積み付けパターンの作成方法および作成プログラム並びに積み付け装置
【課題】寸法が異なる複数種類の箱体が混在するような場合において、最適な積み付けパターンを作成することができる積み付けパターン作成方法およびプログラム並びに積み付け装置を提供する。
【解決手段】平面視における箱体の寸法に基づいて、各箱体をグルーピングする積み重ねグループ作成処理と、側面視における箱体1の寸法に基づいて、各箱体をグルーピングする高さ一致グループ作成処理と、パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる平面配置パターンを抽出する平面配置パターン列挙処理と、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となるレイヤーを抽出するレイヤーパターン列挙工程と、レイヤー組み合わせパターンを抽出するとともに、その積み上げ高さが最小となるレイヤー組み合わせパターンを抽出するレイヤー抽出処理と、を備える。
【解決手段】平面視における箱体の寸法に基づいて、各箱体をグルーピングする積み重ねグループ作成処理と、側面視における箱体1の寸法に基づいて、各箱体をグルーピングする高さ一致グループ作成処理と、パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる平面配置パターンを抽出する平面配置パターン列挙処理と、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となるレイヤーを抽出するレイヤーパターン列挙工程と、レイヤー組み合わせパターンを抽出するとともに、その積み上げ高さが最小となるレイヤー組み合わせパターンを抽出するレイヤー抽出処理と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積載効率のよいユニットロードを形成することができる積み付けパターンの作成方法および作成プログラム並びに積み付け装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パレット上に複数の箱体を積み上げて一つの輸送単位(以下、ユニットロードと記載する)を形成し、パレット単位で各箱体を輸送する場合において、当該ユニットロードにおける各箱体の配置(以下、積み付けパターンと呼ぶ)の如何によって、輸送効率や輸送時における荷姿の安定度合に差異が生じてくることが知られている。
このため、ユニットロードを形成する際に、最適な積み付けパターンを作成するための技術が種々検討されており、例えば、以下に示す特許文献1にその技術が開示され公知となっている。
【0003】
特許文献1に開示されている従来技術では、輸送対象たる箱体に、寸法が異なる複数種類の箱体が含まれる場合において、パレット上の領域を該パレットの中心位置を基準として4象限に分割し、各象限において、箱体を積み付ける構成としたパレタイズ装置が開示されている。
そして、当該パレタイズ装置では、ユニットロードを構成するために使用する箱体の個数を予め定めておくとともに、その所定個数の箱体を組み合わせて、各象限における積み付け高さの高低差が小さくなるようにユニットロードにおける積み付けパターンを決定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−271073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に係るパレタイズ装置で採用されている積み付け方法では、パレット上を4象限に分割するとともに、組み合わせ検討する箱体の個数を予め決めておいて積み付けパターンを作成する構成としているため、生成される積み付けパターン数が限定されており、真に最適な積み付けパターンが作成される方法とはなっていなかった。
【0006】
本発明は、斯かる現状の課題を鑑みてなされたものであり、寸法が異なる複数種類の箱体が混在するような場合において、最適な積み付けパターンを作成することができる積み付けパターン作成方法およびプログラム並びに積み付け装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体をパレット上に積み付ける場合における、積み付けパターンを作成するための積み付け装置を用いた積み付けパターンの作成方法であって、前記積み付け装置が備える演算手段によって、平面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、その他の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第一の工程と、前記演算手段によって、側面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、その他の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第二の工程と、前記演算手段によって、前記第一の工程で同一グループにグルーピングされた複数種類の各箱体を平面上に配置して形成することができる箱体の集合体であって、平面視における外形形状が矩形となるもののうち、前記パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる配置パターンを抽出する第三の工程と、前記演算手段によって、前記第三の工程で抽出された配置パターンを構成する各箱体と前記第二の工程において同一のグループにグルーピングされた各箱体を、当該配置パターンを構成する各箱体に積み上げて形成される、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となる箱体の集合体たるレイヤーを抽出する第四の工程と、前記演算手段によって、各種類の箱体の必要使用個数が満たされるために必要な前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出するとともに、各組み合わせパターンを構成する複数の前記レイヤーの積み上げ高さが最小となる前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出する第五の工程と、を備えるものである。
【0009】
請求項2においては、前記演算手段によって、前記箱体の積み付け高さの上限値を考慮して、前記第五の工程で抽出した前記レイヤーの組み合わせパターンを複数に分割する第六の工程を有するものである。
【0010】
請求項3においては、前記演算手段によって、前記箱体の積み重ね性を考慮することにより、前記レイヤーの積み重ね順序を決定する第七の工程を有するものである。
【0011】
請求項4においては、前記演算手段によって、前記各箱体に、ワークが実際に納められる箱体である実箱と、ワークが実際には納められない箱体である空箱と、を割り当てる第八の工程を有するものである。
【0012】
請求項5においては、前記演算手段によって、積み付けパターンを構成する前記各箱体のうち、必須でない前記箱体を間引く第九の工程を有するものである。
【0013】
請求項6においては、寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体をパレット上に積み付ける場合における、積み付けパターンを作成するための積み付け装置に実装される積み付けパターンの作成プログラムであって、平面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、その他の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第一の処理と、側面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、その他の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第二の処理と、前記第一の工程で同一グループにグルーピングされた複数種類の各箱体を平面上に配置して形成することができる箱体の集合体であって、平面視における外形形状が矩形となるもののうち、前記パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる配置パターンを抽出する第三の処理と、前記第三の工程で抽出された配置パターンを構成する各箱体と前記第二の工程において同一のグループにグルーピングされた各箱体を、当該配置パターンを構成する各箱体に積み上げて形成される、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となる箱体の集合体たるレイヤーを抽出する第四の処理と、各種類の箱体の必要使用個数が満たされるために必要な前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出するとともに、各組み合わせパターンを構成する複数の前記レイヤーの積み上げ高さが最小となる前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出する第五の処理と、を前記積み付け装置により実行させるものである。
【0014】
請求項7においては、前記箱体の積み付け高さの上限値を考慮して、前記第五の処理で抽出した前記レイヤーの組み合わせパターンを複数に分割する第六の処理を、前記積み付け装置により実行させるものである。
【0015】
請求項8においては、前記箱体の積み重ね性を考慮して、前記レイヤーの積み重ね順序を決定する第七の処理を、前記積み付け装置により実行させるものである。
【0016】
請求項9においては、前記積み付けパターンを構成する各箱体に、ワークが実際に納められる箱体である実箱と、ワークが実際には納められない箱体である空箱と、を割り当てる第八の処理を、前記積み付け装置により実行させるものである。
【0017】
請求項10においては、積み付けパターンを構成する前記各箱体のうち、必須でない前記箱体を間引く第九の処理を、前記積み付け装置により実行させるものである。
【0018】
請求項11においては、寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体をパレット上に積み付ける場合に使用する積み付けパターンを作成するための積み付け装置であって、前記積み付けパターンを演算するための演算手段を備え、該演算手段は、平面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、その他の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第一の処理と、側面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、その他の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第二の処理と、前記第一の工程で同一グループにグルーピングされた複数種類の各箱体を平面上に配置して形成することができる箱体の集合体であって、平面視における外形形状が矩形となるもののうち、前記パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる配置パターンを抽出する第三の処理と、前記第三の工程で抽出された配置パターンを構成する各箱体と前記第二の工程において同一のグループにグルーピングされた各箱体を、当該配置パターンを構成する各箱体に積み上げて形成される、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となる箱体の集合体たるレイヤーを抽出する第四の処理と、各種類の箱体の必要使用個数が満たされるために必要な前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出するとともに、各組み合わせパターンを構成する複数の前記レイヤーの積み上げ高さが最小となる前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出する第五の処理と、を実行する積み付けパターン作成プログラムを備えるものである。
【0019】
請求項12においては、前記積み付けパターン作成プログラムは、さらに、前記箱体の積み付け高さの上限値を考慮して、前記第五の処理で抽出した前記レイヤーの組み合わせパターンを複数に分割する第六の処理を実行するものである。
【0020】
請求項13においては、前記積み付けパターン作成プログラムは、さらに、前記箱体の積み重ね性を考慮して、前記レイヤーの積み重ね順序を決定する第七の処理を実行するものである。
【0021】
請求項14においては、前記積み付けパターン作成プログラムは、さらに、前記積み付けパターンを構成する各箱体に、ワークが実際に納められる箱体である実箱と、ワークが実際には納められない箱体である空箱と、を割り当てる第八の処理を実行するものである。
【0022】
請求項15においては、前記積み付けパターン作成プログラムは、さらに、積み付けパターンを構成する前記各箱体のうち、必須でない前記箱体を間引く第九の処理を実行するものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0024】
請求項1においては、最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0025】
請求項2においては、最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0026】
請求項3においては、荷崩れを起こしにくい、より最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0027】
請求項4においては、空箱の使用数を低減させて、より少ない個数の箱体で、最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0028】
請求項5においては、空箱の使用数をさらに低減させることができる。
【0029】
請求項6においては、最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0030】
請求項7においては、最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0031】
請求項8においては、荷崩れを起こしにくい、より最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0032】
請求項9においては、空箱の使用数を低減させて、より少ない個数の箱体で、最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0033】
請求項10においては、空箱の使用数をさらに低減させることができる。
【0034】
請求項11においては、最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0035】
請求項12においては、最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0036】
請求項13においては、荷崩れを起こしにくい、より最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0037】
請求項14においては、空箱の使用数を低減させて、より少ない個数の箱体で、最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0038】
請求項15においては、空箱の使用数をさらに低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法を示すフロー図。
【図2】本発明の一実施形態に係る積み付け装置を示す模式図。
【図3】本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法における積み付けパターン計算(STEP−200)の詳細な流れを示すフロー図。
【図4】積み付けパターン計算(STEP−200)におけるデータ前処理(STEP−210)の詳細な流れを示すフロー図。
【図5】積み重ねグループ作成処理(STEP−211)を説明するための模式図、(a)複数種類の箱体をグループ化した状況を示す模式図、(b)グループ化の考え方を示す模式図。
【図6】高さ一致グループ作成処理(STEP−212)を説明するための模式図、(a)複数種類の箱体を示す模式図、(b)グループ化の状況を示す模式図。
【図7】長尺物サイズ変換処理(STEP−213)を説明するための模式図。
【図8】積み付けパターン計算(STEP−200)における積み付けパターン作成処理(STEP−220)の詳細な流れを示すフロー図。
