説明

積算システム

【課題】工事の原価を1邸ごとに正しく積算できる積算システムを提供すること。
【解決手段】発注者Orに設置された第1入出力装置21と、受注者TYに設置された第2入出力装置22と、両装置21,22に通信回線10を介して接続されたサーバ30の費用管理部31に設けられて費用データを邸に関連付けて保存する保存部31aとを備え、第2入出力装置22は、発注明細画面に、発注者が入力した発注費用データを表示し、受注者TYが記入した納品数量、納品価格、納品日などの応答費用データを邸に関連付けて保存部31aに保存させる記入制御部223aを備え、第1入出力装置21は、保存部31aに邸に関連付けて保存された応答費用データを積算して表示する費用積算部213cを備えている積算システムとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、費用の積算システムであって、特に、建物や外構の工事の原価管理に用いるのに好適な積算システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物や外構などの工事を行なうのにあたり、精度の高い見積もりを求めるようにした積算システムが知られている(例えば、特許文献1)。
この特許文献1には、通信部を介して、各営業所に配置された端末コンピュータと、センターコンピュータと、仕入先のコンピュータとが、相互通信可能に接続されている。そして、センターコンピュータには、顧客の要望に応じた建物の設計に必要な情報が集約されている。
そして、見積もりを出す場合、顧客が建物を選択し、これをセンターコンピュータに入力すると、この建物の建築に必要な資材およびその量が求められ、あらかじめ入力されている資材の標準単価に基づいて、見積もりを求めることができる。また、各仕入先のコンピュータには、見積もり表に基づいて発注できることも記載されている。
また、工事の終了後に、工事原価を求める技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−4528号公報
【特許文献2】特開2005−32186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、建物の外構工事を請け負った工事管理会社は、必要な資材を問屋(受注者)などから購入する。
外構工事などの場合、資材の種類が雑多であり、資材の種類ごとに複数の問屋から購入する場合が多い。また、資材の単価は時価で変化するし、工事現場の状況によって数量が変動することが多い。
【0005】
通常、住宅建築に伴う外構工事は、依頼者に住宅を引き渡す時点で、「邸の締め」を行い、工事費用(原価)を算出する。
異なる受注者から、単価や数量などに変動要素のある製品を購入した場合の、「邸の締め」までの流れは次のようである。
(1)発注者が、受注者に発注する。
(2)受注者が、発注者に発注に対する見積もりを提出する。
(3)発注者が、見積もりを承諾して受注者に納品を依頼する。
(4)受注者は、発注者の指定場所に資材を納品する。
(5)受注者が発注者に請求する。
受注者ごとに、並行して上記の処理が行われた後、
(6)発注者は、各受注者からの請求書の請求金額を積算して、「邸の締め」とする。
【0006】
経理上は、納品後、直ちに請求されることが好ましいが、各受注者においては、各月ごとの「月締め」を経過してから、一括して請求書を発行することが習慣化していることから、納品から請求までに長い場合は、1ヶ月以上の遅れが生じることがあった。
よって、上記(6)の「邸の締め」を行った後に、上記(5)の請求書が送付されることがある。このような場合、上記(6)で求めた積算値には、この遅れて送付された請求書の金額は積算されておらず、邸の原価を正しく積算できない。
さらに、工事開始後に工事内容が変更となり、追加資材が必要になった場合などには、請求書の数が増えて、上記の問題がさらに複雑になっていた。
しかも、発注者は、受け取った請求書の内容を、積算のための自社側のシステムに転記しなければならず、これ手間を要していた。加えて、転記する際に転記ミスが生じ、積算値に間違いが生じるおそれもあった。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決することを目的とするものであり、入力の手間を削減できかつ建設工事にかかる費用を正確に積算可能な積算システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、
建設工事に必要な資材や工数など積算対象の費用データを、設定された工事単位に関連付けて保存する費用管理部と、
この費用管理部に通信回線を介してアクセス可能であり、前記積算対象を発注する発注者に設置された第1入出力装置と、
前記費用管理部に前記通信回線を介してアクセス可能であり、前記積算対象の発注を受ける受注者に設置された第2入出力装置と、
を備え、
前記費用管理部は、前記費用データを保存する保存部を備え、
前記第1入出力装置は、前記工事単位ごとに設定されて前記費用データを記入するための発注明細画面を表示するとともに、前記第1入出力装置により前記発注明細画面の記入欄に記入された前記発注者が発注する前記費用データである発注費用データを、前記通信回線を介して前記保存部に保存する第1の費用データ保存処理を行なう第1の記入制御部を備え、
