説明

移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法

【課題】移動端末機の課金情報を用いて交通情報を獲得する。
【解決手段】高速道路上で移動端末機を用いて通話するとき、時間帯別の通話試み発生量によって交通状態の基準値を設定し(S71)、各基地局に対する通話試みの発生量を抽出する(S72)。この抽出された数を設定された基準値と比較して、各基地局の領域に対する交通等級を設定する(S73,S74)ことで、道路の交通状態を実時間で獲得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法に関するもので、詳しくは、高速道路上で移動端末機を用いて通話するとき、課金情報から移動端末機の固有番号を獲得し、該当の移動端末機の基地局間の移動時間を追跡することで、道路の交通情報を実時間で獲得できる移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーションシステム(Car Navigation system)は、車両の現在位置を把握することで位置情報の提供を受け、この位置情報と地理情報とを結合することで経路案内、交通案内、周辺情報及び付加情報などの多様なサービスを提供する尖端技術である。さらに、カーナビゲーションシステムは、ディスプレイスクリーン及び音声信号を通して運転手に運転方向を知らせる自動車用汎地球測位システム(Global Positioning system;以下、GPSと略称する)技術と、膨大な地理情報システム(Geographic Information system;以下、GISと略称する)と、を結合して既に常用化されており、大衆交通システム、配達トラック及び速達サービスなどの陸上運送及び水上運送に適用されている。
【0003】
一方、携帯情報端末機(Personal Digital Assistant;PDA)などのモバイル装置(Mobile Device)にもGPS受信機が装着されることで、地図及びモバイル装置の現在位置情報がモバイル装置のスクリーンに表示される。また、端末機用GPS技術が適用されることで、現在位置付近の交通、ショッピング、食堂などの多様な情報ユニットが提供される。
【0004】
また、通信(Telecommunication)と情報科学(Informatics)とを結合したテレマティックス(Telematics)装置が車両に装着される。このテレマティックス装置は、無線移動通信、GPS技術、GIS、コールセンター技術などを自動車に結合することで、運転手に実時間の交通及び生活情報、緊急状況の対応方法、遠隔車両診断、車両事故防止、盗難防止、運転経路案内を提供し、車内コントロール、オーディオシステム、ディスプレイなどと結合してモバイルオフィスの概念に発展している。
【0005】
しかしながら、上記のサービスを受けるためには、自動車に無線移動通信、GPS技術、GISを支援する高価のテレマティックス装置を設置すべきであるという問題点があった。
【0006】
したがって、ほとんどの運転手は、自身の所持している携帯電話機を用いて実時間の交通及び生活情報、運転経路情報を受けるために、ハンズフリーセットにGPS受信機を装着し、GPS受信機によって車両の位置を把握した後、携帯電話機を通してインターネットに接続している。
【0007】
図1は、従来の携帯電話機を用いたナビゲーションシステムを示した構成図である。
【0008】
図1に示すように、ナビゲーションシステムは、無線通信網50を通して無線通信を行うための携帯電話機40と、無線通信網50に連結され、実時間の交通情報を分析して最適な経路を計算するサービスセンター60と、衛星から現在の位置情報を把握するためのGPS受信機10と、方向センサ22と、加速度センサ24と、を備えている。また、ナビゲーションシステムは、GPS受信機10から受信された位置情報を保存し、携帯電話機40を通してサービスセンター60に接続し、位置情報の送信及び各種の情報ユニットの受信を制御し、携帯電話機40を通して結果を出力するナビゲーション部20と、携帯電話機40が装着される携帯電話機装着部30と、から構成される。ここで、携帯電話機装着部30は、携帯電話機40に電源を供給する。
【0009】
このとき、GPS受信機10、ナビゲーション部20及び携帯電話機装着部30は、車両にハンズフリータイプで装着され、携帯電話機40と分離されて形成される。
【0010】
以下、従来の携帯電話機を用いたナビゲーションシステムの作動を、図2に示した従来の携帯電話機を用いたナビゲーションシステムの作動方法のフローチャートに基づいて説明する。
【0011】
まず、ナビゲーションシステムは、携帯電話機40を用いて、無線通信網50を通してサービスセンター60から作動プログラムのダウンロードを受け、GPS受信機10を通して現在の位置情報を把握した後、この把握された位置情報をサービスセンター60に登録する(S10)。
【0012】
その後、運転手が目的地を入力すると(S12)、サービスセンター60では、現在の車両位置及び目的地によって、実時間で分析された交通情報及び最適な経路を計算する(S14)。
