積層型電子部品
【課題】小型化した場合であってもコイル導体に不具合が生じることを抑制できる積層型電子部品を提供する。
【解決手段】積層型電子部品1では、絶縁体層11を圧着する際、コイル導体12が形成された絶縁体層11の中心付近が引出導体13及び接続導体14によって押し込まれることによって楔効果が生じ、コイル導体12の位置ずれが抑制される。このとき、積層型電子部品1では、コイル導体12と引出導体13とを素体2の積層方向から重ね合わせて見たときに、コイル導体12のパッド部23の輪郭形状が、引出導体13のパッド部26の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっている。このため、積層型電子部品1が小型化した場合であっても、引出導体13とコイル導体12との間に一定のスペースが設けられ、楔効果が過剰となることを防止できるので、コイル導体12に不具合が生じることを抑制できる。
【解決手段】積層型電子部品1では、絶縁体層11を圧着する際、コイル導体12が形成された絶縁体層11の中心付近が引出導体13及び接続導体14によって押し込まれることによって楔効果が生じ、コイル導体12の位置ずれが抑制される。このとき、積層型電子部品1では、コイル導体12と引出導体13とを素体2の積層方向から重ね合わせて見たときに、コイル導体12のパッド部23の輪郭形状が、引出導体13のパッド部26の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっている。このため、積層型電子部品1が小型化した場合であっても、引出導体13とコイル導体12との間に一定のスペースが設けられ、楔効果が過剰となることを防止できるので、コイル導体12に不具合が生じることを抑制できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の積層型電子部品として例えば特許文献1に記載の電子部品がある。この従来の電子部品は、略直方体形状の素体内にコイルを備えて構成されている。コイルの引出部は、コイルの中心軸に沿って伸びており、素体の端面に形成された端子電極に接続されている。このような電子部品では、実装面に対してコイルが平行となり、端子電極とコイルとの間の浮遊容量を低減できるため、高周波帯域でのノイズ除去機能を確保できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−260644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような積層型電子部品は、例えばコイルを形成する内部導体(コイル導体)を備えた絶縁体層と、引出部を形成する内部導体(引出導体)を備えた絶縁体層と、コイルと引出部を接続する内部導体(接続導体)を備えた絶縁体層とを所定の順序で積層し、これを焼結することで作製される。コイル導体の中心軸に沿って引出導体が配置されている場合、各絶縁体層を積層して圧着する際に引出導体及び接続導体が楔となり、コイル導体の位置ずれが抑制される効果(楔効果)が得られる。
【0005】
しかしながら、近年では積層型電子部品の小型化が進み、これに伴ってコイル径も小さくなってきている。そのため、楔効果が過剰となり易く、絶縁体層を圧着する際、コイル導体に積層ずれ・変形・断裂などの不具合が生じるおそれがある。
【0006】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、小型化した場合であってもコイル導体に不具合が生じることを抑制できる積層型電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の解決のため、本発明に係る積層型電子部品は、複数の絶縁体層を積層してなる素体と、素体における積層方向の端部に設けられた端子電極と、を備え、素体内には、積層方向に延在するコイルを形成するコイル導体と、コイルの中心軸に沿って延在すると共に端子電極に接続される引出導体と、コイル導体と引出導体とを接続する接続導体と、が配置され、コイル導体の導体パターンは、略コの字状をなすと共に、スルーホールが形成されたパッド部を両端にそれぞれ有し、引出導体の導体パターンは、中心軸と同軸にスルーホールが形成されたパッド部を有し、コイル導体と引出導体とを素体の積層方向から重ね合わせて見たときに、引出導体のパッド部の輪郭形状が、コイル導体のパッド部の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっていることを特徴としている。
【0008】
この積層型電子部品では、複数の絶縁体層を圧着する際、コイル導体が形成された絶縁体層の中心付近が引出導体及び接続導体によって押し込まれることによって楔効果が生じ、コイル導体の位置ずれが抑制される。このとき、この積層型電子部品では、コイル導体と引出導体とを素体の積層方向から重ね合わせて見たときに、引出導体のパッド部の輪郭形状が、コイル導体のパッド部の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっている。このため、積層型電子部品が小型化した場合であっても、引出導体とコイル導体との間に一定のスペースが設けられるので、楔効果が過剰となることを防止できる。したがって、コイル導体に積層ずれ・変形・断裂などの不具合が生じることを抑制できる。