前記第2入出力装置は、前記費用管理部にアクセスして、前記発注明細画面を表示させて前記発注費用データを表示する発注表示処理と、前記発注明細画面に前記第2入出力装置により前記積算対象の前記発注に応答して決定された前記費用データである応答費用データが記入された際に、前記応答費用データを前記保存部に保存させる第2の費用データ保存処理を実行する第2の記入制御部を備え、
前記第1入出力装置は、前記保存部に保存された前記応答費用データを、前記工事単位に関連付けて積算して表示する費用積算部を備えていることを特徴とする積算システムとした。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の積算システムにおいて、
前記建設工事は、住宅の外構工事であり、
前記発注者は、前記住宅建築を管理する業者であり、
前記受注者は、前記資材の発注を受けて資材を調達して前記発注者に対し納入する問屋であり、
前記発注費用データは、前記資材の種類、数量に関するデータであり、
前記応答費用データは、前記資材の納品数量、納品価格に関するデータであり、
前記費用積算部は、前記保存部に保存された納品数量および納品価格を含む応答費用データを前記邸に関連付けて積算して表示することを特徴とする積算システムとした。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の積算システムにおいて、
前記第1入出力装置は、顧客との契約のためにシステム外で作成された工事見積書に記載された前記費用データを、前記発注明細画面の前記記入欄に前記発注費用データとして変換して入力する変換部を備えていることを特徴とする積算システムとした。
【0011】
また、請求項4に係る発明は、請求項2または請求項3に記載の積算システムにおいて、
前記第1入出力装置の制御部は、前記発注者が前記第2入出力装置により記入された前記応答費用データが適正であると判断したことを受けて、前記第2入出力装置に向けて納品を許可することを伝える承認処理を実行することを特徴とする積算システムとした。
【0012】
また、請求項5に係る発明は、請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の積算システムにおいて、
前記第1の記入制御部は、施工業者および工期の記入欄を有した工程管理画面を表示するとともに、この工程管理画面に記入された前記施工業者および前記工期を、前記保存部に保存する処理を実行することを特徴とする積算システムとした。
【発明の効果】
【0013】
本願発明では、発注者側に第1入出力装置を設置する一方で、受注者側に第2入出力装置を設置する。
そして、第1入出力装置を用いて受注者(第2入出力装置)に発注を行う。また、受注者は、第2入出力装置により発注を受けたことを知ると、この発注に応答する応答費用データ(例えば、納品の際の実価格や工事を請け負う際の実施工費など)を、第2入出力装置を用いて入力する。
その後、発注者が費用データの積算を行う際には、第1入出力装置の費用積算部を用いて、受注者により入力されて保存部に保存された応答費用データを積算する。
このように、本発明では、積算に用いる応答費用データは、受注者が入力した応答費用データを用いるようにしたため、発注者側で入力する手間が不要であり、かつ、転記ミスも生じない。また、応答費用データの入力は、受注者が行うことで、請求書の発行よりも前の時点で、予測値ではない正確な値の入力が可能であり、従来のように請求書が届いてから発注者が入力する場合と比較して、積算の際の計上漏れの発生の可能性が低くなり、その分、正確な積算が可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明では、住宅建築の外構工事では、資材の種類が多岐に渡り、その納品の時期や、請求書の発行の時期が資材の種類により異なる可能性が高い。
それに対し、請求項2に係る発明では、第2入出力装置を、受注者としての問屋に設置することで、問屋が正確な資材の応答費用データを入力することになる。
したがって、上述した発注側の入力の手間の削減、転記ミスや計上漏れのない正確な費用の積算効果がより顕著となる。
【0015】
さらに、請求項3に係る発明は、工事を行う前に顧客との契約のためにシステム外で作成された工事見積書の費用データを、変換部により変換して、発注明細画面の記入欄に自動的に記入することができる。
したがって、工事見積書からの発注明細画面への転記入力の手間を省くことができるとともに、正確な変換が可能となる。
また、請求項4に係る発明は、受注者が第2入出力装置を用いて記入した応答費用データが適正であるか否かを、発注側で適正か否か判定し、適正である場合は、第1入出力装置から第2入出力装置へ向けて、納品を許可する承認処理を実行するようにしたため、発注者の外部の受注者が、積算の元となる応答費用データを入力するシステムにもかかわらず、不適正な価格が入力されるのを防止できる。
また、請求項5に係る発明は、工程管理画面により、施工業者と工事期間とを管理できるため、同じ工期に、同一の施工業者に間違えて発注する不具合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1の積算システムを示す全体図である。