【図9】平面配置パターン列挙処理(STEP−221)を説明するための模式図。
【図10】レイヤー列挙処理(STEP−222)を説明するための模式図。
【図11】レイヤー組み合わせパターン抽出処理(STEP−223)を説明するための模式図。
【図12】レイヤー組み合わせパターン分割処理(STEP−224)を説明するための模式図。
【図13】レイヤー積み重ね順決定処理(STEP−225)を説明するための模式図、(a)積み重ね性の評価結果(評点)を示す図、(b)積み重ね性の評価方法(評点の算出方法)を示す図。
【図14】実箱/空箱割り当て処理(STEP−226)を説明するための模式図。
【図15】空箱間引き処理(STEP−227)を説明するための模式図。
【図16】本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法における積み付けパターン計算(STEP−200)の詳細な流れ(特殊箱積み付けパターン作成処理(STEP−215)を実行する場合)を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず始めに、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法における全体の流れについて、図1および図2を用いて説明をする。
本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法は、例えば、図2に示すような積み付けパターンを検討するための装置である積み付け装置10に、当該作成方法を実行するためのプログラム(積み付けパターン作成プログラム)を実装することにより、当該積み付け装置10によって実現することができる。
このため、以下では、積み付け装置10を用いて、当該積み付け装置10に実装されている積み付けパターン作成プログラムに従って、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法を実施する場合を例示して説明をする。
尚、本実施形態では、積み付け装置10として、汎用的なパーソナルコンピュータを採用する場合を例示しているが、組み付けパターンを作成するための専用品を採用することも可能である。
【0041】
本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法を実行するためのプログラムが実装された積み付け装置を利用して積み付けパターンを作成する場合には、図1に示すように、まず始めに積み付け装置10に対して、データ入力(STEP−100)を行う。
【0042】
データ入力(STEP−100)では、積み付けパターンの作成に必要な各情報を、入力手段10cを用いて積み付け装置10に入力する。
ここで入力すべき情報としては、積み付け対象たる箱体の仕様(段ボール箱かプラスチック箱か)、箱体の寸法情報(幅、奥行き、高さ)、各箱体の数量、パレットの寸法情報、積み付け高さの上限値、等がある。
そして、入力された各情報は、積み付け装置10が備える記憶手段10bに記憶される。
【0043】
本発明において積み付けパターンを作成する対象物たる箱体は、略直方体状(略立方体状を含む)の形状を有し、内部に製品等を収容して輸送するための容器である。
本発明の適用対象たる箱体としては、例えば、樹脂等からなる輸送専用に用いられる5面ボックス(上面が開放されている)であって、その下面に上面の開放部に係合する立ち上がり部が形成され、安定して重ね合わせができる態様とした箱体や、一般に広く用いられる紙製の6面ボックス(所謂段ボール箱)等の箱体を採用し得る。
【0044】
積み付け装置による積み付けパターンの作成においては、次に積み付けパターン計算(STEP−200)を実行する。
積み付けパターン計算(STEP−200)は、データ入力(STEP−100)において入力され、記憶手段10bに記憶されている各情報に基づき、積み付け装置10が備える演算装置10aによって、当該演算装置10aに実装されたプログラムに従って、積み付けパターンを作成するための演算処理が実行される。
【0045】
そして、積み付け装置による積み付けパターンの作成においては、最後に積み付けパターン出力(STEP−300)を行う。
積み付けパターン出力(STEP−300)では、積み付けパターン計算(STEP−200)で作成された積み付けパターンを、積み付け装置10が備えるディスプレイ等の出力手段10dに表示することによって、作業者等に提示することができる。
そして作業者は、提示された積み付けパターンを用いて、輸送に必要な箱体の個数や必要な車両台数の検討を行うことができる。
【0046】
次に、積み付けパターン計算(STEP−200)について、図3〜図16を用いて、さらに詳細に説明をする。
積み付けパターン計算(STEP−200)は、図3に示す如く、複数の各処理(STEP−210)〜(STEP−230)からなる構成としている。
【0047】
積み付けパターン計算(STEP−200)では、まず始めに、演算装置10aによって、データ入力(STEP−100)において入力された各データのデータ前処理(STEP−210)が実行される。
さらにこのデータ前処理(STEP−210)は、図4に示す如く、積み重ねグループ作成処理(STEP−211)、高さ一致グループ作成処理(STEP−212)、長尺物サイズ変換処理(STEP−213)等の複数の処理からなる構成としている。
【0048】
図4に示す積み重ねグループ作成処理(STEP−211)は、積み重ねに適した箱体同士をグループ化するために実行される処理であり、演算装置10aによって、データ入力(STEP−100)において入力された各箱体の平面視における寸法情報(即ち、箱体の幅と長さ)に基づいて、種類が異なる各箱体をグループ化するものである。
【0049】
ここでは具体的に、図5(a)に示すような平面視における寸法を有する複数種類の箱体1・1・・・(箱体1a〜箱体1fの合計6種類)を取り扱う場合を例示して説明をする。
各箱体1a〜1fの平面視における各寸法は、図5(a)に記載した寸法であるものと仮定している。
【0050】
積み重ねグループ作成処理(STEP−211)では、演算装置10aによって、まずそれぞれの箱体1a・1b・1c・1d・1e・1fの辺の長さを整数(1以上の整数)倍してみる。
そして、演算装置10aによって、その整数倍した各寸法を比較し、そのなかで寸法が一致するものがある場合には、それらの寸法が一致する各箱体1・1同士を同じグループとして設定するようにしている。
尚、整数倍した寸法が一致する場合であっても、その一致する寸法がパレットの大きさを越える寸法である場合には、一致するとは判断しないようにしている。
【0051】
さらに具体的に説明をすると、図5(a)に示した各箱体1a〜1fでは、図5(b)に示す如く、例えば箱体1aと箱体1bは、箱体1aの各辺の長さと箱体1bの短辺の長さは共に335mmとなって一致するため、演算装置10aによって、箱体1aと箱体1bが同一グループ(グループAと呼ぶ)に属するものと設定される。
また、箱体1aと箱体1dは、箱体1aの各辺の長さを2倍した寸法と箱体1dの長辺の長さが共に670mmとなって一致するため、演算装置10aによって、箱体1aと箱体1dが同一グループに属するものと設定される。
ここで、670mmは335mmの2倍であるため、演算装置10aによって、箱体1dもグループAに属するものとして設定される。
また、演算装置10aによって、箱体1cと箱体1eは、別の同一グループ(グループBと呼ぶ)に属するものとして設定され、また、箱体1dと箱体1fは、さらに別の同一グループ(グループCと呼ぶ)に属するものとして設定される。
【0052】
また、整数倍した寸法が完全に一致した場合だけではなく、寸法差の許容値を設定しておき、寸法差が設定した許容値以下であれば、それらの寸法は一致するものと判断するようにしている。
例えば、寸法差の許容値を5mmに設定する場合、図5(b)に示す如く、演算装置10aによって、箱体1bの短辺の長さを3倍した寸法(1005mm)と、箱体1cの短辺の長さを2倍した寸法(1006mm)は一致すると判断され、箱体1dは、グループAに属するものとして設定される。
【0053】
そして、最終的に図5(a)に示す各箱体1・1・・・は、図5(a)に示す如く、演算装置10aが積み重ねグループ作成処理(STEP−211)を実行することによって、各箱体1a・1b・1c・1dがグループAに属し、また、箱体1cと箱体1eがグループBに属し、さらに、箱体1dと箱体1fがグループCに属するものとして設定される。
【0054】
積み重ねグループ作成処理(STEP−211)により、各箱体1・1・・・をグループ化しておくことによって、グループが異なる箱体1・1同士の積み重ねを検討する必要がなくなるため、積み付けパターン計算(STEP−200)をより高速化することができる。
【0055】
図4に示す高さ一致グループ作成処理(STEP−212)は、積み上げ高さを揃えるのに適した各箱体1・1・・・同士をグループ化するために実行される処理であり、演算装置10aによって、データ入力(STEP−100)において入力された各箱体1・1・・・の側面視における寸法情報(高さ寸法)に基づいて、各箱体1・1・・・をグループ化するものである。
【0056】
ここでは具体的に、図6(a)に示すような高さ寸法が与えられた複数種類(ここでは4種類)の箱体1p〜1sがある場合を例示して説明をする。
尚、ここで示す各箱体1p〜1sは、5面ボックス状の箱体であり、下面に高さ10mmの立ち上がり部を有するものとする。
【0057】
そして、積み上げた高さの算定においては、箱体の種類(段ボール箱か輸送専用の箱か)を考慮するようにしており、例えば、下面に立ち上がり部を有する態様の輸送専用の箱体では、最も下に位置する箱体のみ立ち上がり部の高さを加算して、積み上げた高さを算出するようにしている。
具体的には、箱体1の全体高さがhであって、立ち上がり部の高さがtである場合、その箱体をn個積み上げた場合における積み上げ高さHを、以下の数式1で算出するようにしている。
【0058】
【数1】
【0059】
図6(b)に示す如く、箱体1pと箱体1qは、平面視における寸法(幅および長さ)は相違しているが、高さ寸法がいずれも103mmで一致しているため、演算装置10aによって、同じグループに属するものとして設定される。
【0060】
また、箱体1rは、それ単体では、高さ寸法が一致するものが見つからないため、演算装置10aによって、単独のグループに属するものとして設定される。
【0061】
また、寸法は完全一致する場合だけでなく、差異の許容値を設定しておき、寸法差が設定した許容値以下であれば、それらの寸法は一致するものと判定するようにしている。
【0062】
例えば、箱体1sの高さは195mmであり、箱体1pを2個積み重ねたものの積み重ね高さは、数式1によると、196mmとなる。
例えば、寸法差の許容値を5mmと設定している場合であれば、箱体1sと箱体1pを2個積み重ねたものは、演算装置10aによって、高さが一致するものと判断され、これらは同じグループに属するものとして設定される。
【0063】
さらに同様にして、箱体1rを2個積み重ねた高さ(288mm)と、箱体1pを3個積み重ねた高さ(289mm)と、箱体1pと箱体1sを積み重ねた高さ(288mm)は、演算装置10aによって、それぞれ高さが一致すると判断されるため、これらも同じグループに属するものとして設定される。
【0064】
高さ一致グループ作成処理(STEP−212)により、各箱体1・1・・・をグループ化しておくことによって、積み上げたときに高さを一致させるのに適した箱体1・1・・・を選択的に組み合わせつつ、積み付けパターンを作成できるようになるため、積み付けパターン計算(STEP−200)をより高速化することができる。
【0065】
図4に示す長尺物サイズ変換処理(STEP−213)は、箱体1の長さまたは幅がパレット2よりも大きい場合に行われる。
【0066】
具体的には、図7に示すような幅寸法W1が与えられた箱体1がある場合を例示すると、箱体1をパレット2に重ねたときにはみ出す部分は計算上考慮しないものとするため、演算装置10aによって、箱体1の寸法をW1からW2(パレット2の幅)に変換する処理を行うようにしている。
【0067】
長尺物サイズ変換処理(STEP−213)をしておくことによって、パレット2からはみ出した位置に箱体1を配置するような積み付けパターンを検討対象から除外することができるため、ユニットロードにおける荷姿の安定化が図れるとともに、積み付けパターン計算(STEP−200)をより高速化することができる。
【0068】
積み付けパターン計算(STEP−200)では、次に、データ前処理(STEP−210)により生成および変換された各データに基づいて、積み付けパターン作成処理(STEP−220)を実行する。
【0069】
図8に示す如く、積み付けパターン作成処理(STEP−220)は、(STEP−221)〜(STEP−227)の各処理により構成されている。
尚、本実施形態では、層を積み上げていく態様のユニットロード(層積みユニットロードと呼ぶ)の作成手順を例示して説明をする。
【0070】
積み付けパターン作成処理(STEP−220)では、まず始めに、平面配置パターン列挙処理(STEP−221)を実行する。
平面配置パターン列挙処理(STEP−221)では、データ前処理(STEP−210)における積み重ねグループ作成処理(STEP−211)で同じグループに該当するものとして設定された各箱体(例えば、図5(a)に示す箱体1a〜1f等)を用いて、演算装置10aによって、図9に示すような、パレット2からはみ出さずにパレット2上に配置できるパターン(以下、平面配置パターン3と呼ぶ)を全数列挙する。
尚、例えば、箱体1aは箱体1bを2分割した寸法であるため、このような場合、箱体1bを配置した場所を、さらに2個の箱体1aで置換するような平面配置パターン3は無視するものとしている。
【0071】
積み付けパターン作成処理(STEP−220)では、次に、レイヤー列挙処理(STEP−222)を実行する。
レイヤー列挙処理(STEP−222)では、平面配置パターン列挙処理(STEP−221)で列挙しておいた各平面配置パターン3・3・・・と、データ前処理(STEP−210)における高さ一致グループ作成処理(STEP−212)で設定しておいた高さ一致グループに関する情報(積み重ね高さ)に基づいて、演算装置10aによって、複数の箱体1・1・・・の集合体を作成する。
【0072】
ここでは、平面配置パターン3に含まれる個々の箱体1・1・・・について、高さ一致グループで設定した積み重ね高さに関する情報を確認する。
例えば、図10に示す各平面配置パターン3・3は、平面視においては矩形状であるが、高さ方向には凹凸が生じている。
この高さ方向の凹凸を埋めるために、積み重ねグループ作成処理でグループ化しておいた情報を利用する。そして、演算装置10aによって、平面配置パターン3に適当な箱体1・1を追加することによって、平面配置が矩形状であり、かつ、上面および下面を平面状とした複数の箱体1・1・・・の集合体たるレイヤー4を生成する。
【0073】
尚、レイヤー4を多く作成しすぎると、計算時間が増大する原因になるため、最終的に採用される可能性が低いレイヤー4を破棄する等して使用するレイヤー4の種類数を削減する構成とするのが好適である。
【0074】
積み付けパターン作成処理(STEP−220)では、次に、レイヤー組み合わせパターン抽出処理(STEP−223)を実行する。
レイヤー組み合わせパターン抽出処理(STEP−223)では、図11に示すように、演算装置10aによって、必要箱数を満たす複数のレイヤー4・4・・・の組み合わせ(レイヤー組み合わせパターン5と呼ぶ)をまず抽出するとともに、さらにその中から、各レイヤー4・4・・・の積み重ね高さが最も小さくなる(Hminとなる)レイヤー組み合わせパターン5を抽出する。
尚、ここでいう必要箱数を満たすとは、例えば、各箱体1・1・・・ごとの必要個数が決まっているときに、レイヤー組み合わせパターン5に含まれる各箱体1・1・・・のそれぞれの個数が、その必要個数以上の個数確保されていることを意味している。
【0075】
この抽出処理は、整数計画問題として処理することができる。
目的関数は、レイヤー組み合わせパターン5の高さを以下の数式2で表し、数式2が最小となるレイヤー組み合わせパターン5を抽出するようにする。
また、制約条件としては、各箱体の種類が、使用すべき箱数以上となるようにするため、以下の数式3および数式4を規定する。
尚、各数式中に示すaijは、j番目のレイヤーで使用する箱種iの箱数を示しており、biは、箱種iの最低使用数を示している。また、cjは、j番目のレイヤーの高さを示しており、xjは、j番目のレイヤーを示している。