【0009】
また、引出導体のパッド部の輪郭形状には、複数の角部と、コイル導体のパッド部に対向する対向辺とが含まれ、対向辺は、角部同士を結ぶ直線、及び直線よりも内側を通る直線或いは曲線のいずれかであることが好ましい。これにより、引出導体とコイル導体との間のスペースを好適に確保できる。
【0010】
また、コイル導体と引出導体とを素体の積層方向から重ね合わせて見たときに、コイル導体のパッド部の輪郭形状が、引出導体のパッド部の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっていることが好ましい。この場合、引出導体とコイル導体との間のスペースが更に確保され、コイル導体に積層ずれ・変形・断裂などの不具合が生じることをより確実に抑制できる。
【0011】
また、コイル導体のパッド部の輪郭形状には、複数の角部と、引出導体のパッド部に対向する対向辺とが含まれ、対向辺は、角部同士を結ぶ直線、及び直線よりも内側を通る直線或いは曲線のいずれかであることが好ましい。これにより、引出導体とコイル導体との間のスペースを好適に確保できる。
【0012】
また、接続導体の導体パターンは、コイル導体のパッド部と引出導体のパッド部とに対応するパッド部を有し、コイル導体と接続導体とを素体の積層方向から重ね合わせて見たときに、接続導体のパッド部の輪郭形状が、コイル導体のパッド部の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっていることが好ましい。この場合、接続導体とコイル導体との間のスペースが確保され、コイル導体に積層ずれ・変形・断裂などの不具合が生じることをより確実に抑制できる。
【0013】
また、接続導体のパッド部の輪郭形状には、複数の角部と、コイル導体のパッド部に対向する対向辺とが含まれ、対向辺は、角部同士を結ぶ直線、及び直線よりも内側を通る直線或いは曲線のいずれかであることが好ましい。これにより、接続導体とコイル導体との間のスペースを好適に確保できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、小型化した場合であってもコイル導体に不具合が生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る積層型電子部品の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示した積層型電子部品の層構成を示す分解斜視図である。
【図3】図1におけるIII−III線断面図である。
【図4】コイル導体のパターンの一例を示す平面図である。
【図5】引出導体のパターンの一例を示す平面図である。
【図6】接続導体のパターンの一例を示す平面図である。
【図7】コイル導体と引出導体とを素体の積層方向から重ね合わせて見た図である。
【図8】コイル導体と接続導体とを素体の積層方向から重ね合わせて見た図である。
【図9】コイル導体のパッド部の変形例を示す図である。
【図10】引出導体のパッド部の変形例を示す図である。
【図11】接続導体のパッド部の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る積層型電子部品の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る積層型電子部品の一実施形態を示す斜視図である。また、図2は、図1に示した積層型電子部品の層構成を示す分解斜視図であり、図3は、図1におけるIII−III線断面図である。図1〜図3に示すように、積層型電子部品1は、略直方体形状の素体2と、素体2の表面に設けられた一対の端子電極3,3とを備えている。
【0018】
素体2は、複数の絶縁体層11(図2参照)を積層することによって構成されている。絶縁体層11は、例えばFe、Ni、Cu、Znなどを主成分としたフェライト材料のグリーンシートを用いて形成される。素体2は、各グリーンシートに所定の導体パターン及びスルーホールを形成し、これらを所定の順序で積層及び圧着して得られた積層体を焼成することによって作製される。なお、素体2において、各絶縁体層11は、互いの境界が視認できない程度に一体化されている。
【0019】
端子電極3は、素体2における積層方向の端面を覆うように形成されている。端子電極3は、素体2の形成後に、例えばAgやガラスを主成分とした導電性ペーストをディップ法などによって塗布し、これを焼成することによって得られる。端子電極3の表面には、必要に応じてメッキ処理が施される。
【0020】
素体2の内部には、図2及び図3に示すように、コイルMを形成するコイル導体12と、コイルMを端子電極3側に引き出す引出導体13と、コイル導体12と引出導体13との間に介在する接続導体14とが配置されている。
【0021】
コイル導体12を形成する導体パターン21は、図4に示すように、いずれも略コの字状に形成されている。導体パターン21の一端部及び他端部には、スルーホール22に対応するパッド部23がそれぞれ形成されている。各導体パターン21は、図2に示すように、90度ずつ位相をずらした状態でスルーホール22を介して直列に接続されており、積層方向に延在するコイルMを形成している。
【0022】
