説明

移動通信端末装置及び移動通信端末装置制御方法

【課題】自動的に電力制御の登録が行え、効率よく消費電力を低減する移動通信端末装置及び移動通信端末装置制御方法を提供する。
【解決手段】位置情報取得部2は、自装置の位置情報を取得する。電力供給部9は、電力を供給する。WiFi制御部5〜表示制御部8は、電力供給部9から電力の供給を受けて動作する。条件記憶部3は、WiFi制御部5〜表示制御部8の動作による電力使用状態及び位置情報取得部2により取得された位置情報を対応付けて記憶する。電力制御部4は、位置情報取得部2により取得された位置情報がが条件記憶部3に記憶されている位置情報に一致した場合に、位置情報に対応する電力使用状態となるようにWiFi制御部5〜表示制御部8を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末装置及び移動通信端末装置制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信端末装置は、内蔵の充電式バッテリーにより動作する。そして、充電式バッテリーの充電を行うためには、固定電源に接続するなどする必要がある。このように固定電源に接続した場合、移動通信端末装置を携帯することができないなどの不便が生じる。そのため、利用者としては、なるべく長い間充電を行わずに移動通信端末装置を使用できることが好ましい。ただし、充電式バッテリーには決められた充電容量がある。そのため、動作時間を長期化するために、動作時の消費電力を低減することが要求される。このような消費電力の低減の要求への対応として、使用していない機能がある場合に、その機能を利用者の操作を邪魔せずに効率的に電源制御することが好ましい。ここで、常時の継続使用が要求されない機能としては、例えば、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、移動通信網接続機能、GPS(Global Positioning System)及びLCD(Liquid Crystal Display)の表示機能などがある。
【0003】
このような電源制御のために以下のような従来技術が提案されている。例えば、WiFiアクセスポイント位置情報又はGPSによる位置情報取得機能や移動体通信網の基地局情報から得られる位置情報を利用して、位置情報を割り出し、予め登録された位置において登録情報に従った電源制御を行う従来技術が提案されている。また、利用するアプリケーション毎に起動しておく機能を登録又は学習し、その登録又は学習した情報に基づいて電源制御を行う従来技術が提案されている。さらに、道路上の特定の位置における車の挙動を学習して、同一の場所で同一の操作を実施する従来技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−182507号公報
【特許文献2】特開2006−50510号公報
【特許文献3】特開2008−275575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、予め登録された位置において登録情報に従った電源制御を行う従来技術では、制御内容を予め登録する必要があり、登録手順が煩雑になってしまい、効率的に消費電力を制限することは困難であった。また、利用するアプリケーション毎に起動しておく機能を登録しておく従来技術でも、同様に登録手順が煩雑である。さらに、車における従来技術では、電力制御により消費電力を低減することは困難である。
【0006】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、自動的に電力制御の登録が行え、効率よく消費電力を低減する移動通信端末装置及び移動通信端末装置制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の開示する移動通信端末装置及び移動通信端末装置制御方法は、一つの態様において、位置情報取得部は、自装置の位置情報を取得する。電力供給部は、電力を供給する。電力消費部は、少なくとも無線通信を行う無線通信部を含み、前記電力供給部から電力を使用して動作する。条件記憶部は、前記電力消費部の動作による電力使用状態及び前記位置情報取得部により取得された位置情報を対応付けて記憶する。電力制御部は、前記位置情報取得部により取得された位置情報が前記条件記憶部に記憶されている位置情報と一致した場合に、該位置情報に対応する電力使用状態となるように前記電力消費部を制御する。
【発明の効果】
【0008】
本願の開示する移動通信端末装置及び移動通信端末装置制御方法の一つの態様によれば、自動的に電力制御の登録が行え、効率よく消費電力を低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施例1に係る移動通信端末装置のブロック図である。
【図2】図2は、実施例1に係る移動通信端末装置における電力制御条件の登録処理のフローチャートである。
【図3】図3は、実施例1に係る移動通信端末装置における電力使用状態の復元の処理のフローチャートである。
【図4】図4は、実施例2及び実施例3に係る移動通信端末装置のブロック図である。
【図5】図5は、実施例2に係る移動通信端末装置の電力制御条件の登録処理のフローチャートである。
【図6】図6は、実施例2の変形例に係る移動通信端末装置の電力制御条件の登録処理のフローチャートである。
【図7】図7は、実施例3に係る移動通信端末装置における電力使用状態の復元の処理のフローチャートである。
【図8】図8は、移動通信端末装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示する移動通信端末装置及び移動通信端末装置制御方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により本願の開示する移動通信端末装置及び移動通信端末装置制御方法が限定されるものではない。移動通信端末装置としては、例えば、携帯電話やPDA(Personal Data Assistant)などがある。
【実施例1】
【0011】
図1は、実施例1に係る移動通信端末装置のブロック図である。図1に示すように、本実施例に係る移動通信端末装置は、入力制御部1、位置情報取得部2、条件記憶部3、電力制御部4、WiFi制御部5、Bluetooth制御部6、3GNW(3rd Generation Network)制御部7、表示制御部8及び電力供給部9を有している。
【0012】
電力供給部9は、充電式バッテリーなどの電源である。そして、電力供給部9は、WiFi制御部5、Bluetooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8に電力を供給している。
