説明

移植可能医療デバイスの縫いつけコンポーネント

移植(インプラント)可能な電子モジュールおよび組織インターフェイスを備えるアクティブ移植可能医療デバイス(AIMD)が提供される。少なくとも一つの電子モジュールおよび組織インターフェイスは、非導電性で、生体適合性をもち、針を通すベースを備え、このベースには、一つまたは複数の生体適合性の導電性フィラメントのより線が縫いつけられている。導電性フィラメントをベースに縫いつけるとは、フィラメントを手または機械の針仕事でベースに縫製その他により固定することをいう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アクティブな移植可能医療デバイス(AIMD, active implantable medical device)に関係し、より具体的にはAIMDの縫いつけされたコンポーネントに関する。
【背景技術】
【0002】
この出願は、オーストラリア国における仮特許出願第2009901533号(出願日:2009年4月8日)の優先権を主張する。
【0003】
ここでアクティブな移植可能医療デバイス(AIMD)と呼ぶ一つまたは複数のアクティブな移植可能コンポーネントをもつ医療デバイスは、近年患者に広範囲の治療上の利益をもたらしている。AIMDは、移植可能な気密封止された電子モジュール(複合部品)、および患者の組織との接続(インターフェイス)をする、組織インターフェイスと呼ばれることのあるデバイスを含む。組織インターフェイスは、永久的または一時的に患者に移植される、たとえば、一つまたは複数の機器、装置、センサーその他の機能コンポーネントを含むことができる。組織インターフェイスは、たとえば、病気または怪我を診断し、監視し、もしくは治療し、または患者の解剖構造的または生理学的プロセスを修正するために使われる。
【0004】
特定の応用では、AID組織インターフェイスは、電極と呼ばれる一つまたは複数の電気接点を備えており、電極は電気的刺激信号を患者の組織に送り、または患者の組織から信号を受け取る。電極は、生体適合性をもつ非導電性の部材に典型的には配置され、電子モジュールに電気的に接続される。電極およびこの非導電性の部材は、ここでは集合的に電極アセンブリと呼ぶ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、アクティブな移植可能医療デバイス(AIMD)を製造する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一面によると、アクティブな移植可能医療デバイス(AIMD)を製造する方法が提供される。この方法は、生体適合性をもち非導電性で針を通すベースを用意し、このベースに第1および第2のコンポーネントを取り付け、この第1および第2のコンポーネントを生体適合性の導電性のフィラメントで電気的に接続し、この導電性フィラメントを非導電性のベースに縫いつけることを含む。
【0007】
この発明のもう一つの面によると、アクティブな移植可能な医療デバイス(AIMD)を製造する方法が提供される。この方法は、生体適合性をもつ非導電性で針を通すベースを用意し、この非導電性のベースに少なくとも一つのアクティブなコンポーネントを取り付け、この少なくとも一つのアクティブなコンポーネントに生体適合性で導線性のフィラメントを取り付け、前記少なくとも一つのアクティブなコンポーネントが少なくとも信号の送信および受信の一方で使用することができるパターンで、この導電性フィラメントをベースに縫いつけることを含む。
【0008】
この発明のさらに別の面によると、アクティブな移植可能な医療デバイス(AIMD)が提供される。このAIMDは、生体適合性をもち非導電性で針を通すベースと、この非導電性に取り付けられた第1および第2のコンポーネントと、非導電性のベースに縫いつけられて第1および第2のコンポーネントを電気的に接続する生体適合性で導電性のフィラメントと、を備える。
【0009】
この発明のもう一つの面によると、アクティブな移植可能な医療デバイス(AIMD)が提供される。このAIMDは、生体適合性をもち非導電性で針を通すベースと、この非導電性のベースに取り付けられた少なくとも一つのアクティブなコンポーネントと、この少なくとも一つのアクティブなコンポーネントに取り付けられた導電性のフィラメントとを備え、このフィラメントは、前記少なくとも一つのアクティブなコンポーネントが少なくとも信号の送信および受信の一方で使用することができるパターンで、ベースに縫いつけられている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施例のアクティブ移植可能医療デバイス(AIMD)の例としてのニューロ刺激器(neuro-stimuator)を示す。
【図2】この発明の実施例に従う、図1に示したニューロ刺激器の機能ブロック図。
【図3A】この発明の実施例に従う、導電性フィラメントを縫い込んだ非導電性のベースの断面図。
【図3B】この発明の実施例に従う、導電性フィラメントを縫い込んだ非導電性のベースの断面図。
【図4A】この発明の実施例での縫い込まれた電極の平面図。
【図4B】この発明の実施例での縫い込まれた電極の平面図。
【図4C】この発明の実施例での縫い込まれた電極の平面図。
【図4D】この発明の実施例で、フィラメントの重畳レイヤーを持つ電極の断面を示す透視図。
【図5】縫い込まれた導電性フィラメントにより電気的に接続された第1および第2のコンポーネントを備える電子モジュール(module)の平面図。
【図6】この発明の実施例で製造されたケーブルの透視図。
【図7】この発明の実施例における導電性フィラメントの非線形パターンの平面図。
【図8】この発明の実施例におけるパッチパターンの平面図。
【図9】この発明の実施例における終端デバイスの透視図。
【図10】この発明の実施例による移植可能システムの平面図。
【図11】この発明の実施例にしたがって、AIMDのコンポーネントを製造する方法を示す高レベルのフローチャート。
【図12A】この発明の実施例にしたがって、AIMDのコンポーネントを製造する方法を示す高レベルのフローチャート。
【図12B】図12Aに示したこの発明の実施例にしたがって、AIMDのコンポーネントを製造する方法を示すフローチャート。
【図12C】図12Aに示したこの発明の実施例にしたがって、AIMDのコンポーネントを製造する方法を示す高レベルのフローチャート。
