説明

移動通信方法、無線アクセス装置及びゲートウェイ装置

【課題】Inter-RATハンドオーバが行われる際に、ハンドオーバ先の無線アクセス装置において下りリンクデータの順序制御を行う。
【解決手段】本発明に係る移動通信方法は、ゲートウェイ装置S-GWが、第1無線アクセス装置に下りリンクデータを送信する第1状態から、第2無線アクセス装置に下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合、第1無線アクセス装置が、ゲートウェイ装置S-GWから受信した下りリンクデータに特定情報を付与して第2無線アクセス装置に転送する工程と、第2無線アクセス装置が、ゲートウェイ装置S-GWから送信された新規下りリンクデータよりも先に、第1無線アクセス装置から転送された特定情報が付与されている転送下りリンクデータを移動局UEに送信する工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法、無線アクセス装置及びゲートウェイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPPで規定されている移動通信システムでは、移動局UEが、E-UTRAN(Evolved Terrestrial Radio Access Network)方式のセルとUTRAN方式のセルとの間で、Inter-RAT(Radio Access Technology)ハンドオーバを行う場合、ハンドオーバ元の無線アクセス装置(例えば、無線回線制御局RNCや無線基地局eNB)は、図15に示すように、サービングゲートウェイ装置S-GWから送信された移動局UE宛ての下りリンクデータを、ハンドオーバ先の無線アクセス装置に転送可能となるように構成されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP TS23.401
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の移動通信システムでは、ハンドオーバ先の無線アクセス装置は、上述のようなハンドオーバ元の無線アクセス装置から転送された下りリンクデータだけではなく、サービングゲートウェイ装置S-GWから送信された下りリンクデータも受信するように構成されている。
【0005】
かかる場合、ハンドオーバ先の無線アクセス装置は、ハンドオーバ元の無線アクセス装置から転送された下りリンクデータとサービングゲートウェイ装置S-GWから送信された下りリンクデータとを容易に区別することができず、両者の順序制御を行うことが困難であるという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、Inter-RATハンドオーバが行われる際に、ハンドオーバ先の無線アクセス装置において下りリンクデータの順序制御を行うことを可能とする移動通信方法、無線アクセス装置及びゲートウェイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴は、移動局が、第1無線アクセスネットワーク内の第1無線アクセス装置又は第2無線アクセスネットワーク内の第2無線アクセス装置から下りリンクデータを受信する移動通信方法であって、前記第1無線アクセスネットワーク及び前記第2無線ネットワークを接続するゲートウェイ装置が、前記第1無線アクセス装置に前記下りリンクデータを送信する第1状態から、前記第2無線アクセス装置に該下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合、該第1無線アクセス装置が、該ゲートウェイ装置から受信した該下りリンクデータに特定情報を設定して該第2無線アクセス装置に転送する工程Aと、前記第2無線アクセス装置が、前記ゲートウェイ装置から送信された前記特定情報が設定されていない転送下りリンクデータよりも先に、前記第1無線アクセス装置から転送された該特定情報が設定されている転送下りリンクデータを前記移動局に送信する工程Bとを有することを要旨とする。
【0008】
本発明の第1の特徴において、前記ゲートウェイ装置と前記第2無線アクセスネットワークに接続されている交換局との間で1本の第1トンネルが設定され、前記交換局と前記第2無線アクセス装置との間で1本の第2トンネルが設定され、前記第2状態において、前記転送下りリンクデータは、前記第1無線アクセス装置から、前記第1トンネル及び前記第2トンネルを介して、前記第2無線アクセス装置に転送され、前記第2状態において、前記新規下りリンクデータは、前記ゲートウェイ装置から、前記第1トンネル及び前記第2トンネルを介して、前記第2無線アクセス装置に転送されてもよい。
【0009】
本発明の第1の特徴において、前記第2無線アクセス装置と前記第1無線アクセスネットワーク及び前記第2無線アクセスネットワークを接続するゲートウェイ装置との間、該ゲートウェイ装置と該第1無線アクセスネットワークに接続されている交換局との間、及び、該交換局と前記第1無線アクセス装置との間で、新規下りリンクデータ用トンネル及び転送下りリンクデータ用トンネルが設定され、前記工程Aにおいて、前記第1無線アクセス装置は、前記特定情報が設定された下りリンクデータを、前記転送下りリンクデータ用トンネルを介して前記第2無線アクセス装置に転送してもよい。
【0010】
本発明の第1の特徴において、前記ゲートウェイ装置が、前記第2状態において、前記第1無線アクセス装置に対して、最後の下りリンクデータを送信した後に、特定メッセージを送信する工程と、前記第1無線アクセス装置が、前記特定メッセージを、前記第2無線アクセス装置に対して転送する工程とを有し、前記工程Bにおいて、前記第2無線アクセス装置は、前記特定メッセージを受信した後に、前記特定情報が設定されていない転送下りリンクデータを前記移動局に送信してもよい。
【0011】
本発明の第2の特徴は、移動局が、第1無線アクセスネットワーク内の第1無線アクセス装置又は第2無線アクセスネットワーク内の第2無線アクセス装置から下りリンクデータを受信する移動通信方法であって、前記第2無線アクセス装置と前記第1無線アクセスネットワーク及び前記第2無線アクセスネットワークを接続するゲートウェイ装置との間、該ゲートウェイ装置と該第1又は第2無線アクセスネットワークに接続されている交換局との間、及び、該交換局と前記第1無線アクセス装置との間で、新規下りリンクデータ用トンネル及び転送下りリンクデータ用トンネルが設定され、前記ゲートウェイ装置が、前記新規下りリンクデータ用トンネルを介して前記第1無線アクセス装置に前記下りリンクデータを送信する第1状態から、該新規下りリンクデータ用トンネルを介して前記第2無線アクセス装置に該下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合、該第1無線アクセス装置が、該ゲートウェイ装置から受信した該下りリンクデータを、前記転送下りリンクデータ用トンネルを介して該第2無線アクセス装置に転送する工程を有し、前記工程において、前記第1無線アクセス装置は、前記第2無線アクセス装置に転送する最後の下りリンクデータを送信した後に、該第2無線アクセス装置に対して特定メッセージを送信し、前記第2無線アクセス装置は、前記ゲートウェイ装置から送信された新規下りリンクデータよりも先に、前記第1無線アクセス装置から転送された転送下りリンクデータを前記移動局に送信し、前記特定メッセージを受信した後に、該新規下りリンクデータを該移動局に送信することを要旨とする。
【0012】
本発明の第3の特徴は、移動局が、第1無線アクセスネットワーク内の第1無線アクセス装置又は第2無線アクセスネットワーク内の第2無線アクセス装置から下りリンクデータを受信する移動通信方法であって、前記第1無線アクセスネットワーク及び前記第2無線ネットワークを接続するゲートウェイ装置は、前記第1無線アクセス装置に前記下りリンクデータを送信する第1状態から、前記第2無線アクセス装置に該下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合であっても、該第1無線アクセス装置が、該ゲートウェイ装置から受信した該下りリンクデータを全て該第2無線アクセス装置に転送し終わるまでは、該下りリンクデータを該第2無線アクセス装置に送信しないことを要旨とする。
【0013】
