説明

積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置

【課題】金属箔と絶縁接着フィルムの組合せ材を、異物混入による不良が生じないようにして積み重ねることができる積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置を提供する。
【解決手段】長尺の金属箔1を巻いたロール3、長尺の絶縁接着フィルム2を巻いたロール4、並びに金属箔1及び絶縁接着フィルム2を各ロール3,4から繰り出すと共に重ね合わせて巻き取るための回転駆動自在な巻き取り具5を具備する装置本体6を備える。装置本体6の周囲を取り囲む仕切7を備える。前記仕切7内の換気を行うためのフィルター8a付き換気手段8を備える。前記仕切7の内側に浮遊する異物の量を検知する異物検出手段9を備える。前記異物検出手段9により検知された異物の量が所定量以上となった場合に作動する報知手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属箔と絶縁接着フィルムとを重ね合わせて成形することによって積層板を製造する際に使用する金属箔と絶縁接着フィルムとの積み重ね装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルプリント配線板のような、薄いプリント配線板は、ポリイミドフィルムなど絶縁接着フィルム2の両側に、銅箔など金属箔1,1を重ね、これを加熱加圧成形することによって、両面金属箔張り積層板を作製し、この積層板の両面の金属箔をパターニングして回路形成をすることによって製造されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等参照)。ここで、絶縁接着フィルム2の両側に金属箔1,1を重ねて加熱加圧成形するにあたっては、図12(a)に示すように、この絶縁接着フィルム2の両側に金属箔1,1を重ねたものを一組の組合せ材Aとし、この多数組の組合せ材Aをキャリア板53の上に多段に積み重ねると共に最上段にプレート55を重ね、これを上下の熱盤54,54の間にセットして、加熱加圧成形を行なうことによって、一度の成形で多数枚の、図12(b)のような両面金属箔張り積層板Bを製造するようにしている。
【0003】
上記のように積層板を成形するに際して、絶縁接着フィルム2の両側に金属箔1,1を重ねた組合せ材Aを多段に積み重ねる作業は、金属箔1、絶縁接着フィルム2、金属箔1の順の繰り返しで、所定の寸法にカットされた金属箔1と絶縁接着フィルム2をキャリア板53の上に一枚ずつ重ねることによって行なわれているが、金属箔1と絶縁接着フィルム2の積み重ねの枚数は多数枚であり、しかも金属箔1や絶縁接着フィルム2は厚みが薄いために、所定の寸法にカットされた金属箔1や絶縁接着フィルム2を一枚ずつ取り扱うことは困難である。このために、この積み重ねの作業には非常な手間と時間を要するものであった。
【0004】
そこで、本出願人は、金属箔と絶縁接着フィルムとを重ねた組合せ材を容易に且つ生産性高く積み重ねることができる積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置を提供している(特願2003−181821号)。
【0005】
この積み重ね装置は、図13に示すように、長尺の金属箔1を巻いたロール3と、長尺の絶縁接着フィルム2を巻いたロール4と、金属箔1と絶縁接着フィルム2とを各ロール3、4から繰り出すと共に重ね合わせて巻き取る回転駆動自在な巻き取り具5とを備えるものであって、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねて一組の組合せ材Aとし、この組合せ材Aの先端を巻き取り具5の外面の一所に保持させた状態で、回転軸56を中心にして巻き取り具5を一方向に回転駆動させることによって、金属箔1をロール3から、絶縁接着フィルム2をロール4からそれぞれ繰り出して、組合せ材Aを巻き取り具5に巻き取るようにするものである。
【特許文献1】特開平5-63322号公報
【特許文献2】特開平5−114784号公報
【特許文献3】特開2002-12846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記のような積み重ね装置にて金属箔1と絶縁接着フィルム2の組み合わせ材Aを作製する場合には、積み重ね装置を稼働させている際に空気中に浮遊している異物、例えば繊維などの微少な塵や埃などが金属箔1や絶縁接着フィルム2の間に入り込む場合がある。しかも、組み合わせ材Aは一体の部材として形成されるために、異物が混入した不良部分のみを取り除くことはできず、このため異物混入による不良発生は深刻なものとなってしまう。