【0013】
WiFi制御部5は、電力供給部9から供給される電力を使用してWiFiを用いた無線通信を行う。WiFi制御部5は、動作を開始しなければ電力の消費を抑えることができる。ここで、動作の開始とは、後述する電力制御部4からの機能のONの指示を受けて、WiFi制御部5が機能を起動することである。
【0014】
Bluetooth制御部6は、電力供給部9から供給される電力を使用してBluetoothを用いた近距離無線通信を行う。Bluetooth制御部6は、動作を開始しなければ電力の消費を抑えることができる。ここで、動作の開始とは、後述する電力制御部4からの機能のONの指示を受けて、Bluetooth制御部6が機能を起動することである。
【0015】
3GNW制御部7は、電力供給部9から供給される電力を使用して3G回線を用いた無線通信を行う。3GNW制御部7は、動作を開始しなければ電力の消費を抑えることができる。ここで、動作の開始とは、後述する電力制御部4からの機能のONの指示を受けて、3GNW制御部7が機能を起動することである。
【0016】
表示制御部8は、電力供給部9から供給される電力を使用して例えば液晶画面などの表示部に対して画像を表示させる。表示制御部8は、動作を開始しなければ電力の消費を抑えることができる。ここで、動作の開始とは、後述する電力制御部4からの機能のONの指示を受けて、表示制御部8が機能を起動することである。
【0017】
WiFi制御部5、Bluetooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8が、「電力消費部」の一例にあたる。以下では、WiFi制御部5、Blutooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8のそれぞれを区別しない場合には「制御対象」と言う場合がある。また、本実施例では、電力消費部の一例として「WiFi制御部5、Bluetooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8」を挙げているが、電力を使用して動作を行う機能を有していれば他の機能を有するものであれば「電力消費部」としてよい。
【0018】
入力制御部1は、キーパッドなどを用いて操作者が入力した動作指示を受信する。例えば、入力制御部1は、操作者が入力した各部の機能のON/OFFの指示を受信する。ここで、各部の機能のON/OFFの指示とは、例えば、図1におけるWiFi制御部5、Blutooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8のうちいずれの制御対象の機能をON又はOFFするかの指示である。そして、入力制御部1は、受信した制御対象の機能のON/OFFの指示などの動作指示を電力制御部4へ出力する。
【0019】
位置情報取得部2は、本実施例ではGPS(Global Positioning System)を有している。位置情報取得部2は、自己が有するGPSを用いて自装置の位置情報を取得する。本実施例では、位置情報取得部2は、位置情報として緯度経度情報を取得する。そして、位置情報取得部2は、取得した位置情報を電力制御部4へ出力する。ここで、本実施例では、位置情報取得部2は、位置情報として緯度経度情報を取得するが、これは位置を特定できれば他の情報でも良く、例えば、WiFiによる通信を基に位置情報を取得しても良い。
【0020】
条件記憶部3は、メモリやハードディスクなどの記憶装置である。
【0021】
電力制御部4は、位置情報取得部2から常時自装置の位置情報の入力を受ける。また、電力制御部4は、操作者が入力した制御対象の機能のON/OFFの指示を入力制御部1から受ける。
【0022】
そして、電力制御部4は、受信した制御対象の機能のON/OFFの指示から、WiFi制御部5、Blutooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8のいずれの機能をON又はOFFにするかの情報を取得する。ある制御対象に対する機能のON/OFFとは、その制御部を動作させるか又は停止させるかにあたる。ここで、WiFi制御部5、Blutooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8のいずれも動作するには電力を消費し、動作を停止した場合には電力の消費は無くなる。すなわち、各部の動作により電力の使用状態が変化する。したがって、各部の機能をON又はOFFすることは電力の使用状態を変更することにあたる。そこで、各部における機能をONにした状態及び機能をOFFにした状態、言い換えれば動作が停止した状態又は動作している状態をまとめて「電力使用状態」として表す。
【0023】
次に、電力制御部4は、位置情報取得部2から受信した位置情報に対応させて操作者から指定された電力使用状態の情報及びその制御対象の情報を条件記憶部3に記憶させる。この位置情報及び電力使用状態の対応を以下では、「電力制御条件」という場合がある。すなわち、電力制御部4は、電力制御条件を条件記憶部3に記憶させる。電力制御部4は、電力制御条件を、操作者からの制御対象の機能のON/OFFの入力が行われる度に、条件記憶部3に記憶させていく。ここで、電力制御部4は、同じ位置において操作者からの各部の機能のON/OFFの指示の入力が行われた場合、新しい電力使用状態をその位置での電力使用状態として条件記憶部3に記憶させることで、古い電力制御条件を更新する。このようにして、電力制御部4は、各位置に対応するWiFi制御部5、Blutooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8の電力使用状態を電力制御条件として条件記憶部3に記憶させ登録する。
【0024】
電力制御部4は、操作者からの各部の機能のON/OFFの指示に応じて、指定された制御対象が動作するよう制御する。例えば、電力制御部4は、WiFi制御部5の機能のONの指示を受信した場合、WiFi制御部5の動作を開始させる。また、例えば、3GNW制御部7の機能のOFFの指示を受信した場合、電力制御部4は、3GNW制御部7の動作を停止する。
【0025】
また、電力制御部4は、タイマーを有している。そして、電力制御部4は、予め決められた一定時間の間に各部に対する動作指示の入力を入力制御部1から受信しない場合には、省電力モードとなるようWiFi制御部5、Blutooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8を制御する。ここで、省電力モードとは、自装置の各種機能の動作を低下することにより消費電力を低減するモードである。各種機能の動作の低下とは、例えば、表示制御部8による液晶画面への表示の停止などがある。また、各種機能の動作の低下の他の例として、WiFi制御部5、Blutooth制御部6及び3GNW制御部7による接続先の検出を間欠的に動作させることや、通信速度を低下させるなどがある。この省電力モードにおける状態を「スリープ状態」と言う場合がある。
