積載物包装体及び積載物の包装方法
【課題】開封作業の効率化及び容易化を図ることができる積載物の包装方法及び積載物包装体を提供する。
【解決手段】載置台10の側面10Aに、該側面全周よりも長尺であり巻き付け余剰部を有する両面テープ14を巻き付けて側面10Aに両面テープ14の内側面を貼着させる。次に,両面テープ14が貼着された載置台側面10Aと、PS版積層束12の側面12Aとに、載置台側面全周よりも長尺で両面テープ14よりも短尺な包装材16を巻き付けて両面テープ14の外側面に包装材下部16Aを貼着固定させると共に、両面テープ14の余剰部14Aについては包装材16の外側面に貼着するように包装材16を巻き付けて余剰部14Aの少なくとも端部14aを包装材16から露出させる。次に、巻き付けられた包装材16の上部16BPS版積層束12の上面12Bを隠すように折り畳んで、折り畳んだ合わせ部を封止テープ20A封止する。
【解決手段】載置台10の側面10Aに、該側面全周よりも長尺であり巻き付け余剰部を有する両面テープ14を巻き付けて側面10Aに両面テープ14の内側面を貼着させる。次に,両面テープ14が貼着された載置台側面10Aと、PS版積層束12の側面12Aとに、載置台側面全周よりも長尺で両面テープ14よりも短尺な包装材16を巻き付けて両面テープ14の外側面に包装材下部16Aを貼着固定させると共に、両面テープ14の余剰部14Aについては包装材16の外側面に貼着するように包装材16を巻き付けて余剰部14Aの少なくとも端部14aを包装材16から露出させる。次に、巻き付けられた包装材16の上部16BPS版積層束12の上面12Bを隠すように折り畳んで、折り畳んだ合わせ部を封止テープ20A封止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積載物包装体及び積載物の包装方法に係り、特に、積載物として平版印刷版(以下PS版という)を複数枚積層したPS版積層束を、載置台上に載置して、載置台ごとPS版積層束を包装材で包装する積載物包装体及び積載物の包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メーカー側では、製造した板状の商品を複数枚積層した積載物を載置台ごと包装紙で包装した積載物包装体をパレット等に載せ、トラック等の輸送手段でユーザーへ輸送し、ユーザー側では積載物包装体を開封して商品を取り出し使用することは、各種商品で実施されている。しかし、ユーザー側では、作業効率等の観点から包装体の煩雑な開封作業を極力回避する傾向にあり、包装体の開封作業が容易な包装方法が要望されている。
【0003】
上記積載物の一例として、印刷原版であるPS版があり、PS版の例で以下に説明する。
【0004】
近年の製版法では、製版工程の自動化を容易にすべく、感光性印刷版や感熱性印刷版等のPS版が広く用いられている。PS版は、製造ラインにおいて、シート状或いはコイル状のアルミニウム板等の支持体に、例えば、砂目立て、陽極酸化、シリケート処理、その他化成処理等の表面処理を単独又は適宜組み合わせて行い、次いで、感光層又は感熱層の塗布、乾燥処理を行った後に所望のサイズに切断される。
【0005】
所望サイズに切断されたPS版は、例えば特許文献1に見られるように、複数枚積層された束であるPS版積層束(積載物)を版台(載置台)ごと包装材(例えばアルミクラフト紙)で包装して積載物包装体を形成し、積載物包装体をパレットに固定してから、ユーザーに向けてトラック等で輸送される。ユーザー側では、積載物包装体を手動又は自動で開封して製版機械にセットされ、露光、現像処理、ガム引き等の製版処理が行われる。
【0006】
かかる積載物包装体の開封作業において、開封作業の作業効率化及び容易化の観点から手動及び自動に関わらず開封工数が少なく容易に開封でき且つ確実に開封できる開封作業が要求されている。
【0007】
例えば、特許文献2において出願人は、積載物を包装紙で包装する際に、段ボール製の載置台の側面にテープを巻いて段ボールの隙間をなくし、その上に両面テープを巻いてから包装紙を巻き付けることを提案している。これにより、載置台が段ボール製であっても段ボールの隙間がなくなり接着面積が増えるので、包装紙の接着性を向上できると共に、両面テープを使用することで包装紙を固定し易くなり、包装し易いとのメリットがある。
【特許文献1】特開2002−337929号公報
【特許文献2】特開2004−224404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2は、開封作業の効率化及び容易化を目的とした発明ではなく、特許文献2を実施しても、ユーザーが満足するような開封作業の効率化及び容易化を図ることができないという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、開封作業の効率化及び容易化を図ることができる積載物包装体及び積載物の包装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、板状の載置台と、前記載置台の上に載置された積載物と、前記載置台の側面全周よりも長尺であり巻き付け余剰部を有して形成され、前記載置台の側面に巻き付け貼着される両面テープと、前記載置台の側面全周よりも長尺で前記両面テープよりも短尺に形成され、前記積載物側面と前記載置台側面とに巻き付けられることにより、下部が前記両面テープに貼着固定されると共に、上部が前記積載物の上面を隠すように折り畳まれた包装材と、前記折り畳まれた包装材の合わせ部を封止する封止テープと、で構成され、前記両面テープの余剰部は前記包装材の外側面に貼着されることで前記余剰部の少なくとも端部が前記包装材から露出していることを特徴とする積載物包装体を提供する。
【0011】
請求項1の積載物包装体によれば、包装材の外側面に露出した両面テープ余剰部の露出部分を開封作業の端緒として、両面テープを載置台の側面に沿って剥がしていくと、両面テープで包装材の下部を破断しながら剥がれていくと共に、破断した包装材下部は両面テープに貼着されたままになる。この結果、載置台が露出し、積載物に残された包装材部分が積載物に被さった状態になるので、この包装材部分を上方に持ち上げれば積載物から脱離する。これにより簡単且つ容易に開封作業が終了する。
【0012】
このように、本願発明では、両面テープの剥がし工程と、包装材の脱離工程の2工程のみで開封作業を行うことができるので、開封作業の効率化及び容易化を図ることができる。
【0013】
請求項2は請求項1において、前記包装材の上から前記載置台側面部分に巻き付けられると共に、その巻き付け終端部と前記両面テープの余剰部露出箇所とが固着された補強テープを備えたことを特徴とする。
【0014】
ここで、載置台側面部分の部分としたのは、補強テープを側面に直接巻き付けるのではなく、包装材を介して巻き付けることを意味する。
【0015】
請求項2によれば、補強テープの巻き付け終端部と両面テープ余剰部の露出部分とは互いに固着されているので、補強テープを剥がすことで両面テープが一緒に剥がれていき、請求項1と同様の開封作業を行うことができる。かかる開封作業において、補強テープと両面テープとが包装材を挟み込んだ状態で包装材を破断していくので、破断をスムーズに行うことができる。また、両面テープのみの場合には、外側面が粘着性であり扱い難いが、補強テープにより両面テープの露出部分が隠されるので、取り扱いが容易になる。
【0016】
また、載置台側面部分に補強テープを巻き付けて補強することで積載物包装体をトラック等で搬送する際に包装体内部の積載物が動いても、包装材を破損(ピンホール等)しにくくなる。特に、積載物がPS版積層束である場合には厳重な遮光性が要求されるので、ピンホールから内部に光が入ることがPS版の重大欠陥となる。