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、金属箔と絶縁接着フィルムの組合せ材を、異物混入による不良が生じないようにして積み重ねることができる積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置は、金属箔1と絶縁接着フィルム2とを重ねた組合せ材Aを複数積み重ね、これを積層成形することによって、組合せ材Aの金属箔1と絶縁接着フィルム2を積層一体化した積層板Bを製造する際に、金属箔1と絶縁接着フィルム2を重ねると共に組合せ材Aを積み重ねるために用いられる装置であって、長尺の金属箔1を巻いたロール3、長尺の絶縁接着フィルム2を巻いたロール4、並びに金属箔1及び絶縁接着フィルム2を各ロール3,4から繰り出すと共に重ね合わせて巻き取るための回転駆動自在な巻き取り具5を具備する装置本体6と、前記装置本体6の周囲を取り囲む仕切7と、前記仕切7内の換気を行うためのフィルター8a付き換気手段8と、前記仕切7の内側に浮遊する異物の量を検知する異物検出手段9と、前記異物検出手段9により検知された異物の量が所定量以上となった場合に作動する報知手段10とを備えることを特徴とするものである。このため、装置本体6の周囲の異物量が増大して雰囲気が悪化した場合に報知手段10が作動し、作業者や管理者等に報知することができる。
【0009】
上記異物検出手段9は、少なくとも1箇所の任意の検出箇所に配置される異物取り込み部9aと、前記異物取り込み部9aにて取り込まれた異物が送られて異物量を検出する異物検出器9bとを備えるものとすることができる。このようにすると、異物取り込み部9aにて取り込まれた異物の量を異物検出器9bで検知することができ、また前記検出箇所を組合せ材Aにおける金属箔1や絶縁接着フィルム2の間への異物の混入に影響する箇所に適宜設定して異物の混入による不良発生の危険性を確実に検知することができるようにすることができる。
【0010】
また、上記異物検出手段9により検知された異物の量が所定量以上となった場合に巻き取り具5を停止させ、その後、上記異物検出手段9にて検知される異物の量が所定量を下回った場合に巻き取り具5を再び回転駆動させる制御手段11を備えることもできる。このようにすると、周囲の雰囲気が悪い状態で金属箔1や絶縁接着フィルム2の巻き取りが行われることを防止して、異物が混入した状態で巻き取りが行われることを防ぐことができる。
【0011】
また、上記異物検出手段9により検知された異物の量が所定量以上となった場合に巻き取り具5を停止させる制御手段11と、前記のように巻き取り具5が停止した後、上記絶縁接着フィルム2と金属箔1とを上記ロール3,4と巻き取り具5との間で切断する切断手段12とを備えるものであっても良い。このようにすると、周囲の雰囲気が悪い状態で金属箔1や絶縁接着フィルム2の巻き取りが行われることを防止して、異物が混入した状態で巻き取りが行われることを防いで、周囲の雰囲気が良好な状態で巻き取り具5にて巻き取られた絶縁接着フィルム2と金属箔1を組合せ材Aとして取り出すことができ、また周囲の雰囲気が改善された場合には新たに絶縁接着フィルム2と金属箔1を巻き取って組合せ材Aを作製することができる。
【0012】
更に、上記異物検出手段9により検知された異物の量が所定量以上となった場合に巻き取り具5を停止させ、前記のように巻き取り具5が停止した後、上記換気手段8による換気量を増大させる制御手段11を備えるようにしても良い。このようにすると、異物量が増大した際に換気手段8による換気量が増大して装置本体6の周囲の異物量を短時間で低減させることができるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、報知手段が作動することで、作業者や管理者は組合せ材A中において金属箔や絶縁接着フィルムの間に異物が混入して不良が発生する危険性を認識することができ、このような不良発生を回避するために装置本体6を操作して装置本体6の周囲の雰囲気が改善されるまで作業を停止したり、雰囲気改善のための処置を行ったり、作業状態を管理したりすることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0015】
図1は本発明の実施の形態の一例を概略的に示す。
【0016】
装置本体6は、回転軸56によって回転駆動される巻き取り具5と、銅箔などで形成される長尺の金属箔1を巻いた回転自在なロール3と、ポリイミドフィルムなどで形成される長尺の絶縁接着フィルム2を巻いた回転自在なロール4と、金属箔1と絶縁接着フィルム2とを予め位置決めして積層するための材料セット機30とを備えている。
【0017】
金属箔1を巻いたロール3は一対備えられており、この一対のロール3,3の間に絶縁接着フィルム2を巻いたロール4が配置されている。上記各ロール3,4の回転軸57はブレーキ機構62を設けた軸受け60に回転自在に支持されている。ブレーキ機構62はロール3,4の回転軸57の回転を制動するものであり、例えば、エアーブレーキやパウダーブレーキで形成することができる。エアーブレーキはエアー圧の調整によって回転制動の強さを調整することができるものであり、パウダーブレーキは電圧の調整で回転制動の強さを調整することができるものである。これらのロール3,4は、軸受け60を介して一つのロール支持フレーム13に上下方向に並んで設置されて支持されている。
【0018】
