説明

移動通信装置、プログラム及び周辺情報出力方法

【課題】ユーザの位置情報を検出して、ユーザが必要な情報を選択して出力することができる移動通信装置、プログラム及び周辺情報出力方法を提供すること
【解決手段】本発明にかかる移動通信装置10は、ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部11、を備えている。さらに、ユーザの現在の移動手段を特定する移動手段特定部12を備えている。さらに、位置情報取得部11により取得されたユーザの位置周辺の周辺情報のうち、ユーザの現在の移動手段を特定する移動手段特定部12により特定された移動手段、に対応付けられた周辺情報をユーザへ出力する周辺情報出力部13、を備えるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動通信装置、プログラム及び周辺情報出力方法に関し、特に位置情報を用いた移動通信装置、プログラム及び周辺情報出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、位置情報を利用した情報配信サービスは、ユーザの滞在する位置に応じて、その位置に関連する情報を、ネットワークを介して配信することにより実現されている。この時、ユーザの位置は、主にGPS(Global Positioning System)を用いて取得される。例えば、地図と連動した情報配信サービスでは、ユーザの滞在する位置を地図上に表示し、その位置周辺に存在する飲食店等の店舗を地図上に表示する。また、携帯端末を用いた情報配信サービスでは、ユーザが特定の位置へ移動した場合に、その位置周辺に存在する飲食店等の情報を、移動通信ネットワークを介して、携帯端末に送信することにより、ユーザは現在位置周辺の情報を得ることができる。
【0003】
ここで、情報配信サービスの実現方法について、特許文献1を用いて説明する。特許文献1には、旅行者の行程表を基にして、旅行の途中で必要な情報を旅行者に配信する技術が開示されている。具体的には、情報配信者事業者は、旅行の途中に立ち寄る場所へ到着する時間と、その時間に配信するデータを特定したスケジュールテーブルを作成する。コンピュータは、このスケジュールテーブルの時間を検出し、その時間に特定されている配信データを、ネットワークを介して旅行者の無線端末へ配信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−297136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術を用いて、旅行の途中に立ち寄る場所周辺の情報が配信されたとしても、例えばユーザが徒歩で移動している最中に、その情報に示された場所が、実際には徒歩にて訪れることができない場所であったり、また電車で移動している最中に、駅から離れた場所の情報が配信されたりして、実際にはユーザにとって不要な情報が配信されることがあるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、ユーザの移動手段に応じて、ユーザにとって必要な情報を収集することができる移動通信装置、プログラム及び周辺情報出力方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様にかかる移動通信装置は、ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部と、前記ユーザの現在の移動手段を特定する移動手段特定部と、前記ユーザの位置周辺の周辺情報のうち、前記特定された移動手段に対応付けられた周辺情報を前記ユーザへ出力する周辺情報出力部と、を備えるものである。
【0008】
本発明の第2の態様にかかるプログラムは、ユーザが滞在する現在位置周辺の周辺情報のうち、前記ユーザの現在の移動手段に対応付けられた前記周辺情報を、前記ユーザへ出力するステップをコンピュータに実行させるものである。
【0009】
