説明

移動通信端末及び移動通信端末の画像表示方法

【課題】表示部に表示される待ち受け画像等やアプリケーション画面又はインターネット画面に応じたマスコットキャラクタ等の画像を生成し、合成画像を表示する移動通信端末を提供する。
【解決手段】本発明に係る移動通信端末(1)は、表示部に表示される第1画像の画像内容を解析する第1画像の解析手段(2)と、前記第1画像の解析手段によって解析された前記画像内容に応じて、前記第1画像に合成される第2画像を生成する第2画像の生成手段(3)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末及び移動通信端末の画像表示方法に関し、特に、写真等の画像に、キャラクタ等の画像を合成して表示する機能を備えた移動通信端末、及びその画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話等の移動通信端末の待受画面等で動作するキャラクタは、そのキャラクタに合わせて作成された写真やイラスト等の背景画像(コンテンツ)とともに、ユーザへ提供されている。
【0003】
特許文献1には、データ放送として、キャラクタの表情や動作データを、背景映像と共に配信し、受信装置側で、需要者によって選択されたキャラクタの表情や動作を、受信されたキャラクタの表情や動作データに制御し、受信された背景映像に合成して表示することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−184339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、キャラクタと共にユーザに提供された背景画像(コンテンツ)を使用せず、例えば、キャラクタを、キャラクタとは別に提供・取得された写真やイラスト等に合成して表示する場合がある。このような場合では、キャラクタが、背景の写真やイラストの内容とは無関係に選択され、その動作が制御されるため、例えば、背景画像に、キャラクタの種類や動作が合わない場合がある。また、写真に写された人物の顔の上を、キャラクタが歩き回るなど、好ましくない方法でキャラクタが表示されることがある。
【0006】
本発明は、このような問題点に対してなされたものであり、背景画像(コンテンツ)の画像内容に応じて、背景画像に合成されるキャラクタ等の画像を選択・動作させることができる移動通信端末及び移動通信端末の画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る移動通信端末の一態様は、表示部に表示される第1画像の画像内容を解析する第1画像の解析手段と、前記第1画像の解析手段によって解析された前記画像内容に応じて、前記第1画像に合成される第2画像を生成する第2画像の生成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る画像表示方法の一態様は、表示部に表示される第1画像の画像内容を解析し、解析された前記画像内容に応じて、前記第1画像に合成される第2画像を生成する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る移動通信端末及び移動通信端末の画像表示方法によれば、背景画像(コンテンツ)の画像内容に応じて、背景画像に合成されるキャラクタ等の画像を選択・動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係る移動通信端末の構成の概要を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る移動通信端末の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る移動通信端末の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係る移動通信端末の表示例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る移動通信端末の他の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態.
以下、添付した図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る移動通信端末の構成の概要を示す機能ブロックである。図1に示すように、この移動通信端末1は、第1画像の解析手段2と、第2画像の生成手段3と、を備えている。
【0012】
第1画像の解析手段2は、図示しない表示部に表示される第1画像の画像内容を解析する。第1画像は、写真やイラストであり、移動通信端末1のユーザが移動通信端末1に搭載されたカメラによって撮像した写真や、インターネット回線等を介してサーバからダウンロードしたイラスト、又は移動通信端末1に予めインストールされている写真やイラストである。また、表示部は、移動通信端末1に搭載されている液晶ディスプレイ等である。第1画像の解析手段2は、第1画像の撮影シーン、イラストシーンや、撮影日時、撮影場所といった撮影情報等、又は、写真に写っている被写体の輪郭等のうち少なくとも1つを画像内容として解析する。
