説明

移動通信システム、基地局装置及びそれらに用いる通信方式切替え方法

【課題】 通信範囲外にいる端末が次世代の基地局と通信できないという問題を解決し、基地局側の送信電力を増やすことなく、同じ基地局で通信方式の切替えで電波資源の有効活用が可能な基地局装置を提供する。
【解決手段】 基地局装置(次世代基地局1)は、端末装置が基地局装置配下のセル範囲にいる場合にMIMO方式にて通信を行う手段(MIMO方式電波通信処理部11)と、端末装置がセル範囲外にいる時にMIMO方式をアダプティブアレイ方式(アダプティブアレイ方式電波通信処理部12による通信)に切替えて通信を行う手段(電波送信方式切替え処理部13)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動通信システム、基地局装置及びそれらに用いる通信方式切替え方法に関し、特にMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式を用いた次世代移動通信システムとの混在環境の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話の通信高速化を求める声は依然として強く、携帯通信方式の世代交代は必然的に発生する。但し、端末、基地局ともに、ひと時にすべて交換されるものではなく、複数世代が混在した後、新しい世代に徐々に推移していくのが現状である。
【0003】
次世代システムによる通信可能範囲が少ない世代交代の初期移行期には、新しい世代の端末の数も少なく、次世代システムの通信可能範囲が有効に利用されていない。
【0004】
次世代の移動通信システムにおいて、高速化を実現する一つの方法としては、MIMO方式、つまり複数のアンテナでデータの送信/受信を行う無線LAN(Local Area Network)技術を実用化することがあげられる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
移動通信システムの基地局は、設置場所から通信可能な円形のセルを有し、そのセルを網の目のように並べることで通信地域を確保している。データ通信の高速化を求めて次世代の移動通信システムを構築する場合には、既存のシステムと同じ範囲でいきなり運用するのではなく、既存システムのセルに点在する形でサービス範囲を開始していくことになることが予想される。
【0006】
次世代システムが点在した状態でサービスを開始した場合には、通信ができない地域(不感地帯)が多く存在することになる。この不感地帯を解決する手段として、本発明に関連する手法では、送信電力を大きくしてセルを大きくすることが考えられる。
【0007】
【特許文献1】特開2007−074318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したMIMO方式では、セル半径を大きくして通信距離を伸ばしていくと、通信速度が大きく下がってしまうという課題がある。また、MIMO方式では、通信距離を伸ばすことによる送信電力の増大で、基地局としての消費電力が増加してしまうという課題がある。尚、上記の特許文献1に記載のMIMO方式でも、これと同様の課題がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、通信範囲外にいる端末が次世代の基地局と通信できないという問題を解決することができ、基地局側の送信電力を増やすことなく、同じ基地局で通信方式の切替えで電波資源の有効活用を行うことができる移動通信システム、基地局装置及びそれらに用いる通信方式切替え方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による移動通信システムは、基地局装置に、端末装置が前記基地局装置配下のセル範囲にいる場合にMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式にて通信を行う手段と、前記端末装置が前記セル範囲外にいる時に前記MIMO方式をアダプティブアレイ方式に切替えて通信を行う手段とを備えている。
【0011】
本発明による基地局装置は、端末装置が自装置配下のセル範囲にいる場合にMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式にて通信を行う手段と、
前記端末装置が前記セル範囲外にいる時に前記MIMO方式をアダプティブアレイ方式に切替えて通信を行う手段とを備えている。
【0012】
