説明

移行制御装置、パケット転送システム、移行制御方法およびプログラム

【課題】パケットロスを生じさせることなく、サービス提供機能の移行を可能にする。
【解決手段】パケット転送装置10から出力されたパケットを受け付けて所定の処理を施すサービス提供機能を第1のサービス提供装置40から第2のサービス提供装置50へ移行する際に、パケット転送装置と、第1および第2のサービス提供装置と、パケットを蓄積できるバッファ装置と、所定の処理が施されたパケットを所定の時間間隔で出力する出力装置とを制御する移行制御装置60であって、移行が開始される前に、パケット転送装置からのパケットの出力先を第1のサービス提供装置から第2のサービス提供装置へ変更し、パケット転送装置にてパケットの出力先が変更されてから移行が完了するまでの間、パケット転送装置から出力されたパケットをバッファ装置に蓄積させ、移行が完了すると、蓄積されたパケットに所定の処理を施すように第2のサービス提供装置に指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パケットに所定の処理を施すサービス提供機能の移行を制御する移行制御装置、パケット転送システム、移行制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
IP(Internet Protocol)ネットワークでは、NAT(Network Address Translation)や、NAPT(Network Address Port Translation)等のアドレス変換や、PPPoE(Point to Point over Ethernet(登録商標))、IPsec(Security Archtecture for Internet Protocol)等のトンネリングのためのヘッダの付加など、所定の処理をパケットに施すことにより、VoIP(Voice over Internet Protocol)や、WWW(World Wide Web)、動画配信などのサービスが提供されている。
【0003】
これらのサービスの提供を実現するためには、ルータ等のパケット転送装置から出力されたパケットを受け付け、受け付けたパケットのアドレスを変換したり、受け付けたパケットにヘッダを付加したりするサービス提供機能を備えたサービス提供装置が用いられる。
【0004】
ここで、サービス提供機能を更新する場合や、サービス提供装置の保守を行う場合等には、そのサービス提供装置を一定期間停止させる必要がある。
【0005】
また、利用率の低いサービスを提供するサービス提供機能を備えたサービス提供装置の場合、夜間等のさらに利用率の低下が見込まれる時間帯には、そのサービス提供機能を他のサービス提供装置等に集約することがある。これにより、稼働しているサービス提供装置の数を減らすことができ、運用コストを節約することができる。
【0006】
上述したようなサービスの提供は、高信頼性が求められるのが通常である。そのため、サービス提供装置を一定期間停止させる場合には、サービス提供機能を有効にしたまま、そのサービス提供装置が備えるサービス提供機能を他のサービス提供装置等に移行する必要がある。
【0007】
なお、1台の装置に仮想マシンを動作させる技術において、仮想マシンをOS(Operating System)ごと、他の装置に移行する方式が例えば、非特許文献1に開示されている。
【0008】
非特許文献1に開示されている方式では、仮想マシンの状態を保持しながら、高速で移行することが可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】<http://www.vmware.com/jp/products/vmotion/index.html>(ヴイエムウェア社 ホームページ<2010年12月7日検索>)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した非特許文献1に開示されている方式を用いれば、サービス提供機能を有効にしたまま、そのサービス提供機能を他のサービス提供装置等に移行することが可能なようにも思える。
【0011】
ここで、サービス提供機能を移行する場合、パケット転送装置のルーティング情報を変更することにより、そのパケット転送装置からのパケットの出力先を、移行元のサービス提供装置から移行先のサービス提供装置へ変更しなくてはならない。
【0012】
この場合、サービス提供機能の移行が完了した後に、パケット転送装置のルーティング情報を変更すると、サービス提供機能の移行の開始からルーティング情報を変更するまでの間、サービス提供機能が有効になっていない移行元のサービス提供装置へ向けてパケットが出力されることになる。そのため、パケットロスが生じてしまうという問題点がある。
【0013】
一方、パケット転送装置のルーティング情報を変更した後に、サービス提供機能の移行を開始すると、ルーティング情報を変更してからサービス提供機能の移行が完了するまでの間、サービス提供機能が有効になっていない移行先のサービス提供装置へ向けてパケットが出力されることになる。そのため、やはり、パケットロスが生じてしまうという問題点がある。
【0014】
本発明は、パケットロスを生じさせることなく、サービス提供機能の移行を可能にする移行制御装置、パケット転送システム、移行制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために本発明の移行制御装置は、パケット転送装置から出力されたパケットを受け付け、該受け付けたパケットに所定の処理を施すサービス提供機能を、第1のサービス提供装置から第2のサービス提供装置へ移行する際に、前記パケット転送装置と、前記第1および第2のサービス提供装置と、パケットを蓄積できるバッファ装置と、前記所定の処理が施されたパケットを所定の時間間隔で出力する出力装置とを制御する移行制御装置であって、