巻き取り具5としては特に限定されるものではないが、例えば、偏平な枠体あるいは板体で形成することができる。図2に示す巻き取り具5は、回転軸56を中央に設けた一対の縦枠材58,58を平行に配置し、この縦枠材58,58の両端間にそれぞれ横枠材59,59を組み付けることによって、分解可能な偏平枠体に形成されるものであり、横枠材59は縦枠材58に対してネジ止めの手段やはめ合わせの手段などで脱着自在に結合されている。横枠材59は後述の保持バー31として使用されるものである。巻き取り具5の回転軸56は軸受け61に回転駆動自在に支持されている。また、巻き取り具5はこのような枠状に形成するほか、平板状等の形状に形成することができる。また、保持バー31は巻き取り具5の一端のみに設けるほか、両端にそれぞれ設けるようにしても良い。更に巻き取り具5は伸縮可能に形成することで種々の寸法の組合せ材Aを形成できるようにしても良い。
【0019】
材料セット機30は上記のロール3、4と巻き取り具5との間に配置されるものであって、図3に示すように、基台40と基台40に対して昇降駆動自在に形成された昇降体41とを備えて形成されている。基台40は箱状に形成されており、その巻き取り具5側の面は材料保持面42として平面状に形成されている。また、基台40には上下三つのクランプ具43が設けられている。クランプ具43は一対のクランプ部材44、44で構成されており、各クランプ部材44は基台40の左右の同じ高さ位置に対向配置されている。クランプ部材44は挟持片44aと取付片44bとで略L字状に形成されるものであって、挟持片44aを材料保持面42と向き合う状態にして、取付片44bが材料保持面42と隣接する基台40の側面45に取り付けられている。取付片44bにはエアシリンダなどの駆動機46が接続されており、取付片44bが側面45の表面に沿って移動するように駆動機46の動作によりクランプ部材44が前後方向に駆動自在に形成されている。従って、このクランプ部材44の駆動により挟持片44aが材料保持面42と近接離間自在に形成されている。また、上記挟持片44aの材料保持面42側の面には金属箔1や絶縁接着フィルム2を傷つけないために、ゴムやフェルトなどの保護材が貼り付けている。尚、ここではクランプ具43として一対のクランプ部材44、44で構成されるものを例示したが、これに限らず、例えば、クランプ具43を挟持片とその両側端に設けた取付片からなるコ字状の部材で形成しても良い。
【0020】
昇降体41は基台40の内側にエアシリンダなどの駆動機で昇降駆動自在に配設されており、その上面の両側端にはバー支持部47が突設されている。また、昇降体41にはバー支持部47に架け渡すようにして保持バー(通紙バー)31が着脱自在に取り付けられている。保持バー31は金属やプラスチックのパイプ等の円筒体で形成されるものであって、その長手方向がロール3、4の回転軸57と巻き取り具5の回転軸56に対して平行になるようにして昇降体41に取り付けられている。また、保持バー31には図4に示すように、その長手方向の略全長に亘ってスリット33が設けられている。スリット33は保持バー31の周面に開口し、保持バー31の内側空間にまで達するものであり、後述の吸引口34としても使用されるものである。
【0021】
昇降体41は、図5(a)に示すように、下端位置H0から上昇させて2つの高さ位置H1、H2に調整することができるものである。一方の昇降体41の高さ位置はロール入れ替え高さ位置H1であり、ロール3、4を新規なものに入れ替え時に初期の金属箔1と絶縁接着フィルム2とを保持バー31に対して位置決めして積層する際に設定される高さ位置である。他方の昇降体41の高さ位置は巻き取り具入れ替え高さ位置H2であり、金属箔1と絶縁接着フィルム2とを所定の長さ(回数)巻き取った巻き取り具5を他の巻き取り具5に入れ替え時に、重ね合せ途中の金属箔1と絶縁接着フィルム2とを保持バー31に対して位置決めして積層する際に設定される高さ位置である。また、巻き取り具入れ替え高さ位置H2は複数の高さ位置に設定することができる。
【0022】
このような材料セット機30は、絶縁接着フィルム2と金属箔1とをロール3,4と巻き取り具5との間で切断する切断手段12としての機能を果たす。
【0023】
上記ロール3,4のロール支持フレーム13と巻き取り具5の軸受け61とは、車輪14aと上下昇降可能な支持脚14bとを下面に備える土台14から立設され、また材料セット機30も前記土台14上に配設されている。
【0024】
一方、仕切7は、上記のような装置本体6を取り囲むように設けられ、この仕切7により仕切られた内側の空間に装置本体6が配設されるようにする。この仕切7の材質や構成は特に制限されず、例えば適宜の建具にて形成したり、フレームに透明な樹脂シートを張設して形成したりすることができる。この仕切7は装置本体6の周囲全体を囲むように設けて、仕切7の内側の空間を外部から遮断することが好ましい。また、仕切7には換気の際に仕切7内の空気を排出するために若干の隙間が存在していても良い。また仕切7の内外を人や機材が出入りするための開閉可能な出入り口を設けても良い。
【0025】
また、図示の例では、装置本体6を第一の仕切7aの内側に配置すると共に、前記第一の仕切7aの外側に、更に第二の仕切7bを設けている。また、この第一の仕切7a及び第二の仕切7bにて取り囲まれた装置本体6が、クリーンルーム7c内に設置されている。
【0026】