【0026】
さらに、電力制御部4は、省電力モードで自装置が動作している状態で、操作者からの動作指示の入力を入力制御部1から受信した場合、WiFi制御部5、Blutooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8を通常モードで動作するよう制御する。ここで、通常モードとは、省電力モードにおける各部の動作の低下を解除して動作する状態である。例えば、表示制御部8に対して待ち受け画面を表示部に表示させたり、WiFi制御部5、Blutooth制御部6及び3GNW制御部7による接続先の検出を継続に動作させたり、通信速度を戻したりなどである。以下では、省電力モードから通常モードに変化することを「スリープ状態からの復帰」と言う場合がある。
【0027】
そして、電力制御部4は、スリープ状態から復帰したタイミングで位置情報取得部2から受信した位置で条件記憶部3を検索する。そして、電力制御部4は、スリープ状態から復帰した位置に対応する電力制御条件が条件記憶部3に記憶されているか否かを判定する。ここで、電力制御部4は、本実施例では、実際の位置情報として、WiFiなどの無線信号の到達範囲やGPSの位置情報取得機能の精度を考慮して、予め決められた一定範囲を閾値として、取得した緯度経度情報を中心に閾値内を同一の位置として判定する。本実施例では、例えば、この一定範囲を50mとしたものとする。
【0028】
スリープ状態から復帰した位置における電力制御条件が条件記憶部3に記憶されている場合、電力制御部4は、スリープ状態から復帰した位置における電力使用状態の情報及びその制御対象の情報を取得する。そして、電力制御部4は、取得した電力使用状態となるように制御対象に対する制御を行う。言い換えれば、電力制御部4は、その位置における制御対象の電力使用状態を復元する。例えば、電力制御部4は、スリープ状態から復帰した位置における情報としてWiFi制御部5の機能のONの情報を取得した場合、WiFi制御部5に対して動作を開始するよう制御する。逆に、スリープ状態から復帰した位置における情報としてWiFi制御部5の機能のOFFの情報を取得した場合、WiFi制御部5に対して動作を停止するよう制御する。
【0029】
ここで、本実施例では、スリープ状態からの復帰をトリガとして電力使用状態の復元を行っているがこのトリガは他のタイミングを用いても良い。例えば、移動通信端末装置の電源の投入をトリガとしてもよいし、繰り替えし周期を予め決めておき、その周期毎に電力使用状態の復元を行ってもよい。これに対し、常に位置情報を取得して電力状態の復元を行う場合、その分の消費電力が膨らみ、逆に消費電力がかかってしまうおそれがある。この点、本実施例のように、所定のトリガを契機に位置情報の取得及び電力状態の復元を行うことで消費電力を抑えることができる。
【0030】
また、本実施例では、WiFi制御部5、Blutooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8を例に電力使用状態の復元を説明しているが、電力を使用して動作を行う機能を有していれば電力使用状態の復元対象とすることに特に制限はない。
【0031】
次に、図2を参照して、本実施例に係る移動通信端末装置における電力制御条件の登録処理の流れについて説明する。図2は、実施例1に係る移動通信端末装置における電力制御条件の登録処理のフローチャートである。
【0032】
操作者は、WiFi制御部5、Blutooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8のいずれの機能をON又はOFFさせるのかの指示を、キーパッドなどを用いて入力する(ステップS101)。入力制御部1は、操作者からの入力された機能のON/OFFの情報及びその制御対象の情報を電力制御部4へ出力する。
【0033】
電力制御部4は、操作者から機能のON/OFFの指示を受けた地点の位置情報を位置情報取得部2から取得する(ステップS102)。
【0034】
そして、電力制御部4は、操作者から機能のON/OFFの指示を受けた地点の位置情報に対応させて、電力使用状態の情報及び機能のON/OFFの対象の情報を条件記憶部3に記憶させ電力制御条件を登録する(ステップS103)。
【0035】
そして、電力制御部4は、操作者からの各部の機能のON/OFFの指示に応じて、指定された制御対象が動作するよう制御する(ステップS104)。
【0036】
次に、図3を参照して、本実施例に係る移動通信端末装置における電力使用状態の復元の処理の流れについて説明する。図3は、実施例1に係る移動通信端末装置における電力使用状態の復元の処理のフローチャートである。図3のフローは、移動通信端末装置が省電力モードで動作している状態から始まるものとする。
【0037】
電力制御部4は、操作者からの動作指示の入力を入力制御部1から受信する。その後、電力制御部4は、各部の動作を通常モードに切り替え、自装置をスリープ状態から復帰させる(ステップS201)。
【0038】
そして、電力制御部4は、スリープ状態から復帰した地点の位置情報を位置情報取得部2から取得する(ステップS202)。
【0039】
電力制御部4は、スリープ状態から復帰した地点の位置情報と一致する位置情報が条件記憶部3に記憶されている電力制御条件にあるか否かを判定する(ステップS203)。一致する電力制御条件がある場合(ステップS203肯定)、電力制御部4は、条件記憶部3に記憶されているスリープ状態から復帰した位置に対応する電力使用状態になるように、制御対象を制御する(ステップS204)。
【0040】
これに対して、一致する位置情報がない場合(ステップS203否定)、電力制御部4は、電力使用状態の復元を行わずに動作を終了する。その後、電力制御部4は、スリープ状態からの復帰が発生するまで待機し、スリープ状態からの復帰が発生すると、図3のフローチャートの処理を実行する。
【0041】
以上に説明したように、本実施例に係る移動通信端末装置は、各部の機能のON/OFFが行われた位置を自動的に記憶し、記憶している位置に移動通信端末装置がある場合、記憶している電力使用状態となるように各部を動作させる。したがって、各部の機能のON/OFFが行われた位置を自動的に記憶するので、利用者による明示的な電源制御の登録なしで電力制御条件が自動的に登録され、電力制御の自動的な学習が実現でき、操作者の手間を軽減できる。さらに、記憶している位置において記憶している電力使用状態となるように各部を動作させることで、操作者にとって不要と思われる機能の動作を抑えることができ、消費電力を効率よく低減することができる。
