説明

移動経路対応情報表示装置

【課題】移動する人物に対してその要求に合った情報表示を行うことのできる移動経路対応情報表示装置を得る。
【解決手段】移動経路上の複数の場所に複数の表示装置300を設置する。表示制御端末200は、これら表示装置300の表示を制御し、表示要求端末100は、この表示制御端末200に対して表示要求を行う。表示要求端末100では、移動経路推測部104で移動する人物の移動経路を推測する。表示制御端末200では自律表示スケジュール作成部201で表示装置300の表示スケジュールを作成し、表示制御部207は作成された表示スケジュールと移動経路推測部104で推測された移動経路に基づいて表示装置300の表示制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動する経路上にその経路に応じた表示を行う移動経路対応情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人物が移動する経路上の表示装置で表示を行う装置として、例えば、駅の改札機から改札情報を受信し、この改札情報に対応して予め用意した配信情報とその配信先を選択し、その配信情報を配信先に送信するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3577068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の装置では、改札通過時間と目的地情報を使い、駅構内、列車内の映像装置(電子広告等)にコンテンツと情報を配信している。しかしながら、近年では、場所と時間とをターゲットとする従来の広告枠とは違う更なる価値を求める動きがあり、例えば、出発点と目的地を結ぶ経路上に、人の移動につれ、異なる場所で、関係する情報を連続して見る、新しい情報表示、例えば移動経路対象の広告枠、といった商品への要望があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、移動する人物に対してその要求に合った情報表示を行うことのできる移動経路対応情報表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る移動経路対応情報表示装置は、移動経路上の複数の場所に設けられ、それぞれが情報を表示する複数の表示装置と、複数の表示装置を制御する表示制御端末と、表示制御端末に対して表示要求を行う表示要求端末とを備え、表示要求端末は、移動する人物が有する情報記録媒体から読み取られた情報に基づき、移動する人物の場所と通過時刻と目的地の情報を取得する通信部と、情報表示要求を行うクライアントに対し、情報表示の経路枠を設定する指定経路枠管理部と、表示装置における情報の表示結果ログを元に前記クライアントの情報表示料を計算する分配広告料計算部と、通信部で取得した移動する人物の場所と通過時刻と目的地の情報に基づいて移動する人物の移動経路を推測する移動経路推測部と、移動経路推測部に設けられ、推測した移動経路における複数の表示装置のうち、移動方向に対面する表示装置を選択する対面表示装置選択部と、移動経路推測部に設けられ、推測した移動経路における複数の表示装置に対する情報表示の表示方向データを生成する表示方向データ生成部と、移動経路推測部に設けられ、推測した移動経路における複数の表示装置に対する情報表示の表示タイミングデータを生成する表示タイミングデータ生成部と、通信部が順次取得する情報に合わせて、指定経路枠管理部で管理する情報のデータを、表示タイミングデータと共に、表示制御端末に配信するリアルタイム配信部と、クライアントが表示要求した情報のデータを、表示方向データと共に、表示制御端末に配信する蓄積データ配信部とを有し、表示制御端末は、リアルタイム配信部から配信される情報の表示スケジュールを作成する自律表示スケジュール作成部と、自律表示スケジュール作成部が作成した表示スケジュールに基づいて、移動経路推測部で推測した移動経路上の表示装置に対して、表示方向データの表示方向で情報表示制御を行う表示制御部を有するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明の移動経路対応情報表示装置は、移動経路上の複数の場所に設けられた複数の表示装置と、これら表示装置の表示を制御する表示制御端末と、表示制御端末に対して表示要求を行う表示要求端末を備え、移動経路上の表示装置への情報表示を、移動する人物の移動に応じて行うようにしたので、移動する人物に対して、よりきめ細かい情報提供を行うことができると共に、クライアントにとって、広告効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示装置と情報料還元装置の設置例を示す説明図(その1)である。
【図3】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示装置と情報料還元装置の設置例を示す説明図(その2)である。
【図4】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示装置と情報料還元装置の設置例を示す説明図(その3)である。
【図5】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示装置と情報料還元装置の設置例を示す説明図(その4)である。
【図6】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示装置と情報料還元装置の設置例を示す説明図(その5)である。
【図7】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示装置と情報料還元装置の設置例を示す説明図(その6)である。
【図8】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示装置と情報料還元装置の設置例を示す説明図(その7)である。
【図9】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示装置と情報料還元装置の設置例を示す説明図(その8)である。
【図10】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示装置と情報料還元装置の設置例を示す説明図(その9)である。
【図11】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示装置と情報料還元装置の設置例を示す説明図(その10)である。
【図12】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示方向可変機能つき表示機を示す説明図である。
【図13】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の左右反転表示機を示す説明図である。
【図14】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の透過型双方向表示機を示す説明図である。
【図15】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示例を示す説明図(その1)である。
【図16】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示例を示す説明図(その2)である。
【図17】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示例を示す説明図(その3)である。
【図18】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示例を示す説明図(その4)である。
【図19】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示例を示す説明図(その5)である。
【図20】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示例を示す説明図(その6)である。
【図21】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示例を示す説明図(その7)である。
