移植機
【課題】 ポット苗を横向き姿勢で移送する苗移送ベルトの終端側に苗を受ける苗受け手段を備え、この苗受け手段を、床土部を受ける床土受け部と、茎葉部を受ける茎葉受け部とから構成し、茎葉受け部の下方側に、一対の縦送りローラを備え、送出し爪により床土部を押し下げることで、床土受け部が開いて床土部が落下すると共に回転する一対の縦送りローラによって茎葉部が挟持されて下方に送られ、これにより苗を下方に送りながら茎葉部が上向きとなる縦向き姿勢に姿勢変更して植付体へと送るようにした移植機において、苗が縦送りローラによってはじかれる、苗の茎葉部が縦送りローラにかみ込まれずに送出し爪と縦送りローラとの間をすり抜けて落下してしまう、といったミスを防止する。
【解決手段】 床土部Naを押し下げる際の送出し爪59と、縦送りローラ43との間の間隔Qを床土部Naの底部の深さS方向に直交する方向の幅Uより狭くする。
【解決手段】 床土部Naを押し下げる際の送出し爪59と、縦送りローラ43との間の間隔Qを床土部Naの底部の深さS方向に直交する方向の幅Uより狭くする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に苗を植え付ける移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、移植機として、ポット苗をその床土部の深さ方向に略直交する水平方向に横向き姿勢で移送する苗移送ベルトの終端側に、苗移送ベルト終端から横向き姿勢で落下するポット苗を受ける苗受け手段を備え、この苗受け手段は、ポット苗の床土部を苗移送方向両側から挟持状に受ける一対の受部材を備えていると共に開閉自在に構成された床土受け部と、ポット苗の茎葉部を受ける茎葉受け部とから構成され、この苗受け手段の茎葉受け部の下方側に、苗移送方向に直交する水平軸と平行な軸心回りに回転する縦送りローラを苗移送方向一対備え、床土受け部に受持された床土部を押し下げる送出し爪を備え、この送出し爪により床土部を押し下げることで、床土受け部が開いて床土部が落下すると共に回転する一対の縦送りローラによって茎葉部が挟持されて下方に送られ、これによりポット苗を下方に送りながら茎葉部が上向きとなる縦向き姿勢に姿勢変更して縦送りローラの下方側に位置する植付体へと送るように構成した移植機がある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−194553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記移植機にあっては、横向き姿勢のポット苗の床土部を床土受け部で受け且つ茎葉受け部でポット苗の茎葉部を受けた状態で、ポット苗の床土部を送出し爪で押し下げて床土受け部から下方に落下させることにより、床土部を縦送りローラ側に揺動させると共に茎葉部を回転する一対の縦送りローラ間で挟み込んで下方に送ることで、ポット苗を下方移動させながら横向き姿勢から縦向き姿勢に姿勢変更して植付体に受け渡すようにしているが、逆回転する一対の縦送りローラ間にポット苗の茎葉を確実に押し込まないと、ポット苗が縦送りローラによってはじかれるという問題がある。
【0004】
また、床土部を押し下げる際の送出し爪と、縦送りローラとの間の間隔が広いとポット苗の茎葉部が縦送りローラにかみ込まれずに送出し爪と縦送りローラとの間をすり抜けて落下してしまうことがあり、この場合、高速で回転する縦送りローラでポット苗を下方に送れないので、植付体に対するポット苗の供給が遅れるという問題がある。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みて、ポット苗が縦送りローラによってはじかれる、ポット苗の茎葉部が縦送りローラにかみ込まれずに送出し爪と縦送りローラとの間をすり抜けて落下してしまう、といったミスを防止することができる移植機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、ポット苗をその床土部の深さ方向に略直交する水平方向に横向き姿勢で移送する苗移送ベルトの終端側に、苗移送ベルト終端から横向き姿勢で落下するポット苗を受ける苗受け手段を備え、この苗受け手段は、ポット苗の床土部を受ける開閉自在な床土受け部と、ポット苗の茎葉部を受ける茎葉受け部とから構成され、この苗受け手段の茎葉受け部の下方側に、苗移送方向に直交する水平軸と平行な軸心回りに回転する縦送りローラを苗移送方向一対備え、床土受け部に受持された床土部を押し下げる送出し爪を備え、この送出し爪により床土部を押し下げることで、床土受け部が開いて床土部が落下すると共に回転する一対の縦送りローラによって茎葉部が挟持されて下方に送られ、これによりポット苗を下方に送りながら茎葉部が上向きとなる縦向き姿勢に姿勢変更して縦送りローラの下方側に位置する植付体へと送るように構成した移植機において、
床土部を押し下げる際の送出し爪と、縦送りローラとの間の間隔を床土部の底部の深さ方向に直交する方向の幅より狭くしたことを特徴とする。
【0006】
また、基部側が苗移送方向に平行な軸心を有する揺動支点軸回りに回動自在に枢支されていて前記揺動支点軸回りに上下揺動自在な揺動アームを設け、この揺動アームの先端側に送出し爪を設け、揺動支点軸の上下方向に関する位置を縦送りローラのかみ込み部近傍位置とし、床土部を押し下げる際における、送出し爪と縦送りローラとの間の間隔を、縦送りローラのかみ込み部近傍で最小としてもよい。
これにより、送出し爪を縦送りローラに容易に近接させることができる。
また、基部側が苗移送方向に平行な軸心を有する揺動支点軸回りに回動自在に枢支されていて前記揺動支点軸回りに上下揺動自在な揺動アームを設け、この揺動アームの先端側に送出し爪を設け、揺動支点軸を、縦送りローラに対して、床土受け部配置側とは反対側で且つ縦送りローラの回転軸心方向に離間して配置してもよい。
【0007】
これにより、ポット苗の茎葉部を縦送りローラにくい込ませる方向に苗を押し下げることができ、茎葉部を確実に縦送りローラ間にかみ込ませることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ポット苗の茎葉部を縦送りローラ間に確実に押し込めることができ、ポット苗が縦送りローラによってはじかれる、ポット苗の茎葉部が縦送りローラにかみ込まれずに送出し爪と縦送りローラとの間をすり抜けて落下してしまう、といったミスを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜図3において、1は玉葱等の野菜の苗を圃場に植え付ける移植機であり、本実施の形態では、前部に走行体1Aを備え、後部に移植装置1B及びハンドル4を備えた歩行型の移植機1を例示している。
走行体1Aは、エンジン(動力源)E、ミッションケースM、左右一対の前輪(車輪)2及び左右一対の後輪(車輪)3を備えており、ミッションケースMの前後方向中途部下部から架台Kが前方突出状に設けられ、この架台K上にエンジンEが搭載され、エンジンEの後部にミッションケースMの前端側が連結されており、これらエンジンE、ミッションケースM、架台K等によって車体Bが主構成されている。
【0010】
架台Kの前下部には、左右方向に配置された筒状の前輪支軸18が軸受等を介して左右方向の軸心廻りに回動自在に支持され、この前輪支軸18の左右両側には、それぞれ取付軸19が一体回動自在で且つ左右方向位置調整自在に挿入され、各取付軸19の左右方向外端側に、それぞれ後方に向かうに従って下方に移行する傾斜状に配置された前輪支持アーム20の前端側が固定され、左右各前輪支持アーム20の後端側にそれぞれ前輪2が左右軸廻りに回転自在に取り付けられている。
ミッションケースMの後部左右両側には、左右方向の軸心を有する後輪支軸21が左右方向外方に向けて突出状に設けられ、左右各後輪支軸21の外端側に、それぞれ後方に向かうに従って下方に移行する傾斜状に配置された走行伝動ケース22の前端側が左右方向の軸心廻りに回動自在に支持されており、左右各走行伝動ケース22の後端側にそれぞれ後輪3が左右軸廻りに回転自在に取り付けられている。
【0011】
ミッションケースMから左右両側に出力されるエンジンEからの動力は、後輪支軸21内の伝動軸及び走行伝動ケース22内の動力伝達機構を経て後輪3に伝達されて該後輪3が回転駆動され、走行体1Aが走行する。
また、前輪支軸18と左右の後輪支軸21とは、左右一対の連動ロッド23によって連動連結されていて、前輪支軸18が軸心廻りに回動すると、左右の前輪支持アーム20が前輪支軸18の軸心廻りに上下に揺動して左右の前輪2が車体Bに対して昇降すると共に、左右の連動ロッド23が押し引きされて左右の走行伝動ケース22が後輪支軸21の軸心廻りに上下に揺動して左右の後輪3が車体Bに対して昇降する。
【0012】
したがって、左右一対の前後輪2,3が、車体Bに対して4輪同時に昇降自在とされている。
また、架台Kには、油圧シリンダ等からなる昇降シリンダ24が設けられ、この昇降シリンダ24のピストンロッドは前輪支軸18にブラケットを介して連動連結されていて、昇降シリンダ24のピストンロッドを出退させることにより前輪支軸18が軸心廻りに回動するように構成されており、この昇降シリンダ24の伸縮によって車体Bに対して相対的に前後輪2,3が昇降し、該前後輪2,3が昇降することにより走行体1Aの車体B及び移植装置1Bが地面に対して昇降自在(高さ調整自在)とされている。
【0013】
前記移植装置1Bは、図1〜図3に示すように、走行体1Aの車体Bに固定されたフレームFと、ポット苗Nを圃場に植え付ける植付体26と、この植付体26にポット苗Nを供給する苗供給装置27と、圃場に植え付けられたポット苗Nの側方の土を押圧して鎮圧すると共に株際に土を押し付けて覆土する鎮圧輪28を備えた覆土・鎮圧装置29等とを備えている。