【0017】
請求項3は請求項1又は2において、前記両面テープの破断強度は、前記包装材の破断強度よりも大きいことを特徴とする。
【0018】
請求項3によれば、両面テープの破断強度を、包装材の破断強度よりも大きくしたので、両面テープをゆっくりと慎重に剥がさなくても包装材下部を確実に破断することができる。
【0019】
請求項4は請求項2又は3において、前記両面テープと前記補強テープとの接着力は、前記両面テープと前記包装材との接着力よりも大きいことを特徴とする。
【0020】
請求項4によれば、両面テープと補強テープとの接着力を、両面テープと包装材との接着力よりも大きくしたので、補強テープをゆっくりと慎重に剥がさなくても、両面テープを補強テープと一緒に確実に剥がすことができる。
【0021】
請求項5は請求項1〜4の何れか1において、前記両面テープの幅寸法は、5mm以上、前記載置台の側面厚み未満であることを特徴とする。
【0022】
請求項5によれば、両面テープの幅寸法を、5mm以上、載置台の側面厚み未満とし、包装材の破断がし易い太さにすることで破断性が向上すると共に、上限を載置台未満とすることで、両面テープの接着材が積載物を汚すことがない。
【0023】
請求項6は請求項1〜5の何れか1において、前記包装材の下部であって前記巻き付け終端部には、切欠きが形成されていることを特徴とする。
【0024】
請求項6によれば、包装材の下部であって巻き付け終端部には切欠きが形成されているので、積載物包装体の開封時に、両面テープで包装材下部を一層容易に破断し易くなる。
【0025】
請求項7は請求項1〜6の何れか1において、前記包装材の下部に、該包装材の全長に渡って前記包装材下部の破断を容易にする弱化線が形成されていることを特徴とする。
【0026】
請求項7によれば、包装材の下部に、該包装材の全長に渡って前記包装材下部の破断を容易にする弱化線が形成されているので、両面テープで包装材下部を更に容易に破断し易くなる。
【0027】
請求項8は請求項1〜7の何れか1において、前記載置台は脚部付きのスキッドであることを特徴とする。
【0028】
請求項8によれば、載置台を脚部付きのスキッドにすることで、載置台の側面が床面やパレット等から離間されるので、両面テープ、包装材、補強テープの巻き付けがし易くなる。
【0029】
請求項9は請求項2〜8の何れか1において、前記包装材から露出した両面テープの露出部分と、前記補強テープの巻き付け終端部とが固着されており、前記補強テープを剥がす動作に連動して前記両面テープが包装材の下部を破断していくことにより、前記包装材の下部と前記両面テープとが前記補強テープと一緒に前記載置台の側面全周から除去され、これにより前記積載物に残された包装材部分が上方に脱離可能状態になることを特徴とする。
【0030】
請求項9は、積載物包装体の包装形態が如何に開封し易い構造になっているかを説明したもので、補強テープを剥がす動作に連動して両面テープが包装材の下部を破断していく構造になっている。したがって、包装材の下部と両面テープとが補強テープと一緒に載置台の側面全周から除去されるので、積載物に残された包装材部分を上方に引っ張って積載物から脱離するだけで、開封作業が終了する。
【0031】
請求項10は請求項1〜9の何れか1において、前記積載物は、長方形な平版印刷版を複数枚積層したPS版積層束であることを特徴とする。
【0032】
開封作業の効率化及び容易化は、PS版のように、ユーザー側において印刷ラインの自動化を図る中で開封作業についても自動化を図りたい業界において特に要望されている。したがって、本発明の包装方法であれば、上述したように両面テープの剥がし工程と、包装材の脱離工程の2工程のみで開封作業を行うことができるので、開封作業の自動化も可能であり、極めて有効である。
【0033】
前記目的を達成するために請求項11に記載の発明は、板状の載置台の上に積載された積載物を包装材で包装する積載物の包装方法において、前記載置台の側面に、該側面全周よりも長尺であり巻き付け余剰部を有する両面テープを巻き付けて前記側面に前記両面テープの内側面を貼着させる両面テープの貼付け工程と、前記両面テープが貼着された載置台側面と、積載物側面とに、前記載置台側面全周よりも長尺で前記両面テープよりも短尺な包装材を巻き付けて前記両面テープの外側面に前記包装材下部を貼着固定させると共に、前記両面テープの余剰部については前記包装材の外側面に貼着するように包装材を巻き付けて前記余剰部の少なくとも端部を前記包装材から露出させる包装材の巻付け工程と、前記巻き付けられた包装材の上部を前記積載物の上面を隠すように折り畳んで、折り畳んだ合わせ部を封止テープで封止する封止工程と、から成ることを特徴とする積載物の包装方法を提供する。
【0034】
請求項11は、積載物包装体を形成するための包装の工程を示したものであり、上記工程を行うことにより、開封作業の効率化及び容易化を図ることができる積載物包装体を形成することができる。
【0035】
請求項12は請求項11において、前記包装材巻付け工程後の前記載置台側面部分に補強テープを巻き付けて補強すると共に、前記補強テープの巻き付け終端部と前記両面テープ余剰部の露出部分とを互いに固着させる補強テープ貼付け工程を備えたことを特徴とする。
【0036】
請求項12は、補強テープを用いて補強テープ貼付け工程を行う場合であり、これにより上記説明した作用効果を得ることができる。
【0037】
請求項13は請求項11又は12において、前記積載物は、長方形な平版印刷版を複数枚積層したPS版積層束であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
以上説明したように、本発明によれば、積載物包装体の開封作業の効率化及び容易化を図ることができ、特に積載物がPS版の場合に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、添付図面に従って、本発明に係る積載物の包装方法及び積載物包装体について詳細に説明する。尚、包装される積載物として、矩形な薄板状のPS版(例えば0.3×1310×1050mmのアルミ板に感光層が塗布されたもの)を複数枚積層したPS版積層束の例で以下に説明する。PS版積層束としては、通常、PS版が200枚〜2000枚程度積載される。
【0040】
PS版積層束は次の工程により包装する。
【0041】
図1に示すように、矩形な厚板状に形成された載置台(載置台)10の上に、PS版積層束12を載置する。この場合、PS版積層束12は、種類によってPS版同士の間に漂白クラフトパルプから抄造した合紙(図示すせず)を挟み込むようにしてもよく、更にはPS版積層束の上面と下面とに保護用厚紙(図示すせず)を当ててもよい。
【0042】
PS版積層束12の底面積は載置台10の載置面(上面)の面積と同じか、一回り小さいことが好ましい。載置台10の材質としては特に限定されないが、使い回しをすることが通常であるので、プラスティック製、例えば塩化ビニール樹脂が好ましい。
【0043】
なお、以下の説明では、載置台10として、脚部を有しない矩形な厚板状のもので説明するが、図2に示すように、脚部11付きの載置台10、通称スキッドを好ましく使用することができる。
【0044】
