説明

空き缶等の選別処理装置

【課題】 可搬性や設置容易性、省スペース性を損なうことなく、スチール缶とアルミ缶の圧縮減容処理を効率よく行える空き缶等の選別処理装置を提供する。
【解決手段】 可搬式の第一の架台8上に搬送コンベヤ2とアルミ缶用プレス機6とを略平行に搭載し、搬送コンベヤ2の上位には略直交方向にスチール缶選別機3を配設する一方、搬送コンベヤ2の搬送端にはアルミ缶選別機4を配設し、その下位にはアルミ缶貯留ホッパ10と、空きビン回収ホッパ7とを備える。また、第一の架台8と略平行に、かつ搬送コンベヤ2を挟んでアルミ缶用プレス機6と反対側に設置される可搬式の第二の架台9上にはスチール缶用プレス機5を搭載し、その上位にはスチール缶貯留ホッパ11を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空き缶等の混合回収物をスチール缶、アルミ缶、空きビン等に選別し、かつ選別したスチール缶、アルミ缶を減容処理する空き缶等の選別処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機や家庭等にて発生する清涼飲料水等の空き缶、空きビン等は回収されて有効に再利用が図られている。従来、これら空き缶や空きビン等を回収する際には再利用がし易いように、その種類毎に、例えばスチール缶、アルミ缶、空きビン等とにそれぞれ分別されて回収されているが、混在したままで回収されることも多々ある。
【0003】
このような混合回収物を選別するにあたり、手選別では作業者への負担が大きく、また処理量も限られてしまうため、本出願人は、例えば特許文献1(特開2000−296387号公報)や、特許文献2(特開2001−334397号公報)に示すような空き缶等の選別処理装置を既に提案している。
【0004】
上記特許文献1、2に記載の装置では、可搬式の架台上に、混合回収物を搬送する搬送コンベヤを搭載し、該搬送コンベヤの上位には搬送中の混合回収物からスチール缶を磁力選別するスチール缶選別機を配設している一方、コンベヤの搬送端にはアルミ缶を渦電流選別するアルミ缶選別機を配設し、その下位には残った空きビン等を回収する回収ホッパ等を備えており、混合回収物をスチール缶、アルミ缶、空きビン等に容易にかつ効率よく選別処理可能としている。また、架台上の残りのスペースにはプレス機を一基搭載しており、前記スチール缶選別機やアルミ缶選別機にて選別されたスチール缶やアルミ缶を前記プレス機に個別に投入させてそれぞれ圧縮減容処理可能としている。
【0005】
このように、上記空き缶等の選別処理装置にあっては、トラック等の荷台に積み込み可能な可搬式の架台上の限られたスペースに、搬送コンベヤや各種選別機、プレス機等を一体的に組み込んでコンパクトに構成しており、設置時にはトラック等にて架台ごと処理現場まで運び込んで設置すれば直ちに運転できて可搬性、設置容易性に優れたものとしていると共に、比較的小さい設置スペースでも設置可能な省スペース性にも長けたものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−296387号公報
【特許文献2】特開2001−334397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記空き缶等の選別処理装置では、選別したスチール缶やアルミ缶を一時貯留させる各貯留ホッパに所定量貯留されれば、架台上に一体的に搭載された一基のプレス機に対して順次供給を行って圧縮減容処理するようにしているが、一基のプレス機にてスチール缶とアルミ缶を交互に圧縮減容処理する装置では、処理能力に限界があって、多量のスチール缶やアルミ缶を選別処理するとなると何れか一方の処理は待機・中断を余儀なくされて更なる処理効率の向上は望めない。
【0008】