【0013】
その後、サービスセンター60は、分析されたデータを携帯電話機40に伝送する(S16)。
【0014】
すると、ナビゲーション部20では、携帯電話機40を通して伝送されたデータと、方向センサ22及び加速度センサ24に基づく車両の走行状態によって、携帯電話機40を通して道を案内する(S18)。
【0015】
上記の交通情報及び道案内のサービスを受けるために、サービスセンター60では、道路の交通情報が把握され、かつ、この把握された道路の交通情報がデータベース化されるべきである。このような交通情報サービスは、道路公社や情報提供者によって主要道路上に設置された閉回路TV(Closed Circuit Television;CCTV)を通して交通情報を収集する方法、交通通信員を通して交通情報を収集する方法、道路に設置されたループ感知器を通して交通情報を収集する方法、ビーコン(Beacon)を用いて交通情報を収集する方法などによって獲得された情報ユニットを購入することで提供される。
【0016】
しかしながら、交通情報を獲得及び収集するための車両を運営するか、情報提供者から交通情報を購入するために、莫大な費用が要求されるという問題点があった。また、交通情報の持続的な測定が困難であるため、交通情報が実時間で反映されずに顧客のニーズを充足できないという問題点があった。
【発明の開示】
【0017】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、高速道路上で移動端末機を用いて通話するとき、基地局に対する時間帯別の通話試み発生量を抽出することで、道路の交通情報を実時間で獲得できる移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法を提供することにある。
【0018】
本発明による移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法は、端末機同士の通話に用いられる移動通信網を利用した交通情報獲得方法であって、該当の基地局に対する時間帯別の通話試み発生量によって、交通状態の基準値を設定する段階と、所定の時間間隔で基地局に対する通話試みを抽出する段階と、前記抽出された通話試みの発生量と前記基準値とを比較する段階と、前記比較結果に基づいた増減によって、前記該当の基地局領域の交通等級を設定する段階と、から構成されることを特徴とする。
【0019】
前記高速道路に設置されて管理される基地局は、高速道路専用に割り当てられた一つのセクターを有することを特徴とし、前記所定時間は、5分間隔であることを特徴とする。
【0020】
本発明によると、該当の基地局に対する時間帯別の通話試みの発生量によって、該当地域の交通等級を実時間で判断できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、参考形態および本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、本発明の権利範囲を限定するものではなく、例示として提示されたものであり、従来の構成と同一の部分には同一の図面符号及び名称を用いた。
【0022】
図3は、本発明による移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法が適用されるシステムを示した構成図である。
【0023】
図3に示すように、システムは、高速道路の料金所及び高速道路上に設置され、無線インターフェース区間を通して高速道路を走行する少なくとも一つの端末機160と通信する第1乃至第4基地局151〜154と、これら第1乃至第4基地局151〜154に連結され、端末機160に対する交換機能を行う交換器(Mobile Switching Center;以下、MSCと略称する)140と、このMSC140に連結され、端末機160の識別番号(Mobile Identification Number;以下、MINと略称する)、加入者情報、位置情報などが保存されるホーム位置登録器(Home Location Register;以下、HLRと略称する)120と、このHLR120を通してMINに基づく位置情報登録を要請し、ハンドオフ処理をする管理サーバー130と、端末機160の基地局間の移動経路及び移動時間を追跡するか、通話試みによって交通情報を獲得する交通情報サーバー110と、から構成される。
【0024】
ここで、交通情報サーバー110を除いた全ての構成は、従来の移動通信網の構成と同一であり、本発明によるシステムには、交通情報を獲得するための交通情報サーバー110がさらに適用される。
【0025】
また、図4は、本発明による移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法を説明する基地局の設置状況図である。
【0026】
図4に示すように、高速道路のような一方向の道路があり、この高速道路上に第1乃至第4基地局151〜154が互いに隣接して設置される。以下、移動端末機160を所持する使用者が車両に搭乗し、高速道路に沿って移動する状態の交通情報獲得方法を説明する。