上記仕切7には、仕切7の内側の空間を換気するためのフィルター8a付き換気手段8が設けられる。換気手段8は例えば仕切7の天井部にフィルター8aを設けると共にこのフィルター8aを設けた箇所において仕切7の内側に向けて気流を発生させるファン8bを設けて形成することができる。図示の例では第一の仕切7aと第二の仕切7bとにそれぞれ換気手段8が設けられている。また、上記クリーンルーム7cの天井部には換気手段8としてクリーンルーム7c内に気流を送り込む空調ダクト8cが接続されていると共にこの接続箇所にフィルター8aが設けられている。このクリーンルーム7cも仕切7としての機能を果たす。
【0027】
上記のような換気手段8が作動することにより、仕切7の内側にはフィルター8aにより異物が除去された清浄な空気が供給されることとなり、これにより装置本体6の周囲の空間における異物の量が低減される。また上記のように仕切7を多重に設けると共に各仕切7に換気手段8を設けると、装置本体6へ供給される空気は他段階に清浄化され、装置本体6の周囲の空間の異物の量が更に低減されることとなる。
【0028】
また、上記仕切7の内側には、装置本体6の周囲の空間に浮遊する異物、例えば繊維などの塵や埃などの量を検知する異物検出手段9が設けられている。異物検出手段9としては、装置本体6の周囲の空間における少なくとも一箇所の任意の検出箇所に異物取り込み部9aを配設し、この異物取り込み部9aから装置本体6の周囲の空気を吸引ポンプ等にて吸引して装置本体6の周囲の異物を取り込み、適宜の異物検出器9bに送ることで、異物の量を検知するものを設けることができる。異物取り込み部9aは、例えばホース等の配管の端部の開口にて構成することができ、この配管の一端の開口を任意の位置に固定することで異物取り込み部9aを金具や粘着テープ等にて任意の位置に設置することができる。この異物取り込み部9aを設置する検出箇所は例えば装置本体6の周囲における巻き取り具5や金属箔1、絶縁接着フィルム2、ロール3,4の近傍等のように組合せ材Aにおける金属箔1や絶縁接着フィルム2の間への異物の混入に影響する箇所に適宜設定することができ、図示の例では異物取り込み部9aは軸受け61における巻き取り具5の回転軸56の近傍と、ロール支持フレーム13における巻き取り具5側とに、それぞれ配置されているが、これ以外にも適宜の位置に適宜の個数配置することができる。また、前記配管の他端を異物検出器9bに接続することで異物取り込み部9aから取り込んだ空気を異物検出器9bに送ることができる(図11参照)。
【0029】
上記異物検出器9bとしてはパーティクルカウンター等のように空気中の異物の体積あたりの粒子数を検出するものを設けることができる。またこの異物検出器9bとして吸引ポンプを備えるものを設ければこの吸引ポンプの働きにより異物取り込み部9aから空気を吸引することができるが、吸引ポンプを別途に設けるようにしても良い。
【0030】
また、上記のような異物検出手段9により検知された異物の量が所定量(例えば粒径0.5μm以上の異物が2.8×103個/m3(80個/CF))以上となった場合に作動する報知手段10が設けられる。報知手段10としては適宜のものが用いられるものであり、例えばブザーや電子音等の音声による報知を行うものや、ランプ、回転灯等のように視覚的に報知を行うもの、或いはこれらを複合したものなどが設けられる。これにより、作業者や管理者などに装置本体6の周囲の空間における異物の量が所定量以上となったことを報知することができる。
【0031】
また、積み重ね装置には異物検出手段9による検知結果に基づいて報知手段10、巻き取り具5、換気手段8、切断手段12等の動作を制御する制御手段11を設けることができる。制御手段11としてはシーケンサー等の制御装置11aを設けることができる(図11参照)。
【0032】
また、巻き取り具5の近傍にはエリアセンサ15を配設し、回転駆動中の巻き取り具5の近傍に人や物が近づいてエリアセンサ15により検知された際に危険防止のために巻き取り具5を自動的に緊急停止させることができる。
【0033】
そして、上記のような積み重ね装置を用いて、二枚の金属箔1、1と一枚の絶縁接着フィルム2とを重ねた組合せ材Aを複数積み重ねるにあたっては、以下のようにして行なう。
【0034】
まず、下側の金属箔1をロール3から引き出して材料セット機30に保持してセットする。このとき作業スペースを確保するために巻き取り具5は鉛直状に配置しておくことが好ましい(図5(a)参照)。この時の金属箔1のセット方法は、図6(a)に示すように、材料セット機30に取り付けた保持バー31の上側を越えるようにしてロール3から引き出した金属箔1を配置し、図6(b)に示すように、金属箔1の先端部を一番下のクランプ部材44、44の挟持片44a、44aと材料保持面42との間に配置し、この挟持片44a、44aが材料保持面42に近づくようにクランプ部材44、44を移動させることによって、図6(c)に示すように、挟持片44a、44aと材料保持面42との間に金属箔1の両側端部を挟持(クランプ)する。ここで、材料セット機30の昇降体41の高さ位置はロール入れ替え高さ位置H1である。また、材料セット機30にセットされた金属箔1は、保持バー31の上面に接触して配置されると共に一番上及び真ん中のクランプ部材44、44の挟持片44a、44aと材料保持面42との間を通過するようにして配置される。
【0035】
