説明

積層型半導体装置及び積層型半導体装置の製造方法

【課題】積層型半導体装置の小型化を可能とする構造体を提供する。
【解決手段】積層型半導体装置60は、積層される複数の半導体装置61〜64と、前記半導体装置61〜64が接続され、端面に設けられた電極711〜732を含む複数の中継基板71〜73と、前記中継基板71〜73の端面に設けられた電極711〜732同士を接続する接続基板81,82とを含む。中継基板71〜73の端面に設けられた電極711〜732は、例えば導電性を有する接着剤又は異方性導電フィルムを介して接続基板81,82に接続される。これにより、複数の中継基板71〜73の端面に設けられた電極711〜732を接続基板81,82によって接続することで、接続があくまで端面のみで行われるので、接続基板81,82の折り曲げ部を設ける必要もないため、積層型半導体装置60の小型化にとって有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型半導体装置及び積層型半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動体電話機のような携帯型電子機器や、ICメモリカードのような不揮発性記憶媒体等はより小型化されており、これらの機器や媒体の部品点数の削減及び部品の小型化が要求されている。したがって、これらの機器を構成する部品のうちの主要部品である半導体素子を効率的にパッケージする技術の開発が望まれている。
【0003】
そのような要求を満たすパッケージとして、半導体素子と同程度の大きさのパッケージであるチップスケールパッケージ(CSP)、や複数の半導体素子を1つのパッケージ内に収容したマルチチップパッケージ(MCP)、さらには複数のパッケージを積層して1つにした積層型パッケージ(Package on Package: PoP)などが提案されている。
【0004】
図1は従来の積層型半導体装置を示す図である(従来技術1)。図1に示すように、積層型半導体装置1は、上パッケージ2と下パッケージ3を含む。上パッケージ2は、半導体素子21、基板22、半導体素子21と基板22を接続するワイヤ23を含む。上パッケージ2の樹脂封止部24は、金属を用いたモールド成形によって形成される。上パッケージ2と下パッケージ3は、はんだボール4を介して電気的に接続される。
【0005】
図2は他の従来の積層型半導体装置を示す図である(従来技術2)。図2に示すように、積層型半導体装置50は、複数のパッケージ51〜53をはんだボールを介してフレキシブル基板54に接続している。また、積層型半導体装置の他の従来例として以下のようなものが提案されている。
【0006】
特許文献1は、従来技術2と同様に、フレキシブル基板を用いた積層型半導体装置が開示されている。特許文献2の積層型半導体装置は、中継基板の端部表面に搭載されたスペーサの側面に電極を設け、この電極同士を接続基板で接続している。特許文献3の積層型半導体装置は、中継基板の両面に施されている配線が基板側面の配線を介して相互に接続されている。特許文献4の積層型半導体装置は、側面に電極を有する複数個の半導体チップを積層した積層体の側面で電極同士を電極接続線で接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許公報 6,121,676号
【特許文献2】日本国公開特許公報 特開2001−111192号
【特許文献3】日本国公開特許公報 特開2000−294725号
【特許文献4】日本国公開特許公報 特開2002−76167号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来、パッケージを積層させるためには、積層可能な上下のパッケージの電極(ランド)位置を一致させる構成を持った専用の上下パッケージが使われていた。この上下パッケージを夫々モールド成形によって製作する場合、モールド金型の作製に通常1〜2ヶ月の時間を要する。サンプルの仕様は搭載するデバイスによって幾通りも存在し、パッケージサイズも多岐にわたる。このため、要求があってからサンプルを提出するまでに時間がかかってしまう場合があった。
【0009】
また、上記従来のフレキシブル基板を用いた積層型半導体装置では、フレキシブル基板の折り曲げて折り畳んだ構造をとっているため、フレキシブル基板の折り曲げた部分が半導体装置の外形からはみ出してしまうので、パッケージの小型化にとって障壁となる問題があった。
【0010】
特許文献2に記載の技術では、スペーサを配設するための面積を中継基板の外周部に確保しなければならないため、パッケージ面積を小型化しようとする点で不利となる。また、特許文献3に記載の技術では、中継基板の両面に施されている配線が基板側面の配線を介して相互に接続されており、中継基板同士の相互接続には関与していないものの、特許文献2に記載の技術と同様に中継基板同士の接続に使用する電極が中継基板の外周部に存在するため、面積的に不利である。特許文献4に記載の技術では、あらかじめ決まった半導体チップのみを対象としており、種類の異なるパッケージを積層するには適用できないという問題がある。