本発明は上記の点に鑑み、可搬性や設置容易性、省スペース性を損なうことなく、スチール缶とアルミ缶の圧縮減容処理を効率よく行える空き缶等の選別処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明に係る請求項1記載の空き缶等の選別処理装置では、回収した空き缶や空きビン等を搬送する搬送コンベヤと、磁力選別式のスチール缶選別機と、渦電流選別式のアルミ缶選別機と、前記各選別機にて選別したスチール缶やアルミ缶を圧縮減容処理するプレス機と、空きビン回収用の空きビン回収ホッパとから構成される空き缶等の選別処理装置において、可搬式の第一の架台上に前記搬送コンベヤとアルミ缶用のプレス機とを略平行に搭載し、搬送コンベヤの上位にはコンベヤの搬送方向と略直交方向にスチール缶選別機を配設する一方、搬送コンベヤの搬送端にはアルミ缶選別機を配設し、該アルミ缶選別機下位にはアルミ缶選別機にて選別されたアルミ缶を一時貯留して前記アルミ缶用プレス機に供給するアルミ缶貯留ホッパと、コンベヤから落下する空きビンを回収する空きビン回収ホッパとを備えると共に、前記第一の架台と略平行に、かつ搬送コンベヤを挟んでアルミ缶用プレス機と反対側に設置される可搬式の第二の架台上にはスチール缶用のプレス機を搭載し、該スチール缶用プレス機の上位には前記スチール缶選別機にて選別されたスチール缶を一時貯留してスチール缶用プレス機に供給するスチール缶貯留ホッパを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る請求項1記載の空き缶等の選別処理装置によれば、回収した空き缶や空きビン等を搬送する搬送コンベヤと、磁力選別式のスチール缶選別機と、渦電流選別式のアルミ缶選別機と、前記各選別機にて選別したスチール缶やアルミ缶を圧縮減容処理するプレス機と、空きビン回収用の空きビン回収ホッパとから構成される空き缶等の選別処理装置において、可搬式の第一の架台上に前記搬送コンベヤとアルミ缶用のプレス機とを略平行に搭載し、搬送コンベヤの上位にはコンベヤの搬送方向と略直交方向にスチール缶選別機を配設する一方、搬送コンベヤの搬送端にはアルミ缶選別機を配設し、該アルミ缶選別機下位にはアルミ缶選別機にて選別されたアルミ缶を一時貯留して前記アルミ缶用プレス機に供給するアルミ缶貯留ホッパと、コンベヤから落下する空きビンを回収する空きビン回収ホッパとを備えると共に、前記第一の架台と略平行に、かつ搬送コンベヤを挟んでアルミ缶用プレス機と反対側に設置される可搬式の第二の架台上にはスチール缶用のプレス機を搭載し、該スチール缶用プレス機の上位には前記スチール缶選別機にて選別されたスチール缶を一時貯留してスチール缶用プレス機に供給するスチール缶貯留ホッパを備えたので、混合回収物から選別処理されるスチール缶とアルミ缶とを専用に備えた二基のプレス機にてそれぞれ適宜タイミングで個別に圧縮減容処理することが可能となり、効率よく処理作業ができる。また、二基の上記プレス機は可搬式の二台の架台上にそれぞれ別々に搭載してその他各装置等と共に一体的に組み込んでユニット化すると共に、各架台設置時には搬送コンベヤを中心としてその両側に各プレス機が略平行に配置されるように構成したので、可搬性や設置容易性、並びに省スペース性を損なうことなく取り扱い易い好適なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る空き缶等の選別処理装置の一実施例の正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の一部を省略した側面図である。
