説明

積層型電子部品

【課題】並列接続用スルーホール導体が焼成時に接続導体から外れることを防止し、信頼性が向上された積層型電子部品を提供する。
【解決手段】第一接続導体21及び第二接続導体23が、絶縁体層10の角部側の導体端部21a,23aから周回中心線RL側の導体端部21b,23bへ直線状に延びており、第一並列接続用スルーホール導体65は、引出導体用スルーホール導体71よりも小さい直径を有する構成とする。絶縁体層10を斜め方向に直線状に延びる構成とすることで、第一接続導体21の導体端部21b及び第二接続導体23の導体端部23bが、内層側に大きく沈むことができる。また、第一並列接続用スルーホール導体65が、引出導体用スルーホール導体71よりも小さい直径を有しているため、第一並列接続用スルーホール導体65が第二接続導体23及び第一接続導体21に食い込むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の積層型電子部品として、複数の矩形状の絶縁体層を積層することによって形成される素体と、素体内に形成されるコイルと、素体の積層方向における両端部にそれぞれ形成される一対の外部電極とを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この積層型電子部品では、直流抵抗を下げるために、コイルが、並列接続された一対のコイル導体の組を積層方向に複数直列接続することによって構成されている。また、コイル端と引出導体とを接続する一対の接続導体が、略L字状の形状をなしている。具体的には、接続導体は、図6(a)に示すように、絶縁体層の角部から絶縁体層の縁部に沿って中央位置まで延び、中央位置で90°屈曲して絶縁体層の中心まで延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−44038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、積層型電子部品の製造工程中、複数のフェライトグリーンシートを積層して圧着した後、焼成を行う工程があるが、この焼成工程においては各導体やスルーホール導体が熱収縮を行う。積層型電子部品では、特に図5に示すように、引出導体及び引出導体用スルーホール導体の体積ボリュームが大きく、一つの固まりとして熱収縮する。このとき、熱収縮の影響によって、図5(b)に示すように、第一接続導体が引っ張られることによって、第一並列接続用スルーホール導体が各接続導体から外れてしまう場合があった。具体的には、第一並列接続用スルーホール導体は、第二接続導体の上面との間(図中GP1で示す)で最も外れが多く、第一接続導体の下面との間(図中GP2で示す)で次に外れが多い。
【0005】
本発明は、並列接続用スルーホール導体が焼成時に接続導体から外れることを防止し、信頼性が向上された積層型電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る積層型電子部品は、複数の矩形状の絶縁体層を積層することによって形成される素体と、絶縁体層を挟んで並列接続される複数のコイル導体の組を、積層方向に複数組直列接続することによって、素体内部で螺旋状に形成されるコイルと、積層方向における素体の両端部にそれぞれ形成される一対の外部電極と、少なくとも一方の外部電極とコイルのコイル端との間に積層され、コイル端を積層方向に引き出して外部電極とコイルとを電気的に接続する引出導体と、引出導体とコイルのコイル端との間に積層され、コイルの周回中心線側に配置される引出導体と絶縁体層の角部側に配置されるコイル端とを電気的に接続する第一接続導体と、第一接続導体とコイル端との間に積層され、第一接続導体と互いに平行をなすと共に並列接続される第二接続導体と、引出導体と第一接続導体の一端部とを電気的に接続する引出導体用スルーホール導体と、第一接続導体の一端部と第二接続導体の一端部とを電気的に接続する第一並列接続用スルーホール導体と、第一接続導体の他端部と第二接続導体の他端部とを電気的に接続する第二並列接続用スルーホール導体と、第二接続導体の他端部とコイル端とを電気的に接続する直列接続用スルーホール導体と、を備え、第一接続導体及び第二接続導体は、絶縁体層の角部側から周回中心線側へ直線状に延び、第一並列接続用スルーホール導体は、引出導体用スルーホール導体よりも小さい直径を有することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る積層型電子部品においては、第一接続導体及び第二接続導体が、絶縁体層の角部側から周回中心線側へ直線状に延びており、第一並列接続用スルーホール導体は、引出導体用スルーホール導体よりも小さい直径を有する構成とされている。例えば、図6に示すように、従来の積層型電子部品における第一接続導体のようにL字状に屈曲するタイプの接続導体においては、積層圧着時に内層側に沈むために圧力が作用する範囲の導体長さは、絶縁体層の一辺の半分程度の長さである(図中L1で示される)。