【0011】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、短納期でかつ小型の積層型半導体装置及び積層型半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明は、複数の半導体装置と、端面に設けられた電極を含み前記半導体装置を実装する複数の中継基板と、前記中継基板の端面に設けられた電極同士を接続する接続基板とを含む積層型半導体装置である。本発明によれば、接続があくまで端面のみで行われるので、接続基板の折り曲げ部を設ける必要もないため、積層型半導体装置の小型化にとって有効である。また、さまざまなサイズのパッケージに対応できるので、積層型半導体装置を短納期で提供することができる。
【0013】
前記中継基板の端面に設けられた電極は、例えば切断されたビアホールによって形成されている。本発明によれば、電極のためのビアホールを、同一中継基板上の他のビアホールと同一の製造工程上で作られるため、従来のコネクタの後付けと異なり、新たな部品を使用せず、コストの上昇も押されることができる。前記中継基板の端面に設けられた電極は、例えば切断され内部に導電性樹脂が充填されたビアホールによって形成されている。
【0014】
前記中継基板の端面に設けられた電極は、例えば、導電性を有する接着剤又は異方性導電フィルムを介して前記接続基板に接続される。導電性を有する接着剤は、塗布したい箇所だけを狙ってディスペンサ等で供給することができるため、中継基板と接続基板の接続を安定して行うことができる。異方性導電フィルムについても電極部だけで電気的な接続を図ることができ、接着材厚が常に一定であるため、寸法ばらつきが小さく、予めフィルムを接続基板に設けておくことによって工数の削減も図れるといった利点もある。前記接続基板は、例えばフレキシブル基板によって構成されている。本発明によれば、接続基板を変形させた状態でも接続できるため、中継基板間の寸法の変化に対応することができ、接続不良歩留まりの低下を防止することができる。
【0015】
前記接続基板は、たとえば配線層が単層又は多層で構成されるフレキシブル基板で構成されている。前記中継基板の端面に設けられた電極と前記接続基板との接続が、前記中継基板の複数辺になされているのが好ましい。
【0016】
本発明は、前記接続基板の内側に搭載される電子部品をさらに含む。本発明によれば、外形寸法を損なうことなく、電子部品を搭載することができる。前記中継基板は、例えば下段の半導体装置に固定されている。本発明によれば、位置決めが安定となり、製造歩留まりの影響を無くすことができる。前記中継基板は、例えば下段の半導体装置に接着剤を介して固定されている。本発明によれば、双方が接着剤で固定されるので、位置決めが安定となり、製造歩留まりの影響を無くすことができる。前記接着剤は、たとえばフィルム状の接着剤によって構成されている。本発明によれば、フィルムの厚さは一定であるため、中継基板の平行度を確保することができ、接続基板の接続不良に起因する製造歩留まりの低下を防ぐことができる。
【0017】
本発明は、それぞれ電極が端面に設けられた複数の中継基板に半導体装置を実装する工程と、前記各中継基板の端面に設けられた電極同士を、接続基板を介して接続する工程とを含む積層型半導体装置の製造方法である。本発明によれば、接続があくまで端面のみで行われるので、接続基板の折り曲げ部を設ける必要もないため、積層型半導体装置の小型化にとって有効である。また、さまざまなサイズのパッケージに対応できるので、積層型半導体装置を短納期で提供することができる。
【0018】
本発明は、前記中継基板を含みビアホールを持つ基板を該ビアホールに沿って切断することで前記中継基板の端面に設けられた電極を形成する工程をさらに含む。本発明によれば、電極のためのビアホールを、同一中継基板上の他のビアホールと同一の製造工程上で作られるため、従来のコネクタの後付けと異なり、新たな部品を使用せず、コストの上昇も押されることができる。本発明は、前記中継基板を含み導電性樹脂が充填されたビアホールを持つ基板を該ビアホールに沿って切断することで前記中継基板の端面に設けられた電極を形成する工程をさらに含む。
【0019】
本発明は、前記中継基板を含み金属膜が内部に施されたビアホールを持つ基板を該ビアホールに沿って切断することで前記中継基板の端面に設けられた電極を形成する工程と、前記電極に導電性接着剤又は異方性導電性フィルムを供給する工程とをさらに含む。本発明によれば、ビアホールへの導電性接着剤の充填が困難な場合でも、接続基板を中継基板に接続することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、短納期でかつ小型の積層型半導体装置及び積層型半導体装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来の積層型半導体装置を示す図である。
【図2】他の従来の積層型半導体装置を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る積層型半導体装置を示す図である。