【図2】図2は、実施の形態1の積算システムの積算に適用する外構工事の発注状況を示す概念図である。
【図3】図3は、実施の形態1の積算システムで用いる工程管理画面WSの一例を示す図である。
【図4】図4は、実施の形態1の積算システムで用いる発注明細画面DTの一例を示す図である。
【図5】図5は、実施の形態1の積算システムにおける外構工事の発生から邸に関連付けた資材データの積算(邸の締め)までの全体の作業の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、実施の形態1の積算システムにおいて、発注者Orに設置した第1入出力装置21を用いた第1費用データ保存処理を含む処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図7は、実施の形態1の積算システムにおいて、受注者(問屋)TYに設置した第2入出力装置22を用いた作業の流れを示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施の形態1の積算システムにおいて、発注者Orに設置した第1入出力装置21を用い承認処理の作業の流れを示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施の形態1の積算システムにおいて、発注者Orに設置した第1入出力装置21を用いた積算処理の作業の流れを示すフローチャートである。
【図10】図10は、実施の形態1の積算システムにおける資材販売業者Deの経理の締め日Sm1と、邸の締め(費用データの積算)日Sm2との関係の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0018】
(実施の形態1)
実施の形態1の積算システムは、図1に示すように、発注者Orすなわち住宅建築販売業会社の外構工事部門に設置された第1入出力装置21と、受注者TYすなわち外構工事に用いる資材の問屋に設置された第2入出力装置22と、資材に関する費用データを保存するサーバ30と、これらを接続する通信回線10とを備えており、両入出力装置21,22は、それぞれ、サーバ30へアクセス可能となっている。
【0019】
各入出力装置21,22は、本実施の形態1では、いわゆるパーソナルコンピュータが用いられており、それぞれ、キーボード21k,22kなどの入力手段からの信号を入力する入力部211,221と、視覚的な出力のためのモニタ21m,22mや音出力を行うオーディオ装置や通信回線10に対して送受信を行う出力部212,222と、入力部211,221からの入力に基づいて処理を行って出力部から出力を行う制御部213,223とを備えている。また、第1入出力装置21の制御部213は、後述する記入制御部213aと変換部213bと費用積算部213cとを備えている。一方、第2入出力装置22の制御部213は、後述する記入制御部223aを備えている。
【0020】
以下に、本実施の形態1の積算システムについて、発注者Orとしての住宅建築販売会社において住宅の外構工事を担当する部門で資材費用を積算するのに用いた場合を例に挙げて説明する。
【0021】
図2は、外構工事の発注状況を示す概念図に基づいて、発注者Orと受注者TYとの関係を説明する。
発注者Orとしての外構工事部門では、図2に示す複数の顧客(邸)CU1,CU2,CU3,CU4に対して外構工事を行うのにあたり、その工事内容(工程)に応じて、複数の施工業者M1,M2,M3に工事を発注するとともに、その工事に使用する資材は、受注者TYとしての1または複数の問屋に発注するようにしている。また、受注者TYとしての問屋は、メーカーなどの資材販売業者De1,De2,De3に資材を発注する。そして、各資材販売業者De1,De2,De3は、顧客CU1,CU2,CU3,CU4の建築現場へ、直接あるいは受注者TYを介して納品する。
【0022】
発注者Orは、外構工事の収益を求めるのにあたり、その原価(費用データの積算値)を求める。この原価には、施工業者に支払う工事原価と、受注者TYに支払う資材原価とがあり、本実施の形態1の積算システムは、この原価のうちで、資材原価を求めるのに用いる。
【0023】
図1に戻り、サーバ30は、費用データを管理するデータベースであり、資材原価に関する費用データ(資材の種類(名称)、数量、価格、納品日など)を、1邸ごとに関連付けて保存する費用管理部31を備えている。すなわち、第1入出力装置21および第2入出力装置22は、それぞれ、制御部213,223に第1の記入制御部に相当する記入制御部213aおよび第2の記入制御部に相当する記入制御部223aを備えている。
【0024】
すなわち、各制御部213,223により通信回線10を介して費用管理部31にアクセスした際に、各記入制御部213a,223aは、それぞれ、モニタ21m,22mに入力用の画面を提示し、さらに、この画面の記入欄に費用データを入力した際に、これらの費用データを、費用管理部31の保存部31aに保存する。なお、このような通信およびモニタ21m,22mへの表示は、一般的に使用されているブラウザを使用する。
【0025】
上述の入力用の画面としては、図3に示す工程管理画面WSと、図4に示す発注明細画面DTとが設定されている。
工程管理画面WSは、外構工事の日程管理を行うとともに、資材に関するデータを、工事日程に関連付けるのに用いる。