本発明の第3の特徴において、前記ゲートウェイ装置と前記第2無線アクセスネットワークに接続されている交換局との間で1本の第1トンネルが設定され、前記交換局と前記第2無線アクセス装置との間で1本の第2トンネルが設定され、前記第2状態において、前記転送下りリンクデータは、前記第1無線アクセス装置から、前記第1トンネル及び前記第2トンネルを介して、前記第2無線アクセス装置に転送され、前記第2状態において、前記新規下りリンクデータは、前記ゲートウェイ装置から、前記第1トンネル及び前記第2トンネルを介して、前記第2無線アクセス装置に転送されてもよい。
【0014】
本発明の第3の特徴において、前記第2無線アクセス装置と前記第1無線アクセスネットワーク及び前記第2無線アクセスネットワークを接続するゲートウェイ装置との間、該ゲートウェイ装置と該第1無線アクセスネットワークに接続されている交換局との間、及び、該交換局と前記第1無線アクセス装置との間で、新規下りリンクデータ用トンネル及び転送下りリンクデータ用トンネルが設定され、前記第1無線アクセス装置は、前記新規下りリンクデータ用トンネルを介して受信した下りリンクデータを、前記転送下りリンクデータ用トンネルを介して前記第2無線アクセス装置に転送してもよい。
【0015】
本発明の第3の特徴において、前記ゲートウェイ装置が、前記第2状態において、前記第1無線アクセス装置に対して、最後の下りリンクデータを送信した後に、特定メッセージを送信する工程と、前記第1無線アクセス装置が、前記特定メッセージを、前記第2無線アクセス装置に対して転送する工程とを有し、前記第2無線アクセス装置は、前記特定メッセージを受信した場合に、前記下りリンクデータを全て該第2無線アクセス装置に転送し終わったと判断してもよい。
【0016】
本発明の第4の特徴は、移動局が、第1無線アクセスネットワーク内の第1無線アクセス装置又は第2無線アクセスネットワーク内の第2無線アクセス装置から下りリンクデータを受信するように構成されている移動通信システムにおいて、該第1無線アクセス装置として動作することができる無線アクセス装置であって、前記第1無線アクセスネットワーク及び前記第2無線ネットワークを接続するゲートウェイ装置が、前記第1無線アクセス装置に前記下りリンクデータを送信する第1状態から、前記第2無線アクセス装置に該下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合に、該ゲートウェイ装置から受信した前記下りリンクデータに特定情報を設定して該第2無線アクセス装置に転送するように構成されていることを要旨とする。
【0017】
本発明の第5の特徴は、移動局が、第1無線アクセスネットワーク内の第1無線アクセス装置又は第2無線アクセスネットワーク内の第2無線アクセス装置から下りリンクデータを受信するように構成されている移動通信システムにおいて、該第2無線アクセス装置として動作することができる無線アクセス装置であって、前記第1無線アクセスネットワーク及び前記第2無線ネットワークを接続するゲートウェイ装置が、前記第1無線アクセス装置に前記下りリンクデータを送信する第1状態から、前記第2無線アクセス装置に該下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合に、該ゲートウェイ装置から送信された特定情報が設定されていない新規下りリンクデータよりも先に、該第1無線アクセス装置から転送された該特定情報が設定されている転送下りリンクデータを前記移動局に送信するように構成されていることを要旨とする。
【0018】
本発明の第6の特徴は、移動局が、第1無線アクセスネットワーク内の第1無線アクセス装置又は第2無線アクセスネットワーク内の第2無線アクセス装置から下りリンクデータを受信するように構成されている移動通信システムにおいて、該第2無線アクセス装置として動作することができる無線アクセス装置であって、前記第2無線アクセス装置と前記第1無線アクセスネットワーク及び前記第2無線アクセスネットワークを接続するゲートウェイ装置との間、該ゲートウェイ装置と該第1又は第2無線アクセスネットワークに接続されている交換局との間、及び、該交換局と前記第1無線アクセス装置との間で、新規下りリンクデータ用トンネル及び転送下りリンクデータ用トンネルが設定されるように構成されており、前記ゲートウェイ装置が、前記新規下りリンクデータ用トンネルを介して前記第1無線アクセス装置に前記下りリンクデータを送信する第1状態から、該新規下りリンクデータ用トンネルを介して前記第2無線アクセス装置に該下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合、該ゲートウェイ装置から該新規下りリンクデータ用トンネルを介して送信された新規下りリンクデータよりも先に、該第1無線アクセス装置から前記転送下りリンクデータ用トンネルを介して転送された転送下りリンクデータを前記移動局に送信し、特定メッセージを受信した後に、該新規下りリンクデータを該移動局に送信するように構成されていることを要旨とする。
【0019】
本発明の第7の特徴は、移動局が、第1無線アクセスネットワーク内の第1無線アクセス装置又は第2無線アクセスネットワーク内の第2無線アクセス装置から下りリンクデータを受信するように構成されている移動通信システムにおいて、該第1無線アクセスネットワークと該第2無線ネットワークとを接続するゲートウェイ装置であって、前記第1無線アクセス装置に前記下りリンクデータを送信する第1状態から、前記第2無線アクセス装置に該下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合であっても、該第1無線アクセス装置が、前記ゲートウェイ装置から受信した該下りリンクデータを全て該第2無線アクセス装置に転送し終わるまでは、該下りリンクデータを該第2無線アクセス装置に送信しないように構成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、Inter-RATハンドオーバが行われる際に、ハンドオーバ先の無線アクセス装置において下りリンクデータの順序制御を行うことを可能とする移動通信方法、無線アクセス装置及びゲートウェイ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムで行われるInter-RATハンドオーバについて説明するための図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムで行われるInter-RATハンドオーバ時のUプレーンデータの順序制御について説明するための図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムで行われるInter-RATハンドオーバの際に転送される下りリンクデータに付与されているGTP-Uヘッダの一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムで行われるInter-RATハンドオーバの際に転送される下りリンクデータに付与されているGTP-Uヘッダの一例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムで行われるInter-RATハンドオーバについて説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムで行われるInter-RATハンドオーバ時のUプレーンデータの順序制御について説明するための図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る移動通信システムで行われるInter-RATハンドオーバについて説明するための図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る移動通信システムで行われるInter-RATハンドオーバ時のUプレーンデータの順序制御について説明するための図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る移動通信システムで行われるInter-RATハンドオーバについて説明するための図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る移動通信システムで行われるInter-RATハンドオーバ時のUプレーンデータの順序制御について説明するための図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る移動通信システムで行われるInter-RATハンドオーバについて説明するための図である。