【0076】
【数2】
【0077】
【数3】
【0078】
【数4】
【0079】
即ち、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法は、寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体1・1・・・をパレット2上に積み付ける場合において、前記複数の箱体1・1・・・の積み付けパターン8を作成するものであって、平面視における箱体1の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体1の幅を整数倍した寸法あるいは箱体1の長さを整数倍した寸法と、その他の種類の箱体1の幅を整数倍した寸法あるいは箱体1の長さを整数倍した寸法と、が一致する場合に、それらの各種類の箱体1・1を同一グループとしてグルーピングする第一の工程たる積み重ねグループ作成処理(STEP−211)と、側面視における箱体1の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体1を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、その他の種類の箱体1を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、が一致する場合に、それらの各種類の箱体1・1を同一グループとしてグルーピングする第二の工程たる高さ一致グループ作成処理(STEP−212)と、積み重ねグループ作成処理(STEP−211)で同一グループにグルーピングされた複数種類の各箱体1・1・・・を平面上に配置して形成することができる箱体の集合体であって、平面視における外形形状が矩形となるもののうち、前記パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる平面配置パターン3を抽出する第三の工程たる平面配置パターン列挙処理(STEP−221)と、平面配置パターン列挙処理(STEP−221)で抽出された平面配置パターン3を構成する各箱体1・1・・・と高さ一致グループ作成処理(STEP−212)において同一のグループにグルーピングされた各箱体1・1・・・を、当該平面配置パターン3を構成する各箱体1・1・・・に積み上げて形成される、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となる箱体1・1・・・の集合体たるレイヤー4を抽出する第四の工程たるレイヤー列挙処理(STEP−222)と、各種類の箱体1・1・・・の必要使用個数が満たされるために必要なレイヤー4・4・・・の組み合わせパターンたるレイヤー組み合わせパターン5を抽出するとともに、各レイヤー組み合わせパターン5を構成する複数のレイヤー4・4・・・の積み上げ高さが最小となるレイヤー組み合わせパターン5を抽出する第五の工程たるレイヤー組み合わせパターン抽出処理(STEP−223)と、を備えるものである。
【0080】
また、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成プログラムは、寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体1・1・・・をパレット2上に積み付ける場合において、前記複数の箱体1・1・・・の積み付けパターン8を作成するためのプログラムであって、平面視における箱体1の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体1の幅を整数倍した寸法あるいは箱体1の長さを整数倍した寸法と、その他の種類の箱体1の幅を整数倍した寸法あるいは箱体1の長さを整数倍した寸法と、が一致する場合に、それらの各種類の箱体1・1を同一グループとしてグルーピングする第一の処理たる積み重ねグループ作成処理(STEP−211)と、側面視における箱体1の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体1を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、その他の種類の箱体1を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、が一致する場合に、それらの各種類の箱体1・1を同一グループとしてグルーピングする第二の処理たる高さ一致グループ作成処理(STEP−212)と、積み重ねグループ作成処理(STEP−211)で同一グループにグルーピングされた複数種類の各箱体1・1・・・を平面上に配置して形成することができる箱体の集合体であって、平面視における外形形状が矩形となるもののうち、前記パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる平面配置パターン3を抽出する第三の処理たる平面配置パターン列挙処理(STEP−221)と、平面配置パターン列挙処理(STEP−221)で抽出された平面配置パターン3を構成する各箱体1・1・・・と高さ一致グループ作成処理(STEP−212)において同一のグループにグルーピングされた各箱体1・1・・・を、当該平面配置パターン3を構成する各箱体1・1・・・に積み上げて形成される、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となる箱体1・1・・・の集合体たるレイヤー4を抽出する第四の処理たるレイヤー列挙処理(STEP−222)と、各種類の箱体1・1・・・の必要使用個数が満たされるために必要なレイヤー4・4・・・の組み合わせパターンたるレイヤー組み合わせパターン5を抽出するとともに、各レイヤー組み合わせパターン5を構成する複数のレイヤー4・4・・・の積み上げ高さが最小となるレイヤー組み合わせパターン5を抽出する第五の処理たるレイヤー組み合わせパターン抽出処理(STEP−223)と、を実行するものである。
【0081】
さらに、本発明の一実施形態に係る積み付け装置10は、寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体1・1・・・をパレット2上に積み付ける場合に使用する積み付けパターン8を作成するためのものであって、積み付けパターン8を演算するための演算手段たる演算装置10aを備え、該演算装置10aは、寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体1・1・・・をパレット2上に積み付ける場合において、前記複数の箱体1・1・・・の積み付けパターン8を作成するためのプログラムであって、平面視における箱体1の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体1の幅を整数倍した寸法あるいは箱体1の長さを整数倍した寸法と、その他の種類の箱体1の幅を整数倍した寸法あるいは箱体1の長さを整数倍した寸法と、が一致する場合に、それらの各種類の箱体1・1を同一グループとしてグルーピングする第一の処理たる積み重ねグループ作成処理(STEP−211)と、側面視における箱体1の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体1を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、その他の種類の箱体1を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、が一致する場合に、それらの各種類の箱体1・1を同一グループとしてグルーピングする第二の処理たる高さ一致グループ作成処理(STEP−212)と、積み重ねグループ作成処理(STEP−211)で同一グループにグルーピングされた複数種類の各箱体1・1・・・を平面上に配置して形成することができる箱体の集合体であって、平面視における外形形状が矩形となるもののうち、前記パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる平面配置パターン3を抽出する第三の処理たる平面配置パターン列挙処理(STEP−221)と、平面配置パターン列挙処理(STEP−221)で抽出された平面配置パターン3を構成する各箱体1・1・・・と高さ一致グループ作成処理(STEP−212)において同一のグループにグルーピングされた各箱体1・1・・・を、当該平面配置パターン3を構成する各箱体1・1・・・に積み上げて形成される、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となる箱体1・1・・・の集合体たるレイヤー4を抽出する第四の処理たるレイヤー列挙処理(STEP−222)と、各種類の箱体1・1・・・の必要使用個数が満たされるために必要なレイヤー4・4・・・の組み合わせパターンたるレイヤー組み合わせパターン5を抽出するとともに、各レイヤー組み合わせパターン5を構成する複数のレイヤー4・4・・・の積み上げ高さが最小となるレイヤー組み合わせパターン5を抽出する第五の処理たるレイヤー組み合わせパターン抽出処理(STEP−223)と、を実行する積み付けパターン作成プログラムを備えるものである。
【0082】
このような構成により、最適な積み付けパターン8を作成することができる。
【0083】
積み付けパターン作成処理(STEP−220)では、次に、レイヤー組み合わせパターン分割処理(STEP−224)を実行する。
レイヤー組み合わせパターン分割処理(STEP−224)では、演算装置10aによって、各スキッド6・6・・・の高さが、ユニットロードの上限高さ以下となるように、抽出したレイヤー組み合わせパターン5を複数のスキッド6・6・・・に分割する処理を行うものである。
【0084】
図12に示す如く、抽出されたレイヤー組み合わせパターン5を、ユニットロードの上限高さHmax以下の高さに納まる複数のスキッド6・6・・・に分割する。
この分割時におけるレイヤー4・4・・・の選択結果によって、例えば、図12に示すように3個のスキッド6・6・・・に分割しなければ納まらなかったり、あるいは、2個のスキッド6・6に分割するだけで納まる等の違いが出てくる。
この違いは、輸送効率の良否(より具体的には、必要な運搬車両の大きさ、台数や、運搬回数)に影響を及ぼすものであるため、スキッド6の個数が最小となるように分割処理がなされる。
【0085】
この分割処理は、各レイヤー4・4・・・の高さとスキッド6の上限高さを入力要素とした、ビンパッキング問題として処理することができる。
【0086】
即ち、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法は、箱体1・1・・・の積み付け高さの上限値を考慮して、レイヤー組み合わせパターン抽出処理(STEP−223)で抽出したレイヤー組み合わせパターン5を複数のスキッド6・6・・・に分割する第六の工程たるレイヤー組み合わせパターン分割処理(STEP−224)を有するものである。
【0087】
また、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成プログラムは、箱体1・1・・・の積み付け高さの上限値を考慮して、レイヤー組み合わせパターン抽出処理(STEP−223)で抽出したレイヤー組み合わせパターン5を複数のスキッド6・6・・・に分割する第六の処理たるレイヤー組み合わせパターン分割処理(STEP−224)を実行するものである。
【0088】
さらに、本発明の一実施形態に係る積み付け装置において、積み付けパターン作成プログラムは、箱体1・1・・・の積み付け高さの上限値を考慮して、レイヤー組み合わせパターン抽出処理(STEP−223)で抽出したレイヤー組み合わせパターン5を複数のスキッド6・6・・・に分割する第六の処理たるレイヤー組み合わせパターン分割処理(STEP−224)を実行するものである。
【0089】
このような構成により、最適な積み付けパターン8を作成することができる。
【0090】
積み付けパターン作成処理(STEP−220)では、次に、レイヤー積み重ね順決定処理(STEP−225)を実行する。
レイヤー積み重ね順決定処理(STEP−225)では、演算装置10aによって、分割した各スキッド6・6・・・に対して、さらに積み重ね順序を考慮する処理を行う。
ここで積み重ね順序が決定された各レイヤー4・4・・・の集合体を、レイヤー積み重ねパターン7と呼ぶものとする。
【0091】
ここでは、スキッド6を構成する全てのレイヤー4・4・・・について、図13(a)に示す如く、演算装置10aによって、総当り的に2つずつ組み合わせたときの「積み重ね性」を評価する。
まず、「積み重ね性」の評価が最も悪かった2つのレイヤー4・4を抽出し、これらのレイヤー4・4を当該スキッド6における、上端と下端に配置する。
そして、当該スキッド6における残りのレイヤー4・4・・・について、「積み重ね性」の評価が最もよくなるように、積み重ね順序を決定する。
尚、ここでいう「積み重ね性」の定義は、図13(b)に示すように、各箱体1・1・・・の特徴に着目して評価を行うものである。
【0092】
箱体1・1・・・を積み重ねる場合、上段の箱体と下段の箱体で箱の角が一致するように積む積み方の方が、角を一致させない積み方に比して耐荷重が高くなる。
また、箱体の壁面が上からの荷重を支えるので、下段に壁面が多いと(即ち、下段の箱体数が上段の箱体数に比して多いと)、より強度が安定する。
このため、「積み重ね性」の評価においては、箱体の角同士が一致する箇所や上下の箱体数差の値で評価するようにしている。
【0093】
このレイヤー積み重ね順決定処理(STEP−225)は、積み重ね性の評価値(図13(a)参照)を、完全グラフの辺の重みと見立てることで、TSP(巡回セールスマン問題)として処理することができる。
【0094】
即ち、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法は、箱体1・1・・・の積み重ね性を考慮して、レイヤー4の積み重ね順序を考慮して、積み付けパターン8を修正する(即ち、レイヤー積み重ねパターン7を作成する)第七の工程たるレイヤー積み重ね順決定処理(STEP−225)を有するものである。
【0095】
また、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成プログラムは、箱体1・1・・・の積み重ね性を考慮して、レイヤー4の積み重ね順序を考慮して、積み付けパターン8を修正する(即ち、レイヤー積み重ねパターン7を作成する)第七の処理たるレイヤー積み重ね順決定処理(STEP−225)を実行するものである。
【0096】
さらに、本発明の一実施形態に係る積み付け装置において、積み付けパターン作成プログラムは、箱体1・1・・・の積み重ね性を考慮して、レイヤー4の積み重ね順序を考慮して、積み付けパターン8を修正する(即ち、レイヤー積み重ねパターン7を作成する)第七の処理たるレイヤー積み重ね順決定処理(STEP−225)を実行するものである。
【0097】
このような構成により、荷崩れを起こしにくい、より最適な積み付けパターン8を作成することができる。
【0098】
積み付けパターン作成処理(STEP−220)では、次に、演算装置10aによって、実箱/空箱割り当て処理(STEP−226)を実行する。
実箱/空箱割り当て処理(STEP−226)では、演算装置10aによって、ここまでの処理で作成したレイヤー積み重ねパターン7の各箱体1・1・・・に実箱か空箱を割り当てていく。
ここでいう実箱とは、実際にワークが収められる箱体1のことであり、空箱とは、実際にはワークが納められない、ユニットロードを形成するためにダミーで追加される箱体1のことである。
【0099】
実箱/空箱割り当て処理(STEP−226)においては、次の空箱間引き処理(STEP−227)でできるだけ多くの空箱を間引くことができるように、演算装置10aによって、各箱体1・1・・・に対してその配置位置に応じた間引き優先度を設定する。
そして、間引き優先度が低い順に実箱を割り当てていき、残ったところには空箱を割り当てるようにする。
【0100】
具体的には、間引き優先度は、図14および以下に示す手順で決定する。
(1)ユニットロード(ここではレイヤー積み重ねパターン7)の最上の四隅にある箱体を「必須箱」に設定する。
(2)「必須箱」を支える位置にある箱体も「必須箱」に設定し、この処理を最下段に至るまで行う。
(3)「必須箱」と設定されなかった箱体を「非必須箱」に設定する。
(4)そして、「必須箱」に対しては、以下の数式5により、また、「非必須箱」に対しては、以下の数式6により、それぞれ間引き優先度Mを設定する。
尚、以下の数式中に示す値zは、箱体1のパレット2からの高さを表しており、値hはレイヤー積み重ねパターン7の全高を表している。