前記移行が開始される前に、前記パケット転送装置からのパケットの出力先を前記第1のサービス提供装置から前記第2のサービス提供装置へ変更し、さらに、前記パケット転送装置にてパケットの出力先が変更されてから前記移行が完了するまでの間、前記パケット転送装置から出力されたパケットを前記バッファ装置に蓄積させ、前記移行が完了すると、前記蓄積されたパケットに前記所定の処理を施すように前記第2のサービス提供装置に指示する。
【0016】
また、上記目的を達成するために本発明のパケット転送システムは、パケット転送装置と、該パケット転送装置から出力されたパケットを受け付け、該受け付けたパケットに所定の処理を施すサービス提供機能を備えた第1のサービス提供装置と、第2のサービス提供装置とを有し、前記第1のサービス提供装置から前記第2のサービス提供装置へ前記サービス提供機能を移行可能なパケット転送システムであって、
パケットを蓄積できるバッファ装置を有し、
前記パケット転送装置は、前記移行が開始される前に、パケットの出力先を前記第1のサービス提供装置から前記第2のサービス提供装置へ変更し、
前記バッファ装置は、前記パケット転送装置にてパケットの出力先が変更されてから前記移行が完了するまでの間、前記パケット転送装置から出力されたパケットを蓄積し、
前記第2のサービス提供装置は、前記移行が完了すると、前記蓄積されたパケットに前記所定の処理を施す。
【0017】
また、上記目的を達成するために本発明の移行制御方法は、パケット転送装置から出力されたパケットを受け付け、該受け付けたパケットに所定の処理を施すサービス提供機能を、第1のサービス提供装置から第2のサービス提供装置へ移行する際に、前記パケット転送装置と、前記第1および第2のサービス提供装置と、パケットを蓄積できるバッファ装置と、前記所定の処理が施されたパケットを所定の時間間隔で出力する出力装置とを制御する移行制御装置における移行制御方法であって、
前記移行が開始される前に、前記パケット転送装置からのパケットの出力先を前記第1のサービス提供装置から前記第2のサービス提供装置へ変更する処理と、
前記パケット転送装置にてパケットの出力先が変更されてから前記移行が完了するまでの間、前記パケット転送装置から出力されたパケットを前記バッファ装置に蓄積させる処理と、
前記移行が完了すると、前記蓄積されたパケットに前記所定の処理を施すように前記第2のサービス提供装置に指示する処理と、を有する。
【0018】
また、上記目的を達成するために本発明の移行制御方法は、パケット転送装置と、該パケット転送装置から出力されたパケットを受け付け、該受け付けたパケットに所定の処理を施すサービス提供機能を備えた第1のサービス提供装置と、前記所定の処理が施されたパケットを所定の時間間隔で出力する出力装置と、パケットを蓄積できるバッファ装置と、第2のサービス提供装置とを有し、前記第1のサービス提供装置から前記第2のサービス提供装置へ前記サービス提供機能を移行可能なパケット転送システムにおける移行制御方法であって、
前記パケット転送装置が、前記移行が開始される前に、パケットの出力先を前記第1のサービス提供装置から前記第2のサービス提供装置へ変更する処理と、
前記バッファ装置が、前記パケット転送装置にてパケットの出力先が変更されてから前記移行が完了するまでの間、前記パケット転送装置から出力されたパケットを蓄積する処理と、
前記第2のサービス提供装置が、前記移行が完了すると、前記蓄積されたパケットに前記所定の処理を施す処理と、を有する。
【0019】
また、上記目的を達成するために本発明のプログラムは、パケット転送装置から出力されたパケットを受け付け、該受け付けたパケットに所定の処理を施すサービス提供機能を、第1のサービス提供装置から第2のサービス提供装置へ移行する際に、前記パケット転送装置と、前記第1および第2のサービス提供装置と、パケットを蓄積できるバッファ装置と、前記所定の処理が施されたパケットを所定の時間間隔で出力する出力装置とを制御する移行制御装置に、
前記移行が開始される前に、前記パケット転送装置からのパケットの出力先を前記第1のサービス提供装置から前記第2のサービス提供装置へ変更する機能と、
前記パケット転送装置にてパケットの出力先が変更されてから前記移行が完了するまでの間、前記パケット転送装置から出力されたパケットを前記バッファ装置に蓄積させる機能と、
前記移行が完了すると、前記蓄積されたパケットに前記所定の処理を施すように前記第2のサービス提供装置に指示する機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は以上説明したように構成されているので、パケットロスを生じさせることなく、サービス提供機能の移行が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のパケット転送システムの第1の実施形態の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示したパケット転送システムにおいてサービス提供機能を移行する際の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明のパケット転送システムの第1の実施形態の他の構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明のパケット転送システムの第2の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示したパケット転送システムにおいてサービスを提供する機能を移行する場合の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】図5に示した動作においてパケットが出力される時間間隔の変化の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
(第1の実施形態)
図1は、本発明のパケット転送システムの第1の実施形態の構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
本実施形態のパケット転送システムは図1に示すように、パケット転送装置10,20と、パケット転送制御装置30と、第1のサービス提供装置であるサービス提供装置40と、第2のサービス提供装置であるサービス提供装置50と、移行制御装置60とを備えている。