【0042】
また、自動的に電力制御条件を登録するので、登録のし忘れを防止することができ、実際の利用場所を網羅できる。また、実際の利用状況に基づいて電力制御条件を登録するので、実際の利用に対応した適切な電力制御を行うことができる。
【実施例2】
【0043】
図4は、実施例2及び実施例3に係る移動通信端末装置のブロック図である。図4に示すように、本実施例に係る移動通信端末装置は、実施例1に係る移動通信端末装置に動作監視部10をさらに加えたものである。
【0044】
入力制御部1、位置情報取得部2、WiFi制御部5、Bluetooth制御部6、3GNW制御部7、表示制御部8及び電力供給部9は、実施例1における各部と同様の機能を有するものであるので、ここでは説明を省略する。
【0045】
電力制御部4は、入力制御部1から動作指示の入力を受ける。そして、電力制御部4は、受信した動作指示に応じてWiFi制御部5、Bluetooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8を制御する。この動作指示には、例えば、各部の機能のON/OFFや各部に対する処理の実行命令などが含まれる。例えば、各部の機能のON/OFFの入力を受けた場合には、電力制御部4は、対応する機能を起動させる。
【0046】
また、電力制御部4は、予め決められた所定期間を動作制御の閾値として記憶している。そして、電力制御部4は、WiFi制御部5、Bluetooth制御部6、3GNW制御部7又は表示制御部8の動作情報を後述する動作監視部10から受信する。ここで、動作情報とは、例えば、WiFi制御部5、Bluetooth制御部6、3GNW制御部7又は表示制御部8における処理の実行情報である。例えば、WiFi制御部5がWiFiによる無線通信を行った場合、電力制御部4は、WiFi制御部5が処理を実行したという動作情報を動作監視部10から受信する。すなわち、電力制御部4は、動作情報を受信することで、各部が使用された否かを判定することができる。そして、電力制御部4は、動作監視部10から受信した動作情報を用いてWiFi制御部5、Bluetooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8のそれぞれの不使用状態の継続時間を計測する。そして、WiFi制御部5、Bluetooth制御部6、3GNW制御部7又は表示制御部8のうちのいずれかの不使用状態の継続時間が閾値を超えた場合、電力制御部4は、不使用状態の継続時間が閾値を超えた制御対象の機能のOFFを決定する。
【0047】
さらに、電力制御部4は、機能のOFFを決定した地点の位置情報を位置情報取得部2から取得する。
【0048】
そして、電力制御部4は、機能のOFFを決定した地点の位置情報に対応させて、機能OFFに対応する電力使用状態及び機能OFFの制御対象の情報を条件記憶部3に記憶させる。さらに、電力制御部4は、WiFi制御部5、Bluetooth制御部6、3GNW制御部7又は表示制御部8のうちの機能のOFFを決定した制御対象の動作を停止させるように制御する。
【0049】
また、電力制御部4は、実施例1と同様に、各部の動作状態に合わせて省電力モードになるように制御する。さらに、電力制御部4は、操作者からの動作指示の入力を受けて、省電力モードから通常モードに切り替わるように制御する。
【0050】
そして、電力制御部4は、スリープ状態から復帰した場合に、位置情報取得部2から受信した位置で条件記憶部3を検索し、スリープ状態から復帰した地点の位置情報に一致する電力制御条件が条件記憶部3に記憶されているか否かを判定する。スリープ状態から復帰した地点の位置情報に対応する電力制御条件が条件記憶部3に記憶されている場合には、電力制御部4は、スリープ状態から復帰した位置における電力使用状態の情報及びその制御対象を取得する。そして、電力制御部4は、取得した電力使用状態になるように制御対象に対して制御を行う。例えば、電力制御部4は、スリープ状態から復帰した位置における電力使用状態の情報としてWiFi制御部5のOFFを取得した場合、WiFi制御部5の動作を停止するよう制御する。
【0051】
動作監視部10は、WiFi制御部5、Bluetooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8の各部が、それぞれの処理を実行したか否かを判定する。例えば、動作監視部10は、実際の各部の動作を監視し、監視対象において予め決められた処理を実行したときに、その監視対象が処理を実行したと判定してもよい。また、例えば、動作監視部10は、操作者からの処理実行命令が各部に入力された場合に、処理を実行したと判定してもよい。
【0052】
そして、動作監視部10は、WiFi制御部5、Bluetooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8の動作情報を電力制御部4へ通知する。例えば、動作監視部10は、WiFi制御部5、Bluetooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8のうち処理を実行した制御対象があった場合、処理を実行した制御対象の情報を電力制御部4へ通知する。
【0053】
次に、図5を参照して、本実施例に係る移動通信端末装置の電力制御条件の登録処理の流れについて説明する。図5は、実施例2に係る移動通信端末装置の電力制御条件の登録処理のフローチャートである。
【0054】
動作監視部10は、WiFi制御部5、Bluetooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8における各部の動作を監視する(ステップS301)。そして、動作監視部10は、監視対象が処理を行ったことを電力制御部4へ通知する。
【0055】
電力制御部4は、WiFi制御部5、Bluetooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8のうち不使用の継続時間が閾値を超えたものがあるかを判定する(ステップS302)。電力制御部4が不使用の継続時間が閾値を超えたものが無いと判定した場合(ステップS302否定)、ステップS301へ戻る。
【0056】
これに対して、不使用の継続時間が閾値を超えたものがある場合(ステップS302肯定)、電力制御部4は、不使用の継続時間が閾値を超えた制御対象の機能のOFFを決定する(ステップS303)。
