説明

移動端末についてハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断する方法及び装置、コンピュータプログラム、並びに移動端末によって転送されるメッセージ

【課題】無線セルラー電気通信ネットワークの移動端末について、第1の基地局から第2の基地局へハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断する方法を提供する。
【解決手段】移動端末は継続中の通信に第1の基地局を通じて関与しており、当該方法は、継続中の通信に関連する第1の信号の変化を取得するステップと、第1の基地局及び第2の基地局によって転送される第2の信号の変化を取得するステップと、第1の信号の変化と第2の信号の変化とが異なる場合、ハンドオーバを実行する必要があると判断するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線セルラー電気通信ネットワークの移動端末について、第1の基地局から第2の基地局へハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断する方法に関する。
【0002】
従来の無線セルラー電気通信ネットワークは、個別に1つ又は複数のセルをカバーする多数の基地局から成る。
【0003】
セルは、1つの基地局によってブロードキャストされる信号が所定の閾値を超えて受信されるエリアである。各基地局は、複数の移動端末を識別することができる。これは、基地局が、当該基地局が管理するセル内に位置する各移動端末に対して、セル内で一意である短い識別子を割り当てるためである。
【0004】
隣接するセル同士は異なる識別子を有する。移動端末が異なる基地局によって転送される信号を検出したとき、各基地局は、当該基地局が管理するセルの識別子を表す信号をブロードキャストし、それによって、信号の発信源が不明確になる事態を一切回避する。
【0005】
移動端末は、1つのセルから別のセルへ移動するとき、その別のセルの識別子を表す信号を測定し、セルを識別し、ネットワークにこれに関して知らせることができる。そうすることで、ネットワークはハンドオーバの準備をすることができ、その結果、移動端末に転送される信号及び/又は移動端末によって転送される信号は、移動端末が位置していた以前のセルを管理する基地局からではなく、新たに発見されたセルを管理する基地局によって搬送される。
【0006】
上述のハンドオーバメカニズムは、移動体支援ハンドオーバ(Mobile Assisted Handover)を表すMAHOの名称で知られている。
【0007】
このメカニズムは、各基地局が、当該基地局が管理するセル内で隣接するセルの識別子のリストを自身のセル内に位置する移動端末にブロードキャストする場合に最適化される。
【0008】
MAHOシステムは最初は、主にマクロセル、すなわち数十km2をカバーする大きいセルから成る第1世代の無線セルラー電気通信ネットワーク用に開発された。
【0009】
大きいサイズのセルでは、自身が管理するセル内で基地局によってブロードキャストされる、隣接するセルのリストは妥当なサイズを有する。移動端末はこれらの測定に集中することができ、重要な(meaningful)セルについてのみ結果を報告する。
【0010】
現在、より小さいサイズのセルが導入されている。これらのセルは、マイクロセル、ピコセル、フェムトセルと呼ばれている。MAHOシステムはこれらのセルのためにも使用される。最近では、第3世代の無線セルラー電気通信ネットワークは通常、階層セル構造(HCS)によって構築される。いくつかの周波数は、マクロセルが維持される高速移動端末専用であり、他のいくつかの周波数は、ピコセルが使用される低速移動端末及び/又は高データレート移動端末専用である。
【0011】
マイクロセル、ピコセル、フェムトセルは、互いから独立して家の中に設置されることができる基地局によって管理される。例として、これらの基地局は、隣接するセルが存在するか否かや、セルが互いに重なり合うか否かを考慮することなく、家の居住者によって設置することができる。
【0012】
基地局をそのように組織化することなく設置することは、隣接するセルに異なるセル識別子を割り当てることを困難にする。
【0013】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/129989号(要約書、段落[0019]、[0028]〜[0031])
【0014】
したがって本発明の目的は、無線セルラー電気通信ネットワークの移動端末について、隣接するセルの異なるセル識別子を使用することなく、第1の基地局から第2の基地局へハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断することを可能にする、方法及び装置を提案することである。
【0015】
この目的のために、本発明は、無線セルラー電気通信ネットワークの移動端末について、第1の基地局から第2の基地局へハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断する方法であって、移動端末は継続中の通信に第1の基地局を通じて関与しており、当該方法は、
継続中の通信に関連する第1の信号の変化を取得するステップと、
第1の基地局及び第2の基地局によって転送される第2の信号の変化を取得するステップと、
第1の信号の変化と第2の信号の変化とが異なる場合、ハンドオーバを実行する必要があると判断するステップとを含むことを特徴とする、方法に関する。
【0016】