【図13】この発明の実施例において、ベースに縫い込まれたアクティブなコンポーネントの断面図。
【図14A】この発明の実施例に従い、ベースに縫い込まれた導電性フィラメントの透視図。
【図14B】この発明の実施例に従い、ベースに縫い込まれた導電性フィラメントの透視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明は、移植(インプラント)可能な電子モジュール(module)および組織インターフェイスを備えるアクティブな移植可能医療デバイスに概して向けられている。電子モジュールおよび組織インターフェイルの少なくとも一つは、非導電性で、生体適合性をもち、針を通すベースを備え、このベースには、ヤーン(yarn)、ワイヤ、糸、金属被覆のファイバまたはフィラメント(一般的にかつ集合的に「導電性フィラメント」と呼ぶ。)の一つまたは複数の生体適合性の非導電性のより線が縫い込まれている。ベースに導電性フィラメントを縫い込むとは、手または器械の針仕事を使用して縫製、刺繍その他によりフィラメントをベースに固定することをいう。
【0012】
この発明の実施例は、主として一つのタイプのAIMD、ニューロ刺激器について記述され、より具体的には深脳(deep brain)刺激器または脊髄刺激器について記述される。深脳刺激器は、電気的刺激を患者の脳に伝えるAIMDであり、脊髄刺激器は、電気的刺激を患者の脊柱に伝える。この明細書では、深脳刺激器および脊髄刺激器は、電気的刺激だけを、またはこれを他の形の刺激と組み合わせて伝えるデバイスをいう。この発明の実施例は、任意の脳刺激器(深脳刺激器、大脳皮質(cortical)刺激器など)、脊髄刺激器その他の既知のまたは今後開発されるニューロ刺激器において実施することができる。この発明の実施例は、急性の状況に対応するために比較的短期間移植されるAIMDにおいて実施することができ、また、慢性の状況に対応するため比較的長期間移植されるAIMDにおいて実施することができる。
【0013】
図1は、この発明の実施例に従った、アクティブな移植可能な医療デバイス(AIMD)、すなわちニューロ刺激器100の透視図である。ニューロ刺激器100は、移植可能な、気密封止した電子モジュール(module)102、および電極アセンブリ104として示される組織インターフェイスを備える。図1の実施例では、電極アセンブリ104は、電子モジュール102に機械的に結合した、生体適合性をもつ非導電性の支持体108を備える。支持体108の表面には、生体適合性をもつ非導電性の針を通すベース120配置されている。二つの電極106が生体適合性の非導電性フィラメント122を使用してベースに縫製されている。針を通すベースおよび導電性フィラメントは後に詳しく述べる。
【0014】
図2は、この発明のニューロ刺激器100の電子モジュール102の一例としての構成を示す機能ブロック図である。図2の実施例では、電子モジュール102は患者の皮膚/組織240の下に移植され、外部デバイス238と協働する。外部デバイス238は、外部トランシーバユニット231を備え、このユニット231は、電子モジュール102の内部トランシーバユニット230とともに双方向の皮膚を通しての通信リンク239を形成する。皮膚を通しての通信リンク239は、外部デバイスが電子モジュール102に電力および/またはデータを送るのに使用されることができる。同様に、皮膚を通しての通信リンク239は、電子モジュール102が外部デバイス238にデータを送るのに使用されることができる。
【0015】
この明細書ではトランシーバユニット230および231は、それぞれ電力および/またはデータを受信/または送信するよう構成された一つまたは複数のコンポーネントの集合を備えている。トランシーバユニット230、231はそれぞれ、たとえば、磁気誘導のためのコイル、容量性プレート、その他の適切な仕組みを備えている。したがって、この発明の実施例では、赤外線(IR)、電磁性、容量性、誘導性などの種々のタイプの通信を皮膚を通しての通信に使うことができ、外部デバイス238および電子モジュール102の間で電力/データの転送が行われる。
【0016】
図2に示す特定の実施例では、電子モジュール102は、電気的な刺激信号233を発生する刺激ユニット232をさらに備える。電気的刺激信号233は、電極アセンブリ104の電極106(図1)を介して患者の組織に送られる。刺激ユニット232は、たとえば、予め定めたまたは予めプログラムされたパターンでの、外部デバイス238から受信したデータ、制御モジュール234から受信した信号に基づいて電気的刺激信号233を発生する。
【0017】
上述のように実施例によっては、電極アセンブリ104の電極106は、患者の組織の生理的応答を記録または監視するよう構成されている。そのような実施例では、記録された応答を表す信号237は、刺激ユニット232に提供され、制御モジュール234または皮膚を通した通信リンク239を介して外部デバイス238に送られることができる。
【0018】
図2の実施例では、ニューロ刺激器100は、完全に移植(インプラント)可能な医療デバイスであり、少なくともある時間の間、外部デバイス238を必要とすることなく動作することができる。したがって、電子モジュール102は、外部デバイス238から受け取った電力を貯蔵するための再充電可能な電力源236をさらに備えている。この電力源は、たとえば、再充電可能なバッテリを備える。ニューロ刺激器100の動作中、電力源に貯蔵されていた電力が必要に応じて電子モジュール102の種々の他のコンポーネントに提供される。図示の便宜上、電力源236と電子モジュール102の他のコンポーネントとの間の電気接続は表示を省略している。図2は、電子モジュール102に配置された電力源236を図示しているが、他の実施例では、電力源は、別の移植位置に配置されることができる。
【0019】
図2は移植された電力源をもつ実施例を示しているが、実施例によっては、移植電力源はなくすことができる。たとえば、ニューロ刺激器100は、誘導リンクによって連続的または定期的に提供される電力に基づいて動作するよう構成することができる。そのような実施例の一つでは、外部の充電デバイスは、ニューロ刺激器100が近づくと連続的または定期的に電力をニューロ刺激器に提供するよう構成されることができる。
【0020】
図2は、この発明の特定の実施例を示しており、ニューロ刺激器100が外部デバイス238と協働する。代替実施例では、深脳刺激器100を用い、外部デバイスの助けを借りることなく動作するよう構成することができる。
