説明

移植機

【課題】収納状態の予備苗給送装置の全高が低い、薬剤散布装置を備えた移植機を提供する。
【解決手段】予備苗を機体前方から後方に向けて搬送する予備苗給送装置は、支持ブラケット21に固定された固定苗台23と、固定苗台23の前後に回動自在に取付けられた前部可動苗台25及び後部可動苗台26とから構成されており、前部可動苗台25は、収納時に固定苗台23の上方に所定の間隔sを有して載置される。固定苗台23の前部に取付けられた薬剤散布装置27は、格納時には回動支軸31を中心として機体後方に回転して、予備苗給送装置に対して倒伏した格納姿勢に姿勢変更可能に構成されており、その格納時における高さhは、固定苗台23と前部可動苗台25との間sよりも小さく構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予備苗を機体前方から機体後方の植付作業機近傍まで搬送する予備苗給送装置を備えた、乗用田植機などの移植機に係り、詳しくは、予備苗給送装置によって搬送される予備苗に薬剤を散布する薬剤散布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固定苗台の上方に可動苗台を載置することによって、予備苗載せ台にもなる予備苗給送装置を備えた移植機において、薬剤散布装置を固定苗台に取付け、この薬剤散布装置が起立した作業姿勢のままで、可動苗台を固定苗台の上方に設けることが可能な移植機が案出されている。
【0003】
【特許文献1】特開2008−5720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1記載の移植機のように、薬剤散布装置が起立した作業姿勢の状態で、可動苗台を固定苗台の上方に載置可能にすると、薬剤散布装置を取付けた状態で予備苗給送装置を予備苗載せ台として使用できるが、作業姿勢の薬剤散布装置を固定苗台と可動苗台の間の空間に配置しなければならず、可動苗台の位置が高くなって、予備苗給送装置の重心が高くなってしまっていた。また、予備苗給送装置の全高が高いため、移植機を納屋などに収納する際に、予備苗給送装置が引っ掛かってしまい、その出入が規制されていた。
【0005】
そこで本発明は、薬剤散布装置を起立した起立姿勢と、予備苗給送装置に沿って倒伏した格納姿勢に姿勢変更可能に構成したことによって、上記課題を解決した移植機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、苗載せ台(9)から苗を掻きとって圃場へと移植する植付作業機(7)と、機体前方から後方に予備苗を搬送する予備苗給送装置(22)とを備え、該予備苗給送装置(22)を、機体側方から延設されるブラケット(21)に支持された固定苗台(23)と、該固定苗台(23)の長さ方向に連続して配置可能な可動苗台(25,26)とから構成し、前記可動苗台(25)を前記固定苗台(23)から離間した収納位置(図4の位置)にて、予備苗を前記固定苗台(23)上に載置し得る間隔(s)をあけて、該固定苗台(23)の上方に配置して予備苗台として用い得るように構成した移植機(1)において、
前記予備苗給送装置(22)上を搬送される予備苗に薬剤を散布する薬剤散布装置(27)を、前記固定苗台(23)に設け、
前記薬剤散布装置(27)は、起立した作業姿勢(図1の姿勢)と、前記固定苗台(23)に沿って倒伏した格納姿勢(図4の姿勢)とに姿勢変更可能である、
ことを特徴とした移植機にある。
【0007】
請求項2に係る発明は、前記薬剤散布装置(27)は、前記格納姿勢にあって、前記収納位置にある前記予備苗給送装置(22)の前記可動苗台(25)と前記固定苗台(23)との前記間隔(s)内に納まる寸法(h)とした、
請求項1記載の移植機(1)にある。
【0008】
請求項3に係る発明は、前記薬剤散布装置(27)は、前記固定苗台(23)の前部に設けられ、機体後方に回動して前記格納姿勢になる、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の移植機にある。
【0009】
なお、括弧内の符号等は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によると、予備苗給送装置を収納する際、薬剤散布装置を固定苗台に沿って倒伏した格納姿勢にすることによって、固定苗台の上方に配置される可動苗台の高さが低くなり、収納状態の予備苗給送装置の全高を低くすることができる。それにより、予備苗給送装置が納屋などに引っ掛かることがなくなり、移植機を容易に出し入れすることができると共に、可動苗台を完全に折畳むことが出来るため、安全に移植機を走行させることができる。また、収納位置の可動苗台上に苗を載置して予備苗台として使用することもできる。