一方、本発明に係る第一接続導体においては、積層圧着時に内層側に沈むために圧力が作用する範囲の導体長さは、絶縁体層の斜線の半分程度の長さである(図中L2で示される)。すなわち、本発明に係る第一接続導体は、従来の第一接続導体に比して、積層圧着時に内層側に沈み易い形状となっている。更に、第一並列接続用スルーホール導体が、引出導体用スルーホール導体よりも小さい直径を有しているため、積層圧着時に、第一並列接続用スルーホール導体が第二接続導体及び第一接続導体に食い込むことができる。これによって、第一接続導体及び第二接続導体が内層側に沈み易くなると共に、第一並列接続用スルーホール導体とのコンタクト性を向上させることができる。第一接続導体及び第二接続導体の沈み量が大きくなると共に、第一並列接続用スルーホール導体が第二接続導体及び第一接続導体に食い込んでコンタクト性が向上したことによって、焼成時に、体積ボリュームの大きい引出導体及び引出導体用スルーホール導体が熱収縮を行うことで第一接続導体及び第二接続導体が外層側に引っ張られたとしても、第一並列接続用スルーホール導体が各接続導体から外れることを防止することができる。これによって、積層型電子部品の信頼性を向上させることができる。
【0008】
また、本発明に係る積層型電子部品において、第一並列接続用スルーホール導体の中心軸線は、引出導体用スルーホール導体の中心軸線と一致することが好ましい。第一並列接続用スルーホール導体の中心軸線が大きな体積ボリュームを有する引出導体用スルーホール導体の中心軸線と一致していることによって、積層圧着時における圧力が第一並列接続用スルーホール導体に伝達しやすくなり、第一並列接続用スルーホール導体を第一接続導体及び第二接続導体に確実に食い込ませることができる。
【0009】
また、本発明に係る積層型電子部品において、第一並列接続用スルーホール導体の中心軸線は、積層方向から見て、引出導体用スルーホール導体と重なった状態で、当該引出導体用スルーホール導体の中心軸線からずれていることが好ましい。大きい体積ボリュームを有する引出導体用スルーホール導体と第一並列接続用スルーホール導体の中心軸線がずれていることによって、焼成時に第一並列接続用スルーホール導体を外れにくくすることができる。
【0010】
また、本発明に係る積層型電子部品において、第一並列接続用スルーホール導体は、第二並列接続用スルーホール導体と同一の直径を有することが好ましい。第一並列接続用スルーホール導体を形成するためのスルーホールと第二並列接続用スルーホール導体を形成するためのスルーホールは同一のフェライトシートに形成されるが、それぞれ同一の直径を有していることによって、同一径の加工具を用いることができ、製造効率が向上する。
【0011】
また、本発明に係る積層型電子部品において、第一並列接続用スルーホール導体は、引出導体用スルーホール導体の厚みよりも厚くされていることが好ましい。このように、第一並列接続用スルーホール導体の厚みを厚くすることによって、積層圧着時に第一並列接続用スルーホール導体が第一接続導体及び第二接続導体に食い込みやすくなるため、第一並列接続用スルーホール導体が各接続導体から外れることを一層防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、並列接続用スルーホール導体が焼成時に接続導体から外れることを防止し、積層型電子部品の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る積層型電子部品の斜視図である。
【図2】本実施形態に係る積層型電子部品の素体の展開斜視図である。
【図3】図1に示すIII−III線に沿った断面図である。
【図4】引出導体、第一接続導体、第二接続導体、引出導体用スルーホール導体、第一並列接続用スルーホール導体及び第二並列接続用スルーホール導体を積層方向と直交する方向から見た図である。
【図5】従来の積層型電子部品の積層圧着時、及び焼成時の各導体及び各スルーホール導体の様子を示す概略図である。
【図6】従来の積層型電子部品と本実施形態に係る積層型電子部品の第一接続導体の形状を示す斜視図である。
【図7】本実施形態に係る積層型電子部品の積層圧着時、及び焼成時の各導体及び各スルーホール導体の様子を示す概略図である。
【図8】変形例に係る積層型電子部品の構成を示す図であって、図4に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る積層型電子部品の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る積層型電子部品の斜視図である。図2は、本実施形態に係る積層型電子部品の素体の展開斜視図である。図3は、図1に示すIII−III線に沿った断面図である。
【0016】
本実施形態に係る積層型電子部品1は、回路基板(不図示)の表面に実装される積層型チップインダクタであり、図1〜図3に示すように、複数の絶縁体層を積層することによって形成される直方体状の素体2と、積層方向に向かって周回中心線RLが延びるように素体2内で巻回されたコイル3と、絶縁体層の積層方向における素体2の両端部にそれぞれ形成される一対の外部電極4,5とを備えて構成されている。