【図4】図1の一部を省略したA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る空き缶等の選別処理装置によれば、トラックの荷台等に積み込み可能な可搬式の架台を二台備え、このうち第一の架台上には、回収した空き缶や空きビン等を搬送する搬送コンベヤと、アルミ缶圧縮減容処理用のプレス機とを略平行に搭載し、搬送コンベヤの上位にはコンベヤの搬送方向と略直交方向に磁力選別式のスチール缶選別機を配設している一方、搬送コンベヤの搬送端には渦電流選別式のアルミ缶選別機を配設していると共に、該アルミ缶選別機の下位前方側にはアルミ缶選別機にて前方へ弾き飛ばされるようにして選別されるアルミ缶を一時貯留して前記アルミ缶用プレス機に供給するアルミ缶貯留ホッパを、またアルミ缶選別機の下位手前側にはコンベヤからほぼ真下へ落下する空きビンを回収する空きビン回収ホッパをそれぞれ備えている。また、第二の架台上には、スチール缶圧縮減容処理用のプレス機を搭載していると共に、該スチール缶用プレス機の上位には前記スチール缶選別機にて選別されるスチール缶を一時貯留してスチール缶用プレス機に供給するスチール缶貯留ホッパを備えている。
【0013】
そして、上記構成の空き缶等の選別処理装置を処理現場に設置するときには、前記各装置が一体的に搭載された第一の架台と第二の架台をそれぞれ個別にトラック等に積み込んで処理現場まで運び込む。そして、先ず、第一の架台を処理現場に配し、搭載した搬送コンベヤやスチール缶選別機、アルミ缶選別機、アルミ缶貯留ホッパ、アルミ缶用プレス機、及び空きビン回収ホッパ等を設置させる。次いで、第二の架台を第一の架台と略平行に、かつ搬送コンベヤを挟んでアルミ缶用プレス機と反対側に配し、搭載したスチール缶用プレス機、及びスチール缶貯留ホッパ等を設置させ、選別処理装置の設置を完了する。このとき、回収した空き缶や空きビン等を搬送する搬送コンベヤを中心としてその両側に、アルミ缶用プレス機とスチール缶用プレス機がそれぞれ略平行に配置されることになり、処理効率に優れ、比較的コンパクトな装置構成としている。
【0014】
こうして設置を完了した上記空き缶等の選別処理装置を使用して空き缶や空きビン等の混合回収物を選別処理するときには、搬送コンベヤ上流側より混合回収物を所定量ずつ投入していく。投入した混合回収物は、先ず、その搬送経路の途中で上位のスチール缶選別機にてスチール缶が選別処理されてスチール缶貯留ホッパに貯留されると共に、残りの混合回収物のうちアルミ缶はコンベヤ搬送端のアルミ缶選別機にて前方へ弾き飛ばされるようにして選別処理されてアルミ缶貯留ホッパに貯留される一方、空きビンはコンベヤ搬送端からほぼ真下に落下して空きビン回収ホッパに回収されていく。そうして、スチール缶貯留ホッパ内のスチール缶貯留量や、アルミ缶貯留ホッパ内のアルミ缶貯留量がそれぞれ所定量になれば、各ホッパより適宜排出して下流のスチール缶用プレス機、或いはアルミ缶用プレス機に供給し、個別に圧縮減容処理を行ってブロック状に成形して排出する。
【0015】
このように、本処理装置においては、空き缶や空きビン等の混合回収物から選別処理されるスチール缶とアルミ缶を、専用に備えた二基のプレス機にてそれぞれ適宜タイミングにて個別に圧縮減容処理することが可能となり、処理待ち等も無くて効率よく処理作業を行える。また、これら二基の専用プレス機は可搬式の二台の架台上にそれぞれ別々に搭載させるようにしたので、トラック等に積み込み可能なサイズに制限される架台上にも無理なく搭載させてユニット化することが可能となり、可搬性や設置容易性を損なうことが無く、また設置時には搬送コンベヤを中心としてその両側にスチール缶用プレス機とアルミ缶用プレス機とがそれぞれ略平行に配置される構成としたので、装置全体を比較的コンパクトにまとめることができて省スペース性も保て、取り扱い易い好適なものとすることができる。
【実施例】
【0016】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0017】
図中の1はスチール缶やアルミ缶、空きビン等の混合回収物を選別し、かつ選別したスチール缶やアルミ缶を減容処理する空き缶等の選別処理装置であって、回収したスチール缶やアルミ缶、空きビン等を搬送する搬送コンベヤ2と、磁力選別式のスチール缶選別機3と、渦電流選別式のアルミ缶選別機4と、スチール缶を圧縮減容処理するスチール缶用プレス機5と、アルミ缶を圧縮減容処理するアルミ缶用プレス機6と、空きビン回収用の空きビン回収ホッパ7等の各装置を主体に構成している。