この移植装置1BのフレームFは、動力伝達ケース30と、植付伝動ケース46と、第1フレーム32と、第2フレーム33と、第3フレーム34とで主構成されている。
【0014】
動力伝達ケース30は、その下部が走行体1AのミッションケースMの後部に取付固定されていてミッションケースMから上方に突出状に設けられ、この動力伝達ケース30の上部後面側には筒体35が後方突出状に取付固定され、この筒体35の後端側に植付伝動ケース46が連結されている。
第1フレーム32は、前部から中途部にかけて前後方向直線状に形成され後部が後方に向かうに従って上方に移行する傾斜状に形成されたパイプ材からなり、この第1フレーム32の前端側は植付伝動ケース46の後面側下部に連結されており、該第1フレーム32の後端側にハンドル4が連結されている。
【0015】
第2フレーム33は、前後方向直線状に形成されて第1フレーム32の下方側に配置され、この第2フレーム33の後部側が、連結フレーム36を介して第1フレーム32の前後方向中途部に連結されている。
この第2フレーム33の前部には第3フレーム34の後部が固定され、この第3フレーム34の前部は、動力伝達ケース30の下部に連結されている。
この移植装置1BのフレームFと走行体1Aの車体Bとで移植機1の機体が構成されている。
【0016】
ミッションケースMの後下部には、エンジンEからの動力がミッションケースM内の動力伝達機構を介して伝達される出力軸37が設けられ、この出力軸37から動力伝達ケース内の伝動機構、筒体35内の伝動軸等を介して植付伝動ケース46内の動力伝達機構に動力が入力される。
前記植付体26は、上端開口状で前後に開閉自在に構成されていると共に、フレームFに上下動自在に支持されており、閉じた状態でその移動軌跡の上死点側で上方からポット苗Nが落下供給され、内部にポット苗Nを収容した状態で下降して圃場(畝)に突入し且つ前後に開くことにより、圃場に植え穴を形成すると共に該植え穴にポット苗Nを落下放出(供給)することによりポット苗Nを植え付け、上死点に至るまでの上昇過程で閉じるように構成されている。
【0017】
また、本実施の形態にあっては、2条植えの移植機1が例示されており、したがって、植付体26は左右一対備えられている。
また、左右一対の植付体26は、上方側に移動したとき互いに離間し下方側に移動したとき互いに接近するように、下方に行くに従って左右方向内方に移行する傾斜方向に昇降する。
苗供給装置27は、図3〜図6に示すように、移植機1の後部上側に配置されていて第1フレーム32等に取り付けられた苗載台5と、この苗載台5に搭載された苗トレイTからポット苗Nを取り出す苗取出し装置7と、この苗取出し装置7で取り出されたポット苗Nを植付体26上方に移送する苗移送装置6と、この苗移送装置6で植付体26上方に送られた横向き姿勢のポット苗Nを縦向き姿勢に姿勢変更して植付体26に供給する苗姿勢変更装置38とを有し、各装置は植付伝動ケース46から出力される動力によって駆動される。
【0018】
苗トレイTは樹脂製で可撓性を有していて弾性的に湾曲自在であり、多数のポット部Pが縦横に基盤目状に形成されており、このポット部Pに充填された床土に播種して、野菜(玉葱)等のポット苗Nが育苗されている。
なお、本実施の形態では、このポット苗Nの床土部Naの形状は底部に行くにしたがって径小となる截頭円錐状に形成されている(底部に行くにしたがって断面積が小さくなる截頭四角錐状に形成されていてもよい)。
また、苗トレイTは、ポット部Pの開口が前方を向くように(ポット苗Nの茎葉部Nbが前方を向くように)苗載台5に上方からセットされる。
【0019】
苗取出し装置7は、苗移送装置6の上方に配置され、ポット部Pからポット苗Nを押し出す押出杆8と、この押出杆8で押し出されたポット苗Nを受持すると共に苗移送装置6へと渡す苗受渡し機構9とを有する。
押出杆8は、苗トレイTの横一列(左右方向一列)のポット苗Nに対応する数設けられ、苗載台5の後方側に前後方向移動自在に備えられ、前方移動してポット部P内にその底部(後方)から挿入されて横一列のポット苗Nを前方に押し出し、その後、後退する。
なお、ポット苗Nが押し出された後、苗トレイTはポット苗Nの横一列分下方に縦送りされ、押出杆8は、苗移送装置6のポット苗Nがなくなるまで(または、大部分がなくなるまで)待機する。
【0020】
また、苗トレイTは苗載台5の下部側で湾曲されて、後方側に取り出される。
ポット部Pから押し出された横一列のポット苗Nは、その床土部(根鉢)Naが苗受渡し機構9の苗受けアーム10の苗受け溝10a内に押し込まれる。
苗受けアーム10は、植付伝動ケース46内の動力伝達機構によって回転駆動されるクランク11に連動部材13を介して連動連結されており、クランク11の回転によって、図5に実線で示す苗受取り位置と、仮想線で示す苗渡し位置とに位置変更自在とされていて、苗受取り位置でポット部Pから押し出されたポット苗Nを受持し、その後、ポット苗Nを前後逆方向に反転させながら下方に回動し、苗渡し位置に至る際に、苗受け溝10aがポット苗Nの床土部Naを先にして跳ね出し部材12の位置を通過し、これによりポット苗Nが苗受け溝10aから押し出され、跳ね出し部材12はポット苗Nが苗受け溝10aから抜け切ると同時に、下方(矢印a1方向)に回動し、ポット苗Nを下方の苗移送装置6上に落下させるように構成されている。
【0021】
苗移送装置6は、図3〜図5に示すように、苗載台5の前方で且つ下方側に配置され、左右の植付体26に対応して左右一対設けられ、且つ移植装置1Bの左右方向のセンターを境に左右に振り分け配置されており、第1フレーム32に取付支持されている。
左右各苗移送装置6は、前後方向の軸心回りに回転自在な左右のプーリ15と、この左右プーリ15に掛装されたエンドレスの苗移送ベルト16を有し、左右一方(左右方向外側)のプーリ15は、植付伝動ケース46内の動力伝達機構からベベルギヤ伝動機構等を介して伝達される動力によって回転駆動する回転軸39によって駆動され、このプーリ15の回転駆動によって、苗移送ベルト16は、その上部側が、移植装置1Bの左右方向中央側から左右方向外方側に向けて移動されるように構成されている。
【0022】
ポット苗Nは、その茎葉部Nbが後方を向いた横向き姿勢で左右方向に並ぶように苗移送ベルト16上に載置され、苗移送ベルト16によって左右方向(床土部の深さ方向に略直交する水平方向)に移送され、各苗移送ベルト16の終端部(左右方向外端部)において下方に落下する。
また、苗移送ベルト16の表面の前端部側(ポット苗Nの床土部Naの載置側)には、ベルト幅方向(前後方向)に複数配置された位置決め用突起40が苗移送方向Cに等間隔をおいて設けられ、苗移送方向Cで隣り合う位置決め用突起40間にポット苗Nが1つずつ位置決めされるようになっている。
【0023】
前記左右の植付体26は、その移動域の上死点側で、左右方向で同じ側にある苗移送ベルト16の終端側下方に位置するように設けられている。
苗姿勢変更装置38は植付体26に対応して左右一対設けられており、この左右の姿勢変更装置38は左右方向で同じ側にある苗移送ベルト16の終端側に設けられている。
この苗姿勢変更装置38は、苗移送ベルト16終端から横向き姿勢で落下するポット苗Nを受ける苗受け手段41と、ポット苗Nの床土部Nbを押し下げる押下げ手段42と、ポット苗Nを挟持して下方に高速で送る左右一対の縦送りローラ43とを備えている。
【0024】
苗受け手段41は、図6〜図10に示すように、苗移送ベルト16終端部の前部側で左右方向外側方に配置されていてポット苗Nの床土部Naを受ける床土受け部45と、この床土受け部45の後方側に配置されていてポット苗Nの茎葉部Nbを受ける茎葉受け部47と、ポット苗Nの下葉Ncを受ける下葉受け48とから構成されている。
床土受け部45は床土部Naを左右両側(苗移送方向C両側)から挟持状に受ける左右一対の受部材49,50を備えている。
左右の受部材49,50は板材によって形成され、左右方向内方側の受部材49は苗移送ベルト16の終端部の略真下にその板面が左右方向を向くように配置されており、苗移送ベルト16の前方側に配置され且つ植付伝動ケース46側に固定された支持壁51に固定されている(この受部材49を固定受部材という)。
【0025】
この固定受部材49は、上部が上方に向かうに従って左右方向内方側に移行する傾斜状に形成され、下部が上下方向に沿うように形成され、固定受部材49の上部には、該固定受部材49を苗移送ベルト16に近接させるべく、苗移送ベルト16の位置決め用突起40との干渉を避けるための溝52が形成されている。
左右方向外方側の受部材50は、苗移送ベルト16終端部の左右方向外側方に所定間隔をおいて配置され、その上端側が前記支持壁51に固定された支軸53に前後方向の軸心回りに回動自在に支持されていて左右揺動自在とされている(この受部材50を可動受部材という)。
【0026】
この可動受部材50は、下部側が固定受部材49に左右方向で対向状に配置され、前記支軸53に套嵌された捩りコイルバネ(図示省略)等の付勢手段によって支軸53回りに固定受部材49に近接するように付勢されていると共に、支軸53の端部に固定されたストッパ54によって支軸53回りの回動が規制されている。
また、可動受部材50は、図7に示すように、ストッパ54によって回動規制された状態において、その下部側が下方に向かうに従って左右方向内方に移行する傾斜状となるように形成されており、固定受部材49と可動受部材50との対向間隔が下方に行くに従って漸次狭くなるように且つ上下方向中途部でポット苗Nの床土部Naの幅よりも狭くなるように構成されている。
【0027】
したがって、ポット苗Nの床土部Naは、苗移送ベルト16の終端において、位置決め用突起40に案内されて固定受部材49と可動受部材50との間に上方から落下し、固定受部材49と可動受部材50との間の中途部で固定受部材49と可動受部材50とで挟まれるようにして受持される。