【0021】
上述のように、この発明の実施例は、電子モジュールおよび組織インターフェイスの少なくとも一つが非導電性の、生体適合性の、針が通るベースを備えるAIMDを指向している。一つまたは複数の生体適合性の導電性フィラメントがベースに縫いつけられている。この明細書では、導電性フィラメントをベースに縫いつけるとは、縫製、刺繍その他により、手または器械の針仕事でフィラメントをベースに固定することを意味する。したがって、本縫い(lock stitch)、鎖縫い(chain stitch)、ランニングステッチ(running stitch)、オーバーロック(overlocks)、カバーステッチ(coverstitch)、カウチング(couching)などを使って導電性フィラメントをベースに固定することができる。導電性フィラメントは、一つまたは複数の非導電性のフィラメントを使用してベースに縫いつけることができ、または導電性フィラメントは、直接的にベースに縫いつけられてもよい(すなわち、導電性フィラメントを固定するのに支持する非導電性フィラメントを使用しない)。図3Aおよび3Bは、導電性フィラメントが本縫いを使ってベースに固定される実施例を示す。
【0022】
図3Aは、この発明の実施例に従うベース330の側面図である。前述のようにベース330は非導電性であり生体適合性をもつ。導電性フィラメントをベースに固定するために針仕事を使用することができるよう、ベース330は針を通す。すなわち、ベース330は、大きな構造的損傷を生じることなく、縫製または刺繍の針を反復して通すことができるよう構成されている。ベース330は、たとえば、編まれたまたは連続的な繊維、均質なシートまたは合成材料であることができる。
【0023】
実施例によっては、ベース330は、熱可塑性材料の均質なシートまたはフィルムからなる。そのような実施例では、加熱した針を使用して導電性フィラメントをベース330に縫いつけるので、貫通ごとに周りの材料が溶け、ステッチ(縫い目)が形成された後、再び封止する。ベース330の再封止により導電性フィラメントはベースに固定され、信頼性を高める。このような実施例は、導電性フィラメントをベースに縫う前または後に、熱可塑性のベース330を所望の形状に成型することができるという利点をもつ。
【0024】
前述のように、図3Aの実施例では、複数の本縫い(lock stitch)324を使って導電性フィラメントがベース330に縫いつけられる。本縫い324は、針フィラメント320およびボビン・フィラメント322の2つのフィラメントを使用して形成される。針フィラメント320は、編み糸(yarn)、ワイヤ、糸、ポリマー繊維、またはフィラメントの非導電性のより糸(strand)からなり、この明細書では非導電性フィラメント320と称する。ボビン・フィラメント322は、編み糸(yarn)、ワイヤ、糸、ポリマー繊維、またはフィラメントの導電性のより糸(strand)からなり、この明細書では導電性フィラメント322と称する。
【0025】
図3Aの実施例で、非導電性のフィラメント320および導線性のフィラメント322はベース330の反対側に配置されている。本縫い324の形成中、非導電性フィラメントは針によってベース330を通ってベースの導電性フィラメント側で非導電性フィラメントのループを形成する。導電性フィラメント322は、図に示さないボビンに巻かれ、図に示さない円形状のフック機構がボビンの断面周りに同心円状に配置される。ボビンおよび円形状のフック機構は、この分野においてよく知られている。本縫い(lock stitch)324を形成するため、円形状のフック機構がボビンの周りを回転し、フックが非導電性のフィラメント320のループをピックアップするようにする。円形状のフック機構がループをボビンの外の周りに運び、針フィラメント320内に導電性フィラメント322を捕捉する。次いで針はベース330を通って退き、導電性フィラメント322をベース近くに引き寄せる。このプロセスがステッチ324ごとに繰り返される。
【0026】
図3Aは、本縫いのステッチ324を示し、非導電性のフィラメント320および導電性のフィラメント322がベース330の中心で交差するようになっている。このようなステッチ(縫い目、縫い方)をこの明細書では伝統的な本縫いステッチと呼ぶ。図3Bは、この発明の代替実施例を示し、図3Aを参照して説明したのと同様に本縫いステッチ334が形成されている。しかし、図3Bの実施例では非導電性のフィラメント320の緊張は縫製プロセス中に変化し、ベース330の導電性フィラメント側で非導電性フィラメント320と導電性フィラメント322とが交差する。このようなステッチは、ここでは修正本縫いステッチ334と呼ぶ。
【0027】
図3Bの実施例では、非導電性のフィラメント320が導電性フィラメント320をベース330の表面に沿って保持する。導電性フィラメント322がベース330の中心に引き込まれないので、図3Bの修正本縫いステッチ334の使用は、導電性フィラメント322にかかる曲げ力を低減する。
【0028】
この発明の実施例によると、導電性フィラメント322はプラチナのような細い生体適合性のワイヤであり、非導電性フィラメント320は、ポリプロピレンのような回復的にフレキシブルで生体適合性をもつ非導電性の糸である。実施例によっては、非導電性フィラメント320は、エラストマーの糸(elastomeric thread)である。導電性フィラメント322は非導電性フィラメント320よりも柔軟性が弱くてもよい。導電性フィラメント322は非導電性フィラメント320ほど曲がることを要求されないからである。
【0029】
図3Bの実施例は本縫いステッチがベース330の一方の側だけで導電性フィラメントを保持するよう修正されているが、他のステッチタイプでも実施することができる。たとえば、2フィラメント鎖ステッチ、オーバーロック(overlocks)、カバーステッチ(coverstitches)などを、ベース330の一方の側だけで導電性フィラメント322を保持するよう修正することができる。
【0030】