【0101】
【数5】
【0102】
【数6】
【0103】
「必須箱」が間引かれると荷姿が崩れてしまうため、「必須箱」の間引き優先度Mは、「非必須箱」の間引き優先度Mに比して常に低くなる(即ち、「非必須箱」から優先して間引かれる)ようにしている。
【0104】
そして、実箱/空箱割り当て処理(STEP−226)においては、「必須箱」と設定された箱体1に、優先して実箱を割り当てていくようにしている。
【0105】
即ち、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法は、積み付けパターン8を構成する各箱体1・1・・・に、ワークが実際に納められる箱体1である実箱と、ワークが実際には納められない箱体1である空箱と、を割り当てて、積み付けパターン8を修正する第八の工程たる実箱/空箱割り当て処理(STEP−226)を有するものである。
【0106】
また、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成プログラムは、積み付けパターン8を構成する各箱体1・1・・・に、ワークが実際に納められる箱体1である実箱と、ワークが実際には納められない箱体1である空箱と、を割り当てて、積み付けパターン8を修正する第八の処理たる実箱/空箱割り当て処理(STEP−226)を実行するものである。
【0107】
さらに、本発明の一実施形態に係る積み付け装置において、積み付けパターン作成プログラムは、積み付けパターン8を構成する各箱体1・1・・・に、ワークが実際に納められる箱体1である実箱と、ワークが実際には納められない箱体1である空箱と、を割り当てて、積み付けパターン8を修正する第八の処理たる実箱/空箱割り当て処理(STEP−226)を実行するものである。
【0108】
このような構成により、空箱の使用数を低減させて、より少ない個数の箱体1・1・・・で、最適な積み付けパターン8を作成することができる。
【0109】
積み付けパターン作成処理(STEP−220)では、次に、演算装置10aによって、空箱間引き処理(STEP−227)を実行する。
空箱間引き処理(STEP−227)では、図15に示す如く、演算装置10aによって、レイヤー積み重ねパターン7から、実箱/空箱割り当て処理(STEP−226)で割り当てた箱体1・1・・・のうち、空箱であって、かつ、「非必須箱」であるものを間引く。
そして、このようにして積み付けパターン8を作成するようにしている。
以上により、積み付けパターン作成処理(STEP−220)を終了する。
【0110】
即ち、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法は、積み付けパターン8を一旦作成した後に、積み付けパターン8を構成する各箱体1・1・・・のうち、必須でない箱体1を間引く第九の工程たる空箱間引き処理(STEP−227)を有するものである。
【0111】
また、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成プログラムは、積み付けパターン8を一旦作成した後に、積み付けパターン8を構成する各箱体1・1・・・のうち、必須でない箱体1を間引く第九の処理たる空箱間引き処理(STEP−227)を実行するものである。
【0112】
さらに、本発明の一実施形態に係る積み付け装置において、積み付けパターン作成プログラムは、積み付けパターン8を一旦作成した後に、積み付けパターン8を構成する各箱体1・1・・・のうち、必須でない箱体1を間引く第九の処理たる空箱間引き処理(STEP−227)を実行するものである。
【0113】
このような構成により、空箱の使用数をさらに低減させることができる。
【0114】
積み付けパターン計算(STEP−200)では、次に、上面不一致積み付けパターン作成処理(STEP−230)に移行する。
上面不一致積み付けパターン作成処理(STEP−230)では、規格外の大きさや寸法のために積み付けパターン作成処理(STEP−220)ではうまく処理することができなかった箱体1を対象として積み付けを実行する。
【0115】
上面不一致積み付けパターン作成処理(STEP−230)は、積み付けパターン作成処理(STEP−220)を行った結果、積載効率が悪いユニットロードが作成された場合において、他の積載効率が悪いスキッドを混ぜて、上面が揃っていないスキッドを作成する。
そして、これにより積載効率が向上するようであれば、その作成したユニットロードを採用する。
尚、上面不一致積み付けパターン作成処理(STEP−230)は、規格外の大きさや寸法のために積み付けパターン作成処理(STEP−220)ではうまく処理することができなかった箱体が無い場合には行わなくて良い。
【0116】
また、規格外の大きさや寸法のために積み付けパターン作成処理(STEP−220)ではうまく処理することができなかった箱体1が有ることが予め判っているような場合には、図16に示す如く、積み付けパターン作成処理(STEP−220)に先立って、特殊箱積み付けパターン作成処理(STEP−215)を実行する構成とすることも可能である。
【0117】
特殊箱積み付けパターン作成処理(STEP−215)では、積み付けパターン作成処理(STEP−220)において、特殊サイズの箱体1を考慮する必要がなくなるため、演算速度の低下を回避でき、さらに、非効率なユニットロードが作成されることを回避できる。
【0118】
また、本実施形態では、複数種類の箱体が混在している場合の積み付けパターン作成方法について説明してきたが、箱体1の種類が1種類に限定されている場合には、積み付けパターン作成処理を簡略化することができる。
【0119】
箱体1の種類が1種類に限定されている場合における積み付けパターン作成処理(STEP−220)では、異なる寸法の箱体1・1・・・の組み合わせを考慮する必要がないため、JIS規格に規定されている基本的な積み方(ブロック積、レンガ積、交互列積、ピンホイール積等)を試し、1層分のレイヤー4を構成したら、後は必要な箱数分積み上げていくことによって、積み付けパターンを作成することができる。
【0120】
尚、本実施形態では、積み付けパターンを検討するための装置である積み付け装置10に積み付けパターン作成プログラムを実装し、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法を実施する場合を例示して説明をしたが、積み付けパターンの作成結果を輸送コスト等の検討に用いるだけではなく、例えば、ロボットアーム等を備えた、箱体を並べるための積み付け装置に積み付けパターン作成プログラムを実装し、積み付けパターンを作成しつつ、実際にユニットロードを作成していくことも可能である。
【符号の説明】
【0121】
1 箱体
2 パレット
3 平面配置パターン
4 レイヤー
5 レイヤー組み合わせパターン
6 スキッド
7 レイヤー積み重ねパターン
8 積み付けパターン
【技術分野】
【0001】
本発明は、積載効率のよいユニットロードを形成することができる積み付けパターンの作成方法および作成プログラム並びに積み付け装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パレット上に複数の箱体を積み上げて一つの輸送単位(以下、ユニットロードと記載する)を形成し、パレット単位で各箱体を輸送する場合において、当該ユニットロードにおける各箱体の配置(以下、積み付けパターンと呼ぶ)の如何によって、輸送効率や輸送時における荷姿の安定度合に差異が生じてくることが知られている。
このため、ユニットロードを形成する際に、最適な積み付けパターンを作成するための技術が種々検討されており、例えば、以下に示す特許文献1にその技術が開示され公知となっている。
【0003】
特許文献1に開示されている従来技術では、輸送対象たる箱体に、寸法が異なる複数種類の箱体が含まれる場合において、パレット上の領域を該パレットの中心位置を基準として4象限に分割し、各象限において、箱体を積み付ける構成としたパレタイズ装置が開示されている。
そして、当該パレタイズ装置では、ユニットロードを構成するために使用する箱体の個数を予め定めておくとともに、その所定個数の箱体を組み合わせて、各象限における積み付け高さの高低差が小さくなるようにユニットロードにおける積み付けパターンを決定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−271073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に係るパレタイズ装置で採用されている積み付け方法では、パレット上を4象限に分割するとともに、組み合わせ検討する箱体の個数を予め決めておいて積み付けパターンを作成する構成としているため、生成される積み付けパターン数が限定されており、真に最適な積み付けパターンが作成される方法とはなっていなかった。
【0006】
本発明は、斯かる現状の課題を鑑みてなされたものであり、寸法が異なる複数種類の箱体が混在するような場合において、最適な積み付けパターンを作成することができる積み付けパターン作成方法およびプログラム並びに積み付け装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体をパレット上に積み付ける場合における、積み付けパターンを作成するための積み付け装置を用いた積み付けパターンの作成方法であって、前記積み付け装置が備える演算手段によって、平面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、その他の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第一の工程と、前記演算手段によって、側面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、その他の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第二の工程と、前記演算手段によって、前記第一の工程で同一グループにグルーピングされた複数種類の各箱体を平面上に配置して形成することができる箱体の集合体であって、平面視における外形形状が矩形となるもののうち、前記パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる配置パターンを抽出する第三の工程と、前記演算手段によって、前記第三の工程で抽出された配置パターンを構成する各箱体と前記第二の工程において同一のグループにグルーピングされた各箱体を、当該配置パターンを構成する各箱体に積み上げて形成される、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となる箱体の集合体たるレイヤーを抽出する第四の工程と、前記演算手段によって、各種類の箱体の必要使用個数が満たされるために必要な前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出するとともに、各組み合わせパターンを構成する複数の前記レイヤーの積み上げ高さが最小となる前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出する第五の工程と、を備えるものである。
【0009】
請求項2においては、前記演算手段によって、前記箱体の積み付け高さの上限値を考慮して、前記第五の工程で抽出した前記レイヤーの組み合わせパターンを複数に分割する第六の工程を有するものである。
【0010】
請求項3においては、前記演算手段によって、前記箱体の積み重ね性を考慮することにより、前記レイヤーの積み重ね順序を決定する第七の工程を有するものである。
【0011】
請求項4においては、前記演算手段によって、前記各箱体に、ワークが実際に納められる箱体である実箱と、ワークが実際には納められない箱体である空箱と、を割り当てる第八の工程を有するものである。
【0012】
請求項5においては、前記演算手段によって、積み付けパターンを構成する前記各箱体のうち、必須でない前記箱体を間引く第九の工程を有するものである。
【0013】
請求項6においては、寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体をパレット上に積み付ける場合における、積み付けパターンを作成するための積み付け装置に実装される積み付けパターンの作成プログラムであって、平面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、その他の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第一の処理と、側面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、その他の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第二の処理と、前記第一の工程で同一グループにグルーピングされた複数種類の各箱体を平面上に配置して形成することができる箱体の集合体であって、平面視における外形形状が矩形となるもののうち、前記パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる配置パターンを抽出する第三の処理と、前記第三の工程で抽出された配置パターンを構成する各箱体と前記第二の工程において同一のグループにグルーピングされた各箱体を、当該配置パターンを構成する各箱体に積み上げて形成される、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となる箱体の集合体たるレイヤーを抽出する第四の処理と、各種類の箱体の必要使用個数が満たされるために必要な前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出するとともに、各組み合わせパターンを構成する複数の前記レイヤーの積み上げ高さが最小となる前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出する第五の処理と、を前記積み付け装置により実行させるものである。
【0014】
請求項7においては、前記箱体の積み付け高さの上限値を考慮して、前記第五の処理で抽出した前記レイヤーの組み合わせパターンを複数に分割する第六の処理を、前記積み付け装置により実行させるものである。
【0015】
請求項8においては、前記箱体の積み重ね性を考慮して、前記レイヤーの積み重ね順序を決定する第七の処理を、前記積み付け装置により実行させるものである。
【0016】
請求項9においては、前記積み付けパターンを構成する各箱体に、ワークが実際に納められる箱体である実箱と、ワークが実際には納められない箱体である空箱と、を割り当てる第八の処理を、前記積み付け装置により実行させるものである。
【0017】
請求項10においては、積み付けパターンを構成する前記各箱体のうち、必須でない前記箱体を間引く第九の処理を、前記積み付け装置により実行させるものである。
【0018】
請求項11においては、寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体をパレット上に積み付ける場合に使用する積み付けパターンを作成するための積み付け装置であって、前記積み付けパターンを演算するための演算手段を備え、該演算手段は、平面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、その他の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第一の処理と、側面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、その他の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第二の処理と、前記第一の工程で同一グループにグルーピングされた複数種類の各箱体を平面上に配置して形成することができる箱体の集合体であって、平面視における外形形状が矩形となるもののうち、前記パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる配置パターンを抽出する第三の処理と、前記第三の工程で抽出された配置パターンを構成する各箱体と前記第二の工程において同一のグループにグルーピングされた各箱体を、当該配置パターンを構成する各箱体に積み上げて形成される、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となる箱体の集合体たるレイヤーを抽出する第四の処理と、各種類の箱体の必要使用個数が満たされるために必要な前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出するとともに、各組み合わせパターンを構成する複数の前記レイヤーの積み上げ高さが最小となる前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出する第五の処理と、を実行する積み付けパターン作成プログラムを備えるものである。