【図4】中継基板の端面に設けられた電極と接続基板の接続状態を示す図である。
【図5】中継基板の端面に設けられた電極と接続基板との接続状態の他の例を示す図である。
【図6】中継基板の他の構成例を示す図である。
【図7】接続基板の表面上に電子部品が搭載されている積層型半導体装置を示す図である。
【図8】積層型半導体装置の第1の製造方法のうち、ビアホールの切断工程を示す図である。
【図9】積層型半導体装置の第2の製造方法のうち、ビアホール切断工程を示す図である。
【図10】積層型半導体装置の第2の製造方法のうち、中継基板と接続基板とを電気的に接続する工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図3は、本発明の実施形態に係る積層型半導体装置を示す図である。図3に示すように、積層型半導体装置60は、積層される複数の半導体装置61〜64と、半導体装置61〜64が接続され、端面に設けられた電極711〜732を含む複数の中継基板71〜73と、複数の中継基板71〜73の端面に設けられた電極711〜732同士を接続する接続基板81、82とを含む。例えば、半導体装置62は、半導体素子621、基板622、半導体素子621と基板622を接続するワイヤ623及び樹脂封止部625を含み、はんだボール624を介して、中継基板71の端子に接続される。
【0023】
図4は、中継基板の端面に設けられた電極と接続基板の接続状態を示す図である。中継基板72の2辺には多数の電極721及び722が形成されている。これら電極721及び722は半導体装置63の下に設けられている端子に配線パターン723を介して接続されている。中継基板72の端面に設けられた電極721、722は、導電性接着剤93、94を介して接続基板81、82にそれぞれ接続される。このように導電性接着剤を用いることにより、塗布したい箇所だけを狙ってディスペンサ等で供給することができるため、中継基板と接続基板の接続を安定して行うことができる。この導電性接着剤に代えて異方性導電フィルムを用いてもよい。異方性導電フィルムを用いることにより、電極部だけで電気的な接続を図ることができ、接着材厚が常に一定であるため、寸法ばらつきが小さく、予めフィルムを接続基板に設けておくことによって工数の削減も図れるといった利点もある。
【0024】
図5は、中継基板の端面に設けられた電極と接続基板との接続状態の他の例を示す図である。図5では、中継基板の端面に設けられた電極と接続基板との接続が、中継基板の3辺(複数辺)になされている例を示す。中継基板172の3辺には多数の電極721、722、724が形成されている。これら電極721、722及び724は半導体装置63の下に設けられている端子に配線パターン723を介して接続されている。中継基板172の端面に設けられた電極721、722、724は、導電性接着剤93、94、97を介して接続基板81〜83にそれぞれ接続される。
【0025】
ここでは、中継基板の端面に設けられた電極と接続基板との接続が中継基板の3辺でなされている例について説明しているが、この接続は中継基板の少なくとも1辺になされていればよく、最大で4辺に対して接続される中継基板上の全ての端子・配線を基板側面に誘導させることが面積的に困難である場合は、図5で示すように中継基板の複数端に接続基板を設けることで解決を図ることができる。4辺を接続基板で接続させると基板の内側で閉じた空間が生まれ、リフロー等の熱印加時に膨張による破断が発生する恐れがある場合がある。この場合は、接続基板は最大3辺で接続させることが望ましい。
【0026】
再度図3を参照すると、接続基板81及び82は、例えばフレキシブル基板で構成されている。また、接続基板81及び82は、配線層が単層又は多層で構成されるフレキシブル基板で構成される。図3に示す例では、接続基板81及び82は、単層の配線層812と単層の保護層813により構成されている。この配線層812を経由して、各々の半導体装置61乃至64は電気的に中継基板73に形成されたはんだボールに接続される。配線パターンが多い場合には、単層の配線層812に代えて多層の配線層を用いてもよい。接続基板81及び82をフレキシブル基板で構成することにより、基板を変形させた状態でも接続できるため、中継基板間の寸法の変化に対応することができ、接続不良歩留まりの低下を防止することができる。したがって、中継基板間の間隙や平行度が常に一定とは限らないため、リジット基板では間隙の大きさや相互の平行度によっては接続不良が発生する可能性があるという従来の問題点が解消される。
【0027】
また、中継基板71及び72は、下段の半導体装置63、64に接着剤97、98を介して固定されている。接続基板81、82を中継基板71、72に接続する際、中継基板71、72が下段の半導体装置63、64に固定されていないと接続基板81、82を接続する際に双方の位置決めが不安定となり、製造歩留まりに影響を及ぼす恐れがある。この影響は、中継基板の面積が比較的大きい場合に懸念される。このように、中継基板71、72を下段の半導体装置63、64に接着剤97、98を介して固定することによって、双方が接着剤で固定されるので、位置決めが安定となり、製造歩留まりの影響を無くすことができる。