また、この実施の形態にあっては、床土受け部45は可動受部材50が左右方向に揺動することにより開閉自在とされていて、可動受部材50がバネの付勢力に抗して左右方向外方に揺動することにより床土受け部45が開き、床土部Naが床土受け部45から外れて下方に落下するように構成されている。
【0028】
茎葉受け部47は、板材によって形成されていて、苗移送ベルト16の終端部よりも下方側(苗移送ベルト16のプーリ15中心Dよりも下方側)に配置されている。
また、この茎葉受け部47は、底壁47aと左右側壁47bとを有して上方開放状に形成され、底壁47aは後端から前方に行くに従って左右幅が狭くなるように形成されていて、前端側(床土受け部45側)において、図7に示すように、茎葉受け部47の断面形状が下面側に凸となるV字状となるように形成されていて、苗の茎葉部Nbを茎葉受け部47の左右方向中央部に寄せる機能を有する。
【0029】
また、茎葉受け部47の底壁47aは、後端から前方に行くに従って(茎葉部Nb先端側から株元側に行くに従って)下方に移行する傾斜状に形成されていると共に、前端側において、前端部が下方を向くように且つ前上方に凸となる湾曲状に形成されている。
なお、茎葉受け部47は支持部材を介して前記支持壁51に支持されている。
下葉受け48は左右一対設けられ、図10に示すように、茎葉受け部47の前端部の左右両側から前方に向けて突出状に延設されていて、茎葉受け部47に一体形成(又は別体で形成されて茎葉受け部47に固着)されている。
【0030】
なお、この下葉受け48は左右一方だけでもよい。
左右一対の縦送りローラ43は、茎葉受け部47の前端側下方で且つ上死点位置に位置する植付体26の上方で且つ可動受部材50下部及び固定受部材49の後方側に配置されており、前後方向の軸心を有し、周面が左右方向で接触している。
また、左右の各縦送りローラ43は、前後方向の軸心を有する回転軸55の後部に固定され、回転軸55の前部は、フレームF側に固定された支持枠体56に設けた軸受部57に軸心回りに回転自在に支持されている。
【0031】
前記軸受部57は、固定受部材49及び可動受部材50の前方側に位置している。
左右の縦送りローラ43を支持する各回転軸55には、軸受部57の前側に配置された平歯車58が固定され、これら平歯車58は互いに噛合されており、一方の回転軸55が植付伝動ケース46から出力される動力によって前後軸回りに回転駆動されることにより、図4に矢示で示すように、縦送りローラ43の接触側において周面が下方移動するように、左右の縦送りローラ43が互いに逆方向に回転する。
左右の縦送りローラ43は、これらの軸心を通り且つ該軸心Gに直交する線分Hが左右方向内方に行くに従って上方に移行する傾斜状となるように構成されており、左右の縦送りローラ43が植付体26の傾斜昇降方向に対応して取り付けられている(植付体26の傾斜昇降方向と左右の縦送りローラ43の軸心Gを通る線分Hとが略直交するように構成するのがよい)。
【0032】
前記茎葉受け部47の前端部は縦送りローラ43の回転軸心G方向の中央側に位置していると共に、該茎葉受け部47の左右方向中央部は、左右の縦送りローラ43間の上方(縦送りローラ43の接触部分の略真上)に位置しており、茎葉受け部47の底壁47a前端は、左右の縦送りローラ43の両方の上端側に接する接線Jよりも下方に入り込むように構成されていて、茎葉受け部47を縦送りローラ43に近接させて、縦送りローラ43との隙間を少なくしている。
また、下葉受け48は、図10に示すように、縦送りローラ43の前端まで延設されていて、縦送りローラ43を覆うように該縦送りローラ43の上方に位置する。
【0033】
また、固定受部材49及び可動受部材50の下端部は、左右の縦送りローラ43の両方の上端側に接する接線Jよりも下方に位置するように構成されている。
押下げ手段42は、植付伝動ケース46の側方に設けられており、床土部Naを押し下げて床土受け部45から下方に送り出す送出し爪59と、この送出し爪59を支持する揺動アーム60とを有する。
揺動アーム60は、その前端部(基部側)が、植付伝動ケース46の下部前方で左右方向に配置された揺動支点軸61の端部側に左右方向の軸心廻りに回動自在に支持されていて上下揺動自在とされており、前記揺動支点軸61は植付伝動ケース46に固定されたブラケット62に支持されている。
【0034】
送出し爪59は、その上端側が揺動アーム60の後端部(先端側)に取付固定され、下端側の面が床土部Naに接当する接当面63とされており、且つ下端側から上方側に向けて形成された複数の溝64によって下部側が前後方向複数に分割されている。
揺動アーム60の前後方向中途部には、枢軸65を介してリンク66の一端側が左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支連結されており、このリンク66の他端側は、回動部材67の一端側に枢軸68を介して枢支連結されている。
この回動部材67の他端側は、植付伝動ケース46の前部側の側面上部に設けられた左右方向の軸心を有する駆動軸69に連結されていて該駆動軸69回りに回動し、駆動軸69によって回動部材67が回動することにより揺動アーム60が前端側の揺動支点軸61回りに上下に揺動し、回動部材67の一回転によって送出し爪59が上下に一往復動する。
【0035】
送出し爪59は、上死点で床土受け部45の固定受部材49と可動受部材50との間の上方で且つ苗移送ベルト16よりも上方に位置しており、ここから固定受部材49と可動受部材50との間を通過して下部側が縦送りローラ43と軸受部57との間に至るように下降し、その下降途中で下端の接当面63が固定受部材49と可動受部材50との間に受持された床土部Naに接当して該床土部Naを押し下げる。
床土部Naは、可動受部材50を押圧することにより該可動受部材50を支軸53回りに回動させて(可動受部材50を押し開きながら)下方移動し、床土部Naが下方移動すると該床土部Naが床土受け部45から外れると共に茎葉部Nbの株元側が縦送りローラ43間にかみ込まれる。
【0036】
送出し爪59の接当面63は、図9(a)に示すように、床土部Naを押し下げて茎葉部Nbの株元側を縦送りローラ43間にかみ込ませる際において、ポット苗Nが後方に行くに従って上方に移行する傾斜姿勢となるように、床土部Naを押し下げるべく該床土部Naに面接触した状態において、後方に行くに従って上方に移行する傾斜状となるように形成されている(送出し爪59の接当面63は、床土部Naを押し下げるべく該床土部Naに面接触した状態において、縦送りローラ43の回転軸心Gに対して後方に行くに従って上方に移行する傾斜角度Oが付けられている)。
【0037】
なお、送出し爪59は、図9に示す位置からさらに下降して下死点位置に至る。
また、図9(b)に示すように、床土部Naを押し下げて茎葉部Nbの株元側を縦送りローラ43間にかみ込ませる際における、送出し爪59の接当面63の後端(縦送りローラ43側端部)と、縦送りローラ43の前端(送出し爪59側の端部)との間の間隔Qはポット苗Nの床土部Naの底部の深さS方向に直交する方向の幅(截頭円錐状の床土部Naであれば底部の直径、截頭四角錐状の床土部Naであれば底部の対向する辺間の間隔)Uよりも狭くなるように構成されている。
【0038】
例えば、床土部Naを押し下げて茎葉部Nbを縦送りローラ43間にかみ込ませる際における、送出し爪59の接当面63の後端と縦送りローラ43の前端との間の間隔が広いと、茎葉部Nbが縦送りローラ43間にかみ込まれずに、送出し爪59と縦送りローラ43との間をすり抜けて落ちる場合があるが、前記のように構成することにより、茎葉部Nbを確実に縦送りローラ43間に押し込むことができる。
なお、前記床土部Naの幅Uは16mmに形成されているが、送出し爪59と、縦送りローラ43との間の間隔Qは、この床土部Naの幅Uよりも狭くするのがよく、できるだけ狭い方がよい。(例えば、2〜3mm(好ましくは2mm)とするのがよい)。
【0039】
さらに、送出し爪59の床土部Naと接触する部分の、床土部Naの深さS方向に対応する方向の幅(前後幅)Rは床土部Naの深さSよりも大に形成されており、これによって、ポット苗Nが送出し爪59に対して前後に位置ズレしても確実にポット苗Nを送り出すことができる。
前記構成の苗姿勢変更装置38にあっては、苗移送ベルト16の終端から横向き姿勢で落下したポット苗Nを、苗受け手段41で受け止めて、押下げ手段42によって押し下げられるまで一時待機させる。
【0040】
このとき、ポット苗Nは図8に符号aで示す位置にあり、該ポット苗Nは床土受け部45から茎葉受け部47に行くに従って上方に移行する傾斜姿勢で苗受け手段41によって保持される。
また、この待機状態において、苗の下葉Ncが下葉受け48によって受けられるので、下葉Ncが縦送りローラ43にかみ込まれるのを防止することができる。
次に、上死点位置から送出し爪59が下降すると、送出し爪59は、その接当面63が前端側から床土部Naに接当していき、床土部Naを前述した待機状態からポット苗Nが起きるようにさらに傾斜させながら押し下げて、茎葉部Nbの株元側を縦送りローラ43間にかみ込ませる。
【0041】
ポット苗Nは、茎葉部Nbが茎葉受け部47で受持された状態で床土部Naが押し下げられることにより床土部Naが縦送りローラ43に近接するように揺動し且つ茎葉部Nbの株元側が縦送りローラ43間にかみ込まれることにより高速で互いに逆回転する一対の縦送りローラ43によって茎葉部Nbが挟持されて下方に高速で送られる。
これら動作が組み合わされることにより、ポット苗Nは、図8に符号b,c,dで示すように、苗受け手段41によって受持された横向き姿勢から下方移動しながら茎葉部Nbが上側で床土部Naが下側となる縦向き姿勢へと姿勢変更する。
【0042】