【図22】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示要求端末によるデータ準備処理を示すフローチャートである。
【図23】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示要求端末によるデータ準備処理のステップST2で用いるデータの詳細を示す説明図である。
【図24】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示要求端末によるデータ準備処理のステップST3〜ST6で用いるデータの詳細を示す説明図である。
【図25】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の表示要求端末によるリアルタイム処理を示すフローチャートである。
【図26】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の自律表示処理を示すフローチャートである。
【図27】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の想定するビジネスモデルの情報の流れを示す説明図である。
【図28】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の想定するビジネスモデルの費用の流れを示す説明図である。
【図29】この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置の情報料還元装置の操作パネルを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による移動経路対応情報表示装置を適用したシステムの構成図である。
図1に示すシステムは、表示要求端末100、表示制御端末200、表示装置300、改札システム400、情報料還元装置500、広告・情報表示クライアント600、設置場所地権者700を備えている。
表示要求端末100は、表示要求の処理を行うための端末であり、表示制御端末200は、表示要求端末100からの表示要求に基づいて表示装置300への表示制御を行うための端末である。表示装置300は、移動する人物の移動経路に沿って複数の場所に設けられ、情報表示を行うためのLCD等のディスプレイである。また、表示制御端末200はそれぞれの表示装置300に対応して同一の場所に設置されるか、あるいは表示装置300とは別の場所に設置され、有線または無線接続される。また、表示制御端末200は1台の表示装置300をそれぞれ制御するが、1台の表示制御端末200が複数台の表示装置300を制御するよう構成してもよい。更に、表示要求端末100は複数設置され、それぞれの表示要求端末100は表示制御端末200とは非同期に動作する。また、表示要求端末100と表示制御端末200とはネットワークを介して接続されるが、必ずしも全てが同一のネットワークでなくてもよい。尚、表示要求端末100と表示制御端末200とはそれぞれ複数台設置されるのが一般的であるが、単数のシステムであっても同一の動作が可能である。
【0010】
改札システム400は、鉄道の駅の自動改札システムであり、例えば、改札ID、通過時刻、目的地といった情報を表示要求端末100に送信する。情報料還元装置500は、移動する人物が有する個人情報記録媒体からその人物の個人情報を読み取ると共に、情報提供を行ったことへの見返りとして情報料を還元する装置であり、表示要求端末100に対して、機器IDや操作時刻、目的地といった情報を通知する。即ち、移動する人物は、自分の情報を提供することで、この情報に対して情報料を得ることができる。情報料還元装置500とは、例えばICカード定期券を非接触リーダライタにかざすことによって、非接触リーダライタ機器IDによる場所の情報、通過時刻の情報、定期券情報による目的地情報の3つをシステムに通信することができるものである。同時に情報の見返りとして、ICカードに対し、情報ポイントの還元を受けることができるシステムである。このシステムにおいては個人情報のレベルを指定することが可能である。交通システムが一般的に使用するレベルであるところの場所、時刻、目的地の3種に限って、個人情報をなるべく使わない場合と、より積極的にカードID、これに登録されている年齢、性別などの個人の属性を提供する場合とがあり、このレベルに応じて情報料の還元量が変化する。
【0011】
広告・情報表示クライアント600は、情報表示要求を行うクライアントであり、経路、広告費用、コンテンツ、時間帯といった情報を表示要求端末100に通知し、また、表示要求端末100からは、表示装置リスト、表示面積・回数・時間、課金情報といった情報を得る。設置場所地権者700は、表示装置300を設置している場所の地権者であり、表示要求端末100から、表示装置リスト、表示面積・回数・時間、使用料、といった情報を得る。
【0012】
次に、表示要求端末100と表示制御端末200の詳細構成について説明する。
表示要求端末100は、通信部101、指定経路枠管理部102、分配広告料計算部103、移動経路推測部104、リアルタイム配信部105、蓄積データ配信部106を備えている。
通信部101は、情報料還元装置500から、機器ID、操作時刻、目的地、また個人属性情報などを得る。また、既存の改札システム400から、同様の情報として、改札ID、通過時刻、目的地、また個人属性情報などを得てもよい。指定経路枠管理部102は、出発地点から目的地までの経路を、表示スケジュールの枠として管理する。従来の情報表示、広告表示のスケジュール管理は、時間と表示機を管理するものであったが、本発明の移動経路対応情報表示装置では、指定経路枠管理部102により、出発地点から目的地までの経路を指定して、経路上の表示装置300に、移動する人物が通行するタイミングに合わせて、情報を表示するものである。また、広告・情報表示クライアント600に指定経路枠が売れると、コンテンツと時間帯の条件がクライアントIDと共に指定経路枠管理部102に登録されるよう構成されている。
【0013】
分配広告料計算部103は、指定経路枠管理部102に登録されたクライアントIDからの情報表示料である広告費、情報表示料金を、後述する表示結果ログによって、設置場所地権者700に分配するための計算を行う。また、分配広告料計算部103は、後述する表示結果ログによって、広告・情報表示クライアント600の広告費、情報表示料金を適正な値に補正したり、新規料金の設定を行う。
【0014】
移動経路推測部104は、通信部101から移動する人物の場所と通過時刻と目的地を知ることで移動経路を推測する機能を有し、対面表示装置選択部107、表示方向データ生成部108、表示タイミングデータ生成部109を備えている。この移動経路推測部104は、リアルタイム処理によって毎回推測するほか、広告・情報表示クライアント600に指定経路枠が売れた時点で予め推測し、結果をデータとして保存する方法をとる。移動経路推測に関しては、時間帯によって変化する場合もあり、表示装置300の総数など、指定経路枠の性格にあった方法を選択できる。また、例えば目的地の改札が複数ある場合、網羅的に経路を推測する/選択的に経路を推測する、の2つの方法を選択できる。この選択は分配広告料計算部103の計算に反映される。選択的に目的地の改札を推測する場合に、個人情報をなるべく使わずに推測するためには、反対方向の帰りの時間帯の指定経路枠が売れていた場合、表示のログにより、どの改札IDから一番多く入場しているかが判別できる。これを重み付けとして目的地の改札を選択する。
【0015】
対面表示装置選択部107は、複数の移動経路に備える複数の表示装置300のうち移動方向に対面する表示装置300を選択する。後述する登録済み表示装置リストから、表示装置の視野角と向きによる表示エリアを知り、移動する人物に対面する表示装置300を選択する。後述する表示方向可変機能つき表示機、鏡面反射兼用表示装置などに対してもその表示エリアと、人物の移動方向が対面するかを調べ、対面する条件を算出する。また、表示方向データ生成部108は、移動経路上の複数の表示装置300に対する情報表示の表示方向データを生成する。表示方向データによって、表示装置300の前を通過する人物に対し、同じ方向に画像を移動させることが可能になる。速度を調整することによって、歩きながらでも非常に読みやすい表示になる。顔認識画像センサ付き表示装置の場合、顔の移動に合わせて表示方向を変化させる。表示方向については後述する図15〜図20で、表示装置の画面割りとクロール、スクロール、画像拡大縮小機能について説明する。更に、表示タイミングデータ生成部109は、移動経路上の複数の表示装置300に対する情報表示の表示タイミングデータを生成する。この生成方法としては、人物の歩行速度、例えば電車の運行情報などから、リアルタイム処理で毎回計算する方法と、時間枠を広く取って予め用意されたデータの時刻をずらして使用する方法がある。