【0019】
請求項12においては、前記積み付けパターン作成プログラムは、さらに、前記箱体の積み付け高さの上限値を考慮して、前記第五の処理で抽出した前記レイヤーの組み合わせパターンを複数に分割する第六の処理を実行するものである。
【0020】
請求項13においては、前記積み付けパターン作成プログラムは、さらに、前記箱体の積み重ね性を考慮して、前記レイヤーの積み重ね順序を決定する第七の処理を実行するものである。
【0021】
請求項14においては、前記積み付けパターン作成プログラムは、さらに、前記積み付けパターンを構成する各箱体に、ワークが実際に納められる箱体である実箱と、ワークが実際には納められない箱体である空箱と、を割り当てる第八の処理を実行するものである。
【0022】
請求項15においては、前記積み付けパターン作成プログラムは、さらに、積み付けパターンを構成する前記各箱体のうち、必須でない前記箱体を間引く第九の処理を実行するものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0024】
請求項1においては、最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0025】
請求項2においては、最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0026】
請求項3においては、荷崩れを起こしにくい、より最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0027】
請求項4においては、空箱の使用数を低減させて、より少ない個数の箱体で、最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0028】
請求項5においては、空箱の使用数をさらに低減させることができる。
【0029】
請求項6においては、最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0030】
請求項7においては、最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0031】
請求項8においては、荷崩れを起こしにくい、より最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0032】
請求項9においては、空箱の使用数を低減させて、より少ない個数の箱体で、最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0033】
請求項10においては、空箱の使用数をさらに低減させることができる。
【0034】
請求項11においては、最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0035】
請求項12においては、最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0036】
請求項13においては、荷崩れを起こしにくい、より最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0037】
請求項14においては、空箱の使用数を低減させて、より少ない個数の箱体で、最適な積み付けパターンを作成することができる。
【0038】
請求項15においては、空箱の使用数をさらに低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法を示すフロー図。
【図2】本発明の一実施形態に係る積み付け装置を示す模式図。
【図3】本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法における積み付けパターン計算(STEP−200)の詳細な流れを示すフロー図。
【図4】積み付けパターン計算(STEP−200)におけるデータ前処理(STEP−210)の詳細な流れを示すフロー図。
【図5】積み重ねグループ作成処理(STEP−211)を説明するための模式図、(a)複数種類の箱体をグループ化した状況を示す模式図、(b)グループ化の考え方を示す模式図。
【図6】高さ一致グループ作成処理(STEP−212)を説明するための模式図、(a)複数種類の箱体を示す模式図、(b)グループ化の状況を示す模式図。
【図7】長尺物サイズ変換処理(STEP−213)を説明するための模式図。
【図8】積み付けパターン計算(STEP−200)における積み付けパターン作成処理(STEP−220)の詳細な流れを示すフロー図。
【図9】平面配置パターン列挙処理(STEP−221)を説明するための模式図。
【図10】レイヤー列挙処理(STEP−222)を説明するための模式図。
【図11】レイヤー組み合わせパターン抽出処理(STEP−223)を説明するための模式図。
【図12】レイヤー組み合わせパターン分割処理(STEP−224)を説明するための模式図。
【図13】レイヤー積み重ね順決定処理(STEP−225)を説明するための模式図、(a)積み重ね性の評価結果(評点)を示す図、(b)積み重ね性の評価方法(評点の算出方法)を示す図。
【図14】実箱/空箱割り当て処理(STEP−226)を説明するための模式図。
【図15】空箱間引き処理(STEP−227)を説明するための模式図。
【図16】本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法における積み付けパターン計算(STEP−200)の詳細な流れ(特殊箱積み付けパターン作成処理(STEP−215)を実行する場合)を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず始めに、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法における全体の流れについて、図1および図2を用いて説明をする。
本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法は、例えば、図2に示すような積み付けパターンを検討するための装置である積み付け装置10に、当該作成方法を実行するためのプログラム(積み付けパターン作成プログラム)を実装することにより、当該積み付け装置10によって実現することができる。
このため、以下では、積み付け装置10を用いて、当該積み付け装置10に実装されている積み付けパターン作成プログラムに従って、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法を実施する場合を例示して説明をする。
尚、本実施形態では、積み付け装置10として、汎用的なパーソナルコンピュータを採用する場合を例示しているが、組み付けパターンを作成するための専用品を採用することも可能である。
【0041】
本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法を実行するためのプログラムが実装された積み付け装置を利用して積み付けパターンを作成する場合には、図1に示すように、まず始めに積み付け装置10に対して、データ入力(STEP−100)を行う。
【0042】
データ入力(STEP−100)では、積み付けパターンの作成に必要な各情報を、入力手段10cを用いて積み付け装置10に入力する。
ここで入力すべき情報としては、積み付け対象たる箱体の仕様(段ボール箱かプラスチック箱か)、箱体の寸法情報(幅、奥行き、高さ)、各箱体の数量、パレットの寸法情報、積み付け高さの上限値、等がある。
そして、入力された各情報は、積み付け装置10が備える記憶手段10bに記憶される。
【0043】
本発明において積み付けパターンを作成する対象物たる箱体は、略直方体状(略立方体状を含む)の形状を有し、内部に製品等を収容して輸送するための容器である。
本発明の適用対象たる箱体としては、例えば、樹脂等からなる輸送専用に用いられる5面ボックス(上面が開放されている)であって、その下面に上面の開放部に係合する立ち上がり部が形成され、安定して重ね合わせができる態様とした箱体や、一般に広く用いられる紙製の6面ボックス(所謂段ボール箱)等の箱体を採用し得る。
【0044】
積み付け装置による積み付けパターンの作成においては、次に積み付けパターン計算(STEP−200)を実行する。
積み付けパターン計算(STEP−200)は、データ入力(STEP−100)において入力され、記憶手段10bに記憶されている各情報に基づき、積み付け装置10が備える演算装置10aによって、当該演算装置10aに実装されたプログラムに従って、積み付けパターンを作成するための演算処理が実行される。
【0045】
そして、積み付け装置による積み付けパターンの作成においては、最後に積み付けパターン出力(STEP−300)を行う。
積み付けパターン出力(STEP−300)では、積み付けパターン計算(STEP−200)で作成された積み付けパターンを、積み付け装置10が備えるディスプレイ等の出力手段10dに表示することによって、作業者等に提示することができる。
そして作業者は、提示された積み付けパターンを用いて、輸送に必要な箱体の個数や必要な車両台数の検討を行うことができる。
【0046】
次に、積み付けパターン計算(STEP−200)について、図3〜図16を用いて、さらに詳細に説明をする。
積み付けパターン計算(STEP−200)は、図3に示す如く、複数の各処理(STEP−210)〜(STEP−230)からなる構成としている。
【0047】
積み付けパターン計算(STEP−200)では、まず始めに、演算装置10aによって、データ入力(STEP−100)において入力された各データのデータ前処理(STEP−210)が実行される。
さらにこのデータ前処理(STEP−210)は、図4に示す如く、積み重ねグループ作成処理(STEP−211)、高さ一致グループ作成処理(STEP−212)、長尺物サイズ変換処理(STEP−213)等の複数の処理からなる構成としている。
【0048】
図4に示す積み重ねグループ作成処理(STEP−211)は、積み重ねに適した箱体同士をグループ化するために実行される処理であり、演算装置10aによって、データ入力(STEP−100)において入力された各箱体の平面視における寸法情報(即ち、箱体の幅と長さ)に基づいて、種類が異なる各箱体をグループ化するものである。
【0049】
ここでは具体的に、図5(a)に示すような平面視における寸法を有する複数種類の箱体1・1・・・(箱体1a〜箱体1fの合計6種類)を取り扱う場合を例示して説明をする。
各箱体1a〜1fの平面視における各寸法は、図5(a)に記載した寸法であるものと仮定している。
【0050】
積み重ねグループ作成処理(STEP−211)では、演算装置10aによって、まずそれぞれの箱体1a・1b・1c・1d・1e・1fの辺の長さを整数(1以上の整数)倍してみる。
そして、演算装置10aによって、その整数倍した各寸法を比較し、そのなかで寸法が一致するものがある場合には、それらの寸法が一致する各箱体1・1同士を同じグループとして設定するようにしている。
尚、整数倍した寸法が一致する場合であっても、その一致する寸法がパレットの大きさを越える寸法である場合には、一致するとは判断しないようにしている。
【0051】
さらに具体的に説明をすると、図5(a)に示した各箱体1a〜1fでは、図5(b)に示す如く、例えば箱体1aと箱体1bは、箱体1aの各辺の長さと箱体1bの短辺の長さは共に335mmとなって一致するため、演算装置10aによって、箱体1aと箱体1bが同一グループ(グループAと呼ぶ)に属するものと設定される。
また、箱体1aと箱体1dは、箱体1aの各辺の長さを2倍した寸法と箱体1dの長辺の長さが共に670mmとなって一致するため、演算装置10aによって、箱体1aと箱体1dが同一グループに属するものと設定される。
ここで、670mmは335mmの2倍であるため、演算装置10aによって、箱体1dもグループAに属するものとして設定される。
また、演算装置10aによって、箱体1cと箱体1eは、別の同一グループ(グループBと呼ぶ)に属するものとして設定され、また、箱体1dと箱体1fは、さらに別の同一グループ(グループCと呼ぶ)に属するものとして設定される。
【0052】
また、整数倍した寸法が完全に一致した場合だけではなく、寸法差の許容値を設定しておき、寸法差が設定した許容値以下であれば、それらの寸法は一致するものと判断するようにしている。
例えば、寸法差の許容値を5mmに設定する場合、図5(b)に示す如く、演算装置10aによって、箱体1bの短辺の長さを3倍した寸法(1005mm)と、箱体1cの短辺の長さを2倍した寸法(1006mm)は一致すると判断され、箱体1dは、グループAに属するものとして設定される。
【0053】
そして、最終的に図5(a)に示す各箱体1・1・・・は、図5(a)に示す如く、演算装置10aが積み重ねグループ作成処理(STEP−211)を実行することによって、各箱体1a・1b・1c・1dがグループAに属し、また、箱体1cと箱体1eがグループBに属し、さらに、箱体1dと箱体1fがグループCに属するものとして設定される。
【0054】
積み重ねグループ作成処理(STEP−211)により、各箱体1・1・・・をグループ化しておくことによって、グループが異なる箱体1・1同士の積み重ねを検討する必要がなくなるため、積み付けパターン計算(STEP−200)をより高速化することができる。
【0055】
図4に示す高さ一致グループ作成処理(STEP−212)は、積み上げ高さを揃えるのに適した各箱体1・1・・・同士をグループ化するために実行される処理であり、演算装置10aによって、データ入力(STEP−100)において入力された各箱体1・1・・・の側面視における寸法情報(高さ寸法)に基づいて、各箱体1・1・・・をグループ化するものである。
【0056】
ここでは具体的に、図6(a)に示すような高さ寸法が与えられた複数種類(ここでは4種類)の箱体1p〜1sがある場合を例示して説明をする。
尚、ここで示す各箱体1p〜1sは、5面ボックス状の箱体であり、下面に高さ10mmの立ち上がり部を有するものとする。
【0057】
そして、積み上げた高さの算定においては、箱体の種類(段ボール箱か輸送専用の箱か)を考慮するようにしており、例えば、下面に立ち上がり部を有する態様の輸送専用の箱体では、最も下に位置する箱体のみ立ち上がり部の高さを加算して、積み上げた高さを算出するようにしている。
具体的には、箱体1の全体高さがhであって、立ち上がり部の高さがtである場合、その箱体をn個積み上げた場合における積み上げ高さHを、以下の数式1で算出するようにしている。
【0058】
【数1】
【0059】
図6(b)に示す如く、箱体1pと箱体1qは、平面視における寸法(幅および長さ)は相違しているが、高さ寸法がいずれも103mmで一致しているため、演算装置10aによって、同じグループに属するものとして設定される。
【0060】
また、箱体1rは、それ単体では、高さ寸法が一致するものが見つからないため、演算装置10aによって、単独のグループに属するものとして設定される。
【0061】
また、寸法は完全一致する場合だけでなく、差異の許容値を設定しておき、寸法差が設定した許容値以下であれば、それらの寸法は一致するものと判定するようにしている。
【0062】
例えば、箱体1sの高さは195mmであり、箱体1pを2個積み重ねたものの積み重ね高さは、数式1によると、196mmとなる。
例えば、寸法差の許容値を5mmと設定している場合であれば、箱体1sと箱体1pを2個積み重ねたものは、演算装置10aによって、高さが一致するものと判断され、これらは同じグループに属するものとして設定される。
【0063】
さらに同様にして、箱体1rを2個積み重ねた高さ(288mm)と、箱体1pを3個積み重ねた高さ(289mm)と、箱体1pと箱体1sを積み重ねた高さ(288mm)は、演算装置10aによって、それぞれ高さが一致すると判断されるため、これらも同じグループに属するものとして設定される。
【0064】
高さ一致グループ作成処理(STEP−212)により、各箱体1・1・・・をグループ化しておくことによって、積み上げたときに高さを一致させるのに適した箱体1・1・・・を選択的に組み合わせつつ、積み付けパターンを作成できるようになるため、積み付けパターン計算(STEP−200)をより高速化することができる。