【0057】
そして、電力制御部4は、機能のOFFを決定した地点の位置情報を位置情報取得部2から取得する(ステップS304)。
【0058】
次に、電力制御部4は、機能のOFFを決定した地点の位置情報に対応させて、機能のOFFの対象の情報及び機能のOFFに対応する電力使用状態を条件記憶部3に記憶させ電力制御条件を登録する(ステップS305)。
【0059】
そして、電力制御部4から機能のOFFの制御を受けた制御対象は、自己の機能のOFFを実行し動作を停止する(ステップS306)。
【0060】
また、本実施例における電力制御条件を用いた電力制御部4による各部の制御の流れは実施例1において図3を用いて説明した流れと同様であるので、説明は省略する。
【0061】
以上に説明したように、本実施例に係る移動通信端末装置は、機能がONの状態で予め決められた所定期間不使用の状態が継続すると機能をOFFにすることを決定し、その位置と電力使用状態とを登録する。そして、本実施例に係る移動通信端末装置は、登録した位置において、登録してある電力使用状態になるように制御する。ある場所において一定期間機能を使用しないということは、その場所はその機能を使用しないまたはできない場所であると考えることができる。そこで、本実施例に係る移動通信端末装置は、特定の機能を使用しないもしくはできない場所を自動的に登録することができ、さらに、その場所において使用しない機能をOFFすることで無駄な消費電力を削減することができる。
【0062】
(変形例)
次に、実施例2に係る移動通信端末装置の変形例について説明する。実施例2では、制御対象のいずれかの不使用の継続時間が閾値を超えた場合に機能のOFFを決定した。これに対して、本変形例は、互いに代替可能な機能を有する2つの制御対象の双方が動作している状態で一方の不使用の継続時間が閾値を超えた場合に機能をOFFすることが実施例2と異なるものである。そこで以下では、機能のOFFの決定の動作について主に説明する。
【0063】
例えば、WiFi制御部5によるWiFiを用いた無線通信と3GNW制御部7による3G回線を用いた通信とは代替可能である。そこで、以下では、互いに代替可能な機能を有する2つの制御対象として、WiFi制御部5及び3GNW制御部7を例に説明する。
【0064】
電力制御部4は、WiFi制御部5又は3GNW制御部7に対する機能のON命令を入力制御部1から受信し、機能をONするよう制御した場合には、機能をONした制御対象が動作していると判定する。また、電力制御部4は、WiFi制御部5又は3GNW制御部7に対する機能のOFF命令を入力制御部1から受信し、機能をOFFするよう制御した場合には、機能をONした制御対象が動作していないと判定する。これらの判定を用いて、電力制御部4は、WiFi制御部5及び3GNW制御部7の双方が動作しているか否かを判定する。
【0065】
さらに、電力制御部4は、WiFi制御部5及び3GNW制御部7のそれぞれの動作情報を動作監視部10から受信する。
【0066】
そして、電力制御部4は、WiFi制御部5及び3GNW制御部7の双方が動作している状態で、いずれか一方の不使用の継続時間が閾値を超えるか否かを判定する。いずれか一方の不使用の継続時間が閾値を超える場合とは、例えば、閾値として10分を用いた場合、WiFi制御部5及び3GNW制御部7の双方の機能がONにも関わらず、3G回線のみで通信が10分間行われていた場合などである。
【0067】
電力制御部4は、いずれか一方の不使用の継続時間が閾値を超えた場合、使用していない側の機能のOFFを決定する。例えば、上記のようにWiFi制御部5及び3GNW制御部7の双方の機能がONにも関わらず、3G回線のみで通信が10分間行われていた場合には、電力制御部4は、WiFi制御部5の機能のOFFを決定する。
【0068】
さらに、電力制御部4は、機能のOFFを決定した時点での位置情報を位置情報取得部2から取得する。
【0069】
そして、電力制御部4は、機能のOFFを決定した地点の位置情報に対応させて、機能OFFに対応する電力使用状態及び機能OFFの制御対象の情報を条件記憶部3に記憶させることで電力制御条件を登録する。さらに、電力制御部4は、WiFi制御部5又は3GNW制御部7のうち機能のOFFを決定した方の動作を停止するように制御する。
【0070】
ここで、本変形例においても、登録した電力制御条件を用いた電力制御部4による制御は実施例2の場合と同様であるので説明を省略する。
【0071】
次に、図6を参照して、本変形例に係る移動通信端末装置の電力制御条件の登録処理の流れについて説明する。図6は、実施例2の変形例に係る移動通信端末装置の電力制御条件の登録処理のフローチャートである。
【0072】
動作監視部10は、WiFi制御部5、Bluetooth制御部6、3GNW制御部7及び表示制御部8における各部の動作を監視する(ステップS401)。そして、動作監視部10は、監視対象が処理を行ったことを電力制御部4へ通知する。
【0073】
電力制御部4は、WiFi制御部5が動作しているか否か、すなわちWiFi通信の機能がONとなっているか否かを判定する(ステップS402)。電力制御部4がWiFi通信の機能がOFFと判定した場合(ステップS402否定)、ステップS401へ戻る。
【0074】
これに対して、WiFi通信の機能がONの場合(ステップS402肯定)、電力制御部4は、3GNW制御部7が動作しているか否か、すなわち3G通信の機能がONとなっているか否かを判定する(ステップS403)。電力制御部4が3G通信の機能がOFFと判定した場合(ステップS403否定)、ステップS401に戻る。
【0075】
これに対して、3G通信の機能がONの場合(ステップS403肯定)、電力制御部4は、WiFi制御部5又は3GNW制御部7のいずれか一方の不使用の継続時間が閾値を超えたかを判定する(ステップS404)。電力制御部4が双方の不使用の継続時間が閾値を超えていないと判定した場合(ステップS404否定)、ステップS401に戻る。
【0076】
これに対して、いずれか一方の不使用の継続時間が閾値を超えている場合(ステップS404肯定)、電力制御部4は、不使用の継続時間が閾値を超えている側の機能のOFFを決定する(ステップS405)。
【0077】
そして、電力制御部4は、機能のOFFを決定した地点の位置情報を位置情報取得部2から取得する(ステップS406)。
【0078】
次に、電力制御部4は、機能のOFFを決定した地点の位置情報に対応させて、機能のOFFの対象の情報及び機能のOFFに対応する電力使用状態を条件記憶部3に記憶させ電力制御条件を登録する(ステップS407)。
【0079】