【0016】
リアルタイム配信部105は、通信部101が得る、場所の情報、操作した時刻の情報、定期券情報による目的地情報の3つに合わせて、指定経路枠管理部102から得られるコンテンツIDを、表示タイミングデータと共に、経路上の表示制御端末200に配信する。蓄積データ配信部106は、広告・情報表示クライアント600から送られるコンテンツを、表示方向データと共に、予め経路上の表示制御端末200に配信する。
【0017】
表示制御端末200は、自律表示スケジュール作成部201、ターゲット座標計算部202、顔認識画像センサ203、クロール表示制御部204、反転イメージ処理部205、拡大縮小処理部206、表示制御部207、表示方向制御部208、表示結果ログ作成部209、表示結果アップロード部210を備えている。
【0018】
自律表示スケジュール作成部201は、複数の表示要求端末100から個別にリアルタイム配信される表示タイミングデータを整理し、時分割、画面分割、画面合成などの方法で効率的に情報を表示するため、表示スケジュールをリアルタイムに作成する機能部であり、時分割コンテンツ表示スケジュール部211、画面分割合成コンテンツ表示スケジュール部212、優先度加味部213を備えている。時分割コンテンツ表示スケジュール部211は、経路と表示タイミングが重なる場合に、例えば時間を区切って、全てのコンテンツを少しずつ表示するスケジュールを作成する。画面分割合成コンテンツ表示スケジュール部212は、経路と表示タイミングが重なる場合に、例えば画面を区切って、全てのコンテンツを表示面積を区切って表示するスケジュールを作成する。また、例えば各コンテンツをキャラクタで作成し、一つの画面に合成多重化するスケジュールを作成する。キャラクタ合成多重化については図16を参照して後述する。優先度加味部213は、例えば広告・情報料を高く設定したクライアントの広告、情報を優先して表示するスケジュールを作成する。
【0019】
ターゲット座標計算部202は、顔認識画像センサ203の測定する座標値から、表示装置300の前を移動する人物を追尾するように表示座標を計算し、表示方向制御部208に表示方向を制御させる。すなわち、ターゲット座標とは、例えば、1台の表示装置300の前を移動する人物がいた場合、その表示装置300から見た人物の3次元座標値である。顔認識画像センサ203は、例えばカメラにより、測定範囲にある人物の顔の位置を測定し、座標値をターゲット座標計算部202に出力する。尚、ここでは、顔認識画像センサ203は表示制御端末200の構成としているが、表示装置300側に設けられていてもよい。クロール表示制御部204は、表示要求端末100における表示方向データ生成部108が作成した表示方向、およびターゲット座標計算部202の出力する表示座標に合わせて、また同時に表示装置300の特性に合わせてコンテンツをクロール表示制御する。反転イメージ処理部205は、表示方向データ生成部108が作成した表示方向、およびターゲット座標計算部202の出力する表示座標に合わせて、また、表示装置300の特性に合わせてコンテンツを反転イメージ処理する。拡大縮小処理部206は、表示方向データ生成部108が作成した表示方向、およびターゲット座標計算部202の出力する表示座標に合わせて、また表示装置300の特性に合わせてコンテンツを拡大縮小処理する。この拡大縮小処理としては、主に、人物の移動方向に正対する表示装置300を使用し、遠方に対しては拡大表示で情報表示を行い、近距離になると画面を縮小して細かい情報表示を行う。
【0020】
表示制御部207は、蓄積データ配信部106より得る、コンテンツなどの蓄積データを表示装置300に表示する。また、リアルタイム配信部105より得る、表示タイミングデータなどのリアルタイム配信データに従って自律表示スケジュール作成部201が作成する表示スケジュールで、表示装置300への表示を制御する。更に、ターゲット座標計算部202で計算された座標に、クロール表示、または反転イメージ、または拡大縮小して、表示装置300の表示制御を行う。表示方向制御部208は、表示装置300のうち、表示の向きを制御できる表示方向可変機能つき表示機を、顔認識画像センサ203とターゲット座標計算部202の出力する情報に従って、表示装置300の前を移動する人物を追尾するように制御する。
【0021】
表示結果ログ作成部209は、表示装置300に表示したコンテンツについて、表示面積、表示回数、表示時間など、詳細な情報を整理し、これら情報をまとめたログデータを作成する。表示結果アップロード部210は、表示結果ログ作成部209のまとめた表示結果ログを、表示休止時間など、システムに負荷をかけないように制御しつつ、表示要求端末100にアップロードする。
【0022】
次に図2〜図11を用いて表示装置300と情報料還元装置500の設置例を説明する。
図2は、改札システム400における入り口改札に床面表示機を設置した例である。移動する人物は情報記録媒体としてのICカード1を有し、例えば定期券サービスを実現する。ICカード1を改札の非接触リーダライタにかざすことで、改札ID、通過時刻、目的地、といった情報が移動経路対応情報表示装置に送信される。移動する人物の視線方向には床面表示機301があり、この人物の経路が広告・情報表示クライアント600に販売されていた場合に、コンテンツが表示される。
【0023】
図3は、情報料還元装置500を非接触リーダライタ機器によって構成し、設置した例である。
情報料還元装置500を構成する非接触リーダライタ機器2は、底面表示機301の近傍に設置されており、移動する人物が持つICカード1を非接触リーダライタにかざすことで、非接触リーダライタ機器2の機器ID、通過時刻、目的地、といった情報が移動経路対応情報表示装置の表示要求端末100に送信される。同時に情報の見返りとして、ICカード1に対し、情報料の還元を行う。この還元処理としては、例えばICカード1にポイントが貯まるといったことである。情報料還元装置500においては個人情報のレベルを指定することが可能である。交通システムが一般的に使用するレベルであるところの場所、時刻、目的地の3種に限って情報を提供し、個人情報をなるべく使わない場合と、より積極的にカードID、これに登録されている年齢、性別などの個人の属性を提供する場合とがあり、このレベルに応じて情報料の還元の量が変化する。このレベルの設定、変更については非接触リーダライタ機器2の操作、もしくはインターネット経由Webページで可能とする。
【0024】
また、毎回レベルを気軽に選択できる具体例としては、非接触リーダライタ機器2に非接触リーダライタを複数備え、移動する人物が毎回情報レベルを選択して、レベル別に備えた非接触リーダライタの場所にICカード1をかざすことで、そのときの行動について個人情報を渡すレベルを任意に選べるシステムがある。また、その情報をどのクライアントに渡すのか、非接触リーダライタ機器2に情報表示機を備えても良い。この場合は、移動する人物が、毎回クライアントと情報レベルと還元ポイントとを選択できるシステムになる。尚、このような具体例の詳細については図29を用いて後述する。図3の例では、図2に示す例と同様に、移動する人物の視線方向には床面表示機301があり、この人物の経路が広告・情報表示クライアント600に販売されていた場合に、コンテンツが表示される。
【0025】
図4は、通路に床面表示機301、壁面表示機302、壁掛け表示機303を設置した例である。ここで、壁面表示機302とは、通路の壁面に沿って設けられる表示機であり、壁掛け表示機303とは、異なる複数の方向への表示を行う複数の表示部を有し、壁面に取り付け可能な表示機である。
移動する人物の視線方向には床面表示機301、壁面表示機302、壁掛け表示機303があり、この人物の経路が広告・情報表示クライアント600に販売されていた場合に、予め配信された蓄積コンテンツが、リアルタイム配信された表示タイミングで、さらに表示制御端末200の自律表示スケジュール作成部201が生成する表示スケジュールで、移動する人物のなるべく対面に、進行方向にあわせて、コンテンツが表示される。