【0013】
第2画像の生成手段3は、第1画像の解析手段2によって解析された画像内容に応じて、第1画像に合成される第2画像を生成する。第2画像は、キャラクタ、記号、文字等などからなるイラストによって構成される。第2画像は、第1画像中に重畳して表示されてもよく、第1画像のフレームとして第1画像の外側に表示されてもよい。
【0014】
例えば、移動通信端末1に、第2画像として複数のキャラクタ等が保持されている場合には、第2画像の生成手段3は、第1画像の解析手段2の解析結果に応じて、複数のキャラクタの中から、第1画像の画像内容に合ったキャラクタを選択する。また、移動通信端末1に、第2画像としてキャラクタの複数の行動パターンが保持されている場合には、第2画像の生成手段3は、第1画像の解析手段2の解析結果に応じて、複数のキャラクタの動作パターンから、第1画像の画像情報に合ったキャラクタの動作パターンを選択する。これにより、第2画像の生成手段では、第1画像の画像内容に応じた、キャラクタの種類や行動パターンを選択し、第2画像を生成する。
【0015】
第2画像の生成手段3によって生成された第2画像は、第1画像に合成されて表示部に出力される。第1画像と第2画像を合成する方法については、移動通信端末のユーザから、第1画像及び第2画像をそれぞれ視認できるように、それぞれを表示すればよい。例えば、第1画像の上に、第2画像を重畳するように表示してもよい。また、第1画像及び/又は第2画像を透過させることにより、第1画像と第2画像を重畳させることもできる。
【0016】
次に、本発明の実施の形態に係る移動通信端末の詳細な構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る移動通信端末の構成を示すブロック図である。図2に示すように、移動通信端末1は、モニタ画像解析部21、キャラクタ動作制御部22、キャラクタ表示制御部23、及び制御部24を備えている。モニタ画像解析部21は、図1の第1画像の解析手段2に相当し、キャラクタ動作制御部22及びキャラクタ表示制御部23は、図1の第2画像の生成手段3に相当する。
【0017】
モニタ画像解析部21は、第1画像にあたる画像データを取得し、取得した画像データの特徴(画像内容)を解析する。そして、モニタ画像解析部21は、その解析結果を、制御部24を介してキャラクタ動作制御部22にわたす。モニタ画像解析部21は、画像データの解析を、定期的に、若しくは表示部に表示される画像が更新されるタイミングで行う。
【0018】
モニタ画像解析部21によって解析される画像内容としては、以下のようなものが挙げられる。
(1)風景、夜景、桜などといった撮影シーンの種別
(2)被写体情報(人物・ペット・建物などオブジェクト認識した被写体の種別/カテゴリなど)
(3)前景となる被写体(人体・ペット・建物などのオブジェクト)の領域と、その輪郭
(4)撮影された日時、場所など(GPS情報)の撮影情報
【0019】
[キャラクタの種類の選択]
キャラクタ動作制御部22は、モニタ画像解析部21の解析結果に基づいて、予め用意されている複数のキャラクタの中から、第1画像の特徴に合ったキャラクタを選択する。例えば、キャラクタ動作制御部22は、キャラクタの種類やカテゴリを選択することで、第2画像となるキャラクタを選択することができる。
【0020】
具体的には、モニタ画像解析部21によって第1画像が空の画像であると解析された場合には、キャラクタ動作制御部22は、第2画像として鳥のキャラクタを選択する。
【0021】
また、モニタ画像解析部21によって第1画像が海の画像であると解析された場合には、キャラクタ動作制御部22は、海に関わる動物/鳥/魚などのキャラクタを選択する。
【0022】
さらに、モニタ画像解析部21によって第1画像が桜の画像(撮影シーンの自動判定・オブジェクト認識などにより認識)であると解析された場合は、キャラクタ動作制御部22は、桜や花見にちなんだ動作をするキャラクタ(服、小道具、動作など)を選択する。
【0023】
また、モニタ画像解析部21によって第1画像のタイトルやGPS情報等、若しくは撮影されたオブジェクトの解析結果から、第1画像が土佐で撮影された画像であると解析された場合は、キャラクタ動作制御部22は、坂本龍馬に扮したキャラクタ(服、小道具)を選択する。
【0024】
[キャラクタの動作パターンの選択]
移動通信端末1には、キャラクタに表出させる動作を規定する1以上の動作シナリオが予め保存されている。キャラクタ動作制御部22は、モニタ画像解析部21の解析結果に応じ、予め保存された1以上の動作シナリオから任意の動作を選択し、画像内容に応じてその動作を変更する。たとえば、画像解析部21が解析した撮影シーンや被写体情報や、被写体の領域・輪郭などの画像内容に基づいて、キャラクタ動作制御部22は、次のように、画像内容に合わせた動作シナリオを生成する。