【0011】
請求項2に係る発明によると、格納姿勢の薬剤散布装置の高さを、収納位置の可動苗台と固定苗台との間の空間に収まる高さとすることによって、予備苗給送装置の高さを低く抑えることが出来ると共に、上記可動苗台と固定苗台との空間を従来の予備苗を基準とした高さ以上に大きくする必要がない。
【0012】
請求項3に係る発明によると、固定苗台の前部に薬剤散布装置を設けることによって、その後方に薬剤が散布された予備苗を複数載置することができ、作業者は取りやすい任意の予備苗を取って苗載せ台に苗を補給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に本実施の形態に係る移植機としての乗用田植機1について図面に基づいて説明をする。図1に示すように、乗用田植機1は、前輪2,2及び後輪3,3に支持された走行機体5を有しており、その後方には昇降リンク6を介して、苗載せ台9を備えた植付作業機7が設けられている。また、走行機体5の機体前方には、ボンネット10に覆われたエンジンが搭載されていると共に、ステアリングハンドル11などを備えた運転操作部12が設けられており、これらボンネット10及び運転操作部12の左右側方にはフロントステップが機体後方に向けて延設されている。
【0014】
上記ステアリングハンドル11の底部には、フロントステップから連続して、メインステップ13が形成されており、そのメインステップ13の後方では機体カバー15上に運転座席16が取付けられている。また、機体カバー15は、運転座席16の左右後側方が平坦に形成されており、メインステップ13よりも一段高い、苗供給用ステップ17,17としている。
【0015】
一方、上述したボンネット10の左右側方には、施肥のための肥料タンク19が取付けられていると共に、その上方には機体フレーム20から延設された支持ブラケット21,21に支持された予備苗給送装置22,22が設けられている。左右の予備苗給送装置22,22は、上記支持ブラケット21に固定された固定苗台23と、固定苗台23の前後に連続して接続された2つの可動苗台25,26とから構成されており、固定苗台23の前部には、殺虫や病気の予防のための薬剤を散布する薬剤散布装置27が取付けられている。なお、薬剤とは上述したような、殺虫剤や抗菌剤などの狭義の薬剤に限らず、苗の育成を促進する意味で肥料なども含み、その形態も粒状、粉状もしくは液状など、どのようなものでもよい。
【0016】
次に、上記予備苗給送装置22及び薬剤散布装置27について説明をする。予備苗給送装置22の固定苗台23及び可動苗台25,26は、図2に示すように、それぞれ左右一対のコンベアフレーム23a,23b,25a,25b,26a,26b間に、多数のローラ29・・・が配置されたローラコンベアであり、機体前方側の前部可動苗台25は、その後端に設けられたブラケット25cが固定苗台23の前端に設けられたフロントブラケット23cと回動自在に連結することによって取付けられている。また、機体後方側の後部可動苗台26は、その前端に設けられたブラケット26cが固定苗台23の後端に設けられたリヤブラケット23dと回動自在に連結することによって取付けられている。
【0017】
上述したようにこれら前後の可動苗台25,26を、固定苗台23に対して回動自在に連結したため、予備苗給送装置22は、可動苗台25,26を固定苗台23に対して前後に伸張させた伸張位置(図1及び図2の位置)と、固定苗台23の上方に所定間隔sを空けて配置した収納位置(図4の位置)とに変更可能な構成となっており、可動苗台25,26が伸張位置において、機体前方から機体5の後方の苗供給用ステップ17上方まで、予備苗Aを搬送可能であると共に、収納位置においては、前部可動苗台25の上方に予備苗を載置して予備苗載せ台として使用することもできる。
【0018】
一方、薬剤散布装置27は、支持部材である左右のパネルフレーム30L,30Rが回動支軸31,31によって固定苗台23に回動自在に取付けられており、図3に示すように、パネルフレーム30L,30Rの切欠け部30a,30aが当接部材32,32と当接して、固定苗台23に対して略々垂直に起立した作業姿勢と、図4に示すように、機体後方に向けて回動し、固定苗台23に沿って倒伏した格納姿勢とに姿勢変更可能に構成されている。また、格納姿勢において、薬剤散布装置27の高さhは、上述した収納位置にある前部可動苗台25と固定苗台23との間sに納まるようになっている。