【0065】
図4に示す長尺物サイズ変換処理(STEP−213)は、箱体1の長さまたは幅がパレット2よりも大きい場合に行われる。
【0066】
具体的には、図7に示すような幅寸法W1が与えられた箱体1がある場合を例示すると、箱体1をパレット2に重ねたときにはみ出す部分は計算上考慮しないものとするため、演算装置10aによって、箱体1の寸法をW1からW2(パレット2の幅)に変換する処理を行うようにしている。
【0067】
長尺物サイズ変換処理(STEP−213)をしておくことによって、パレット2からはみ出した位置に箱体1を配置するような積み付けパターンを検討対象から除外することができるため、ユニットロードにおける荷姿の安定化が図れるとともに、積み付けパターン計算(STEP−200)をより高速化することができる。
【0068】
積み付けパターン計算(STEP−200)では、次に、データ前処理(STEP−210)により生成および変換された各データに基づいて、積み付けパターン作成処理(STEP−220)を実行する。
【0069】
図8に示す如く、積み付けパターン作成処理(STEP−220)は、(STEP−221)〜(STEP−227)の各処理により構成されている。
尚、本実施形態では、層を積み上げていく態様のユニットロード(層積みユニットロードと呼ぶ)の作成手順を例示して説明をする。
【0070】
積み付けパターン作成処理(STEP−220)では、まず始めに、平面配置パターン列挙処理(STEP−221)を実行する。
平面配置パターン列挙処理(STEP−221)では、データ前処理(STEP−210)における積み重ねグループ作成処理(STEP−211)で同じグループに該当するものとして設定された各箱体(例えば、図5(a)に示す箱体1a〜1f等)を用いて、演算装置10aによって、図9に示すような、パレット2からはみ出さずにパレット2上に配置できるパターン(以下、平面配置パターン3と呼ぶ)を全数列挙する。
尚、例えば、箱体1aは箱体1bを2分割した寸法であるため、このような場合、箱体1bを配置した場所を、さらに2個の箱体1aで置換するような平面配置パターン3は無視するものとしている。
【0071】
積み付けパターン作成処理(STEP−220)では、次に、レイヤー列挙処理(STEP−222)を実行する。
レイヤー列挙処理(STEP−222)では、平面配置パターン列挙処理(STEP−221)で列挙しておいた各平面配置パターン3・3・・・と、データ前処理(STEP−210)における高さ一致グループ作成処理(STEP−212)で設定しておいた高さ一致グループに関する情報(積み重ね高さ)に基づいて、演算装置10aによって、複数の箱体1・1・・・の集合体を作成する。
【0072】
ここでは、平面配置パターン3に含まれる個々の箱体1・1・・・について、高さ一致グループで設定した積み重ね高さに関する情報を確認する。
例えば、図10に示す各平面配置パターン3・3は、平面視においては矩形状であるが、高さ方向には凹凸が生じている。
この高さ方向の凹凸を埋めるために、積み重ねグループ作成処理でグループ化しておいた情報を利用する。そして、演算装置10aによって、平面配置パターン3に適当な箱体1・1を追加することによって、平面配置が矩形状であり、かつ、上面および下面を平面状とした複数の箱体1・1・・・の集合体たるレイヤー4を生成する。
【0073】
尚、レイヤー4を多く作成しすぎると、計算時間が増大する原因になるため、最終的に採用される可能性が低いレイヤー4を破棄する等して使用するレイヤー4の種類数を削減する構成とするのが好適である。
【0074】
積み付けパターン作成処理(STEP−220)では、次に、レイヤー組み合わせパターン抽出処理(STEP−223)を実行する。
レイヤー組み合わせパターン抽出処理(STEP−223)では、図11に示すように、演算装置10aによって、必要箱数を満たす複数のレイヤー4・4・・・の組み合わせ(レイヤー組み合わせパターン5と呼ぶ)をまず抽出するとともに、さらにその中から、各レイヤー4・4・・・の積み重ね高さが最も小さくなる(Hminとなる)レイヤー組み合わせパターン5を抽出する。
尚、ここでいう必要箱数を満たすとは、例えば、各箱体1・1・・・ごとの必要個数が決まっているときに、レイヤー組み合わせパターン5に含まれる各箱体1・1・・・のそれぞれの個数が、その必要個数以上の個数確保されていることを意味している。
【0075】
この抽出処理は、整数計画問題として処理することができる。
目的関数は、レイヤー組み合わせパターン5の高さを以下の数式2で表し、数式2が最小となるレイヤー組み合わせパターン5を抽出するようにする。
また、制約条件としては、各箱体の種類が、使用すべき箱数以上となるようにするため、以下の数式3および数式4を規定する。
尚、各数式中に示すaijは、j番目のレイヤーで使用する箱種iの箱数を示しており、biは、箱種iの最低使用数を示している。また、cjは、j番目のレイヤーの高さを示しており、xjは、j番目のレイヤーを示している。
【0076】
【数2】
【0077】
【数3】
【0078】
【数4】
【0079】
即ち、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法は、寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体1・1・・・をパレット2上に積み付ける場合において、前記複数の箱体1・1・・・の積み付けパターン8を作成するものであって、平面視における箱体1の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体1の幅を整数倍した寸法あるいは箱体1の長さを整数倍した寸法と、その他の種類の箱体1の幅を整数倍した寸法あるいは箱体1の長さを整数倍した寸法と、が一致する場合に、それらの各種類の箱体1・1を同一グループとしてグルーピングする第一の工程たる積み重ねグループ作成処理(STEP−211)と、側面視における箱体1の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体1を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、その他の種類の箱体1を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、が一致する場合に、それらの各種類の箱体1・1を同一グループとしてグルーピングする第二の工程たる高さ一致グループ作成処理(STEP−212)と、積み重ねグループ作成処理(STEP−211)で同一グループにグルーピングされた複数種類の各箱体1・1・・・を平面上に配置して形成することができる箱体の集合体であって、平面視における外形形状が矩形となるもののうち、前記パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる平面配置パターン3を抽出する第三の工程たる平面配置パターン列挙処理(STEP−221)と、平面配置パターン列挙処理(STEP−221)で抽出された平面配置パターン3を構成する各箱体1・1・・・と高さ一致グループ作成処理(STEP−212)において同一のグループにグルーピングされた各箱体1・1・・・を、当該平面配置パターン3を構成する各箱体1・1・・・に積み上げて形成される、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となる箱体1・1・・・の集合体たるレイヤー4を抽出する第四の工程たるレイヤー列挙処理(STEP−222)と、各種類の箱体1・1・・・の必要使用個数が満たされるために必要なレイヤー4・4・・・の組み合わせパターンたるレイヤー組み合わせパターン5を抽出するとともに、各レイヤー組み合わせパターン5を構成する複数のレイヤー4・4・・・の積み上げ高さが最小となるレイヤー組み合わせパターン5を抽出する第五の工程たるレイヤー組み合わせパターン抽出処理(STEP−223)と、を備えるものである。
【0080】
また、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成プログラムは、寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体1・1・・・をパレット2上に積み付ける場合において、前記複数の箱体1・1・・・の積み付けパターン8を作成するためのプログラムであって、平面視における箱体1の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体1の幅を整数倍した寸法あるいは箱体1の長さを整数倍した寸法と、その他の種類の箱体1の幅を整数倍した寸法あるいは箱体1の長さを整数倍した寸法と、が一致する場合に、それらの各種類の箱体1・1を同一グループとしてグルーピングする第一の処理たる積み重ねグループ作成処理(STEP−211)と、側面視における箱体1の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体1を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、その他の種類の箱体1を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、が一致する場合に、それらの各種類の箱体1・1を同一グループとしてグルーピングする第二の処理たる高さ一致グループ作成処理(STEP−212)と、積み重ねグループ作成処理(STEP−211)で同一グループにグルーピングされた複数種類の各箱体1・1・・・を平面上に配置して形成することができる箱体の集合体であって、平面視における外形形状が矩形となるもののうち、前記パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる平面配置パターン3を抽出する第三の処理たる平面配置パターン列挙処理(STEP−221)と、平面配置パターン列挙処理(STEP−221)で抽出された平面配置パターン3を構成する各箱体1・1・・・と高さ一致グループ作成処理(STEP−212)において同一のグループにグルーピングされた各箱体1・1・・・を、当該平面配置パターン3を構成する各箱体1・1・・・に積み上げて形成される、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となる箱体1・1・・・の集合体たるレイヤー4を抽出する第四の処理たるレイヤー列挙処理(STEP−222)と、各種類の箱体1・1・・・の必要使用個数が満たされるために必要なレイヤー4・4・・・の組み合わせパターンたるレイヤー組み合わせパターン5を抽出するとともに、各レイヤー組み合わせパターン5を構成する複数のレイヤー4・4・・・の積み上げ高さが最小となるレイヤー組み合わせパターン5を抽出する第五の処理たるレイヤー組み合わせパターン抽出処理(STEP−223)と、を実行するものである。
【0081】
さらに、本発明の一実施形態に係る積み付け装置10は、寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体1・1・・・をパレット2上に積み付ける場合に使用する積み付けパターン8を作成するためのものであって、積み付けパターン8を演算するための演算手段たる演算装置10aを備え、該演算装置10aは、寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体1・1・・・をパレット2上に積み付ける場合において、前記複数の箱体1・1・・・の積み付けパターン8を作成するためのプログラムであって、平面視における箱体1の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体1の幅を整数倍した寸法あるいは箱体1の長さを整数倍した寸法と、その他の種類の箱体1の幅を整数倍した寸法あるいは箱体1の長さを整数倍した寸法と、が一致する場合に、それらの各種類の箱体1・1を同一グループとしてグルーピングする第一の処理たる積み重ねグループ作成処理(STEP−211)と、側面視における箱体1の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体1を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、その他の種類の箱体1を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、が一致する場合に、それらの各種類の箱体1・1を同一グループとしてグルーピングする第二の処理たる高さ一致グループ作成処理(STEP−212)と、積み重ねグループ作成処理(STEP−211)で同一グループにグルーピングされた複数種類の各箱体1・1・・・を平面上に配置して形成することができる箱体の集合体であって、平面視における外形形状が矩形となるもののうち、前記パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる平面配置パターン3を抽出する第三の処理たる平面配置パターン列挙処理(STEP−221)と、平面配置パターン列挙処理(STEP−221)で抽出された平面配置パターン3を構成する各箱体1・1・・・と高さ一致グループ作成処理(STEP−212)において同一のグループにグルーピングされた各箱体1・1・・・を、当該平面配置パターン3を構成する各箱体1・1・・・に積み上げて形成される、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となる箱体1・1・・・の集合体たるレイヤー4を抽出する第四の処理たるレイヤー列挙処理(STEP−222)と、各種類の箱体1・1・・・の必要使用個数が満たされるために必要なレイヤー4・4・・・の組み合わせパターンたるレイヤー組み合わせパターン5を抽出するとともに、各レイヤー組み合わせパターン5を構成する複数のレイヤー4・4・・・の積み上げ高さが最小となるレイヤー組み合わせパターン5を抽出する第五の処理たるレイヤー組み合わせパターン抽出処理(STEP−223)と、を実行する積み付けパターン作成プログラムを備えるものである。
【0082】
このような構成により、最適な積み付けパターン8を作成することができる。
【0083】
積み付けパターン作成処理(STEP−220)では、次に、レイヤー組み合わせパターン分割処理(STEP−224)を実行する。
レイヤー組み合わせパターン分割処理(STEP−224)では、演算装置10aによって、各スキッド6・6・・・の高さが、ユニットロードの上限高さ以下となるように、抽出したレイヤー組み合わせパターン5を複数のスキッド6・6・・・に分割する処理を行うものである。
【0084】
図12に示す如く、抽出されたレイヤー組み合わせパターン5を、ユニットロードの上限高さHmax以下の高さに納まる複数のスキッド6・6・・・に分割する。
この分割時におけるレイヤー4・4・・・の選択結果によって、例えば、図12に示すように3個のスキッド6・6・・・に分割しなければ納まらなかったり、あるいは、2個のスキッド6・6に分割するだけで納まる等の違いが出てくる。
この違いは、輸送効率の良否(より具体的には、必要な運搬車両の大きさ、台数や、運搬回数)に影響を及ぼすものであるため、スキッド6の個数が最小となるように分割処理がなされる。
【0085】
この分割処理は、各レイヤー4・4・・・の高さとスキッド6の上限高さを入力要素とした、ビンパッキング問題として処理することができる。
【0086】
即ち、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法は、箱体1・1・・・の積み付け高さの上限値を考慮して、レイヤー組み合わせパターン抽出処理(STEP−223)で抽出したレイヤー組み合わせパターン5を複数のスキッド6・6・・・に分割する第六の工程たるレイヤー組み合わせパターン分割処理(STEP−224)を有するものである。
【0087】
また、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成プログラムは、箱体1・1・・・の積み付け高さの上限値を考慮して、レイヤー組み合わせパターン抽出処理(STEP−223)で抽出したレイヤー組み合わせパターン5を複数のスキッド6・6・・・に分割する第六の処理たるレイヤー組み合わせパターン分割処理(STEP−224)を実行するものである。
【0088】
さらに、本発明の一実施形態に係る積み付け装置において、積み付けパターン作成プログラムは、箱体1・1・・・の積み付け高さの上限値を考慮して、レイヤー組み合わせパターン抽出処理(STEP−223)で抽出したレイヤー組み合わせパターン5を複数のスキッド6・6・・・に分割する第六の処理たるレイヤー組み合わせパターン分割処理(STEP−224)を実行するものである。