本発明の第3の態様にかかる周辺情報出力方法は、ユーザの位置情報を取得するステップと、前記ユーザの現在の移動手段を特定するステップと、前記ユーザの位置周辺の周辺情報のうち、前記特定された移動手段に対応付けられた周辺情報を前記ユーザへ出力するステップと、を備えるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、ユーザの移動手段に応じて、ユーザにとって必要な情報を収集することができる移動通信装置、プログラム及び周辺情報出力方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態1にかかる移動通信装置の構成図である。
【図2】実施の形態1にかかる移動通信装置の構成図である。
【図3】実施の形態1にかかる周辺情報出力部において管理データの種類を示めす図である。
【図4】実施の形態1にかかる周辺情報を出力に関するフローチャートである。
【図5】実施の形態2にかかる移動通信装置の構成図である。
【図6】実施の形態2にかかるシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1を用いて本発明の移動通信装置の構成例について説明する。移動通信装置10は、位置情報取得部11と、移動手段特定部12と、周辺情報出力部13とを備えている。また、周辺情報出力部13は、周辺情報データベース20と接続されている。
【0013】
位置情報取得部11は、移動通信装置10を保持しているユーザの位置情報を取得する。位置情報取得部11は、位置情報として主にGPS情報を取得し、ユーザの位置を特定する。GPS情報は、緯度情報及び経度情報により構成される。位置情報取得部11は、取得したGPS情報を当該GPS情報に対応する住所情報に変換もしくは生成してもよい。GPS情報から住所情報への変換もしくは生成は、GPS情報に住所情報が対応付けられたデータベースを用いて行われる。このようなデータベースは、移動通信装置10の外部に配置される外部装置に保持されてもよく、移動通信装置10内に保持されてもよい。位置情報取得部11は、GPS情報もしくは住所情報を周辺情報出力部13へ出力する。
【0014】
移動手段特定部12は、ユーザが移動に用いている移動手段を特定する。移動手段特定部12は、移動手段として例えば、徒歩、自転車、車又は電車等を特定する。移動手段特定部12は、所定の周期によりユーザの移動手段を特定してもよく、ユーザの移動手段の特定に用いられる情報が変更されたことを契機に、移動手段を特定してもよい。移動手段特定部12は、特定した移動手段に関する情報を周辺情報出力部13へ出力する。
【0015】
周辺情報出力部13は、周辺情報データベース20を用いて、位置情報取得部11から取得した位置情報の周辺情報を抽出する。周辺情報とは、例えば飲食店の所在地に関する情報や、映画館等の娯楽施設に関する情報である。また、周辺情報には、ユーザの移動手段が対応付けられている。例えば、駅から離れており、駐車場のある飲食店等に来店する場合、ユーザは車で来店することが適しているため、移動手段として車が対応付けられている。また、駅構内においてサービスを提供している飲食店等に来店する場合には、ユーザは電車にて移動をすることにより来店することが適しているため、移動手段として電車が対応付けられている。
【0016】
周辺情報出力部13は、取得した周辺情報の中から、移動手段特定部12により特定された移動手段に対応付けられた周辺情報を抽出し、移動通信装置10の表示画面(図示せず)等に出力する。
【0017】
上述した例においては、周辺情報出力部13は、周辺情報データベース20を用いて位置情報に対応付けられた周辺情報を取得し、その中から移動手段特定部12により特定された移動手段に対応付けられている周辺情報を抽出したが、周辺情報出力部13は、位置情報と特定された移動手段情報とを用いて、周辺情報データベース20から直接、特定された移動手段に対応付けられた周辺情報を取得してもよい。
【0018】
以上説明したように、本発明の実施の形態1にかかる移動通信装置を用いることにより、ユーザの滞在する位置周辺の情報のうち、ユーザの移動手段に適した周辺情報のみを抽出することができるため、ユーザにとっては必要な情報のみを確認することができる。
【0019】
続いて、図2を用いて本発明の実施の形態1にかかる移動通信装置の詳細な構成例について説明する。移動通信装置10は、位置情報取得部11と、移動手段特定部12と、周辺情報出力部13と、駅構内入退場履歴記録部14と、高速道路入退場履歴記録部15と、個人属性情報データベース16と、を備えている。位置情報取得部11と、移動手段特定部12と、周辺情報出力部13とは、図1と異なる構成及び機能について説明し、重複する内容の説明は省略する。また、移動通信装置10は、周辺情報データベース20及び気象情報データベース30と接続されている。