【0019】
上記薬剤散布装置27は、左右のパネルフレーム30L,30Rと、薬剤を貯留するホッパ33と、ホッパ33の下方に設けられ、回転することによって薬剤を散布する散布ローラ36と、余分な薬剤を散布ローラ36の外周から掻き取るブラシ35と、機体後方に伸びて散布ローラ36から散布された薬剤を案内する案内板37と、苗の葉をかき分ける分草棒(分草体)39とを備えており、これら散布ローラ36、ブラシ35及び案内板37によって薬剤を散布する散布部40が形成されている。
【0020】
図5(a),(b)に示すように、ホッパ33は、その供給口33aに蓋部材33bが設けられていると共に、該供給口33aから下方に行くに従って、機体前方に向ってその前後幅が狭くなるように構成されている。また、ホッパ33の下端部かつ薬剤散布装置27の前方では、散布ローラ36とブラシ35とが当接もしくは薬剤が漏れない間隔で上下に配置されており、これら散布ローラ36及びブラシ35が連動して回転することによって、散布ローラ36の外周に設けられた凹凸内の薬剤が散布部40から散布される。
【0021】
また、図3に示すように、散布ローラ36の下方には案内板37が機体後方に向けて延設されており、薬剤を散布する散布位置Pが、防風板でもある幅広のパネルフレーム30L,30Rの略々中央になるようにその取付け角度が設定されている。更に、上記案内板37の下方では、パネルフレーム30L,30Rに設けられた長孔41,41間に分草棒39が挿通され、ノブボルト42,42によって固定されており、これにより薬剤が散布位置Pにおいて、分草された苗の間から株元部に散布される構成となっている。なお、分草棒39は、ノブボルト42による固定位置を長孔41の範囲内で上下に移動させることにより、その位置を苗の高さに合わせて調整することができる。
【0022】
更に、薬剤散布装置27の前面は、上記案内板37と一体構成の前面カバー43に覆われており、前面カバー43は、左右のパネルフレーム30L,30R間を連結していると共に、その上部43aがホッパ33の供給口33a側へと屈曲して薬剤散布装置27の上部カバーを構成している。
【0023】
一方、左右のパネルフレーム30L,30Rの側方にも、それぞれサイドカバー45,46が設けられており、これらサイドカバー45,46は、パネルフレーム30L,30Rの側面に取付けられたインバータモータからなる散布モータ47、散布モータ47の制御部50、変速装置54などを覆っている。図6及び図7に示すように、散布モータ47は右側パネルフレーム30Rに取付けられており、伝動軸47aへと出力されている。伝動軸47aは、左右のパネルフレーム30L,30R間を挿通して軸支されており、その左側パネルフレーム30Lの端部には、ブラシ35及び散布ローラ36への動力伝達用のスプロケット49,48a,48bが設けられている。
【0024】
上記スプロケット49と、ブラシ35を支持するブラシ軸35aの左端部に設けられたスプロケット35bとの間には、チェーン55が巻着しており、これにより、ブラシ35に動力が伝達されている。また、スプロケット48aと、散布ローラ36を支持している散布ローラ軸36aに設けられたスプロケット36bとの間には、テンションローラ53を介して、チェーン56が巻着しており、散布ローラ36へと動力を伝達している。
【0025】
上記テンションローラ53は、左側パネルフレーム30Lにボルト59,59で取付けられた板部材57から突出するローラ軸58に回転自在に設けられており、チェーン56を上記スプロケット48aとは歯数の異なったスプロケット48bに掛け変えて、散布ローラ36を変速する際には、パネルフレーム30Lから取外し可能に構成されている。これらスプロケット49,48a,48b,35b,36b及びテンションローラ53によって、上記変速装置54が構成されている。
【0026】
また、右側パネルフレーム30Rには散布モータ47以外にも、右側サイドカバー46と共に、マイコン50aと、リレー50bとからなる制御部50が取付けられており、上記右側サイドカバー46の後面には、薬剤散布装置27の電源ボタン51及び散布モータ47の回転を調整して薬剤の散布量を微調節する散布ダイヤル52が設けられている。
【0027】
図2に示すように、上記薬剤散布装置27が取付けられる固定苗台23の前方には、予備苗を載置している苗箱やスクレーパを強制的に等速搬送する等速搬送装置60が設けられており、この等速搬送装置60は、複数の搬送ローラが取付けられた前後一対の搬送ローラ軸62,62と、これら前後の搬送ローラに巻着する一対の搬送ベルト61,61と、後側の搬送ローラ軸62を駆動させるコンベア駆動モータ63とから構成されている。