茎葉受け部47の前端側の円弧形状部分70は、ポット苗Nが姿勢変更しながら縦送りローラ43によって下方に送られるとき、ポット苗Nの姿勢を効果的に縦向き姿勢に変えるガイドの働きをすると共に、ポット苗Nを縦向き姿勢にする際の急激な姿勢変化を防ぎ、苗の損傷を防ぐ。
また、茎葉受け部47の前端位置を縦送りローラ43間の前後方向中央位置に位置させることで、ポット苗Nの茎葉部Nbの株元から先端まで連続して縦送りローラ43間にかみ込ませてポット苗Nを送ることができる。
【0043】
さらに、茎葉受け部47の前端を左右の縦送りローラ43の両方の上端側に接する接線Jよりも下方(縦送りローラ43のかみ込み部43a側)に入り込ませることで、確実に茎葉部Nbを縦送りローラ43間にかみ込ませることができる。
また、床土受け部45の固定受部材49及び可動受部材50の下端部は、左右の縦送りローラ43の両方の上端側に接する接線Jよりも下方に位置するように構成して、床土部Naが床土受け部45から外れる時期を縦送りローラ43間に茎葉部Nbがかみ込まれる時期に近づけることにより、茎葉部Nbを一対の縦送りローラ43間に確実にかみ込ませることができ、ポット苗Nを送出し爪59で送るときに、ポット苗Nが縦送りローラ43で弾かれるということがない。
【0044】
また、ポット苗Nを苗受け手段41で受け止めて一時待機させるときに、後方に行くに従って上方に移行する傾斜姿勢で保持することより、横向き姿勢から縦向き姿勢に姿勢変更する際に、急激な姿勢変化を防止してポット苗Nの損傷を防ぐことができ、さらに、送出し爪59でポット苗Nの床土部Naを押し下げる際に、床土部Naを待機状態からポット苗Nが起きるようにさらに傾斜させながら押し下げるようにしているので、横向き姿勢から縦向き姿勢に姿勢変更する際の急激な姿勢変化を防止して苗の損傷を防ぐことができる。
【0045】
なお、本実施の形態では、左右の縦送りローラ43はこれらの軸心Gを通り且つ該軸心Gに直交する線分Hが左右方向内方に行くに従って上方に移行する傾斜状となるように構成されているので、ポット苗Nは上方に行くに従って左右方向外方に傾斜した縦向き姿勢となり、植付体26の傾斜昇降方向に対応してポット苗Nが放出され、該ポット苗Nが植付体26に入るタイミングが多少遅れてもポット苗Nは確実に植付体26に入る。
一対の縦送りローラ43の下側で且つ上死点位置に位置する植付体26の上方側には、苗ガイド71が設けられており、苗姿勢変更装置38で縦向き姿勢に姿勢変更されたポット苗Nは、この苗ガイド71を通して植付体26に投入される。
【0046】
この苗ガイド71は、移植装置1BのフレームF側に固定されており、上部側が上方に行くに従って広くなった筒状に形成されており、下部は左右側壁と後壁とから前方開放状のコ字形に形成されており、この苗ガイド71の下部は、上死点に位置する植付体26に挿入状とされる。
縦向き姿勢で下方の植付体26へと送られたポット苗Nは、植付体26によって圃場の畝に植え付けられ、左右の鎮圧輪28はポット苗Nの植付け位置の左右両側の畝上を転動し、植え穴に供給されたポット苗Nの左右両側の土を押圧してポット苗Nの株際に土を押し付けて覆土する。
【0047】
前述した移植機1にあっては、苗供給装置27によって植付体26にポット苗Nを供給して該ポット苗Nを植え付けて覆土する動作を繰り返すことにより、走行しながら畝にポット苗Nが植え付けられる。また、本実施の形態の移植機1では、2条植え移植機であると共に移植装置1Bが左右前後輪2,3の左右方向中央から左右一側(左側)にオフセットされて設けられており、往復4条植え(往路で畝上面側の左右方向一側に2条を植え付け、復路で畝上面側の左右方向他側に2条を植え付ける)が行えるように構成されている。
【0048】
図11は他の実施の形態に係る押下げ手段42を示しており、この押下げ手段42にあっては、揺動アーム60の揺動支点軸61の上下方向(高さ方向)に関する位置を、縦送りローラ43のかみ込み部43aの近傍位置にし、床土部Naを押し下げる際における、送出し爪59と縦送りローラ43との間の間隔Qを、縦送りローラ43のかみ込み部43a近傍で最小としている。
その他の構成は、前記実施の形態と同様に構成される。
前記構成により、送出し爪59を縦送りローラ43に容易に近接させることができる。
【0049】
図12〜図14はさらに他の実施の形態に係る押下げ手段42を示しており、この押下げ手段42にあっては、揺動アーム60の揺動支点軸61を、縦送りローラ43の後方位置に縦送りローラ43に対して離間して配置することにより、ポット苗Nの茎葉部Nbを縦送りローラ43にくい込ませる方向にポット苗Nを押し下げることができるようにしたものである。
これにより、茎葉部Nbを確実に縦送りローラ43間にかみ込ませることができる。
この実施の形態にあっては、第1フレーム32の後部側には支持台76が設けられ、この支持台76に立設されたブラケット77に前記揺動支点軸61が支持されており、この揺動支点軸61に、揺動アーム60の基端側(後端側)のボス部78が左右軸回りに回動自在に外嵌されて支持され、揺動アーム60の前端側に送出し爪59が取り付けられている。
【0050】
この揺動アーム60のボス部78には、レバー部材79の下端側が固定されていて、このレバー部材79と揺動アーム60とが揺動支点軸61回りに一体的に揺動自在とされている。
レバー部材79の上端側には、連動ロッド80の後端側が左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支連結され、連動ロッド80の前端側は前記回動部材67の先端側に枢軸68を介して左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支連結されていて、回動部材67が一回転することにより、連動ロッド80が前後に押し引きされてレバー部材79が前後に揺動し、送出し爪59が上下に一往復動する。
【0051】
その他の構成は、前記図1〜図10に示す実施の形態と同様に構成される。
また、この図12〜図14に示す実施の形態にあっても、図11に示す実施の形態と同様に、揺動アーム60の揺動支点軸61の上下方向に関する位置を、縦送りローラ43のかみ込み部43aの近傍位置にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】移植機の側面図である。
【図2】移植機の平面図である。
【図3】移植装置等の側面図である。
【図4】移植装置の要部の背面図である。
【図5】苗供給装置の側面概略構成図である。
【図6】苗姿勢変更装置の側面図である。
【図7】苗姿勢変更装置の背面図である。
【図8】苗姿勢変更装置の要部の側面図である。
【図9】ポット苗を押し下げて縦送りローラにかみ込ませる際の苗姿勢変更装置の要部の側面図である。
【図10】苗姿勢変更装置の平面図である。
【図11】他の実施の形態にかかる押下げ手段の側面図である。
【図12】他の実施の形態にかかる押下げ手段の側面図である。
【図13】他の実施の形態にかかる押下げ手段の平面図である。
【図14】他の実施の形態にかかる押下げ手段の要部の側面図である。
【符号の説明】
【0053】
16 苗移送ベルト
26 植付体
41 苗受け手段
43 縦送りローラ
43a かみ込み部
45 床土受け部
47 茎葉受け部
59 送出し爪
60 揺動アーム
61 揺動支点軸
C 苗移送方向
G 回転軸心
N ポット苗
Na 床土部
Nb 茎葉部
Q 間隔
S 床土部の深さ
U 床土部の底部の深さ方向に直交する方向の幅
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に苗を植え付ける移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、移植機として、ポット苗をその床土部の深さ方向に略直交する水平方向に横向き姿勢で移送する苗移送ベルトの終端側に、苗移送ベルト終端から横向き姿勢で落下するポット苗を受ける苗受け手段を備え、この苗受け手段は、ポット苗の床土部を苗移送方向両側から挟持状に受ける一対の受部材を備えていると共に開閉自在に構成された床土受け部と、ポット苗の茎葉部を受ける茎葉受け部とから構成され、この苗受け手段の茎葉受け部の下方側に、苗移送方向に直交する水平軸と平行な軸心回りに回転する縦送りローラを苗移送方向一対備え、床土受け部に受持された床土部を押し下げる送出し爪を備え、この送出し爪により床土部を押し下げることで、床土受け部が開いて床土部が落下すると共に回転する一対の縦送りローラによって茎葉部が挟持されて下方に送られ、これによりポット苗を下方に送りながら茎葉部が上向きとなる縦向き姿勢に姿勢変更して縦送りローラの下方側に位置する植付体へと送るように構成した移植機がある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−194553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記移植機にあっては、横向き姿勢のポット苗の床土部を床土受け部で受け且つ茎葉受け部でポット苗の茎葉部を受けた状態で、ポット苗の床土部を送出し爪で押し下げて床土受け部から下方に落下させることにより、床土部を縦送りローラ側に揺動させると共に茎葉部を回転する一対の縦送りローラ間で挟み込んで下方に送ることで、ポット苗を下方移動させながら横向き姿勢から縦向き姿勢に姿勢変更して植付体に受け渡すようにしているが、逆回転する一対の縦送りローラ間にポット苗の茎葉を確実に押し込まないと、ポット苗が縦送りローラによってはじかれるという問題がある。
【0004】