【0025】
例えば、第1画像が、風景等の背景に、前景となる人物等の被写体が写っている写真であるとする。この場合、モニタ画像解析部21が、前景となる被写体(人物の領域など)の輪郭を解析すると、キャラクタ動作制御部22は、人物が写っている領域を、キャラクタが動作できるエリアから除外する。換言すれば、キャラクタ動作制御部22は、モニタ画像解析部21によって解析された人物の領域と輪郭の情報に基づいて、それ以外の領域でキャラクタが動作するようにキャラクタの動作シナリオを再構築する。
【0026】
また他の例では、第1画像が空の画像であるとする。この場合、モニタ画像解析部21が、第1画像のほとんどの領域を、空の画像が占めていると解析した場合には、キャラクタ動作制御部22は、鳥のキャラクタを選択すると共に、選択した鳥のキャラクタが第1画像に対して最適な動きになるよう、シナリオを再構築する。例えば、キャラクタ動作制御部22は、鳥の大きさや向きを調整し、鳥のキャラクタが第1画像の大空を舞っているよう、動作シナリオを再構築する。キャラクタ動作制御部22によって選択されたキャラクタの選択結果と再構築された動作シナリオは、制御部24を介してキャラクタ表示制御部23にわたされる。
【0027】
キャラクタ表示制御部23は、予め保持されている動作シナリオを基にして、キャラクタに表出させる動作を制御する。
【0028】
なお、上述した、モニタ画像解析部21、キャラクタ動作制御部22及びキャラクタ表示制御部23は、プログラムを制御部24が実行することにより実現される。また、制御部24はその他、移動通信端末1の全体の制御を行っている。
【0029】
次に、このように構成された移動通信端末の動作について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る移動通信端末の動作を示すフローチャートである。ここでは、第1画像として複数の写真の中から1枚の写真がランダムに選択され、選択された写真に、第2画像を合成して表示する場合を例にして説明を行う。
【0030】
はじめに、モニタ画像解析部21は、キャラクタの合成表示を行う背景画像(第1画像)に当たる、LCD画面表示用の画像データを取得する(ステップS31)。モニタ画像解析部21は、背景画像(第1画像)の特徴を解析し、解析結果を、制御部24を介してキャラクタ動作制御部22へわたす(ステップS32)。
【0031】
キャラクタ動作制御部22は、モニタ画像解析部21の解析結果に基づいて、その画像の特徴に適したキャラクタを選択する(ステップS33)。キャラクタ動作制御部22は、ステップS33にて選択されたキャラクタに、動作シナリオを組み合わせて、キャラクタ動作制御部22が画像の特徴に合わせた動作シナリオを生成する(ステップS34)。
【0032】
キャラクタ表示制御部23は、ステップS33で選択されたキャラクタと、ステップS34で生成された動作シナリオに基づいて、キャラクタの再生動作を制御する(ステップS35)。そして、ステップS35で再生動作を制御されたキャラクタ画像を、背景画像(第1画像)の上に合成表示する(ステップS36)。
【0033】
続いて、図4及び図5を用い、本発明に係る移動通信端末によって生成される、具体的な表示画像例について説明する。
【0034】
図4の例は、第1画像が、桜を撮影したシーンの写真である場合である。モニタ画像解析部21は、被写体や撮影日時、撮影場所を解析することで、第1画像が桜を撮影したものであると判断する。キャラクタ動作制御部22は、このモニタ画像解析部21の解析結果に従って、春や桜に合っているキャラクタの種類・動作・小物等のコンテンツを選択することで第2画像を生成する。キャラクタ表示制御部23は、桜の写真である第1画像に、桜の画像に合ったキャラクタを合成し、表示部により表示する。
【0035】
図5の例は、第1画像が、背景の山に、前景として人物が写っている写真である場合である。モニタ画像解析部21は、被写体を解析することで、前景として写っている人物の輪郭を解析する。キャラクタ動作制御部22は、前景である人物の領域以外の領域(斜線部)が、キャラクタの動作エリアとなるように、動作シナリオを変更する。キャラクタ表示制御部23は、第1画像に、第1画像の人物の領域以外にキャラクタを合成し、表示部により表示する。
【0036】
このように構成された移動通信端末1においては、画面に表示される写真やイラスト等の第1画像の画像内容(特徴)に合わせて、キャラクタ等の第2画像の種類を変更する。これにより、表示部に、背景となる第1画像に合った第2画像を表示することができる。
【0037】