引出導体13を形成する導体パターン24は、図5に示すように、スルーホール25に対応するパッド部26からなり、コイル導体12によって形成されるコイルMの中心軸L(図3参照)と同軸に配置されている。各導体パターン24は、図2に示すように、スルーホール25を介して直列に接続されており、コイルMの中心軸Lに沿って延在する引出導体13を形成している。引出導体13の外側端部は、素体2の積層方向の端面に露出し、端子電極3に接続されている。
【0023】
接続導体14を形成する導体パターン27は、図6に示すように、コイル導体12の一方のパッド部23に対応する位置と、引出導体13のパッド部26に対応する位置とを結ぶように形成されている。導体パターン27の一端部には、スルーホール25に対応するパッド部28が引出導体13のパッド部26と同軸に形成され、導体パターン27の他端部には、スルーホール22に対応するパッド部29がコイル導体12のパッド部23と同軸に形成されている。図2に示すように、導体パターン27の一端部は、スルーホール25を介して引出導体13の他端部に接続され、導体パターン27の他端部は、スルーホール22を介してコイル導体12の端部に接続されている。
【0024】
以上のような導体パターン21、導体パターン24、及び導体パターン27は、例えばAgを主成分とした導電性ペーストをスクリーン印刷などを用いてグリーンシートにパターン形成し、これを焼成することによって得られる。このとき、導体パターン21、導体パターン24、導体パターン27の厚さは、例えば5〜20μm、好ましくは10〜15μmに設定される。
【0025】
次に、上述したコイル導体12のパッド部23、引出導体13のパッド部26、及び接続導体14のパッド部28の形状について説明する。
【0026】
図4に示すように、コイル導体12のパッド部23の輪郭形状は、その大部分が円形状をなしている。一方、パッド部23の輪郭形状は、その付根部分と、他方のパッド部23に張り出す張出部分の先端とにそれぞれ角部23a,23aを有している。これらの角部23a,23aを結ぶ直線状の辺は、図7に示すように、コイル導体12と引出導体13とを素体2の積層方向から重ね合わせて見たときに、引出導体13のパッド部26に対向する対向辺23bとなっている。
【0027】
また、図5に示すように、引出導体13のパッド部26の輪郭形状は、矩形状をなしている。パッド部26の輪郭形状において、角部26a,26aを結ぶ直線状の各辺は、図7に示すように、コイル導体12と引出導体13とを素体2の積層方向から重ね合わせて見たときに、コイル導体12のパッド部23に対向する対向辺26bとなっている。
【0028】
このような対向辺23b,26bの形成により、コイル導体12と引出導体13とを素体2の積層方向から重ね合わせて見たときに、コイル導体12のパッド部23の輪郭形状は、引出導体13のパッド部26の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっており、かつ引出導体13のパッド部26の輪郭形状は、コイル導体12のパッド部23の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっている。したがって、引出導体13のパッド部26とコイル導体12のパッド部23との間には、これらの逃げ形状によって一定のスペースが形成されることとなる。
【0029】
さらに、図6に示すように、接続導体14のパッド部28の輪郭形状は、パッド部29側に延びる部位を除いて、引出導体13のパッド部26と同様の矩形状をなしている。パッド部28の輪郭形状において、角部28a,28aを結ぶ直線状の各辺は、図8に示すように、コイル導体12と接続導体14とを素体2の積層方向から重ね合わせて見たときに、コイル導体12のパッド部23に対向する対向辺28bとなっている。
【0030】
このような対向辺28bの形成により、コイル導体12と接続導体14とを素体2の積層方向から重ね合わせて見たときに、接続導体14のパッド部28の輪郭形状は、コイル導体12のパッド部23の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっている。したがって、接続導体14のパッド部28とコイル導体12のパッド部23との間には、逃げ形状によって一定のスペースが形成されることとなる。
【0031】
以上の構成を有する積層型電子部品1では、複数の絶縁体層11を圧着する際、コイル導体12が形成された絶縁体層11の中心付近が引出導体13及び接続導体14によって押し込まれることによって楔効果が生じ、コイル導体12の位置ずれが抑制される。
【0032】
このとき、積層型電子部品1では、コイル導体12と引出導体13とを素体2の積層方向から重ね合わせて見たときに、コイル導体12のパッド部23の輪郭形状が、引出導体13のパッド部26の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっており、かつ引出導体13のパッド部26の輪郭形状が、コイル導体12のパッド部23の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっている。このため、積層型電子部品1が小型化した場合であっても、引出導体13とコイル導体12との間に一定のスペースが設けられるので、楔効果が過剰となることを防止できる。したがって、コイル導体12に積層ずれ・変形・断裂などの不具合が生じることを抑制できる。