【0028】
また、接着剤97、98はフィルム状接着剤であるのが好ましい。接着剤97、98にフィル状の接着剤を用いることによって、フィルムは厚さが一定であるため、中継基板71、72の平行度を確保することができ、接続基板81、82の接続不良に起因する製造歩留まりの低下を防ぐことができる。フィルムは、熱印加によって接着力が発現する一体型の材料でも、コアフィルムに接着剤が両面に塗布されている三層型でも構わない。
【0029】
図6は、中継基板の他の構成例を示す図である。図6に示すように、中継基板272には、4辺に電極721、722、724及び725が形成された例が示されている。端子726には半導体装置のはんだボールが接続され、中継基板272の内部に設けられた配線を介して、電極721、722、724及び725に接続される。中継基板272の端面に設けられた電極721、722、724及び725の配列ピッチ(B)は、中継基板272の表面上に形成された端子726のピッチ(A)よりも小さい。中継基板上の全ての端子・配線を基板側面に誘導させる際に、中継基板の端面に設けられた電極の配列ピッチを小さくすることにより、配線の引き回しに余裕が生まれる利点がある。
【0030】
図7は、接続基板の表面上に電子部品が搭載されている積層型半導体装置160の例を示す図である。図7に示すように、接続基板81及び82の内側の表面上に搭載されるチップ部品(電子部品)161及び162が搭載されている。接続基板81及び82の内側に電子部品を搭載することにより、外形寸法を損なうことなく、電子部品を搭載することができる。搭載する電子部品は、例えばチップコンデンサ、チップ抵抗などのチップ部品である。これらの部品の多くはLSIパッケージや半導体素子の高さよりも小さいため、中継基板の間隙に配置されることができる。
【0031】
図8は、第1の積層型半導体装置の製造方法のうち、中継基板の製造工程を示す図であり、同図(a)は切断前の中継基板の一部を、(b)は(a)のA−A’断面図を、(c)は切断後の中継基板を、(d)は(c)のB−B’断面図をそれぞれ示す。ここでは中継基板と接続基板の接続手段(例えば図6の電極721)として導電性樹脂を充填したビアホールを用いた例を示す。同図(a)に示すように、基板372には、端子373、374、ビアホール375、端子373、374及びビアホール375を接続する配線パターン377が形成されている。ビアホール375内には、導電性接着剤376が充填されている。基板372をビアホール375に沿って切断することで、同図(c)に示すように、中継基板の端面に電極381、382が形成される。つまり、中継基板の端面に設けられた電極は、切断され内部に導電性樹脂が充填されたビアホールによって形成されている。
【0032】
このように、中継基板を含み導電性樹脂が充填されたビアホール375を持つ基板372をビアホール375に沿って切断することでその切断面を基板端面に露出させ、接続基板に接続させる電極とすることができる。ビアホールは、同一中継基板上の他のビアホールと同一の製造工程で作られるため、従来のコネクタの後付けと異なり、新たな部品を使用せず、コストの上昇も押されることができる。ビアホールの形成は、電極を接続に十分なサイズとし、また生産効率を上げるため、フォトリソグラフィー法よりもドリルによる穴あけによる方法が望ましい。
【0033】
図9は、第2の積層型半導体装置の製造方法のビアホール切断工程を示す図であり、同図(a)は切断前の中継基板の一部を、(b)は(a)のC−C’断面図を、(c)は切断後の中継基板を、(d)は(c)のD−D’断面図を示す。図10(e)は、第2の積層型半導体装置の製造方法のうち、導電性接着剤を介して中継基板と接続基板とを電気的に接続する工程を示す平面図、(f)はその正面図である。図9(a)に示すように、基板472には、端子473、474、ビアホール475、端子473、474及びビアホール475を接続する配線パターン476が形成されている。
【0034】
ビアホール475には、内側に金属膜477が施されている。同図(a)の状態から、中継472に形成されたビアホール475を切断すると、同図(c)に示すように中継基板の端面に電極481、482が形成される。図10に示すように、切断したビアホールによって形成された電極482に導電性接着剤93又は異方性導電性フィルムを供給し、各中継基板472の端面に設けられた電極同士を、接続基板81、82に接続する。このように、中継基板を含み金属膜が内部に施されたビアホールを持つ基板をビアホールに沿って切断することでその切断面を基板端面に露出させ、接続基板に接続させる電極とすることができる。ビアホールは、同一中継基板上の他のビアホールと同一の製造工程で作られるため、従来のコネクタの後付けと異なり、新たな部品を使用せず、コストの上昇も押されることができる。ビアホールの形成は、電極を接続に十分なサイズとし、また生産効率を上げるため、フォトリソグラフィー法よりもドリルによる穴あけによる方法が望ましい。ビアホールへの導電性接着剤の充填が困難な場合でも、接続基板を中継基板に接続する際に、接続基板側の電極、若しくは中継基板の電極側に導電性接着剤、若しくは異方性導電性フィルムを供給してから接続することができる。