【0027】
高速道路に設置される第1乃至第4基地局151〜154は、車両が一方向のみに移動するため、全ての方向で監視する必要がない。そのため、各基地局が並んで配置され、3個の基地局セクターのうち一つをハードウェア的に高速道路に割り当てる。
【0028】
図5は、参考形態による移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法を示したフローチャートである。
【0029】
まず、移動端末機160を所持する使用者の搭乗した自動車が高速道路の料金所に進入しながら、使用者が通話を試みたかどうかを判断する(S61)。
【0030】
使用者が通話を試みた場合、端末機160は、呼接続及び課金のためにMIN、接続時間及び相手方の電話番号などの通話データ(Call Data Record;以下、CDRと略称する)を第1基地局151を通してMSC140に伝送する。すると、MSC140は、CDRを受信し、端末機160の位置情報をHLR120に登録する(S62)。
【0031】
このように通話が試みられたとき、システムは、HLR120に登録された該当の端末機160の位置情報からMINを抽出する(S63)。
【0032】
また、通話が試みられたとき、システムは、獲得された位置情報を通して該当のMINを抽出することで、該当の端末機160を追跡する(S65)。
【0033】
一般に、HLR120に登録された端末機160の位置情報を通して、基地局間の移動経路及び時間から基地局間の平均移動速度を算出できる。
【0034】
HLR120は、通話を試みる場合、所定の時間間隔で各端末機の位置情報を登録する場合、端末機160が通話ゾーンを移動する場合に端末機160の位置情報を登録する。
【0035】
しかし、一つのMSCは広い領域に設置された多数個の基地局を管理し、この管理された基地局から入力された位置情報をHLRに登録するため、端末機が通話を試みない場合、HLRは、約1時間の間隔で端末機の位置情報を受けて登録する。そのため、HLRに登録された位置情報が1時間前にHLRに登録されたものであり、システムは、端末機160が広い領域でどのように移動したか、移動経路を正確に把握できないという問題点があった。
【0036】
したがって、本発明の実施形態のように通話を試みる場合、システムは、端末機160を持ち運んだ車両が、課金のための通話データ及び登録される端末機160の位置情報を通して実時間で高速道路に進入することを判断できるため、この判断結果に基づいて、MINを用いて移動経路及び移動時間を追跡する。
【0037】
このとき、MSC140が、多数の端末機160に対する位置情報登録を強制的に要請する場合、MSC140の過負荷によって交換機能に問題が発生しえる。そのため、1個乃至7個の基地局を一つの区間として設定し、追跡される端末機160の標本数を一定に設定する。この標本数が設定された数を越えないと、MSC140の負荷が減少することになる。
【0038】
したがって、MSC140の負荷を減少させるために標本数を1個に設定する場合、位置追跡を行う状態で交通停滞によって標本数が増加すると、システムは、現在追跡された先順位の標本を除いた後順位の標本に対する位置追跡を終了し、1個の標本に対する位置追跡を維持することで、MSC140の負荷を減少させる。
【0039】
その結果、他の端末機160を持ち運んだ車両が高速道路の料金所に進入しながら、通話を試みるとしても、既に該当の区間に対して追跡を行っている場合、他の端末機160は、追跡される標本として抽出されなくなる。
【0040】
また、区間の距離及び標本の移動速度の差によって複数の標本が同一の区間に進入する場合、後順位の標本に対する位置追跡を行い、先順位の標本に対する位置追跡を終了することで、正常的に走行する標本に対する位置追跡を通して正確なデータを抽出する。
【0041】
一方、休憩所などの特定の区間に標本が集中する場合、一つの標本に対する位置追跡を維持するために、後順位の標本に対する位置追跡を2回以上終了する。本実施形態では、5個の標本を追加的にかつ一時的に5分間抽出した後、この追加的に抽出された標本の50%以上が次の区間に正常的に移動するとき、それら標本のうち一つを除いた残りの標本に対する位置追跡を終了することで、道路の交通状態は正常であるが、標本個体が休憩所などに停車したときの基地局間の移動時間の誤差を補正できる。
【0042】
一方、現在追跡している標本が料金所を抜け出る場合、システムは、該当の料金所に進入する基地局で、通話試みに基づいて位置情報を登録するとき、該当の端末機のMINを抽出し、該当の端末機に対する位置追跡をする。
【0043】
所定区間の標本数が一定の標本数以下に減少した場合、システムは、最も隣接した基地局で通話が試みられた端末機のMINを抽出し、その抽出結果によって、該当の端末機に対する位置追跡をする。
【0044】
しかし、明け方などに高速道路に進入する車両がなくて、新しい標本を抽出しにくい場合、交通遅滞及び交通停滞が発生しないため、高速道路上の車両の速度は、移動速度の算出時、最高の速度として容易に推定される。