この工程管理画面WSには、図3に示すように、行ごとに施工業者M1,M2,M3を記入する業者列Mrと、行ごとに顧客CU1,CU2,CU3,CU4(それぞれ邸に相当する)を記入する顧客列CUrと、行ごとに工事の内容を記入する工程列Krと、行ごとに工期予定を記入する予定列PLrと、行ごとに営業担当者T1,T2,T3を記入する担当者列Trと、横軸に延びるカレンダーに沿って工期および邸の住所が表示されるカレンダー欄CLrとを備えている。
【0026】
発注明細画面DTは、図4に示すように、行ごと発注する資材SZ1,SZ2・・・SZ7の名称を記入する資材名称列SZrと、これら資材名称列SZrに記入された名称に対応して行ごとに資材の型番およびメーカー名を記入する仕様列SYrと、資材名称列SZrに記入された名称に対応して発注する資材の数量を記入する数量列AMrと、その資材の単価を記入する単価列UPrと、記入された数量と単価とを掛け合わせた金額を表示する金額列MOrと、発注日を記入する発注日列Odrと、納品日を記入し表示する納品日列DLrとを備えている。
【0027】
なお、費用管理部31の設定に基づいて、発注者Orに設置された第1入出力装置21は、工程管理画面WSと発注明細画面DTとの両方を表示可能であり、かつ、両画面WS,DTの各記入欄に発注費用データを入力可能に設定されている。一方、受注者(問屋)TYに設置された第2入出力装置22は、費用管理部31に保存された工程管理画面WSにアクセスすることはできず発注明細画面DTのみを表示可能となっており、かつ、この発注明細画面DTにおいて、数量列AMr、単価列UPr、金額列MOr、納品日列DLrの各欄に応答費用データを入力可能となっている。
【0028】
そこで、本実施例1では、各列AMr、UPr、MOr、Odrなどにおいて、発注者Orが第1入出力装置21により記入したものが発注費用データに相当し、受注者TYが第2入出力装置22によりこれに上書きして記入したものが応答費用データとなる。すなわち、第1入出力装置21により最初に記入された値は、推定値や希望値であり、第2入出力装置22により記入された値が、実価格となる。また、納品日列DLrにあっては、第1入出力装置21により記入される日付は納入希望日であり、第2入出力装置22により記入された日付は納品予定日となる。
【0029】
次に、図5〜図9に示すフローチャートに基づいて、費用データ積算処理の流れ、ならびに各入力装置21、22による表示および入力作業の流れについて説明する。
なお、図5は外構工事の発生から、工事単位としての邸に対応した資材費用データの積算に必要な費用データを保存するまでの全体の作業の流れを示している。
【0030】
この図5に基づいて全体の作業の流れを説明すると、外構工事は、各邸の建築に伴って発生する。
この外構工事を行なう場合、まず、住宅建築販売会社の営業担当者Tは、顧客CU(顧客についても、CU1〜CU4の何れかに特定しない場合、符号としてCUと表記する)と打ち合わせを行い、顧客CUの要望に沿って工事内容を決定し(ステップS1)、その見積もりを作成する(ステップS2)。この見積もりは、第1入出力装置21を用いて作製してもよいが、本実施の形態1では、この積算システムには含まれない第3入出力装置23により作成するものとする。なお、第3入出力装置23は、モニタ23mおよびキーボード23kを備えている。
【0031】
そして、営業部所などにおいてこの見積もりの内部承認を得ると(ステップS3)、その後、顧客CUと契約を取り交わす(ステップS4)。そして、この契約が成立すると、発注者Orは、工事に取りかかるために、施工業者M(施工業者についても、M1〜M3の何れかに特定しない場合、符号としてMと表記する)への工事の発注を行うとともに、その工事に必要な資材の発注を行なう(ステップS5)。
【0032】
この発注の段階から、実施の形態1の積算システムを使用する。
この発注時における実施例1の積算システムによる処理の流れを図6のフローチャートにより説明する。
営業担当者Tは、まず、第1入出力装置21によりサーバ30にアクセスし(ステップS200)、メニュー画面(図示省略)を表示する(ステップS201)。この場合、フローの表示は省略するが、パスワードを設定しアクセス権を持たないもののアクセスを禁止する。このメニュー画面では、工程管理画面WSと発注明細画面DTのいずれか一方を選択する選択部(図示省略)を備えており、選択された画面を表示する(ステップS202,S206)。なお、両画面WS,DTを同時に表示するようにしてもよい。
【0033】
次に、営業担当者Tは、図3に示す工程管理画面WSを用いて、工程(工事内容)および工事期間を設定し、これを記入する。工程管理画面WSでは、複数存在する業者のそれぞれについて、各顧客CU(邸)に対応して既に入力された工程と工期とが表示されているため、新たな工事を発注する場合には、対象となる工期が空いている施工業者Mを選択することができ、効率的な施工業者の設定が可能となる。
【0034】
上記の記入後に、第1入出力装置21により保存操作を行うか、あるいは自動的に工程管理画面WSの記入内容が通信回線10を介してサーバ30の費用管理部31の保存部31aに保存される(ステップS204)。
【0035】