【0033】
また、積層型電子部品1では、コイル導体12と接続導体14とを素体2の積層方向から重ね合わせて見たときに、接続導体14のパッド部28の輪郭形状が、コイル導体12のパッド部23の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっている。これにより、接続導体14とコイル導体12との間にも一定のスペースが設けられるので、楔効果が過剰となることを防止できる。したがって、コイル導体12に積層ずれ・変形・断裂などの不具合が生じることを一層確実に抑制できる。
【0034】
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上述した実施形態では、対向辺23b,26b,28bを直線状に形成しているが、これらの対向辺は、角部同士を結ぶ直線よりも内側を通る直線或いは曲線のいずれかであってもよい。
【0035】
コイル導体12のパッド部23の変形例として、例えば図9(a)に示すように、角部23a,23aを結ぶ直線よりも内側に弧を描く曲線によって対向辺23cを形成してもよく、図9(b)に示すように、角部23a,23aを結ぶ直線よりも内側に別の角部23dを設け、角部23a,23dを結ぶ直線と角部23d,23aを結ぶ直線とによって対向辺28eを形成してもよい。
【0036】
引出導体13のパッド部26の変形例として、例えば図10(a)に示すように、角部26a,26aを結ぶ直線よりも内側に弧を描く曲線によって対向辺26cを形成してもよく、図10(b)に示すように、角部26a,26aを結ぶ直線よりも内側に別の角部26dを設け、角部26a,26dを結ぶ直線と角部26d,26aを結ぶ直線とによって対向辺26eを形成してもよい。
【0037】
接続導体14のパッド部28の変形例として、例えば図11(a)に示すように、角部28a,28aを結ぶ直線よりも内側に弧を描く曲線によって対向辺28cを形成してもよく、図11(b)に示すように、角部28a,28aを結ぶ直線よりも内側に別の角部28dを設け、角部28a,28dを結ぶ直線と角部28d,28aを結ぶ直線とによって対向辺28eを形成してもよい。
【0038】
このような変形例では、素体2の積層方向から重ね合わせて見たときのコイル導体12のパッド部23と引出導体13のパッド部26との間のスペース、及び接続導体14のパッド部28とコイル導体12のパッド部23との間のスペースをより広範に確保できる。したがって、コイル導体12に積層ずれ・変形・断裂などの不具合が生じることを一層確実に抑制できる。
【符号の説明】
【0039】
1…積層型電子部品、2…素体、3…端子電極、11…絶縁体層、12…コイル導体、13…引出導体、14…接続導体、23…(コイル導体の)パッド部、22,25…スルーホール、26…(引出導体の)パッド部、28…(接続導体の)パッド部、23a,26a,28a…角部、23b,23c,23e,26b,26c,26e,28b,28c,28e…対向辺、M…コイル、L…中心軸。
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の積層型電子部品として例えば特許文献1に記載の電子部品がある。この従来の電子部品は、略直方体形状の素体内にコイルを備えて構成されている。コイルの引出部は、コイルの中心軸に沿って伸びており、素体の端面に形成された端子電極に接続されている。このような電子部品では、実装面に対してコイルが平行となり、端子電極とコイルとの間の浮遊容量を低減できるため、高周波帯域でのノイズ除去機能を確保できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−260644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような積層型電子部品は、例えばコイルを形成する内部導体(コイル導体)を備えた絶縁体層と、引出部を形成する内部導体(引出導体)を備えた絶縁体層と、コイルと引出部を接続する内部導体(接続導体)を備えた絶縁体層とを所定の順序で積層し、これを焼結することで作製される。コイル導体の中心軸に沿って引出導体が配置されている場合、各絶縁体層を積層して圧着する際に引出導体及び接続導体が楔となり、コイル導体の位置ずれが抑制される効果(楔効果)が得られる。
【0005】
しかしながら、近年では積層型電子部品の小型化が進み、これに伴ってコイル径も小さくなってきている。そのため、楔効果が過剰となり易く、絶縁体層を圧着する際、コイル導体に積層ずれ・変形・断裂などの不具合が生じるおそれがある。
【0006】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、小型化した場合であってもコイル導体に不具合が生じることを抑制できる積層型電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の解決のため、本発明に係る積層型電子部品は、複数の絶縁体層を積層してなる素体と、素体における積層方向の端部に設けられた端子電極と、を備え、素体内には、積層方向に延在するコイルを形成するコイル導体と、コイルの中心軸に沿って延在すると共に端子電極に接続される引出導体と、コイル導体と引出導体とを接続する接続導体と、が配置され、コイル導体の導体パターンは、略コの字状をなすと共に、スルーホールが形成されたパッド部を両端にそれぞれ有し、引出導体の導体パターンは、中心軸と同軸にスルーホールが形成されたパッド部を有し、コイル導体と引出導体とを素体の積層方向から重ね合わせて見たときに、引出導体のパッド部の輪郭形状が、コイル導体のパッド部の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっていることを特徴としている。