したがって、隣接するセルの異なるセル識別子を使用することなく、無線セルラー電気通信ネットワークの移動端末について、第1の基地局から第2の基地局へハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断することが可能である。
【0017】
移動端末が第1の基地局から遠ざかっているとき、第1の基地局によって転送される第2の信号の受信電力レベルは低下し、第1の基地局によって転送及び/又は受信される第1の信号の受信電力レベルは低下する。
【0018】
移動端末が第2の基地局に近づいているとき、第2の基地局によって転送される第2の信号の受信電力レベルは上昇し、第1の基地局によって転送及び/又は受信される第1の信号の受信電力レベルは低下する。これは、移動端末が基地局を通じて遠隔の電気通信装置との通信に依然として関与しているためである。
【0019】
そして第1の信号及び第2の信号の変化の差は、移動端末についてハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断するために使用することができる。
【0020】
特定の特徴によれば、本方法は移動端末によって実行される。
【0021】
したがって、無線セルラー電気通信が周波数分割複信方式を使用する場合、本発明は、ダウンリンクチャネルとアップリンクチャネルとの間のいかなる変動(fluctuation)によっても妨害されない。
【0022】
特定の特徴によれば、第1の信号の変化は、第1の基地局から受信されるデータを表す信号の受信電力の、移動端末による測定から取得され、第2の信号の変化は、第1の基地局及び第2の基地局から受信される第2の信号の受信電力の、移動端末による測定から取得される。
【0023】
したがって、無線セルラー電気通信が周波数分割複信方式を使用する場合、本発明は、ダウンリンクチャネルとアップリンクチャネルとの間のいかなる変動によっても妨害されない。
【0024】
特定の特徴によれば、本方法は第1の基地局によって実行される。
【0025】
したがって、移動端末によって扱われるべきタスクは低減する。
【0026】
特定の特徴によれば、第1の信号の変化は、第1の基地局から受信されるデータを表す信号の受信電力の、移動端末による測定から取得され、第2の信号の変化は、第1の基地局及び第2の基地局から受信される第2の信号の受信電力の、移動端末による測定から取得され、移動端末によって実行される測定は、移動端末によって第1の基地局へ報告される。
【0027】
したがって、無線セルラー電気通信が周波数分割複信方式を使用する場合、本発明は、ダウンリンクチャネルとアップリンクチャネルとの間のいかなる変動によっても妨害されない。
【0028】
特定の特徴によれば、第1の信号の変化は、移動端末から受信されるデータを表す信号の受信電力の、第1の基地局による測定から取得され、第2の信号の変化は、第1の基地局及び第2の基地局から受信される第2の信号の受信電力の、移動端末による測定から取得され、移動端末によって実行される測定は、移動端末によって第1の基地局へ報告される。
【0029】
したがって、無線セルラー電気通信が時分割複信方式を使用する場合、本発明は、ダウンリンクチャネルとアップリンクチャネルとの間のチャネル変動の安定性を利用する。
【0030】
本発明は、無線セルラー電気通信ネットワークの移動端末について、第1の基地局から第2の基地局へハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断する装置であって、移動端末は継続中の通信に第1の基地局を通じて関与しており、ハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断する装置は、
継続中の通信に関連する第1の信号の変化を取得する手段と、
第1の基地局及び第2の基地局によって転送される第2の信号の変化を取得する手段と、
第1の信号の変化と第2の信号の変化とが異なる場合、ハンドオーバを実行する必要があると判断する手段とを備えることを特徴とする、装置にも関する。
【0031】
したがって、隣接するセルの異なるセル識別子を使用することなく、無線セルラー電気通信ネットワークの移動端末について、第1の基地局から第2の基地局へハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断することが可能である。
【0032】
特定の特徴によれば、ハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断する装置は移動端末内又は基地局内に含まれる。
【0033】
したがって、無線セルラー電気通信が周波数分割複信方式を使用する場合、本発明は、ダウンリンクチャネルとアップリンクチャネルとの間のいかなる変動によっても妨害されない。
【0034】
したがって、無線セルラー電気通信が時分割複信方式を使用する場合、本発明は、ダウンリンクチャネルとアップリンクチャネルとの間のチャネル変動の安定性を利用する。
【0035】
さらに別の態様によれば、本発明は、プログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムは、プログラマブルデバイス上で実行されると本発明による方法のステップを実施する命令又はコード部分を含む、コンピュータプログラムに関する。
【0036】
このコンピュータプログラムに関連する特徴及び利点は、本発明による方法及び装置に関連する上述した特徴及び利点と同じであるため、ここでは繰り返さない。
【0037】
さらに別の態様によれば、本発明は、無線セルラー電気通信ネットワークの基地局に移動端末によって転送されるメッセージであって、移動端末は無線セルラー電気通信ネットワークを介して継続中の通信に関与し、当該メッセージは、無線セルラー電気通信ネットワークの基地局及び別の基地局によって転送される信号を表す少なくとも1つの情報を含むことを特徴とする、メッセージに関する。