【図12】本発明の第5の実施形態に係る移動通信システムで行われるInter-RATハンドオーバ時のUプレーンデータの順序制御について説明するための図である。
【図13】本発明の第6の実施形態に係る移動通信システムで行われるInter-RATハンドオーバについて説明するための図である。
【図14】本発明の第6の実施形態に係る移動通信システムで行われるInter-RATハンドオーバ時のUプレーンデータの順序制御について説明するための図である。
【図15】従来の移動通信システムで行われるInter-RATハンドオーバ時のUプレーンデータの順序制御について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0023】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る移動通信システムでは、E-UTRAN方式の無線アクセスネットワークとUTRAN方式の無線アクセスネットワークとが混在している。
【0024】
本実施形態では、移動局UEが、UTRAN方式の無線アクセスネットワーク(第1無線アクセスネットワーク)のセルから、E-UTRAN方式の無線アクセスネットワーク(第2無線アクセスネットワーク)のセルに、Inter-RATハンドオーバを行う場合の例について説明する。
【0025】
図1に示すように、UTRAN方式の無線アクセスネットワーク内の無線回線制御局RNC(第1無線アクセス装置、Source-RNC)が、ステップS101において、移動局UEのUTRAN方式の無線アクセスネットワークのセルからE-UTRAN方式の無線アクセスネットワークのセルへのInter-RATハンドオーバの開始を決定すると、ステップS101において、UTRAN方式の無線アクセスネットワークに接続されている交換局SGSN(Source-SGSN)に対して、上述のInter-RATハンドオーバを行うことを要求する「Relocation Required」メッセージを送信する。
【0026】
ステップS102において、交換局SGSNが、UTRAN方式の無線アクセスネットワークとE-UTRAN方式の無線アクセスネットワークとを接続しているモビリティ管理装置MME(Target-MME)に対して、「Forward Relocation Required」メッセージを送信する。
【0027】
ステップS103において、モビリティ管理装置MMEが、E-UTRAN方式の無線アクセスネットワーク内の無線基地局eNB(第2無線アクセス装置、Target-eNB)に対して、「Handover Request」メッセージを送信する。
【0028】
ここで、かかる「Handover Request」メッセージには、サービングゲートウェイ装置S-GWと無線基地局eNBとの間で設定されている上りリンクデータ用トンネルのサービングゲートウェイ装置S-GW側のエンドポイントを識別するための「TEID(Tunnel Endpoint Identifier)」が含まれている。
【0029】
ステップS104において、無線基地局eNBが、モビリティ管理装置MMEに対して、「Handover Request ACK」メッセージを送信する。
【0030】
ここで、かかる「Handover Request ACK」メッセージには、サービングゲートウェイ装置S-GWと無線基地局eNBとの間で設定されている新規下りリンクデータ用トンネル#A1の無線基地局eNB側のエンドポイントを識別するための「TEID」、及び、サービングゲートウェイ装置S-GWと無線基地局eNBとの間で設定されている転送下りリンクデータ用トンネル#A2の無線基地局eNB側のエンドポイントを識別するための「TEID」が含まれている。
【0031】
なお、新規下りリンクデータは、サービングゲートウェイ装置S-GWから交換局SGSNを介して無線回線制御局RNCに送信される下りリンクデータである。
【0032】
また、転送下りリンクデータは、無線基地局eNBからサービングゲートウェイ装置S-GW及び交換局SGSNを介して無線回線制御局RNCに転送される下りリンクデータである。
【0033】
ステップS106において、サービングゲートウェイ装置S-GWが、交換局SGSNに対して、「Forward Relocation Response」メッセージを送信する。
【0034】
ここで、かかる「Forward Relocation Response」メッセージには、サービングゲートウェイ装置S-GWと交換局SGSNとの間で設定されている転送下りリンクデータ用トンネル#A4のサービングゲートウェイ装置S-GW側のエンドポイントを識別するための「TEID」が含まれている。
【0035】
ステップS108において、交換局SGSNが、無線回線制御局RNCに対して、「Relocation Command」メッセージを送信する。
【0036】
ここで、かかる「Relocation Command」メッセージには、交換局SGSNと無線回線制御局RNCとの間で設定されている転送下りリンクデータ用トンネル#A6の交換局SGSN側のエンドポイントを識別するための「TEID」が含まれている。
【0037】
ここで、無線基地局eNB側における新規下りリンクデータ用トンネル#A1及び転送下りリンクデータ用トンネル#A2のエンドポイントを識別するための「TEID」をサービングゲートウェイ装置S-GWに通知するタイミングは、ステップS105又はS107のいずれかで行ってもよい。
【0038】
なお、新規下りリンクデータ用トンネル#A3は、サービングゲートウェイ装置S-GWと交換局SGSNとの間で設定されているInter-RATハンドオーバ前の新規下りリンクデータ用トンネルであり、新規下りリンクデータ用トンネル#A5は、交換局SGSNと無線回線制御局RNCとの間で設定されているInter-RATハンドオーバ前の新規下りリンクデータ用トンネルである。
【0039】
その後、サービングゲートウェイ装置S-GWが、パススイッチを行った場合、すなわち、無線回線制御局RNCに下りリンクデータを送信する第1状態から、無線基地局eNBに下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合、図2に示すように、無線回線制御局RNCは、サービングゲートウェイ装置S-GWから受信した下りリンクデータに特定情報(例えば、「Spareビット」における「1」や、「Next Extension Header Field Value」における上位2ビットが「11」で始まる値)を設定して無線基地局eNBに転送するように構成されている。
【0040】
例えば、図3に示すように、無線回線制御局RNCは、下りリンクデータのGTP-Uヘッダにおける特定ビット(Spareビット)、すなわち、第1番目のオクテットの第4番目のビットに「1」を設定にして当該下りリンクデータを無線基地局eNBに転送するように構成されていてもよい。
【0041】
或いは、図4に示すように、GTP-Uヘッダにおいて、データ転送識別用の「Type of Extension Header」を新規に定義し、そのための「Next Extension Header Field Value」、例えば、「10000000」又は「11000011」を定義する。
【0042】
無線回線制御局RNCは、下りリンクデータ(パケット)のGTP-Uヘッダにおける「Next Extension Header Type」に、上述したデータ転送識別用のための「Next Extension Header Field Value」を設定して当該下りリンクデータを無線基地局eNBに転送するように構成されていてもよい。
【0043】
ここで、上述したデータ転送識別用のための「Next Extension Header Field Value」に上位2ビットが「11」で始まる値が設定されている場合、例えば、「11000011」が設定されている場合、交換局SGSN及びサービングゲートウェイ装置S-GWも、かかる「Next Extension Header Type」を解析した上で、下りリンクデータを転送するように構成されていてもよい。
【0044】
一方、上記のデータ転送識別用のための「Next Extension Header Field Value」に上位2ビットが「10」で始まる値が場合、例えば、「10000000」が設定されている場合、交換局SGSN及びサービングゲートウェイ装置S-GWも、かかる「Next Extension Header Type」を解析することなく、下りリンクデータを転送するように構成されていてもよい。