次に、載置台10の側面10Aに、該側面10A全周よりも長尺であり巻き付け余剰部14Aを有する両面テープ14を巻き付けて載置台側面10Aに両面テープ14の内側面を貼着させる(両面テープの貼付け工程)。図1は、Aの位置が両面テープ14の貼り付け開始位置であり、載置台側面10Aに対して左回りに両面テープ14を巻き付けた場合である。両面テープ14が載置台側面に1周巻回されると余剰部14Aが余るので、余剰部14Aを既に巻回された両面テープ14の外側面に重ね貼りしておく。両面テープ14の外側面には剥離紙(図示せず)が貼られているので、重ね貼りされた両面テープ14の余剰部14Aは、後の包装材巻付け工程において簡単に剥がすことができる。
【0045】
ここで、両面テープ14を左回り巻き付けるとは、載置台10を上から見た時に、載置台側面10Aに対して左回りで巻き付けることを意味する。以下において記載される右回りとの表現も載置台10を上から見た時の表現である。
【0046】
使用する両面テープの太さ(幅寸法)は、5mm以上、載置台側面10Aの厚み未満であり、好ましくは5〜15mmの範囲である。これは、後で説明する包装体開封時に、包装材の破断がし易い太さにすることで破断性が向上すると共に、上限を載置台10の厚み未満とすることで、両面テープ14の接着材がPS版積層束12を汚すことがない。
【0047】
次に、図3に示すように、両面テープ14が貼着された載置台側面10Aと、PS版積層束12の側面12Aとに、載置台側面10A全周よりも長尺で両面テープ14よりも短尺な一枚の包装材16を巻き付けて両面テープ14の外側面に包装材下部16Aを貼着固定させる。そして、両面テープ14の余剰部14Aについては包装材16の外側面に貼着するように包装材16を巻き付けて余剰部14Aの少なくとも端部14aを、図3に示すように包装材16から露出させる(包装材の巻付け工程)。
【0048】
包装材の巻付け工程を更に詳しく説明すると、重ね貼りした両面テープ14の余剰部14Aを剥がしてから、載置台側面10Aに巻回した両面テープ14の剥離紙を剥がしておく。この状態で、図3に示すように、両面テープ14の貼り付け開始位置Aから左回りで包装材16を巻き付けていく途中で、両面テープ14の余剰部14Aを包装材16の外側面に貼り付ける。それから、包装材16の全てを巻き付ける。この場合、包装材16は載置台側面10A全周よりも長尺で両面テープ14よりも短尺であるので、図4のようにB位置まで巻回され、包装材16の端部同士が重ね合わされると共に、両面テープ余剰部14Aの端部14aが包装材16から外部に露出した状態になる。
【0049】
PS版積層束12を包装する包装材16としては、遮光性の良いアルミクラフト紙を好適に使用できる。この場合、両面テープ14の破断強度は、包装材16の破断強度よりも大きいことが好ましい。これは、包装体開封時に両面テープ14が包装材16を破断(切る)する役目を行うためである。したがって、包装材16としてアルミクラフト紙を使用する場合には、両面テープ14の材質としては、開封作業時に破断しにくい例えばポリエステル材を使用することが好ましい。また、包装材16の高さは、後で説明するように、包装材上部16Bを折り畳んでPS版積層束12の上面を隠すために必要な高さに形成される。
【0050】
次に、図5に示すように、両面テープ14の端部14aから少し離して、例えば5mm程度離れた位置を貼り付け開始点Cとして、載置台側面10A部分に補強テープ18を左回りで巻き付け貼着して補強する。そして、図6に示すように、補強テープ18の巻き付け終端部18Aと両面テープ余剰部14Aの露出した端部14aとを互いに固着させる(補強テープ貼付け工程)。補強テープ18の巻き付け終端部18Aと両面テープ余剰部14Aの露出した端部14aとを互いに固着させた部分を以下、固着部分14a,18Aという。
【0051】
従って、補強テープ18の長さは両面テープ14よりも少しだけ(例えば20〜30cm)長いことが好ましい。また、補強テープ18の巻き付け終端を折り重ねて摘まみ18Bを形成することで、包装体開封作業時の端緒(てがかり)とすることが好ましい。また、補強テープ18の幅は、両面テープ14の幅よりも太く、載置台側面10Aの厚み未満であることが好ましい。
【0052】
次に、図7に示すように、巻き付けられた包装材16の上部をPS版積層束12の上面12Bを隠すように折り畳んで、折り畳んだ合わせ部を封止テープ20Aでテープ止めして封止する。この場合、包装材16の巻き付け時における重ね合わされた端部同士の重ね合わせ部にも封止テープ20Bをしてテープ止めすることが好ましい(封止工程)。封止テープ20A,20Bとしては、包装体開封作業時に破断し易いクラフトテープを好適に使用できる。尚、封止工程と補強テープ貼付け工程とはどちらを先に行ってもよい。また、本実施の形態では、両面テープ14、包装材16、補強テープ18を左回りで巻き付けたが、右回りで巻き付けることもできる。
【0053】
上記包装方法の各工程を行うことにより、積載物包装体であるPS版積層束包装体22が完成する。したがって、PS版積層束包装体22は、次の構成要素から構成される。
【0054】
即ち、板状の載置台10と、載置台10の上に載置されたPS版積層束12と、載置台側面10A全周よりも長尺であり巻き付け余剰部14Aを有して形成され、載置台側面10Aに巻き付け貼着される両面テープ14と、載置台側面10A全周よりも長尺で両面テープ14よりも短尺に形成され、載置台側面10AとPS版積層束12の側面12Aとに巻き付けられることにより、下部が両面テープ14に貼着固定されると共に、上部がPS版積層束12の上面12Bを隠すように折り畳まれた包装材16と、折り畳まれた包装材16の合わせ部を封止する封止テープ20A,20Bと、包装材16が巻付けられた載置台側面10A部分に巻き付けて補強する補強テープ18とで構成され、両面テープ14の余剰部14Aは包装材16の外側面に貼着されることで余剰部14Aの少なくとも端部14aが包装材16から露出していると共に、包装材16から露出した両面テープ14の露出部分14aと、補強テープ18の巻き付け終端部18Aとが固着されており、補強テープ18を剥がす動作に連動して両面テープ14が包装材16の下部16Aを破断していくことにより、包装材16の下部16Aと両面テープ14とが補強テープ18と一緒に載置台10の側面10A全周から除去され、これによりPS版積層束12に残された包装材部分が上方に脱離可能状態になる。
【0055】
次に、上記の包装工程で包装されたPS版積層束包装体22の開封作業について説明する。
【0056】
図8に示すように、作業者(図示せず)は、補強テープ18の摘まみ18Bを手でつまんで、補強テープ18を載置台側面10Aに沿って右回りで剥がしていく。そして、補強テープ18を、固着部分14a,18Aよりも更に剥がしていくと、固着部分14a,18Aは、補強テープ18に両面テープ14が固着されているので、補強テープ18の剥がしと一緒に両面テープ14が載置台側面10Aから剥がれていく。これにより、図9に示すように、補強テープ18の剥がし動作に連動して、両面テープ14が包装材16の下部16Aを破断(切る)していく。したがって、両面テープ14と補強テープ18との接着力は、両面テープ14と包装材16との接着力よりも大きいことが好ましい。また、図には示さなかったが、包装材16の下部16Aであって巻き付け終端部Bに、切欠きを形成しておくと、包装材16を両面テープ14で一層破断し易くなる。更には、包装材16の下部16Aに、該包装材16の全長(載置台側面の周方向での全長)に渡って包装材下部16Aの破断を容易にする弱化線を形成すると、包装材16を両面テープ14で更に破断し易くなる。弱化線の具体例としては、例えばミシン目、包装材の厚みを薄くした線条部分、包装材の材質を弱くした線条部分等がある。
【0057】