【0020】
はじめに、移動手段特定部12における移動手段の特定処理について説明する。移動手段特定部12は、位置情報取得部11からそれぞれのGPS情報を取得した時間情報を取得する。さらに、位置情報取得部11から取得したGPS情報から、ユーザの移動距離を算出する。位置情報取得部11は、GPS情報を取得した時間情報と、算出された移動距離とから、ユーザの移動速度を算出することができる。これより、ユーザの移動速度が所定の速度を上回る場合に車両を用いて移動していることを特定し、所定の速度を下回る場合に徒歩により移動していることを特定することができる。例えば、時速3km以下であれば、徒歩による移動と判定し、時速3km以上、10km以下であれば、自転車による移動と判定し、時速10km以上であれば自動車による移動と判定してもよい。判定に用いられる移動速度は、適宜変更することができる。また、特定される車両には、上述した自転車及び自動車以外にも、自動二輪車、電車等も含まれる。
【0021】
次に、移動手段として電車の特定処理について説明する。駅構内入退場履歴記録部14は、非接触型IC(Integrated Circuit)チップにより構成されている。駅構内入退場履歴記録部14は、駅の改札に設置されている読取装置と通信を行うことにより、駅構内への入場及び駅構内からの退場履歴が記録される。駅構内入退場履歴記録部14は、駅構内への入場及び駅構内からの退場履歴を、移動手段特定部12へ出力する。
【0022】
移動手段特定部12は、駅構内入退場履歴記録部14から入場履歴を取得した場合、移動手段として電車を特定する。この時、移動手段特定部12は、移動速度による移動手段の判定よりも駅構内入退場履歴記録部14から取得した入場履歴に基づいた移動手段の特定処理を優先する。また、移動手段特定部12は、駅構内入退場履歴記録部14から退場履歴を取得した場合、移動手段を電車以外の移動手段であると判定することができ、移動速度による移動手段の判定を実施する。
【0023】
また、移動手段特定部12は、高速道路入退場履歴記録部15を用いることにより、移動手段として車を用いている場合に、高速道路を走行しているか否かを判定することができる。車が高速道路を走行する場合に、ETC(Electronic Toll Collection)システムを用いることにより、高速道路への入場もしくは高速道路からの退場をETC車載器へ登録することができる。高速道路入退場履歴記録部15は、ETC車載器に記録された高速道路への入場及び高速道路からの退場履歴を取得する。高速道路入退場履歴記録部15とECT車載器とが通信する方法は、ケーブルを介した有線通信でもよく、無線による通信を行ってもよい。高速道路入退場履歴記録部15は、入場及び退場履歴を移動手段特定部12へ出力することにより、移動手段特定部12は、ユーザが高速道路上を走行しているか一般道路を走行しているかを判定することができる。
【0024】
移動手段特定部12は、特定した移動手段に関する情報及び走行している道路種別を周辺情報出力部13へ出力する。周辺情報出力部13は、位置情報取得部11から取得する位置情報と、移動手段特定部12から取得する移動手段情報及び道路種別情報とを用いて、出力する情報を選択する。ここで、図3を用いて、周辺情報出力部13において抽出する周辺情報について説明する。
【0025】
周辺情報出力部13は、位置情報取得部11から出力される位置情報に基づいて、その位置周辺の情報を周辺情報データベース20から取得する。図3においては、住所A周辺の情報として、「○○サービスエリア Aレストランメニュー画像」と、「○○サービスエリア Bレストランメニュー画像」と、「映画××の予告編」と、「映画△△の予告編」とが抽出されている。続いて、移動手段特定部12からユーザの移動手段が車でありかつ高速道路以外、つまり一般道路を走行している場合には、2件の映画に関する予告編が出力候補として抽出される。
【0026】