【0026】
図5は、上り階段・エスカレータに、階段ステップ表示機304、壁掛け表示機303を設置した例である。ここで、階段ステップ表示機304とは、移動する人物が階段を上がっている場合やエスカレータの上り方向に乗っている場合にその視線方向(階段やエスカレータの垂直面)に表示部が設置された表示機である。
移動する人物の視線方向には階段ステップ表示機304、壁掛け表示機303があり、この人物の経路が広告・情報表示クライアント600に販売されていた場合に、予め配信された蓄積コンテンツが、リアルタイム配信された表示タイミングで、さらに表示制御端末200の自律表示スケジュール作成部201が生成する表示スケジュールで、移動する人物のなるべく対面に、進行方向にあわせて、コンテンツが表示される。
【0027】
図6は、鉄道の旅客ホームにホーム表示機305、ホーム対向表示機306を設置した例である。
電車待ちする人物の視線方向にはホーム対向表示機306が、また、ホーム上にはホーム表示機305が設置されている。この人物の経路が広告・情報表示クライアント600に販売されていた場合に、予め配信された蓄積コンテンツが、リアルタイム配信された表示タイミングで、さらに表示制御端末200の自律表示スケジュール作成部201が生成する表示スケジュールで、移動する人物のなるべく対面に、進行方向にあわせて、コンテンツが表示される。
【0028】
図7は、電車内にドア上表示機を設置した例である。
乗車する人物の視線方向にドア上表示機307が設置されている。尚、ホーム表示機305は、図6と同様の表示機である。乗車する人物の視線方向のドア上表示機307は、図示の乗車タイミングにおいて、乗車しようとする人に対面する表示機と考えられる。この人物の経路が広告・情報表示クライアント600に販売されていた場合に、予め配信された蓄積コンテンツが、リアルタイム配信された表示タイミングで、さらに表示制御端末200の自律表示スケジュール作成部201が生成する表示スケジュールで、移動する人物のなるべく対面に、進行方向にあわせて、コンテンツが表示される。全てのドア上表示機307に網羅的に表示する場合と、通路や階段の推測により最も可能性の高い列車ドア部だけに出す場合がある。
【0029】
図8は、電車内にドア上表示機が設置された場合の降車時の例である。
降車する人物の視線方向にはドア上表示機307が設置されている。出口方向のドア上表示機307は、図示の乗車タイミングにおいて、降車しようとする人に対面する表示機と考えられる。また、ホーム上にはホーム表示機305があり、図示の乗車タイミングにおいて、これも、降車しようとする人に対面する表示機と考えられる。この人物の経路が広告・情報表示クライアント600に販売されていた場合に、予め配信された蓄積コンテンツが、リアルタイム配信された表示タイミングで、さらに表示制御端末200の自律表示スケジュール作成部201が生成する表示スケジュールで、移動する人物のなるべく対面に、進行方向にあわせて、コンテンツが表示される。全てのドア上表示機307に網羅的に表示する場合と、通路や階段の推測により最も可能性の高い列車ドア部だけに出す場合がある。
【0030】
図9は、下り階段に壁掛け表示機303を設置した例である。
移動する人物の視線方向には壁掛け表示機303があり、登り方向とは反対側の表示部が対面する。この人物の経路が広告・情報表示クライアント600に販売されていた場合に、予め配信された蓄積コンテンツが、リアルタイム配信された表示タイミングで、さらに表示制御端末200の自律表示スケジュール作成部201が生成する表示スケジュールで、移動する人物の対面に、進行方向にあわせて、コンテンツが表示される。
【0031】
図10は、通路に床面表示機301、壁面表示機302、壁掛け表示機303を図4の例と同様に設置し、移動する人物が通路の逆方向から移動した例である。
移動する人物の視線方向には床面表示機301、壁面表示機302、壁掛け表示機303があり、この人物の経路が広告・情報表示クライアント600に販売されていた場合に、予め配信された蓄積コンテンツが、リアルタイム配信された表示タイミングで、さらに表示制御端末200の自律表示スケジュール作成部201が生成する表示スケジュールで、移動する人物のなるべく対面に、進行方向にあわせて、コンテンツが表示される。この場合、壁掛け表示機303は図4の場合とは異なる表示部(移動する人物に対面する側の表示部)で表示が行われる。
【0032】
図11は、出口改札に床面表示機301を設置した例である。
移動する人物は、ICカード1を改札の非接触リーダライタにかざすことで、改札ID、通過時刻、出発地、といった情報が移動経路対応情報表示装置に送信される。この情報は、指定経路枠の広告・情報表示の終了地点の情報として管理され、カードIDを取得しなくても、経路と時間と、移動する人数のおよその流れを類推することができる。このデータの蓄積により、移動経路推測部104の推測する出口改札を絞り、より効率的な情報表示が可能になってくる。移動する人物の視線方向には床面表示機301があり、この人物の経路が広告・情報表示クライアント600に販売されていた場合に、コンテンツが表示される。
【0033】
次に、図12を用いて表示方向可変機能つき表示装置の説明を行う。
表示方向可変機能つき表示機308は、表示装置300の表示の向きをモータ308aなどで制御できるようにしたものである。表示タイミングデータ生成部109と表示方向データ生成部108の作るデータに従って、さらに表示制御端末200の自律表示スケジュール作成部201が生成する表示スケジュールで、表示方向制御部208は、移動する人物のなるべく対面に、進行方向にあわせて、コンテンツが表示されるよう表示の向きを制御するためのデータを表示制御部207に出力する。表示装置300の前を移動する人物を追尾するように表示制御することが目的であり、より確実に行うために顔認識画像センサ203を使用して測定範囲にある人物の顔の位置を測定し、座標値を使って追尾しても良い。
【0034】
次に、図13および図14を用いて双方向表示装置の説明を行う。
図13は、鏡面利用双方向表示装置を通路に設置した例を示す。図は通路を上から見たものである。左右反転表示機309は、折れ曲がった通路の隅部に設置されている。また、この左右反転表示機309の映像を反対方向から見るための鏡309aが対向隅部に設置されている。このように配置された左右反転表示機309と鏡309aに対し、人物の移動方向に対応して次のような表示制御を行う。即ち、表示タイミングデータ生成部109と表示方向データ生成部108が作成するデータに従って、さらに表示制御端末200の自律表示スケジュール作成部201が生成する表示スケジュールで、例えば、図示状態において、通路左から鏡309aに向かって移動する人物に対面してコンテンツを表示する場合には、左右反転表示機309の表示を鏡309aで反射させる。この場合、反射して表示するため、左右反転表示機309ではコンテンツを左右反転のイメージで再生する。また、表示内容を移動させる場合は、鏡309aの逆転を考慮してクロールをする必要がある。一方、図示状態において通路右から左右反転表示機309に向かって移動する人物に対面してコンテンツを表示する場合には、左右反転表示機309の表示について、左右反転せずに表示する。
【0035】
図14に透過型双方向表示装置を通路に設置した例を示す。図は、通路を移動する人物の視点から見たものである。透過型双方向表示機310は、例えば透過型ELディスプレイデバイスなどで実現され、図中の(a)は、手前に向かって表示する例である。一方、図中の(b)は、透過型双方向表示機310の別の表示例であり、図中、奥方向に向かって表示する例である。
このような透過型双方向表示機310に対して、表示タイミングデータ生成部109と表示方向データ生成部108が作成するデータに従って、さらに表示制御端末200の自律表示スケジュール作成部201が生成する表示スケジュールで、例えば、(a)に示すように、通路手前から透過型双方向表示機310に向かって移動する人物に対面してコンテンツを表示する場合は、透過型双方向表示機310の表示を左右反転せずに表示する。一方、(b)に示すように、例えば通路奥から透過型双方向表示機310に向かって移動する人物に対面してコンテンツを表示する場合には、コンテンツを左右反転して表示する。このように表示するために、透過型双方向表示機310は、コンテンツを左右反転のイメージで再生する機能を持つ。