【0025】
パケット転送装置10は例えば、パケットを転送する機能を有するルータ等であり、パケット転送部11と、ルーティング情報DB(Data Base)12と、パケットを入出力するポート13〜15とを備えている。パケット転送装置20もパケット転送装置10と同様に、パケットを転送する機能を有するルータ等であり、パケット転送部21と、ルーティング情報DB22と、パケットを入出力するポート23〜25とを備えている。なお、ここでは、パケット転送装置10,20が備えるポートの数を3つとしているが、パケット転送装置10,20が備えるポートの数は3つに限定されない。
【0026】
以下に、パケット転送装置10の構成の詳細について説明するが、パケット転送装置20も同様の構成である。
【0027】
ルーティング情報DB12は、パケットの宛先と、ポート13〜15のうちそのパケットを出力するポートとを対応付けたルーティング情報を記憶している。
【0028】
パケット転送部11は、ポート13〜15を介してパケットの入力を受け付ける。そして、パケット転送部11は、ルーティング情報DB12に記憶されたルーティング情報から、ポート13〜15のうち受け付けたパケットの宛先に対応するポートを検索する。そして、パケット転送部11は、受け付けたパケットを検索されたポートから出力する。
【0029】
パケット転送制御装置30は、経路計算部31と、ルーティング情報設定部32と、トポロジ情報DB33とを備えている。
【0030】
トポロジ情報DB33は、パケット転送装置10,20およびサービス提供装置40,50を含むネットワークの構成を示すトポロジ情報を記憶している。
【0031】
経路計算部31は、トポロジ情報DB33に記憶されているトポロジ情報に基づき、パケット転送装置10,20およびサービス提供装置40,50を含むネットワーク内の装置間の経路計算等を行う。
【0032】
ルーティング情報設定部32は、経路計算部31における計算結果に基づき、パケット転送装置10,20のルーティング情報DB12,22に記憶されるルーティング情報の設定および変更を行う。
【0033】
サービス提供装置40は、パケット転送装置10から出力されたパケットを受け付け、受け付けたパケットに、アドレス変換やヘッダの付加等、サービスの提供に必要な所定の処理を施すサービス提供機能を備えている。具体的にはサービス提供装置40は、バッファ部41と、サービス提供部42とを備えている。同様に、サービス提供装置50は、バッファ装置であるバッファ部51と、サービス提供部52とを備えている。
【0034】
以下に、サービス提供装置40の構成の詳細について説明するが、サービス提供装置50も同様の構成である。
【0035】
バッファ部41は、パケット転送装置10から出力されたパケットを受け付ける。そして、バッファ部41は、後述する移行制御装置60からの指示に応じ、受け付けたパケットを蓄積する。
【0036】
サービス提供部42は、バッファ部41にて受け付けられたパケットに所定の処理を施す。そして、サービス提供部42は、出力装置として機能し、所定の処理が施されたパケットをパケット転送装置20へ向けて出力する。
【0037】
なお、本実施形態では、サービス提供装置40が、パケット転送装置10から出力されたパケットを受け付け、受け付けたパケットに所定の処理を施しているものとする。そして、サービス提供装置40が備えるサービス提供機能の更新やサービス提供装置40の保守等によってサービス提供装置40を一定期間停止させる必要がある場合に、サービス提供装置40からサービス提供装置50へサービス提供機能が移行されるものとする。この移行により、サービス提供装置50は、サービス提供装置40と同様のサービス提供機能を備えることになる。
【0038】
移行制御装置60は、パラメータ計算部61と、動作指示部62と、パラメータ情報DB63とを備えている。
【0039】
パラメータ情報DB63は、サービス提供装置40とサービス提供装置50との間でサービス提供機能の移行を行う際に必要な情報をパラメータ情報として記憶している。パラメータ情報は例えば、サービス提供機能の移行に要する時間である。
【0040】
パラメータ計算部61は、パラメータ情報DB63に記憶されたパラメータ情報に基づき、サービス提供機能の移行を行う際にサービス提供装置40,50やパケット転送装置10等を制御するための制御スケジュールを決定する。制御スケジュールとは例えば、サービス提供装置50のバッファ部51に、パケット転送装置10から出力されたパケットの蓄積を開始させるタイミングや、サービス提供機能の移行を開始するタイミング、パケット転送装置10に記憶されたルーティング情報を変更するタイミング等が含まれる。そして、パラメータ計算部61は、決定した制御スケジュールを示す制御スケジュール情報を動作指示部62へ出力する。
【0041】
動作指示部62は、時間を計測するタイマー(不図示)を有している。動作指示部62は、パラメータ計算部61から出力された制御スケジュール情報を受け付ける。そして、動作指示部62は、受け付けた制御スケジュール情報が示す制御スケジュールに基づき、サービス提供装置40,50やパケット転送装置10等へ各種の指示を送信する。具体的には、動作指示部62は、パケット転送装置10からのパケットの出力先の変更を指示する経路変更指示をパケット転送制御装置30へ送信する。また、動作指示部62は、パケットの蓄積の開始を指示する蓄積開始指示をサービス提供装置50へ送信する。また、動作指示部62は、サービス提供機能の移行の開始を指示する移行開始指示をサービス提供装置40,50へ送信する。また、動作指示部62は、パケットの蓄積の停止と蓄積したパケットに所定の処理を施すこととを指示する蓄積停止指示をサービス提供装置50へ送信する。
【0042】
以下に、上記のように構成されたパケット転送システムの動作について説明する。ここでは、パケット転送装置10から出力された宛先Aのパケットに、サービス提供装置40によって所定の処理が施されている場合に、サービス提供装置40からサービス提供装置50へサービス提供機能を移行する場合について説明する。