また、床土部を押し下げる際の送出し爪と、縦送りローラとの間の間隔が広いとポット苗の茎葉部が縦送りローラにかみ込まれずに送出し爪と縦送りローラとの間をすり抜けて落下してしまうことがあり、この場合、高速で回転する縦送りローラでポット苗を下方に送れないので、植付体に対するポット苗の供給が遅れるという問題がある。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みて、ポット苗が縦送りローラによってはじかれる、ポット苗の茎葉部が縦送りローラにかみ込まれずに送出し爪と縦送りローラとの間をすり抜けて落下してしまう、といったミスを防止することができる移植機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、ポット苗をその床土部の深さ方向に略直交する水平方向に横向き姿勢で移送する苗移送ベルトの終端側に、苗移送ベルト終端から横向き姿勢で落下するポット苗を受ける苗受け手段を備え、この苗受け手段は、ポット苗の床土部を受ける開閉自在な床土受け部と、ポット苗の茎葉部を受ける茎葉受け部とから構成され、この苗受け手段の茎葉受け部の下方側に、苗移送方向に直交する水平軸と平行な軸心回りに回転する縦送りローラを苗移送方向一対備え、床土受け部に受持された床土部を押し下げる送出し爪を備え、この送出し爪により床土部を押し下げることで、床土受け部が開いて床土部が落下すると共に回転する一対の縦送りローラによって茎葉部が挟持されて下方に送られ、これによりポット苗を下方に送りながら茎葉部が上向きとなる縦向き姿勢に姿勢変更して縦送りローラの下方側に位置する植付体へと送るように構成した移植機において、
床土部を押し下げる際の送出し爪と、縦送りローラとの間の間隔を床土部の底部の深さ方向に直交する方向の幅より狭くしたことを特徴とする。
【0006】
また、基部側が苗移送方向に平行な軸心を有する揺動支点軸回りに回動自在に枢支されていて前記揺動支点軸回りに上下揺動自在な揺動アームを設け、この揺動アームの先端側に送出し爪を設け、揺動支点軸の上下方向に関する位置を縦送りローラのかみ込み部近傍位置とし、床土部を押し下げる際における、送出し爪と縦送りローラとの間の間隔を、縦送りローラのかみ込み部近傍で最小としてもよい。
これにより、送出し爪を縦送りローラに容易に近接させることができる。
また、基部側が苗移送方向に平行な軸心を有する揺動支点軸回りに回動自在に枢支されていて前記揺動支点軸回りに上下揺動自在な揺動アームを設け、この揺動アームの先端側に送出し爪を設け、揺動支点軸を、縦送りローラに対して、床土受け部配置側とは反対側で且つ縦送りローラの回転軸心方向に離間して配置してもよい。
【0007】
これにより、ポット苗の茎葉部を縦送りローラにくい込ませる方向に苗を押し下げることができ、茎葉部を確実に縦送りローラ間にかみ込ませることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ポット苗の茎葉部を縦送りローラ間に確実に押し込めることができ、ポット苗が縦送りローラによってはじかれる、ポット苗の茎葉部が縦送りローラにかみ込まれずに送出し爪と縦送りローラとの間をすり抜けて落下してしまう、といったミスを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜図3において、1は玉葱等の野菜の苗を圃場に植え付ける移植機であり、本実施の形態では、前部に走行体1Aを備え、後部に移植装置1B及びハンドル4を備えた歩行型の移植機1を例示している。
走行体1Aは、エンジン(動力源)E、ミッションケースM、左右一対の前輪(車輪)2及び左右一対の後輪(車輪)3を備えており、ミッションケースMの前後方向中途部下部から架台Kが前方突出状に設けられ、この架台K上にエンジンEが搭載され、エンジンEの後部にミッションケースMの前端側が連結されており、これらエンジンE、ミッションケースM、架台K等によって車体Bが主構成されている。
【0010】
架台Kの前下部には、左右方向に配置された筒状の前輪支軸18が軸受等を介して左右方向の軸心廻りに回動自在に支持され、この前輪支軸18の左右両側には、それぞれ取付軸19が一体回動自在で且つ左右方向位置調整自在に挿入され、各取付軸19の左右方向外端側に、それぞれ後方に向かうに従って下方に移行する傾斜状に配置された前輪支持アーム20の前端側が固定され、左右各前輪支持アーム20の後端側にそれぞれ前輪2が左右軸廻りに回転自在に取り付けられている。
ミッションケースMの後部左右両側には、左右方向の軸心を有する後輪支軸21が左右方向外方に向けて突出状に設けられ、左右各後輪支軸21の外端側に、それぞれ後方に向かうに従って下方に移行する傾斜状に配置された走行伝動ケース22の前端側が左右方向の軸心廻りに回動自在に支持されており、左右各走行伝動ケース22の後端側にそれぞれ後輪3が左右軸廻りに回転自在に取り付けられている。
【0011】
ミッションケースMから左右両側に出力されるエンジンEからの動力は、後輪支軸21内の伝動軸及び走行伝動ケース22内の動力伝達機構を経て後輪3に伝達されて該後輪3が回転駆動され、走行体1Aが走行する。
また、前輪支軸18と左右の後輪支軸21とは、左右一対の連動ロッド23によって連動連結されていて、前輪支軸18が軸心廻りに回動すると、左右の前輪支持アーム20が前輪支軸18の軸心廻りに上下に揺動して左右の前輪2が車体Bに対して昇降すると共に、左右の連動ロッド23が押し引きされて左右の走行伝動ケース22が後輪支軸21の軸心廻りに上下に揺動して左右の後輪3が車体Bに対して昇降する。
【0012】
したがって、左右一対の前後輪2,3が、車体Bに対して4輪同時に昇降自在とされている。
また、架台Kには、油圧シリンダ等からなる昇降シリンダ24が設けられ、この昇降シリンダ24のピストンロッドは前輪支軸18にブラケットを介して連動連結されていて、昇降シリンダ24のピストンロッドを出退させることにより前輪支軸18が軸心廻りに回動するように構成されており、この昇降シリンダ24の伸縮によって車体Bに対して相対的に前後輪2,3が昇降し、該前後輪2,3が昇降することにより走行体1Aの車体B及び移植装置1Bが地面に対して昇降自在(高さ調整自在)とされている。
【0013】
前記移植装置1Bは、図1〜図3に示すように、走行体1Aの車体Bに固定されたフレームFと、ポット苗Nを圃場に植え付ける植付体26と、この植付体26にポット苗Nを供給する苗供給装置27と、圃場に植え付けられたポット苗Nの側方の土を押圧して鎮圧すると共に株際に土を押し付けて覆土する鎮圧輪28を備えた覆土・鎮圧装置29等とを備えている。
この移植装置1BのフレームFは、動力伝達ケース30と、植付伝動ケース46と、第1フレーム32と、第2フレーム33と、第3フレーム34とで主構成されている。
【0014】
動力伝達ケース30は、その下部が走行体1AのミッションケースMの後部に取付固定されていてミッションケースMから上方に突出状に設けられ、この動力伝達ケース30の上部後面側には筒体35が後方突出状に取付固定され、この筒体35の後端側に植付伝動ケース46が連結されている。
第1フレーム32は、前部から中途部にかけて前後方向直線状に形成され後部が後方に向かうに従って上方に移行する傾斜状に形成されたパイプ材からなり、この第1フレーム32の前端側は植付伝動ケース46の後面側下部に連結されており、該第1フレーム32の後端側にハンドル4が連結されている。
【0015】
第2フレーム33は、前後方向直線状に形成されて第1フレーム32の下方側に配置され、この第2フレーム33の後部側が、連結フレーム36を介して第1フレーム32の前後方向中途部に連結されている。
この第2フレーム33の前部には第3フレーム34の後部が固定され、この第3フレーム34の前部は、動力伝達ケース30の下部に連結されている。
この移植装置1BのフレームFと走行体1Aの車体Bとで移植機1の機体が構成されている。
【0016】
ミッションケースMの後下部には、エンジンEからの動力がミッションケースM内の動力伝達機構を介して伝達される出力軸37が設けられ、この出力軸37から動力伝達ケース内の伝動機構、筒体35内の伝動軸等を介して植付伝動ケース46内の動力伝達機構に動力が入力される。
前記植付体26は、上端開口状で前後に開閉自在に構成されていると共に、フレームFに上下動自在に支持されており、閉じた状態でその移動軌跡の上死点側で上方からポット苗Nが落下供給され、内部にポット苗Nを収容した状態で下降して圃場(畝)に突入し且つ前後に開くことにより、圃場に植え穴を形成すると共に該植え穴にポット苗Nを落下放出(供給)することによりポット苗Nを植え付け、上死点に至るまでの上昇過程で閉じるように構成されている。
【0017】
また、本実施の形態にあっては、2条植えの移植機1が例示されており、したがって、植付体26は左右一対備えられている。
また、左右一対の植付体26は、上方側に移動したとき互いに離間し下方側に移動したとき互いに接近するように、下方に行くに従って左右方向内方に移行する傾斜方向に昇降する。
苗供給装置27は、図3〜図6に示すように、移植機1の後部上側に配置されていて第1フレーム32等に取り付けられた苗載台5と、この苗載台5に搭載された苗トレイTからポット苗Nを取り出す苗取出し装置7と、この苗取出し装置7で取り出されたポット苗Nを植付体26上方に移送する苗移送装置6と、この苗移送装置6で植付体26上方に送られた横向き姿勢のポット苗Nを縦向き姿勢に姿勢変更して植付体26に供給する苗姿勢変更装置38とを有し、各装置は植付伝動ケース46から出力される動力によって駆動される。
【0018】
苗トレイTは樹脂製で可撓性を有していて弾性的に湾曲自在であり、多数のポット部Pが縦横に基盤目状に形成されており、このポット部Pに充填された床土に播種して、野菜(玉葱)等のポット苗Nが育苗されている。
なお、本実施の形態では、このポット苗Nの床土部Naの形状は底部に行くにしたがって径小となる截頭円錐状に形成されている(底部に行くにしたがって断面積が小さくなる截頭四角錐状に形成されていてもよい)。
また、苗トレイTは、ポット部Pの開口が前方を向くように(ポット苗Nの茎葉部Nbが前方を向くように)苗載台5に上方からセットされる。