これにより、補強テープ18を載置台側面10A全周に沿って全て剥がし終わると、図10に示すように、載置台10の下部(両面テープ14が貼られていた部分に相当)が露出すると共に、包装材16がPS版積層束12に被さった状態になる。また、破断された包装材下部16Aは、載置台側面10Aから剥がれた両面テープ14や補強テープ18に貼着されたままの一体物として載置台10の側面10A全周から除去される。これにより、剥がした後の、両面テープ14、包装材下部16A、補強テープ18の後始末が容易になる。(テープの剥がし工程)。
【0058】
また、図8及び図9には示さなかったが、封止テープ20Bが両面テープ14に重なるように貼られている場合には、両面テープ14で封止テープ20Bも破断することになる。
【0059】
次に、図11に示すように、作業者は、PS版積層束12に残された包装材16部分を上方に持ち上げてPS版積層束12から脱離する(包装材の脱離工程)。これにより、PS版積層束包装体22の開封作業が終了する。
【0060】
このように、本願発明では、テープの剥がし工程と、包装材の脱離工程の2工程のみで開封作業を行うことができるので、開封作業の効率化及び容易化を図ることができる。
【0061】
本発明の実施の形態では、補強テープ18を使用したが、補強テープ18なしでも可能である。しかし、補強テープ18を使用することで、補強テープ18と両面テープ14とが包装材16を挟み込んだ状態で包装材16を破断していくので、破断をスムーズに行うことができる。特に、図7に示すように、補強テープ18の上から包装材16の合わせ部に封止テープ20Bをすることで、開封作業の際に封止テープ20Bの破断を補強テープ18で行うことになるので、両面テープ14の破断負荷が小さくなる。また、両面テープ14のみの場合には、外側面が粘着性であり扱い難いが、補強テープ18により両面テープ14の露出部分が隠されるので、取り扱いが容易になる。
【0062】
特に、PS版積層束12のように遮光性を必要とする積載物については、包装の際に補強テープ18を使用することが重要である。即ち、PS版積層束包装体22をトラック等によりユーザーに輸送する際に、包装材16内部のPS版積層束12が動いて包装材16にピンホール等の破損を生じる可能性があり、補強テープ18は包装材16の破損防止にも役立つからである。
【0063】
尚、本実施の形態では、積載物としてPS版積層束12の例で説明したが、これに限定するものではなく、メーカー側で製造した板状の商品を複数枚積層した積載物を載置台ごと包装紙で包装した積載物包装体を、トラック等の輸送手段でユーザーへ輸送し、ユーザー側では積載物包装体を開封して商品を取り出して使用する各種商品に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の包装方法における両面テープの貼付け工程を説明する説明図
【図2】載置台として脚部を有するスキッドを使用した図
【図3】本発明の包装方法における包装材の巻付け工程を説明する説明図
【図4】両面テープ余剰部の端部を包装材の外側面に露出させる説明図
【図5】本発明の包装方法における補強テープの貼付け工程を説明する説明図
【図6】補強テープと両面テープの固着部分と補強テープの摘まみを説明する説明図
【図7】本発明の包装方法における包装材の巻付け工程を説明する説明図
【図8】PS版積層束包装体の開封作業におけるテープ剥がし工程を説明する説明図
【図9】開封作業において両面テープで包装材を破断することを説明する説明図
【図10】包装材の下部が破断して載置台が露出したことを説明する説明図
【図11】開封作業における脱離工程を説明する説明図
【符号の説明】
【0065】
10…載置台、10A…載置台の側面、11A…スキッドの脚部、12…PS版積層束、12A…PS版積層束の側面、14…両面テープ、14A…両面テープの余剰部、14a…両面テープ余剰部の端部、16…包装材、16A…包装材の下部、16B…包装材の上部、18…補強テープ、18A…補強テープの巻き付け終端部、18B…摘まみ、20A,20B…封止テープ、22…PS版積層束包装体
【技術分野】
【0001】
本発明は、積載物包装体及び積載物の包装方法に係り、特に、積載物として平版印刷版(以下PS版という)を複数枚積層したPS版積層束を、載置台上に載置して、載置台ごとPS版積層束を包装材で包装する積載物包装体及び積載物の包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メーカー側では、製造した板状の商品を複数枚積層した積載物を載置台ごと包装紙で包装した積載物包装体をパレット等に載せ、トラック等の輸送手段でユーザーへ輸送し、ユーザー側では積載物包装体を開封して商品を取り出し使用することは、各種商品で実施されている。しかし、ユーザー側では、作業効率等の観点から包装体の煩雑な開封作業を極力回避する傾向にあり、包装体の開封作業が容易な包装方法が要望されている。
【0003】
上記積載物の一例として、印刷原版であるPS版があり、PS版の例で以下に説明する。
【0004】
近年の製版法では、製版工程の自動化を容易にすべく、感光性印刷版や感熱性印刷版等のPS版が広く用いられている。PS版は、製造ラインにおいて、シート状或いはコイル状のアルミニウム板等の支持体に、例えば、砂目立て、陽極酸化、シリケート処理、その他化成処理等の表面処理を単独又は適宜組み合わせて行い、次いで、感光層又は感熱層の塗布、乾燥処理を行った後に所望のサイズに切断される。
【0005】
所望サイズに切断されたPS版は、例えば特許文献1に見られるように、複数枚積層された束であるPS版積層束(積載物)を版台(載置台)ごと包装材(例えばアルミクラフト紙)で包装して積載物包装体を形成し、積載物包装体をパレットに固定してから、ユーザーに向けてトラック等で輸送される。ユーザー側では、積載物包装体を手動又は自動で開封して製版機械にセットされ、露光、現像処理、ガム引き等の製版処理が行われる。
【0006】
かかる積載物包装体の開封作業において、開封作業の作業効率化及び容易化の観点から手動及び自動に関わらず開封工数が少なく容易に開封でき且つ確実に開封できる開封作業が要求されている。
【0007】
例えば、特許文献2において出願人は、積載物を包装紙で包装する際に、段ボール製の載置台の側面にテープを巻いて段ボールの隙間をなくし、その上に両面テープを巻いてから包装紙を巻き付けることを提案している。これにより、載置台が段ボール製であっても段ボールの隙間がなくなり接着面積が増えるので、包装紙の接着性を向上できると共に、両面テープを使用することで包装紙を固定し易くなり、包装し易いとのメリットがある。
【特許文献1】特開2002−337929号公報
【特許文献2】特開2004−224404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2は、開封作業の効率化及び容易化を目的とした発明ではなく、特許文献2を実施しても、ユーザーが満足するような開封作業の効率化及び容易化を図ることができないという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、開封作業の効率化及び容易化を図ることができる積載物包装体及び積載物の包装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、板状の載置台と、前記載置台の上に載置された積載物と、前記載置台の側面全周よりも長尺であり巻き付け余剰部を有して形成され、前記載置台の側面に巻き付け貼着される両面テープと、前記載置台の側面全周よりも長尺で前記両面テープよりも短尺に形成され、前記積載物側面と前記載置台側面とに巻き付けられることにより、下部が前記両面テープに貼着固定されると共に、上部が前記積載物の上面を隠すように折り畳まれた包装材と、前記折り畳まれた包装材の合わせ部を封止する封止テープと、で構成され、前記両面テープの余剰部は前記包装材の外側面に貼着されることで前記余剰部の少なくとも端部が前記包装材から露出していることを特徴とする積載物包装体を提供する。