上述のようにこの発明の実施例の導電性フィラメントは、編み糸(yarn)、ワイヤ、糸、金属被覆のファイバ、または金属フィラメントのより糸(strand)からなることができる。一実施例では、導電性フィラメント322は、カーボンナノチューブから作られたファイバである。代替的に導電性フィラメント322は、プラチナその他の生体適合性の導電性ワイヤであることができる。それらのワイヤは、その表面積を増すため適当な表面処理をすることができる(たとえば、プラチナの「ブラッキング(blacking)」を使ってプラチナの表面にイリジウム酸化物の層を形成し、またはワイヤをカーボンナノチューブで被覆する)。他の実施例では、導電性フィラメントは、導電性材料の数グループのより線または導電性材料で被覆したポリマーからなる。さらに別の実施例では、フィラメントはたとえば類似のまたは非類似のファイバの複数のより線で作られる。それらの特定の実施例では、少なくともいくつかのより線が導電性である(たとえば、プラチナワイヤおよびポリマーファイバのハイブリッドポリフィラメント)。
【0031】
他のタイプの導電性フィラメントも使用可能であることが認識されなければならない。
【0032】
また、上述したようにこの発明の実施例における非導電性フィラメントは、編み糸、ワイヤ、ポリマーファイバまたはフィラメントの任意の非導電性のより線からなることができる。一実施例では、非導電性フィラメントは、生体適合性の非エラストマーポリマー材料である。別の実施例では、非導電性フィラメントは、生体適合性のエラストマー材料である。たとえば、エラストマー材料は、たとえば、シリコーンまたはシリコーンポリマーからなることができる。他のタイプの非導電性フィラメントも使用可能であることが認識されなければならない。
【0033】
上述のようにこの発明の実施例でのベースに縫いつけられる導電性フィラメントは、種々の機能を果たすことができる。たとえば、下に記述するように、導電性フィラメントは、アンテナのコンポーネントとして、電極として、コンポーネント固定システムとしてなど、移植されたコンポーネントの間の電気接続を形成するために使用することができる。図4A―4Dは、この発明の特定の実施例を示し、導電性フィラメントがAIMDの電極として使用することができるパターンでベースに縫い付けられている。上述のようにAIMDの電極は電気的刺激信号を送信し、送り、その他届けるため、または患者の組織から信号を受け取るために使用される。
【0034】
図示の便宜上、図4A―4Dは、導電性フィラメント322、非導電性フィラメント320、ベース330を示すが、これらは図3A―3B似示したのと実質的に同じである。図4A―4Dの実施例は、本縫い(lock stitches)を使うものとして示してあるが、他のタイプの針仕事を使うことも可能である。
【0035】
図4A―4Dの実施例では、電極が導電性フィラメント322を非導電性のベース330に所望の形状パターンで縫いつけることによって形成されている。図に見られるように種々の形状およびテクスチャの電極をこの発明の実施例を使って作ることができる。たとえば、実施例によっては、電極の形は、特定の移植位置での表面積を最大化するように選択される。図4A―4Dに示す電極は、単に例として図示されていることが認識されねばならない。
【0036】
図4Aに示す第1の形は、矩形の電極432を形成している。これらの実施例では、導電性のフィラメント322は、サテンステッチと呼ばれる一連の平行な行(ステッチ)に縫製されており、各行はほぼ同じ長さである。非導電性のフィラメント320が導電性のフィラメント322を各行の端部でベース330の表面に固定している。
【0037】
図示の便宜上、図4Aの実施例の図では隣り合うステッチの間にギャップが配置されている。代替実施例では、長さl(エル)の一連の平行ステッチがギャップなしに隣り合って配置される。これらの実施例では、長さl、幅wの電極の表面積(sa)は、次の式で近似することができる。
【数1】

【0038】
隣り合うステッチの間のギャップは、電極の表面積を減らす。しかし、導電性フィラメントのプロファイルは平坦でないので、フィラメント周囲の多くの部分が刺激すべきターゲット組織の近くの患者の体の電解液と接触する。このことは電極内にいくらかのギャップがあっても、電極の刺激表面は従来の平坦な電極より大きくなりうることを意味する。
【0039】
実施例によっては、形成された電極の密度は、その長さおよび/または幅に沿って変化してもよい。そのような実施例はフィールドシェーピング(field shaping)を助ける。
【0040】
図4Bは図4Aの実施例に似た電極436を示す。電極436は、非導電性フィラメント320でベース330に固定された導電性フィラメント424の一連の隣接するステッチを有する。導電性フィラメント424は導電性フィラメント322と実質的に同じであるが、フィラメント424の曲がり半径はフィラメント322のものより大きい。したがって、電極346はこの大きな曲がり半径を収容する形状になっている。図に見られるように、導電性フィラメント424の各カーブまたはターン426の半径は、導電性フィラメント424が縫製プロセス中に損傷しないよう選ばれている。
【0041】
図4Cは、この発明の実施例の電極のもう一つの形状を示す。図に見られるように、導電性フィラメント322がベース330に縫いつけられて星状の電極434を形成している。図4Cの実施例では電極434の形成中に導電性フィラメント322のステッチが互いに重なる。フィラメント438の重なる断面が図4Dに示される。重なるフィラメントは電極の表面積を増大させる。
【0042】
先に述べたように多様な導電性フィラメントをこの発明の実施例に使用することができる。図4A-4Dの実施例によっては、導電性フィラメントは、たとえばパリレン(parylene)被覆したプラチナワイヤのような絶縁物被覆の導電性フィラメントからなる。そのような実施例では、絶縁材料は電極を形成する導電性フィルムの断面から取り除かれる。
【0043】
図4A―4Dは、一つの電極の形成を示している。複数の電極を一つのベース330に形成して図1に示すような電極アセンブリを形成することができる。そのような実施例によっては、非導電性のベース330をその上に複数の電極をもつチューブまたはポケットとして形成することができる。チューブは、適切な生体適合性材料から形成される支持構造に取り付けることができる。そのような構造は、機械的な強度を提供するため、および/またはベース330を所望の形状にするために使用することができる。このプロセスは、下層のファブリックがエラストマー特性をもつならば、より容易になる。上述したように、図1は、支持構造の上に配置された非導電性のチューブを示している。
【0044】