【0043】
なお、パケット転送制御装置30のトポロジ情報DB33には、以下に示す装置間または装置とネットワークと間が接続されているという情報がトポロジ情報として記憶されている。
・パケット転送装置10とサービス提供装置40との間
・パケット転送装置10とサービス提供装置50との間
・パケット転送装置20とサービス提供装置40との間
・パケット転送装置20とサービス提供装置50との間
・サービス提供装置40とサービス提供装置50との間
・パケット転送装置20と、Aへ到達するためのネットワークとの間
また、移行制御装置60のパラメータ情報DB63には、「サービス提供機能の移行に要する時間は120ms」という情報がパラメータ情報として記憶されている。
【0044】
また、パケット転送装置10のルーティング情報DB12には、「宛先Aとポート14とが対応する」という情報がルーティング情報として記憶されている。
【0045】
図2は、図1に示したパケット転送システムにおいてサービス提供機能を移行する際の動作を説明するためのフローチャートである。
【0046】
まず、移行制御装置60のパラメータ計算部61は、パラメータ情報DB63に記憶されたパラメータ情報に基づいて制御スケジュールを決定する(ステップS1)。
【0047】
そして、パラメータ計算部61は、決定した制御スケジュールを示す制御スケジュール情報を動作指示部62へ出力する。
【0048】
パラメータ計算部61から出力された制御スケジュール情報を受け付けた動作指示部62は、受け付けた制御スケジュール情報が示す制御スケジュールに基づき、サービス提供装置50へ蓄積開始指示を送信する。
【0049】
また、動作指示部62は、パケット転送装置10からのパケットの出力先をサービス提供装置40からサービス提供装置50へ変更する経路変更指示をパケット転送制御装置30へ送信する。
【0050】
移行制御装置60から送信された経路変更指示を受信したパケット転送制御装置30の経路計算部31は、トポロジ情報DB33に記憶されたトポロジ情報に基づき、パケット転送装置10からのパケットの出力先をサービス提供装置40からサービス提供装置50へ変更するための経路計算を行う。
【0051】
そして、ルーティング情報設定部32は、経路計算部31における計算結果に基づき、パケット転送装置10のルーティング情報DB12に記憶されたルーティング情報を変更する(ステップS2)。具体的には、宛先Aに対応するポートがポート14からポート15に変更される。
【0052】
これにより、パケット転送装置10のパケット転送部11は、ポート15、すなわちサービス提供装置50側のポートから宛先Aのパケットを出力するようになる。
【0053】
そして、サービス提供装置50のバッファ部51は、宛先Aのパケットの蓄積を開始する(ステップS3)。
【0054】
また、動作指示部62は、サービス提供装置40,50へ移行指示を送信する。それとともに、動作指示部62は、タイマーをスタートさせる(ステップS4)。
【0055】
移行制御装置60から送信された移行指示を受信したサービス提供装置40,50のサービス提供部42,52は、サービス提供部42からサービス提供部52へのサービス提供機能の移行を開始する(ステップS5)。
【0056】
次に、動作指示部62は、タイマーの経過時間が120ms、すなわち、サービス提供機能の移行に要する時間を超えたかどうかを確認する(ステップS6)。
【0057】
ステップS6における確認の結果、タイマーの経過時間が120msを超えていない場合、ステップS6の動作へ遷移し、動作指示部62はタイマーの経過時間の確認を繰り返す。
【0058】
一方、ステップS6における確認の結果、タイマーの経過時間が120msを超えている場合、動作指示部62は、サービス提供装置50へ蓄積停止指示を送信する。
【0059】
移行制御装置60から送信された蓄積停止指示を受信したサービス提供装置50では、バッファ部51が、受け付けたパケットの蓄積を停止する(ステップS7)。
【0060】
そして、サービス提供装置50のサービス提供部52は、バッファ部51に蓄積されたパケットに所定の処理を施してパケット転送装置20へ向けて出力する(ステップS8)。
【0061】
以降、バッファ部51は、パケット転送装置10から出力されたパケットを蓄積せず、サービス提供部52は、バッファ部51にて受け付けられたパケットに順次所定の処理を施してパケット転送装置20へ向けて出力する。
【0062】
このように本実施形態において移行制御装置60は、サービス提供機能の移行が開始される前に、パケット転送装置10からのパケットの出力先をサービス提供装置40からサービス提供装置50へ変更する。移行制御装置60は、さらに、パケット転送装置10にてパケットの出力先が変更されてからサービス提供機能の移行が完了するまでの間、パケット転送装置10から出力されたパケットをサービス提供装置50に蓄積させる。そして、移行制御装置60は、サービス提供機能の移行が完了すると、蓄積されたパケットに所定の処理を施すようにサービス提供装置50に指示する。
【0063】
これにより、パケットロスを生じさせることなく、サービス提供機能の移行が可能となる。
【0064】
なお、本実施形態においては、サービス提供装置がバッファ部を備える構成について説明したが、以下に示す図3のように、バッファ部をバッファ装置としてサービス提供装置とは別に設ける構成としてもよい。
【0065】
図3は、本発明のパケット転送システムの第1の実施形態の他の構成例を示すブロック図である。
【0066】
図3に示す例では、サービス提供装置はサービス提供部だけを備え、パケットを蓄積できるバッファ装置101がサービス提供装置とは別に設けられている。
【0067】
(第2の実施形態)
図4は、本発明のパケット転送システムの第2の実施形態の構成を示すブロック図である。
【0068】