周辺情報出力部13は、抽出した2件の映画に関する予告編を出力してもよく、また、個人属性情報データベース16に登録されているユーザの性別情報を用いて出力する情報を選択してもよい。例えば、ユーザが女性である場合に、「映画××の予告編」を上映する映画館に「レディースデー割引」があることが関連付けられている場合、周辺情報出力部13は、「映画××の予告編」を優先的に選択して出力する。周辺情報出力部13は、このように個人属性情報を用いて、さらに出力する情報を選択してもよい。個人属性情報データベース16には、性別情報のほかに、年齢情報、個人の嗜好情報等がさらに保持されていてもよい。また、図2においては、個人属性情報データベース16は、移動通信装置10内に保持されているが、移動通信装置10の外部に配置される外部装置に保持されてもよい。
【0027】
さらに、周辺情報出力部13は、周辺情報を出力する時間が指定されている場合には、移動通信装置10の内部に設けられているクロック等から時間情報を取得し、指定されている時間に該当するか否かを判定し、周辺情報を出力してもよい。
【0028】
また、周辺情報出力部13は、さらに気象情報データベース30を用いて出力する情報を選択してもよい。例えば、ユーザの移動手段が車でありかつ高速道路を走行している場合に、Aレストラン及びBレストランのメニュー画像が抽出される。ここで、周辺情報出力部13は、気象情報データベース30から現在の天気として「雨」との情報を取得した場合、雨の日割引を実施しているAレストランのメニュー画像を選択して出力してもよい。図2においては、気象情報データベース30は、移動通信装置10の外部に配置される外部装置に保持されているが、移動通信装置10内に保持されてもよい。
【0029】
続いて、図4を用いて本発明の実施の形態1にかかる周辺情報の選択処理の流れについて説明する。はじめに、位置情報取得部11は、位置情報としてGPS情報を取得する(S11)。次に、周辺情報出力部13は、周辺情報データベース20から、位置情報取得部11が取得した位置情報周辺の情報を取得する(S12)。これにより、図3において説明した情報管理テーブルが得られる。
【0030】
次に、移動手段特定部12は、ユーザの移動手段を特定する(S13)。移動手段特定部12は、ユーザの移動速度から例えば、徒歩、車又は電車等の移動手段を特定する。次に、周辺情報出力部13は、周辺情報データベース20から取得した周辺情報に、移動手段特定部12において特定された移動手段に対応付けられた周辺情報があるか否かを判定する(S14)。特定された移動手段に対応付けられた周辺情報がない場合、周辺情報を出力せずに処理を終了する。特定された移動手段に対応付けられた周辺情報がある場合、該当する周辺情報を抽出する(S15)。
【0031】
次に、周辺情報出力部13は、複数の周辺情報が抽出されたか否かを判定する(S16)。周辺情報出力部13は、複数の周辺情報が抽出されたと判定した場合、個人属性情報データベース16から個人属性情報を取得し、又は、気象情報データベース30から気象情報を取得し、複数の周辺情報の中から取得した個人属性情報又は気象情報に該当する周辺情報を選択する(S17)。周辺情報出力部13は、選択した周辺情報を出力する(S18)。
【0032】
また、ステップS16において、周辺情報が1つのみ抽出された場合、周辺情報出力部13は、抽出された周辺情報を出力する(S18)。
【0033】
以上説明したように、本発明の実施の形態1にかかる移動通信装置を用いることにより、ユーザの滞在する位置周辺の情報のすべてをユーザに対して出力するのではなく、ユーザが用いる移動手段に応じて、必要な周辺情報を選択して出力することができる。さらに、個人属性情報又は気象情報を用いることにより、ユーザへ出力する周辺情報を選択することができるため、よりユーザに必要な周辺情報を選択して出力することができる。
【0034】
(実施の形態2)
続いて、図5を用いて本発明の実施の形態2にかかる移動通信装置の構成例について説明する。移動通信装置40は、位置情報取得部41と、移動手段特定部42と、周辺情報出力部43と、駅構内入退場履歴記録部44と、高速道路入退場履歴記録部45と、個人属性情報データベース46と、ルート関連情報取得部47と、を備えている。なお、ルート関連情報取得部47以外の構成は、図2と同様であるため、詳細な説明を省略する。また、移動通信装置40は、ルート関連情報データベース50と接続されている。
【0035】