【0017】
外部電極4は、素体2の一方の端面2aを覆うように設けられている。また、外部電極4は、端面2aからまわりこんで、端面2aに隣接する四方の側面2c,2d,2e,2fの一部も覆うように形成されている。外部電極5は、素体2の一方の端面2bを覆うように設けられている。また、外部電極5は、端面2bからまわりこんで、端面2bに隣接する四方の側面2c,2d,2e,2fの一部も覆うように形成されている。外部電極4の端面2aから側面2c,2d,2e,2fへまわりこんだ部分、及び外部電極5の端面2bから側面2c,2d,2e,2fへまわりこんだ部分は、回路基板の端子部分と接触して半田付けが行われる部分である。これによって、側面2c,2d,2e,2fのいずれかが回路基板の表面と対向するように配置され、コイル3の周回中心線RLが回路基板の表面と平行になる。外部電極4,5は、素体2の焼成後、ディップ法などによってAgやガラスを主成分とした導電性ペーストを塗布し、焼成後、メッキ処理を施すことによって形成される。
【0018】
素体2は、複数の矩形状の絶縁体層10を積層することによって構成されている。具体的には、Fe、Ni、Cu、Znを主成分としたフェライト材からなるフェライトグリーンシートの表面にコイル導体などの所定の導体パターンを印刷すると共にスルーホールを形成する。その後、複数のフェライトグリーンシートを積層すると共に積層方向に圧力をかけることによって圧着し、シート積層体を得る。そして、当該シート積層体を素体2の単位形状にカットした後、焼成することによって素体2が形成される。素体2の焼成後の大きさは、積層方向における長さが0.90〜0.95mmとされ、積層方向と直交する辺の大きさが0.45〜0.50mmとされている。また、焼成後の絶縁体層10の厚みは、0.010〜0.015mmとされている。
【0019】
図2及び図3に示すように、素体2の内部には、フェライトグリーンシート上に印刷された導体パターンが積層されることによってコイル3、コイル端3a,3bを積層方向に引き出して外部電極4,5とコイル3とを電気的に接続する引出導体11,12,13及び引出導体14,15,16と、コイル端3a,3bと引出導体13,16とをそれぞれ電気的に接続する第一接続導体21,22と、第一接続導体21,22とそれぞれ並列接続される第二接続導体23,24とが構成されている。また、各導体同士は積層方向にスルーホール導体によって接続されている。
【0020】
コイル3は、絶縁体層10を挟んで並列接続される一対のコイル導体の組を、積層方向に複数組直列接続することによって、素体2内部で螺旋状に形成されるコイルである。このように、コイルを二重構造とすることによって、直流抵抗を下げることができる。具体的には、コイル3は、並列接続される一対のコイル導体30,31の組41、並列接続される一対のコイル導体32,33の組42、並列接続される一対のコイル導体34,35の組43、並列接続される一対のコイル導体36,37の組44、並列接続される一対のコイル導体38,39の組45を積層方向に直列接続することによって構成されている。なお、絶縁体層10は、四方に縁部10a,10b,10c,10dを有しており、図2においては、最も上端側の絶縁体層10と最も下端側の絶縁体層10にのみ、縁部10a,10b,10c,10dの符号を示しているが、他の絶縁体層10の縁部も、縁部10a,10b,10c,10dに対応しているものとして以下の説明を行う。
【0021】
組41を構成する一方のコイル導体30は、絶縁体層10の縁部10a,10b,10cに沿って延在すると共に縁部10dで開口するコ字状の導体パターンである。組41を構成する他方のコイル導体31は、コイル導体30の一枚下側の絶縁体層10に形成されており、積層方向から見てコイル導体30と同一形状を有している。すなわち、コイル導体31は、絶縁体層10の縁部10a,10b,10cに沿って延在すると共に縁部10dで開口するコ字状の導体パターンである。絶縁体層10の縁部10aと縁部10dとの間の角部側に位置する導体端部30a、及び縁部10cと縁部10dとの間の角部側に位置する導体端部30bにはそれぞれスルーホールが形成されており、これらの導体端部30a,30bは、他方のコイル導体31の導体端部31a,31bと、並列接続用スルーホール導体51,52を介してそれぞれ電気的に接続されている。これによって、組41を構成する一方のコイル導体30と他方のコイル導体31とは積層方向に並列接続される。更に、他方のコイル導体31の導体端部31bにはスルーホールが形成されており、導体端部31bは、組42のコイル導体32の導体端部32aと、直列接続用スルーホール導体53を介して電気的に接続されている。これによって、組41と組42とは積層方向に直列接続される。なお、組41のコイル導体30の導体端部30aは、コイル3自体のコイル端3aを構成する。