【0008】
この積層型電子部品では、複数の絶縁体層を圧着する際、コイル導体が形成された絶縁体層の中心付近が引出導体及び接続導体によって押し込まれることによって楔効果が生じ、コイル導体の位置ずれが抑制される。このとき、この積層型電子部品では、コイル導体と引出導体とを素体の積層方向から重ね合わせて見たときに、引出導体のパッド部の輪郭形状が、コイル導体のパッド部の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっている。このため、積層型電子部品が小型化した場合であっても、引出導体とコイル導体との間に一定のスペースが設けられるので、楔効果が過剰となることを防止できる。したがって、コイル導体に積層ずれ・変形・断裂などの不具合が生じることを抑制できる。
【0009】
また、引出導体のパッド部の輪郭形状には、複数の角部と、コイル導体のパッド部に対向する対向辺とが含まれ、対向辺は、角部同士を結ぶ直線、及び直線よりも内側を通る直線或いは曲線のいずれかであることが好ましい。これにより、引出導体とコイル導体との間のスペースを好適に確保できる。
【0010】
また、コイル導体と引出導体とを素体の積層方向から重ね合わせて見たときに、コイル導体のパッド部の輪郭形状が、引出導体のパッド部の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっていることが好ましい。この場合、引出導体とコイル導体との間のスペースが更に確保され、コイル導体に積層ずれ・変形・断裂などの不具合が生じることをより確実に抑制できる。
【0011】
また、コイル導体のパッド部の輪郭形状には、複数の角部と、引出導体のパッド部に対向する対向辺とが含まれ、対向辺は、角部同士を結ぶ直線、及び直線よりも内側を通る直線或いは曲線のいずれかであることが好ましい。これにより、引出導体とコイル導体との間のスペースを好適に確保できる。
【0012】
また、接続導体の導体パターンは、コイル導体のパッド部と引出導体のパッド部とに対応するパッド部を有し、コイル導体と接続導体とを素体の積層方向から重ね合わせて見たときに、接続導体のパッド部の輪郭形状が、コイル導体のパッド部の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっていることが好ましい。この場合、接続導体とコイル導体との間のスペースが確保され、コイル導体に積層ずれ・変形・断裂などの不具合が生じることをより確実に抑制できる。
【0013】
また、接続導体のパッド部の輪郭形状には、複数の角部と、コイル導体のパッド部に対向する対向辺とが含まれ、対向辺は、角部同士を結ぶ直線、及び直線よりも内側を通る直線或いは曲線のいずれかであることが好ましい。これにより、接続導体とコイル導体との間のスペースを好適に確保できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、小型化した場合であってもコイル導体に不具合が生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る積層型電子部品の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示した積層型電子部品の層構成を示す分解斜視図である。
【図3】図1におけるIII−III線断面図である。
【図4】コイル導体のパターンの一例を示す平面図である。
【図5】引出導体のパターンの一例を示す平面図である。
【図6】接続導体のパターンの一例を示す平面図である。
【図7】コイル導体と引出導体とを素体の積層方向から重ね合わせて見た図である。
【図8】コイル導体と接続導体とを素体の積層方向から重ね合わせて見た図である。
【図9】コイル導体のパッド部の変形例を示す図である。
【図10】引出導体のパッド部の変形例を示す図である。
【図11】接続導体のパッド部の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る積層型電子部品の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る積層型電子部品の一実施形態を示す斜視図である。また、図2は、図1に示した積層型電子部品の層構成を示す分解斜視図であり、図3は、図1におけるIII−III線断面図である。図1〜図3に示すように、積層型電子部品1は、略直方体形状の素体2と、素体2の表面に設けられた一対の端子電極3,3とを備えている。
【0018】
素体2は、複数の絶縁体層11(図2参照)を積層することによって構成されている。絶縁体層11は、例えばFe、Ni、Cu、Znなどを主成分としたフェライト材料のグリーンシートを用いて形成される。素体2は、各グリーンシートに所定の導体パターン及びスルーホールを形成し、これらを所定の順序で積層及び圧着して得られた積層体を焼成することによって作製される。なお、素体2において、各絶縁体層11は、互いの境界が視認できない程度に一体化されている。