ルート関連情報取得部47は、ユーザから入力される出発地と目的地とに関する情報をルート関連情報データベース50へ出力し、ルート関連情報データベース50から、出発地から目的地までのルート情報と、当該ルートを移動する際に経由する経由地の周辺情報とを取得する。ルート関連情報取得部47は、取得したルート情報と周辺情報とを周辺情報出力部43へ出力する。もしくは、ルート関連情報取得部47は、取得したルート情報と周辺情報とをメモリ(図示せず)に記録し、周辺情報出力部43は、メモリから適宜情報を抽出する。
【0036】
周辺情報出力部43は、位置情報取得部41から取得した位置情報がルート関連情報取得部47から取得したルートにおける経由地の近傍にあることを検出した場合、経由地周辺の周辺情報を出力する。周辺情報出力部43は、あらかじめルート関連情報取得部47によって取得された周辺情報の中から、ユーザに適した周辺情報を出力するために、本発明の実施の形態1と同様に、ユーザの移動手段を特定し、特定された移動手段に応じた周辺情報を選択して、出力する。
【0037】
続いて、図6を用いて本発明の実施の形態2にかかるシステム構成例とサービス例について説明する。はじめに、移動通信装置40を保持するユーザは、移動通信装置40に出発地と目的地とを入力し、ルート検索サーバ51へ送信する。ルート検索サーバ51は、ユーザにより入力された出発地と目的地とから、目的地までのルートを設定し、移動通信装置40へ送信する。また、ルート検索サーバ51は、設定したルート情報をルート関連情報データベース50へ出力する。ルート関連情報データベース50は、ルート検索サーバ51から取得したルートが経由する経由地の周辺情報を移動通信装置40へ送信する。ユーザは、移動通信装置40がルート情報と、周辺情報とを取得した後に、設定されたルートに沿って移動を開始する。ここで、上述した例においては、ルート検索サーバ51とルート関連情報データベース50とが異なる装置であるとして説明したが、ルート関連情報データベース50にルートを設定する機能が設けられることにより、1つのサーバにて実現されてもよい。
【0038】
次に、ユーザが移動を開始し、移動通信装置40と、GPS衛星60とを用いて、ルートに設定された経由地の近傍に移動したことが検出された場合、周辺情報出力部43は、経由地に関連付けられた周辺情報を抽出し、さらに移動手段特定部42において特定された移動手段に対応付けられている周辺情報を選択し、出力する。ここで、本発明の実施の形態1において説明したように、個人属性情報データベース16又は気象情報データベース30を用いてさらに出力する情報を選択してもよい。
【0039】
以上説明したように、本発明の実施の形態2にかかる移動通信装置40を用いることにより、事前に目的地までのルートが設定され、ルート上において経由する経由地の周辺情報を取得することができる。経由地の近傍に移動した場合にネットワークを介して周辺情報を取得する場合には、周辺情報のデータ容量が大きいとデータの取得に時間がかかり、経由地を過ぎた後に、周辺情報の取得が完了することもある。本発明の実施の形態2にかかる移動通信装置をもちいることにより、経由地の近傍に移動した際に、移動通信装置内に保存されている周辺情報を即座に出力することができるため、上述したような問題は起こらない。
【0040】
また、上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。この場合、コンピュータプログラムは、記録媒体に記録して提供することも可能であり、また、インターネットその他の通信媒体を介して伝送することにより提供することも可能である。また、記憶媒体には、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等が含まれる。また、通信媒体には、電話回線等の有線通信媒体、マイクロ波回線等の無線通信媒体等が含まれる。
【0041】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下には限られない。
【0042】
(付記1)ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部と、前記ユーザの現在の移動手段を特定する移動手段特定部と、前記ユーザの位置周辺の周辺情報のうち、前記移動手段特定部に特定された移動手段に対応付けられた周辺情報を前記ユーザへ出力する周辺情報出力部と、を備える移動通信装置。