【0022】
組42を構成する一方のコイル導体32は、絶縁体層10の縁部10a,10b,10dに沿って延在すると共に縁部10cで開口するコ字状の導体パターンである。組42を構成する他方のコイル導体33は、コイル導体32の一枚下側の絶縁体層10に形成されており、積層方向から見てコイル導体32と同一形状を有している。すなわち、コイル導体33は、絶縁体層10の縁部10a,10b,10dに沿って延在すると共に縁部10cで開口するコ字状の導体パターンである。絶縁体層10の縁部10cと縁部10dとの間の角部側に位置する導体端部32a、及び縁部10bと縁部10cとの間の角部側に位置する導体端部32bにはそれぞれスルーホールが形成されており、これらの導体端部32a,32bは、他方のコイル導体33の導体端部33a,33bと、並列接続用スルーホール導体54,55を介してそれぞれ電気的に接続されている。これによって、組42を構成する一方のコイル導体32と他方のコイル導体33とは積層方向に並列接続される。更に、他方のコイル導体33の導体端部33bにはスルーホールが形成されており、導体端部33bは、組43のコイル導体34の導体端部34aと、直列接続用スルーホール導体56を介して電気的に接続されている。これによって、組42と組43とは積層方向に直列接続される。
【0023】
組43を構成する一方のコイル導体34は、絶縁体層10の縁部10a,10c,10dに沿って延在すると共に縁部10bで開口するコ字状の導体パターンである。組43を構成する他方のコイル導体35は、コイル導体34の一枚下側の絶縁体層10に形成されており、積層方向から見てコイル導体34と同一形状を有している。すなわち、コイル導体35は、絶縁体層10の縁部10a,10c,10dに沿って延在すると共に縁部10bで開口するコ字状の導体パターンである。絶縁体層10の縁部10bと縁部10cとの間の角部側に位置する導体端部34a、及び縁部10aと縁部10bとの間の角部側に位置する導体端部34bにはそれぞれスルーホールが形成されており、これらの導体端部34a,34bは、他方のコイル導体35の導体端部35a,35bと、並列接続用スルーホール導体57,58を介してそれぞれ電気的に接続されている。これによって、組43を構成する一方のコイル導体34と他方のコイル導体35とは積層方向に並列接続される。更に、他方のコイル導体35の導体端部35bにはスルーホールが形成されており、導体端部35bは、組44のコイル導体36の導体端部36aと、直列接続用スルーホール導体58を介して電気的に接続されている。これによって、組43と組44とは積層方向に直列接続される。
【0024】
組44を構成する一方のコイル導体36は、絶縁体層10の縁部10b,10c,10dに沿って延在すると共に縁部10aで開口するコ字状の導体パターンである。組44を構成する他方のコイル導体37は、コイル導体36の一枚下側の絶縁体層10に形成されており、積層方向から見てコイル導体36と同一形状を有している。すなわち、コイル導体37は、絶縁体層10の縁部10b,10c,10dに沿って延在すると共に縁部10aで開口するコ字状の導体パターンである。絶縁体層10の縁部10aと縁部10bとの間の角部側に位置する導体端部36a、及び縁部10aと縁部10dとの間の角部側に位置する導体端部36bにはそれぞれスルーホールが形成されており、これらの導体端部36a,36bは、他方のコイル導体37の導体端部37a,37bと、並列接続用スルーホール導体59,60を介してそれぞれ電気的に接続されている。これによって、組44を構成する一方のコイル導体36と他方のコイル導体37とは積層方向に並列接続される。更に、他方のコイル導体37の導体端部37bにはスルーホールが形成されており、導体端部37bは、組45のコイル導体38の導体端部38aと、直列接続用スルーホール導体61を介して電気的に接続されている。これによって、組44と組45とは積層方向に直列接続される。
【0025】
組45を構成する一方のコイル導体38は、絶縁体層10の縁部10a,10b,10cに沿って延在すると共に縁部10dで開口するコ字状の導体パターンである。組45を構成する他方のコイル導体39は、コイル導体38の一枚下側の絶縁体層10に形成されており、積層方向から見てコイル導体38と同一形状を有している。すなわち、コイル導体39は、絶縁体層10の縁部10a,10b,10cに沿って延在すると共に縁部10dで開口するコ字状の導体パターンである。絶縁体層10の縁部10aと縁部10dとの間の角部側に位置する導体端部38a、及び縁部10cと縁部10dとの間の角部側に位置する導体端部38bにはそれぞれスルーホールが形成されており、これらの導体端部38a,38bは、他方のコイル導体39の導体端部39a,39bと、並列接続用スルーホール導体62,63を介してそれぞれ電気的に接続されている。これによって、組45を構成する一方のコイル導体38と他方のコイル導体39とは積層方向に並列接続される。なお、組45のコイル導体39の導体端部39bは、コイル3自体のコイル端3bを構成する。