図5は、この発明のもう一つの実施例を示し、導電性フィラメントがAIMDのコンポーネントを電気的に接続するのに使われている。図示の便宜上、図5は、導電性フィラメント322、非導電性フィラメント(図示せず)およびベース330を参照するが、これらは図3A―3Bに示したものと実質的に同じである。
【0045】
図5に見られるように、第1および第2のアクティブコンポーネント532、534が非導電性のベース330に取り付けられている。図13は、コンポーネント322をベース330に取り付ける方法を例示している。導電性フィラメント322を使って導電性の経路がベース330に縫いつけられており、アクティブコンポーネント532、534を電気的に接続している。図5の例示的実施例では、ベース330、コンポーネント532、534および縫いつけられた導電性フィラメント32が集合的に電子モジュール502と呼ばれている。
【0046】
この明細書では、アクティブコンポーネントとは、電気信号を使いまたは電気信号で動作するコンポーネントをいう。たとえば、アクティブコンポーネントは、刺激ユニット、トランシーバ、電力源、制御モジュールその他AIMDの電子モジュールに使用されるコンポーネントを含む。他の実施例では、アクティブコンポーネントは、低電力リニアモータを含む。そのようなアクチュエータは、構造体の適当な位置に取り付けられており、たとえば治療のため器官または身体組織に圧力をかけて構造体の形を変化させることができる。さらに他の実施例では、アクティブコンポーネントの一つは薬品給送システム、センサ、電極などを含むことができる。
【0047】
図6は、この発明のさらなる実施例を示し、導電性フィラメントを使ってマルチコアケーブル650が形成されている。これらの実施例では、長い日導電性ベース640が使われる。図6に示すように、ベース640はチューブ状の形をしており、非導電性チューブ640と呼ばれる。導電性フィラメント322のいくつかの行644が非導電性チューブ640に縫いつけられており、チューブの長さにわたって延びる複数の導電性の経路が提供されている。ケーブル650は従来のマルチコアケーブルと同様に使用することができ、第1および第2のデバイスを電気的に接続する。
【0048】
図5および6の実施例によっては、非導電性ベース530、640はベースへの縫いつけを容易にするためエラストマー性であることができる。そのような実施例では、導電性フィラメント322で形成される導電性の経路に損傷が生じるのを避けるため、導電性フィラメントは、たとえば図7に示すジグザグパターン770のような非線形のパターン770に従うことができる。この非線形のパターンは、ベース330が伸ばされるとき導電性フィラメントの構造的一体性を損なうことなく、導電性フィラメント322が伸張することを可能にする。
【0049】
上述のように、この発明の実施例では、アクティブコンポーネントのよって信号の送信または受信の少なくとも一つに使うことができるパターンで導電性フィラメントがベースに縫いつけられる。図4A―4Dは、そのような実施例を示しており、電気信号を患者の組織に送信、給送し、または患者の組織から信号を受信するパターンで導電性フィラメントが縫いつけられている。図8は、そのような実施例の代替例を示す。図示の便宜上、図8は、図3A―3B似示したのと実質的に同じ導電性フィイラメント322およびベース330を参照する。
【0050】
図8の実施例では、アクティブコンポーネント848が非導電性のベース330に取り付けられている。アクティブコンポーネント848は、一つまたは複数のアンテナ素子を備え、アクティブコンポーネント848が電磁波を送りまたは受け取るのに使用することができるパターンでで、導電性フィラメント322がベース300に縫いつけられている。すなわち、アクティブコンポーネント848および導電性フィラメント322は集合的にアンテナを形成し、図8の特定の実施例ではパッチアンテナ852と呼ばれる。図8の実施例では、導電性フィラメントがループパターン852で縫いつけられている。
【0051】
図8は特定のパッチアンテナ852を示すが、この発明の実施例を使ってその他の送信/受信デバイスを形成することができることが認識されるべきである。たとえば、導電性フィラメントのある実施例は、経皮エネルギ転送(TET, transcutaneous energy transfer)システムのためのコイルを形成するため堅い束に縫製されている。
【0052】
図9は、この発明のさらに他の実施例を示す。図9の実施例では、アクティブコンポーネント948が非導電性ベース930に取り付けられている。アクティブコンポーネント948上に導電性素子956が配置されている。これらの実施例では、非導電性フィラメント960を使って導電性フィラメント958を導電性素子956に引き込み、終端デバイスが作られている。
【0053】
図4A―9はこの発明の例示的な実施例を示し、導電性フィラメントが非導電性のベースに縫いつけられて種々の構造を形成している。図10は一つまたは複数の上述の実施例を使用して形成されたシステム1000の概念図である。図示の便宜上、図10は図3A―3Bで説明したのと実質的に同じ導電性フィラメント322およびベース330を参照する。
【0054】
図10に見られるように、システム1000は、複数のアクティブコンポーネント1048を備える。このコンポーネントは図5を参照して説明した導電性フィラメント322によって互いに電気的に接続されている。さらに複数の矩形の電極1032が図4Aで説明したように形成されている。
【0055】
図10の実施例で、システム1000は、インテリジェント移植可能基板と呼ばれる。特定の実施例では、非導電性のベース330はファブリック(fabric)からなり、システム1000はインテリジェント移植可能ファブリックと呼ばれる。
【0056】
図11は、この発明の実施例によるアクティブ移植可能医療デバイスの電子モジュールを製造する方法1100を示す高レベルのフローチャートである。方法1100はブロック1102から始まり、ブロック1102では生体適合性をもち非導電性で針を通すベースが用意される。ブロック1104では、第1および第2のアクティブコンポーネントが非導電性のベースに取り付けられる。アクティブコンポーネントは図13を参照して下に説明するようにしてベースに取り付けることができる。ブロック1105では、第1および第2のコンポーネントが生体適合性の導電性フィラメントに電気的に接続される。ブロック1106では、導電性のフィラメントがベースに縫いつけられる。
【0057】