本発明による通信方式切替え方法は、基地局装置が、端末装置が前記基地局装置配下のセル範囲にいる場合にMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式にて通信を行う処理と、前記端末装置が前記セル範囲外にいる時に前記MIMO方式をアダプティブアレイ方式に切替えて通信を行う処理とを実行している。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、上記のような構成及び動作とすることで、通信範囲外にいる端末が次世代の基地局と通信できないという問題を解決することができ、基地局側の送信電力を増やすことなく、同じ基地局で通信方式の切替えで電波資源の有効活用を行うことができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、本発明の概要について図1を参照して説明する。図1は本発明による次世代基地局の構成例を示すブロック図である。図1において、次世代基地局1は、アンテナ(アレイアンテナ)10と、MIMO(Multiple Input Multiple Output)方式電波通信処理部11と、アダプティブアレイ方式電波通信処理部12と、電波送信方式切替え処理部13と、送信電波距離・方向判断処理部14と、システム情報通信部15とを備えている。
【0015】
MIMO方式電波通信処理部11は、アンテナ10を用いてMIMO方式[複数のアンテナでデータの送信/受信を行う無線LAN(Local Area Network)技術]にて電波通信処理を行う。アダプティブアレイ方式電波通信処理部12は、アンテナ10を用いてアダプティブアレイ方式(複数のアンテナをアレイ状に並べ、指向性を電波環境の変化に合わせて動的に変更する技術)にて電波通信処理を行う。
【0016】
電波送信方式切替え処理部13は、送信電波距離・方向判断処理部14の判断結果を基にMIMO方式電波通信処理部11とアダプティブアレイ方式電波通信処理部12とのうちの一方に切替えて電波送信を行うよう制御する。
【0017】
送信電波距離・方向判断処理部14は、システム情報通信部15を介して受信した次世代端末の位置情報を基に、次世代端末に対する距離及び方向を判断する。システム情報通信部15は、既存の移動通信システムと次世代移動通信システムとを介して次世代端末の位置情報を受信する。
【0018】
本発明では、高速通信を実現する方法として、次世代基地局1に、複数アンテナ素子を有するアレイアンテナ(アンテナ10)を用いたMIMO方式を採用している。つまり、次世代基地局1では、近くに次世代端末が存在する時にMIMO方式で高速通信を行い、セル範囲の外に次世代端末が存在する時にアレイアンテナであることを生かして、アダプティブアレイ方式へ切替えて遠距離の通信を可能にしている。
【0019】
これによって、本発明では、通常、次世代システムの通信圏外になる次世代端末と通信可能になるとともに、次世代基地局1の消費電力を増やすことなく通信を行うことで、電波資源を有効に利用することが可能となる。
【0020】
本発明は、MIMO方式を用いる携帯基地局の場合に適応可能である。上記のMIMO方式は、アレイアンテナ(アンテナ10)を用いた無線通信方式である。また、アレイアンテナを用いた無線通信技術の一つとしては、アダプティブアレイ方式も知られている。
【0021】
次世代基地局1が複数のアンテナ素子を有すアレイアンテナ(アンテナ10)を備え、同じ周波数帯で使用されれば、MIMO方式とアダプティブアレイ方式とを同一基地局で実現することができる。また、同じ周波数で、同じ送信電力をMIMO方式からアダプティブアレイ方式に切替えると、送信電波の指向性が増して電波の送信距離が伸びる。
【0022】
本発明で用いる次世代端末(携帯端末)も、上記の次世代基地局1と同様に、単一装置でアレイアンテナを有し、MIMO方式とアダプティブアレイ方式とに対応しており、さらに既存の移動通信システムとも通信可能とする。
【0023】
本発明では、次世代端末が基地局と通信を開始する時、次世代基地局1が近くにない場合、GPS(Global Positioning System)等で取得した自端末の位置情報を既存の移動通信システムへ通知する。通知を受けた既存の移動通信システムの基地局は、次世代端末に一番近い次世代基地局1へその次世代端末の位置情報を通知する。
【0024】
次世代基地局1は、次世代端末の位置情報の通知を受けると、あまったチャネルがある場合、MIMO方式からアダプティブアレイ方式へ切替えて、通知を受けた位置へ向けて電波を送信する。次世代端末は、その電波が届くと、次世代基地局1との通信を開始する。
【0025】
このように、本発明では、課題であった通信範囲外にいる次世代端末が次世代基地局1と通信できないという問題を解決することができ、次世代基地局1側の送信電力を増やすことなく、同じ基地局で通信方式の切替えで電波資源の有効活用を行うことができる。
【0026】
図2は本発明の実施の形態による次世代端末の構成例を示すブロック図である。図2において、本発明の実施の形態による次世代端末2は、アンテナ(アレイアンテナ)20と、次世代方式電波通信処理部21と、既存方式電波通信処理部22と、電波送信方式切替え処理部23と、通信処理部24とを備えている。
【0027】
次世代方式電波通信処理部21は、MIMO方式やアダプティブアレイ方式の次世代方式にて電波通信処理を行う。既存方式電波通信処理部22は、CDMA(Code Division Multiple Access)やW−CDMA(Wideband−CDMA)等の既存方式にて電波通信処理を行う。