【0045】
上記のように標本個体のMINを抽出した状態で、システムは、所定の時間間隔で、MINに基づいて追跡される端末機160に位置情報を登録するように命令する(S64)。
【0046】
このとき、位置情報登録を要請する位置追跡のための単位時間周期は、MSC140の負荷を減少させながら、位置追跡時に正確な速度を算出できるように設定する。本実施形態では、位置追跡のための単位時間周期を30秒に設定し、システムは、追跡された端末機160が30秒の間隔で位置情報を登録するように命令する。
【0047】
すると、位置情報登録の命令を受けた端末機160は、位置情報登録を行い、現在の位置情報をHLR120に登録する。
【0048】
このように位置情報を登録する場合、スロットサイクルインデックス(Slot Cycle Index)に基づいたウェークアップ信号を位置情報と一緒に伝送し、位置情報を登録することで、端末機160のバッテリーが追加的に消耗されることを防止する。
【0049】
このように、MINに基づいて、30秒の間隔で伝送された強制的な位置情報登録命令に対応して登録される位置情報によって、高速道路上を走行する端末機160の移動経路及び移動時間を追跡する(S65)。
【0050】
したがって、継続して入力される位置情報によって、基地局間の移動時間を実時間で把握することで、基地局間の端末機の移動速度を現在の時間で算出する(S66)。
【0051】
第1基地局151が高速道路の料金所に設置され、移動速度が算出されるとき、通話の試みによって第1基地局151で位置情報が登録された後、第2基地局152で位置情報が登録される。この場合、電波領域のうちどの位置で位置情報が登録されたかを判断できないため、システムは、第2基地局152に移動して最初にセットアップされた後、第2基地局152に引き続いて、第3基地局153でセットアップされるまでの所定時間の間、第2基地局152の区間の移動速度を算出する。
【0052】
このとき、基地局間の電波の重なりによる損失時間を考慮し、移動速度は、基地局間の移動時間から50秒を引いて計算することもできる。
【0053】
例えば、第2基地局152の最初のセットアップと第3基地局153の最初のセットアップとの間の時間が2分で、第2基地局152の区間が4Kmである場合、車両は、120Km/hの速度で走行していると把握できる。
【0054】
一方、過速によって特定標本の速度が高い場合も、平均的な値として速度情報が提供されるため、交通情報は、平均値の算出を通して補正される。
【0055】
また、特定の区間、すなわち、高速道路専用車路制が実施される区間で、以前の標本の移動時間に比べて現在の標本の移動時間が30%以上減少する場合、現在の標本は、バス専用車線を通過する標本として見なして速度算出から除き、速度算出は、以前のデータを用いて行う。
【0056】
また、特定区間の停滞によって標本の移動がほとんどなく、標本が特定の区間に集中する場合、基地局間の距離の平均が3Kmであるため、車両は、100Km/hの移動速度で3Kmを走行した時間である2分の移動時間後、交通停滞によって車両の移動速度が減少したと判断し、前記2分後、システムは、基準時間である2分に位置追跡のための単位時間間隔である30秒を加算することで、標本の移動時間を推定する。
【0057】
このように、高速道路に設置されて管理される第1乃至第4基地局151〜154を通して位置追跡をしながら、第1乃至第4基地局151〜154以外の他の基地局とセットアップが行われる場合、電波環境によって一時的に1回セットアップされると、システムは、一時的な状況と判断して位置追跡を終了せず、速度算出も適切にセットアップされる。しかし、第1乃至第4基地局151〜154以外の他の基地局とセットアップが2回以上行われる場合、システムは、該当の端末機160が高速道路を抜け出したと判断して端末機160の追跡を終了する(S67)。
【0058】
もちろん、端末機160の電源がオフになる場合も位置追跡を終了する。
【0059】
上記のように位置追跡が終了された場合、現在終了された基地局に隣接した基地局に対し、通話を試みる新しい標本のMINに基づいて位置追跡を再び開始するか、標本が高速道路の料金所を抜け出て位置追跡が終了された場合、料金所に進入する端末機の通話試み時に新しい標本を抽出し、この新しい標本に対する位置追跡をする。
【0060】
図6は、他の参考形態による移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法を示したフローチャートである。
【0061】
まず、移動端末機160を所持する使用者の搭乗した自動車が高速道路の料金所を進入しながら、使用者が通話を試みたかどうかを判断する(S51)。
【0062】
使用者が通話を試みた場合、端末機160は、呼接続及び課金のためのMIN、接続時間及び相手方の電話番号などを含むCDRを第1基地局151を通してMSC140に伝送する。すると、このMSC140は、CDRを受信して端末機160の位置情報をHLR120に登録する(S52)。