【0018】
また、8、9はトラックの荷台等に積み込み可能なサイズの可搬式の架台であって、このうち第一の架台8上には、図に示すように、前記搬送コンベヤ2とアルミ缶用プレス機6とを略平行に搭載していると共に、搬送コンベヤ2の上位にはコンベヤの搬送方向と略直交方向にスチール缶選別機3を配設している一方、搬送コンベヤ2の搬送端にはアルミ缶選別機4を配設し、該アルミ缶選別機4の下位前方側にはアルミ缶貯留ホッパ10を、またアルミ缶選別機4の下位手前側には空きビン回収ホッパ7をそれぞれ備えている。また、第二の架台9上には、前記スチール缶用プレス機5を搭載していると共に、該スチール缶用プレス機5の上位にはスチール缶貯留ホッパ11を備えている。
【0019】
12は空き缶や空きビン等を回収したゴミ袋を破袋処理する破袋台であって、基台13上に上部を開放して下部に排出口を有する受けホッパ14を配設しており、該受けホッパ14の上部開放部には破袋作業用の台面15を備えている。前記台面15は複数の平鋼等を所定間隔にて略平行に配置し、その配置間隔は空き缶や空きビンが通り抜けることの無いようにしながらもできるだけ広い隙間を確保させてスノコ状に形成しており、回収した空き缶や空きビン等に付随する残渣等の異物を前記隙間より下方に落下させることで効率よく除去可能としている。また、受けホッパ3下部の排出口の下位には、台面15の隙間より落下させて除去した異物を回収する異物回収ホッパ16を備えている。
【0020】
破袋台12の下流側には、破袋処理したゴミ袋より取り出される空き缶や空きビン等を搬送する搬送コンベヤ2を、上記のように第一の架台8上に搭載させた状態で配設しており、該搬送コンベヤ2は上端部のヘッドプーリ17と下端部のテールプーリ18とに亘ってひれ付きの無端ベルト19を巻回し、本体フレーム20を所定角度に傾斜させて配設していると共に、その上部は折曲して略水平になるように形成し、駆動モータ(図示せず)によってテールプーリ18を回転させて無端ベルト19を回転させるようにしている。
【0021】
搬送コンベヤ2の水平部の上位には、搬送コンベヤ2の搬送方向と略直交方向に磁力選別式のスチール缶選別機3を配設している。前記スチール缶選別機3は、駆動モータ(図示せず)によって循環するベルト21の内側部に磁石22を備えており、下位の搬送コンベヤ2の無端ベルト19上を搬送される空き缶や空きビン等からスチール缶を吸着して選別し、ベルト21端部の下位に備えたスチール缶貯留ホッパ11に排出して一時貯留させる構成としている。また、スチール缶貯留ホッパ11の排出口には排出ゲート(図示せず)を開閉自在に備えていると共に、ホッパの所定高さ位置にはレベルセンサ(図示せず)を備えている。
【0022】
搬送コンベヤ2の搬送端のヘッドプーリ17には磁石を周囲に固着した回転ロータ23を内蔵し、駆動モータ24により前記回転ロータ23を回転させることによって周囲に発生する磁界とその磁界によりアルミ缶に発生する渦電流による磁界とを反発させてアルミ缶を前方に弾き飛ばすアルミ缶選別機4を形成していると共に、該アルミ缶選別機4の下位前方側には弾き飛ばされて選別されたアルミ缶を一時貯留するアルミ缶貯留ホッパ10を備えている一方、アルミ缶選別機4の下位手前側にはコンベヤからほぼ真下に落下する空きビンを回収する空きビン回収ホッパ7を備えている。また、アルミ缶貯留ホッパ10の排出口には排出ゲート(図示せず)を開閉自在に備えていると共に、ホッパの所定高さ位置にはレベルセンサ(図示せず)を備えている。
【0023】
また、前記したように、第一の架台8上にはアルミ缶を圧縮減容処理するアルミ缶用プレス機6を前記搬送コンベヤ2と略平行に搭載しており、前記アルミ缶貯留ホッパ10より排出されるアルミ缶を投入するプレスホッパ25内に、一端をシリンダ26に連結したプッシャ27を摺動させてプレスホッパ25内に投入したアルミ缶を圧縮減容処理し、運搬や取り扱い等に適したブロック状に成形したものを下流の昇降ゲート28を開放して押し出すようにしている。