図12Aは、この発明の実施例によるアクティブ移植可能医療デバイス(AIMD)のシステムを製造する方法1200の高レベルのフローチャートである。方法1200は、ブロック1202から始まり、ブロック1202では生体適合性をもつ非導電性で針を通すベースが用意される。ブロック1204でアクティブコンポーネントが非導電性のベースに取り付けられる。アクティブコンポーネントは図13を参照して下に説明するようにしてベースに取り付けることができる。ブロック1206では、生体適合性で導電性のフィラメントがアクティブコンポーネントに取り付けられる。導電性フィラメントは、アクティブコンポーネントが少なくとも信号の送信または受信に使うことができるパターンで、ブロック1208においてベースに縫いつけられる。
【0058】
図12Bは、図12Aの方法1200の一変形を示すフローチャートであり、方法1210として示す。方法1210は、ブロック1212から始まり、ブロック1212では生体適合性をもち非導電性で針を通すベースが用意される。ブロック1214でアンテナの一つまたは複数のコンポーネントを備えるアクティブコンポーネントが非導電性のベースに取り付けられる。アクティブコンポーネントは、図13を参照して下に説明するようにしてベースに取り付けることができる。ブロック1216で、生体適合性の導電性フィラメントが少なくとも一つのアンテナコンポーネントに取り付けられる。この導電性フィラメントは、電磁波の送信、受信の少なくとも一つを行うためにアンテナコンポーネントによって使うことができるパターンで、ブロック1218でベースに縫いつけられる。
【0059】
図12Cは、図12Aの方法1200のもう一つの変形を示すフローチャートで、方法1220で示す。方法1220は、ブロック1222から始まり、ブロック1222では、生体適合性を持ち非導電性で針を通すベースが用意される。ブロック1224で、電気的刺激信号を発生するよう構成された刺激ユニットが非導電性のベースに取り付けられる。刺激ユニットは、図13を参照して下に説明するようにしてベースに取り付けることができる。ブロック1226で、生体適合性の導電性フィラメントが刺激ユニットに取り付けられる。導電性フィラメントは、発生した電気的刺激信号を刺激ユニットが患者の組織に届けるのに使用することができるパターンで、ブロック1228でベースに縫いつけられる。
【0060】
上述のようにこの発明の実施例はベースに取り付けられた一つまたは複数のコンポーネントを有することができる。粘着、縫製などいくつかの方法がコンポーネントをベースに取り付けるのに使用することができることがわかるであろう。図13は、この発明の実施例においてベースに縫いつけられたコンポーネントの断面図である。
【0061】
図13に見られるように、アクティブコンポーネント1348は、コンポーネントを通る開口1366を有する。図3A、3Bを参照して説明したように、針糸1362およびボビン糸1364を使用してそれぞれの開口1366で本縫いステッチ1324が形成される。糸1362、1364はそれぞれ導電性または非導電性のフィラメントからなることができる。コンポーネントをベース330に取り付けるためには任意のタイプの針仕事を使用することができ、本縫いは一例に過ぎないことが認識されねばならない。
【0062】
図14Aおよび14Bは、この発明の実施例に従って導電性フィラメント1422を非導電性ベース1430に縫いつける代替方法を示す。これらの実施例では、導電性フィラメント1422はステッチの一部を形成するために使われていない。そうではなく、導電性フィラメントを非導電性ベース1430に固定するたとえばジグザグパターンで、一つまたは複数の非導電性フィラメント1420が導電性フィラメント1422を越えて縫われている。図14Aは、非導電性フィラメント1420が導電性フィラメント1422を固定するために使われている実施例を示し、図14Bは、2つの非導電性フィラメント1420が使われる実施例を示す。図14Bの特定実施例では、二つの非導電性フィラメントから本縫いを形成してもよい。
【0063】
上述した実施例の変形はこの発明の範囲内であることが認識されなければならない。たとえば、実施例によっては、非導電性ベースまたは非導電性フィラメントは薬物を溶かすポリマーが含まれてもよい。そのような実施例では、薬物その他の治療剤を構造体に含めることができ、AIMDが移植された後、それらが自動的に消費(投与)される。
【0064】
上述のように実施例によっては、非導電性フィラメントおよび/または非導電性ベースとしてエラストマ材料を使用することができる。エラストマ材料が非導電性フィラメントとして使用される実施例では、フィラメントは縫われるとき伸張しその後収縮する。このことは、ベースまたはステッチを所望の形に形成するのに役立つ。
【0065】
この発明のさらに他の実施例では、ニチノール(nitinol)のような形状記憶金属を必要に応じて絶縁して非導電性ベースに縫うことによってAIMDのエレメントを形成することができる。そのような実施例では、形状記憶金属は第1の形状に予め形成され、AIMDの患者への移植中または移植後に第2の形状をとるよう構成される。
【0066】
この発明のさらに他の実施例では、一つまたは複数の二次的な非導電性の糸をベースの断面に取り入れることができる。これらの糸は、二次的な糸に適当な張力を加えることにより構造体の形状を操作するために使用することができる。さらに、この発明の実施例では、歪みゲージ分野に適した導電性の糸をベースの一つまたは複数の適当なパーツに縫い込み、ベースの断面を横切る歪みを測定することができる。
【符号の説明】
【0067】
100 ニューロ刺激器
102 電子モジュール
104 電極アセンブリ
108 支持構造体
120 非導電性ベース
106A、106B 電極
122A、122B 導電性フィラメント
240 皮膚/組織
320 非導電性フィラメント
330 非導電性ベース
324A、324B 本縫いステッチ(lock stitch)
322 導電性フィラメント
334A、334B 本縫いステッチ
432 電極
424 導電性フィラメント
426 折り返し
436 電極
434 電極
438 重なり合うフィラメント
502 電子モジュール
640 非導電性チューブ
644 行
650 ケーブル
770 非線形パターン
848 アクティブコンポーネント
852 パッチアンテナ
854 ループパターン
930 非導電性ベース
948 アクティブコンポーネント
956、958 導電性エレメント
960 非導電性フィラメント