次に、上下の金属箔1、1の間に配置されたロール4から絶縁接着フィルム2を引き出して上記材料セット機30に保持してセットする。この時の絶縁接着フィルム2のセット方法は、材料セット機30にセットした上記金属箔1の上側を越えるようにしてロール4から引き出した絶縁接着フィルム2を配置し、絶縁接着フィルム2の先端部を真ん中のクランプ部材44、44の挟持片44a、44aと材料保持面42との間に配置し、この挟持片44a、44aが材料保持面42に近づくようにクランプ部材44、44を移動させることによって、図6(d)に示すように、挟持片44a、44aと材料保持面42との間に絶縁接着フィルム2の両側端部と上記セットした金属箔1の両側端部とを挟持(クランプ)する。ここで、材料セット機30の昇降体41の高さ位置は上記と同様のロール入れ替え高さ位置H1である。また、この絶縁接着フィルム2は、材料セット機30にセットされた金属箔1の上面に接触して配置されると共に一番上のクランプ部材44、44の挟持片44a、44aと材料保持面42との間を通過するようにして配置される。
【0036】
次に、上側の金属箔1をロール3から引き出して材料セット機30に保持してセットする。この時の金属箔1のセット方法は、材料セット機30にセットした上記絶縁接着フィルム2の上側を越えるようにしてロール3から引き出した金属箔1を配置し、この金属箔1の先端部を一番上のクランプ部材44、44の挟持片44a、44aと材料保持面42との間に配置し、図6(e)に示すように、この挟持片44a、44aが材料保持面42に近づくようにクランプ部材44、44を移動させることによって、この挟持片44a、44aと材料保持面42との間にこの金属箔1の両側端部と上記絶縁接着フィルム2の両側端部と上記セットした金属箔1の両側端部とを挟持(クランプ)する。ここで、材料セット機30の昇降体41の高さ位置は上記と同様のロール入れ替え高さ位置H1である。また、材料セット機30にセットされたこの金属箔1は材料セット機30にセットされた上記絶縁接着フィルム2の上面に接触して配置される。
【0037】
上記の操作により、図7に示すように、二枚の金属箔1、1と一枚の絶縁接着フィルム2とを保持バー31の上面に順次重ね合せて積層した後、固定カバー48及びロック部材49からなる押さえ具35により上記金属箔1、1と絶縁接着フィルム2とを保持バー31に固定してセットする。すなわち、図8(a)(b)に示すように、金属板やプラスチックなどで断面略C字状に形成される固定カバー48を最外の金属箔1の表面側から保持バー31に弾性的に嵌め込むことにより、金属箔1、1と絶縁接着フィルム2とを幅方向の全長に亘って固定カバー48と保持バー31の間で挟持し、図8(c)に示すように、固定カバー48の両端部48aと保持バー31とをクリップのようなロック部材49で挟んで固定カバー48を保持バー31に固定するようにする。この時、保持バー31のスリット33は固定カバー48の巻き取り具5側の端縁の直下に位置するようにする。
【0038】
次に、保持バー31に保持してセットした金属箔1、1と絶縁接着フィルム2とを切断する。この切断は図9に示すように、最外の金属箔1の表面からカッター(刃物)32を差し込み、カッター32の先端(刃先)をスリット33に差し込んだ状態でカッター32をスリット33の長手方向に沿って移動させて行なう。また、この切断時には保持バー31の端部開口にホース51を接続し、ホース51を通じて保持バー31の内側空間に真空ポンプ50等により空気の吸引を行なうようにしており、これにより、金属箔1や絶縁接着フィルム2の切断により生じる粉塵を吸引口34であるスリット33から吸引して除去することができ、上記粉塵が金属箔1や絶縁接着フィルム2に付着することがなくなって打痕などの成形不良が積層板Bに発生するのを防止することができる。尚、この例ではスリット33と吸引口34を兼用しているが、吸引口34をスリット33と別に保持バー31に形成しても良い。そして、この切断により、保持バー31よりも下側の下端位置H0に位置する金属箔1や絶縁接着フィルム2の一部が切除されると共に、切断後の金属箔1の先端部と切断後の絶縁接着フィルム2の先端部とを一致させた状態で金属箔1、1と絶縁接着フィルム2とを幅方向で互いに位置決めして保持バー31の表面上で積層することができ、二枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を挟んだ状態で重ねて一組の組合せ材Aを形成することができる。
【0039】
この後、巻き取り具5を回転させて保持バー31の着脱位置が材料セット機30に向いて近接するように水平状に配置し(図5(a)参照)、金属箔1、1と絶縁接着フィルム2とを保持した状態で保持バー31を材料セット機30の昇降体41から取り外し、この保持バー31を軸受け61に支持された巻き取り具5にまで運び、巻き取り具5の一方の横枠材59として縦枠材58、58に結合する。このようにして組合せ材Aの先端を巻き取り具5の外面の一所に保持させることができる。次に、巻き取り具5を一方向に回転駆動させることによって、金属箔1をロール3から、絶縁接着フィルム2をロール4からそれぞれ繰り出して、組合せ材Aを巻き取り具5に巻き取ることができる。この二枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aは、巻き取り具5の外面に多数重に積み重ねた状態で巻き取られるものであり、巻き取り具5が偏平体で形成している場合には、巻き取り具5の両端(横枠体59,59の外側間)で折り返した状態で、巻き取り具5の両面にそれぞれ組合せ材Aを積み重ねることができるものである。尚、巻き取り具5による組合せ材Aの巻き取り時に金属箔1や絶縁接着フィルム2が材料セット機30に当たらないように、昇降体41はロール入れ替え高さ位置H1よりも下側の下端位置H0に位置するように移動させておく。