【0019】
端子電極3は、素体2における積層方向の端面を覆うように形成されている。端子電極3は、素体2の形成後に、例えばAgやガラスを主成分とした導電性ペーストをディップ法などによって塗布し、これを焼成することによって得られる。端子電極3の表面には、必要に応じてメッキ処理が施される。
【0020】
素体2の内部には、図2及び図3に示すように、コイルMを形成するコイル導体12と、コイルMを端子電極3側に引き出す引出導体13と、コイル導体12と引出導体13との間に介在する接続導体14とが配置されている。
【0021】
コイル導体12を形成する導体パターン21は、図4に示すように、いずれも略コの字状に形成されている。導体パターン21の一端部及び他端部には、スルーホール22に対応するパッド部23がそれぞれ形成されている。各導体パターン21は、図2に示すように、90度ずつ位相をずらした状態でスルーホール22を介して直列に接続されており、積層方向に延在するコイルMを形成している。
【0022】
引出導体13を形成する導体パターン24は、図5に示すように、スルーホール25に対応するパッド部26からなり、コイル導体12によって形成されるコイルMの中心軸L(図3参照)と同軸に配置されている。各導体パターン24は、図2に示すように、スルーホール25を介して直列に接続されており、コイルMの中心軸Lに沿って延在する引出導体13を形成している。引出導体13の外側端部は、素体2の積層方向の端面に露出し、端子電極3に接続されている。
【0023】
接続導体14を形成する導体パターン27は、図6に示すように、コイル導体12の一方のパッド部23に対応する位置と、引出導体13のパッド部26に対応する位置とを結ぶように形成されている。導体パターン27の一端部には、スルーホール25に対応するパッド部28が引出導体13のパッド部26と同軸に形成され、導体パターン27の他端部には、スルーホール22に対応するパッド部29がコイル導体12のパッド部23と同軸に形成されている。図2に示すように、導体パターン27の一端部は、スルーホール25を介して引出導体13の他端部に接続され、導体パターン27の他端部は、スルーホール22を介してコイル導体12の端部に接続されている。
【0024】
以上のような導体パターン21、導体パターン24、及び導体パターン27は、例えばAgを主成分とした導電性ペーストをスクリーン印刷などを用いてグリーンシートにパターン形成し、これを焼成することによって得られる。このとき、導体パターン21、導体パターン24、導体パターン27の厚さは、例えば5〜20μm、好ましくは10〜15μmに設定される。
【0025】
次に、上述したコイル導体12のパッド部23、引出導体13のパッド部26、及び接続導体14のパッド部28の形状について説明する。
【0026】
図4に示すように、コイル導体12のパッド部23の輪郭形状は、その大部分が円形状をなしている。一方、パッド部23の輪郭形状は、その付根部分と、他方のパッド部23に張り出す張出部分の先端とにそれぞれ角部23a,23aを有している。これらの角部23a,23aを結ぶ直線状の辺は、図7に示すように、コイル導体12と引出導体13とを素体2の積層方向から重ね合わせて見たときに、引出導体13のパッド部26に対向する対向辺23bとなっている。
【0027】
また、図5に示すように、引出導体13のパッド部26の輪郭形状は、矩形状をなしている。パッド部26の輪郭形状において、角部26a,26aを結ぶ直線状の各辺は、図7に示すように、コイル導体12と引出導体13とを素体2の積層方向から重ね合わせて見たときに、コイル導体12のパッド部23に対向する対向辺26bとなっている。
【0028】
このような対向辺23b,26bの形成により、コイル導体12と引出導体13とを素体2の積層方向から重ね合わせて見たときに、コイル導体12のパッド部23の輪郭形状は、引出導体13のパッド部26の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっており、かつ引出導体13のパッド部26の輪郭形状は、コイル導体12のパッド部23の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっている。したがって、引出導体13のパッド部26とコイル導体12のパッド部23との間には、これらの逃げ形状によって一定のスペースが形成されることとなる。
【0029】
さらに、図6に示すように、接続導体14のパッド部28の輪郭形状は、パッド部29側に延びる部位を除いて、引出導体13のパッド部26と同様の矩形状をなしている。パッド部28の輪郭形状において、角部28a,28aを結ぶ直線状の各辺は、図8に示すように、コイル導体12と接続導体14とを素体2の積層方向から重ね合わせて見たときに、コイル導体12のパッド部23に対向する対向辺28bとなっている。
【0030】