【0045】
ここで、サービングゲートウェイ装置S-GWが、パススイッチを行った後で、かつ、新規下りリンクデータ用トンネル#A3、#A5を介して無線回線制御局RNCに対して最後の下りリンクデータを送信した後に、新規下りリンクデータ用トンネル#A3、#A5を介して、GTP-Uメッセージである「End Markerメッセージ(特定メッセージ)」を送信するように構成されてもよい。
【0046】
そして、無線回線制御局RNCは、サービングゲートウェイ装置S-GWによって送信された「End Markerメッセージ」を受信した場合、無線基地局eNBに対して、転送下りリンクデータ用トンネル#A6、#A4、#A2を介して「End Markerメッセージ」を転送するように構成されている。
【0047】
無線基地局eNBは、GTP-Uメッセージである「End Markerメッセージ」を受信することによって、新規下りリンクデータ用トンネル#A3、#A5を介して送信された下りリンクデータの転送が完了したことを認識することができる。
【0048】
また、無線基地局eNBは、サービングゲートウェイ装置S-GWから送信された特定情報が設定されていない新規下りリンクデータ(新規下りリンクデータ)よりも先に、無線回線制御局RNCから転送された特定情報が設定されている転送下りリンクデータ(転送下りリンクデータ)を移動局UEに送信するように構成されている。
【0049】
なお、下りリンクデータは、上述のトンネル#A1乃至#A6内では、GTP-Uヘッダが付与されているパケット形状で送信されるように構成されているものとする。
【0050】
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、Inter-RATハンドオーバが行われる際に、ハンドオーバ先の無線アクセス装置である無線基地局eNBが、特定情報が設定されているか否かに基づいて、転送下りリンクデータと新規下りリンクデータとを区別することができるため、両者についての順序制御を行うことができる。
【0051】
(本発明の第2の実施形態に係る移動通信システム)
図5及び図6を参照して、本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。以下、本実施形態に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0052】
本実施形態では、移動局UEが、E-UTRAN方式の無線アクセスネットワーク(第1無線アクセスネットワーク)のセルから、UTRAN方式の無線アクセスネットワーク(第2無線アクセスネットワーク)のセルに、Inter-RATハンドオーバを行う場合の例について説明する。
【0053】
図5に示すように、E-UTRAN方式の無線アクセスネットワーク内の無線基地局eNB(第1無線アクセス装置、Source-eNB)が、ステップS200において、移動局UEのUTRAN方式の無線アクセスネットワークのセルからE-UTRAN方式の無線アクセスネットワークのセルへのInter-RATハンドオーバの開始を決定すると、ステップS201において、モビリティ管理装置MME(Source-MME)に対して、上述のInter-RATハンドオーバを行うことを要求する「Handover Required」メッセージを送信する。
【0054】
ステップS202において、モビリティ管理装置MMEが、交換局SGSN(Target-SGSN)に対して、「Forward Relocation Required」メッセージを送信する。
【0055】
ステップS203において、交換局SGSNが、UTRAN方式の無線アクセスネットワーク内の無線回線制御局RNC(第2無線アクセス装置、Target-RNC)に対して、「Relocation Request」メッセージを送信する。
【0056】
ここで、かかる「Relocation Request」メッセージには、交換局SGSNと無線回線制御局RNCとの間で設定されている上りリンクデータ用トンネルの交換局SGSN側のエンドポイントを識別するための「TEID」が含まれている。
【0057】
ステップS204において、無線回線制御局RNCが、交換局SGSNに対して、「Relocation Request ACK」メッセージを送信する。
【0058】
ここで、かかる「Relocation Request ACK」メッセージには、交換局SGSNと無線回線制御局RNCとの間で設定されている下りリンクデータ用トンネル#B1の無線回線制御局RNC側のエンドポイントを識別するための「TEID」が含まれている。
【0059】
なお、交換局SGSNと無線回線制御局RNCとの間では、1本の下りリンクデータ用トンネル#B1が設定されており、新規下りリンクデータ及び転送下りリンクデータの両者が、かかる下りリンクデータ用トンネル#B1を介して送信されるように構成されている。
【0060】
ステップS205において、交換局SGSNが、モビリティ管理装置MMEに対して、「Forward Relocation Response」メッセージを送信する。
【0061】
ここで、かかる「Forward Relocation Response」メッセージには、サービングゲートウェイ装置S-GWと交換局SGSNとの間で設定されている下りリンクデータ用トンネル#B2の交換局SGSN側のエンドポイントを識別するための「TEID」が含まれてもよい。
【0062】
ここで、下りリンクデータ用トンネル#B2の交換局SGSN側のエンドポイントを識別するための「TEID」をサービングゲートウェイ装置S-GWに通知するタイミングは、ステップS206のタイミングであってもよいし、ステップS206以降のタイミングであってもよい。
【0063】
なお、サービングゲートウェイ装置S-GWと交換局SGSNとの間では、1本の下りリンクデータ用トンネル#B2が設定されており、新規下りリンクデータ及び転送下りリンクデータの両者が、かかる下りリンクデータ用トンネル#B2を介して送信されるように構成されている。
【0064】
ステップS207において、モビリティ管理装置MMEが、無線基地局eNBに対して、「Handover Command」メッセージを送信する。
【0065】
ここで、かかる「Handover Command」メッセージには、サービングゲートウェイ装置S-GWと無線基地局eNBとの間で設定されている転送下りリンクデータ用トンネル#B4のサービングゲートウェイ装置S-GW側のエンドポイントを識別するための「TEID」が含まれている。
【0066】
なお、新規下りリンクデータ用トンネル#B3は、サービングゲートウェイ装置S-GWと無線基地局eNBとの間で設定されているInter-RATハンドオーバ前の新規下りリンクデータ用トンネルである。
【0067】
その後、サービングゲートウェイ装置S-GWが、パススイッチを行った場合、すなわち、無線基地局eNBに下りリンクデータを送信する第1状態から、無線回線制御局RNCに下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合、図6に示すように、無線基地局eNBは、サービングゲートウェイ装置S-GWから受信した下りリンクデータに特定情報を設定して無線回線制御局RNCに転送するように構成されている。
【0068】
ここで、無線基地局eNBによる下りリンクデータに対する特定情報の設定方法は、上述の第1の実施形態に係る無線回線制御局RNCによる下りリンクデータに対する特定情報の設定方法と同様である。
【0069】
なお、下りリンクデータは、上述のトンネル#B1乃至#B4内では、GTP-Uヘッダが付与されているパケット形状で送信されるように構成されているものとする。
【0070】
本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムによれば、Inter-RATハンドオーバが行われる際に、ハンドオーバ先の無線アクセス装置である無線回線制御局RNCが、特定情報が設定されているか否かに基づいて、転送下りリンクデータと新規下りリンクデータとを区別することができるため、両者についての順序制御を行うことができる。
【0071】
(本発明の第3の実施形態に係る移動通信システム)