【0011】
請求項1の積載物包装体によれば、包装材の外側面に露出した両面テープ余剰部の露出部分を開封作業の端緒として、両面テープを載置台の側面に沿って剥がしていくと、両面テープで包装材の下部を破断しながら剥がれていくと共に、破断した包装材下部は両面テープに貼着されたままになる。この結果、載置台が露出し、積載物に残された包装材部分が積載物に被さった状態になるので、この包装材部分を上方に持ち上げれば積載物から脱離する。これにより簡単且つ容易に開封作業が終了する。
【0012】
このように、本願発明では、両面テープの剥がし工程と、包装材の脱離工程の2工程のみで開封作業を行うことができるので、開封作業の効率化及び容易化を図ることができる。
【0013】
請求項2は請求項1において、前記包装材の上から前記載置台側面部分に巻き付けられると共に、その巻き付け終端部と前記両面テープの余剰部露出箇所とが固着された補強テープを備えたことを特徴とする。
【0014】
ここで、載置台側面部分の部分としたのは、補強テープを側面に直接巻き付けるのではなく、包装材を介して巻き付けることを意味する。
【0015】
請求項2によれば、補強テープの巻き付け終端部と両面テープ余剰部の露出部分とは互いに固着されているので、補強テープを剥がすことで両面テープが一緒に剥がれていき、請求項1と同様の開封作業を行うことができる。かかる開封作業において、補強テープと両面テープとが包装材を挟み込んだ状態で包装材を破断していくので、破断をスムーズに行うことができる。また、両面テープのみの場合には、外側面が粘着性であり扱い難いが、補強テープにより両面テープの露出部分が隠されるので、取り扱いが容易になる。
【0016】
また、載置台側面部分に補強テープを巻き付けて補強することで積載物包装体をトラック等で搬送する際に包装体内部の積載物が動いても、包装材を破損(ピンホール等)しにくくなる。特に、積載物がPS版積層束である場合には厳重な遮光性が要求されるので、ピンホールから内部に光が入ることがPS版の重大欠陥となる。
【0017】
請求項3は請求項1又は2において、前記両面テープの破断強度は、前記包装材の破断強度よりも大きいことを特徴とする。
【0018】
請求項3によれば、両面テープの破断強度を、包装材の破断強度よりも大きくしたので、両面テープをゆっくりと慎重に剥がさなくても包装材下部を確実に破断することができる。
【0019】
請求項4は請求項2又は3において、前記両面テープと前記補強テープとの接着力は、前記両面テープと前記包装材との接着力よりも大きいことを特徴とする。
【0020】
請求項4によれば、両面テープと補強テープとの接着力を、両面テープと包装材との接着力よりも大きくしたので、補強テープをゆっくりと慎重に剥がさなくても、両面テープを補強テープと一緒に確実に剥がすことができる。
【0021】
請求項5は請求項1〜4の何れか1において、前記両面テープの幅寸法は、5mm以上、前記載置台の側面厚み未満であることを特徴とする。
【0022】
請求項5によれば、両面テープの幅寸法を、5mm以上、載置台の側面厚み未満とし、包装材の破断がし易い太さにすることで破断性が向上すると共に、上限を載置台未満とすることで、両面テープの接着材が積載物を汚すことがない。
【0023】
請求項6は請求項1〜5の何れか1において、前記包装材の下部であって前記巻き付け終端部には、切欠きが形成されていることを特徴とする。
【0024】
請求項6によれば、包装材の下部であって巻き付け終端部には切欠きが形成されているので、積載物包装体の開封時に、両面テープで包装材下部を一層容易に破断し易くなる。
【0025】
請求項7は請求項1〜6の何れか1において、前記包装材の下部に、該包装材の全長に渡って前記包装材下部の破断を容易にする弱化線が形成されていることを特徴とする。
【0026】
請求項7によれば、包装材の下部に、該包装材の全長に渡って前記包装材下部の破断を容易にする弱化線が形成されているので、両面テープで包装材下部を更に容易に破断し易くなる。
【0027】
請求項8は請求項1〜7の何れか1において、前記載置台は脚部付きのスキッドであることを特徴とする。
【0028】
請求項8によれば、載置台を脚部付きのスキッドにすることで、載置台の側面が床面やパレット等から離間されるので、両面テープ、包装材、補強テープの巻き付けがし易くなる。
【0029】
請求項9は請求項2〜8の何れか1において、前記包装材から露出した両面テープの露出部分と、前記補強テープの巻き付け終端部とが固着されており、前記補強テープを剥がす動作に連動して前記両面テープが包装材の下部を破断していくことにより、前記包装材の下部と前記両面テープとが前記補強テープと一緒に前記載置台の側面全周から除去され、これにより前記積載物に残された包装材部分が上方に脱離可能状態になることを特徴とする。
【0030】
請求項9は、積載物包装体の包装形態が如何に開封し易い構造になっているかを説明したもので、補強テープを剥がす動作に連動して両面テープが包装材の下部を破断していく構造になっている。したがって、包装材の下部と両面テープとが補強テープと一緒に載置台の側面全周から除去されるので、積載物に残された包装材部分を上方に引っ張って積載物から脱離するだけで、開封作業が終了する。
【0031】
請求項10は請求項1〜9の何れか1において、前記積載物は、長方形な平版印刷版を複数枚積層したPS版積層束であることを特徴とする。
【0032】
開封作業の効率化及び容易化は、PS版のように、ユーザー側において印刷ラインの自動化を図る中で開封作業についても自動化を図りたい業界において特に要望されている。したがって、本発明の包装方法であれば、上述したように両面テープの剥がし工程と、包装材の脱離工程の2工程のみで開封作業を行うことができるので、開封作業の自動化も可能であり、極めて有効である。
【0033】
前記目的を達成するために請求項11に記載の発明は、板状の載置台の上に積載された積載物を包装材で包装する積載物の包装方法において、前記載置台の側面に、該側面全周よりも長尺であり巻き付け余剰部を有する両面テープを巻き付けて前記側面に前記両面テープの内側面を貼着させる両面テープの貼付け工程と、前記両面テープが貼着された載置台側面と、積載物側面とに、前記載置台側面全周よりも長尺で前記両面テープよりも短尺な包装材を巻き付けて前記両面テープの外側面に前記包装材下部を貼着固定させると共に、前記両面テープの余剰部については前記包装材の外側面に貼着するように包装材を巻き付けて前記余剰部の少なくとも端部を前記包装材から露出させる包装材の巻付け工程と、前記巻き付けられた包装材の上部を前記積載物の上面を隠すように折り畳んで、折り畳んだ合わせ部を封止テープで封止する封止工程と、から成ることを特徴とする積載物の包装方法を提供する。
【0034】
請求項11は、積載物包装体を形成するための包装の工程を示したものであり、上記工程を行うことにより、開封作業の効率化及び容易化を図ることができる積載物包装体を形成することができる。
【0035】
請求項12は請求項11において、前記包装材巻付け工程後の前記載置台側面部分に補強テープを巻き付けて補強すると共に、前記補強テープの巻き付け終端部と前記両面テープ余剰部の露出部分とを互いに固着させる補強テープ貼付け工程を備えたことを特徴とする。
【0036】