【0026】
コイル3のコイル導体30の外層側の絶縁体層10には、第一接続導体21及び第二接続導体23が形成されている。第一接続導体21は、絶縁体層10の縁部10aと縁部10dとの間の角部側の導体端部(他端部)21aから、絶縁体層10の中央位置、すなわちコイル3の周回中心線RL上の導体端部(一端部)21bへ向かって直線状に延びる導体パターンである。第二接続導体23は、第一接続導体21とコイル導体30との間に一枚ずつ絶縁体層10を挟んで配置されており、積層方向から見て第一接続導体21と同一形状を有している。すなわち、第二接続導体23は、絶縁体層10の縁部10aと縁部10dとの間の角部側の導体端部(他端部)23aから、絶縁体層10の中央位置、すなわちコイル3の周回中心線RL上の導体端部(一端部)23bへ向かって直線状に延びる導体パターンである。第一接続導体21の導体端部21bにはスルーホールが形成されており、第二接続導体23の導体端部23bと、第一並列接続用スルーホール導体65を介して電気的に接続されている。また、第一接続導体21の導体端部21aにはスルーホールが形成されており、第二接続導体の導体端部23aと、第二並列接続用スルーホール導体66を介して電気的に接続されている。これによって、第一接続導体21と第二接続導体23とが積層方向に並列接続される。また、第二接続導体23の導体端部23aにはスルーホールが形成されており、コイル3のコイル端3aと、直列接続用スルーホール導体67を介して電気的に接続されている。これによって、第一接続導体21及び第二接続導体23とコイル3とが直列接続される。
【0027】
コイル3のコイル導体39の外層側の絶縁体層10には、第一接続導体22及び第二接続導体24が形成されている。第一接続導体22は、絶縁体層10の縁部10cと縁部10dとの間の角部側の導体端部(他端部)22aから、絶縁体層10の中央位置、すなわちコイル3の周回中心線RL上の導体端部(一端部)22bへ向かって直線状に延びる導体パターンである。第二接続導体24は、第一接続導体22とコイル導体39との間に一枚ずつ絶縁体層10を挟んで配置されており、積層方向から見て第一接続導体22と同一形状を有している。すなわち、第二接続導体24は、絶縁体層10の縁部10cと縁部10dとの間の角部側の導体端部(他端部)24aから、絶縁体層10の中央位置、すなわちコイル3の周回中心線RL上の導体端部(一端部)24bへ向かって直線状に延びる導体パターンである。第二接続導体24の導体端部24bにはスルーホールが形成されており、第一接続導体22の導体端部22bと、第一並列接続用スルーホール導体68を介して電気的に接続されている。また、第二接続導体24の導体端部24aにはスルーホールが形成されており、第一接続導体の導体端部22aと、第二並列接続用スルーホール導体69を介して電気的に接続されている。これによって、第一接続導体22と第二接続導体24とが積層方向に並列接続される。また、コイル3のコイル端3bにはスルーホールが形成されており、第二接続導体24の導体端部24aと直列接続用スルーホール導体70を介して電気的に接続されている。これによって、第一接続導体22及び第二接続導体24とコイル3とが直列接続される。
【0028】
第一接続導体21の外層側の絶縁体層10には、それぞれ引出導体11,12,13が形成される。この引出導体11,12,13は、それぞれの絶縁体層10の中央位置、すなわちコイル3の周回中心線RL上に配置される。最外層の絶縁体層10に設けられる引出導体11は、外部電極4と接触する。引出導体11,12,13にはそれぞれスルーホールが形成され、引出導体用スルーホール導体71を介して、第一接続導体21の導体端部21bと電気的に接続される。これによって、外部電極4と引出導体11,12,13、第一接続導体21、第二接続導体23及びコイル3とが電気的に接続される。
【0029】
第一接続導体22の外層側の絶縁体層10には、それぞれ引出導体14,15,16が形成される。この引出導体14,15,16は、それぞれの絶縁体層10の中央位置、すなわちコイル3の周回中心線RL上に配置される。最外層の絶縁体層10の下面に設けられる引出導体14は、外部電極5と接触する。引出導体15,16及び第一接続導体22の導体端部22bにはそれぞれスルーホールが形成され、引出導体用スルーホール導体72を介して、第一接続導体22の導体端部22bと引出導体14,15,16とが電気的に接続される。これによって、外部電極5と引出導体14,15,16、第一接続導体22、第二接続導体24及びコイル3とが電気的に接続される。
【0030】
各導体パターン及びスルーホール導体は、Agを主成分とした導電性ペーストをフェライトグリーンシート上に印刷して焼成することによって形成される。各導体パターンの焼成後の厚みは、5〜20μm、より好ましくは10〜15μmに設定される。
【0031】