【0036】
次に、図15〜図21を用いて表示装置300の画面分割とクロール、スクロール、画像拡大縮小機能の説明を行う。これは移動する人物の方向に合わせた表示の方法を説明するものである。
図15は、壁面表示機302とホーム表示機305に対して適用する画面分割とクロールの例である。移動する人物に合わせて、上の分割画面は左にクロールし、下の分割画面は右にクロールする。ここで、画面分割については画面分割合成コンテンツ表示スケジュール部212で、また、クロール制御はクロール表示制御部204で制御される。移動方向に対して直角の視線となり、広告表示には適さないと見なされる表示形態でも、画面全体を人物の移動方向に合わせてクロールすることで見やすく、また方向性を与えることで、移動経路を意識したコンテンツとして認識しやすくなる効果がある。
【0037】
図16は、例えば各コンテンツをキャラクタで作成し、一つの画面に合成多重化した、キャラクタ合成多重化画面の例である。ここで、キャラクタの合成多重化制御は画面分割合成コンテンツ表示スケジュール部212で行われる。移動する人物に合わせて、各キャラクタは人物の移動方向に合わせて移動することで見やすく、また方向性を与えることで、移動経路を意識したコンテンツとして認識しやすくなる効果がある。また、キャラクタは印象に残りやすく、移動する人物が移動経路のあちこちで同じキャラクタを見かけることで情報の伝達がよくなり、例えば広告の場合は広告効果が非常に高くなる。
【0038】
図17は、床面表示機301に対する画面分割とスクロールの例である。移動する人物に合わせて、上の分割画面は下にスクロールし、下の分割画面は上にスクロールする。画面全体を人物の移動方向に合わせてクロールすることで見やすく、また方向性を与えることで、移動経路を意識したコンテンツとして認識しやすくなる効果がある。
【0039】
図18は、図17の表示状態を4方向にした例である。例えば、交差点の床面表示機に使用する。移動する人物に合わせて、上の分割画面は下にスクロールし、下の分割画面は上にスクロールし、右の画面は左にクロールし、左の画面は右にクロールする。画面全体を人物の移動方向に合わせてクロールすることで見やすく、また方向性を与えることで、移動経路を意識したコンテンツとして認識しやすくなる効果がある。
【0040】
図19は、図18の表示状態で4方向に対応した例について、さらに曲がって進む行動に対応した例である。移動する人物に合わせて、正対する文字列が進行方向に曲がりながらテロップ文字として流れていく。文字列を人物の移動方向に合わせて流すことで見やすく、また方向性を与えることで、移動経路を意識したコンテンツとして認識しやすくなる効果がある。
【0041】
図20は、上述した左右反転表示機309および透過型双方向表示機310に対して適用する画面分割とスクロールの例である。移動する人物に合わせて、上の分割画面は正対する方向に向けてコンテンツをそのまま表示し、下の分割画面は反対方向に向けて左右反転してコンテンツを表示する。
【0042】
図21は、表示装置300をプロジェクタで構成した例である。図中の(a)は、移動する人物の表示機に対する距離に合わせて、画面全体を拡大するようにした例である。このような拡大表示を行うことで見やすくする効果がある。また、この拡大率を人物の移動に合わせて常に最適に変化させることで、遠くから近くまで移動する間の、情報を判読できる時間をより長くする効果がある。また、(b)は、移動する人物の表示機に対する距離に合わせて、画面全体を縮小するようにした例である。このように、画面全体を縮小表示することで情報量を多くする効果がある。
【0043】
次に、図22のフローチャートを用いて表示要求端末100によるデータ準備処理手順を説明する。
ある経路に対する広告・情報表示枠が広告・情報表示クライアント600に売れた場合、実際の表示を始める前に、以下の手順でシステムに対し、データの準備を行っておく。
ステップST1では広告・情報表示クライアント600から指定経路枠に対してコンテンツが通信部101に入稿される。このとき、入力情報データとしてはデータD1で表すように静止画、文字列、経路、時間帯に関するデータを得る。同時に、指定経路枠管理部102により、経路枠と広告・情報表示クライアント600とを結びつける管理が行われる。同時に、分配広告料計算部103では、広告料と広告・情報表示クライアント600を結びつける管理が行われる。同時に、情報料還元装置500では還元する情報料と広告料と広告・情報表示クライアント600を結びつける管理が行われる。
【0044】
ステップST2では、入力情報データとしてデータD1から抽出する経路情報をデータD2として得、移動経路推測部104が、対面表示装置選択部107、表示方向データ生成部108、表示タイミングデータ生成部109によって経路上の対面表示装置を検索する。検索は登録済み表示装置リストD3を使用する。登録済み表示装置リストD3には、図23に示すように、移動経路対応情報表示装置に備える表示装置300が全てIDで登録されており、それぞれ詳細データD4を参照できるようになっている。詳細データD4の内容はその表示装置300を制御する表示制御端末200のIPアドレス、設置座標値、画面縦横サイズ、解像度、視野角と表示装置300の向きによる表示エリア、反応速度、輝度、色数、顔認識画像センサによる時間別視聴人数、顔認識画像センサによる時間別視聴時間、設置場所の重要度等が登録されている。これらのデータは逐次変更することができ、表示装置300から情報を受信して視野角と向きによる表示エリアや、顔認識画像センサによる情報を最新のものに書き換えることができる。設置場所の重要度とは、有名な待ち合わせ場所であったり、多くの経路が交錯する場所であったりすることに係数を与えるものである。
【0045】
ステップST3ではデータD1,D3,D4から、入場改札ID毎に表示装置300のグループを複数作成する。目的地に対して網羅的に表示装置300をリストアップする場合と、選択的に、最も効率的にリストアップする場合がある。データD5は駅名のリストである。データD6は、図24に示すようにデータD5の駅名から参照される駅ごとの入場改札IDのリストである。データD7はデータD6の入場改札IDから参照される目的地駅名のリストである。データD8はデータD7の駅名から参照される、即ち、経路に対応する表示装置のリストである。データD8には表示装置IDと同時に、それらの間の想定移動時間を記録する。選択的に表示装置300をリストアップする場合の方法として、表示装置300を重み付けして優先的に選択する方法がある。重み付けは例えば、以下の情報の積をとって値とすることができる。
重み付けパラメータ=画面縦横サイズ*解像度*表示エリア*輝度*色数*視聴人数*視聴時間*設置場所の重要度
【0046】
このように、重み付けパラメータとして、各表示装置300の画面縦横サイズと、解像度と、視聴可能エリアの広さと、輝度と、色数などの積を使用することで、これまで広告が成立しなかった場所にも表示装置300が置かれ、設置場所地権者700に費用を広く分配することができる。
【0047】
ステップST4ではコンテンツデータと広告表示データを作成する。図24に示すデータD9はデータD7の駅名から参照される、即ち、経路に対応する時間別の広告IDのリストである。データD10はデータD9の広告IDから参照される広告表示データであり、コンテンツID、表示時間帯、表示方向、優先度が記録される。表示方向データは経路から計算される地磁気に対する方向であり、相対方向ではない。各表示装置300の方向と差分をとって、表示制御を行う。データD11はデータD10のコンテンツIDから参照されるコンテンツデータであり、静止画、文字列、動画などが記録される。
【0048】
ステップST5では経路に対応する表示装置リストに入った表示装置IDの表示制御端末200に対してコンテンツデータと広告表示データを配信する。配信は蓄積データ配信部106が行う。尚、これらのデータは、データ量が大きくなることが予想されるため、例えば、営業時間外の深夜などにまとめて配信する。
ステップST6ではICカード1の個人情報を使わずに、目的地の改札IDを推測するために反対方向の帰りの時間帯の広告枠の表示のログにより、どの改札IDから一番多く入場しているかを判別し、これを重み付けとして目的地の改札を選択し、前記経路に対する表示装置のリストD8を修正する。