さらに、営業担当者Tは、施工業者に向けて工程および工事期間を送信する(ステップS205)。この送信は、積算システムを用いて行うようにしてもよいし、あるいは、積算システムを用いることなく、電話、メール、FAXなどの他の手段により行なうようにしてもよい。
【0036】
また、営業担当者Tは、発注明細画面DTを選択し(ステップS206)、これを表示させる(ステップS207)。そして、契約内容に応じ、邸の名前、必要な資材の名称、型番およびメーカー名、数量、単価、金額、発注日などの発注費用データを、各列SZr、SYr、AMr、UPr、MOr、Odrなどに入力する。なお、発注明細画面DTは、工事単位としての邸ごとに作成されるもので、最初の表示の際には、対象となる邸用の発注明細画面DTを新規に作成する。
【0037】
この新規の邸に関係づけられた発注明細画面DTの作成の際に、本実施の形態1では、記入制御部213aは、変換部213bの変換処理に基づいて、第3入出力装置23などにより既に作成された見積書のデータを取り込んで発注明細画面DTの発注費用データに変換する。この変換により、邸の名前に関連付けて、費用データとしての資材の名称、型番およびメーカー名、数量、単価および数量と単価とを掛け合わせた金額が、それぞれ、資材名称列SZr、仕様列SYr、数量列AMr、単価列UPr、金額列MOrに自動的に入力される。
【0038】
なお、この時点の数量、単価、金額などの発注費用データは、それぞれ見積もりの段階で予測された値であり、数量は、設計図などから求められた予測数量であり、単価は、あらかじめ把握している予測単価であり、金額も両者を掛け合わせた予測金額である。
さらに、営業担当者Tは、発注日を入力するのに加え、工程管理画面WSに基づいて設定した日程に応じて、納品希望日を設定して納品日列DLrに入力する。これらの発注明細画面DTに記入されたデータは、第1入出力装置21による保存操作、あるいは入力に伴い自動的に、通信回線10を介してサーバ30の費用管理部31の保存部31aに保存される(ステップS208:第1の費用データ保存処理)。
また、この保存の際に、数量計測用図面のデータを、発注明細画面DTに関連付けて保存する。この数量計測用図面は、必要な資材の数量を確認するのに用いる図面であって、例えば、設計図面である。
そして、受注者(問屋)TYに対して、通信回線10を介し第2入出力装置22に向けて、発注を行ったことを送信する(ステップS209)。
【0039】
図5に戻り、発注者Or(営業担当者T)によりステップS5の発注が実行されると、受注者TYは、必要な資材の数量の最終確認を行い(ステップS6)、さらに、必要な資材の納品の可否や、単価、納品予定日などの確認を行い(ステップS7)、その後、これらの応答費用データを、第2入出力装置22を用いて発注明細画面DTに入力し保存する(第2の費用データ保存処理)。
【0040】
このステップS6〜S8における受注者TYが行う処理の詳細を、図7のフローチャートにより説明する。
受注者(問屋)TYは、まず、サーバ30にアクセスし(ステップS301)、発注明細画面DTを開き(ステップS302)、発注の有無を確認する(ステップS303)。そして、発注があった場合は、受注者TYは、発注内容(資材名称および仕様、資材の数量、単価、納品希望時)を確認する(ステップS304)。次に、添付された数量計測用図面に基づいて資材名称、仕様、数量に問題がないか確認する(ステップS305)。すなわち、発注者Orからの発注が、添付の数量計測用図面に応じたものであるか否かを確認する。
【0041】
さらに、受注者TYは、施工を担当する施工業者Mに対し、電話、メール、FAX、郵便などの通信手段を用いて、資材名称、仕様、数量に変更が無いか最終確認する(ステップS305)。
すなわち、外構工事においては、実際に施工する土地の傾斜や凹凸などの影響により、設計どおりに施工ができず、必要な資材の種類が変更になったり、資材の必要数量が変更になったりすることがある。このため、施工業者Mに直接連絡して、資材名称、仕様、数量などに変更がないか最終確認を行う。ここで、変更があった場合、発注者Orにその旨連絡を入れてもよいし、後述のステップS307,S8において記入する際に、その変更理由を記載するようにしてもよい。本実施の形態1では、発注明細画面DTに、そのような連絡を行う備考欄BRが設定されているものとする。
【0042】
次に、受注者(問屋)TYは、資材販売業者Deに対し、電話、メール、FAX、郵便などの通信手段を用いて、発注予定資材について、その数量を納品可能であるか、単価、納品予定日などの確認を行う(ステップS306)。そして、受注者(問屋)TYは、資材販売業者Deからこれらの回答を得て、注文した資材の数量、単価、納品予定日が確定した時点で、第2入出力装置22を用いてこれらの値を応答費用データとして各記入欄の上書き入力を行うとともに、これを保存部31aに保存する(ステップS307)。なお、この保存も第2入出力装置22の保存操作により行ってもよいし、記入に連動して自動的に行ってもよい。
【0043】
図5に戻り、受注者(問屋)TYによる入力が行われたら(ステップS8)、発注者Orは、この入力値の承認判断を行う(ステップS9)。
この承認判断に伴い、制御部213において承認処理が実行される。この承認処理の流れを図8のフローチャートにより説明すると、発注者Orは、サーバ30にアクセスし(ステップS221)、受注者TYによる発注明細画面DTへの応答費用データの入力の有無を確認し(ステップS222)、入力があった場合には、この応答費用データに対する承認の可否判断を行う(ステップS223)。