図4は、引出導体11,12,13、第一接続導体21、第二接続導体23、引出導体用スルーホール導体71、第一並列接続用スルーホール導体65及び第二並列接続用スルーホール導体66を積層方向と直交する方向から見た図である。図4では、絶縁体層10が省略されている。図4に示すように、各スルーホールはレーザーなどによって形成されるため、引出導体用スルーホール導体71、第一並列接続用スルーホール導体65及び第二並列接続用スルーホール導体66は、積層方向に向かってテーパーをなすような形状となる。また、本実施形態において、引出導体用スルーホール導体71、第一並列接続用スルーホール導体65の中心軸線は、コイル3の周回中心線RLと一致する。すなわち、引出導体用スルーホール導体71の中心軸線と第一並列接続用スルーホール導体65の中心軸線は一致している。なお、図示されない引出導体用スルーホール導体72、第一並列接続用スルーホール導体68の中心軸線もコイル3の周回中心線RLと一致する。
【0032】
引出導体用スルーホール導体71の直径はφ30〜60μmに設定することができ、本実施形態ではφ50μmに設定されている。一方、第一並列接続用スルーホール導体65の直径は、引出導体用スルーホール導体71の直径よりも小さくされており、直径はφ20〜40μmに設定することができ、本実施形態ではφ30μmに設定されている。また、第一並列接続用スルーホール導体65の直径は、第二並列接続用スルーホール導体66、及びコイル3の直列接続用スルーホール導体や並列接続用スルーホール導体と同じ直径に設定される。なお、本実施形態におけるスルーホール導体の直径とは最狭部(図5(b)でいえばGP1側)の位置における直径を示している。また、本実施形態では、第一接続導体21と第二接続導体23との間の第一並列接続用スルーホール導体65の厚み(図中t1で示される)と、引出導体13と第一接続導体21との間の引出導体用スルーホール導体71の厚み(図中t2で示される)とは、同一の厚さとされており、10μm〜40μm程度、より好ましくは20μm〜30μmに設定することができる。なお、図4に示されていない引出導体用スルーホール導体72、第一並列接続用スルーホール導体68及び第二並列接続用スルーホール導体69についても、同様の関係がなりたつ。
【0033】
次に、本実施形態に係る積層型電子部品1の作用・効果を図5、図6、図7を参照して説明する。
【0034】
図5は、従来の積層型電子部品100の積層圧着時、及び焼成時の各導体及び各スルーホール導体の様子を示す概略図であり、(a)は積層圧着時の様子を示し、(b)は焼成時の様子を示している。図6は、従来の積層型電子部品100と本実施形態に係る積層型電子部品1の第一接続導体の形状を示す斜視図であり、(a)が従来の積層型電子部品100の第一接続導体の形状を示し、(b)が本実施形態に係る積層型電子部品1の第一接続導体の形状を示している。図7は、本実施形態に係る積層型電子部品1の積層圧着時、及び焼成時の各導体及び各スルーホール導体の様子を示す概略図であり、(a)は積層圧着時の様子を示し、(b)は焼成時の様子を示している。図5及び図7は、図4で示した部分に対応した部分が示されている。なお、図5及び図7は概略図であるため、本発明の作用・効果や従来の積層型電子部品との差異を明確にすると共に説明の理解を容易にするために、各導体の沈み量や食い込み量などは一部誇張ないし省略して示されている。
【0035】
図5及び図6(a)に示すように、従来の積層型電子部品100は、第一接続導体101及び第二接続導体102の形状が異なる点と、第一並列接続用スルーホール導体103の直径が引出導体用スルーホール導体71の直径と同じである点で、本実施形態に係る積層型電子部品1と相違している。第一接続導体101及び第二接続導体102は、図6(a)に示すように、L字状に屈曲した形状を有しており、絶縁体層10の角部側の導体端部101aから縁部に沿って中央まで延び、90°屈曲して絶縁体層10の中央位置の導体端部101bまで延びている。
【0036】
まず、従来の積層型電子部品100においては、第一並列接続用スルーホール導体103の大きさが第二並列接続用スルーホール導体66に比しておおきく、引出導体用スルーホール導体71と同じ大きさとされているため、図5(a)に示すように、積層圧着時に、第一並列接続用スルーホール導体103は、第二接続導体102の導体端部102bに食い込まず、また第一接続導体101の導体端部101bに食い込むことなく圧着される。更に、第一接続導体101及び第二接続導体102のうち、絶縁体層10の縁部に沿って延びる部分(図6においてAで示される部分)は、積層方向から見てコイル3のコイル導体と重なっているため、第一接続導体101及び第二接続導体102は、コイル3で一部が支持されることによって、積層圧着時における導体端部101b,102bの沈み量が抑えられる。
【0037】