1048A、1048B、1048C、1048D アクティブコンポーネント
1032 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブな移植可能医療デバイス(AIMD)を製造する方法であって、
生体適合性をもち、非導電性で針を通すベースを用意し、
前記ベースに第1および第2のコンポーネントを取り付け、
前記第1および第2のコンポーネントを生体適合性の導電性フィラメントで電気的に接続し、
前記導電性フィラメントを前記ベースに縫いつけることを含む、前記方法。
【請求項2】
前記導電性フィラメントを前記ベースに縫いつけることは、
前記導電性フィラメントを、前記ベースに縫いつけられた生体適合性の非導電性フィラメントで、前記ベースに固定することからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記導電性フィラメントが前記ベースの第1の側にあり、前記非導電性のフィラメントが前記ベースの反対側にあり、
前記非導電性フィラメントおよび前記導電性フィラメントから複数のステッチを形成することにより前記導電性フィラメントを前記非導電性フィラメントに縫いつける、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記導電性フィラメントが前記ベースの前記第1の側に全体的にとどまるように前記ステッチを形成する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記導電性フィラメントを前記ベースに縫いつけることは、非導電性フィラメントを用いることなく前記ベースに前記導電性フィラメントを直接縫いつけることからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ベースを用意することは、ファブリックベースを用意することからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ベースを用意することは、熱可塑性プラスチックベースを用意することからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記熱可塑性プラスチックベースを所望の形に整形することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記導電性フィラメントを前記ベースに非線形パターンで縫いつけることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1および第2のコンポーネントを前記ベースに取り付けることは、針仕事で前記第1および第2のコンポーネントを前記ベースに取り付けることからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1および第2のコンポーネントを前記ベースに取り付けることは、前記第1および第2のコンポーネントを前記ベースに粘着剤で取り付けることからなる、請求項11に記載の方法。
【請求項12】
前記第1および第2のコンポーネントを前記ベースに取り付けることは、終端デバイスを前記ベースに取り付けることからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1および第2のコンポーネントを前記ベースに取り付けることは、アクチュエータを前記ベースに取り付けることからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
アクティブな移植可能医療デバイス(AIMD)のシステムを製造する方法であって、
生体適合性をもち、非導電性で針を通すベースを用意し、
前記ベースに少なくとも一つのアクティブコンポーネントを取り付け、
前記少なくとも一つのアクティブコンポーネントに生体適合性の導電性フィラメントを取り付け、
前記少なくとも一つのアクティブコンポーネントが送信および受信の少なくとも一つに使うことができるパターンで、前記導電性フィラメントを前記ベースに縫いつけることを含む、前記方法。
【請求項15】
前記導電性フィラメントを前記ベースに縫いつけることは、前記ベースに縫われた生体適合性の非導電性フィラメントで、前記導電性フィラメントを前記ベースに固定することからなる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記導電性フィラメントは前記ベースの第1の側にあり、前記非導電性のフィラメントは前記ベースの反対側にあり、前記導電性フィラメントは、前記非導電性フィラメントおよび前記導線性フィラメントから複数のステッチを形成することによって前記ベースに縫いつけられる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記導電性フィラメントが前記ベースの前記第1の側に全体的に残るように前記ステッチを形成する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記導線性フィラメントの前記ベースへの縫いつけることは、非導電性フィラメントを使うことなく、前記導線性フィラメントを前記ベースに直接縫いつけることからなる、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも一つのアクティブコンポーネントは、アンテナのコンポーネントを含み、
前記アンテナが電磁波の送信および受信の少なくとも一つに使用することができるパターンで、前記導電性フィラメントを前記ベースに縫いつけることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記導電性フィラメントをループパターンに縫うことを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記導電性フィラメントを複数の隣り合う平行なコイルになるよう縫うことを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも一つのアクティブコンポーネントが、電気的刺激信号を発生するよう構成された刺激ユニットを含み、
前記刺激ユニットが電気的刺激信号を患者の組織に届けるために使用することができるパターンで、前記導電性フィラメントを前記ベースに縫いつけることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記導電性フィラメントを一連の平行な線形の行になるよう縫いつけることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