図7及び図8を参照して、本発明の第3の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。以下、本実施形態に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0072】
本実施形態では、移動局UEが、UTRAN方式の無線アクセスネットワーク(第1無線アクセスネットワーク)のセルから、E-UTRAN方式の無線アクセスネットワーク(第2無線アクセスネットワーク)のセルに、Inter-RATハンドオーバを行う場合の例について説明する。
【0073】
図7におけるステップS300乃至S308の動作は、図1におけるステップS100乃至S108の動作と同一である。
【0074】
ここで、図8に示すように、無線基地局eNB(第2無線アクセス装置)とサービングゲートウェイ装置S-GWとの間で、新規下りリンクデータ用トンネル#A1及び転送下りリンクデータ用トンネル#A2が設定されている。
【0075】
また、サービングゲートウェイ装置S-GWとUTRAN方式の無線アクセスネットワーク(第1無線アクセスネットワーク)に接続されている交換局SGSNとの間で、新規下りリンクデータ用トンネル#A3及び転送下りリンクデータ用トンネル#A4が設定されている。
【0076】
さらに、交換局SGSNと無線回線制御局RNC(第1無線アクセス装置)との間で、新規下りリンクデータ用トンネル#A5及び転送下りリンクデータ用トンネル#A6が設定されている。
【0077】
ここで、サービングゲートウェイ装置S-GWが、パススイッチを行った場合、すなわち、新規下りリンクデータ用トンネル#A3、#A5を介して無線回線制御局RNCに下りリンクデータを送信する第1状態から、新規下りリンクデータ用トンネル#A1を介して無線基地局eNBに下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合、無線回線制御局RNCが、サービングゲートウェイ装置S-GWから受信した下りリンクデータを、転送下りリンクデータ用トンネル#A6、#A4、#A2を介して無線基地局eNBに転送するように構成されている。
【0078】
かかる場合、サービングゲートウェイ装置S-GWが、パススイッチを行った後で、かつ、新規下りリンクデータ用トンネル#A3、#A5を介して無線回線制御局RNCに対して最後の下りリンクデータを送信した後に、新規下りリンクデータ用トンネル#A3、#A5を介して、GTP-Uメッセージである「End Markerメッセージ(特定メッセージ)」を送信するように構成されてもよい。
【0079】
そして、無線回線制御局RNCは、サービングゲートウェイ装置S−GWが送信した「End Markerメッセージ」を受信する場合、無線基地局eNBに対して、転送下りリンクデータ用トンネル#A6、#A4、#A2を介して「End Markerメッセージ」を転送するように構成されている。
【0080】
そして、無線基地局eNBは、GTP-Uの「End Makerメッセージ」を受信するまで、新規下りリンクデータ用トンネル#A1を介してサービングゲートウェイ装置S-GWから送信された新規下りリンクデータよりも先に、転送下りリンクデータ用トンネル#A6、#A4、#A2を介して無線回線制御局RNCから転送された転送下りリンクデータを移動局UEに送信する。
【0081】
ここで、無線基地局eNBは、サービングゲートウェイ装置S-GWから新規下りリンクデータ用トンネル#A1を介して受信した下りリンクデータを、新規下りリンクデータであると判定し、サービングゲートウェイ装置S-GWから転送下りリンクデータ用トンネル#A2を介して受信した下りリンクデータを、転送下りリンクデータであると判定するように構成されている。
【0082】
なお、下りリンクデータは、上述のトンネル#A1乃至#A6内では、GTP-Uヘッダが付与されているパケット形状で送信されるように構成されているものとする。
【0083】
本発明の第3の実施形態に係る移動通信システムによれば、Inter-RATハンドオーバが行われる際に、ハンドオーバ先の無線アクセス装置である無線基地局eNBが、下りリンクデータが送信されたトンネルのTEIDに基づいて、転送下りリンクデータと新規下りリンクデータとを区別することができ、また、「End Maker」に基づいて、転送下りリンクデータの転送の完了を把握することができるため、両者についての順序制御を行うことができる。
【0084】
(本発明の第4の実施形態に係る移動通信システム)
図9及び図10を参照して、本発明の第4の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。以下、本実施形態に係る移動通信システムについて、上述の第2の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0085】
本実施形態では、移動局UEが、E-UTRAN方式の無線アクセスネットワーク(第1無線アクセスネットワーク)のセルから、UTRAN方式の無線アクセスネットワーク(第2無線アクセスネットワーク)のセルに、Inter-RATハンドオーバを行う場合の例について説明する。
【0086】
図9に示すように、ステップS400乃至S403の動作は、図5におけるステップS200乃至S203の動作と同一である。
【0087】
ステップS404において、無線回線制御局RNC(Target-RNC)が、交換局SGSN(Target-SGSN)に対して、「Relocation Request ACK」メッセージを送信する。
【0088】
ここで、かかる「Relocation Request ACK」メッセージには、交換局SGSNと無線回線制御局RNCとの間で設定されている新規下りリンクデータ用トンネル#C1の無線回線制御局RNC側のエンドポイントを識別するための「TEID」、及び、交換局SGSNと無線回線制御局RNCとの間で設定されている転送下りリンクデータ用トンネル#C2の無線回線制御局RNC側のエンドポイントを識別するための「TEID」が含まれている。
【0089】
なお、交換局SGSNと無線回線制御局RNCとの間では、新規下りリンクデータ用トンネル#C1及び転送下りリンクデータ用トンネル#C2が設定されており、新規下りリンクデータは、新規下りリンクデータ用トンネル#C1を介して送信され、転送下りリンクデータは、転送下りリンクデータ用トンネル#C2を介して送信されるように構成されている。
【0090】
ステップS405において、交換局SGSNが、モビリティ管理装置MME(Source-MME)に対して、「Forward Relocation Response」メッセージを送信する。
【0091】
ここで、かかる「Forward Relocation Response」メッセージには、サービングゲートウェイ装置S-GWと交換局SGSNとの間で設定されている新規下りリンクデータ用トンネル#C3の交換局SGSN側のエンドポイントを識別するための「TEID」、及び、サービングゲートウェイ装置S-GWと交換局SGSNとの間で設定されている転送下りリンクデータ用トンネル#C4の交換局SGSN側のエンドポイントを識別するための「TEID」が含まれてもよい。
【0092】
ここで、新規下りリンクデータ用トンネル#C3及び転送下りリンクデータ用トンネル#C4の交換局SGSN側のエンドポイントを識別するための「TEID」をサービングゲートウェイ装置S-GWに通知するタイミングは、ステップS406のタイミングであってもよいし、ステップS406以降のタイミングであってもよい。
【0093】
なお、サービングゲートウェイ装置S-GWと交換局SGSNとの間では、新規下りリンクデータ用トンネル#C3及び転送下りリンクデータ用トンネル#C4が設定されており、新規下りリンクデータは、新規下りリンクデータ用トンネル#C3を介して送信され、転送下りリンクデータは、転送下りリンクデータ用トンネル#C4を介して送信されるように構成されている。
【0094】
ステップS407において、モビリティ管理装置MMEが、無線基地局eNBに対して、「Handover Command」メッセージを送信する。
【0095】
ここで、かかる「Handover Command」メッセージには、サービングゲートウェイ装置S-GWと無線基地局eNBとの間で設定されている転送下りリンクデータ用トンネル#C6のサービングゲートウェイ装置S-GW側のエンドポイントを識別するための「TEID」が含まれている。
【0096】