請求項12は、補強テープを用いて補強テープ貼付け工程を行う場合であり、これにより上記説明した作用効果を得ることができる。
【0037】
請求項13は請求項11又は12において、前記積載物は、長方形な平版印刷版を複数枚積層したPS版積層束であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
以上説明したように、本発明によれば、積載物包装体の開封作業の効率化及び容易化を図ることができ、特に積載物がPS版の場合に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、添付図面に従って、本発明に係る積載物の包装方法及び積載物包装体について詳細に説明する。尚、包装される積載物として、矩形な薄板状のPS版(例えば0.3×1310×1050mmのアルミ板に感光層が塗布されたもの)を複数枚積層したPS版積層束の例で以下に説明する。PS版積層束としては、通常、PS版が200枚〜2000枚程度積載される。
【0040】
PS版積層束は次の工程により包装する。
【0041】
図1に示すように、矩形な厚板状に形成された載置台(載置台)10の上に、PS版積層束12を載置する。この場合、PS版積層束12は、種類によってPS版同士の間に漂白クラフトパルプから抄造した合紙(図示すせず)を挟み込むようにしてもよく、更にはPS版積層束の上面と下面とに保護用厚紙(図示すせず)を当ててもよい。
【0042】
PS版積層束12の底面積は載置台10の載置面(上面)の面積と同じか、一回り小さいことが好ましい。載置台10の材質としては特に限定されないが、使い回しをすることが通常であるので、プラスティック製、例えば塩化ビニール樹脂が好ましい。
【0043】
なお、以下の説明では、載置台10として、脚部を有しない矩形な厚板状のもので説明するが、図2に示すように、脚部11付きの載置台10、通称スキッドを好ましく使用することができる。
【0044】
次に、載置台10の側面10Aに、該側面10A全周よりも長尺であり巻き付け余剰部14Aを有する両面テープ14を巻き付けて載置台側面10Aに両面テープ14の内側面を貼着させる(両面テープの貼付け工程)。図1は、Aの位置が両面テープ14の貼り付け開始位置であり、載置台側面10Aに対して左回りに両面テープ14を巻き付けた場合である。両面テープ14が載置台側面に1周巻回されると余剰部14Aが余るので、余剰部14Aを既に巻回された両面テープ14の外側面に重ね貼りしておく。両面テープ14の外側面には剥離紙(図示せず)が貼られているので、重ね貼りされた両面テープ14の余剰部14Aは、後の包装材巻付け工程において簡単に剥がすことができる。
【0045】
ここで、両面テープ14を左回り巻き付けるとは、載置台10を上から見た時に、載置台側面10Aに対して左回りで巻き付けることを意味する。以下において記載される右回りとの表現も載置台10を上から見た時の表現である。
【0046】
使用する両面テープの太さ(幅寸法)は、5mm以上、載置台側面10Aの厚み未満であり、好ましくは5〜15mmの範囲である。これは、後で説明する包装体開封時に、包装材の破断がし易い太さにすることで破断性が向上すると共に、上限を載置台10の厚み未満とすることで、両面テープ14の接着材がPS版積層束12を汚すことがない。
【0047】
次に、図3に示すように、両面テープ14が貼着された載置台側面10Aと、PS版積層束12の側面12Aとに、載置台側面10A全周よりも長尺で両面テープ14よりも短尺な一枚の包装材16を巻き付けて両面テープ14の外側面に包装材下部16Aを貼着固定させる。そして、両面テープ14の余剰部14Aについては包装材16の外側面に貼着するように包装材16を巻き付けて余剰部14Aの少なくとも端部14aを、図3に示すように包装材16から露出させる(包装材の巻付け工程)。
【0048】
包装材の巻付け工程を更に詳しく説明すると、重ね貼りした両面テープ14の余剰部14Aを剥がしてから、載置台側面10Aに巻回した両面テープ14の剥離紙を剥がしておく。この状態で、図3に示すように、両面テープ14の貼り付け開始位置Aから左回りで包装材16を巻き付けていく途中で、両面テープ14の余剰部14Aを包装材16の外側面に貼り付ける。それから、包装材16の全てを巻き付ける。この場合、包装材16は載置台側面10A全周よりも長尺で両面テープ14よりも短尺であるので、図4のようにB位置まで巻回され、包装材16の端部同士が重ね合わされると共に、両面テープ余剰部14Aの端部14aが包装材16から外部に露出した状態になる。
【0049】
PS版積層束12を包装する包装材16としては、遮光性の良いアルミクラフト紙を好適に使用できる。この場合、両面テープ14の破断強度は、包装材16の破断強度よりも大きいことが好ましい。これは、包装体開封時に両面テープ14が包装材16を破断(切る)する役目を行うためである。したがって、包装材16としてアルミクラフト紙を使用する場合には、両面テープ14の材質としては、開封作業時に破断しにくい例えばポリエステル材を使用することが好ましい。また、包装材16の高さは、後で説明するように、包装材上部16Bを折り畳んでPS版積層束12の上面を隠すために必要な高さに形成される。
【0050】
次に、図5に示すように、両面テープ14の端部14aから少し離して、例えば5mm程度離れた位置を貼り付け開始点Cとして、載置台側面10A部分に補強テープ18を左回りで巻き付け貼着して補強する。そして、図6に示すように、補強テープ18の巻き付け終端部18Aと両面テープ余剰部14Aの露出した端部14aとを互いに固着させる(補強テープ貼付け工程)。補強テープ18の巻き付け終端部18Aと両面テープ余剰部14Aの露出した端部14aとを互いに固着させた部分を以下、固着部分14a,18Aという。
【0051】
従って、補強テープ18の長さは両面テープ14よりも少しだけ(例えば20〜30cm)長いことが好ましい。また、補強テープ18の巻き付け終端を折り重ねて摘まみ18Bを形成することで、包装体開封作業時の端緒(てがかり)とすることが好ましい。また、補強テープ18の幅は、両面テープ14の幅よりも太く、載置台側面10Aの厚み未満であることが好ましい。
【0052】
次に、図7に示すように、巻き付けられた包装材16の上部をPS版積層束12の上面12Bを隠すように折り畳んで、折り畳んだ合わせ部を封止テープ20Aでテープ止めして封止する。この場合、包装材16の巻き付け時における重ね合わされた端部同士の重ね合わせ部にも封止テープ20Bをしてテープ止めすることが好ましい(封止工程)。封止テープ20A,20Bとしては、包装体開封作業時に破断し易いクラフトテープを好適に使用できる。尚、封止工程と補強テープ貼付け工程とはどちらを先に行ってもよい。また、本実施の形態では、両面テープ14、包装材16、補強テープ18を左回りで巻き付けたが、右回りで巻き付けることもできる。
【0053】
上記包装方法の各工程を行うことにより、積載物包装体であるPS版積層束包装体22が完成する。したがって、PS版積層束包装体22は、次の構成要素から構成される。
【0054】