【0038】
したがって、メッセージは、少なくとも1つの他の基地局によって管理される隣接するセルを表す情報を含み、他の基地局又は他の基地局によって管理されるセルを識別する必要はない。測定時間は短縮され、基地局又は基地局によって管理されるセルの識別を計画する必要性は低減する。
【0039】
特定の特徴によれば、少なくとも1つの情報は、基地局及び別の基地局によって転送される信号の受信電力の測定値であり、メッセージは、継続中の通信に関連する別の信号の受信電力の別の測定値をさらに含む。
【0040】
したがって、メッセージは、基地局及び別の基地局との移動端末の隣接状況を表す情報を含む。メッセージは、基地局が、その基地局によって管理されるセルから別の基地局によって管理される別のセルへ移動端末が移動しているか否かを判断するのを可能にする全ての情報を含む。
【0041】
特定の特徴によれば、少なくとも1つの情報は、基地局及び別の基地局によって転送される信号の受信電力の変化を表す。
【0042】
したがって、基地局によるメッセージの処理は最小限に抑えられる。
【0043】
特定の特徴によれば、メッセージは、継続中の通信に関連する別の信号の受信電力の変化を表す別の情報をさらに含む。
【0044】
したがって、メッセージは、基地局が、その基地局によって管理されるセルから別の基地局によって管理される別のセルへ移動端末が移動しているか否かを判断するのを可能にする全ての情報を含み、基地局によるメッセージの処理は最小限に抑えられる。
【0045】
特定の特徴によれば、少なくとも1つの情報は、基地局及び別の基地局によって転送される信号の受信電力の変化と、継続中の通信に関連する別の信号の受信電力の変化との間の差が所定の閾値を超えることを示す。
【0046】
したがって、メッセージは、基地局が、その基地局によって管理されるセルから別の基地局によって管理される別のセルへ移動端末が移動しているか否かを判断するのを可能にする全ての情報を含み、基地局によるメッセージの処理は最小限に抑えられる。
【0047】
本発明の特徴は、一例の実施形態の以下の説明を読むことからより明らかになるであろう。当該説明は、添付の図面を参照して為される。
【0048】
図1は、本発明が実施される無線セルラー電気通信ネットワークのアーキテクチャを表す図である。
【0049】
セルラー電気通信ネットワークでは、コントローラCTRLがエリアAR10の基地局BS1〜BS5を制御する。エリアAR10は、基地局BS1〜BS5によってそれぞれ管理される複数のエリアAR1〜AR5から成る。エリアAR1〜AR5は、無線セルラー電気通信ネットワークにおいてセルと呼ばれる。
【0050】
基地局BS1は、自身が管理するセルAR1を通じて信号又はメッセージを転送及び/又は受信し、基地局BS2は、自身が管理するセルAR2を通じて信号又はメッセージを転送及び/又は受信し、基地局BS3は、自身が管理するセルAR3を通じて信号又はメッセージを転送及び/又は受信し、基地局BS4は、自身が管理するセルAR4を通じて信号又はメッセージを転送及び/又は受信し、基地局BS5は、自身が管理するセルAR5を通じて信号又はメッセージを転送及び/又は受信する。
【0051】
エリアAR10を構成するセルAR1〜AR5は同じ識別子を有する。
【0052】
各基地局BS1〜BS5は、自身が管理する各セルAR1〜AR5内で第1の信号を転送する。第1の信号は、基地局BSによって管理されるセルAR内に位置する移動端末MTに転送されるデータを表す信号であるか、又は基地局BSによって管理されるセルAR内に位置する移動端末MTから受信されるデータを表す信号である。
【0053】
データは、移動端末MTが基地局BSを通じて関与する継続中の通信に関連する。
【0054】
各基地局BS1〜BS5は、自身が管理する各セルAR1〜AR5内で同じ第2の信号を報知チャネル(Broadcast Control Channel)(BCCH)上で転送する。第2の信号は、例として且つ非限定的に、基地局BSのセルARの識別子を表す信号である。
【0055】
セルAR1〜AR5は同じ識別子を共有するため、1つの基地局BSによって転送される各第2の信号は、その他の基地局BSによってそれぞれ転送される第2の信号と同一である。好ましい一実施態様では、基地局BS1〜BS5は同期し、各基地局BS1〜BS5によって転送される各第2の信号は時間領域において重なり合うか又はほとんど重なり合う。
【0056】
報知チャネルにおいて転送される第2の信号は、以下では共通信号と呼ばれる。
【0057】
図1では、明確にするために5つの基地局BS1〜BS5及びセルAR1〜AR5のみが示されているが、エリアAR10は、より多い数の基地局BSのセルARを含む。
【0058】
コントローラCTRLは、電気通信ネットワークを通じて基地局BS1〜BS5にリンクされる。電気通信ネットワークは、専用有線ネットワーク若しくは公衆交換網のような公衆ネットワーク若しくはIPベースのネットワーク若しくは無線ネットワーク若しくは非同期転送モードネットワーク又は上述したネットワークの組み合わせである。
【0059】
コントローラCTRLはリンクL1を通じて基地局BS1にリンクし、リンクL2を通じて基地局BS2にリンクし、リンクL3を通じて基地局BS3にリンクし、リンクL4を通じて基地局BS4にリンクし、リンクL5を通じて基地局BS5にリンクする。
【0060】
各リンクL1〜L5は、必要であれば、仮想セルAR10内に含まれる移動端末MTのそれぞれについて、移動端末MT専用の接続のセットアップを可能にする。