【0019】
苗取出し装置7は、苗移送装置6の上方に配置され、ポット部Pからポット苗Nを押し出す押出杆8と、この押出杆8で押し出されたポット苗Nを受持すると共に苗移送装置6へと渡す苗受渡し機構9とを有する。
押出杆8は、苗トレイTの横一列(左右方向一列)のポット苗Nに対応する数設けられ、苗載台5の後方側に前後方向移動自在に備えられ、前方移動してポット部P内にその底部(後方)から挿入されて横一列のポット苗Nを前方に押し出し、その後、後退する。
なお、ポット苗Nが押し出された後、苗トレイTはポット苗Nの横一列分下方に縦送りされ、押出杆8は、苗移送装置6のポット苗Nがなくなるまで(または、大部分がなくなるまで)待機する。
【0020】
また、苗トレイTは苗載台5の下部側で湾曲されて、後方側に取り出される。
ポット部Pから押し出された横一列のポット苗Nは、その床土部(根鉢)Naが苗受渡し機構9の苗受けアーム10の苗受け溝10a内に押し込まれる。
苗受けアーム10は、植付伝動ケース46内の動力伝達機構によって回転駆動されるクランク11に連動部材13を介して連動連結されており、クランク11の回転によって、図5に実線で示す苗受取り位置と、仮想線で示す苗渡し位置とに位置変更自在とされていて、苗受取り位置でポット部Pから押し出されたポット苗Nを受持し、その後、ポット苗Nを前後逆方向に反転させながら下方に回動し、苗渡し位置に至る際に、苗受け溝10aがポット苗Nの床土部Naを先にして跳ね出し部材12の位置を通過し、これによりポット苗Nが苗受け溝10aから押し出され、跳ね出し部材12はポット苗Nが苗受け溝10aから抜け切ると同時に、下方(矢印a1方向)に回動し、ポット苗Nを下方の苗移送装置6上に落下させるように構成されている。
【0021】
苗移送装置6は、図3〜図5に示すように、苗載台5の前方で且つ下方側に配置され、左右の植付体26に対応して左右一対設けられ、且つ移植装置1Bの左右方向のセンターを境に左右に振り分け配置されており、第1フレーム32に取付支持されている。
左右各苗移送装置6は、前後方向の軸心回りに回転自在な左右のプーリ15と、この左右プーリ15に掛装されたエンドレスの苗移送ベルト16を有し、左右一方(左右方向外側)のプーリ15は、植付伝動ケース46内の動力伝達機構からベベルギヤ伝動機構等を介して伝達される動力によって回転駆動する回転軸39によって駆動され、このプーリ15の回転駆動によって、苗移送ベルト16は、その上部側が、移植装置1Bの左右方向中央側から左右方向外方側に向けて移動されるように構成されている。
【0022】
ポット苗Nは、その茎葉部Nbが後方を向いた横向き姿勢で左右方向に並ぶように苗移送ベルト16上に載置され、苗移送ベルト16によって左右方向(床土部の深さ方向に略直交する水平方向)に移送され、各苗移送ベルト16の終端部(左右方向外端部)において下方に落下する。
また、苗移送ベルト16の表面の前端部側(ポット苗Nの床土部Naの載置側)には、ベルト幅方向(前後方向)に複数配置された位置決め用突起40が苗移送方向Cに等間隔をおいて設けられ、苗移送方向Cで隣り合う位置決め用突起40間にポット苗Nが1つずつ位置決めされるようになっている。
【0023】
前記左右の植付体26は、その移動域の上死点側で、左右方向で同じ側にある苗移送ベルト16の終端側下方に位置するように設けられている。
苗姿勢変更装置38は植付体26に対応して左右一対設けられており、この左右の姿勢変更装置38は左右方向で同じ側にある苗移送ベルト16の終端側に設けられている。
この苗姿勢変更装置38は、苗移送ベルト16終端から横向き姿勢で落下するポット苗Nを受ける苗受け手段41と、ポット苗Nの床土部Nbを押し下げる押下げ手段42と、ポット苗Nを挟持して下方に高速で送る左右一対の縦送りローラ43とを備えている。
【0024】
苗受け手段41は、図6〜図10に示すように、苗移送ベルト16終端部の前部側で左右方向外側方に配置されていてポット苗Nの床土部Naを受ける床土受け部45と、この床土受け部45の後方側に配置されていてポット苗Nの茎葉部Nbを受ける茎葉受け部47と、ポット苗Nの下葉Ncを受ける下葉受け48とから構成されている。
床土受け部45は床土部Naを左右両側(苗移送方向C両側)から挟持状に受ける左右一対の受部材49,50を備えている。
左右の受部材49,50は板材によって形成され、左右方向内方側の受部材49は苗移送ベルト16の終端部の略真下にその板面が左右方向を向くように配置されており、苗移送ベルト16の前方側に配置され且つ植付伝動ケース46側に固定された支持壁51に固定されている(この受部材49を固定受部材という)。
【0025】
この固定受部材49は、上部が上方に向かうに従って左右方向内方側に移行する傾斜状に形成され、下部が上下方向に沿うように形成され、固定受部材49の上部には、該固定受部材49を苗移送ベルト16に近接させるべく、苗移送ベルト16の位置決め用突起40との干渉を避けるための溝52が形成されている。
左右方向外方側の受部材50は、苗移送ベルト16終端部の左右方向外側方に所定間隔をおいて配置され、その上端側が前記支持壁51に固定された支軸53に前後方向の軸心回りに回動自在に支持されていて左右揺動自在とされている(この受部材50を可動受部材という)。
【0026】
この可動受部材50は、下部側が固定受部材49に左右方向で対向状に配置され、前記支軸53に套嵌された捩りコイルバネ(図示省略)等の付勢手段によって支軸53回りに固定受部材49に近接するように付勢されていると共に、支軸53の端部に固定されたストッパ54によって支軸53回りの回動が規制されている。
また、可動受部材50は、図7に示すように、ストッパ54によって回動規制された状態において、その下部側が下方に向かうに従って左右方向内方に移行する傾斜状となるように形成されており、固定受部材49と可動受部材50との対向間隔が下方に行くに従って漸次狭くなるように且つ上下方向中途部でポット苗Nの床土部Naの幅よりも狭くなるように構成されている。
【0027】
したがって、ポット苗Nの床土部Naは、苗移送ベルト16の終端において、位置決め用突起40に案内されて固定受部材49と可動受部材50との間に上方から落下し、固定受部材49と可動受部材50との間の中途部で固定受部材49と可動受部材50とで挟まれるようにして受持される。
また、この実施の形態にあっては、床土受け部45は可動受部材50が左右方向に揺動することにより開閉自在とされていて、可動受部材50がバネの付勢力に抗して左右方向外方に揺動することにより床土受け部45が開き、床土部Naが床土受け部45から外れて下方に落下するように構成されている。
【0028】
茎葉受け部47は、板材によって形成されていて、苗移送ベルト16の終端部よりも下方側(苗移送ベルト16のプーリ15中心Dよりも下方側)に配置されている。
また、この茎葉受け部47は、底壁47aと左右側壁47bとを有して上方開放状に形成され、底壁47aは後端から前方に行くに従って左右幅が狭くなるように形成されていて、前端側(床土受け部45側)において、図7に示すように、茎葉受け部47の断面形状が下面側に凸となるV字状となるように形成されていて、苗の茎葉部Nbを茎葉受け部47の左右方向中央部に寄せる機能を有する。
【0029】
また、茎葉受け部47の底壁47aは、後端から前方に行くに従って(茎葉部Nb先端側から株元側に行くに従って)下方に移行する傾斜状に形成されていると共に、前端側において、前端部が下方を向くように且つ前上方に凸となる湾曲状に形成されている。
なお、茎葉受け部47は支持部材を介して前記支持壁51に支持されている。
下葉受け48は左右一対設けられ、図10に示すように、茎葉受け部47の前端部の左右両側から前方に向けて突出状に延設されていて、茎葉受け部47に一体形成(又は別体で形成されて茎葉受け部47に固着)されている。
【0030】
なお、この下葉受け48は左右一方だけでもよい。
左右一対の縦送りローラ43は、茎葉受け部47の前端側下方で且つ上死点位置に位置する植付体26の上方で且つ可動受部材50下部及び固定受部材49の後方側に配置されており、前後方向の軸心を有し、周面が左右方向で接触している。
また、左右の各縦送りローラ43は、前後方向の軸心を有する回転軸55の後部に固定され、回転軸55の前部は、フレームF側に固定された支持枠体56に設けた軸受部57に軸心回りに回転自在に支持されている。
【0031】
前記軸受部57は、固定受部材49及び可動受部材50の前方側に位置している。
左右の縦送りローラ43を支持する各回転軸55には、軸受部57の前側に配置された平歯車58が固定され、これら平歯車58は互いに噛合されており、一方の回転軸55が植付伝動ケース46から出力される動力によって前後軸回りに回転駆動されることにより、図4に矢示で示すように、縦送りローラ43の接触側において周面が下方移動するように、左右の縦送りローラ43が互いに逆方向に回転する。
左右の縦送りローラ43は、これらの軸心を通り且つ該軸心Gに直交する線分Hが左右方向内方に行くに従って上方に移行する傾斜状となるように構成されており、左右の縦送りローラ43が植付体26の傾斜昇降方向に対応して取り付けられている(植付体26の傾斜昇降方向と左右の縦送りローラ43の軸心Gを通る線分Hとが略直交するように構成するのがよい)。
【0032】
前記茎葉受け部47の前端部は縦送りローラ43の回転軸心G方向の中央側に位置していると共に、該茎葉受け部47の左右方向中央部は、左右の縦送りローラ43間の上方(縦送りローラ43の接触部分の略真上)に位置しており、茎葉受け部47の底壁47a前端は、左右の縦送りローラ43の両方の上端側に接する接線Jよりも下方に入り込むように構成されていて、茎葉受け部47を縦送りローラ43に近接させて、縦送りローラ43との隙間を少なくしている。