次に、焼成を行うと、各導体やスルーホール導体が熱収縮を行う。特に、積層型電子部品では、引出導体11,12,13及び引出導体用スルーホール導体71の体積ボリュームが大きく、一つの固まりとして熱収縮する。このとき、熱収縮の影響によって、図5(b)に示すように、第一接続導体101の導体端部101bが引っ張られることによって、第一並列接続用スルーホール導体103が各接続導体101,102から外れてしまう場合があった。具体的には、第一並列接続用スルーホール導体103は、第二接続導体102の導体端部102bの上面との間(図中GP1で示す)で最も外れが多く、第一接続導体101の導体端部101bの下面との間(図中GP2で示す)で次に外れが多い。
【0038】
一方、本実施形態に係る積層型電子部品1においては、第一接続導体21及び第二接続導体23が、絶縁体層10の角部側の導体端部21a,23aから周回中心線RL側の導体端部21b,23bへ直線状に延びており、第一並列接続用スルーホール導体65は、引出導体用スルーホール導体71よりも小さい直径を有する構成とされている。
【0039】
図6に示すように、従来の第一接続導体101においては、図6(a)においてAに示す部分は内層側のコイル導体に支持されるため、積層圧着時に引出導体やスルーホール導体を介して大きな力が作用する位置と、内層側の各コイル導体で支持される位置との間の距離は、絶縁体層10の一辺の約半分の長さとなる(図6中L1で示される)。一方、本実施形態に係る第一接続導体21においては、図6(b)における導体端部21aは内層側のコイル導体に支持されるため、積層圧着時に引出導体やスルーホール導体を介して大きな力が作用する位置と、内層側のコイル導体で支持される位置との間の距離は、絶縁体層10の対角線の約半分の長さとなり(図6中L2で示される)、L1よりも長くなる。すなわち、第一接続導体21は、力が主に作用する位置とコイル導体に支持される位置との間の導体長さが長く、従来の第一接続導体101に比して積層圧着時に内層側に沈み易い形状となっている。従って、図7(a)に示すように、積層圧着時は、従来の接続導体に比して、第一接続導体21の導体端部21b及び第二接続導体23の導体端部23bは、内層側に大きく沈む。
【0040】
更に、第一並列接続用スルーホール導体65が、引出導体用スルーホール導体71よりも小さい直径を有しているため、図7(a)に示すように、第一並列接続用スルーホール導体65が第二接続導体23及び第一接続導体21に食い込むことができる。これによって、第一接続導体21の導体端部21b及び第二接続導体23の導体端部23bが内層側に沈み易くなると共に、第一並列接続用スルーホール導体65とのコンタクト性を向上させることができる。
【0041】
第一接続導体21及び第二接続導体23の沈み量が大きくなると共に、第一並列接続用スルーホール導体65が第二接続導体23及び第一接続導体21に食い込んでコンタクト性が向上したことによって、焼成時は、図7(b)に示すように、体積ボリュームの大きい引出導体11,12,13及び引出導体用スルーホール導体71が熱収縮を行うことで第一接続導体21及び第二接続導体23が外層側に引っ張られたとしても、第一並列接続用スルーホール導体65が各接続導体から外れることを防止することができる。これによって、積層型電子部品1の信頼性を向上させることができる。
【0042】
また、本実施形態に係る積層型電子部品1において、第一並列接続用スルーホール導体65の中心軸線は、引出導体用スルーホール導体71の中心軸線と一致している。第一並列接続用スルーホール導体65の中心軸線が大きな体積ボリュームを有する引出導体用スルーホール導体71の中心軸線と一致していることによって、積層圧着時における圧力が第一並列接続用スルーホール導体65に伝達しやすくなることによって、第一並列接続用スルーホール導体65を第一接続導体21及び第二接続導体23に確実に食い込ませることができる。
【0043】
また、本実施形態に係る積層型電子部品1において、第一並列接続用スルーホール導体65は、第二並列接続用スルーホール導体66と同一の直径を有している。第一並列接続用スルーホール導体65を形成するためのスルーホールと第二並列接続用スルーホール導体66を形成するためのスルーホールは同一のフェライトシートに形成されるが、それぞれ同一の直径を有していることによって、同一径の加工具を用いることができ、製造効率が向上する。
【0044】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0045】
例えば、上述の実施形態では、第一並列接続用スルーホール導体65の中心軸線が引出導体用スルーホール導体71の中心軸線と一致していたが、これに代えて、図8に示すように、第一並列接続用スルーホール導体65の中心軸線が、積層方向から見て、引出導体用スルーホール導体71と重なった状態で、引出導体用スルーホール導体71の中心軸線からずれていてもよい。大きい体積ボリュームを有する引出導体用スルーホール導体71と第一並列接続用スルーホール導体65の中心軸線がずれていることによって、焼成時に第一並列接続用スルーホール導体65を外れにくくすることができる。
【0046】