なお、新規下りリンクデータ用トンネル#C5は、サービングゲートウェイ装置S-GWと無線基地局eNBとの間で設定されているInter-RATハンドオーバ前の新規下りリンクデータ用トンネルである。
【0097】
その後、サービングゲートウェイ装置S-GWが、パススイッチを行った場合、すなわち、新規下りリンクデータ用トンネル#C5を介して無線基地局eNBに下りリンクデータを送信する第1状態から、新規下りリンクデータ用トンネル#C3、#C1を介して無線基地局eNBに下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合、無線基地局eNBが、サービングゲートウェイ装置S-GWから受信した下りリンクデータを、転送下りリンクデータ用トンネル#C6、#C4、#C2を介して無線回線制御局RNCに転送するように構成されている。
【0098】
かかる場合、サービングゲートウェイ装置S-GWが、パススイッチを行った後で、かつ、新規下りリンクデータ用トンネル#C5を介して無線基地局eNBに対して最後の下りリンクデータを送信した後に、新規下りリンクデータ用トンネル#C5を介して、GTP-Uメッセージである「End Markerメッセージ」を送信するように構成されてもよい。
【0099】
そして、無線基地局eNBは、サービングゲートウェイ装置S-GWによって送信された「End Markerメッセージ」を受信した場合、無線回線制御局RNCに対して、転送下りリンクデータ用トンネル#C6、#C4、#C2を介して、「End Markerメッセージ」を転送するように構成されている。
【0100】
そして、無線回線制御局RNCは、GTP-Uメッセージである「End Markerメッセージ」を受信するまで、新規下りリンクデータ用トンネル#C3、#C2を介してサービングゲートウェイ装置S-GWから送信された新規下りリンクデータよりも先に、転送下りリンクデータ用トンネル#C6、#C4、#C2を介して無線基地局eNBから転送された転送下りリンクデータを移動局UEに送信する。
【0101】
ここで、無線回線制御局RNCは、交換局SGSNから新規下りリンクデータ用トンネル#C1を介して受信した下りリンクデータを、新規下りリンクデータであると判定し、交換局SGSNから転送下りリンクデータ用トンネル#C2を介して受信した下りリンクデータを、転送下りリンクデータであると判定するように構成されている。
【0102】
なお、下りリンクデータは、上述のトンネル#C1乃至#C6内では、GTP-Uヘッダが付与されているパケット形状で送信されるように構成されているものとする。
【0103】
本発明の第4の実施形態に係る移動通信システムによれば、Inter-RATハンドオーバが行われる際に、ハンドオーバ先の無線アクセス装置である無線回線制御局RNCが、下りリンクデータが送信されたトンネルのTEIDに基づいて、転送下りリンクデータと新規下りリンクデータとを区別することができ、また、「End Maker」に基づいて、転送下りリンクデータの転送の完了を把握することができるため、両者についての順序制御を行うことができる。
【0104】
(本発明の第5の実施形態に係る移動通信システム)
図11及び図12を参照して、本発明の第5の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。以下、本実施形態に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0105】
本実施形態では、移動局UEが、UTRAN方式の無線アクセスネットワーク(第1無線アクセスネットワーク)のセルから、E-UTRAN方式の無線アクセスネットワーク(第2無線アクセスネットワーク)のセルに、Inter-RATハンドオーバを行う場合の例について説明する。
【0106】
図11におけるステップS500乃至S508の動作は、図1におけるステップS100乃至S108の動作と同一である。
【0107】
その後、サービングゲートウェイ装置S-GWが、パススイッチを行った場合、すなわち、新規下りリンクデータ用トンネル#A3、#A1を介して無線回線制御局RNCに下りリンクデータを送信する第1状態から、新規下りリンクデータ用トンネル#A5を介して無線基地局eNBに下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合、無線回線制御局RNCが、サービングゲートウェイ装置S-GWから受信した下りリンクデータを、転送下りリンクデータ用トンネル#A2、#A4、#A6を介して無線基地局eNBに転送するように構成されている。
【0108】
ただし、サービングゲートウェイ装置S-GWは、パススイッチを行った場合であっても、パススイッチを行う前に、無線回線制御装置RNCに対して送信した下りリンクデータ、すなわち、新規下りリンクデータ用トンネル#A3、#A1を介して送信した下りリンクデータの無線基地局eNBへの転送が全て終わるまでは、新規下りリンクデータ用トンネル#A5を介して、かかる下りリンクデータを無線基地局eNBに送信しないように構成されている。
【0109】
ここで、サービングデートウェイ装置S-GWは、パススイッチを行った後で、かつ、新規下りリンクデータ用トンネル#A3、#A1を介して無線回線制御装置RNCに対して最後の下りリンクデータを送信した後に、GTP-Uメッセージ「End Markerメッセージ」を送信するように構成されている。
【0110】
そして、無線回線制御装置RNCは、「End Markerメッセージ」を受信した場合、転送下りリンクデータ用トンネル#A2、#A4、#A6を介して、「End Markerメッセージ」を転送する。
【0111】
よって、サービングゲートウェイ装置S-GWは、トンネル#A4から「End Markerメッセージ」を受信することによって、新規下りリンクデータ用トンネル#A3、#A1を介して送信した下りリンクデータの無線基地局eNBへの転送が完了したことを認識することができる。
【0112】
すなわち、サービングゲートウェイ装置S-GWは、パススイッチを行った後に、新規下りリンクデータ用トンネル#A5を介して無線基地局eNBに送信する下りリンクデータをバッファリングしておき、トンネル#A4から「End Markerメッセージ」を受信した後に、新規下りリンクデータ用トンネル#A5を介して無線基地局eNBに下りリンクデータを送信する。
【0113】
なお、下りリンクデータは、上述のトンネル#A1乃至#A6内では、GTP-Uヘッダが付与されているパケット形状で送信されるように構成されているものとする。
【0114】
本発明の第5の実施形態に係る移動通信システムによれば、Inter-RATハンドオーバが行われる際に、サービングゲートウェイ装置S-GWが、ハンドオーバ先の無線アクセス装置である無線基地局eNBに対して、転送下りリンクデータを送信した後に新規下りリンクデータを送信するように構成されているため、無線基地局eNBにおいて特別の処理を行うことなく、転送下りリンクデータ及び新規下りリンクデータについての順序制御を行うことができる。
【0115】
(本発明の第6の実施形態に係る移動通信システム)
図13及び図14を参照して、本発明の第6の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。以下、本実施形態に係る移動通信システムについて、上述の第2の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0116】
本実施形態では、移動局UEが、E-UTRAN方式の無線アクセスネットワーク(第1無線アクセスネットワーク)のセルから、UTRAN方式の無線アクセスネットワーク(第2無線アクセスネットワーク)のセルに、Inter-RATハンドオーバを行う場合の例について説明する。
【0117】
図13におけるステップS600乃至S607の動作は、図5におけるステップS200乃至S207の動作と同一である。
【0118】
ここで、交換局SGSNと無線回線制御局RNCとの間では、1本の下りリンクデータ用トンネル#B1が設定されており、新規下りリンクデータ及び転送下りリンクデータの両者が、かかる下りリンクデータ用トンネル#B1を介して送信されるように構成されている。
【0119】
また、サービングゲートウェイ装置S-GWと交換局SGSNとの間では、1本の下りリンクデータ用トンネル#B2が設定されており、新規下りリンクデータ及び転送下りリンクデータの両者が、かかる下りリンクデータ用トンネル#B2を介して送信されるように構成されている。