【0040】
このように巻き取り具5を回転駆動してロール3,4から金属箔1や絶縁接着フィルム2を引き出すように繰り出して巻き取り具5に巻き取るにあたって、ロール3,4の回転にブレーキ機構62で制動を与えるようにすると、巻き取り具5の回転に伴なって金属箔1や絶縁接着フィルム2が引き取られる速度よりも速くロール3,4が惰性で回転するようなことがなくなり、金属箔1や絶縁接着フィルム2に張力を与えた状態で巻き取り具5に巻き取ることができるものであり、皺が生じることなく金属箔1や絶縁接着フィルム2を巻き取り具5に巻き取ることができるものである。
【0041】
上記のような動作は、換気手段8を作動させて装置本体6の内部の異物を低減して清浄化させた状態で行うことが好ましい。
【0042】
このようにして金属箔1や絶縁接着フィルム2を巻き取り具5に巻き取り、異物検出手段9により検知される異物の量が所定量に達することなく巻き取りを終えたならば、組合せ材Aを巻き取り具5から取り外す。この場合、図10(a)のように組合せ材Aは偏平な渦巻状に巻かれた状態になっており、二枚の金属箔1,1の間に絶縁接着フィルム2を重ねた組合せ材Aは上下に多数積み重ねられた状態になっている。
【0043】
ここで、渦巻状の組合せ材Aから巻き取り具5を取り外すにあたっては、横枠体59と縦枠体58の結合を外して巻き取り具5を分解するようにして行うことができ、また、この時に横枠材59である保持バー31から押さえ具35を取り外して保持バー31への組合せ材Aの保持を解除することができる。また、組合せ材Aを巻き取り具5と共にキャリア板53の上に載置し、横枠体59と縦枠体58の結合を外して分解することによって、渦巻状の組合せ材Aから横枠体59を抜いて外すこともできる。この場合は、渦巻状に巻いて組合せ材Aを積み重ねたものから巻き取り具5を容易に外すことができる。
【0044】
そして、上記のようにして積み重ねた組合せ材Aを金属板で形成されるキャリア板53とプレート55の間に図10(b)のように挟み込み(必要に応じて、キャリア板53とプレート55の間に複数組の組合せ材Aを重ねて挟み込んでもよい)、さらにこれを熱盤54,54間にセットすることによって、加熱加圧成形をすることができるものであり、絶縁接着フィルム2の両面に金属箔1,1を積層した両面金属箔張り積層板Bを成形することができるものである。このように成形して得られた積層板Bは偏平な渦巻き状になっているが、屈曲部を切断することによって(図10(b)に切断箇所を鎖線で示す)、平板状の両面金属箔張り積層板Bを得ることができるものである。
【0045】
また、平板状の巻き取り具5を使用する場合には組合せ材Aを加熱加圧成形する際の支障にならないため、巻き取り具5に組合せ材Aを偏平渦巻き状に巻いた状態のまま、キャリア板53とプレート55の間に挟み込み(必要に応じて、キャリア板53とプレート55の間に複数組の組合せ材Aを重ねて挟み込んでもよい)さらにこれを熱盤54,54間にセットして加熱加圧成形を行なうことによって、絶縁接着フィルム2の両面に金属箔1,1を積層した両面金属箔張り積層板Bを成形しても良い。
【0046】
また、上記のように金属箔1や絶縁接着フィルム2の巻き取り具5への巻き取りを行っている間に、装置本体6の周囲の雰囲気が悪化して異物検出手段9により検知される異物の量が所定量に達した場合には、制御手段11が報知手段10を作動させ、これにより作業者や管理者等に対して装置本体6の周囲の雰囲気が悪化したことを報知することができる。このため、作業者や管理者は装置本体6を操作して装置本体6の周囲の雰囲気が改善されるまで作業を停止したり、雰囲気改善のための処置を行ったり、作業状態を管理したりすることができる。
【0047】
また、上記のように異物検出手段9により検知される異物の量が所定量に達した場合に、制御手段11による自動制御にて巻き取り具5の回転駆動を停止するようにしても良い。この場合、周囲の雰囲気が悪い状態で金属箔1や絶縁接着フィルム2の巻き取りが行われることを防止して、異物が混入した状態で巻き取りが行われることを防ぐことができる。
【0048】
このように巻き取り具5を停止させる場合には、巻き取り具5と金属箔1や絶縁接着フィルム2との間に異物が侵入しにくい状態で停止させることが好ましく、すなわち、絶縁接着フィルム2と金属箔1の、ロール3,4と巻き取り具5との間に掛け渡されている部分の下方に、巻き取り具5が配置されていない状態となるようにすることが好ましい。このためには、巻き取り具5の上方を向いている面と、上側のロール3と巻き取り具5との間に配置されている絶縁接着フィルム2とが一直線状に並んだ状態と、巻き取り具5が鉛直状に配置されている状態との間で巻き取り具5を停止させることが望ましい(図5(b)参照)。
【0049】