このような対向辺28bの形成により、コイル導体12と接続導体14とを素体2の積層方向から重ね合わせて見たときに、接続導体14のパッド部28の輪郭形状は、コイル導体12のパッド部23の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっている。したがって、接続導体14のパッド部28とコイル導体12のパッド部23との間には、逃げ形状によって一定のスペースが形成されることとなる。
【0031】
以上の構成を有する積層型電子部品1では、複数の絶縁体層11を圧着する際、コイル導体12が形成された絶縁体層11の中心付近が引出導体13及び接続導体14によって押し込まれることによって楔効果が生じ、コイル導体12の位置ずれが抑制される。
【0032】
このとき、積層型電子部品1では、コイル導体12と引出導体13とを素体2の積層方向から重ね合わせて見たときに、コイル導体12のパッド部23の輪郭形状が、引出導体13のパッド部26の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっており、かつ引出導体13のパッド部26の輪郭形状が、コイル導体12のパッド部23の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっている。このため、積層型電子部品1が小型化した場合であっても、引出導体13とコイル導体12との間に一定のスペースが設けられるので、楔効果が過剰となることを防止できる。したがって、コイル導体12に積層ずれ・変形・断裂などの不具合が生じることを抑制できる。
【0033】
また、積層型電子部品1では、コイル導体12と接続導体14とを素体2の積層方向から重ね合わせて見たときに、接続導体14のパッド部28の輪郭形状が、コイル導体12のパッド部23の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっている。これにより、接続導体14とコイル導体12との間にも一定のスペースが設けられるので、楔効果が過剰となることを防止できる。したがって、コイル導体12に積層ずれ・変形・断裂などの不具合が生じることを一層確実に抑制できる。
【0034】
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上述した実施形態では、対向辺23b,26b,28bを直線状に形成しているが、これらの対向辺は、角部同士を結ぶ直線よりも内側を通る直線或いは曲線のいずれかであってもよい。
【0035】
コイル導体12のパッド部23の変形例として、例えば図9(a)に示すように、角部23a,23aを結ぶ直線よりも内側に弧を描く曲線によって対向辺23cを形成してもよく、図9(b)に示すように、角部23a,23aを結ぶ直線よりも内側に別の角部23dを設け、角部23a,23dを結ぶ直線と角部23d,23aを結ぶ直線とによって対向辺28eを形成してもよい。
【0036】
引出導体13のパッド部26の変形例として、例えば図10(a)に示すように、角部26a,26aを結ぶ直線よりも内側に弧を描く曲線によって対向辺26cを形成してもよく、図10(b)に示すように、角部26a,26aを結ぶ直線よりも内側に別の角部26dを設け、角部26a,26dを結ぶ直線と角部26d,26aを結ぶ直線とによって対向辺26eを形成してもよい。
【0037】
接続導体14のパッド部28の変形例として、例えば図11(a)に示すように、角部28a,28aを結ぶ直線よりも内側に弧を描く曲線によって対向辺28cを形成してもよく、図11(b)に示すように、角部28a,28aを結ぶ直線よりも内側に別の角部28dを設け、角部28a,28dを結ぶ直線と角部28d,28aを結ぶ直線とによって対向辺28eを形成してもよい。
【0038】
このような変形例では、素体2の積層方向から重ね合わせて見たときのコイル導体12のパッド部23と引出導体13のパッド部26との間のスペース、及び接続導体14のパッド部28とコイル導体12のパッド部23との間のスペースをより広範に確保できる。したがって、コイル導体12に積層ずれ・変形・断裂などの不具合が生じることを一層確実に抑制できる。
【符号の説明】
【0039】
1…積層型電子部品、2…素体、3…端子電極、11…絶縁体層、12…コイル導体、13…引出導体、14…接続導体、23…(コイル導体の)パッド部、22,25…スルーホール、26…(引出導体の)パッド部、28…(接続導体の)パッド部、23a,26a,28a…角部、23b,23c,23e,26b,26c,26e,28b,28c,28e…対向辺、M…コイル、L…中心軸。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の絶縁体層を積層してなる素体と、
前記素体における積層方向の端部に設けられた端子電極と、を備え、
前記素体内には、
前記積層方向に延在するコイルを形成するコイル導体と、
前記コイルの中心軸に沿って延在すると共に前記端子電極に接続される引出導体と、
前記コイル導体と前記引出導体とを接続する接続導体と、が配置され、
前記コイル導体の導体パターンは、略コの字状をなすと共に、スルーホールが形成されたパッド部を両端にそれぞれ有し、
前記引出導体の導体パターンは、前記中心軸と同軸にスルーホールが形成されたパッド部を有し、
前記コイル導体と前記引出導体とを前記素体の積層方向から重ね合わせて見たときに、前記引出導体のパッド部の輪郭形状が、前記コイル導体のパッド部の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっていることを特徴とする積層型電子部品。