【0061】
ここで、明確にするために図1では1つのみのエリアAR10が示されるが、コントローラCTRLは複数のエリアを管理することができることに留意する必要がある。
【0062】
1つのみのコントローラCTRLが図1に示されるが、無線セルラー電気通信ネットワークはより多くの数のコントローラCTRLを含むことができる。
【0063】
図1では、1つの移動端末MTが示される。移動端末MTは、基地局BS5のセルAR5内に位置し、基地局BS4のセルAR4内に移動しつつある。
【0064】
1つのみの移動端末MTが図1には示されるが、より多くの数の移動端末MTが無線セルラー電気通信ネットワーク内に存在することを理解することができる。
【0065】
移動端末MTは、セルAR内に位置するとき、セルAR(移動端末MTは、セルAR内に自身が位置するか、又はセルAR内において呼び出し通知メッセージを受信することができる)を管理する基地局BSを通じて、通信を確立するか、受信するか、又は継続することができる。
【0066】
基地局BS1〜BS5は同じ共通信号、すなわちセルAR1〜AR5の同じ識別子を表す信号を転送するので、移動端末MTがエリアAR10内に位置するとき、移動端末MTは、報知チャネル内で転送されるセルAR1〜AR5の識別子を使用して、セルAR1〜AR5のうちのどれに自身が位置しているかを識別することができない。
【0067】
本発明によれば、データを表す信号及び共通信号をモニタリングすることによって、両方のセルARが同じセル識別子を共有する場合に、移動端末MTが、当該移動端末MTが入りつつある新しいセルARと当該移動端末MTが位置していた古いセルARとを区別できない場合であっても、その移動端末MTについてハンドオーバを実行する必要があるか否かを見分けることが可能である。
【0068】
図2は、移動端末についてハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断するための、本発明による、移動端末によって受信される共通信号の電力レベルの変化と、使用されるデータ信号の電力レベルの変化との一例である。
【0069】
水平軸は移動端末MTの移動を表す。移動端末MTはセルAR5からセルAR4へ移動している。
【0070】
移動端末MTは、基地局BS5を通じて遠隔の電気通信装置との通信に関与している。
【0071】
20と記されている曲線は、移動端末MT又は基地局BS5によって測定されるデータ信号の受信電力レベルの変化を示す。
【0072】
21と記されている曲線は、移動端末MTによって測定される共通信号の受信電力レベルの変化を示す。
【0073】
移動端末MTが基地局BS5から遠ざかっているとき、基地局BS5によって転送される共通信号の受信電力は低下し、基地局BS5によって転送及び/又は受信されるデータ信号の受信電力は低下する。
【0074】
移動端末MTが基地局BS4に近づいているとき、すなわちセルAR4内に入るとき、基地局BS4によって転送される共通信号の受信電力は増加し、基地局BS5によって転送及び/又は受信されるデータ信号の受信電力は低下する。これは、移動端末MTが基地局BS5を通じて遠隔の電気通信装置との通信に依然として関与しているためである。
【0075】
そうすると、共通信号及びデータ信号の受信電力の変化の差は、エリアAR10内の異なるセルAR(同じセル識別子を共有する)間で、移動端末MTについてハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断するために使用することができる。
【0076】
移動端末MTについてハンドオーバを実行する必要がある場合、メッセージがコントローラCTRLに転送される。
【0077】
そのメッセージに応答して、コントローラCTRLは、ハンドオーバに関係する移動端末MTについて、エリアAR10内に含まれるセルAR1〜AR5をそれぞれ管理する基地局BS1〜BS5の中から基地局BSのセットを決定する。
【0078】
図1の例によれば、エリアAR10内の移動端末MTについてハンドオーバが必要である。移動端末MTはセルAR5からセルAR4へと移動している。セルAR1〜AR5の識別子が同一であるため、コントローラCTRLは、移動端末MTがセルAR5からセルAR4に移動しているか否か又は移動端末MTがセルAR5からセルAR3に移動しているか否かを判断することができない。
【0079】
セルAR3及びAR4はセルAR5に近いため、移動端末MTがセルAR3及びセルAR4に入りつつある確率は、移動端末MTがセルAR1及びセルAR2に入りつつある確率よりも高い。コントローラCTRLによって決定される基地局BSのセットは、基地局BS3及びBS4を含む。
【0080】
一変形形態においては、基地局BSのセットは、エリアAR10内に含まれるセルAR1〜AR5をそれぞれ管理する基地局BS1〜BS5を全て含むことに留意する必要がある。
【0081】
ここで、基地局BSのセットはさらに、負荷が過剰でない(not overloaded)基地局BSの別のセットに縮小されることに留意する必要がある。基地局BSは、例として、基地局BSのセルAR内に既に位置している移動端末MTの数が所定の閾値を超えるか、基地局BSによって転送される情報(または転送されることが予想される情報)の量が所定の閾値を超える場合に、負荷が過剰となる。
【0082】
本発明の別の態様では、基地局BSのセットはさらに、移動端末MTがアクセス権を保持する基地局BSのセットに縮小される。例として且つ非限定的に、基地局BSの決定されるセットは、移動端末MTの所有者によって所有される基地局BSのみを含む。
【0083】