また、このように巻き取り具5の回転を停止させた後、異物検出手段9により検知される異物の量が所定量を下回るようになったならば、制御手段11による自動制御にて巻き取り具5を再び回転駆動させて金属箔1や絶縁接着フィルム2の巻き取りを再開させるようにしても良い。これにより、装置本体6の雰囲気が改善された状態で巻き取りを再開し、異物が混入しないようにして巻き取りを行うことができる。
【0050】
また、異物検出手段9により検知される異物の量が所定量に達した場合に、制御手段11により自動制御にて換気手段8による換気量を増大させるようにしても良い。例えば本実施形態のように換気手段8としてファン8bを備えるものを用いる場合、異物検出手段9により検知される異物の量が所定量に達しない状態では通常の回転数(例えば40Hz)で回転させ、異物の量が所定量以上となったことが検知されると、ファン8bの回転数を増大(例えば60Hz)させることで換気量を増大させ、装置本体6の周囲の異物量を急速に低減させるものである。このようにすると、装置本体6の周囲の異物量を短時間で低減させて作業を再開させることができ、作業効率が向上するものである。また換気量を増大させた後、異物検出手段9により検知される異物の量が所定を下回るようになったら、制御手段11により自動制御にて換気手段8による換気量を低減して通常の状態に戻すようにしても良い。
【0051】
また、異物検出手段9により検知される異物の量が所定量に達した場合に、制御手段11による自動制御にて巻き取り具5の回転駆動を停止した後、切断手段12により絶縁接着フィルム2と金属箔1とをロール3,4と巻き取り具5との間で切断しても良い。このようにすると、装置本体6の周囲の雰囲気が悪化した際に絶縁接着フィルム2と金属箔1の巻き取りを停止して、絶縁接着フィルム2と金属箔1を巻き取った巻き取り具5を他の巻き取り具5に入れ替え、そして装置本体6の周囲の雰囲気が改善されたら巻き取り具5を回転駆動させて新たに絶縁接着フィルム2と金属箔1の巻き取りを行うようにすることができる。
【0052】
切断手段12は適宜のものを用いることができるが、本実施形態では既述のように材料セット機30を切断手段12として用いる。この場合の動作を説明する。
【0053】
まず、異物検出手段9により検知される異物の量が所定量に達した場合に、制御手段11による自動制御にて巻き取り具5の回転駆動を停止する。このときの巻き取り具5の停止位置は上記のように巻き取り具5と金属箔1や絶縁接着フィルム2との間に異物が侵入しにくい状態となるようにすることが好ましいが、特に巻き取り具5を交換する際の作業性を考慮すると、巻き取り具5が水平方向に対して20°〜25°の範囲で傾斜した状態で停止させることが好ましい(図5(a)参照)。
【0054】
このように巻き取り具5の回転が停止した後、保持バー31を取り付けた昇降体41を上昇させて、巻き取り具5とロール3、4との間に掛け渡っている金属箔1、1と絶縁接着フィルム2を保持バー31で下側から少し押圧することによって、金属箔1、1と絶縁接着フィルム2とを保持バー31の表面上で重ね合せる。この時、昇降体41はロール入れ替え高さ位置H1よりも上方の巻き取り具入れ替え高さ位置H2まで上昇させるようにして、金属箔1、1と絶縁接着フィルム2とを接触させながら保持バー31の表面上で重ね合せる。この材料セット機30に昇降体41の上昇動作は制御手段11による自動制御にて行うようにすることができる(図5(a)参照)。
【0055】
次に、上記と同様にして、固定カバー48及びロック部材49からなる押さえ具35により上記金属箔1、1と絶縁接着フィルム2とを保持バー31に固定してセットする。次に、上記と同様にして、吸引を行ないながら保持バー31に保持してセットした金属箔1、1と絶縁接着フィルム2とを切断する。そして、この切断により、保持バー31よりも巻き取り具5側の金属箔1や絶縁接着フィルム2と、保持バー31よりもロール3、4側の金属箔1や絶縁接着フィルム2とが分離される。
【0056】
次に、組合せ材Aを巻き取った巻き取り具5を軸受け61から取り外した後、新規な他の巻き取り具5を軸受け61に取り付ける。次に、金属箔1、1と絶縁接着フィルム2とを保持した状態で保持バー31を材料セット機30の昇降体41から取り外し、この保持バー31を軸受け61に支持された巻き取り具5にまで運び、巻き取り具5の一方の横枠材59として縦枠材58、58に結合する。このようにして組合せ材Aの先端を巻き取り具5の外面の一所に保持させた後、上記と同様にして巻き取り具5を一方向に回転駆動させることによって、金属箔1をロール3から、絶縁接着フィルム2をロール4からそれぞれ繰り出して、組合せ材Aを巻き取り具5に巻き取るようにする。尚、巻き取り具5による組合せ材Aの巻き取り時に金属箔1や絶縁接着フィルム2が材料セット機30に当たらないように、昇降体41をロール入れ替え高さ位置H1よりも下側の下端位置H0に位置するように移動させておくのは上記と同様である。
【0057】