【0089】
このような構成により、最適な積み付けパターン8を作成することができる。
【0090】
積み付けパターン作成処理(STEP−220)では、次に、レイヤー積み重ね順決定処理(STEP−225)を実行する。
レイヤー積み重ね順決定処理(STEP−225)では、演算装置10aによって、分割した各スキッド6・6・・・に対して、さらに積み重ね順序を考慮する処理を行う。
ここで積み重ね順序が決定された各レイヤー4・4・・・の集合体を、レイヤー積み重ねパターン7と呼ぶものとする。
【0091】
ここでは、スキッド6を構成する全てのレイヤー4・4・・・について、図13(a)に示す如く、演算装置10aによって、総当り的に2つずつ組み合わせたときの「積み重ね性」を評価する。
まず、「積み重ね性」の評価が最も悪かった2つのレイヤー4・4を抽出し、これらのレイヤー4・4を当該スキッド6における、上端と下端に配置する。
そして、当該スキッド6における残りのレイヤー4・4・・・について、「積み重ね性」の評価が最もよくなるように、積み重ね順序を決定する。
尚、ここでいう「積み重ね性」の定義は、図13(b)に示すように、各箱体1・1・・・の特徴に着目して評価を行うものである。
【0092】
箱体1・1・・・を積み重ねる場合、上段の箱体と下段の箱体で箱の角が一致するように積む積み方の方が、角を一致させない積み方に比して耐荷重が高くなる。
また、箱体の壁面が上からの荷重を支えるので、下段に壁面が多いと(即ち、下段の箱体数が上段の箱体数に比して多いと)、より強度が安定する。
このため、「積み重ね性」の評価においては、箱体の角同士が一致する箇所や上下の箱体数差の値で評価するようにしている。
【0093】
このレイヤー積み重ね順決定処理(STEP−225)は、積み重ね性の評価値(図13(a)参照)を、完全グラフの辺の重みと見立てることで、TSP(巡回セールスマン問題)として処理することができる。
【0094】
即ち、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法は、箱体1・1・・・の積み重ね性を考慮して、レイヤー4の積み重ね順序を考慮して、積み付けパターン8を修正する(即ち、レイヤー積み重ねパターン7を作成する)第七の工程たるレイヤー積み重ね順決定処理(STEP−225)を有するものである。
【0095】
また、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成プログラムは、箱体1・1・・・の積み重ね性を考慮して、レイヤー4の積み重ね順序を考慮して、積み付けパターン8を修正する(即ち、レイヤー積み重ねパターン7を作成する)第七の処理たるレイヤー積み重ね順決定処理(STEP−225)を実行するものである。
【0096】
さらに、本発明の一実施形態に係る積み付け装置において、積み付けパターン作成プログラムは、箱体1・1・・・の積み重ね性を考慮して、レイヤー4の積み重ね順序を考慮して、積み付けパターン8を修正する(即ち、レイヤー積み重ねパターン7を作成する)第七の処理たるレイヤー積み重ね順決定処理(STEP−225)を実行するものである。
【0097】
このような構成により、荷崩れを起こしにくい、より最適な積み付けパターン8を作成することができる。
【0098】
積み付けパターン作成処理(STEP−220)では、次に、演算装置10aによって、実箱/空箱割り当て処理(STEP−226)を実行する。
実箱/空箱割り当て処理(STEP−226)では、演算装置10aによって、ここまでの処理で作成したレイヤー積み重ねパターン7の各箱体1・1・・・に実箱か空箱を割り当てていく。
ここでいう実箱とは、実際にワークが収められる箱体1のことであり、空箱とは、実際にはワークが納められない、ユニットロードを形成するためにダミーで追加される箱体1のことである。
【0099】
実箱/空箱割り当て処理(STEP−226)においては、次の空箱間引き処理(STEP−227)でできるだけ多くの空箱を間引くことができるように、演算装置10aによって、各箱体1・1・・・に対してその配置位置に応じた間引き優先度を設定する。
そして、間引き優先度が低い順に実箱を割り当てていき、残ったところには空箱を割り当てるようにする。
【0100】
具体的には、間引き優先度は、図14および以下に示す手順で決定する。
(1)ユニットロード(ここではレイヤー積み重ねパターン7)の最上の四隅にある箱体を「必須箱」に設定する。
(2)「必須箱」を支える位置にある箱体も「必須箱」に設定し、この処理を最下段に至るまで行う。
(3)「必須箱」と設定されなかった箱体を「非必須箱」に設定する。
(4)そして、「必須箱」に対しては、以下の数式5により、また、「非必須箱」に対しては、以下の数式6により、それぞれ間引き優先度Mを設定する。
尚、以下の数式中に示す値zは、箱体1のパレット2からの高さを表しており、値hはレイヤー積み重ねパターン7の全高を表している。
【0101】
【数5】
【0102】
【数6】
【0103】
「必須箱」が間引かれると荷姿が崩れてしまうため、「必須箱」の間引き優先度Mは、「非必須箱」の間引き優先度Mに比して常に低くなる(即ち、「非必須箱」から優先して間引かれる)ようにしている。
【0104】
そして、実箱/空箱割り当て処理(STEP−226)においては、「必須箱」と設定された箱体1に、優先して実箱を割り当てていくようにしている。
【0105】
即ち、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法は、積み付けパターン8を構成する各箱体1・1・・・に、ワークが実際に納められる箱体1である実箱と、ワークが実際には納められない箱体1である空箱と、を割り当てて、積み付けパターン8を修正する第八の工程たる実箱/空箱割り当て処理(STEP−226)を有するものである。
【0106】
また、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成プログラムは、積み付けパターン8を構成する各箱体1・1・・・に、ワークが実際に納められる箱体1である実箱と、ワークが実際には納められない箱体1である空箱と、を割り当てて、積み付けパターン8を修正する第八の処理たる実箱/空箱割り当て処理(STEP−226)を実行するものである。
【0107】
さらに、本発明の一実施形態に係る積み付け装置において、積み付けパターン作成プログラムは、積み付けパターン8を構成する各箱体1・1・・・に、ワークが実際に納められる箱体1である実箱と、ワークが実際には納められない箱体1である空箱と、を割り当てて、積み付けパターン8を修正する第八の処理たる実箱/空箱割り当て処理(STEP−226)を実行するものである。
【0108】
このような構成により、空箱の使用数を低減させて、より少ない個数の箱体1・1・・・で、最適な積み付けパターン8を作成することができる。
【0109】
積み付けパターン作成処理(STEP−220)では、次に、演算装置10aによって、空箱間引き処理(STEP−227)を実行する。
空箱間引き処理(STEP−227)では、図15に示す如く、演算装置10aによって、レイヤー積み重ねパターン7から、実箱/空箱割り当て処理(STEP−226)で割り当てた箱体1・1・・・のうち、空箱であって、かつ、「非必須箱」であるものを間引く。
そして、このようにして積み付けパターン8を作成するようにしている。
以上により、積み付けパターン作成処理(STEP−220)を終了する。
【0110】
即ち、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法は、積み付けパターン8を一旦作成した後に、積み付けパターン8を構成する各箱体1・1・・・のうち、必須でない箱体1を間引く第九の工程たる空箱間引き処理(STEP−227)を有するものである。
【0111】
また、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成プログラムは、積み付けパターン8を一旦作成した後に、積み付けパターン8を構成する各箱体1・1・・・のうち、必須でない箱体1を間引く第九の処理たる空箱間引き処理(STEP−227)を実行するものである。
【0112】
さらに、本発明の一実施形態に係る積み付け装置において、積み付けパターン作成プログラムは、積み付けパターン8を一旦作成した後に、積み付けパターン8を構成する各箱体1・1・・・のうち、必須でない箱体1を間引く第九の処理たる空箱間引き処理(STEP−227)を実行するものである。
【0113】
このような構成により、空箱の使用数をさらに低減させることができる。
【0114】
積み付けパターン計算(STEP−200)では、次に、上面不一致積み付けパターン作成処理(STEP−230)に移行する。
上面不一致積み付けパターン作成処理(STEP−230)では、規格外の大きさや寸法のために積み付けパターン作成処理(STEP−220)ではうまく処理することができなかった箱体1を対象として積み付けを実行する。
【0115】
上面不一致積み付けパターン作成処理(STEP−230)は、積み付けパターン作成処理(STEP−220)を行った結果、積載効率が悪いユニットロードが作成された場合において、他の積載効率が悪いスキッドを混ぜて、上面が揃っていないスキッドを作成する。
そして、これにより積載効率が向上するようであれば、その作成したユニットロードを採用する。
尚、上面不一致積み付けパターン作成処理(STEP−230)は、規格外の大きさや寸法のために積み付けパターン作成処理(STEP−220)ではうまく処理することができなかった箱体が無い場合には行わなくて良い。
【0116】
また、規格外の大きさや寸法のために積み付けパターン作成処理(STEP−220)ではうまく処理することができなかった箱体1が有ることが予め判っているような場合には、図16に示す如く、積み付けパターン作成処理(STEP−220)に先立って、特殊箱積み付けパターン作成処理(STEP−215)を実行する構成とすることも可能である。
【0117】
特殊箱積み付けパターン作成処理(STEP−215)では、積み付けパターン作成処理(STEP−220)において、特殊サイズの箱体1を考慮する必要がなくなるため、演算速度の低下を回避でき、さらに、非効率なユニットロードが作成されることを回避できる。
【0118】
また、本実施形態では、複数種類の箱体が混在している場合の積み付けパターン作成方法について説明してきたが、箱体1の種類が1種類に限定されている場合には、積み付けパターン作成処理を簡略化することができる。
【0119】
箱体1の種類が1種類に限定されている場合における積み付けパターン作成処理(STEP−220)では、異なる寸法の箱体1・1・・・の組み合わせを考慮する必要がないため、JIS規格に規定されている基本的な積み方(ブロック積、レンガ積、交互列積、ピンホイール積等)を試し、1層分のレイヤー4を構成したら、後は必要な箱数分積み上げていくことによって、積み付けパターンを作成することができる。
【0120】
尚、本実施形態では、積み付けパターンを検討するための装置である積み付け装置10に積み付けパターン作成プログラムを実装し、本発明の一実施形態に係る積み付けパターンの作成方法を実施する場合を例示して説明をしたが、積み付けパターンの作成結果を輸送コスト等の検討に用いるだけではなく、例えば、ロボットアーム等を備えた、箱体を並べるための積み付け装置に積み付けパターン作成プログラムを実装し、積み付けパターンを作成しつつ、実際にユニットロードを作成していくことも可能である。
【符号の説明】
【0121】
1 箱体
2 パレット
3 平面配置パターン
4 レイヤー
5 レイヤー組み合わせパターン
6 スキッド
7 レイヤー積み重ねパターン
8 積み付けパターン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体をパレット上に積み付ける場合における、積み付けパターンを作成するための積み付け装置を用いた積み付けパターンの作成方法であって、
前記積み付け装置が備える演算手段によって、平面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、その他の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第一の工程と、
前記演算手段によって、側面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、その他の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第二の工程と、
前記演算手段によって、前記第一の工程で同一グループにグルーピングされた複数種類の各箱体を平面上に配置して形成することができる箱体の集合体であって、平面視における外形形状が矩形となるもののうち、前記パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる配置パターンを抽出する第三の工程と、
前記演算手段によって、前記第三の工程で抽出された配置パターンを構成する各箱体と前記第二の工程において同一のグループにグルーピングされた各箱体を、当該配置パターンを構成する各箱体に積み上げて形成される、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となる箱体の集合体たるレイヤーを抽出する第四の工程と、
前記演算手段によって、各種類の箱体の必要使用個数が満たされるために必要な前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出するとともに、各組み合わせパターンを構成する複数の前記レイヤーの積み上げ高さが最小となる前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出する第五の工程と、
を備える、
ことを特徴とする積み付けパターンの作成方法。
【請求項2】
前記演算手段によって、前記箱体の積み付け高さの上限値を考慮して、前記第五の工程で抽出した前記レイヤーの組み合わせパターンを複数に分割する第六の工程を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の積み付けパターンの作成方法。
【請求項3】
前記演算手段によって、前記箱体の積み重ね性を考慮することにより、前記レイヤーの積み重ね順序を決定する第七の工程を有する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積み付けパターンの作成方法。
【請求項4】
前記演算手段によって、前記各箱体に、ワークが実際に納められる箱体である実箱と、ワークが実際には納められない箱体である空箱と、を割り当てる第八の工程を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の積み付けパターンの作成方法。
【請求項5】
前記演算手段によって、積み付けパターンを構成する前記各箱体のうち、必須でない前記箱体を間引く第九の工程を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の積み付けパターンの作成方法。
【請求項6】
寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体をパレット上に積み付ける場合における、積み付けパターンを作成するための積み付け装置に実装される積み付けパターンの作成プログラムであって、
平面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、その他の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第一の処理と、
側面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、その他の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第二の処理と、
前記第一の工程で同一グループにグルーピングされた複数種類の各箱体を平面上に配置して形成することができる箱体の集合体であって、平面視における外形形状が矩形となるもののうち、前記パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる配置パターンを抽出する第三の処理と、