さらに別の例として、基地局BSの決定されるセットは、移動端末MTの所有者によって所有されていないが、移動端末MTのうち所定の閾値以上のアクセス権が割り当てられているものに対してアクセスが開かれている基地局BSも含む。
【0084】
コントローラCTRLは、基地局BSのセットの各基地局BSとの接続をセットアップする。
【0085】
コントローラCTRLは、基地局BS3とのリンクL3上に、移動端末MT専用の接続をセットアップし、基地局BS4とのリンクL4上に、移動端末MT専用の接続をセットアップする。
【0086】
コントローラCTRLは、ハンドオーバコマンドメッセージを送信した基地局BSへのハンドオーバ応答メッセージの転送を命令する。図1の例によれば、コントローラCTRLは、ハンドオーバコマンドメッセージを送信した基地局BS、すなわち基地局BS5へのハンドオーバ応答メッセージの転送を命令する。
【0087】
ハンドオーバ応答メッセージは、ハンドオーバコマンドメッセージの肯定応答(acknowledgement)に相当する。
【0088】
データが移動端末MTに転送される必要がある場合、コントローラCTRLは、移動端末MTについて、移動端末MT専用の接続を通じて、基地局BSのセット内で識別される各基地局BSに対してデータの転送を命令する。
【0089】
データが、基地局BSのセット内の基地局BSのうちの1つを通じて移動端末MTによって転送される場合、コントローラCTRLは、データを転送した移動端末MT専用のデータパスを通じて、無線セルラー電気通信ネットワークの他の装置(図1には図示せず)へのデータの転送を命令する。
【0090】
その後、コントローラCTRLは、メッセージを転送した基地局BS4を識別することができるので、どのセルARに移動端末MTが位置しているかを判断することができる。
【0091】
コントローラCTRLは、基地局BSのセルAR(移動端末MTはこのセルARを介してデータを含むメッセージを転送している)と、元の基地局BSのセルARとの間のハンドオーバに関連する統計値を更新する。
【0092】
コントローラCTRLは、メッセージの転送元である基地局BSへデータを転送する移動端末MTについて、基地局BSのセットを制限する。
【0093】
例として、コントローラCTRLは、移動端末MTについて、基地局BSのセットを基地局BS4に制限する。
【0094】
コントローラCTRLは、データの転送元である移動端末MTについて、基地局BSのセット内にもはや含まれない1つ又は複数の基地局BSとの、データの転送元である移動端末MT専用の各接続を解放する。
【0095】
例として、コントローラCTRLは、基地局BS3とのリンクL3上の、移動端末MT専用の接続を解放する。
【0096】
図3は、本発明による基地局のブロック図である。
【0097】
基地局BSは例えば、バス301によって共に接続されるコンポーネントと、図6に開示されるようなプログラムによって制御されるプロセッサ300とに基づくアーキテクチャを有する。
【0098】
バス301は、プロセッサ300を、読み取り専用メモリROM302、ランダムアクセスメモリRAM303、ネットワークインターフェースI/F304及び無線インターフェースI/F305に接続する。
【0099】
メモリ303は、変数と、図6に開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令とを受け取るように意図されるレジスタを含む。
【0100】
プロセッサ300は、ネットワークインターフェース304の動作を制御する。
【0101】
読み取り専用メモリ302は、図6に開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含む。この命令は、基地局BSに電源が入ると、ランダムアクセスメモリ303に転送される。
【0102】
基地局BSは、ネットワークインターフェース304を通じて電気通信ネットワークに接続される。例としてネットワークインターフェース304は、DSL(デジタル加入者線)モデム、ISDN(総合デジタル通信網)インターフェース又は電力線通信インターフェース等である。
【0103】
そのようなインターフェースを通じて、基地局BSは、コントローラCTRL及び無線セルラー電気通信ネットワークの他の基地局BSと情報を交換する。
【0104】
無線インターフェース305は、基地局BSのセルAR内に位置する移動端末MTへデータを表す信号を転送する手段を備える。無線インターフェース305は、基地局BSのセルAR内に位置する移動端末MTへ共通信号を転送する手段を備える。無線インターフェース305は、基地局BSのセルAR内に位置する移動端末MTからデータ又はメッセージを表す信号を受信する手段を備える。無線インターフェース305は、基地局BSのセルAR内に位置する移動端末MTによって転送されるデータを表す信号の受信電力を測定する手段を備える。
【0105】
図4は、本発明による移動端末のブロック図である。
【0106】
移動端末MTは例えば、バス401によって共に接続されるコンポーネントと、図5に開示されるようなプログラムによって制御されるプロセッサ400とに基づくアーキテクチャを有する。
【0107】
バス401は、プロセッサ400を、読み取り専用メモリROM402、ランダムアクセスメモリRAM403、無線インターフェースIF405に接続する。
【0108】
メモリ403は、変数と、図5に開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令とを受け取るように意図されるレジスタを含む。
【0109】
プロセッサ400は、無線インターフェース404の動作を制御する。
【0110】