【0043】
(付記2)前記周辺情報出力部は、前記特定された移動手段に対応付けられた複数の前記周辺情報がある場合に、前記ユーザの個人属性情報又は気象情報を用いて前記ユーザへ出力する周辺情報を選択する、付記1に記載の移動通信装置。
【0044】
(付記3)前記移動手段特定部は、前記位置情報取得部により前記ユーザの位置情報が取得された時間情報と、前記ユーザが移動した移動距離とに基づいて、前記ユーザの移動速度を測定し、前記測定されたユーザの移動速度が所定の速度を上回る場合に車を用いて移動していることを特定し、所定の速度を下回る場合に徒歩により移動していることを特定する、付記1又は2に記載の移動通信装置。
【0045】
(付記4)駅構内への入場を検出する駅構内入場履歴記録部をさらに備え、前記移動手段特定部は、前記駅構内入場履歴記録部により、駅構内への入場が検出された場合に前記ユーザが電車を用いて移動していることを特定する、付記1乃至3のいずれか1項に記載の移動通信装置。
【0046】
(付記5)前記移動手段特定部によりユーザが車を用いて移動していると特定された場合に、高速道路の料金所に配置されているゲートの通過を検出し、前記ユーザが高速道路上を通行しているか否かを判定する高速道路入退場履歴記録部をさらに備え、前記周辺情報出力部は、前記高速道路入退場履歴記録部の判定結果を用いて、前記ユーザへ出力する周辺情報を選択する、付記3又は4に記載の移動通信装置。
【0047】
(付記6)前記個人属性情報は、前記ユーザの性別、年齢又は嗜好情報が含まれる、付記2に記載の移動通信装置。
【0048】
(付記7)前記ユーザから入力された出発地と目的地との情報に応じて設定されたルートと、当該ルートを移動する際に経由する経由地と、を取得するルート関連情報取得部をさらに備え、前記周辺情報出力部は、前記設定されたルートに沿って移動しているユーザが、前記経由地の近傍に移動した際に当該経由地に関連付けられた周辺情報のうち、前記特定された移動手段に対応付けられた前記周辺情報を前記ユーザへ出力する付記1乃至6のいずれか1項に記載の移動通信装置。
【0049】
(付記8)前記ルート関連情報取得部は、
前記設定されたルートと前記経由地を取得するともに、前記ユーザが設定されたルートに沿って移動する前に、前記経由地に関連付けられた周辺情報をあわせて取得する請求項8に記載の移動通信装置。
【0050】
(付記9)ユーザが滞在する現在位置周辺の周辺情報のうち、前記ユーザの現在の移動手段に対応付けられた前記周辺情報を、前記ユーザへ出力するステップをコンピュータに実行させるプログラム。
【0051】
(付記10)ユーザの位置情報を取得するステップと、
前記ユーザの現在の移動手段を特定するステップと、
前記ユーザの位置周辺の周辺情報のうち、前記特定された移動手段に対応付けられた周辺情報を前記ユーザへ出力するステップと、を備える周辺情報出力方法。
【0052】
(付記11)ユーザから入力された出発地と目的地との情報に応じて設定されたルートを移動する際に経由する経由地の周辺情報と前記ユーザの移動手段とが対応付けられたルート関連情報を取得するステップと、前記設定されたルートに沿って移動するユーザの位置情報を取得するステップと、前記ユーザが移動に用いる移動手段を特定するステップと、前記ユーザが、前記ルート情報取得部により取得された経由地の近傍に移動した際に、前記特定された移動手段に対応付けられた前記周辺情報を前記ユーザへ出力するステップとを備える周辺情報出力方法。
【0053】
(付記12)ユーザから入力された出発地と目的地との情報に応じて設定されたルートを取得するステップと、前記設定されたルートに沿って移動するユーザの位置情報を取得するステップと、前記ユーザが移動に用いる移動手段を特定するステップと、前記ユーザが前記設定されたルートにおける経由地の近傍に移動したことを検出するステップと、前記経由地の周辺情報と前記ユーザの移動手段とが対応付けられたルート関連情報を取得するステップと、前記特定された移動手段に対応付けられた前記周辺情報を前記ユーザへ出力するステップと、を備える周辺情報出力方法
【0054】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0055】
10 移動通信装置
11 位置情報取得部
12 移動手段特定部
13 周辺情報出力部