また、下葉受け48は、図10に示すように、縦送りローラ43の前端まで延設されていて、縦送りローラ43を覆うように該縦送りローラ43の上方に位置する。
【0033】
また、固定受部材49及び可動受部材50の下端部は、左右の縦送りローラ43の両方の上端側に接する接線Jよりも下方に位置するように構成されている。
押下げ手段42は、植付伝動ケース46の側方に設けられており、床土部Naを押し下げて床土受け部45から下方に送り出す送出し爪59と、この送出し爪59を支持する揺動アーム60とを有する。
揺動アーム60は、その前端部(基部側)が、植付伝動ケース46の下部前方で左右方向に配置された揺動支点軸61の端部側に左右方向の軸心廻りに回動自在に支持されていて上下揺動自在とされており、前記揺動支点軸61は植付伝動ケース46に固定されたブラケット62に支持されている。
【0034】
送出し爪59は、その上端側が揺動アーム60の後端部(先端側)に取付固定され、下端側の面が床土部Naに接当する接当面63とされており、且つ下端側から上方側に向けて形成された複数の溝64によって下部側が前後方向複数に分割されている。
揺動アーム60の前後方向中途部には、枢軸65を介してリンク66の一端側が左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支連結されており、このリンク66の他端側は、回動部材67の一端側に枢軸68を介して枢支連結されている。
この回動部材67の他端側は、植付伝動ケース46の前部側の側面上部に設けられた左右方向の軸心を有する駆動軸69に連結されていて該駆動軸69回りに回動し、駆動軸69によって回動部材67が回動することにより揺動アーム60が前端側の揺動支点軸61回りに上下に揺動し、回動部材67の一回転によって送出し爪59が上下に一往復動する。
【0035】
送出し爪59は、上死点で床土受け部45の固定受部材49と可動受部材50との間の上方で且つ苗移送ベルト16よりも上方に位置しており、ここから固定受部材49と可動受部材50との間を通過して下部側が縦送りローラ43と軸受部57との間に至るように下降し、その下降途中で下端の接当面63が固定受部材49と可動受部材50との間に受持された床土部Naに接当して該床土部Naを押し下げる。
床土部Naは、可動受部材50を押圧することにより該可動受部材50を支軸53回りに回動させて(可動受部材50を押し開きながら)下方移動し、床土部Naが下方移動すると該床土部Naが床土受け部45から外れると共に茎葉部Nbの株元側が縦送りローラ43間にかみ込まれる。
【0036】
送出し爪59の接当面63は、図9(a)に示すように、床土部Naを押し下げて茎葉部Nbの株元側を縦送りローラ43間にかみ込ませる際において、ポット苗Nが後方に行くに従って上方に移行する傾斜姿勢となるように、床土部Naを押し下げるべく該床土部Naに面接触した状態において、後方に行くに従って上方に移行する傾斜状となるように形成されている(送出し爪59の接当面63は、床土部Naを押し下げるべく該床土部Naに面接触した状態において、縦送りローラ43の回転軸心Gに対して後方に行くに従って上方に移行する傾斜角度Oが付けられている)。
【0037】
なお、送出し爪59は、図9に示す位置からさらに下降して下死点位置に至る。
また、図9(b)に示すように、床土部Naを押し下げて茎葉部Nbの株元側を縦送りローラ43間にかみ込ませる際における、送出し爪59の接当面63の後端(縦送りローラ43側端部)と、縦送りローラ43の前端(送出し爪59側の端部)との間の間隔Qはポット苗Nの床土部Naの底部の深さS方向に直交する方向の幅(截頭円錐状の床土部Naであれば底部の直径、截頭四角錐状の床土部Naであれば底部の対向する辺間の間隔)Uよりも狭くなるように構成されている。
【0038】
例えば、床土部Naを押し下げて茎葉部Nbを縦送りローラ43間にかみ込ませる際における、送出し爪59の接当面63の後端と縦送りローラ43の前端との間の間隔が広いと、茎葉部Nbが縦送りローラ43間にかみ込まれずに、送出し爪59と縦送りローラ43との間をすり抜けて落ちる場合があるが、前記のように構成することにより、茎葉部Nbを確実に縦送りローラ43間に押し込むことができる。
なお、前記床土部Naの幅Uは16mmに形成されているが、送出し爪59と、縦送りローラ43との間の間隔Qは、この床土部Naの幅Uよりも狭くするのがよく、できるだけ狭い方がよい。(例えば、2〜3mm(好ましくは2mm)とするのがよい)。
【0039】
さらに、送出し爪59の床土部Naと接触する部分の、床土部Naの深さS方向に対応する方向の幅(前後幅)Rは床土部Naの深さSよりも大に形成されており、これによって、ポット苗Nが送出し爪59に対して前後に位置ズレしても確実にポット苗Nを送り出すことができる。
前記構成の苗姿勢変更装置38にあっては、苗移送ベルト16の終端から横向き姿勢で落下したポット苗Nを、苗受け手段41で受け止めて、押下げ手段42によって押し下げられるまで一時待機させる。
【0040】
このとき、ポット苗Nは図8に符号aで示す位置にあり、該ポット苗Nは床土受け部45から茎葉受け部47に行くに従って上方に移行する傾斜姿勢で苗受け手段41によって保持される。
また、この待機状態において、苗の下葉Ncが下葉受け48によって受けられるので、下葉Ncが縦送りローラ43にかみ込まれるのを防止することができる。
次に、上死点位置から送出し爪59が下降すると、送出し爪59は、その接当面63が前端側から床土部Naに接当していき、床土部Naを前述した待機状態からポット苗Nが起きるようにさらに傾斜させながら押し下げて、茎葉部Nbの株元側を縦送りローラ43間にかみ込ませる。
【0041】
ポット苗Nは、茎葉部Nbが茎葉受け部47で受持された状態で床土部Naが押し下げられることにより床土部Naが縦送りローラ43に近接するように揺動し且つ茎葉部Nbの株元側が縦送りローラ43間にかみ込まれることにより高速で互いに逆回転する一対の縦送りローラ43によって茎葉部Nbが挟持されて下方に高速で送られる。
これら動作が組み合わされることにより、ポット苗Nは、図8に符号b,c,dで示すように、苗受け手段41によって受持された横向き姿勢から下方移動しながら茎葉部Nbが上側で床土部Naが下側となる縦向き姿勢へと姿勢変更する。
【0042】
茎葉受け部47の前端側の円弧形状部分70は、ポット苗Nが姿勢変更しながら縦送りローラ43によって下方に送られるとき、ポット苗Nの姿勢を効果的に縦向き姿勢に変えるガイドの働きをすると共に、ポット苗Nを縦向き姿勢にする際の急激な姿勢変化を防ぎ、苗の損傷を防ぐ。
また、茎葉受け部47の前端位置を縦送りローラ43間の前後方向中央位置に位置させることで、ポット苗Nの茎葉部Nbの株元から先端まで連続して縦送りローラ43間にかみ込ませてポット苗Nを送ることができる。
【0043】
さらに、茎葉受け部47の前端を左右の縦送りローラ43の両方の上端側に接する接線Jよりも下方(縦送りローラ43のかみ込み部43a側)に入り込ませることで、確実に茎葉部Nbを縦送りローラ43間にかみ込ませることができる。
また、床土受け部45の固定受部材49及び可動受部材50の下端部は、左右の縦送りローラ43の両方の上端側に接する接線Jよりも下方に位置するように構成して、床土部Naが床土受け部45から外れる時期を縦送りローラ43間に茎葉部Nbがかみ込まれる時期に近づけることにより、茎葉部Nbを一対の縦送りローラ43間に確実にかみ込ませることができ、ポット苗Nを送出し爪59で送るときに、ポット苗Nが縦送りローラ43で弾かれるということがない。
【0044】
また、ポット苗Nを苗受け手段41で受け止めて一時待機させるときに、後方に行くに従って上方に移行する傾斜姿勢で保持することより、横向き姿勢から縦向き姿勢に姿勢変更する際に、急激な姿勢変化を防止してポット苗Nの損傷を防ぐことができ、さらに、送出し爪59でポット苗Nの床土部Naを押し下げる際に、床土部Naを待機状態からポット苗Nが起きるようにさらに傾斜させながら押し下げるようにしているので、横向き姿勢から縦向き姿勢に姿勢変更する際の急激な姿勢変化を防止して苗の損傷を防ぐことができる。
【0045】
なお、本実施の形態では、左右の縦送りローラ43はこれらの軸心Gを通り且つ該軸心Gに直交する線分Hが左右方向内方に行くに従って上方に移行する傾斜状となるように構成されているので、ポット苗Nは上方に行くに従って左右方向外方に傾斜した縦向き姿勢となり、植付体26の傾斜昇降方向に対応してポット苗Nが放出され、該ポット苗Nが植付体26に入るタイミングが多少遅れてもポット苗Nは確実に植付体26に入る。
一対の縦送りローラ43の下側で且つ上死点位置に位置する植付体26の上方側には、苗ガイド71が設けられており、苗姿勢変更装置38で縦向き姿勢に姿勢変更されたポット苗Nは、この苗ガイド71を通して植付体26に投入される。
【0046】
この苗ガイド71は、移植装置1BのフレームF側に固定されており、上部側が上方に行くに従って広くなった筒状に形成されており、下部は左右側壁と後壁とから前方開放状のコ字形に形成されており、この苗ガイド71の下部は、上死点に位置する植付体26に挿入状とされる。
縦向き姿勢で下方の植付体26へと送られたポット苗Nは、植付体26によって圃場の畝に植え付けられ、左右の鎮圧輪28はポット苗Nの植付け位置の左右両側の畝上を転動し、植え穴に供給されたポット苗Nの左右両側の土を押圧してポット苗Nの株際に土を押し付けて覆土する。
【0047】
前述した移植機1にあっては、苗供給装置27によって植付体26にポット苗Nを供給して該ポット苗Nを植え付けて覆土する動作を繰り返すことにより、走行しながら畝にポット苗Nが植え付けられる。また、本実施の形態の移植機1では、2条植え移植機であると共に移植装置1Bが左右前後輪2,3の左右方向中央から左右一側(左側)にオフセットされて設けられており、往復4条植え(往路で畝上面側の左右方向一側に2条を植え付け、復路で畝上面側の左右方向他側に2条を植え付ける)が行えるように構成されている。