読み取り専用メモリ402は、図5に開示されるようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含む。この命令は、基地局BSに電源が入ると、ランダムアクセスメモリ403に転送される。
【0111】
無線インターフェース405は、移動端末MTが位置するセルARを管理する基地局BSへデータ又はメッセージを表す信号を転送する手段を備える。無線インターフェース405は、各基地局BS1〜BS5によって転送される共通信号の受信電力を測定する手段を備える。無線インターフェース405は、移動端末MTが位置するセルARを管理する基地局BSからデータを表す信号を受信する手段を備える。無線インターフェース405は、移動端末MTが位置するセルARを管理する基地局BSによって転送されるデータを表す信号の受信電力を測定する手段を備える。
【0112】
図5は、本発明が移動端末において実施される場合にその移動端末によって実行されるアルゴリズムを表す。
【0113】
本アルゴリズムは、より正確には各移動端末MTのプロセッサ400によって実行される。
【0114】
ステップS500において、プロセッサ400は、基地局BSによって移動端末MTに転送されるデータを表す信号の受信電力の測定MDSを開始するように無線インターフェース405に命令する。基地局BSは、移動端末MTが位置するセルARを管理する基地局である。
【0115】
次のステップS501において、プロセッサ400は、基地局BSによって転送される共通信号の受信電力の測定MCSを開始するように無線インターフェース405に命令する。
【0116】
ここで、ステップS500及びS501は、一変形形態では同時に実行されることに留意する必要がある。
【0117】
次のステップS502において、プロセッサ400は、測定MDSの結果をRAMメモリ403内に記憶する。
【0118】
次のステップS503において、プロセッサ400は、測定MCSの結果をRAMメモリ403内に記憶する。
【0119】
次のステップS504において、プロセッサ400は、ステップS502において記憶された測定値MDSと、RAMメモリ403内に記憶されている以前の測定値MDSとを使用して、MDS測定値の変化を計算する。
【0120】
次のステップS505において、プロセッサ400は、ステップS503において記憶された測定値MCS及びRAMメモリ403内に記憶されている以前の測定値MCSを使用してMCS測定値の変化を計算する。
【0121】
次のステップS506において、プロセッサ400は、MDS測定値の計算された変化がMCS測定値の計算された変化と異なるか否かを調べる。
【0122】
それらの変化が異なる符号を有するか、又は変化の差が所定の閾値よりも大きい場合、それらの変化は異なるものである。
【0123】
例として、プロセッサ400は、MDS測定値の計算された変化をMCS測定値の計算された変化から減算することと、その減算の結果の絶対値を取得することと、その減算の結果の絶対値を所定の閾値と比較することとによって、MDS測定値の計算された変化がMCS測定値の計算された変化と異なるか否かを調べる。
【0124】
計算された変化が異ならない場合、プロセッサ400はステップS500に戻り、変化が異ならない限りステップS500〜S506によって構成されるループを実行する。そのような場合は、図2に示されるように移動端末MTがセルAR5内に位置しているときに起こる。
【0125】
計算された変化が異なる場合、プロセッサ400はステップS507に移る。例として、データを表す信号の受信電力が低下中であり、且つ共通信号の受信電力が変化しない場合や、データを表す信号の受信電力が低下中であり、且つ共通信号の受信電力が増加中である場合に、計算された変化は異なるものとなる。そのような場合は、図2に示されるように移動端末MTがセルAR5を去りつつあり且つセルAR4内に入りつつあるときに起こる。
【0126】
ステップS507において、プロセッサ400は、MDSの変化とMCSの変化とが異なる限り、ハンドオーバが必要であると判断する。
【0127】
次のステップS508において、プロセッサ400は、無線インターフェース405を通じて、ハンドオーバ手順の設定の要求を表すメッセージの基地局BS5への転送を命令する。そのメッセージは好ましくは、ステップS502又はS503において記憶された受信電力に関連する情報を含むか、又はステップS504又はS505において計算された変化に関連する情報を含む測定報告メッセージである。一変形形態では、そのメッセージは、MDS測定値の変化とMCS測定値の変化との間の差が所定の閾値を超えることを示す。
【0128】
その後、プロセッサ400はステップS500に戻る。
【0129】
図6は、本発明が基地局において実施される場合にその基地局によって実行されるアルゴリズムを示す。
【0130】
本アルゴリズムは、より正確には各基地局BS1〜BS5のプロセッサ300によって実行される。
【0131】
ステップS600において、プロセッサ300は、移動端末MTによって転送されるメッセージの無線インターフェース305による受信を検出する。メッセージは、基地局BSによって管理されるセルAR内に位置する移動端末MTによって測定される共通信号の受信電力レベルの測定値MCSを含むか、又は図5のステップS505において計算される共通信号の受信電力レベルの変化を含む測定報告である。
【0132】
一変形形態では、測定報告はまた、基地局BSによって転送されるデータを表す信号の受信電力レベルの、移動端末によって実行される測定値MDSを含むか、又は図5のステップS504において計算されるデータを表す信号の受信電力レベルの変化を含む。
【0133】
さらに別の変形形態では、メッセージは、MDS測定値の変化とMCS測定値の変化との間の差が所定の閾値を超えることを示す。