即ち、板状の載置台10と、載置台10の上に載置されたPS版積層束12と、載置台側面10A全周よりも長尺であり巻き付け余剰部14Aを有して形成され、載置台側面10Aに巻き付け貼着される両面テープ14と、載置台側面10A全周よりも長尺で両面テープ14よりも短尺に形成され、載置台側面10AとPS版積層束12の側面12Aとに巻き付けられることにより、下部が両面テープ14に貼着固定されると共に、上部がPS版積層束12の上面12Bを隠すように折り畳まれた包装材16と、折り畳まれた包装材16の合わせ部を封止する封止テープ20A,20Bと、包装材16が巻付けられた載置台側面10A部分に巻き付けて補強する補強テープ18とで構成され、両面テープ14の余剰部14Aは包装材16の外側面に貼着されることで余剰部14Aの少なくとも端部14aが包装材16から露出していると共に、包装材16から露出した両面テープ14の露出部分14aと、補強テープ18の巻き付け終端部18Aとが固着されており、補強テープ18を剥がす動作に連動して両面テープ14が包装材16の下部16Aを破断していくことにより、包装材16の下部16Aと両面テープ14とが補強テープ18と一緒に載置台10の側面10A全周から除去され、これによりPS版積層束12に残された包装材部分が上方に脱離可能状態になる。
【0055】
次に、上記の包装工程で包装されたPS版積層束包装体22の開封作業について説明する。
【0056】
図8に示すように、作業者(図示せず)は、補強テープ18の摘まみ18Bを手でつまんで、補強テープ18を載置台側面10Aに沿って右回りで剥がしていく。そして、補強テープ18を、固着部分14a,18Aよりも更に剥がしていくと、固着部分14a,18Aは、補強テープ18に両面テープ14が固着されているので、補強テープ18の剥がしと一緒に両面テープ14が載置台側面10Aから剥がれていく。これにより、図9に示すように、補強テープ18の剥がし動作に連動して、両面テープ14が包装材16の下部16Aを破断(切る)していく。したがって、両面テープ14と補強テープ18との接着力は、両面テープ14と包装材16との接着力よりも大きいことが好ましい。また、図には示さなかったが、包装材16の下部16Aであって巻き付け終端部Bに、切欠きを形成しておくと、包装材16を両面テープ14で一層破断し易くなる。更には、包装材16の下部16Aに、該包装材16の全長(載置台側面の周方向での全長)に渡って包装材下部16Aの破断を容易にする弱化線を形成すると、包装材16を両面テープ14で更に破断し易くなる。弱化線の具体例としては、例えばミシン目、包装材の厚みを薄くした線条部分、包装材の材質を弱くした線条部分等がある。
【0057】
これにより、補強テープ18を載置台側面10A全周に沿って全て剥がし終わると、図10に示すように、載置台10の下部(両面テープ14が貼られていた部分に相当)が露出すると共に、包装材16がPS版積層束12に被さった状態になる。また、破断された包装材下部16Aは、載置台側面10Aから剥がれた両面テープ14や補強テープ18に貼着されたままの一体物として載置台10の側面10A全周から除去される。これにより、剥がした後の、両面テープ14、包装材下部16A、補強テープ18の後始末が容易になる。(テープの剥がし工程)。
【0058】
また、図8及び図9には示さなかったが、封止テープ20Bが両面テープ14に重なるように貼られている場合には、両面テープ14で封止テープ20Bも破断することになる。
【0059】
次に、図11に示すように、作業者は、PS版積層束12に残された包装材16部分を上方に持ち上げてPS版積層束12から脱離する(包装材の脱離工程)。これにより、PS版積層束包装体22の開封作業が終了する。
【0060】
このように、本願発明では、テープの剥がし工程と、包装材の脱離工程の2工程のみで開封作業を行うことができるので、開封作業の効率化及び容易化を図ることができる。
【0061】
本発明の実施の形態では、補強テープ18を使用したが、補強テープ18なしでも可能である。しかし、補強テープ18を使用することで、補強テープ18と両面テープ14とが包装材16を挟み込んだ状態で包装材16を破断していくので、破断をスムーズに行うことができる。特に、図7に示すように、補強テープ18の上から包装材16の合わせ部に封止テープ20Bをすることで、開封作業の際に封止テープ20Bの破断を補強テープ18で行うことになるので、両面テープ14の破断負荷が小さくなる。また、両面テープ14のみの場合には、外側面が粘着性であり扱い難いが、補強テープ18により両面テープ14の露出部分が隠されるので、取り扱いが容易になる。
【0062】
特に、PS版積層束12のように遮光性を必要とする積載物については、包装の際に補強テープ18を使用することが重要である。即ち、PS版積層束包装体22をトラック等によりユーザーに輸送する際に、包装材16内部のPS版積層束12が動いて包装材16にピンホール等の破損を生じる可能性があり、補強テープ18は包装材16の破損防止にも役立つからである。
【0063】
尚、本実施の形態では、積載物としてPS版積層束12の例で説明したが、これに限定するものではなく、メーカー側で製造した板状の商品を複数枚積層した積載物を載置台ごと包装紙で包装した積載物包装体を、トラック等の輸送手段でユーザーへ輸送し、ユーザー側では積載物包装体を開封して商品を取り出して使用する各種商品に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の包装方法における両面テープの貼付け工程を説明する説明図
【図2】載置台として脚部を有するスキッドを使用した図
【図3】本発明の包装方法における包装材の巻付け工程を説明する説明図
【図4】両面テープ余剰部の端部を包装材の外側面に露出させる説明図
【図5】本発明の包装方法における補強テープの貼付け工程を説明する説明図
【図6】補強テープと両面テープの固着部分と補強テープの摘まみを説明する説明図
【図7】本発明の包装方法における包装材の巻付け工程を説明する説明図
【図8】PS版積層束包装体の開封作業におけるテープ剥がし工程を説明する説明図
【図9】開封作業において両面テープで包装材を破断することを説明する説明図
【図10】包装材の下部が破断して載置台が露出したことを説明する説明図
【図11】開封作業における脱離工程を説明する説明図
【符号の説明】
【0065】
10…載置台、10A…載置台の側面、11A…スキッドの脚部、12…PS版積層束、12A…PS版積層束の側面、14…両面テープ、14A…両面テープの余剰部、14a…両面テープ余剰部の端部、16…包装材、16A…包装材の下部、16B…包装材の上部、18…補強テープ、18A…補強テープの巻き付け終端部、18B…摘まみ、20A,20B…封止テープ、22…PS版積層束包装体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の載置台と、
前記載置台の上に載置された積載物と、
前記載置台の側面全周よりも長尺であり巻き付け余剰部を有して形成され、前記載置台の側面に巻き付け貼着される両面テープと、
前記載置台の側面全周よりも長尺で前記両面テープよりも短尺に形成され、前記積載物側面と前記載置台側面とに巻き付けられることにより、下部が前記両面テープに貼着固定されると共に、上部が前記積載物の上面を隠すように折り畳まれた包装材と、
前記折り畳まれた包装材の合わせ部を封止する封止テープと、で構成され、
前記両面テープの余剰部は前記包装材の外側面に貼着されることで前記余剰部の少なくとも端部が前記包装材から露出していることを特徴とする積載物包装体。
【請求項2】
前記包装材の上から前記載置台側面部分に巻き付けられると共に、その巻き付け終端部と前記両面テープの余剰部露出箇所とが固着された補強テープを備えたことを特徴とする請求項1の積載物包装体。
【請求項3】
前記両面テープの破断強度は、前記包装材の破断強度よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2の積載物包装体。
【請求項4】
前記両面テープと前記補強テープとの接着力は、前記両面テープと前記包装材との接着力よりも大きいことを特徴とする請求項2又は3の積載物包装体。