また、上述の実施形態では、第一並列接続用スルーホール導体65の厚みと引出導体用スルーホール導体71の厚みは、同一とされていたが、これに代えて、第一並列接続用スルーホール導体65の厚みを、引出導体用スルーホール導体71の厚みよりも厚くしてもよい。図8に示すように、図中t1で示す寸法を図中t2で示す寸法よりも大きくすることができる。このように、第一並列接続用スルーホール導体65の厚みを厚くすることによって、積層圧着時に第一並列接続用スルーホール導体65が第一接続導体21及び第二接続導体23に食い込みやすくなるため、第一並列接続用スルーホール導体65が各接続導体から外れることを一層防止することができる。なお、寸法t1及び寸法t2の範囲は上述の実施形態と同じく、10μm〜40μm程度、より好ましくは20μm〜30μmの範囲で設定することができ、t1>t2の関係を満たすように、各寸法が設定される。
【0047】
なお、上述の実施形態においては、第一並列接続スルーホール導体が引出導体用スルーホール導体よりも小さい直径を有している構成が、素体2の積層方向の両端側について適用されているが、少なくとも一方の端部側においてのみ適用されているものであっても本発明の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0048】
1…積層型電子部品、2…素体、3…コイル、3a,3b…コイル端、4,5…外部電極、10…絶縁体層、11,12,13,14,15,16…引出導体、21,22…第一接続導体、21a,22a…導体端部(他端部)21b,22b…導体端部(一端部)、23,24…第二接続導体、23a,24a…導体端部(他端部)、23b,24b…導体端部(一端部)、30,31,32,33,34,35,36,37,38,39…コイル導体、41,42,43,44,45…複数のコイル導体の組、65,68…第一並列接続用スルーホール導体、66,69…第二並列接続用スルーホール導体、67,70…直列接続用スルーホール導体、71,72…引出導体用スルーホール導体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の矩形状の絶縁体層を積層することによって形成される素体と、
前記絶縁体層を挟んで並列接続される複数のコイル導体の組を、積層方向に複数組直列接続することによって、前記素体内部で螺旋状に形成されるコイルと、
前記積層方向における前記素体の両端部にそれぞれ形成される一対の外部電極と、
少なくとも一方の前記外部電極と前記コイルのコイル端との間に積層され、前記コイル端を積層方向に引き出して前記外部電極と前記コイルとを電気的に接続する引出導体と、
前記引出導体と前記コイルの前記コイル端との間に積層され、前記コイルの周回中心線側に配置される前記引出導体と前記絶縁体層の角部側に配置される前記コイル端とを電気的に接続する第一接続導体と、
前記第一接続導体と前記コイル端との間に積層され、前記第一接続導体と互いに平行をなすと共に並列接続される第二接続導体と、
前記引出導体と前記第一接続導体の一端部とを電気的に接続する引出導体用スルーホール導体と、
前記第一接続導体の前記一端部と前記第二接続導体の一端部とを電気的に接続する第一並列接続用スルーホール導体と、
前記第一接続導体の他端部と前記第二接続導体の他端部とを電気的に接続する第二並列接続用スルーホール導体と、
前記第二接続導体の前記他端部と前記コイル端とを電気的に接続する直列接続用スルーホール導体と、を備え、
前記第一接続導体及び前記第二接続導体は、前記絶縁体層の前記角部側から前記周回中心線側へ直線状に延び、
前記第一並列接続用スルーホール導体は、前記引出導体用スルーホール導体よりも小さい直径を有することを特徴とする積層型電子部品。
【請求項2】
前記第一並列接続用スルーホール導体の中心軸線は、前記引出導体用スルーホール導体の中心軸線と一致することを特徴とする請求項1記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記第一並列接続用スルーホール導体の中心軸線は、前記積層方向から見て、前記引出導体用スルーホール導体と重なった状態で、当該引出導体用スルーホール導体の中心軸線からずれていることを特徴とする請求項1記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記第一並列接続用スルーホール導体は、前記第二並列接続用スルーホール導体と同一の直径を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記第一並列接続用スルーホール導体は、前記引出導体用スルーホール導体の厚みよりも厚くされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の積層型電子部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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