すなわち、受注者TYにより入力された資材の最終的な名称、仕様、数量、単価、金額、納品予定日に問題がないか確認し、大きな変更がないかあるいは変更があっても納得できる変更であれば、発注者Or(営業担当者T)は承認、すなわち、納品を許可する。この承認を行う場合、発注者Orは、発注明細画面DTに隣り合って設定された承認ボタンab(図4参照)をクリックする。このように、通信回線10を介して発注者Orの外部の受注者TYが資材原価に関するデータを入力しているが、このような承認を得るステップを介在させることにより、不適正な名称、仕様、数量、単価、金額、納品予定日などのデータが入力されるのを防止できる。
【0044】
そして、発注者Orによる承認が得られたら、受注者(問屋)TYは、資材販売業者Deに対して発注を行う(図5のS10、図7のS309)。これにより、資材が、図2の資材販売業者De2,De3から顧客(邸)CUへ直接、あるいは資材販売業者De1から受注者TYを経由して納品される(図5のS11)。
【0045】
なお、発注者Orによる承認が得られた場合は、既にステップS307において受注者(問屋)TYにより発注明細画面DTに入力された各応答費用データが確定することになる。これら数量、単価、納品日は、推定価格や予定日ではなく、それぞれ確定した正確な値であり、これらが納品よりも前の時点であって、当然のことながら請求書が発行される前の時点で記入される。
また、資材に関し、発注者Orが、資材販売業者Deに直接発注するのではなく、受注者(問屋)TYを介し、受注者(問屋)TYが一元管理することで、発注者Orによる記入の手間や、確認などの手間を削減できる。
【0046】
一方、承認が得られない場合、すなわち、発注者Orが、入力された価格や納品日に納得できない場合は、この発注をキャンセルして、他の受注者(問屋)TYに発注を行うなどの処理を行うことができる。なお、再発注した場合の処理の流れは、以上説明した流れと同じ流れを繰り返すことになる。
【0047】
その後、工事が完全あるいはほぼ完了し、邸を顧客CUに引き渡す際には、契約の完了に伴って、いわゆる「邸の締め」を行い、この際に、外構工事の原価を算出する。
この「邸の締め」の際には、図9に示すように、営業担当者Tが、第1入出力装置21によりサーバ30にアクセスし(ステップS231)、該当する邸の発注明細画面DTを呼び出し(ステップS232)、制御部213の費用積算部213cにより金額列MOrの積算を行う(ステップS233)。なお、この積算値は、この時点で行うものに限られず、常時、それまで入力された金額の積算値を演算して表示するようにしてもよい。
ここで、外構工事の原価としては、前述のように資材原価と工事原価とが存在するが、本実施の形態1の積算システムは、資材原価を求めるために資材費用データを積算するのに使用する。そして、この得られた積算値を、積算システムの外部の、例えば経理部門に設置された第3入出力装置23などにおいて、工事原価と足し合わせて最終的な外構工事原価を演算するものとし、その詳細な説明は省略する。また、この経理部門の積算において、変換部213bにより、本積算システムで演算された資材原価を、経理部門で用いるデータとして変換するようにしてもよい。
【0048】
次に、資材の発注、納品、積算の関係について説明を加える。
図10は、発注と納品の一例を示している。図において11月25日は、資材販売業者Deの毎月の営業締め日Sm1とする。発注者Orは、この営業締め日Sm1の前に、3種類の資材SZ1〜SZ6を発注し、2種類の資材SZ1〜SZ5については営業締め日Sm1の前に納品され、資材SZ6は営業締め日Sm1を過ぎて納品されたとする。
このような場合、原価計算の元となる請求書は、資材SZ1〜SZ5については、11月25日の営業締め日Sm1に発行されるが、残りの1種類の資材Sz6については、次の締め日である12月25日に発行されることになる。
【0049】
このような状況において、対象となる邸の外構工事が完工し、11月30日に顧客CUに邸を引き渡すのに伴って、この日を邸の締め日Sm2とした場合、従来は、2資材SZ1〜SZ5については請求書に基づいて資材原価として積算されるが、資材SZ6については、請求書の発行日が、翌月の営業締め日となり、邸の締め日Sm2の時点では発注者Orに届いておらず資材原価の漏れとなる可能性が高かった。
【0050】
それに対して、本実施の形態1では、発注者Orではなく受注者(問屋)TYが、資材原価に関するデータである数量、単価、金額、納品予定日などの応答費用データを、第2入出力装置22を用いて、資材販売業者Deに対して納品予定日を確認した時点(ステップS7)に記入する。このため、納品日が翌月の営業締め日Sm1の後になる資材SZ6についても、邸の締め日Sm2の前に記入されて原価漏れを防止することができる。
【0051】
また、受注者(問屋)TYが、納品の際に入力するため、発注者Orの営業担当者Tが、納品後に受注者(問屋)TYから送られてきた請求書を見て、入力するのと比較して、転記ミスなどが生じることなく正確に早期に入力することができる。
【0052】
次に、図10に示すように、「邸の締め」の直前に追加工事が発生した場合について説明する。