【0028】
電波送信方式切替え処理部23は、電波受信状態に応じて次世代方式電波通信処理部21と既存方式電波通信処理部22との切替えを行う。通信処理部24は、通信確立確認や位置情報通知等の処理を実行する。
【0029】
図3は本発明の実施の形態による移動通信システムの構成例を示すブロック図である。図3においては、次世代基地局1がカバーするエリアをセルA(次世代システム)とし、既存基地局3がカバーするエリアをセルB(既存システム)とする。尚、図3において、次世代基地局1は、図1に示す本発明の次世代基地局と同様の構成となっており、端末2−1,2−2は、図2に示す次世代端末2と同様の構成となっている。
【0030】
上記の次世代基地局1のセルAがカバーしていないところで、端末2−1が新規に設置されるものとする。端末2−1は、次世代システムのセルA下にいないと判断した時、既存システム(既存基地局3)へGPS等で取得した自端末の位置情報を通知する。
【0031】
既存基地局3は、端末2−1から受けた位置情報を既存移動通信システムの既存移動通信制御局4へ通知する。既存移動通信制御局4は、次世代移動通信システムの次世代移動通信制御局5へ端末2−1から受けた位置情報を通知する。
【0032】
次世代移動通信制御局5は、既存移動通信制御局4から通知された端末2−1の位置情報を基に端末2−1の近くにある次世代基地局1を割り出し、端末2−1の位置情報を次世代基地局1へ通知する。
【0033】
次世代基地局1は、通知された位置情報を基に端末2−1の方向を割り出し、端末2−1へ向かっているアレイアンテナでMIMO通信をしていないかどうかを確認する。次世代基地局1は、MIMO通信をしていないアンテナであれば、MIMO通信をアダプティブアレイ方式に切替え、アダプティブアレイ方式で電波を送信する。端末2−1は、次世代基地局1からの電波を受信すると、次世代基地局1との通信を開始する。
【0034】
一方、次世代基地局1がカバーするエリアのセルA(次世代システム)に端末2−2が新規設置された場合には、次世代基地局1とMIMO方式で通信を開始する。
【0035】
図4及び図5は本発明の実施の形態による移動通信システムの動作を示すシーケンスチャートである。これら図1〜図5を参照して本発明の実施の形態による移動通信システムの動作について説明する。
【0036】
ここで、本実施の形態では、世代交代によってシステムや設備の性能が高く、データ通信速度の速い次世代システムと通信させることを最優先して行う。また、本実施の形態による次世代端末2は、次世代システム及び既存システムのどちらにも対応しているものとする。既存システムでは、次世代端末2と既存の端末(図示せず)とを区別できるものとする。次世代端末2のデフォルト設定は、次世代通信方式(MIMO方式)とし、次世代基地局1のデフォルト設定は、MIMO通信方式とする。
【0037】
次世代端末2−2は、通信を開始する時に、次世代方式電波通信処理部21で次世代システム(セルA)と通信可能な状態にあるかどうかを確認する(図4のa1,a2)。次世代端末2−2は、次世代システム(セルA)と通信可能な状態にあれば、次世代システムとの通信を開始する(図4のa3)。
【0038】
一方、次世代端末2−1も、通信を開始する時に、次世代方式電波通信処理部21で次世代システム(セルA)と通信可能な状態にあるかどうかを確認する(図5のb1,b2)。この場合、次世代端末2−1は、次世代システム(セルA)と通信不可な状態にあるので、既存システム(セルB)と通信可能な状態にあるかどうかを確認する(図5のb3)。
【0039】
次世代端末2−1は、既存システム(セルB)と通信不可な状態にあれば、処理を終了する。また、次世代端末2−1は、既存システム(セルB)と通信可能な状態にあれば、既存システム(セルB)との通信を開始する。
【0040】
次世代端末2−1の周囲の既存基地局3は、次世代端末2−1からの通信を認識すると、次世代端末2−1から通知される位置情報を取得し(図5のb4,b5)、その位置情報を既存移動通信システムの既存移動通信制御局4に通知する(図5のb6)。既存移動通信制御局5は、次世代端末2−1の位置情報が通知されると、次世代端末2−1の位置情報を次世代移動通信システムの次世代移動通信制御局5に通知する(図5のb7)。
【0041】
この場合、通常、次世代端末2−1(携帯電話端末)は、GPS等で端末自身の位置情報を持ち、定期的に基地局と交信し、通話する時と同じ方式で端末自身の位置情報を端末→基地局→システムという流れでシステム側に知らせている。そのため、既存基地局3は、既存通りの動作を行い、端末の位置情報をシステムに知らせることが可能である。
【0042】
次世代移動通信制御局5は、通知された位置情報を基に、次世代端末2−1の周囲の次世代基地局1を割り出し(図5のb8)、その次世代基地局1に次世代端末2−1の位置情報を通知する(図5のb9,b10)。
【0043】