【0035】
次に、積層型半導体装置の製造方法について説明する。積層型半導体装置の製造方法は、それぞれ電極が端面に設けられた複数の中継基板に半導体装置を実装する第1工程と、前記中継基板を含みビアホールを持つ基板を該ビアホールに沿って切断することで前記中継基板の端面に設けられた電極を形成する第2工程と、前記各中継基板の端面に設けられた電極同士を、接続基板を介して接続する第3工程とを含む。第2工程に代えて、前記中継基板を含み導電性樹脂が充填されたビアホールを持つ基板を該ビアホールに沿って切断することで前記中継基板の端面に設けられた電極を形成する工程を含むようにしても良い。また第2工程に代えて、前記中継基板を含み金属膜が内部に施されたビアホールを持つ基板を該ビアホールに沿って切断することで前記中継基板の端面に設けられた電極を形成する工程と、前記電極に導電性接着剤又は異方性導電性フィルムを供給する工程とをさらに含むようにしても良い。
【0036】
以上のように、複数の中継基板71〜73の端面に設けられた電極711〜732を接続基板81、82によって接続することで、接続があくまで端面のみで行われるので、接続基板81、82に折り曲げ部を設ける必要もないため、積層型半導体装置の小型化にとって有効である。
【0037】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体装置と、
端面に設けられた電極を含み前記半導体装置を実装する複数の中継基板と、
前記中継基板の端面に設けられた電極同士を接続する接続基板とを含む積層型半導体装置。
【請求項2】
前記中継基板の端面に設けられた電極は、切断されたビアホールによって形成されている請求項1に記載の積層型半導体装置。
【請求項3】
前記中継基板の端面に設けられた電極は、切断され内部に導電性樹脂が充填されたビアホールによって形成されている請求項1に記載の積層型半導体装置。
【請求項4】
前記中継基板の端面に設けられた電極は、導電性を有する接着剤又は異方性導電フィルムを介して前記接続基板に接続されている請求項1に記載の積層型半導体装置。
【請求項5】
前記接続基板は、フレキシブル基板である請求項1に記載の積層型半導体装置。
【請求項6】
前記接続基板は、配線層が単層又は多層で構成されているフレキシブル基板である請求項1に記載の積層型半導体装置。
【請求項7】
前記中継基板の端面に設けられた電極と前記接続基板との接続が、前記中継基板の複数辺になされている請求項1に記載の積層型半導体装置。
【請求項8】
前記接続基板の内側に搭載される電子部品をさらに含む請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の積層型半導体装置。
【請求項9】
前記中継基板は、下段の半導体装置に固定されている請求項1に記載の積層型半導体装置。
【請求項10】
前記中継基板は、下段の半導体装置に接着剤を介して固定されている請求項1に記載の積層型半導体装置。
【請求項11】
前記接着剤は、フィルム状の接着剤である請求項10に記載の積層型半導体装置。
【請求項12】
それぞれ電極が端面に設けられた複数の中継基板に半導体装置を実装する工程と、
前記各中継基板の端面に設けられた電極同士を、接続基板を介して接続する工程とを含む積層型半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記中継基板を含みビアホールを持つ基板を該ビアホールに沿って切断することで前記中継基板の端面に設けられた電極を形成する工程をさらに含む請求項12に記載の積層型半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記中継基板を含み導電性樹脂が充填されたビアホールを持つ基板を該ビアホールに沿って切断することで前記中継基板の端面に設けられた電極を形成する工程をさらに含む請求項12に記載の積層型半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記中継基板を含み金属膜が内部に施されたビアホールを持つ基板を該ビアホールに沿って切断することで前記中継基板の端面に設けられた電極を形成する工程と、
前記電極に導電性接着剤又は異方性導電性フィルムを供給する工程とをさらに含む請求項12に記載の積層型半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−156528(P2012−156528A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−65366(P2012−65366)
【出願日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【分割の表示】特願2007−501458(P2007−501458)の分割
【原出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(504378124)スパンション エルエルシー (229)