このような追加工事が発生した場合も、この追加工事に対して、上述のステップS1〜S11の処理を行う。
この追加工事を行なう場合、まず、営業担当者Tは、工事内容の決定後、見積もりを作成する(ステップS1,S2)。そして、見積もりの内部承認を得て(ステップS3)、その後、顧客CUとの契約が成立すると(ステップS4)、工事に取りかかるために、工程管理画面WSを用いて施工業者Mへの工事の発注を行うとともに、発注明細画面DTを用いて受注者TYに対して工事に必要な資材SZ7の発注を行なう(ステップS5)。
【0053】
受注者(問屋)TYは、発注された内容(品目(資材名称および仕様)、資材SZ7の数量、単価、納品希望時)を確認し、施工業者Mに対し、品目、数量に変更が無いか確認する(ステップS6)。
【0054】
次に、受注者(問屋)TYは、資材販売業者Deに対し、発注予定の資材SZ7についてその数量を納品可能であるか、単価に変更はないか、納品希望日に納品が可能であるかの確認を行い(ステップS7)、その後、資材販売業者Deから、これらの回答を得て、注文した資材SZ7の数量、単価、納品日が確定した時点で、第2入出力装置22を用いて、これらの応答費用データの入力を行う(ステップS8)。
【0055】
この受注者(問屋)TYによる入力が行われたら、発注者Or(営業担当者T)は、承認を行う(ステップS9)。そして、承認が得られたら、受注者(問屋)TYは、資材販売業者Deに対して発注を行う(ステップS11)。
【0056】
以上のように、追加工事があった場合も、その対象となる邸に関連付けられた発注明細画面DTに、資材SZ7の名称、型番およびメーカー名、数量、単価が入力される。したがって、後から追加された工事の資材SZ7に関しても、受注者TYが販売業者に発注し、その納品予定日が確定した時点で、邸に正しく関連付けられる。
【0057】
よって、図10に示す例のように、発注のタイミングが邸の締め日Sm2よりも前の資材SZ7に関する原価データは、従来では「邸の締め」に積算されることはなかったが、本実施の形態1では、納品の確定のタイミングによっては「邸の締め」に積算される可能性もある。
【0058】
また、この追加工事において、邸の締め日Sm2の後に追加工事が実施された場合も、その原価データの記入を、対象となる邸について既に作成されている発注明細画面DTに記入することで、邸に関連付けられるため、追加工事が終わった段階で、邸の施工原価を確認する際には、追加工事の原価を正確に知ることができる。
【0059】
以上のように、本実施の形態1では、以下に列挙する効果を得ることができる。
a)原価管理を行うサーバ30にアクセス可能な第2入出力装置22を受注者(問屋)TYに設置し、受注者TYが請求書を発行するよりも前の時点であるとともに、資材販売業者Deが納品するよりも前の時点であって、資材の実際の価格や最終決定された数量および納品予定日が確定した時点で、受注者TYが、発注明細画面DTに、資材の数量、価格、納品予定日などの応答費用データを入力可能とした。
したがって、従来のように、受注者TYが発行した請求書が届いて、発注者Orが入力するのと比較して、早期に入力可能であるとともに、転記ミスが生じることが無く、入力の手間を削減できかつ資材原価を正確に積算可能となった。
しかも、受注者TYは、ほぼ同時期に各応答費用データの記入が可能であり、発注者Orが請求書に基づいて入力するのと比較して、データを得る期間のバラツキが少なく、入力作業が煩雑になりにくい。
【0060】
b)受注者(問屋)TYが入力した応答費用データについて、営業担当者Tが承認判断を行なうステップを設定したため(ステップS9,S223)、通信回線10を介して外部の受注者TYが費用データを入力するようになっていても、不適正な価格が入力されるのを防止できる。
【0061】
c)邸の原価を算出するのにあたり、工事の原価とは別個に発注明細画面DTを用いて資材の原価を入力するようにしているため、例えば、施工業者Mが、工事と資材との両方を一括して受けるようにした、いわゆる材工一括処理と比較して、正しく原価を把握することができる。
【0062】
d)第1入出力装置21の制御部213に変換部213bを設け、積算システム外の第3入出力装置23で作成された見積書のデータを、発注明細画面DTの各記入列に自動的に変換して入力するようにしたため、営業担当者Tが、見積書に記載されたデータを手打ちで入力する必要が無くなり、入力作業性に優れる。
【0063】
e)工程管理画面WSにより、施工業者Mと、工事期間とを管理するようにしたため、同じ工期に、同一の施工業者Mに間違えて発注するミスを防止できる。
【0064】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。
【0065】
例えば、実施の形態では、工事単位として、「邸」を示したが、これに限定されず、例えば、住宅建築以外の建設工事に適用した場合、その建設対象(例えば、ビル、橋、道路)を工事単位としてもよい。
さらに、発注者を住宅建築販売業者の外構部門とし、外構工事の原価を求める場合を例としてあげたが、発注者および原価計算の対象はこれに限定されない。例えば、発注者を住宅建築販売業者とし、住宅の建築にかかる費用全般の原価を積算するのに用いてもよい。あるいは、実施の形態で示した、発注者を施工業者Mとし、例えば、材工一括発注を受けた場合の、資材に関する原価を求めるのに使用してもよい。あるいは、工程管理画面WSに、さらに工事費用を、受注者としての施工業者が入力し、発注者側でこれを積算するようにしてもよい。