【0028】
更に、上記固定苗台23及び後部可動苗台26には、予備苗の位置を検出する複数の苗検出スイッチSW1〜SW4が設けられており、固定苗台23の前端に設けられた第1のスイッチSW1は、等速搬送装置60の搬送始端位置における予備苗の存在を検出し、第2のスイッチSW2は、薬剤散布位置Pにおける予備苗の存在を検出し、第3のスイッチSW3は、後部可動苗台26の全端部における予備苗の存在を検出し、第4のスイッチSW4は、予備苗給送装置22の最終端における予備苗の存在を検出している。なお、薬剤散布装置27の取付け位置は、第3のスイッチSW3が検出する予備苗が、後から2番目の位置にある予備苗となる位置が好ましいと共に、これら苗検出スイッチSW1〜SW4は、接触式の検知スイッチだけでなく、光学式、磁気式などの非接触式の検知スイッチでもよい。
【0029】
これらの苗検出スイッチSW1〜SW4は、上記制御部50のマイコン50aと接続していると共に、コンベア駆動モータ63は、制御部50のリレー50bと接続しており、これによって、薬剤散布装置27は、等速搬送装置60と連動して、等速で搬送されてくる予備苗に規定量の薬剤を均一に散布するように構成されている。
【0030】
次に、本実施の形態に係る乗用田植機1の作用について説明する。作業者は、植付作業機7の苗載せ台9に苗が少なくなると、移植機1を畦に対して垂直に停車すると共に、可動苗台25,26を伸張位置にし、予備苗給送装置22を機体前後方向に伸張させる。畦際にいる補助者は、前高後低に傾斜した予備苗給送装置22の前部可動苗台25の前端から苗箱やスクレーパに載置された予備苗Aを機体後方に向って流し、苗供給用ステップ17にいる作業者は、機体の後方でこの予備苗Aを受け取って苗載せ台9へと補給する。
【0031】
上記予備苗Aは、予備苗給送装置22上を搬送され、固定苗台23に差し掛かると第1のスイッチSW1が作動し、ベルトコンベアからなる等速搬送装置60によって一定の速度で搬送される。予備苗Aは等速搬送装置60によって機体後方に搬送されて行くと、分草棒39によって分草されると共に、第2のスイッチSW2がオンになり、パネルフレーム30L,30Rの中央部に位置する薬剤散布位置Pにおいて、薬剤散布部40から風の影響を受けることなく均一に薬剤が苗の株元部に散布される。
【0032】
上記薬剤が散布された予備苗は、その後、予備苗給送装置22の後端部まで搬送される。なお、等速搬送装置60及び薬剤散布装置27は、第1乃至第4のスイッチSW1〜SW4からの情報に基づいて、予備苗Aが薬剤散布位置Pを通過した際に、所定量の薬剤を散布するように構成されており、予備苗Aが薬剤散布位置Pにて停止しても薬剤が散布され続けることはない。
【0033】
また、作業者は薬剤の種類によって、変速装置54のスプロケット48a,48bを掛け変えて大まかな変速をし、散布ダイヤル52によって微調整をして、上記薬剤散布装置27の薬剤の散布量を決めている。
【0034】
作業者は、植付け作業が終わると、作業状態にあった薬剤散布装置27を格納姿勢に姿勢変更させ、前部可動苗台35をその上方に折畳んで、予備苗給送装置22を収納状態にした後に、乗用田植機1を納屋などに格納する。
【0035】
上記のように、乗用田植機1を構成したことによって、薬剤散布装置27を起立した作業姿勢と、予備苗給送装置22に沿って倒伏した格納姿勢とに姿勢変更することができ、前部可動苗台25の収納位置を、その下方に通常の苗が収まる従来のままの高さとすることができる。それにより、収納状態の予備苗給送装置22の全高が低くなり、乗用田植機1を容易に納屋などに格納することができる。また、収納状態において、可動苗台25の上方に予備苗を載置することもできる。
【0036】
更に、薬剤散布装置27を固定苗台23の前方に配置し、後方に向けて回動することによって、その後方に複数の予備苗を載置することができるスペースができ、作業者は薬剤が散布された任意の位置の予備苗を取ることができる。
【0037】
また、薬剤散布装置27のパネルフレーム30L,30Rを幅広に構成し、支持部材だけでなく防風板も兼ねていることと、薬剤散布位置Pがパネルフレーム30L,30Rの中央に位置していることとが相俟って、薬剤を風に影響されること無く、均一に散布することができる。更に、薬剤散布装置27は、その前面にも前面カバー43が取付けられているため、前方からの風の影響も少ない。