本実施形態のパケット転送システムは図4に示すように、パケット転送装置10,20と、パケット転送制御装置30と、第1のサービス提供装置であるサービス提供装置70と、第2のサービス提供装置であるサービス提供装置80と、移行制御装置90とを備えている。
【0069】
本実施形態のサービス提供装置70は図4に示すように、バッファ部71と、サービス提供部72と、出力間隔調整部73とを備えている。つまり、サービス提供装置70は、上述した第1の実施形態におけるサービス提供装置40と比較すると、出力間隔調整部73を備えている点が異なる。また、サービス提供装置80は、上述した第1の実施形態におけるサービス提供装置50と比較すると、出力間隔調整部83を備えている点が異なる。
【0070】
以下に、サービス提供装置70の構成の詳細について説明するが、サービス提供装置80も同様の構成である。
【0071】
バッファ部71は、パケット転送装置10から出力されたパケットを受け付ける。そして、バッファ部71は、後述する移行制御装置90からの指示があった場合に、受け付けたパケットを蓄積する。
【0072】
サービス提供部72は、バッファ部71にて受け付けられたパケットに所定の処理を施す。
【0073】
出力間隔調整部73は、出力装置として機能し、サービス提供部72にて所定の処理が施されたパケットを、後述する移行制御装置90から指示された時間間隔でパケット転送装置20へ向けて出力する。
【0074】
本実施形態の移行制御装置90は図4に示すように、パラメータ計算部91と、動作指示部92と、パラメータ情報DB93とを備えている。
【0075】
パラメータ情報DB93は、サービス提供装置40とサービス提供装置50との間でサービス提供機能の移行を行う際に必要な情報をパラメータ情報として記憶している。パラメータ情報は例えば、サービス提供機能の移行に要する時間や、サービス提供機能の移行時以外の通常時においてサービス提供装置がパケットを出力する時間間隔である。
【0076】
パラメータ計算部91は、パラメータ情報DB93に記憶されたパラメータ情報に基づき、サービス提供機能の移行を行う際にサービス提供装置70,80やパケット転送装置10等を制御するための制御スケジュールを決定する。制御スケジュールには、上述した第1の実施形態において説明したもの以外に、サービス提供機能の移行を行う際に、サービス提供装置がパケットを出力する時間間隔も含まれる。そして、パラメータ計算部91は、決定した制御スケジュールを示す制御スケジュール情報を動作指示部92へ出力する。
【0077】
動作指示部92は、時間を計測するタイマー(不図示)を有している。動作指示部92は、パラメータ計算部91から出力された制御スケジュール情報を受け付ける。そして、動作指示部92は、受け付けた制御スケジュール情報が示す制御スケジュールに基づき、サービス提供装置70,80やパケット転送装置10等へ各種の指示を送信する。動作指示部92は、上述した第1の実施形態で説明した指示以外に、パケットを出力する時間間隔の変更を指示する出力間隔変更指示や、変更された時間間隔を通常時の時間間隔に戻すことを指示する出力間隔変更停止指示等をサービス提供装置70,80へ送信する。
【0078】
なお、本実施形態におけるパケット転送装置10,20およびパケット転送制御装置30の構成および動作は、上述した第1の実施形態において説明したのと同じである。
【0079】
以下に、上記のように構成されたパケット転送システムの動作について説明する。ここでは、上述した第1の実施形態と同様に、パケット転送装置10から出力された宛先Aのパケットに、サービス提供装置70によって所定の処理が施されている場合に、サービス提供装置70からサービス提供装置80へサービス提供機能を移行する場合について説明する。
【0080】
なお、パケット転送制御装置30のトポロジ情報DB33には、以下に示す装置間または装置とネットワークと間が接続されているという情報がトポロジ情報として記憶されている。
・パケット転送装置10とサービス提供装置70との間
・パケット転送装置10とサービス提供装置80との間
・パケット転送装置20とサービス提供装置70との間
・パケット転送装置20とサービス提供装置80との間
・サービス提供装置70とサービス提供装置80との間
・パケット転送装置20と、Aへ到達するためのネットワークとの間
また、移行制御装置90のパラメータ情報DB93には、以下に示す2つの情報がパラメータ情報として記憶されている。
・サービス提供機能の移行に要する時間:120ms
・通常時においてサービス提供装置から出力されるパケットの時間間隔:20ms
また、パケット転送装置10のルーティング情報DB12には、「宛先Aとポート14とが対応する」という情報がルーティング情報として記憶されている。
【0081】
図5は、図4に示したパケット転送システムにおいてサービスを提供する機能を移行する場合の動作を説明するためのフローチャートである。また、図6は、図5に示した動作においてパケットが出力される時間間隔の変化の一例を説明するための図である。
【0082】
まず、移行制御装置90のパラメータ計算部91は、パラメータ情報DB93に記憶されたパラメータ情報に基づいて以下の(A)〜(D)に示すような制御スケジュールを決定する(ステップS21)。
【0083】
(A)サービス提供装置70へ送信する出力間隔変更指示によって指示する時間間隔:40ms
サービス提供機能の移行が完了するまでの間、サービス提供装置70がパケットを継続して出力できるように、通常時の時間間隔(20ms)よりもパケットを出力する時間間隔を長くする。これにより、パケットの遅延や、それに起因する遅延揺らぎを抑制することができる。なお、ここでは、一定の時間間隔(40ms)でパケットを出力するものとするが、通常時の時間間隔(20ms)から、パケットを出力する時間間隔を徐々に長くしていくことにより、パケットの遅延や遅延揺らぎをさらに抑制することができる。
【0084】
(B)蓄積開始指示、経路変更指示および移行指示を送信するタイミング:サービス提供装置70への出力間隔変更指示の送信から120ms後