【0049】
次に、図25のフローチャートを用いて表示要求端末100によるリアルタイム処理について説明する。
図22〜図24で説明したデータの準備ができたシステムにおいて、実際に広告、情報表示を行う場合、表示要求端末100は以下の手順でリアルタイムに処理を行う。
改札システム400または情報料還元装置500に、移動する人物がICカード1で操作を行うことで処理が始まる。
ステップST7では、表示要求端末100が、改札システム400または情報料還元装置500からデータD12を受信する。データD12には駅名、改札ID(機器ID)、目的地、通過時刻などの情報が含まれている。また、後述する、情報料還元装置500を個人情報レベル対応の装置とした場合は、ICカード1のカードIDと個人情報開示レベルがデータD12に入り、別途ICカード1の管理システムに問い合わせることによりレベルに応じた個人情報が開示される。また、後述する、情報料還元装置500を広告選択対応の装置とした場合は、広告IDがデータD12に入る。
【0050】
ステップST8では、データD12について、この駅名から目的地までの、この時間帯の広告枠が売れているかを判別する。広告・情報表示クライアント600に指定経路枠が売れると、コンテンツと時間帯の条件がクライアントIDと共に指定経路枠管理部102により登録されているので、判別ができる。売れていない場合にはフローチャートの始めに戻り、売れている場合にはステップST9に進む。
ステップST9では、経路に対応する表示装置リストに乗っている表示装置IDから詳細データをアクセスし、表示制御端末200のアドレスに対して表示スケジュール作成用データを送る。表示スケジュール作成用データD13は、通過時刻に経路に対応する表示装置リストに乗っている移動時間を加えた時刻と、広告IDである。
【0051】
以上のように、複数の表示要求端末100のリアルタイム配信部105が複数の表示制御端末200に対してそれぞれリアルタイム配信データを送る。この処理は、改札システム400または情報料還元装置500に、移動する人物がICカード1で操作を行う度に行う。各表示要求端末100、表示制御端末200は非同期で動作するため、表示制御端末200には自律表示スケジュール作成部201が必要になる。
【0052】
次に、図26のフローチャートによって表示制御端末200のオンライン、リアルタイム自律表示処理を説明する。
ステップST10では表示要求端末100から情報を受信する。この情報は上述した表示スケジュール作成用データD13であり、非同期に受信するデータD13をまとめたデータがD14のリアルタイム配信データである。
ステップST11では現在の表示スケジュールの1単位を表示中に、次の表示スケジュールを作成する。データD14と、予め配信されている蓄積データD15を使用する。蓄積データD15の内容は上述した広告表示データD10と、これに参照されるコンテンツデータD11、これらデータD10とデータD11のセットが複数蓄積されたものである。
【0053】
次に、経路が重なるなど、次に表示するコンテンツの候補が複数存在する場合、ステップST12では以下のように対処する。
1)時間分割して短時間の表示にする
2)画面分割、画面合成して表示面積を少なくする
3)優先度により表示時間、表示面積の重み付けを行う
4)方向性を活かしてコンテンツにクロール、スクロール効果をつける
5)方向性を活かす反転コンテンツを表示する
【0054】
次に、ステップST13では顔認識画像センサつき表示装置の場合、顔の移動に合わせて表示方向を変化させる。
次に、ステップST14では表示方向可変機能つき表示装置の場合、タイミングを合わせて表示方向を変化させる。
次に、ステップST15では各コンテンツIDに対して、表示時間と表示面積の結果を記録し、ログを一定のタイミングで図示しないセンタに送信する。
以上が表示制御端末200のオンライン、リアルタイム自律表示処理のフローである。
【0055】
次に、図27を使用して移動経路対応情報表示装置のビジネスモデルの情報の流れについて説明する。
プレイヤは、7者を想定する。移動する人物11はエンドユーザと考えられ、例えば鉄道を利用して通勤するICカード定期券の利用者である。移動する人物11は、ICカード定期券を改札システムの非接触リーダライタにかざし、ICカードのID、通過時間、目的地の情報を改札システム事業者12に伝える。改札システム事業者12は、例えば鉄道事業者であり、移動する人物11が改札を通過したときに、改札IDと、通過時刻と、目的地の情報を表示事業者13に伝える。伝えてよい個人情報のレベルが設定されていた場合には、ICカードのIDから参照される情報を表示事業者13に伝える。情報料還元システム事業者14は、情報料還元装置500の管理者であり、移動する人物11が情報料還元装置500を操作したときに、機器IDと、操作時刻と、目的地の情報を表示事業者13に伝える。同時に、個人情報の開示レベル、情報量還元ポイント、選択広告IDが設定されていた場合には、表示事業者13に伝える。ICカードのIDから参照される情報を改札システム事業者12から参照できる場合は、個人情報の開示レベルによってICカードのIDを表示事業者13に伝えてもよい。
【0056】
情報料還元システム事業者14は、移動する人物11が情報料還元装置500を操作したときに、情報料の還元ポイントをICカードのID別に与える。このポイントはICカードに記録する場合と、別途図示しないサーバに記録され、インターネット経由で確認する場合がある。広告クライアント15は、コンテンツ、経路、時間帯、広告費情報、といった情報を表示事業者13に伝え、指定経路枠を購入する。表示事業者13は表示装置リスト、表示面積・回数・時間、課金情報、といった情報を広告クライアント15に伝える。また、広告クライアント15は、表示装置所有者16に、表示装置リスト、表示面積・回数・時間、使用料、といった情報を伝え、表示装置所有者16は、設置場所地権者17に、表示装置リスト、表示面積・回数・時間、使用料、といった情報を伝える。
【0057】
次に、図28を使用して移動経路対応情報表示装置のビジネスモデルの費用の流れについて説明する。
プレイヤは、図27と同様の7者を想定する。移動する人物11はICカード定期券の購入費用を改札システム事業者12に払う。改札システム事業者12は表示事業者13から情報提供料を受け取り、一部を移動する人物11に還元する。
情報料還元システム事業者14は、表示事業者13から情報提供料を受け取り、一部を移動する人物11に還元する。同時に、情報料の一部を表示装置所有者16と設置場所地権者17に払う場合もある。
広告クライアント15は、広告掲載料を表示事業者13に払い、指定経路枠を購入する。表示事業者13は、表示装置所有者16、設置場所地権者17に使用料を支払う。
移動する人物11は、広告クライアント15の広告を見て物品、サービスを購入し、購入費用が広告クライアント15に還元される。
【0058】
次に、図29を使用して情報料還元装置500の実施例を説明する。
情報料還元装置500は非接触リーダライタ機器2によって構成する。
非接触リーダライタ機器2の操作パネル20の左部分21には個人情報レベルと対応する情報料還元ポイントを関連付け、縦軸に沿ってレベル分けしている。この部分は変更が少ないと考えられる場合は印字し、変更が多いと考えられる場合はLCDなどの表示機で構成する。移動する人物は縦軸で個人情報レベルと還元ポイントの組を選択する。
操作パネル20の右上部分22には、クライアント・広告に対応する情報料の掛け率を横軸に沿ってレベル分けしている。この部分は変更が少ないと考えられる場合は印字し、変更が多いと考えられる場合はLCDなどの表示機で構成する。移動する人物は横軸で広告とクライアントと、還元ポイントの掛け率を選択する。
【0059】
また、操作パネル20には、左部分21を縦軸とし、右上部分22の横軸とするマトリクス状に表示機器23と非接触リーダライタ24の組が格子状に並べられている。表示機器23にはクライアントの紹介や広告が表示される。図29では、例えば、左上の広告の場合、消費者金融A社の広告が社名と共に流れ、この表示機器23にICカード1をかざすと非接触リーダライタ24によりICカード1のIDが非接触リーダライタ機器2に読み込まれる。非接触リーダライタ機器2は、ICカード1のID、操作時刻、個人情報提供レベル(メールアドレスの開示)、ポイント30×20ポイント付加、広告ID、といった情報を情報料還元装置500経由で表示要求端末100に伝える。