【0063】
HLR120に端末機160の位置情報が登録されるとき、システムは、HLR120に登録されたMINを抽出する(S53)。該当の端末機160が第2基地局152と通信しながら他の基地局に移動するとき、第2基地局152での電波強さが弱くなる場合、次の第3基地局153に移動するためのハンドオフデータが発生したかどうかを判断する(S54)。
【0064】
このようにハンドオフデータが発生した場合、該当の端末機160を追跡しながら、通話が終了されるまで発生するハンドオフデータを通して、端末機160の移動経路及び移動時間を追跡する(S55,S58)。
【0065】
すなわち、端末機160が第2基地局152から第3基地局153に移動するときに発生するハンドオフデータを通して、システムは、第2基地局152に対するアクティブ時間及びドロップ時間などを把握できる。
【0066】
したがって、第1基地局151、第2基地局152及び第3基地局153の間の距離を既に知っている場合、システムは、第2基地局152の領域に進入した時点と、第2基地局152の領域から抜け出た時点と、の間の時間を通して、端末機160の移動速度を算出する(S56)。
【0067】
すなわち、第2基地局152でハンドオフの発生可能な距離が4Kmであると、第2基地局152の領域のアクティブ時間とドロップ時間との間の時間が2分24秒である場合、端末機160を持ち運んだ車両は、100Km/hの速度で走行していると把握できる。
【0068】
しかし、使用者が第1基地局151で通話を開始し、第2基地局152に移動した場合、システムは、第2基地局152のどの地点でアクティブされたかを正確に把握できないため、第1基地局151によるハンドオフデータから速度を算出できず、使用者の電話通話時間が長く、端末機160が第2基地局152を通過する場合、第2基地局152によるハンドオフデータを通して速度を算出できる。
【0069】
一方、通話を試みた後、使用者の通話時間が短い場合、ハンドオフデータが発生しなくなり、抽出されたMINに該当する端末機160の位置追跡が終了される(S54)。
【0070】
このように、システムは、ハンドオフデータに基づいた高速道路の走行速度を算出しながら、端末機160が高速道路を抜け出る場合、第1乃至第4基地局151〜154以外の他の基地局とのセットアップを通して、端末機160の電話通話が行われる。
【0071】
したがって、高速道路に設置されて管理される第1乃至第4基地局151〜154以外の他の基地局でセットアップが行われる場合、システムは、該当の端末機160が高速道路を抜け出たと判断し、該当の端末機のハンドオフデータの追跡を終了する(S57)。また、通話が終了される場合も、追跡を終了する(S58)。
【0072】
車両が高速道路を走行するとき、該当の端末機と高速道路付近の他の基地局との間で1回程度セットアップが行われる場合、追跡を終了しないが、該当の端末機と高速道路に設置されて管理される第1乃至第4基地局151〜154以外の他の基地局との間で2回以上セットアップが行われる場合、該当の端末機160によるハンドオフデータの追跡を終了する。
【0073】
また、ハンドオフデータに基づいて、該当の端末機160の基地局間の移動経路及び移動時間が算出されるとき、システムは、1個乃至7個の基地局をグルーピングし、該当の区間で発生したハンドオフデータから該当の区間の平均速度を算出することで、通話時間が短くてハンドオフデータが基地局から発生しない場合も、近くの基地局のハンドオフデータから平均速度を算出する。
【0074】
すなわち、第1乃至第4基地局151〜154を一つの区間にグルーピングする場合、第2基地局152で発生したハンドオフデータによって第2基地局152の領域のアクティブ時間とドロップ時間との間の時間が2分24秒である場合、第1乃至第4基地局151〜154の区間がそれぞれ4Kmであると、第1基地局151と第4基地局154との間の総長さが16Kmの区間に対して移動時間が9分36秒であると判断し、平均時速である100Km/hを算出する。
【0075】
また、図7は、本発明の実施形態による移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法を示したフローチャートである。
【0076】
まず、第1乃至第4基地局151〜154に対する時間帯別の通話試み発生量によって交通状態の基準値を設定する(S71)。
【0077】
すなわち、高速道路を走行する全ての車両の端末機が通話を試みないため、交通状態による日時別及び時間帯別に通話試み発生量を抽出し、交通状態に対する基準値を設定する。
【0078】
その後、所定の時間間隔で第1乃至第4基地局151〜154に対する通話試みの発生量を抽出する(S72)。本実施形態では、5分間隔で通話試みの発生量を抽出する。
【0079】
このように通話試みの発生量を抽出した後、この抽出された数を設定された基準値と比較することで、比較結果によって第1乃至第4基地局151〜154の領域に対する道路の交通状態を判断し、交通等級を設定する(S73,S74)。
【0080】