これも、上記の(A)と同様に、サービス提供機能の移行が完了するまでの間、サービス提供装置70がパケットを継続して出力できるようにするためである。ここでは、40msの時間間隔で3パケットが蓄積される時間から120msと求められている。
【0085】
(C)サービス提供装置80へ送信する出力間隔変更指示によって指示する時間間隔:10ms
バッファ部81に蓄積されたパケットをできるだけ早く出力できるように、通常時の時間間隔(20ms)よりもパケットを出力する時間間隔を短くする。これにより、パケットの遅延や遅延揺らぎを抑制することができる。なお、ここでは、一定の時間間隔(10ms)でパケットを出力するものとするが、バッファ部81に蓄積されたパケットのうち出力されていないパケットの数に応じ、パケットを出力する時間間隔を10msから通常時の時間間隔(20ms)まで徐々に長くしていくことにより、パケットの遅延や遅延揺らぎをさらに抑制することができる。
【0086】
(D)出力間隔変更停止指示を送信するタイミング:サービス提供装置70へ出力間隔変更指示を送信してから360ms後
これは、サービス提供機能の移行中にバッファ部81に蓄積されたパケットのすべてが出力されるまでに必要な時間である。
【0087】
そして、パラメータ計算部91は、上記の(A)〜(D)のように決定された制御スケジュールを示す制御スケジュール情報を動作指示部92へ出力する。
【0088】
パラメータ計算部91から出力された制御スケジュール情報を受け付けた動作指示部92は、受け付けた制御スケジュール情報が示す制御スケジュールに基づき、パケットを出力する時間間隔を40msに変更することを指示する出力間隔変更指示をサービス提供装置70へ送信する。それとともに、動作指示部92は、タイマーをスタートさせる(ステップS22)。
【0089】
移行制御装置90から送信された出力間隔変更指示を受信したサービス提供装置70の出力間隔調整部73は、サービス提供部72にて所定の処理が施されたパケットを、図6に示すように時間間隔40msでパケット転送装置20へ向けて出力する(ステップS23)。
【0090】
次に、動作指示部92は、タイマーの経過時間が120msを超えたかどうかを確認する(ステップS24)。
【0091】
ステップS24における確認の結果、タイマーの経過時間が120msを超えていない場合、ステップS24の動作へ遷移し、動作指示部92はタイマーの経過時間の確認を繰り返す。
【0092】
一方、ステップS24における確認の結果、タイマーの経過時間が120msを超えている場合、動作指示部92は、蓄積開始指示をサービス提供装置80へ送信する。
【0093】
また、動作指示部92は、パケット転送装置10からのパケットの出力先をサービス提供装置70からサービス提供装置80へ変更させるための経路変更指示をパケット転送制御装置30へ送信する。
【0094】
移行制御装置90から送信された経路変更指示を受信したパケット転送制御装置30の経路計算部31は、トポロジ情報DB33に記憶されたトポロジ情報に基づき、パケット転送装置10からのパケットの出力先をサービス提供装置70からサービス提供装置80へ変更するための経路計算を行う。
【0095】
そして、ルーティング情報設定部32は、経路計算部31における計算結果に基づき、パケット転送装置10のルーティング情報DB12に記憶されたルーティング情報を変更する(ステップS25)。具体的には、宛先Aに対応するポートがポート14からポート15に変更される。
【0096】
これにより、パケット転送装置10のパケット転送部11は、ポート15、すなわちサービス提供装置80側のポートから宛先Aのパケットを出力するようになる。
【0097】
そして、サービス提供装置80のバッファ部81は、宛先Aのパケットの蓄積を開始する(ステップS26)。
【0098】
また、動作指示部92は、サービス提供装置70,80へ移行指示を送信する。
【0099】
移行制御装置90から送信された移行指示を受信したサービス提供装置70,80のサービス提供部72,82は、サービス提供部72からサービス提供部82へサービス提供機能の移行を開始する(ステップS27)。
【0100】
次に、動作指示部62は、タイマーの経過時間が240msを超えたかどうかを確認する(ステップS28)。
【0101】
ステップS28における確認の結果、タイマーの経過時間が240msを超えていない場合、ステップS28の動作へ遷移し、動作指示部92はタイマーの経過時間の確認を繰り返す。
【0102】
一方、ステップS28における確認の結果、タイマーの経過時間が240msを超えている場合、動作指示部92は、サービス提供装置80へ蓄積停止指示を送信する。
【0103】
移行制御装置90から送信された蓄積停止指示を受信したサービス提供装置80では、バッファ部81が、受け付けたパケットの蓄積を停止する(ステップS29)。
【0104】
そして、サービス提供装置80のサービス提供部82は、バッファ部81に蓄積されたパケットに所定の処理を施す(ステップS30)。
【0105】
次に、動作指示部92は、パケットを出力する時間間隔を10msに変更することを指示する出力間隔変更指示をサービス提供装置80へ送信する。
【0106】
移行制御装置90から送信された出力間隔変更指示を受信したサービス提供装置80の出力間隔調整部83は、ステップS30にて所定の処理が施されたパケットを、図6に示すように時間間隔10msでパケット転送装置20へ向けて出力する(ステップS31)。
【0107】
次に、動作指示部92は、タイマーの経過時間が360msを超えたかどうかを確認する(ステップS32)。
【0108】
ステップS32における確認の結果、タイマーの経過時間が360msを超えていない場合、ステップS32の動作へ遷移し、動作指示部92はタイマーの経過時間の確認を繰り返す。
【0109】
一方、ステップS32における確認の結果、タイマーの経過時間が360msを超えている場合、動作指示部92は、出力間隔変更停止指示をサービス提供装置80へ送信する。
【0110】