そして、電力制御部4から機能のOFFの制御を受けた制御対象は、自己の機能のOFFを実行し動作を停止する(ステップS408)。
【0080】
以上に説明したように、実施例2の変形例に係る移動通信端末装置は、互いの機能を代替できる2つの機能が動作している場合に、一方が予め決められた所定期間不使用の状態が継続すると機能をOFFにすることを決定し、その位置と電力使用状態とを登録する。互いの機能が代替できる2つの機能が動作している場合、一方の機能をOFFにしても他方で代替できるので、より安全に機能をOFFにすることができる。そこで、本変形例に係る移動通信端末装置は、安全を確保しながら機能をOFFして、無駄な消費電力を削減することができる。
【0081】
また、以上の実施例2及びその変形例において説明した機能は、実施例1の機能と組み合わせて使用することも可能である。組み合わせて使用した場合、より細やかな電源制御を行うことができる。
【実施例3】
【0082】
次に、実施例3に係る移動通信端末装置について説明する。本実施例にかかる移動通信端末装置の機能ブロックも図4のブロック図で表される。
【0083】
入力制御部1、位置情報取得部2、WiFi制御部5、Bluetooth制御部6、3GNW制御部7、表示制御部8及び電力供給部9は、実施例1における同様の機能を有するものであるので、ここでは説明を省略する。
【0084】
動作監視部10は、WiFi制御部5の動作を監視し、WiFi制御部5がWiFi通信の接続先であるアクセスポイントを検出した場合、アクセスポイント検出の情報を電力制御部4へ通知する。
【0085】
また、動作監視部10は、WiFi制御部5の動作を監視し、WiFi通信の接続状態を検出する。そして、動作監視部10は、検出したWiFi通信の接続状態の情報を電力制御部4へ通知する。
【0086】
電力制御部4は、WiFi制御部5によるアクセスポイントの検出の通知を動作監視部10から受ける。また、電力制御部4は、アクセスポイントの検出の通知を受けた地点の位置情報を位置情報取得部2から取得する。そして、電力制御部4は、アクセスポイントの検出の通知を受けた地点の位置情報を条件記憶部3に記憶させる。
【0087】
電力制御部4は、WiFi制御部5又は3GNW制御部7に対する機能のON命令を入力制御部1から受信し、機能をONするよう制御した場合には、機能をONした制御対象が動作していると判定する。また、電力制御部4は、WiFi制御部5又は3GNW制御部7に対する機能のOFF命令を入力制御部1から受信し、機能をOFFするよう制御した場合には、機能をONした制御対象が動作していないと判定する。これらの判定を用いて、電力制御部4は、WiFi制御部5及び3GNW制御部7の双方が動作しているか否かを判定する。
【0088】
また、電力制御部4は、WiFi通信の接続状態の情報を動作監視部10から受信する。そして、電力制御部4は、受信したWiFi通信の接続状態の情報から、WiFi通信が接続状態から非接続状態に変化したか否かを判定する。
【0089】
電力制御部4は、WiFi制御部5及び3GNW制御部7の双方が動作している場合又はWiFi通信が接続状態から非接続状態に変化した場合、そのときの地点の位置情報を位置情報取得部2から取得する。そして、電力制御部4は、取得した位置と条件記憶部3に記憶されているアクセスポイントの位置との距離を算出する。電力制御部4は、算出した距離が、予め決められた所定距離以内か否かを判定する。
【0090】
算出した距離が所定距離以内であれば、電力制御部4は、WiFi制御部5の機能をOFFにする。これに対して、算出した距離が所定距離より長ければ、電力制御部4は、WiFi制御部5の機能がONの状態を継続させる。
【0091】
次に、図7を参照して、本実施例に係る移動通信端末装置における電力使用状態の復元の処理の流れについて説明する。図7は、実施例3に係る移動通信端末装置における電力使用状態の復元の処理のフローチャートである。
【0092】
動作監視部10は、WiFi制御部5の動作を監視する(ステップS501)。そして、動作監視部10は、WiFi制御部5がWiFi通信の接続先であるアクセスポイントを検出した場合、アクセスポイント検出の情報を電力制御部4へ通知する。
【0093】
電力制御部4は、WiFi制御部5が動作しているか否か、すなわちWiFi通信の機能がONとなっているか否かを判定する(ステップS502)。電力制御部4がWiFi通信の機能がOFFと判定した場合(ステップS502否定)、ステップS501へ戻る。
【0094】
これに対して、WiFi通信の機能がONの場合(ステップS502肯定)、電力制御部4は、3GNW制御部7が動作しているか否か、すなわち3G通信の機能がONとなっているか否かを判定する(ステップS503)。3G通信の機能がOFFの場合(ステップS503否定)、電力制御部4は、WiFi通信が接続状態から非接続状態に移行したか否かを判定する(ステップS504)。電力制御部4がWiFi通信の接続状態から非接続状態への移行が発生して無いと判定した場合(ステップS504否定)、ステップS501へ戻る。
【0095】
3G通信の機能がONの場合(ステップS503肯定)又はWiFi通信が接続状態から非接続状態に移行した場合(ステップS504肯定)、電力制御部4は、現地点の位置情報を位置情報取得部2から取得する(ステップS505)。
【0096】
電力制御部4は、現地点の位置とアクセスポイントの位置との距離を算出する。そして、電力制御部4は、算出した距離が予め決められた所定距離以内か否かを判定する(ステップS506)。電力制御部4が、算出した距離が予め決められた所定距離以内であると判定した場合(ステップS506肯定)、ステップS501へ戻る。
【0097】
これに対して、算出した距離が予め決められた所定距離を超えている場合(ステップS506否定)、電力制御部4は、WiFi制御部5の機能をOFFにすることで、WiFi通信の動作を停止させる(ステップS507)。
【0098】
以上に説明したように、実施例3に係る移動通信端末装置は、WiFi通信と3G通信とが動作している場合又はWiFi通信が切断された場合に、WiFi通信のアクセスポイントからの距離が離れている場合には、WiFi通信の機能をOFFにする。WiFi通信と3G通信とが動作している場合、WiFi通信は3G通信により代替できる。そして、WiFi通信のアクセスポイントの通信圏外にある場合にはWiFi通信を動作させておく意味が無い。そこで、WiFi通信をOFFにすることで、安全に無駄な消費電力の削減を図ることができる。また、WiFi通信が切断された場合、通信圏外であればWiFi通信を起動させることは無駄であるが、通信圏内にもかかわらず電波状態で切断されることもありうる。そこで、通信圏外の場合にのみWiFi通信をOFFにすることで、WiFi通信を阻害せずに無駄な消費電力を削減することができる。