移動する人物のICカード1には60ポイントが付与されるが、ICカード1の定期券の目的地まで、消費者金融A社の広告が表示され、メールアドレスに対しいくつかの広告メールが届く。
【0060】
このように、ICカード1を非接触リーダライタ24にかざすことで、非接触リーダライタ機器2の機器ID、通過時刻、目的地、といった情報が移動経路対応情報表示装置に通信される。同時に情報の見返りとして、ICカード1に対し、情報料の還元を受けることができ、例えばICカード1にポイントが貯まる。
非接触リーダライタ機器2に非接触リーダライタ24を複数備え、移動する人物が毎回情報レベルを気軽に選択して、レベル別に備えた非接触リーダライタ24の場所にICカード1をかざすことで、そのときの行動について個人情報を渡すレベルを任意に選べるシステムとなる。また、その情報をどのクライアントに渡すのか、非接触リーダライタ機器2に表示機器23を備えているので、移動する人物が、毎回クライアントと情報レベルと還元ポイントを選択できるシステムになる。
【0061】
例えば、移動する人物が、場所、時刻、目的地の3種に限って情報を提供し、個人情報をなるべく使わない場合と、より積極的にカードID、これに登録されている年齢、性別などの個人の属性を提供する場合とがあり、このレベルに応じて情報料の還元の量が変化するものとした場合、このレベルの設定、変更について非接触リーダライタ24の操作によって簡単に選ぶことができる。
【0062】
以上のように、実施の形態1の移動経路対応情報表示装置によれば、移動経路上の複数の場所に設けられ、それぞれが情報を表示する複数の表示装置と、複数の表示装置を制御する表示制御端末と、表示制御端末に対して表示要求を行う表示要求端末とを備え、表示要求端末は、移動する人物が有する情報記録媒体から読み取られた情報に基づき、移動する人物の場所と通過時刻と目的地の情報を取得する通信部と、情報表示要求を行うクライアントに対し、情報表示の経路枠を設定する指定経路枠管理部と、表示装置における情報の表示結果ログを元に前記クライアントの情報表示料を計算する分配広告料計算部と、通信部で取得した移動する人物の場所と通過時刻と目的地の情報に基づいて移動する人物の移動経路を推測する移動経路推測部と、移動経路推測部に設けられ、推測した移動経路における複数の表示装置のうち、移動方向に対面する表示装置を選択する対面表示装置選択部と、移動経路推測部に設けられ、推測した移動経路における複数の表示装置に対する情報表示の表示方向データを生成する表示方向データ生成部と、移動経路推測部に設けられ、推測した移動経路における複数の表示装置に対する情報表示の表示タイミングデータを生成する表示タイミングデータ生成部と、通信部が順次取得する情報に合わせて、指定経路枠管理部で管理する情報のデータを、表示タイミングデータと共に、表示制御端末に配信するリアルタイム配信部と、クライアントが表示要求した情報のデータを、表示方向データと共に、表示制御端末に配信する蓄積データ配信部とを有し、表示制御端末は、リアルタイム配信部から配信される情報の表示スケジュールを作成する自律表示スケジュール作成部と、自律表示スケジュール作成部が作成した表示スケジュールに基づいて、移動経路推測部で推測した移動経路上の表示装置に対して、表示方向データの表示方向で情報表示制御を行う表示制御部を有するようにしたので、例えば、ある改札から目的地まで移動する人物に対し、その経路において次々と情報を表示でき、人の移動に合わせた移動経路を枠とする広告や、情報表示をサービスとして提供できる。その結果、移動する人物に対して、よりきめ細かい情報提供を行うことができると共に、クライアントにとって、広告効果を高めることができる。
【0063】
また、実施の形態1の移動経路対応情報表示装置によれば、移動する人物を認識する顔認識画像センサと、顔認識画像センサの認識結果に基づいて、表示装置の前を移動する人物を追尾するように表示座標を計算するターゲット座標計算部とを備え、表示制御部は、ターゲット座標計算部における計算結果に基づいて、表示装置で表示する情報の表示方向を制御するようにしたので、例えば、表示装置における表示方向をクロール・スクロール制御、またはテロップ文字の方向を自由に制御して流れさせることができ、より効果的な情報表示を実現することができる。
【0064】
また、実施の形態1の移動経路対応情報表示装置によれば、表示装置を表示方向可変機能付き表示機とし、かつ、表示タイミングデータと表示方向データとに基づいて、移動する人物を追尾するよう表示方向可変機能付き表示機の表示方向をいずれかの方向に制御する表示方向制御部を備えたので、より効果的な情報表示を実現することができる。
【0065】
また、実施の形態1の移動経路対応情報表示装置によれば、表示装置を、任意の方向への表示を行うと共に鏡に反射させて任意の方向とは異なる方向への表示を行う双方向表示装置、または、透過型表示装置とすると共に、コンテンツを反転したイメージに処理する反転イメージ処理部を備え、表示制御部は、表示タイミングデータと表示方向データに基づいて、反転イメージ処理部が出力する反転イメージか、そのままの表示かを選択してコンテンツの表示制御を行うようにしたので、より効果的な情報表示を実現することができる。
【0066】
また、実施の形態1の移動経路対応情報表示装置によれば、移動する人物の出口改札を識別する改札IDと、その時刻と出発地の情報を取得する改札システムを備え、移動経路推測部は、改札システムからの情報を蓄積し、これら蓄積情報に基づいて移動経路を推測するようにしたので、例えば、移動する人物のカードIDなど個人特定情報を取得しなくても、経路と時間と、移動する人数のおよその流れを類推でき、個人情報保護の観点から、個人を特定するデータの使用をなるべく避けて、安心感のあるシステムを実現することができる。
【0067】
また、実施の形態1の移動経路対応情報表示装置によれば、移動する人物の出口改札を識別する改札IDと、その時刻と出発地の情報を取得する改札システムを備え、移動経路推測部は、反対方向の経路枠の表示のログに基づいて目的地の出口改札を算出するための重み付けを行って移動経路を推測するようにしたので、個人特定情報を使わずに、目的地の改札IDを推測することができ、個人情報保護の観点から安心感のあるシステムを実現することができる。
【0068】
また、実施の形態1の移動経路対応情報表示装置によれば、表示装置の表示内容の解像度を制御する拡大縮小処理部を備え、表示制御部は、表示タイミングデータと表示方向データとに基づいて、表示装置に対して移動する人物が遠い場合は拡大表示を行い、近づいた場合は縮小表示で情報量を多くするよう制御するようにしたので、より効果的な情報表示を実現することができる。
【0069】
また、実施の形態1の移動経路対応情報表示装置によれば、移動する人物の情報記録媒体に含まれる情報を読み取ることにより、移動する人物の場所と通過時刻と目的地の情報を取得すると共に、読み取った情報の見返りとしての情報料の還元データを情報記録媒体に対して送信する情報料還元装置を備えたので、情報表示を行うと共に、情報料の還元を行うシステムを実現することができる。
【0070】
また、実施の形態1の移動経路対応情報表示装置によれば、情報料還元装置は、情報の提供度に応じて還元量が異なるよう設定したので、より的確な情報料の還元を行うことができる。
【0071】
また、実施の形態1の移動経路対応情報表示装置によれば、情報料還元装置は、情報の提供度に応じた複数の情報読取部を有するようにしたので、個人情報を渡すレベルを任意に選ぶことができる。
【0072】
また、実施の形態1の移動経路対応情報表示装置によれば、複数の情報読取部は、それぞれどのクライアントに情報を渡すかを示すようにしたので、移動する人物が、毎回クライアントと情報レベルと情報料の還元量を簡単に選択できるシステムを実現することができる。
【0073】
また、実施の形態1の移動経路対応情報表示装置によれば、情報料還元装置は、移動経路を選択するための表示部を備え、選択された移動経路を移動経路推測部に送信するようにしたので、移動する人物が、情報料の還元量に応じて移動経路を自由に選択することができ、また、移動経路の推測の精度を高めることができる。
【0074】
