVATOR COMPANY
【Fターム(参考)】