次世代基地局1は、次世代移動通信制御局5から通知された次世代端末2−1の位置情報を基に、次世代端末2−1に対する次世代基地局1からの距離と方向とを確認する(図5のb11)。次世代基地局1は、次世代端末2−1までの距離が遠い場合、あるいは次世代端末2−1へ向かっているアレイアンテナでMIMO方式にて通信中の場合、アンテナの通信方式切替えができないので、通信を中止する。
【0044】
次世代端末2−1は、一定時間、次世代基地局1からの電波が受信されないと、規定回数だけ、上記のb4,b5の処理を繰り返し、リトライを行う。次世代端末2−1は、規定回数だけ、上記のb4,b5の処理を実施しても、次世代基地局1からの電波を受信できない場合は、既存システム(既存基地局3)との通信に切替える。
【0045】
次世代基地局1は、次世代端末2−1までの距離やアンテナ状況がともに通信開始可能であると判断すると、MIMO方式の通信処理をアダプティブアレイ方式の通信処理に変更して電波を発信する(図5のb12)。
【0046】
次世代端末2−1は、アダプティブアレイ方式の電波を受信すると、次世代方式で次世代基地局1との通信を行う(図5のb13)。一方、次世代端末2−1は、アダプティブアレイ方式の電波を受信できない場合、通信を中止する。
【0047】
次世代端末2−1は、一定時間、次世代システム(次世代基地局1)からの電波を受信しなければ、規定回数だけ、上記のb4,b5の処理を繰り返し、リトライを行う。次世代端末2−1は、規定回数だけ、上記のb4,b5の処理を実施しても、次世代基地局1からの電波を受信できない場合は、既存システム(既存基地局3)との通信に切替える。
【0048】
次世代端末2−1の通話が終了すると、次世代基地局1は、通信方式をアダプティブアレイ方式からMIMO方式に戻す。
【0049】
次世代システムによる通信可能範囲が少ない世代の初期移行期には、新しい世代の端末の数も少なく、次世代システムの通信可能範囲が有効に利用されていない。そこで、本実施の形態では、既存システムと次世代システムとが同じ無線周波数帯である場合、アレイアンテナを用いたMIMO方式を採用する。
【0050】
これによって、本実施の形態では、次世代システムのセルA範囲内に次世代端末2−2が存在する時にMIMO方式で高速に通信を行う。また、本実施の形態では、次世代システムのセルA範囲の外に次世代端末2−1が存在する時にアンテナ10がアレイアンテナであることを生かし、MIMO方式からアダプティブアレイ方式へ切替え、遠距離の通信を可能にする。
【0051】
したがって、本実施の形態では、通常、次世代システムの通信圏外になる次世代端末2−1と同一のアンテナで通信可能となるとともに、消費電力を増やすことなく通信を行うことで、電波資源を有効に利用することができる。
【0052】
次世代携帯システムへの移行期に、次世代端末2−1から次世代移動通信システムに通知される位置情報を、次世代移動通信制御局5において履歴を保存して位置情報をマッピングすることで、次世代移動通信システムの不感地帯を探り当てることができる。
【0053】
現状、不感地帯をマッピングするには、現地に赴き、電波測定を実施してマッピングしているが、本発明を用いることで、現地に赴くことなく、不感地帯のマッピングが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明による次世代基地局の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態による次世代端末の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態による移動通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態による移動通信システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【図5】本発明の実施の形態による移動通信システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1 次世代基地局
2,2−1,2−2 次世代端末
3 既存基地局
4 既存移動通信制御局
5 次世代移動通信制御局
10,20 アンテナ(アレイアンテナ)
11 MIMO方式電波通信処理部
12 アダプティブアレイ方式電波通信処理部
13,23 電波送信方式切替え処理部
14 送信電波距離・方向判断処理部
15 システム情報通信部
21 次世代方式電波通信処理部
22 既存方式電波通信処理部
24 通信処理部
A 次世代システムのセル
B 既存システムのセル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置に、端末装置が前記基地局装置配下のセル範囲にいる場合にMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式にて通信を行う手段と、前記端末装置が前記セル範囲外にいる時に前記MIMO方式をアダプティブアレイ方式に切替えて通信を行う手段とを有することを特徴とする移動通信システム。
【請求項2】