【0066】
また、実施の形態では、発注者側が、発注明細画面において、第1入出力装置により記入された資材に関するデータ(数量、単価、納品希望日など)に対し、受注者が第2入出力装置により原価データを記入した場合、数量、単価、納品予定日などは、上書きされるようにした例を示したが、これに限定されず、発注者が記入した発注費用データと、受注者が記入した応答費用データとを、併記するようにしてもよい。
さらに、本発明のシステムを利用して、第2入出力装置で入力した応答費用データをそのまま請求書として出力可能としてもよい。その場合、従来と比較して、応答費用データの入力の手間を、請求書の入力の手間に完全に転嫁でき、トータルの手間を削減できる。
【符号の説明】
【0067】
10 通信回線
21 第1入出力装置
22 第2入出力装置
31 費用管理部
31a 保存部
213a(第1の)記入制御部
213c費用積算部
223a(第2の)記入制御部
AMr 数量列(記入欄)
DLr 納品日列(記入欄)
DT 発注明細画面
MOr 金額列(記入欄)
Odr 発注日列
SYr 仕様列(記入欄)
SZr 資材名称列(記入欄)
TY 受注者
UPr 単価列(記入欄)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設工事に必要な資材や工数など積算対象の費用データを、設定された工事単位に関連付けて保存する費用管理部と、
この費用管理部に通信回線を介してアクセス可能であり、前記積算対象を発注する発注者に設置された第1入出力装置と、
前記費用管理部に前記通信回線を介してアクセス可能であり、前記積算対象の発注を受ける受注者に設置された第2入出力装置と、
を備え、
前記費用管理部は、前記費用データを保存する保存部を備え、
前記第1入出力装置は、前記工事単位ごとに設定されて前記費用データを記入するための発注明細画面を表示するとともに、前記第1入出力装置により前記発注明細画面の記入欄に記入された前記発注者が発注する前記費用データである発注費用データを、前記通信回線を介して前記保存部に保存する第1の費用データ保存処理を行なう第1の記入制御部を備え、
前記第2入出力装置は、前記費用管理部にアクセスして、前記発注明細画面を表示させて前記発注費用データを表示する発注表示処理と、前記発注明細画面に前記第2入出力装置により前記積算対象の前記発注に応答して決定された前記費用データである応答費用データが記入された際に、前記応答費用データを前記保存部に保存させる第2の費用データ保存処理を実行する第2の記入制御部を備え、
前記第1入出力装置は、前記保存部に保存された前記応答費用データを、前記工事単位に関連付けて積算して表示する費用積算部を備えていることを特徴とする積算システム。
【請求項2】
前記建設工事は、住宅の外構工事であり、
前記発注者は、前記住宅建築を管理する業者であり、
前記受注者は、前記資材の発注を受けて資材を調達して前記発注者に対し納入する問屋であり、
前記発注費用データは、前記資材の種類、数量に関するデータであり、
前記応答費用データは、前記資材の納品数量、納品価格に関するデータであり、
前記費用積算部は、前記保存部に保存された納品数量および納品価格を含む応答費用データを前記邸に関連付けて積算して表示することを特徴とする請求項1に記載の積算システム。
【請求項3】
前記第1入出力装置は、顧客との契約のためにシステム外で作成された工事見積書に記載された前記費用データを、前記発注明細画面の前記記入欄に前記発注費用データとして変換して入力する変換部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の積算システム。
【請求項4】
前記第1入出力装置の制御部は、前記発注者が前記第2入出力装置により記入された前記応答費用データが適正であると判断したことを受けて、前記第2入出力装置に向けて納品を許可することを伝える承認処理を実行することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の積算システム。
【請求項5】
前記第1の記入制御部は、施工業者および工期の記入欄を有した工程管理画面を表示するとともに、この工程管理画面に記入された前記施工業者および前記工期を、前記保存部に保存する処理を実行することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の積算システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−168596(P2012−168596A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26728(P2011−26728)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【特許番号】特許第4850310号(P4850310)
【特許公報発行日】平成24年1月11日(2012.1.11)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】