【請求項5】
前記両面テープの幅寸法は、5mm以上、前記載置台の側面厚み未満であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1の積載物包装体。
【請求項6】
前記包装材の下部であって前記巻き付け終端部には、切欠きが形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1の積載物包装体。
【請求項7】
前記包装材の下部に、該包装材の全長に渡って前記包装材下部の破断を容易にする弱化線が形成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1の積載物包装体。
【請求項8】
前記載置台は脚部付きのスキッドであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1の積載物包装体。
【請求項9】
前記包装材から露出した両面テープの露出部分と、前記補強テープの巻き付け終端部とが固着されており、前記補強テープを剥がす動作に連動して前記両面テープが包装材の下部を破断していくことにより、前記包装材の下部と前記両面テープとが前記補強テープと一緒に前記載置台の側面全周から除去され、これにより前記積載物に残された包装材部分が上方に脱離可能状態になることを特徴とする請求項2〜8の何れか1の積載物包装体。
【請求項10】
前記積載物は、長方形な平版印刷版を複数枚積層したPS版積層束であることを特徴とする請求項1〜9の何れか1の積載物包装体。
【請求項11】
板状の載置台の上に積載された積載物を包装材で包装する積載物の包装方法において、
前記載置台の側面に、該側面全周よりも長尺であり巻き付け余剰部を有する両面テープを巻き付けて前記側面に前記両面テープの内側面を貼着させる両面テープの貼付け工程と、
前記両面テープが貼着された載置台側面と、積載物側面とに、前記載置台側面全周よりも長尺で前記両面テープよりも短尺な包装材を巻き付けて前記両面テープの外側面に前記包装材下部を貼着固定させると共に、前記両面テープの余剰部については前記包装材の外側面に貼着するように包装材を巻き付けて前記余剰部の少なくとも端部を前記包装材から露出させる包装材の巻付け工程と、
前記巻き付けられた包装材の上部を前記積載物の上面を隠すように折り畳んで、折り畳んだ合わせ部を封止テープで封止する封止工程と、から成ることを特徴とする積載物の包装方法。
【請求項12】
前記包装材巻付け工程後の前記載置台側面部分に補強テープを巻き付けて補強すると共に、前記補強テープの巻き付け終端部と前記両面テープ余剰部の露出部分とを互いに固着させる補強テープ貼付け工程を備えたことを特徴とする請求項11の積載物の包装方法。
【請求項13】
前記積載物は、長方形な平版印刷版を複数枚積層したPS版積層束であることを特徴とする請求項11又は12の積載物の包装方法。
【請求項1】
板状の載置台と、
前記載置台の上に載置された積載物と、
前記載置台の側面全周よりも長尺であり巻き付け余剰部を有して形成され、前記載置台の側面に巻き付け貼着される両面テープと、
前記載置台の側面全周よりも長尺で前記両面テープよりも短尺に形成され、前記積載物側面と前記載置台側面とに巻き付けられることにより、下部が前記両面テープに貼着固定されると共に、上部が前記積載物の上面を隠すように折り畳まれた包装材と、
前記折り畳まれた包装材の合わせ部を封止する封止テープと、で構成され、
前記両面テープの余剰部は前記包装材の外側面に貼着されることで前記余剰部の少なくとも端部が前記包装材から露出していることを特徴とする積載物包装体。
【請求項2】
前記包装材の上から前記載置台側面部分に巻き付けられると共に、その巻き付け終端部と前記両面テープの余剰部露出箇所とが固着された補強テープを備えたことを特徴とする請求項1の積載物包装体。
【請求項3】
前記両面テープの破断強度は、前記包装材の破断強度よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2の積載物包装体。
【請求項4】
前記両面テープと前記補強テープとの接着力は、前記両面テープと前記包装材との接着力よりも大きいことを特徴とする請求項2又は3の積載物包装体。
【請求項5】
前記両面テープの幅寸法は、5mm以上、前記載置台の側面厚み未満であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1の積載物包装体。
【請求項6】
前記包装材の下部であって前記巻き付け終端部には、切欠きが形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1の積載物包装体。
【請求項7】
前記包装材の下部に、該包装材の全長に渡って前記包装材下部の破断を容易にする弱化線が形成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1の積載物包装体。
【請求項8】
前記載置台は脚部付きのスキッドであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1の積載物包装体。
【請求項9】
前記包装材から露出した両面テープの露出部分と、前記補強テープの巻き付け終端部とが固着されており、前記補強テープを剥がす動作に連動して前記両面テープが包装材の下部を破断していくことにより、前記包装材の下部と前記両面テープとが前記補強テープと一緒に前記載置台の側面全周から除去され、これにより前記積載物に残された包装材部分が上方に脱離可能状態になることを特徴とする請求項2〜8の何れか1の積載物包装体。
【請求項10】
前記積載物は、長方形な平版印刷版を複数枚積層したPS版積層束であることを特徴とする請求項1〜9の何れか1の積載物包装体。
【請求項11】
板状の載置台の上に積載された積載物を包装材で包装する積載物の包装方法において、
前記載置台の側面に、該側面全周よりも長尺であり巻き付け余剰部を有する両面テープを巻き付けて前記側面に前記両面テープの内側面を貼着させる両面テープの貼付け工程と、
前記両面テープが貼着された載置台側面と、積載物側面とに、前記載置台側面全周よりも長尺で前記両面テープよりも短尺な包装材を巻き付けて前記両面テープの外側面に前記包装材下部を貼着固定させると共に、前記両面テープの余剰部については前記包装材の外側面に貼着するように包装材を巻き付けて前記余剰部の少なくとも端部を前記包装材から露出させる包装材の巻付け工程と、
前記巻き付けられた包装材の上部を前記積載物の上面を隠すように折り畳んで、折り畳んだ合わせ部を封止テープで封止する封止工程と、から成ることを特徴とする積載物の包装方法。
【請求項12】
前記包装材巻付け工程後の前記載置台側面部分に補強テープを巻き付けて補強すると共に、前記補強テープの巻き付け終端部と前記両面テープ余剰部の露出部分とを互いに固着させる補強テープ貼付け工程を備えたことを特徴とする請求項11の積載物の包装方法。
【請求項13】
前記積載物は、長方形な平版印刷版を複数枚積層したPS版積層束であることを特徴とする請求項11又は12の積載物の包装方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−173309(P2009−173309A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−13867(P2008−13867)
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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