【0099】
ここで、WiFiなどの機能を間欠的に起動し、予め登録された接続相手を検出した場合に起動状態を継続し、接続相手を見失った場合に間欠起動状態にすることで、消費電力を抑える従来技術がある。しかし、この従来技術では、無線状態によって一時的に相手を見失った場合にも間欠起動状態になってしまい、再び相手を見つけるのに時間がかかってしまう。これに対して、本実施例に係る移動通信端末装置では、通信圏内であれば、WiFi通信のOFFは行わないので、無線状態が悪くて通信が一時不通になっても再び相手を探すことなく、再接続を迅速に行うことができる。
【0100】
ここで、実施例3において説明した機能は、実施例1、実施例2又は実施例2の変形例の機能と組み合わせて使用することも可能である。組み合わせて使用した場合、より細やかな電源制御を行うことができる。
【実施例4】
【0101】
次に、実施例4に係る移動通信端末装置について説明する。本実施例に係る移動通信端末装置の機能ブロックも図1のブロック図で表される。本実施例に係る移動通信端末装置は、位置情報として周辺雑音に基づく位置種別を用いることが実施例1と異なるものである。そこで、以下では、位置情報の取得及び取得した位置情報による電力制御について主に説明する。また、以下の説明において得に説明の無い限り実施例1と同じ符号を有する各部は同じ機能を有するものとする。
【0102】
位置情報取得部2は、ある地点における周辺雑音が無音状態であるか否かを判定する。さらに、位置情報取得部2は、周辺雑音が無音状態で無い場合、その地点における周辺雑音として特定周波数帯の音声強度及び音量変動を取得する。位置情報取得部2は、ある地点における周辺雑音の情報を電力制御部4に通知する。
【0103】
電力制御部4は、操作者による各部の機能のON又はOFFの入力を入力制御部1から受けた場合、そのON/OFFの入力を受けた地点における周辺雑音の情報を位置情報取得部2から受信する。そして、電力制御部4は、受信した周辺雑音から位置種別を判定する。例えば、無音状態であれば自宅であると判定する。また、PCなどのオフィス機器などの特徴的な環境雑音を有する場所であれば、特定周波数帯の音声強度に特徴があると考えられる。そこで、特定周波数帯の音声強度に特徴がある場合にはオフィスと判定する。さらに、電車の走行音などであれば、特定周波数帯の音量変動に特徴があると考えられる。そこで、特定周波数帯の音量変動に特徴がある場合には電車内と判定する。
【0104】
そして、電力制御部4は、ON/OFFの入力を受けた地点における位置種別に対応させて、機能のON/OFFの制御対象の情報および電力使用状態を条件記憶部3に記憶させることで電力制御条件を登録する。
【0105】
そして、電力制御部4は、スリープ状態から復帰したタイミングで、位置情報取得部2から周辺雑音の情報を取得する。さらに、電力制御部4は、取得した周辺雑音から現在の位置種別を判定する。そして、電力制御部4は、現在の位置種別と一致する位置種別の情報が条件記憶部3に登録されているか否かを判定する。現在の位置種別の情報と一致する情報が登録されている場合には、電力制御部4は、対応する電力使用状態になるように登録されている制御対象を制御する。
【0106】
例えば、自宅にいる場合には自宅のネットワーク環境に合わせて通信機能を操作するはずである。そこで、自宅の周辺雑音に合わせて機能のON/OFFを登録しておけば、自宅では自宅のネットワーク環境に合わせた機能のみを動作させることができ、無駄な消費電力を削減することができる。また、電車内ではすべての通信機能をOFFにすることが考えられる。そこで、電車の周辺雑音に合わせて機能のON/OFFを登録しておけば、通信機能のOFFを適切に行うことができ、無駄な消費電力を削減することができる。
【0107】
以上に説明したように、本実施例に係る移動通信端末装置は、周辺雑音を用いて位置種別を判定し、同じ位置種別の場所では同じ動作をするように制御ずる。これにより、例えGPSなどの位置情報を取得するための通信機器が使えないような状態であっても、その位置に応じた適切な電力制御を行うことができる。
【0108】
ここで、実施例4において説明した機能は、実施例1、実施例2、実施例2の変形例又は実施例3の機能と組み合わせて使用することも可能である。組み合わせて使用した場合、位置情報が取得できない場合でも電力制御を行うことができ、無駄な消費電力の削減をより適切に行うことができる。
【0109】
〔ハードウェア構成〕
図8は、移動通信端末のハードウェア構成図である。次に、図8を参照して、上述した実施例1〜実施例3における移動通信端末装置のハードウェア構成に付いて説明する。
【0110】
図8に示すように、移動通信端末装置は、ユーザインタフェース101、CPU(Central Processing Unit)102、記憶装置103、GPS104、Blutooth通信部105、WiFi通信部106、3G通信部107、LED(Light Emitting Diode)108、バッテリー109を有している。また、ユーザインタフェース101は、LCD(Liquid Crystal Display)111及び入力部112を有している。さらに、記憶装置103は、FROM(Flash Read Only Memory)131及びRAM(Random Access Memory)を有している。
【0111】
ユーザインタフェース101、記憶装置103、GPS104、Blutooth通信部105、WiFi通信部106、3G通信部107及びLED108はCPU102と接続されている。また、GPS104、Blutooth通信部105、WiFi通信部106、3G通信部107、LED108及びLCD111はバッテリー109と接続されており、バッテリー109からの電源の供給を受ける。
【0112】
例えば、GPS104及びCPU102により、図1における位置情報取得部2の機能を実現する。また、Bletooth通信部105及びCPU102により、図1におけるBluetooth制御部6の機能を実現する。また、WiFi通信部106及びCPU102により、図1におけるWiFi制御部5の機能を実現する。また、LCD111及びCPU102により、図1における表示制御部8の機能を実現する。また、バッテリー109は、図1における電力供給部9の機能を実現する。また、入力部112は、例えばキーパッドなどである。入力部112及びCPU102により、図1における入力制御部1の機能を実現する。
【0113】