前記端末装置は、前記基地局装置と通信不可の時に、前記端末装置の位置情報を前記MIMO方式及び前記アダプティブアレイ方式以外の通信方式のシステムを介して前記基地局装置に送信し、
前記基地局装置は、前記端末装置から前記システムを介して受信した位置情報を基にその端末装置の距離と方向とを判断し、その判断結果を基に前記MIMO方式と前記アダプティブアレイ方式との切替えを行うことを特徴とする請求項1記載の移動通信システム。
【請求項3】
前記基地局装置は、前記端末装置の距離が前記アダプティブアレイ方式による通信が可能な範囲にあり、前記端末装置の方向に向いたアンテナが前記MIMO方式による通信に使用中でない場合に、前記MIMO方式と前記アダプティブアレイ方式との切替えを行うことを特徴とする請求項2記載の移動通信システム。
【請求項4】
前記基地局装置及び前記端末装置は、前記MIMO方式と前記アダプティブアレイ方式とに使用可能な複数アンテナ素子を有するアレイアンテナを含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか記載の移動通信システム。
【請求項5】
前記端末装置は、前記基地局装置と前記アダプティブアレイ方式による通信が不可の時に、前記システムとの通信を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか記載の移動通信システム。
【請求項6】
端末装置が自装置配下のセル範囲にいる場合にMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式にて通信を行う手段と、
前記端末装置が前記セル範囲外にいる時に前記MIMO方式をアダプティブアレイ方式に切替えて通信を行う手段とを有することを特徴とする基地局装置。
【請求項7】
前記端末装置が前記セル範囲外にいる時に当該端末装置から前記MIMO方式及び前記アダプティブアレイ方式以外の通信方式のシステムを介して受信した位置情報を基にその端末装置の距離と方向とを判断する手段を含み、
その判断結果を基に前記MIMO方式と前記アダプティブアレイ方式との切替えを行うことを特徴とする請求項6記載の基地局装置。
【請求項8】
前記端末装置の距離が前記アダプティブアレイ方式による通信が可能な範囲にあり、前記端末装置の方向に向いたアンテナが前記MIMO方式による通信に使用中でない場合に、前記MIMO方式と前記アダプティブアレイ方式との切替えを行うことを特徴とする請求項7記載の基地局装置。
【請求項9】
前記MIMO方式と前記アダプティブアレイ方式とに使用可能な複数アンテナ素子を有するアレイアンテナを含むことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか記載の基地局装置。
【請求項10】
基地局装置が、端末装置が前記基地局装置配下のセル範囲にいる場合にMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式にて通信を行う処理と、前記端末装置が前記セル範囲外にいる時に前記MIMO方式をアダプティブアレイ方式に切替えて通信を行う処理とを実行することを特徴とする通信方式切替え方法。
【請求項11】
前記端末装置が、前記基地局装置と通信不可の時に、前記端末装置の位置情報を前記MIMO方式及び前記アダプティブアレイ方式以外の通信方式のシステムを介して前記基地局装置に送信し、
前記基地局装置が、前記端末装置から前記システムを介して受信した位置情報を基にその端末装置の距離と方向とを判断し、その判断結果を基に前記MIMO方式と前記アダプティブアレイ方式との切替えを行うことを特徴とする請求項10記載の通信方式切替え方法。
【請求項12】
前記基地局装置が、前記端末装置の距離が前記アダプティブアレイ方式による通信が可能な範囲にあり、前記端末装置の方向に向いたアンテナが前記MIMO方式による通信に使用中でない場合に、前記MIMO方式と前記アダプティブアレイ方式との切替えを行うことを特徴とする請求項11記載の通信方式切替え方法。
【請求項13】
前記基地局装置及び前記端末装置が、前記MIMO方式と前記アダプティブアレイ方式とに使用可能な複数アンテナ素子を有するアレイアンテナを含むことを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか記載の通信方式切替え方法。
【請求項14】
前記端末装置が、前記基地局装置と前記アダプティブアレイ方式による通信が不可の時に、前記システムとの通信を行うことを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか記載の通信方式切替え方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−200655(P2009−200655A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38123(P2008−38123)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】