導電性フィラメントを複数のステッチを作るよう縫うことを含み、2以上のステッチが違いに重なる、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記ベースを用意することは、ファブリックベースを用意することからなる、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
前記ベースを用意することは、熱可塑性のプラスチックベースを用意することからなる、請求項14に記載の方法。
【請求項27】
前記熱可塑性のプラスチックベースを所望の形に成型することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも一つのアクティブコンポーネントを前記ベースに取り付けることは、前記少なくとも一つのアクティブコンポーネントを前記ベースに針仕事で取り付けることからなる、請求項14に記載の方法。
【請求項29】
生体適合性をもち非導電性で針を通すベースと、
前記ベースに取り付けられた第1および第2のコンポーネントと、
前記ベースに縫いつけられ前記第1および第2のコンポーネントを電気的に接続する、生体適合性の導電性フィラメントと、
を備える、アクティブ移植可能医療デバイス(AIMD)。
【請求項30】
前記導電性フィラメントを前記ベースに縫いつけるよう前記導電性フィラメントともに縫われた生体適合性の非導電性フィラメントをさらに備える、請求項29に記載のAIMD。
【請求項31】
前記導電性フィイラメントが前記ベースの第1の側にあり、前記非導電性フィイラメントが前記ベースの反対側にあり、前記導電性フィラメントおよび非導電性フィラメントから形成される複数のステッチが前記導電性フィラメントを前記ベースに固定する、請求項30に記載のAIMD。
【請求項32】
前記導電性フィラメントが前記ベースの前記第1の側に全体的に残る、請求項31に記載のAIMD。
【請求項33】
前記ベースがファブリックからなる、請求項29に記載のAIMD。
【請求項34】
前記ベースが熱可塑性のプラスチック材料からなる、請求項34に記載のAIMD。
【請求項35】
前記導電性フィラメントが非線形パターンで縫われている、請求項29に記載のAIMD。
【請求項36】
前記ベースに取り付けられた複数のアクティブコンポーネントをさらに備える、請求項29に記載のAIMD。
【請求項37】
前記第1および第2のコンポーネントの少なくとも一つが終端デバイスである、請求項29に記載のAIMD。
【請求項38】
前記第1および第2のコンポーネントの少なくとも一つがアクチュエータである、請求項29に記載のAIMD。
【請求項39】
前記導電性フィラメントが、非導電性の前記ベースの一つまたは複数の部分での歪みを測定するのに使われるよう構成された絶縁された導電性ワイヤである、請求項29に記載のAIMD。
【請求項40】
生体適合性をもち非導電性で針を通すベースと、
前記ベースに取り付けられた少なくとも一つのアクティブコンポーネントと、
前記少なくとも一つのアクティブコンポーネントに取り付けられた生体適合性の導電性フィラメントであって、前記少なくとも一つのアクティブコンポーネントが送信および受信の少なくとも一つに使用することができるパターンで前記ベースに縫いつけられた導線性フィラメントと、
を備える、アクティブ移植可能医療デバイス(AIMD)。
【請求項41】
前記導電性フィラメントを前記ベースに縫いつけるよう前記導電性フィラメントともに縫われた生体適合性の非導電性フィラメントをさらに備える、請求項40に記載のAIMD。
【請求項42】
前記導電性フィイラメントが前記ベースの第1の側にあり、前記非導電性フィイラメントが前記ベースの反対側にあり、前記導電性フィラメントおよび非導電性フィラメントから形成される複数のステッチが前記導電性フィラメントを前記ベースに固定する、請求項41に記載のAIMD。
【請求項43】
前記導電性フィラメントが前記ベースの前記第1の側に全体的に残る、請求項42に記載のAIMD。
【請求項44】
前記少なくとも一つのアクティブコンポーネントがアンテナのコンポーネントからなり、該アンテナのコンポーネントが電磁波の送信および受信の少なくとも一つに使うことができるパターンで、前記導電性フィラメントが前記ベースに縫いつけられている、請求項40に記載のAIMD。
【請求項45】
前記導電性フィラメントがループパターンで前記ベースに縫われている、請求項44に記載のAIMD。
【請求項46】
前記導電性フィラメントが複数の隣り合う平行コイルで前記ベースに縫われている、請求項44に記載のAIMD。
【請求項47】
前記少なくとも一つのアクティブコンポーネントが、電気的刺激信号を発生するよう構成された刺激ユニットからなり、前記刺激ユニットが電気的刺激信号を患者の組織に届けるために使用することができるパターンで、前記導電性フィラメントが前記ベースに縫われている、請求項40に記載のAIMD。
【請求項48】
前記導電性フィラメントが一連の平行な線形の行で前記ベースに縫いつけられている、請求項47に記載のAIMD。
【請求項49】
前記導電性フィラメントが複数の行で前記ベースに縫われており、2つ以上の前記行が違いに重なる、請求項47に記載のAIMD。
【請求項50】
前記ベースがファブリックからなる、請求項40に記載のAIMD。
【請求項51】
前記ベースが熱可塑性のプラスチック材料からなる、請求項40に記載のAIMD。
【請求項52】
前記導電性フィラメントが形状記憶材料からなる、請求項40に記載のAIMD。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【公表番号】特表2012−523268(P2012−523268A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504664(P2012−504664)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/055402
【国際公開番号】WO2010/117381
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(507074133)ナショナル・アイシーティ・オーストラリア・リミテッド (10)
【Fターム(参考)】