そして、CPU102及び記憶装置103は、図1に示した電力制御部4等の機能を実現する。具体的には、FROM131は、図1に例示した電力制御部4などによる処理を実現する電力制御プログラムなどの各種プログラムを記憶している。そして、CPU102がこれらのプログラムを読み出して実行することで、上述の各機能を実現するプロセスを生成する。RAM132は、条件記憶部3の機能を実現する。具体的には、RAM132は、例えば、電力制御条件などを記憶する。
【0114】
また、実施例4の移動通信端末装置は、図8のGPS104に代えてマイクなどの周辺雑音収集器を有する。この場合、その周辺雑音収集器及びCPU102が、図1に示す位置情報取得部2の機能を有する。
【符号の説明】
【0115】
1 入力制御部
2 位置情報取得部
3 条件記憶部
4 電力制御部
5 WiFi制御部
6 Bluetooth制御部
7 3GNW(3rd Generation NetWork)制御部
8 表示制御部
9 電力供給部
10 動作監視部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
電力を供給する電力供給部と、
前記電力供給部から電力を使用して動作する、少なくとも無線通信を行う無線通信部を含む電力消費部と、
前記電力消費部の動作による電力使用状態に変更があった場合に、変更後の電力使用状態及び前記位置情報取得部により取得された位置情報を対応付けて記憶する条件記憶部と、
前記位置情報取得部により取得された位置情報が前記条件記憶部に記憶されている位置情報と一致した場合に、該位置情報に対応する電力使用状態となるように前記電力消費部を制御する電力制御部と
を備えたことを特徴とする移動通信端末装置。
【請求項2】
前記条件記憶部は、前記電力消費部に対する動作の開始指示及び停止指示のいずれかを受けた場合を、動作による電力使用状態に変更があった場合とすることを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末装置。
【請求項3】
前記電力消費部による動作状態を監視し、該動作状態を前記制御部に通知する動作監視部をさらに備え、
前記電力制御部は、前記動作監視部から受信した前記動作状態が所定条件を満たした場合に電力使用状態を変更するよう前記電力消費部を制御し、
前記条件記憶部は、前記電力制御部により変更された電力使用状態及び前記電力制御部により電力使用状態が変更された地点の位置情報を対応付けて記憶する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動通信端末装置。
【請求項4】
前記無線通信部は、移動体通信網を用いた無線通信を行う第1無線通信部及びインターネットを用いた無線通信を行う第2無線通信部を備え、
前記第1無線通信部又は前記第2無線通信部のいずれか一方もしくは双方同時に動作し、
前記電力制御部は、前記第1無線通信部及び前記第2無線通信部の双方が動作している状態で、前記第1無線通信部及び前記第2無線通信部のいずれか一方が所定期間動作していないことを前記動作監視部の情報を基に検出した場合に前記所定条件を満たしたと判定し、前記一方の動作を停止するよう制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の移動通信端末装置。
【請求項5】
前記条件記憶部は、前記無線通信部が特定の接続先を検出した地点の位置情報をさらに記憶し、
前記電力制御部は、前記無線通信部による通信が前記特定の接続先との通信ができなくなった場合、通信ができなくなった位置が、前記条件記憶部に記憶されている前記無線通信部が前記特定の接続先を検出した位置から所定距離より離れていれば前記無線通信部の動作を停止し、前記所定距離以内であれば前記無線通信部を動作させるよう制御する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の移動通信端末装置。
【請求項6】
前記無線通信部は、インターネットを用いた無線通信を行う第1無線通信部及び移動体通信網を用いた無線通信を行う第1無線通信部を備え、
前記第1無線通信部又は前記第2無線通信部のいずれか一方もしくは双方同時に動作し、
前記条件記憶部は、前記第1無線通信部が特定の接続先を検出した地点の位置情報を記憶し、
前記電力制御部は、前記第1無線通信部及び前記第2無線通信部の双方同時に動作させる指示を受けた場合に、通信ができなくなった位置が、前記条件記憶部に記憶されている前記第1無線通信部が特定の接続先を検出したときの位置から前記所定距離より離れていれば前記第1無線通信部の動作を停止し、前記所定距離以内であれば前記第1無線通信部を動作させるよう制御する
ことを特徴とする請求項5に記載の移動通信端末装置。
【請求項7】
前記電力制御部は、一定期間からの前記電力消費部に対する動作指示の入力を受けない場合、電力の供給量を抑える省電力モードで前記電力消費部を制御し、前記省電力モードの状態で前記電力消費部に対する動作指示の入力を受けると前記省電力モードを解除するよう前記電力消費部を制御し、前記省電力モードを解除したときに、前記前記位置情報取得部により取得された位置情報が前記条件記憶部に記憶されている位置情報と一致するか否かを判定することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一つに記載の移動通信端末装置。
【請求項8】
前記位置情報取得部は、前記位置情報として自装置の周辺雑音を収集し、収集した前記周辺雑音を基に周辺雑音分析を行い位置種別を判定し、判定した位置種別を前記位置情報として取得することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一つに記載の移動通信端末装置。
【請求項9】
前記第1無線通信部は、WiFiによる通信を行い、前記第2無線通信部は、3G通信による通信を行うことを特徴とする請求項4又は請求項6に記載の移動通信端末装置。
【請求項10】
自装置の位置情報を取得し、
少なくとも無線通信を含む電力を消費する動作による電力使用状態に変更があった場合、変更後の電力使用状態及び前記位置情報を対応付けて記憶し、
自装置の位置情報が記憶している位置情報と一致した場合に、該位置に対応する電力使用状態となるように自装置を制御する
ことを特徴とする移動通信端末装置制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−249102(P2012−249102A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119622(P2011−119622)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】