【0120】
さらに、サービングゲートウェイ装置S-GWと無線基地局eNBとの間では、新規下りリンクデータ用トンネル#B3及び転送下りリンクデータ用トンネル#B4が設定されており、新規下りリンクデータは、新規下りリンクデータ用トンネル#B3を介して送信され、転送下りリンクデータは、転送下りリンクデータ用トンネル#B4を介して送信されるように構成されている。
【0121】
その後、サービングゲートウェイ装置S-GWが、パススイッチを行った場合、すなわち、新規下りリンクデータ用トンネル#B3を介して無線基地局eNBに下りリンクデータを送信する第1状態から、新規下りリンクデータ用トンネル#B2、#B1を介して無線回線制御局RNCに下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合、無線基地局eNBが、サービングゲートウェイ装置S-GWから受信した下りリンクデータを、転送下りリンクデータ用トンネル#B4、#B2、#B1を介して無線回線制御局RNCに転送するように構成されている。
【0122】
ただし、サービングゲートウェイ装置S-GWは、パススイッチを行った場合であっても、パススイッチを行う前に、無線基地局eNBに対して送信した下りリンクデータ、すなわち、新規下りリンクデータ用トンネル#B3を介して送信した下りリンクデータの無線回線制御局RNCへの転送が全て終わるまでは、かかる下りリンクデータを無線回線制御局RNCに送信しないように構成されている。
【0123】
ここで、サービングゲートウェイ装置S-GWは、パススイッチを行った後で、かつ、新規下りリンクデータ用トンネル#B3を介して無線基地局eNBに対して最後の下りリンクデータを送信した後に、GTP-Uメッセージである「End Markerメッセージ」を送信するように構成されている。
【0124】
そして、無線基地局eNBは、「End Markerメッセージ」を受信した場合、転送下りリンクデータ用トンネル#B4、#B2、#B1を介して、「End Markerメッセージ」を転送する。
【0125】
よって、サービングゲートウェイ装置S-GWは、トンネル#B4から介して「End Markerメッセージ」を受信することによって、新規下りリンクデータ用トンネル#B3を介して送信した下りリンクデータの無線回線制御装置RNCへの転送が全て完了したことを認識することができる。
【0126】
すなわち、サービングゲートウェイ装置S-GWは、パススイッチを行った後に、下りリンクデータ用トンネル#B2、#B1を介して、無線回線制御装置RNCに送信する下りリンクデータをバッファリングしておき、トンネル#B4から「End Markerメッセージ」を受信した場合に、下りリンクデータ用トンネル#B2、#B1を介して無線回線制御装置RNCに下りリンクデータを送信する。
【0127】
なお、下りリンクデータは、上述のトンネル#B1乃至#B4内では、GTP-Uヘッダが付与されているパケット形状で送信されるように構成されているものとする。
【0128】
本発明の第6の実施形態に係る移動通信システムによれば、Inter-RATハンドオーバが行われる際に、サービングゲートウェイ装置S-GWが、ハンドオーバ先の無線アクセス装置である無線回線制御局RNCに対して、転送下りリンクデータを送信した後に新規下りリンクデータを送信するように構成されているため、無線回線制御局RNCにおいて特別の処理を行うことなく、転送下りリンクデータ及び新規下りリンクデータについての順序制御を行うことができる。
【0129】
なお、上述の無線基地局eNBや無線回線制御局RNCや交換局SGSNやサービングゲートウェイ装置S-GWの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0130】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0131】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、無線基地局eNBや無線回線制御局RNCや交換局SGSNやサービングゲートウェイ装置S-GW内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして無線基地局eNBや無線回線制御局RNCや交換局SGSNやサービングゲートウェイ装置S-GW内に設けられていてもよい。
【0132】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0133】
eNB…無線基地局
S-GW…サービングゲートウェイ装置
SGSN…交換局
RNC…無線回線制御局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局が、第1無線アクセスネットワーク内の第1無線アクセス装置又は第2無線アクセスネットワーク内の第2無線アクセス装置から下りリンクデータを受信する移動通信方法であって、
前記第1無線アクセスネットワーク及び前記第2無線ネットワークを接続するゲートウェイ装置が、前記第1無線アクセス装置に前記下りリンクデータを送信する第1状態から、前記第2無線アクセス装置に該下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合、該第1無線アクセス装置が、該ゲートウェイ装置から受信した該下りリンクデータに特定情報を設定して該第2無線アクセス装置に転送する工程Aと、
前記第2無線アクセス装置が、前記ゲートウェイ装置から送信された前記特定情報が設定されていない転送下りリンクデータよりも先に、前記第1無線アクセス装置から転送された該特定情報が設定されている転送下りリンクデータを前記移動局に送信する工程Bとを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
前記ゲートウェイ装置と前記第2無線アクセスネットワークに接続されている交換局との間で1本の第1トンネルが設定され、
前記交換局と前記第2無線アクセス装置との間で1本の第2トンネルが設定され、
前記第2状態において、前記転送下りリンクデータは、前記第1無線アクセス装置から、前記第1トンネル及び前記第2トンネルを介して、前記第2無線アクセス装置に転送され、
前記第2状態において、前記新規下りリンクデータは、前記ゲートウェイ装置から、前記第1トンネル及び前記第2トンネルを介して、前記第2無線アクセス装置に転送されることを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項3】
前記第2無線アクセス装置と前記第1無線アクセスネットワーク及び前記第2無線アクセスネットワークを接続するゲートウェイ装置との間、該ゲートウェイ装置と該第1無線アクセスネットワークに接続されている交換局との間、及び、該交換局と前記第1無線アクセス装置との間で、新規下りリンクデータ用トンネル及び転送下りリンクデータ用トンネルが設定され、
前記工程Aにおいて、前記第1無線アクセス装置は、前記特定情報が設定された下りリンクデータを、前記転送下りリンクデータ用トンネルを介して前記第2無線アクセス装置に転送することを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項4】
前記ゲートウェイ装置が、前記第2状態において、前記第1無線アクセス装置に対して、最後の下りリンクデータを送信した後に、特定メッセージを送信する工程と、
前記第1無線アクセス装置が、前記特定メッセージを、前記第2無線アクセス装置に対して転送する工程とを有し、
前記工程Bにおいて、前記第2無線アクセス装置は、前記特定メッセージを受信した後に、前記特定情報が設定されていない転送下りリンクデータを前記移動局に送信することを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項5】
移動局が、第1無線アクセスネットワーク内の第1無線アクセス装置又は第2無線アクセスネットワーク内の第2無線アクセス装置から下りリンクデータを受信する移動通信方法であって、
前記第2無線アクセス装置と前記第1無線アクセスネットワーク及び前記第2無線アクセスネットワークを接続するゲートウェイ装置との間、該ゲートウェイ装置と該第1又は第2無線アクセスネットワークに接続されている交換局との間、及び、該交換局と前記第1無線アクセス装置との間で、新規下りリンクデータ用トンネル及び転送下りリンクデータ用トンネルが設定され、