【0048】
図11は他の実施の形態に係る押下げ手段42を示しており、この押下げ手段42にあっては、揺動アーム60の揺動支点軸61の上下方向(高さ方向)に関する位置を、縦送りローラ43のかみ込み部43aの近傍位置にし、床土部Naを押し下げる際における、送出し爪59と縦送りローラ43との間の間隔Qを、縦送りローラ43のかみ込み部43a近傍で最小としている。
その他の構成は、前記実施の形態と同様に構成される。
前記構成により、送出し爪59を縦送りローラ43に容易に近接させることができる。
【0049】
図12〜図14はさらに他の実施の形態に係る押下げ手段42を示しており、この押下げ手段42にあっては、揺動アーム60の揺動支点軸61を、縦送りローラ43の後方位置に縦送りローラ43に対して離間して配置することにより、ポット苗Nの茎葉部Nbを縦送りローラ43にくい込ませる方向にポット苗Nを押し下げることができるようにしたものである。
これにより、茎葉部Nbを確実に縦送りローラ43間にかみ込ませることができる。
この実施の形態にあっては、第1フレーム32の後部側には支持台76が設けられ、この支持台76に立設されたブラケット77に前記揺動支点軸61が支持されており、この揺動支点軸61に、揺動アーム60の基端側(後端側)のボス部78が左右軸回りに回動自在に外嵌されて支持され、揺動アーム60の前端側に送出し爪59が取り付けられている。
【0050】
この揺動アーム60のボス部78には、レバー部材79の下端側が固定されていて、このレバー部材79と揺動アーム60とが揺動支点軸61回りに一体的に揺動自在とされている。
レバー部材79の上端側には、連動ロッド80の後端側が左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支連結され、連動ロッド80の前端側は前記回動部材67の先端側に枢軸68を介して左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支連結されていて、回動部材67が一回転することにより、連動ロッド80が前後に押し引きされてレバー部材79が前後に揺動し、送出し爪59が上下に一往復動する。
【0051】
その他の構成は、前記図1〜図10に示す実施の形態と同様に構成される。
また、この図12〜図14に示す実施の形態にあっても、図11に示す実施の形態と同様に、揺動アーム60の揺動支点軸61の上下方向に関する位置を、縦送りローラ43のかみ込み部43aの近傍位置にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】移植機の側面図である。
【図2】移植機の平面図である。
【図3】移植装置等の側面図である。
【図4】移植装置の要部の背面図である。
【図5】苗供給装置の側面概略構成図である。
【図6】苗姿勢変更装置の側面図である。
【図7】苗姿勢変更装置の背面図である。
【図8】苗姿勢変更装置の要部の側面図である。
【図9】ポット苗を押し下げて縦送りローラにかみ込ませる際の苗姿勢変更装置の要部の側面図である。
【図10】苗姿勢変更装置の平面図である。
【図11】他の実施の形態にかかる押下げ手段の側面図である。
【図12】他の実施の形態にかかる押下げ手段の側面図である。
【図13】他の実施の形態にかかる押下げ手段の平面図である。
【図14】他の実施の形態にかかる押下げ手段の要部の側面図である。
【符号の説明】
【0053】
16 苗移送ベルト
26 植付体
41 苗受け手段
43 縦送りローラ
43a かみ込み部
45 床土受け部
47 茎葉受け部
59 送出し爪
60 揺動アーム
61 揺動支点軸
C 苗移送方向
G 回転軸心
N ポット苗
Na 床土部
Nb 茎葉部
Q 間隔
S 床土部の深さ
U 床土部の底部の深さ方向に直交する方向の幅
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポット苗(N)をその床土部(Na)の深さ(S)方向に略直交する水平方向に横向き姿勢で移送する苗移送ベルト(16)の終端側に、苗移送ベルト(16)終端から横向き姿勢で落下するポット苗(N)を受ける苗受け手段(41)を備え、この苗受け手段(41)は、ポット苗(N)の床土部(Na)を受ける開閉自在な床土受け部(45)と、ポット苗(N)の茎葉部(Nb)を受ける茎葉受け部(47)とから構成され、この苗受け手段(41)の茎葉受け部(47)の下方側に、苗移送方向(C)に直交する水平軸と平行な軸心回りに回転する縦送りローラ(43)を苗移送方向(C)一対備え、床土受け部(45)に受持された床土部(Na)を押し下げる送出し爪(59)を備え、この送出し爪(59)により床土部(Na)を押し下げることで、床土受け部(45)が開いて床土部(Na)が落下すると共に回転する一対の縦送りローラ(43)によって茎葉部(Nb)が挟持されて下方に送られ、これによりポット苗(N)を下方に送りながら茎葉部(Nb)が上向きとなる縦向き姿勢に姿勢変更して縦送りローラ(43)の下方側に位置する植付体(26)へと送るように構成した移植機において、
床土部(Na)を押し下げる際の送出し爪(59)と、縦送りローラ(43)との間の間隔(Q)を床土部(Na)の底部の深さ(S)方向に直交する方向の幅(U)より狭くしたことを特徴とする移植機。
【請求項2】
基部側が苗移送方向(C)に平行な軸心を有する揺動支点軸(61)回りに回動自在に枢支されていて前記揺動支点軸(61)回りに上下揺動自在な揺動アーム(60)を設け、この揺動アーム(60)の先端側に送出し爪(59)を設け、揺動支点軸(61)の上下方向に関する位置を縦送りローラ(43)のかみ込み部(43a)近傍位置とし、床土部(Na)を押し下げる際における、送出し爪(59)と縦送りローラ(43)との間の間隔(Q)を、縦送りローラ(43)のかみ込み部(43a)近傍で最小としたことを特徴とする請求項1に記載の移植機。
【請求項3】
基部側が苗移送方向(C)に平行な軸心を有する揺動支点軸(61)回りに回動自在に枢支されていて前記揺動支点軸(61)回りに上下揺動自在な揺動アーム(60)を設け、この揺動アーム(60)の先端側に送出し爪(59)を設け、揺動支点軸(61)を、縦送りローラ(43)に対して、床土受け部(45)配置側とは反対側で且つ縦送りローラ(43)の回転軸心(G)方向に離間して配置したことを特徴とする請求項1に記載の移植機。
【請求項1】
ポット苗(N)をその床土部(Na)の深さ(S)方向に略直交する水平方向に横向き姿勢で移送する苗移送ベルト(16)の終端側に、苗移送ベルト(16)終端から横向き姿勢で落下するポット苗(N)を受ける苗受け手段(41)を備え、この苗受け手段(41)は、ポット苗(N)の床土部(Na)を受ける開閉自在な床土受け部(45)と、ポット苗(N)の茎葉部(Nb)を受ける茎葉受け部(47)とから構成され、この苗受け手段(41)の茎葉受け部(47)の下方側に、苗移送方向(C)に直交する水平軸と平行な軸心回りに回転する縦送りローラ(43)を苗移送方向(C)一対備え、床土受け部(45)に受持された床土部(Na)を押し下げる送出し爪(59)を備え、この送出し爪(59)により床土部(Na)を押し下げることで、床土受け部(45)が開いて床土部(Na)が落下すると共に回転する一対の縦送りローラ(43)によって茎葉部(Nb)が挟持されて下方に送られ、これによりポット苗(N)を下方に送りながら茎葉部(Nb)が上向きとなる縦向き姿勢に姿勢変更して縦送りローラ(43)の下方側に位置する植付体(26)へと送るように構成した移植機において、
床土部(Na)を押し下げる際の送出し爪(59)と、縦送りローラ(43)との間の間隔(Q)を床土部(Na)の底部の深さ(S)方向に直交する方向の幅(U)より狭くしたことを特徴とする移植機。
【請求項2】
基部側が苗移送方向(C)に平行な軸心を有する揺動支点軸(61)回りに回動自在に枢支されていて前記揺動支点軸(61)回りに上下揺動自在な揺動アーム(60)を設け、この揺動アーム(60)の先端側に送出し爪(59)を設け、揺動支点軸(61)の上下方向に関する位置を縦送りローラ(43)のかみ込み部(43a)近傍位置とし、床土部(Na)を押し下げる際における、送出し爪(59)と縦送りローラ(43)との間の間隔(Q)を、縦送りローラ(43)のかみ込み部(43a)近傍で最小としたことを特徴とする請求項1に記載の移植機。
【請求項3】
基部側が苗移送方向(C)に平行な軸心を有する揺動支点軸(61)回りに回動自在に枢支されていて前記揺動支点軸(61)回りに上下揺動自在な揺動アーム(60)を設け、この揺動アーム(60)の先端側に送出し爪(59)を設け、揺動支点軸(61)を、縦送りローラ(43)に対して、床土受け部(45)配置側とは反対側で且つ縦送りローラ(43)の回転軸心(G)方向に離間して配置したことを特徴とする請求項1に記載の移植機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−141361(P2006−141361A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−339638(P2004−339638)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(000100469)みのる産業株式会社 (158)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(000100469)みのる産業株式会社 (158)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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