【0038】
また、上記前面カバー43は分草棒39と共に、上記左右のパネルフレーム30L,30R間を連結しており、左右のパネルフレーム30L,30R間の連結強度を高くすることができる。更に、分草棒39によって予備苗を分草することによって、苗の葉ではなく株元に薬剤を正確に散布することができる。
【0039】
また、薬剤散布装置27の前方かつ、分草棒39の上方に散布ローラ36を配設したことによって、散布ローラ36に苗の水分が付着せず、常に一定の薬剤を散布することができると共に、慣性により薬剤が後方に向けて散布されることと、案内板37が機体後方に向けて延設されていることとが相俟って、パネルフレーム30L,30Rの中央に薬剤が散布される。
【0040】
更に、薬剤散布装置27の左右のパネルフレーム30L,30Rに、散布モータ47、散布モータ47の制御部50、変速装置54を取付けたことによって、薬剤散布装置27に係る構成部材を一体に構成することができ、この薬剤散布装置27ごと取外して、様々な機体に取付けることができる。また、固定苗台23に設けられた等速搬送装置60と共に移動させれば、どのような機体でも薬剤散布装置27を使用することができる。
【0041】
更に、薬剤散布装置27が機体間の互換性を備え、個々の機体特有の専用部品が少なくなることと、左右のパネルフレーム30L,30Rを、支持部材兼防風板とし、部品点数が減少したこととが相俟って、コストを低く抑えることが出来ると共に、コンパクトに形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本願発明の実施の形態に係る移植機の側面図。
【図2】本願発明の実施の形態に係る予備苗給送装置の伸張状態を示す平面図。
【図3】本願発明の実施の形態に係る薬剤散布装置を示す図1の要部拡大図。
【図4】本願発明の実施の形態に係る薬剤散布装置の格納姿勢を示す側面図。
【図5】(a)本願発明の実施の形態に係る薬剤散布装置のホッパを示す断側面図、(b)本願発明の実施の形態に係る薬剤散布装置のホッパを示す正面図。
【図6】(a)本願発明の実施の形態に係る薬剤散布装置の断面図、(b)本願発明の実施の形態に係る薬剤散布装置の右側サイドカバーの正面図、(c)本願発明の実施の形態に係る薬剤散布装置の右側サイドカバーの側面図。
【図7】(a)本願発明の実施の形態に係る薬剤散布装置のサイドカバーをはずした状態を示す左側面図、(b)本願発明の実施の形態に係る薬剤散布装置の正面図、(c)本願発明の実施の形態に係る薬剤散布装置のサイドカバーをはずした状態を示す右側面図、(d)本願発明の実施の形態に係る薬剤散布装置の後面図。
【符号の説明】
【0043】
1 乗用田植機(移植機)
7 植付作業機
9 苗載せ台
21 支持ブラケット(ブラケット)
22 予備苗給送装置
23 固定苗台
25 前部可動苗台(可動苗台)
26 後部可動苗台(可動苗台)
27 薬剤散布装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗載せ台から苗を掻きとって圃場へと移植する植付作業機と、機体前方から後方に予備苗を搬送する予備苗給送装置とを備え、該予備苗給送装置を、機体側方から延設されるブラケットに支持された固定苗台と、該固定苗台の長さ方向に連続して配置可能な可動苗台とから構成し、前記可動苗台を前記固定苗台から離間した収納位置にて、予備苗を前記固定苗台上に載置し得る間隔をあけて、該固定苗台の上方に配置して予備苗台として用い得るように構成した移植機において、
前記予備苗給送装置上を搬送される予備苗に薬剤を散布する薬剤散布装置を、前記固定苗台に設け、
前記薬剤散布装置は、起立した作業姿勢と、前記固定苗台に沿って倒伏した格納姿勢とに姿勢変更可能である、
ことを特徴とした移植機。
【請求項2】
前記薬剤散布装置は、前記格納姿勢にあって、前記収納位置にある前記予備苗給送装置の前記可動苗台と前記固定苗台との前記間隔内に納まる寸法とした、
請求項1記載の移植機。
【請求項3】
前記薬剤散布装置は、前記固定苗台の前部に設けられ、機体後方に回動して前記格納姿勢になる、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−232790(P2009−232790A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−85025(P2008−85025)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】