【0134】
次のステップS601では、プロセッサ300は、データを表す信号の受信電力の測定値MDSを取得する。データを表す信号の受信電力の測定は、移動端末MTによって転送されるデータを表す信号の受信電力の何らかの測定MDSを開始する無線インターフェース405から取得され、且つ/又は上記変形形態によれば、ステップS600において受信される測定報告から取得される。
【0135】
次のステップS602において、プロセッサ300は、共通信号の測定値MCSを、ステップS600において受信された測定報告から取得する。
【0136】
次のステップS603において、プロセッサ300は測定MDSの結果をRAMメモリ203内に記憶する。
【0137】
次のステップS604において、プロセッサ300は、ステップS602において取得された測定値MDSと、RAMメモリ303内に記憶されている以前の測定MDSとを使用してMDS測定値の変化を計算する。
【0138】
ここで、MDS測定値の変化が測定報告に含まれている場合、プロセッサ300はステップS603及びS604を実行する必要はないことに留意する必要がある。
【0139】
次のステップS605において、プロセッサ300は測定MCSの結果をRAMメモリ203内に記憶する。
【0140】
次のステップS606において、プロセッサ300は、ステップS602において取得された測定値MCSと、RAMメモリ303内に記憶されている以前の測定値MCSとを使用してMCS測定値の変化を計算する。
【0141】
ここで、MCS測定値の変化が測定報告に含まれている場合、プロセッサ300はステップS605及びS606を実行する必要はないことに留意する必要がある。
【0142】
次のステップS607において、プロセッサ300は、MDS測定値の計算された結果がMCS測定値の計算された結果と異なるか否かを調べる。
【0143】
それらの変化が異なる符号を有するか、又は変化の差が所定の閾値よりも大きい場合、それらの変化は異なるものである。
【0144】
例として、プロセッサ300は、MDS測定値の計算された変化をMCS測定値の計算された変化から減算することと、その減算の結果の絶対値を取得することと、その減算の結果の絶対値を所定の閾値と比較することとによって、MDS測定値の計算された変化がMCS測定値の計算された変化と異なるか否かを調べる。
【0145】
変化が異ならない場合、プロセッサ300はステップS600に戻り、変化が異ならない限りステップS600〜S607によって構成されるループを実行する。そのような場合は、図2に示されるように移動端末MTがセルAR5内に位置しているときに起こる。
【0146】
計算された変化が異なる場合、プロセッサ300はステップS607に移る。例として、データを表す信号の受信電力が低下中であり、且つ共通信号の受信電力が変化しない場合や、データ計算を表す信号の受信電力が低下中であり、且つ共通信号の受信電力が増加中である場合には、計算された変化は異なるものとなる。そのような場合は、図2に示されるように移動端末MTがセルAR5を去りつつあり且つセルAR4内に入りつつあるときに起こる。
【0147】
ステップS608において、プロセッサ400は、MDSの変化とMCSの変化とが異なる限り、ハンドオーバが必要であると判断する。
【0148】
ここで、ステップS600において受信されるメッセージが、MDS測定値の変化とMCS測定値の変化との間の差が所定の閾値を超えることを示すメッセージである場合、プロセッサはステップS600からS608に直接移ることに留意する必要がある。
【0149】
次のステップS609において、プロセッサ300は、エリアAR10に属すると共に同じセル識別子を共有するセルAR間でのハンドオーバ手順の設定の要求を表すハンドオーバコマンドメッセージをコントローラCTRLに転送する。
【0150】
その後、プロセッサ300はステップS600に戻る。
【0151】
当然ながら、多数の変更を、本発明の範囲から逸脱することなく、上述の本発明の実施形態に対して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】本発明が実施される無線セルラー電気通信ネットワークのアーキテクチャを表す図である。
【図2】移動端末についてハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断するための、本発明による、移動端末によって受信される共通信号の電力レベルの変化と使用されるデータ信号の電力レベルの変化との一例の図である。
【図3】本発明による基地局のブロック図である。
【図4】本発明による移動端末のブロック図である。
【図5】本発明が移動端末において実施される場合にその移動端末によって実行されるアルゴリズムを示す図である。
【図6】本発明が基地局において実施される場合にその基地局によって実行されるアルゴリズムを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線セルラー電気通信ネットワークの移動端末について、第1の基地局から第2の基地局へハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断する方法であって、
前記移動端末は継続中の通信に前記第1の基地局を通じて関与しており、
前記方法は、
前記継続中の通信に関連する第1の信号の変化を取得するステップと、
前記第1の基地局及び前記第2の基地局によって転送される第2の信号の変化を取得するステップと、