尚、上記では二枚の金属箔1、1と一枚の絶縁接着フィルム2との積層について説明したが、これに限らず、本発明は多数枚の金属箔1、1と絶縁接着フィルム2との積層についても適用可能である。例えば、金属箔1を巻いた一対のロール3の間に絶縁接着フィルム2を巻いた複数のロール4を配置することによって、二枚の金属箔1,1の間に複数枚の絶縁接着フィルム2を重ねた状態で挟むようにして、組合せ材Aを形成することも可能である。また一対のロール3のうち一方は、金属箔1の代りにPPSフィルムやフッ素樹脂フィルムなどの離型フィルムを巻いたものであってもよい。さらに、絶縁接着フィルム2が片面だけ接着面で他の片面が非接着面に形成されたものであるときには、金属箔1を巻いた一つのロール3と、この絶縁接着フィルム2を巻いた一つのロール4とを組合わせて用い、金属箔1に絶縁接着フィルム2を接着面で重ねた組合せ材Aとして巻き取り具5に巻き取るようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略図である。
【図2】同上の巻き取り具の一例を示す概略図である。
【図3】同上の材料セット機の一例を示す斜視図である。
【図4】同上の保持バーの一例を示す一部の斜視図である。
【図5】同上の巻き取り具、材料セット機及びロールの配置状態の一例を示し、(a)(b)は一部の概略側面図である。
【図6】同上の材料セット機への金属箔と絶縁接着フィルムのセット方法を示し、(a)は斜視図、(b)〜(e)は一部の側面図である。
【図7】同上の保持バーで金属箔と絶縁接着フィルムが重なっている状態を示す断面図である。
【図8】同上の保持バーへの金属箔と絶縁接着フィルムの保持状態を示し、(a)(c)は断面図、(b)は平面図である。
【図9】同上の金属箔と絶縁接着フィルムの切断方法を示す断面図である。
【図10】同上の(a)は積み重ねた組合せ材の一例を示す正面図、(b)は組合せ材の加熱加圧成形を示す正面図である。
【図11】本発明における制御機構の一例を示すブロック図である。
【図12】(a)は従来例を示す概略図、(b)は積層板を示す断面図である。
【図13】他の従来例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0059】
1 金属箔
2 絶縁接着フィルム
3 ロール
4 ロール
5 巻き取り具
6 装置本体
7 仕切
8 換気手段
8a フィルター
9 異物検出手段
9a 異物取り込み部
9b 異物検出器
10 報知手段
11 制御手段
12 切断手段
A 組合せ材
B 積層板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属箔と絶縁接着フィルムとを重ねた組合せ材を複数積み重ね、これを積層成形することによって、組合せ材の金属箔と絶縁接着フィルムを積層一体化した積層板を製造する際に、金属箔と絶縁接着フィルムを重ねると共に組合せ材を積み重ねるために用いられる装置であって、長尺の金属箔を巻いたロール、長尺の絶縁接着フィルムを巻いたロール、並びに金属箔及び絶縁接着フィルムを各ロールから繰り出すと共に重ね合わせて巻き取るための回転駆動自在な巻き取り具を具備する装置本体と、前記装置本体の周囲を取り囲む仕切と、前記仕切内の換気を行うためのフィルター付き換気手段と、前記仕切の内側に浮遊する異物の量を検知する異物検出手段と、前記異物検出手段により検知された異物の量が所定量以上となった場合に作動する報知手段とを備えることを特徴とする積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
【請求項2】
上記異物検出手段は、少なくとも1箇所の任意の検出箇所に配置される異物取り込み部と、前記異物取り込み部にて取り込まれた異物が送られて異物量を検出する異物検出器とを備えるものであることを特徴とする請求項1に記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
【請求項3】
上記異物検出手段により検知された異物の量が所定量以上となった場合に巻き取り具を停止させ、その後、上記異物検出手段にて検知される異物の量が所定量を下回った場合に巻き取り具を再び回転駆動させる制御手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
【請求項4】
上記異物検出手段により検知された異物の量が所定量以上となった場合に巻き取り具を停止させる制御手段と、前記のように巻き取り具が停止した後、上記絶縁接着フィルムと金属箔とを上記ロールと巻き取り具との間で切断する切断手段とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。
【請求項5】
上記異物検出手段により検知された異物の量が所定量以上となった場合に巻き取り具を停止させ、前記のように巻き取り具が停止した後、上記換気手段による換気量を増大させる制御手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の積層板製造用の金属箔と絶縁接着フィルムの積み重ね装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−297871(P2006−297871A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−126870(P2005−126870)
【出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】