移行制御装置90から送信された出力間隔変更停止指示を受信したサービス提供装置80の出力間隔調整部83は、サービス提供部82にて所定の処理が施されたパケットを、時間間隔20msでパケット転送装置20へ向けて出力する(ステップS33)。
【0111】
このように本実施形態において移行制御装置90は、サービス提供機能の移行が開始される前に、パケット転送装置10からのパケットの出力先をサービス提供装置70からサービス提供装置80へ変更する。移行制御装置90は、さらに、パケット転送装置10にてパケットの出力先が変更されてからサービス提供機能の移行が完了するまでの間、パケット転送装置10から出力されたパケットをサービス提供装置80に蓄積させる。そして、移行制御装置90は、サービス提供機能の移行が完了すると、蓄積されたパケットに所定の処理を施すようにサービス提供装置80に指示する。
【0112】
これにより、パケットロスを生じさせることなく、サービス提供機能の移行が可能となる。
【0113】
また、本実施形態において移行制御装置90は、サービス提供機能の移行が完了した後、サービス提供装置80にて所定の処理が施された蓄積されたパケットを出力する時間の間隔を通常時の時間間隔よりも短くさせる。また、移行制御装置90は、サービス提供機能の移行が開始される所定時間(120ms)前から、サービス提供装置70がパケットを出力する時間の間隔を通常時の時間間隔よりも長くさせる。
【0114】
これにより、パケットの遅延や遅延揺らぎを抑制することが可能となる。具体的には、特にIP電話や動画像配信など、高いリアルタイム性が要求されるサービスを提供するサービス提供機能を移行する際の通信品質の劣化を抑制することができる。
【0115】
なお、本実施形態においては、サービス提供装置がバッファ部および出力間隔調整部を備える構成について説明したが、図3に示した構成のように、バッファ部をバッファ装置としてサービス提供装置とは別に設ける構成としてもよい。また、出力間隔調整部を出力装置としてサービス提供装置とは別に設ける構成としてもよい。
【0116】
また、上述した2つの本実施形態では、サービス提供装置やパケット転送装置等とは別に移行制御装置を設けた構成について説明した。このような構成ではなく、移行制御装置を設けずに、移行制御装置が備える機能をサービス提供装置やパケット転送装置に実装することにより、サービス提供機能の移行を自律分散的に行うことも可能である。
【0117】
なお、本発明においては、移行制御装置内の処理は上述の専用のハードウェアにより実現されるもの以外に、その機能を実現するためのプログラムを移行制御装置にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを移行制御装置に読み込ませ、実行するものであっても良い。移行制御装置にて読取可能な記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、移行制御装置に内蔵されたHDDなどを指す。
【符号の説明】
【0118】
10,20 パケット転送装置
11,21 パケット転送部
12,22 ルーティング情報DB
13〜15,23〜25 ポート
30 パケット転送制御装置
31 経路計算部
32 ルーティング情報設定部
33 トポロジ情報DB
40,50,70,80 サービス提供装置
41,51,71,81 バッファ部
42,52,72,82 サービス提供部
60 移行制御装置
61 パラメータ計算部
62 動作指示部
63 パラメータ情報DB
73,83 出力間隔調整部
101 バッファ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット転送装置から出力されたパケットを受け付け、該受け付けたパケットに所定の処理を施すサービス提供機能を、第1のサービス提供装置から第2のサービス提供装置へ移行する際に、前記パケット転送装置と、前記第1および第2のサービス提供装置と、パケットを蓄積できるバッファ装置と、前記所定の処理が施されたパケットを所定の時間間隔で出力する出力装置とを制御する移行制御装置であって、
前記移行が開始される前に、前記パケット転送装置からのパケットの出力先を前記第1のサービス提供装置から前記第2のサービス提供装置へ変更し、さらに、前記パケット転送装置にてパケットの出力先が変更されてから前記移行が完了するまでの間、前記パケット転送装置から出力されたパケットを前記バッファ装置に蓄積させ、前記移行が完了すると、前記蓄積されたパケットに前記所定の処理を施すように前記第2のサービス提供装置に指示する移行制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の移行制御装置において、
前記移行が完了した後、前記出力装置が、前記所定の処理が施された前記蓄積されたパケットを出力する時間間隔を、前記所定の時間間隔よりも短くさせる移行制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の移行制御装置において、
前記移行が開始される所定時間前から当該移行が完了するまでの間、前記出力装置が前記所定の処理が施されたパケットを出力する時間間隔を、前記所定の時間間隔よりも長くさせる移行制御装置。
【請求項4】
パケット転送装置と、該パケット転送装置から出力されたパケットを受け付け、該受け付けたパケットに所定の処理を施すサービス提供機能を備えた第1のサービス提供装置と、第2のサービス提供装置とを有し、前記第1のサービス提供装置から前記第2のサービス提供装置へ前記サービス提供機能を移行可能なパケット転送システムであって、
パケットを蓄積できるバッファ装置を有し、
前記パケット転送装置は、前記移行が開始される前に、パケットの出力先を前記第1のサービス提供装置から前記第2のサービス提供装置へ変更し、
前記バッファ装置は、前記パケット転送装置にてパケットの出力先が変更されてから前記移行が完了するまでの間、前記パケット転送装置から出力されたパケットを蓄積し、
前記第2のサービス提供装置は、前記移行が完了すると、前記蓄積されたパケットに前記所定の処理を施すパケット転送システム。
【請求項5】