前記第三の工程で抽出された配置パターンを構成する各箱体と前記第二の工程において同一のグループにグルーピングされた各箱体を、当該配置パターンを構成する各箱体に積み上げて形成される、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となる箱体の集合体たるレイヤーを抽出する第四の処理と、
各種類の箱体の必要使用個数が満たされるために必要な前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出するとともに、各組み合わせパターンを構成する複数の前記レイヤーの積み上げ高さが最小となる前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出する第五の処理と、
を前記積み付け装置により実行させる、
ことを特徴とする積み付けパターンの作成プログラム。
【請求項7】
前記箱体の積み付け高さの上限値を考慮して、
前記第五の処理で抽出した前記レイヤーの組み合わせパターンを複数に分割する第六の処理を、
前記積み付け装置により実行させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の積み付けパターンの作成プログラム。
【請求項8】
前記箱体の積み重ね性を考慮して、
前記レイヤーの積み重ね順序を決定する第七の処理を、
前記積み付け装置により実行させる、
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の積み付けパターンの作成プログラム。
【請求項9】
前記積み付けパターンを構成する各箱体に、
ワークが実際に納められる箱体である実箱と、
ワークが実際には納められない箱体である空箱と、
を割り当てる第八の処理を、
前記積み付け装置により実行させる、
ことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の積み付けパターンの作成プログラム。
【請求項10】
積み付けパターンを構成する前記各箱体のうち、
必須でない前記箱体を間引く第九の処理を、
前記積み付け装置により実行させる、
ことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の積み付けパターンの作成プログラム。
【請求項11】
寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体をパレット上に積み付ける場合に使用する積み付けパターンを作成するための積み付け装置であって、
前記積み付けパターンを演算するための演算手段を備え、
該演算手段は、
平面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、その他の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第一の処理と、
側面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、その他の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第二の処理と、
前記第一の工程で同一グループにグルーピングされた複数種類の各箱体を平面上に配置して形成することができる箱体の集合体であって、平面視における外形形状が矩形となるもののうち、前記パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる配置パターンを抽出する第三の処理と、
前記第三の工程で抽出された配置パターンを構成する各箱体と前記第二の工程において同一のグループにグルーピングされた各箱体を、当該配置パターンを構成する各箱体に積み上げて形成される、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となる箱体の集合体たるレイヤーを抽出する第四の処理と、
各種類の箱体の必要使用個数が満たされるために必要な前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出するとともに、各組み合わせパターンを構成する複数の前記レイヤーの積み上げ高さが最小となる前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出する第五の処理と、
を実行する積み付けパターン作成プログラムを備える、
ことを特徴とする積み付け装置。
【請求項12】
前記積み付けパターン作成プログラムは、
さらに、
前記箱体の積み付け高さの上限値を考慮して、前記第五の処理で抽出した前記レイヤーの組み合わせパターンを複数に分割する第六の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項11に記載の積み付け装置。
【請求項13】
前記積み付けパターン作成プログラムは、
さらに、
前記箱体の積み重ね性を考慮して、前記レイヤーの積み重ね順序を決定する第七の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項11または請求項12に記載の積み付け装置。
【請求項14】
前記積み付けパターン作成プログラムは、
さらに、
前記積み付けパターンを構成する各箱体に、ワークが実際に納められる箱体である実箱と、ワークが実際には納められない箱体である空箱と、を割り当てる第八の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の積み付け装置。
【請求項15】
前記積み付けパターン作成プログラムは、
さらに、
積み付けパターンを構成する前記各箱体のうち、必須でない前記箱体を間引く第九の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項11から請求項14のいずれか一項に記載の積み付け装置。
【請求項1】
寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体をパレット上に積み付ける場合における、積み付けパターンを作成するための積み付け装置を用いた積み付けパターンの作成方法であって、
前記積み付け装置が備える演算手段によって、平面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、その他の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第一の工程と、
前記演算手段によって、側面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、その他の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第二の工程と、
前記演算手段によって、前記第一の工程で同一グループにグルーピングされた複数種類の各箱体を平面上に配置して形成することができる箱体の集合体であって、平面視における外形形状が矩形となるもののうち、前記パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる配置パターンを抽出する第三の工程と、
前記演算手段によって、前記第三の工程で抽出された配置パターンを構成する各箱体と前記第二の工程において同一のグループにグルーピングされた各箱体を、当該配置パターンを構成する各箱体に積み上げて形成される、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となる箱体の集合体たるレイヤーを抽出する第四の工程と、
前記演算手段によって、各種類の箱体の必要使用個数が満たされるために必要な前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出するとともに、各組み合わせパターンを構成する複数の前記レイヤーの積み上げ高さが最小となる前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出する第五の工程と、
を備える、
ことを特徴とする積み付けパターンの作成方法。
【請求項2】
前記演算手段によって、前記箱体の積み付け高さの上限値を考慮して、前記第五の工程で抽出した前記レイヤーの組み合わせパターンを複数に分割する第六の工程を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の積み付けパターンの作成方法。
【請求項3】
前記演算手段によって、前記箱体の積み重ね性を考慮することにより、前記レイヤーの積み重ね順序を決定する第七の工程を有する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積み付けパターンの作成方法。
【請求項4】
前記演算手段によって、前記各箱体に、ワークが実際に納められる箱体である実箱と、ワークが実際には納められない箱体である空箱と、を割り当てる第八の工程を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の積み付けパターンの作成方法。
【請求項5】
前記演算手段によって、積み付けパターンを構成する前記各箱体のうち、必須でない前記箱体を間引く第九の工程を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の積み付けパターンの作成方法。
【請求項6】
寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体をパレット上に積み付ける場合における、積み付けパターンを作成するための積み付け装置に実装される積み付けパターンの作成プログラムであって、
平面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、その他の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第一の処理と、
側面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、その他の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第二の処理と、
前記第一の工程で同一グループにグルーピングされた複数種類の各箱体を平面上に配置して形成することができる箱体の集合体であって、平面視における外形形状が矩形となるもののうち、前記パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる配置パターンを抽出する第三の処理と、
前記第三の工程で抽出された配置パターンを構成する各箱体と前記第二の工程において同一のグループにグルーピングされた各箱体を、当該配置パターンを構成する各箱体に積み上げて形成される、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となる箱体の集合体たるレイヤーを抽出する第四の処理と、
各種類の箱体の必要使用個数が満たされるために必要な前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出するとともに、各組み合わせパターンを構成する複数の前記レイヤーの積み上げ高さが最小となる前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出する第五の処理と、
を前記積み付け装置により実行させる、
ことを特徴とする積み付けパターンの作成プログラム。
【請求項7】
前記箱体の積み付け高さの上限値を考慮して、
前記第五の処理で抽出した前記レイヤーの組み合わせパターンを複数に分割する第六の処理を、
前記積み付け装置により実行させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の積み付けパターンの作成プログラム。
【請求項8】
前記箱体の積み重ね性を考慮して、
前記レイヤーの積み重ね順序を決定する第七の処理を、
前記積み付け装置により実行させる、
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の積み付けパターンの作成プログラム。
【請求項9】
前記積み付けパターンを構成する各箱体に、
ワークが実際に納められる箱体である実箱と、
ワークが実際には納められない箱体である空箱と、
を割り当てる第八の処理を、
前記積み付け装置により実行させる、
ことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の積み付けパターンの作成プログラム。
【請求項10】
積み付けパターンを構成する前記各箱体のうち、
必須でない前記箱体を間引く第九の処理を、
前記積み付け装置により実行させる、
ことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の積み付けパターンの作成プログラム。
【請求項11】
寸法が異なる複数種類が混在する複数の箱体をパレット上に積み付ける場合に使用する積み付けパターンを作成するための積み付け装置であって、
前記積み付けパターンを演算するための演算手段を備え、
該演算手段は、
平面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、その他の種類の箱体の幅を整数倍した寸法あるいは箱体の長さを整数倍した寸法と、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第一の処理と、
側面視における箱体の寸法に係る情報に基づいて、任意の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、その他の種類の箱体を一個あるいは複数個積み上げたときの積み上げ高さと、が一致する場合に、それらの各種類の箱体を同一グループとしてグルーピングする第二の処理と、
前記第一の工程で同一グループにグルーピングされた複数種類の各箱体を平面上に配置して形成することができる箱体の集合体であって、平面視における外形形状が矩形となるもののうち、前記パレット上に配置でき、かつ、平面視における矩形面積が最大となる配置パターンを抽出する第三の処理と、
前記第三の工程で抽出された配置パターンを構成する各箱体と前記第二の工程において同一のグループにグルーピングされた各箱体を、当該配置パターンを構成する各箱体に積み上げて形成される、平面視における外形形状が矩形となり、かつ、側面視において上面および下面が水平となる箱体の集合体たるレイヤーを抽出する第四の処理と、
各種類の箱体の必要使用個数が満たされるために必要な前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出するとともに、各組み合わせパターンを構成する複数の前記レイヤーの積み上げ高さが最小となる前記レイヤーの組み合わせパターンを抽出する第五の処理と、
を実行する積み付けパターン作成プログラムを備える、
ことを特徴とする積み付け装置。
【請求項12】
前記積み付けパターン作成プログラムは、
さらに、
前記箱体の積み付け高さの上限値を考慮して、前記第五の処理で抽出した前記レイヤーの組み合わせパターンを複数に分割する第六の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項11に記載の積み付け装置。
【請求項13】
前記積み付けパターン作成プログラムは、
さらに、
前記箱体の積み重ね性を考慮して、前記レイヤーの積み重ね順序を決定する第七の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項11または請求項12に記載の積み付け装置。
【請求項14】
前記積み付けパターン作成プログラムは、
さらに、
前記積み付けパターンを構成する各箱体に、ワークが実際に納められる箱体である実箱と、ワークが実際には納められない箱体である空箱と、を割り当てる第八の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の積み付け装置。
【請求項15】
前記積み付けパターン作成プログラムは、
さらに、
積み付けパターンを構成する前記各箱体のうち、必須でない前記箱体を間引く第九の処理を実行する、
ことを特徴とする請求項11から請求項14のいずれか一項に記載の積み付け装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−67448(P2013−67448A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205378(P2011−205378)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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