また、実施の形態1の移動経路対応情報表示装置によれば、分配広告料計算部は、経路枠の表示のログを元に情報表示料を計算すると共に、少なくとも表示装置の表示エリアの大きさを含む表示装置の条件に基づいて、情報表示料の重み付けを行うようにしたので、表示装置の条件に応じた広告料の算出を行うことができる。
【0075】
また、実施の形態1の移動経路対応情報表示装置によれば、表示制御端末は、表示装置に表示するコンテンツを合成して表示させるようにしたので、より効果的な情報表示を行うことができる。
【0076】
また、実施の形態1の移動経路対応情報表示装置によれば、表示制御端末は、別々のコンテンツにそれぞれ対応したキャラクタを合成多重化して一つの画面として表示させるようにしたので、より効果的な情報表示を行うことができると共に、情報が広告の場合は高い広告効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0077】
1 ICカード、2 非接触リーダライタ機器、100 表示要求端末、101 通信部、指定経路枠管理部、103 分配広告料計算部、104 移動経路推測部、105 リアルタイム配信部、106 蓄積データ配信部、107 対面表示装置選択部、108 表示方向データ生成部、109 表示タイミングデータ生成部、200 表示制御端末、201 自律表示スケジュール作成部、202 ターゲット座標計算部、203 顔認識画像センサ、204 クロール表示制御部、205 反転イメージ処理部、206 拡大縮小処理部、207 表示制御部、208 表示方向制御部、209 表示結果ログ作成部、210 表示結果アップロード部、300 表示装置、301 底面表示機、302 壁面表示機、303 壁掛け表示機、304 階段ステップ表示機、305 ホーム表示機、306 ホーム対向表示機、307 ドア上表示機、308 表示方向可変機能つき表示機、309 左右反転表示機、309a 鏡、310 透過型双方向表示機、400 改札システム、500 情報料還元装置、600 広告・情報表示クライアント、700 設置場所地権者。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動経路上の複数の場所に設けられ、それぞれが情報を表示する複数の表示装置と、
前記複数の表示装置を制御する表示制御端末と、
前記表示制御端末に対して表示要求を行う表示要求端末とを備え、
前記表示要求端末は、
移動する人物が有する情報記録媒体から読み取られた情報に基づき、当該移動する人物の場所と通過時刻と目的地の情報を取得する通信部と、
情報表示要求を行うクライアントに対し、情報表示の経路枠を設定する指定経路枠管理部と、
前記表示装置における情報の表示結果ログを元に前記クライアントの情報表示料を計算する分配広告料計算部と、
前記通信部で取得した移動する人物の場所と通過時刻と目的地の情報に基づいて前記移動する人物の移動経路を推測する移動経路推測部と、
前記移動経路推測部に設けられ、推測した移動経路における複数の表示装置のうち、移動方向に対面する表示装置を選択する対面表示装置選択部と、
前記移動経路推測部に設けられ、推測した移動経路における複数の表示装置に対する情報表示の表示方向データを生成する表示方向データ生成部と、
前記移動経路推測部に設けられ、推測した移動経路における複数の表示装置に対する情報表示の表示タイミングデータを生成する表示タイミングデータ生成部と、
前記通信部が順次取得する情報に合わせて、前記指定経路枠管理部で管理する情報のデータを、前記表示タイミングデータと共に、前記表示制御端末に配信するリアルタイム配信部と、
前記クライアントが表示要求した情報のデータを、前記表示方向データと共に、前記表示制御端末に配信する蓄積データ配信部とを有し、
前記表示制御端末は、
前記リアルタイム配信部から配信される情報の表示スケジュールを作成する自律表示スケジュール作成部と、
前記自律表示スケジュール作成部が作成した表示スケジュールに基づいて、前記移動経路推測部で推測した移動経路上の表示装置に対して、前記表示方向データの表示方向で情報表示制御を行う表示制御部を有することを特徴とする移動経路対応情報表示装置。
【請求項2】
移動する人物を認識する顔認識画像センサと、前記顔認識画像センサの認識結果に基づいて、表示装置の前を移動する人物を追尾するように表示座標を計算するターゲット座標計算部とを備え、
表示制御部は、前記ターゲット座標計算部における計算結果に基づいて、前記表示装置で表示する情報の表示方向を制御することを特徴とする請求項1記載の移動経路対応情報表示装置。
【請求項3】
表示装置を表示方向可変機能付き表示機とし、かつ、表示タイミングデータと表示方向データとに基づいて、移動する人物を追尾するよう前記表示方向可変機能付き表示機の表示方向をいずれかの方向に制御する表示方向制御部を備えたことを特徴とする請求項1記載の移動経路対応情報表示装置。
【請求項4】
表示装置を、任意の方向への表示を行うと共に鏡に反射させて前記任意の方向とは異なる方向への表示を行う双方向表示装置、または、透過型表示装置とすると共に、
コンテンツを反転したイメージに処理する反転イメージ処理部を備え、
表示制御部は、表示タイミングデータと表示方向データに基づいて、前記反転イメージ処理部が出力する反転イメージか、そのままの表示かを選択してコンテンツの表示制御を行うことを特徴とする請求項1記載の移動経路対応情報表示装置。
【請求項5】
移動する人物の出口改札を識別する改札IDと、その時刻と出発地の情報を取得する改札システムを備え、
移動経路推測部は、前記改札システムからの情報を蓄積し、これら蓄積情報に基づいて移動経路を推測することを特徴とする請求項1記載の移動経路対応情報表示装置。
【請求項6】
移動する人物の出口改札を識別する改札IDと、その時刻と出発地の情報を取得する改札システムを備え、
移動経路推測部は、反対方向の経路枠の表示のログに基づいて目的地の出口改札を算出するための重み付けを行って移動経路を推測することを特徴とする請求項1記載の移動経路対応情報表示装置。
【請求項7】
表示装置の表示内容の解像度を制御する拡大縮小処理部を備え、
表示制御部は、表示タイミングデータと表示方向データとに基づいて、前記表示装置に対して移動する人物が遠い場合は拡大表示を行い、近づいた場合は縮小表示で情報量を多くするよう制御することを特徴とする請求項1記載の移動経路対応情報表示装置。
【請求項8】
移動する人物の情報記録媒体に含まれる情報を読み取ることにより、当該移動する人物の場所と通過時刻と目的地の情報を取得すると共に、読み取った情報の見返りとしての情報料の還元データを前記情報記録媒体に対して送信する情報料還元装置を備えたことを特徴とする請求項1記載の移動経路対応情報表示装置。
【請求項9】
情報料還元装置は、情報の提供度に応じて還元量が異なるよう設定されていることを特徴とする請求項8記載の移動経路対応情報表示装置。
【請求項10】
情報料還元装置は、情報の提供度に応じた複数の情報読取部を有することを特徴とする請求項9記載の移動経路対応情報表示装置。
【請求項11】
複数の情報読取部は、それぞれどのクライアントに情報を渡すかを示すことを特徴とする請求項10記載の移動経路対応情報表示装置。
【請求項12】
情報料還元装置は、
移動経路を選択するための表示部を備え、選択された移動経路を移動経路推測部に送信することを特徴とする請求項10記載の移動経路対応情報表示装置。
【請求項13】
分配広告料計算部は、経路枠の表示のログを元に情報表示料を計算すると共に、少なくとも表示装置の表示エリアの大きさを含む当該表示装置の条件に基づいて、前記情報表示料の重み付けを行うことを特徴とする請求項1記載の移動経路対応情報表示装置。
【請求項14】
表示制御端末は、表示装置に表示するコンテンツを合成して表示させることを特徴とする請求項1記載の移動経路対応情報表示装置。
【請求項15】
表示制御端末は、別々のコンテンツにそれぞれ対応したキャラクタを合成多重化して一つの画面として表示させることを特徴とする請求項1記載の移動経路対応情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2010−276700(P2010−276700A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126630(P2009−126630)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】