前記第1の信号の前記変化と前記第2の信号の前記変化とが異なる場合、ハンドオーバを実行する必要があると判断するステップとを含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記移動端末によって実行されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の信号の前記変化は、前記第1の基地局から受信されるデータを表す信号の受信電力の、前記移動端末による測定から取得され、
前記第2の信号の前記変化は、前記第1の基地局及び前記第2の基地局から受信される前記第2の信号の受信電力の、前記移動端末による測定から取得される
ことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の基地局によって実行されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の信号の前記変化は、前記第1の基地局から受信されるデータを表す信号の受信電力の、前記移動端末による測定から取得され、
前記第2の信号の前記変化は、前記第1の基地局及び前記第2の基地局から受信される前記第2の信号の受信電力の、前記移動端末による測定から取得され、
前記移動端末によって実行される前記測定は、前記移動端末によって前記第1の基地局へ報告される
ことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の信号の前記変化は、前記移動端末から受信されるデータを表す信号の受信電力の、前記第1の基地局による測定から取得され、
前記第2の信号の前記変化は、前記第1の基地局及び前記第2の基地局から受信される前記第2の信号の受信電力の、前記移動端末による測定から取得され、
前記移動端末によって実行される前記測定は、前記移動端末によって前記第1の基地局へ報告される
ことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
無線セルラー電気通信ネットワークの移動端末について、第1の基地局から第2の基地局へハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断する装置であって、
前記移動端末は継続中の通信に前記第1の基地局を通じて関与しており、
ハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断する前記装置は、
前記継続中の通信に関連する第1の信号の変化を取得する手段と、
前記第1の基地局及び前記第2の基地局によって転送される第2の信号の変化を取得する手段と、
前記第1の信号の前記変化と前記第2の信号の前記変化とが異なる場合、ハンドオーバを実行する必要があると判断する手段と
を備えることを特徴とする、装置。
【請求項8】
ハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断する前記装置は、前記移動端末内に含まれることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
ハンドオーバを実行する必要があるか否かを判断する前記装置は、前記基地局内に含まれることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
プログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムは、プログラマブルデバイス上で実行されると請求項1〜6に記載の方法のステップを実施するための命令又はコード部分を含む、コンピュータプログラム。
【請求項11】
無線セルラー電気通信ネットワークの基地局に前記移動端末によって転送されるメッセージであって、
前記移動端末は前記無線セルラー電気通信ネットワークを介して継続中の通信に関与し、
前記メッセージは、前記無線セルラー電気通信ネットワークの前記基地局及び別の基地局によって転送される信号を表す、少なくとも1つの情報を含む
ことを特徴とする、メッセージ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの情報は、前記基地局及び前記別の基地局によって転送される前記信号の受信電力の測定値であり、
前記メッセージは、前記継続中の通信に関連する別の信号の受信電力の別の測定値をさらに含む
ことを特徴とする、請求項11に記載のメッセージ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの情報は、前記基地局及び前記別の基地局によって転送される前記信号の受信電力の変化の測定値であることを特徴とする、請求項11に記載のメッセージ。
【請求項14】
前記メッセージは、前記継続中の通信に関連する別の信号の受信電力の変化の別の測定値をさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載のメッセージ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの情報は、
前記基地局及び前記別の基地局によって転送される前記信号の受信電力の前記変化と、
前記継続中の通信に関連する別の信号の受信電力の前記変化と
の間の差が所定の閾値を超えることを示す
ことを特徴とする、請求項11に記載のメッセージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−27695(P2009−27695A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−136451(P2008−136451)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
【Fターム(参考)】