請求項4に記載のパケット転送システムにおいて、
前記所定の処理が施されたパケットを所定の時間間隔で出力する出力装置を有し、
前記出力装置は、前記移行が完了した後、前記所定の処理が施された前記蓄積されたパケットを出力する時間間隔を前記所定の時間間隔よりも短くするパケット転送システム。
【請求項6】
請求項5に記載のパケット転送システムにおいて、
前記出力装置は、前記移行が開始される所定時間前から当該移行が完了するまでの間、前記所定の処理が施されたパケットを出力する時間間隔を前記所定の時間間隔よりも長くするパケット転送システム。
【請求項7】
パケット転送装置から出力されたパケットを受け付け、該受け付けたパケットに所定の処理を施すサービス提供機能を、第1のサービス提供装置から第2のサービス提供装置へ移行する際に、前記パケット転送装置と、前記第1および第2のサービス提供装置と、パケットを蓄積できるバッファ装置と、前記所定の処理が施されたパケットを所定の時間間隔で出力する出力装置とを制御する移行制御装置における移行制御方法であって、
前記移行が開始される前に、前記パケット転送装置からのパケットの出力先を前記第1のサービス提供装置から前記第2のサービス提供装置へ変更する処理と、
前記パケット転送装置にてパケットの出力先が変更されてから前記移行が完了するまでの間、前記パケット転送装置から出力されたパケットを前記バッファ装置に蓄積させる処理と、
前記移行が完了すると、前記蓄積されたパケットに前記所定の処理を施すように前記第2のサービス提供装置に指示する処理と、を有する移行制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の移行制御方法において、
前記移行が完了した後、前記出力装置が、前記所定の処理が施された前記蓄積されたパケットを出力する時間間隔を、前記所定の時間間隔よりも短くさせる処理をさらに有する移行制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載の移行制御方法において、
前記移行が開始される所定時間前から当該移行が完了するまでの間、前記出力装置が前記所定の処理が施されたパケットを出力する時間間隔を、前記所定の時間間隔よりも長くさせる処理をさらに有する移行制御方法。
【請求項10】
パケット転送装置と、該パケット転送装置から出力されたパケットを受け付け、該受け付けたパケットに所定の処理を施すサービス提供機能を備えた第1のサービス提供装置と、前記所定の処理が施されたパケットを所定の時間間隔で出力する出力装置と、パケットを蓄積できるバッファ装置と、第2のサービス提供装置とを有し、前記第1のサービス提供装置から前記第2のサービス提供装置へ前記サービス提供機能を移行可能なパケット転送システムにおける移行制御方法であって、
前記パケット転送装置が、前記移行が開始される前に、パケットの出力先を前記第1のサービス提供装置から前記第2のサービス提供装置へ変更する処理と、
前記バッファ装置が、前記パケット転送装置にてパケットの出力先が変更されてから前記移行が完了するまでの間、前記パケット転送装置から出力されたパケットを蓄積する処理と、
前記第2のサービス提供装置が、前記移行が完了すると、前記蓄積されたパケットに前記所定の処理を施す処理と、を有する移行制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載の移行制御方法において、
前記出力装置が、前記移行が完了した後、前記所定の処理が施された前記蓄積されたパケットを出力する時間間隔を前記所定の時間間隔よりも短くする処理をさらに有する移行制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載の移行制御方法において、
前記出力装置が、前記移行が開始される所定時間前から当該移行が完了するまでの間、前記所定の処理が施されたパケットを出力する時間間隔を前記所定の時間間隔よりも長くする処理をさらに有する移行制御方法。
【請求項13】
パケット転送装置から出力されたパケットを受け付け、該受け付けたパケットに所定の処理を施すサービス提供機能を、第1のサービス提供装置から第2のサービス提供装置へ移行する際に、前記パケット転送装置と、前記第1および第2のサービス提供装置と、パケットを蓄積できるバッファ装置と、前記所定の処理が施されたパケットを所定の時間間隔で出力する出力装置とを制御する移行制御装置に、
前記移行が開始される前に、前記パケット転送装置からのパケットの出力先を前記第1のサービス提供装置から前記第2のサービス提供装置へ変更する機能と、
前記パケット転送装置にてパケットの出力先が変更されてから前記移行が完了するまでの間、前記パケット転送装置から出力されたパケットを前記バッファ装置に蓄積させる機能と、
前記移行が完了すると、前記蓄積されたパケットに前記所定の処理を施すように前記第2のサービス提供装置に指示する機能と、を実現させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムにおいて、
前記移行制御装置に、
前記移行が完了した後、前記出力装置が、前記所定の処理が施された前記蓄積されたパケットを出力する時間間隔を、前記所定の時間間隔よりも短くさせる機能をさらに実現させるためのプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラムにおいて、
前記移行制御装置に、
前記移行が開始される所定時間前から当該移行が完了するまでの間、前記出力装置が前記所定の処理が施されたパケットを出力する時間間隔を、前記所定の時間間隔よりも長くさせる機能をさらに実現させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−165112(P2012−165112A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22749(P2011−22749)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】