14 駅構内入退場履歴記録部
15 高速道路入退場履歴記録部
16 個人属性情報データベース
20 周辺情報データベース
30 気象情報データベース
40 移動通信装置
41 位置情報取得部
42 移動手段特定部
43 周辺情報出力部
44 駅構内入退場履歴記録部
45 高速道路入退場履歴記録部
46 個人属性情報データベース
47 ルート関連情報取得部
50 ルート関連情報データベース
51 ルート検索サーバ
60 GPS衛星

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記ユーザの現在の移動手段を特定する移動手段特定部と、
前記ユーザの位置周辺の周辺情報のうち、前記移動手段特定部に特定された移動手段に対応付けられた周辺情報を前記ユーザへ出力する周辺情報出力部と、を備える移動通信装置。
【請求項2】
前記周辺情報出力部は、
前記特定された移動手段に対応付けられた複数の前記周辺情報がある場合に、前記ユーザの個人属性情報又は気象情報を用いて前記ユーザへ出力する周辺情報を選択する、請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項3】
前記移動手段特定部は、
前記位置情報取得部により前記ユーザの位置情報が取得された時間情報と、前記ユーザが移動した移動距離とに基づいて、前記ユーザの移動速度を測定し、
前記測定されたユーザの移動速度が所定の速度を上回る場合に車両を用いて移動していることを特定し、所定の速度を下回る場合に徒歩により移動していることを特定する、請求項1又は2に記載の移動通信装置。
【請求項4】
駅構内への入場を検出する駅構内入場履歴記録部をさらに備え、
前記移動手段特定部は、
前記駅構内入場履歴記録部により、駅構内への入場が検出された場合に前記ユーザが電車を用いて移動していることを特定する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の移動通信装置。
【請求項5】
前記移動手段特定部によりユーザが車を用いて移動していると特定された場合に、高速道路の料金所に配置されているゲートの通過を検出し、前記ユーザが高速道路上を通行しているか否かを判定する高速道路入退場履歴記録部をさらに備え、
前記周辺情報出力部は、
前記高速道路入退場履歴記録部の判定結果を用いて、前記ユーザへ出力する周辺情報を選択する、請求項3又は4に記載の移動通信装置。
【請求項6】
前記個人属性情報は、前記ユーザの性別、年齢又は嗜好情報を含む、請求項2に記載の移動通信装置。
【請求項7】
前記ユーザから入力された出発地と目的地との情報に応じて設定されたルートと、当該ルートを移動する際に経由する経由地と、を取得するルート関連情報取得部をさらに備え、
前記周辺情報出力部は、
前記設定されたルートに沿って移動しているユーザが、前記経由地の近傍に移動した際に当該経由地に関連付けられた周辺情報のうち、前記特定された移動手段に対応付けられた前記周辺情報を前記ユーザへ出力する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の移動通信装置。
【請求項8】
前記周辺情報出力部は、
前記ユーザが設定されたルートに沿って移動する前に、前記経由地に関連付けられた周辺情報を取得する請求項7に記載の移動通信装置。
【請求項9】
ユーザが滞在する現在位置周辺の周辺情報のうち、前記ユーザの現在の移動手段に対応付けられた前記周辺情報を、前記ユーザへ出力するステップをコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
ユーザの位置情報を取得するステップと、
前記ユーザの現在の移動手段を特定するステップと、
前記ユーザの位置周辺の周辺情報のうち、前記特定された移動手段に対応付けられた周辺情報を前記ユーザへ出力するステップと、を備える周辺情報出力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−182247(P2011−182247A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45584(P2010−45584)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】