また、この移動通信端末1は、画面に表示される写真やイラスト等の第1画像の画像内容(特徴)に合わせて、キャラクタ等の第2画像の動作シナリオを変化させる。これにより、表示部に、第1画像に合った動作を第2画像のキャラクタに表出させることができる。
【0038】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0039】
例えば、第1画像として、カメラのライブビューの画像を用いることができる。この場合、ライブビュー画像を解析し、解析結果に応じて第2画像を生成すればよい。
【0040】
また、第1画像として、インターネットの画面やアプリケーションの画面を用いることができる。この場合、インターネットの画面又はアプリケーションのレイアウトやアプリケーションの機能を解析し、解析結果に合った第2画像(キャラクタ)を第1画像に重畳表示させることができる。
【0041】
例えば、インターネットの情報を表示した画面において、レイアウト解析を行い、文字や画像以外の領域にキャラクタを表示/動作させることができる。
【0042】
また、表示するキャラクタの種類や動作パターンを切り替えるタイミングとしては、次に表示部に表示する第1画像の準備期間中に、当該第1画像を解析し、直前の画像から準備中の画像に切り替えるタイミングで、同時にキャラクタの種類を変更するように構成することができる。
【0043】
また、本発明は、コンピュータに読取り可能なプログラムとして実現することもできる。このプログラムは、種々の記録媒体に保存することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 移動通信端末
2 第1画像の解析手段
3 第2画像の生成手段
21 モニタ画像解析部
22 キャラクタ動作制御部
23 キャラクタ表示制御部
24 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に表示される第1画像の画像内容を解析する第1画像の解析手段と、
前記第1画像の解析手段によって解析された前記画像内容に応じて、前記第1画像に合成される第2画像を生成する第2画像の生成手段と、を備えた移動通信端末。
【請求項2】
前記画像内容は、前記第1画像の撮影シーン又はイラストシーンである請求項1に記載の移動通信端末。
【請求項3】
前記画像内容は、前記第1画像の被写体又はイラストの輪郭である、請求項1に記載の移動通信端末。
【請求項4】
前記第1画像の解析手段は、前記第1画像が生成された日時、前記第1画像が取得された場所を示すGPS情報、前記第1画像の被写体のうち少なくとも1つを解析することにより、前記画像内容を解析する、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の移動通信端末。
【請求項5】
前記第2画像は、キャラクタであり、
前記第2画像の生成手段は、前記第1画像の解析手段によって解析された前記画像内容に応じて、表示される前記キャラクタの種類、服、小物を選択する、
請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の移動通信端末。
【請求項6】
前記第2画像は、キャラクタであり、
前記第2画像の生成手段は、前記第1画像の解析手段によって解析された前記画像内容に応じて、表示される前記キャラクタの動作を制御する、
請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の移動通信端末。
【請求項7】
前記第2画像の生成手段は、前記第1画像の解析手段によって解析された前記第1画像の前記被写体又は前記イラストの輪郭の外側において、前記第2画像を表示する
請求項3に記載の移動通信端末。
【請求項8】
前記第2画像は、イラスト、写真、文字及び記号である、請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の移動通信端末。
【請求項9】
前記第1画像の解析手段は、インターネット画面又はアプリケーション画面である前記第1画像のレイアウト解析を行い、
前記第2画像の生成手段は、前記レイアウト解析の結果に応じて、文字又は画像以外の領域に、第2画像を表示/動作させる、請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の移動通信端末。
【請求項10】
表示部に表示される第1画像の画像内容を解析し、
解析された前記画像内容に応じて、前記第1画像に合成される第2画像を生成する、移動通信端末の画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−124632(P2012−124632A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272311(P2010−272311)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】