例えば、制限速度の70%水準が円滑な交通状態を示し、50%〜70%水準が交通遅滞状態を示し、20%〜50%水準が交通停滞状態を示し、20%以下の水準が深刻な交通停滞を示す場合、第1基地局151における通話試みの増加率が基準値より20%以上増加すると円滑な交通状態を示し、基準値より20%〜50%増加すると交通遅滞状態を示し、基準値より50%〜70%増加すると交通停滞状態を示し、基準値より100%以上増加すると深刻な交通停滞状態を示すと判断できる。
【0081】
すなわち、第1基地局151に対する通話試みの増加率が基準値より20%以上増加し、第2基地局152に対する通話試みの増加率が基準値より20%以上増加する場合、第1基地局と第2基地局との間の区間の交通等級は、円滑な交通状態と判断される。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、高速道路上で移動端末機を用いて通話するとき、基地局に対する時間帯別の通話試みの発生量によって、該当地域の交通等級を実時間で判断できる。これにより、道路交通の情報を実時間で獲得できるという効果がある。
【0083】
また、本発明は、交通情報を獲得するために、既に確保された移動通信網を用いることで、交通情報を収集するために特定の車両を運営し、情報提供者から交通情報を得るための費用を減少でき、かつ、持続的な測定によって実時間で変化する交通情報を反映することで、顧客のニーズを充足できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】従来の携帯電話機を用いたナビゲーションシステムを示した構成図である。
【図2】従来の携帯電話機を用いたナビゲーションシステムの作動方法を示したフローチャートである。
【図3】本発明による移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法が適用されるシステムを概略的に示した構成図である。
【図4】本発明による移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法を示した基地局の設置状況図である。
【図5】参考形態による移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法を示したフローチャートである。
【図6】他の参考形態による移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法を示したフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態による移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法を示したフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末機同士の通話に用いられる移動通信網を利用した交通情報獲得方法であって、
該当の基地局に対する時間帯別の通話試み発生量によって、交通状態の基準値を設定する段階と、
所定の時間間隔で基地局に対する通話試みを抽出する段階と、
前記抽出された通話試みの発生量と前記基準値とを比較する段階と、
前記比較結果に基づいた増減によって、前記該当の基地局領域の交通等級を設定する段階と、から構成されることを特徴とする移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法。
【請求項2】
前記基地局は、高速道路に設置されて管理されることを特徴とする請求項1に記載の移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法。
【請求項3】
前記高速道路に設置されて管理される基地局は、高速道路専用に割り当てられた一つのセクターを有することを特徴とする請求項2に記載の移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法。
【請求項4】
前記所定時間は、5分間隔であることを特徴とする請求項2または3に記載の移動端末機の課金情報を用いた交通情報獲得方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−175659(P2011−175659A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86559(P2011−86559)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【分割の表示】特願2006−507778(P2006−507778)の分割
【原出願日】平成16年3月27日(2004.3.27)
【出願人】(500310672)エスケーテレコム株式会社 (107)
【氏名又は名称原語表記】SK TELECOM CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】11,Euljiro−2ga,Jung−gu,Seoul,Korea
【Fターム(参考)】