【請求項2】
前記引出導体のパッド部の輪郭形状には、複数の角部と、前記コイル導体のパッド部に対向する対向辺とが含まれ、
前記対向辺は、前記角部同士を結ぶ直線、及び前記直線よりも内側を通る直線或いは曲線のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記コイル導体と前記引出導体とを前記素体の積層方向から重ね合わせて見たときに、前記コイル導体のパッド部の輪郭形状が、前記引出導体のパッド部の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっていることを特徴とする請求項1又は2記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記コイル導体のパッド部の輪郭形状には、複数の角部と、前記引出導体のパッド部に対向する対向辺とが含まれ、
前記対向辺は、前記角部同士を結ぶ直線、及び前記直線よりも内側を通る直線或いは曲線のいずれかであることを特徴とする請求項3記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記接続導体の導体パターンは、前記コイル導体のパッド部と前記引出導体のパッド部とに対応するパッド部を有し、
前記コイル導体と前記接続導体とを前記素体の積層方向から重ね合わせて見たときに、前記接続導体のパッド部の輪郭形状が、前記コイル導体のパッド部の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記接続導体のパッド部の輪郭形状には、複数の角部と、前記コイル導体のパッド部に対向する対向辺とが含まれ、
前記対向辺は、前記角部同士を結ぶ直線、及び前記直線よりも内側を通る直線或いは曲線のいずれかであることを特徴とする請求項5記載の積層型電子部品。
【請求項1】
複数の絶縁体層を積層してなる素体と、
前記素体における積層方向の端部に設けられた端子電極と、を備え、
前記素体内には、
前記積層方向に延在するコイルを形成するコイル導体と、
前記コイルの中心軸に沿って延在すると共に前記端子電極に接続される引出導体と、
前記コイル導体と前記引出導体とを接続する接続導体と、が配置され、
前記コイル導体の導体パターンは、略コの字状をなすと共に、スルーホールが形成されたパッド部を両端にそれぞれ有し、
前記引出導体の導体パターンは、前記中心軸と同軸にスルーホールが形成されたパッド部を有し、
前記コイル導体と前記引出導体とを前記素体の積層方向から重ね合わせて見たときに、前記引出導体のパッド部の輪郭形状が、前記コイル導体のパッド部の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっていることを特徴とする積層型電子部品。
【請求項2】
前記引出導体のパッド部の輪郭形状には、複数の角部と、前記コイル導体のパッド部に対向する対向辺とが含まれ、
前記対向辺は、前記角部同士を結ぶ直線、及び前記直線よりも内側を通る直線或いは曲線のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記コイル導体と前記引出導体とを前記素体の積層方向から重ね合わせて見たときに、前記コイル導体のパッド部の輪郭形状が、前記引出導体のパッド部の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっていることを特徴とする請求項1又は2記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記コイル導体のパッド部の輪郭形状には、複数の角部と、前記引出導体のパッド部に対向する対向辺とが含まれ、
前記対向辺は、前記角部同士を結ぶ直線、及び前記直線よりも内側を通る直線或いは曲線のいずれかであることを特徴とする請求項3記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記接続導体の導体パターンは、前記コイル導体のパッド部と前記引出導体のパッド部とに対応するパッド部を有し、
前記コイル導体と前記接続導体とを前記素体の積層方向から重ね合わせて見たときに、前記接続導体のパッド部の輪郭形状が、前記コイル導体のパッド部の輪郭形状から逃げる逃げ形状となっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記接続導体のパッド部の輪郭形状には、複数の角部と、前記コイル導体のパッド部に対向する対向辺とが含まれ、
前記対向辺は、前記角部同士を結ぶ直線、及び前記直線よりも内側を通る直線或いは曲線のいずれかであることを特徴とする請求項5記載の積層型電子部品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−221994(P2012−221994A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82878(P2011−82878)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
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