前記ゲートウェイ装置が、前記新規下りリンクデータ用トンネルを介して前記第1無線アクセス装置に前記下りリンクデータを送信する第1状態から、該新規下りリンクデータ用トンネルを介して前記第2無線アクセス装置に該下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合、該第1無線アクセス装置が、該ゲートウェイ装置から受信した該下りリンクデータを、前記転送下りリンクデータ用トンネルを介して該第2無線アクセス装置に転送する工程を有し、
前記工程において、前記第1無線アクセス装置は、前記第2無線アクセス装置に転送する最後の下りリンクデータを送信した後に、該第2無線アクセス装置に対して特定メッセージを送信し、
前記第2無線アクセス装置は、前記ゲートウェイ装置から送信された新規下りリンクデータよりも先に、前記第1無線アクセス装置から転送された転送下りリンクデータを前記移動局に送信し、前記特定メッセージを受信した後に、該新規下りリンクデータを該移動局に送信することを特徴とする移動通信方法。
【請求項6】
移動局が、第1無線アクセスネットワーク内の第1無線アクセス装置又は第2無線アクセスネットワーク内の第2無線アクセス装置から下りリンクデータを受信する移動通信方法であって、
前記第1無線アクセスネットワーク及び前記第2無線ネットワークを接続するゲートウェイ装置は、前記第1無線アクセス装置に前記下りリンクデータを送信する第1状態から、前記第2無線アクセス装置に該下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合であっても、該第1無線アクセス装置が、該ゲートウェイ装置から受信した該下りリンクデータを全て該第2無線アクセス装置に転送し終わるまでは、該下りリンクデータを該第2無線アクセス装置に送信しないことを特徴とする移動通信方法。
【請求項7】
前記ゲートウェイ装置と前記第2無線アクセスネットワークに接続されている交換局との間で1本の第1トンネルが設定され、
前記交換局と前記第2無線アクセス装置との間で1本の第2トンネルが設定され、
前記第2状態において、前記転送下りリンクデータは、前記第1無線アクセス装置から、前記第1トンネル及び前記第2トンネルを介して、前記第2無線アクセス装置に転送され、
前記第2状態において、前記新規下りリンクデータは、前記ゲートウェイ装置から、前記第1トンネル及び前記第2トンネルを介して、前記第2無線アクセス装置に転送されることを特徴とする請求項6に記載の移動通信方法。
【請求項8】
前記第2無線アクセス装置と前記第1無線アクセスネットワーク及び前記第2無線アクセスネットワークを接続するゲートウェイ装置との間、該ゲートウェイ装置と該第1無線アクセスネットワークに接続されている交換局との間、及び、該交換局と前記第1無線アクセス装置との間で、新規下りリンクデータ用トンネル及び転送下りリンクデータ用トンネルが設定され、
前記第1無線アクセス装置は、前記新規下りリンクデータ用トンネルを介して受信した下りリンクデータを、前記転送下りリンクデータ用トンネルを介して前記第2無線アクセス装置に転送することを特徴とする請求項6に記載の移動通信方法。
【請求項9】
前記ゲートウェイ装置が、前記第2状態において、前記第1無線アクセス装置に対して、最後の下りリンクデータを送信した後に、特定メッセージを送信する工程と、
前記第1無線アクセス装置が、前記特定メッセージを、前記第2無線アクセス装置に対して転送する工程とを有し、
前記第2無線アクセス装置は、前記特定メッセージを受信した場合に、前記下りリンクデータを全て該第2無線アクセス装置に転送し終わったと判断することを特徴とする請求項6に記載の移動通信方法。
【請求項10】
移動局が、第1無線アクセスネットワーク内の第1無線アクセス装置又は第2無線アクセスネットワーク内の第2無線アクセス装置から下りリンクデータを受信するように構成されている移動通信システムにおいて、該第1無線アクセス装置として動作することができる無線アクセス装置であって、
前記第1無線アクセスネットワーク及び前記第2無線ネットワークを接続するゲートウェイ装置が、前記第1無線アクセス装置に前記下りリンクデータを送信する第1状態から、前記第2無線アクセス装置に該下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合に、該ゲートウェイ装置から受信した前記下りリンクデータに特定情報を設定して該第2無線アクセス装置に転送するように構成されていることを特徴とする無線アクセス装置。
【請求項11】
移動局が、第1無線アクセスネットワーク内の第1無線アクセス装置又は第2無線アクセスネットワーク内の第2無線アクセス装置から下りリンクデータを受信するように構成されている移動通信システムにおいて、該第2無線アクセス装置として動作することができる無線アクセス装置であって、
前記第1無線アクセスネットワーク及び前記第2無線ネットワークを接続するゲートウェイ装置が、前記第1無線アクセス装置に前記下りリンクデータを送信する第1状態から、前記第2無線アクセス装置に該下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合に、該ゲートウェイ装置から送信された特定情報が設定されていない新規下りリンクデータよりも先に、該第1無線アクセス装置から転送された該特定情報が設定されている転送下りリンクデータを前記移動局に送信するように構成されていることを特徴とする無線アクセス装置。
【請求項12】
移動局が、第1無線アクセスネットワーク内の第1無線アクセス装置又は第2無線アクセスネットワーク内の第2無線アクセス装置から下りリンクデータを受信するように構成されている移動通信システムにおいて、該第2無線アクセス装置として動作することができる無線アクセス装置であって、
前記第2無線アクセス装置と前記第1無線アクセスネットワーク及び前記第2無線アクセスネットワークを接続するゲートウェイ装置との間、該ゲートウェイ装置と該第1又は第2無線アクセスネットワークに接続されている交換局との間、及び、該交換局と前記第1無線アクセス装置との間で、新規下りリンクデータ用トンネル及び転送下りリンクデータ用トンネルが設定されるように構成されており、
前記ゲートウェイ装置が、前記新規下りリンクデータ用トンネルを介して前記第1無線アクセス装置に前記下りリンクデータを送信する第1状態から、該新規下りリンクデータ用トンネルを介して前記第2無線アクセス装置に該下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合、該ゲートウェイ装置から該新規下りリンクデータ用トンネルを介して送信された新規下りリンクデータよりも先に、該第1無線アクセス装置から前記転送下りリンクデータ用トンネルを介して転送された転送下りリンクデータを前記移動局に送信し、特定メッセージを受信した後に、該新規下りリンクデータを該移動局に送信するように構成されていることを特徴とする無線アクセス装置。
【請求項13】
移動局が、第1無線アクセスネットワーク内の第1無線アクセス装置又は第2無線アクセスネットワーク内の第2無線アクセス装置から下りリンクデータを受信するように構成されている移動通信システムにおいて、該第1無線アクセスネットワークと該第2無線ネットワークとを接続するゲートウェイ装置であって、
前記第1無線アクセス装置に前記下りリンクデータを送信する第1状態から、前記第2無線アクセス装置に該下りリンクデータを送信する第2状態に切り替わった場合であっても、該第1無線アクセス装置が、前記ゲートウェイ装置から受信した該下りリンクデータを全て該第2無線アクセス装置に転送し終わるまでは、該下りリンクデータを該第2無線アクセス装置に送信しないように構成されていることを特徴とするゲートウェイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−143014(P2012−143014A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−104960(P2012−104960)
【出願日】平成24年5月1日(2012.5.1)
【分割の表示】特願2008−335058(P2008−335058)の分割
【原出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】