【0024】
また、第二の架台9上にはスチール缶用プレス機5を搭載しており、その構造は前記アルミ缶用プレス機6とほぼ同様の構造を採用しており、前記スチール缶貯留ホッパ11より排出されるスチール缶を投入するプレスホッパ29内に、一端をシリンダ30に連結したプッシャ31を摺動させてプレスホッパ29内に投入したスチール缶を圧縮減容処理し、ブロック状に成形したものを下流の昇降ゲート32を開放して押し出すようにしている。なお、このスチール缶用プレス機5から排出されるブロック状のスチール缶と、前記アルミ缶用プレス機6から排出されるブロック状のアルミ缶とは、図面に示すように、共に搬送コンベヤ2の搬送端側に排出されるようにしており、作業効率の向上を図っている。
【0025】
そして、上記構成の空き缶等の選別処理装置1を処理現場に設置するときには、前記第一の架台8と第二の架台9、並びに破袋台12等をそれぞれトラックの等に積み込み、処理現場まで運び込む。そして、先ず、第一の架台8を処理現場の適当な場所に配し、第一の架台8上に搭載している搬送コンベヤ2や、スチール缶選別機3、アルミ缶選別機4、アルミ缶貯留ホッパ10、アルミ缶用プレス機6、及び空きビン回収ホッパ7等を設置させる。次いで、第二の架台9を第一の架台8と略平行に、かつ搬送コンベヤ2を挟んでアルミ缶用プレス機6と反対側に配すると共に、第一の架台8上のスチール缶選別機3端部を第二の架台9上のスチール缶貯留ホッパ11開口部に臨ませるように調整して、第二の架台9上に搭載しているスチール缶用プレス機5、及びスチール缶貯留ホッパ11等を設置させる。そして最後に、第一の架台8の搬送コンベヤ2の投入口側に破袋台12を設置し、空き缶等の選別処理装置1の設置を完了する。
【0026】
このとき、設置現場には回収した空き缶や空きビン等を搬送する搬送コンベヤ2を中心としてその両側に、選別処理したアルミ缶とスチール缶を圧縮減容処理するアルミ缶用プレス機6とスチール缶用プレス機5がそれぞれ略平行に配置されることになり、処理効率に優れると共に、装置全体を比較的コンパクトにまとめることができて省スペース化を図れるものとしている。
【0027】
そして、上記空き缶等の選別処理装置1を使用して空き缶や空きビン等の混合回収物を選別処理するときには、先ず、破袋台12にて空き缶や空きビン等を回収したゴミ袋を破袋処理し、このゴミ袋と共に残渣等の不純物を取り除いて空き缶や空きビン等の混合回収物を下流の搬送コンベヤ2に所定量ずつ投入していく。投入した混合回収物はコンベヤ下流の搬送端側へ順次送り出されていき、その搬送経路の上位に配したスチール缶選別機3にて、先ずスチール缶が選別処理されてスチール缶貯留ホッパ11に一時的に貯留されていくと共に、残りの混合回収物のうちアルミ缶はコンベヤ搬送端のアルミ缶選別機4にて前方へ弾き飛ばされるようにして選別処理されてアルミ缶貯留ホッパ10に一時的に貯留されていく一方、空きビンはコンベヤ搬送端のほぼ真下へと落下して空きビン回収ホッパ7に回収されていく。
【0028】
そうして、スチール缶貯留ホッパ11やアルミ缶貯留ホッパ10にスチール缶やアルミ缶が所定量(例えば、スチール缶用プレス機5のプレスホッパ29やアルミ缶用プレス機6のプレスホッパ25内に一度に受け入れ可能な量)貯留されたことを各ホッパ内のレベルセンサが検出すると、各ホッパの排出ゲートを開放して排出させ、下流のスチール缶用プレス機5、或いはアルミ缶用プレス機6に供給し、それぞれ個別に圧縮減容処理を行って運搬や取り扱い等に適したブロック状に成形して排出する。
【0029】
このように、本発明の空き缶等の選別処理装置1によれば、空き缶や空きビン等の混合回収物から選別処理されるスチール缶とアルミ缶を、専用に備えた二基のスチール缶用プレス機5とアルミ缶用プレス機6にてそれぞれ適宜タイミングにて個別に圧縮減容処理することが可能となり、処理待ち等を極力防止できて効率よく処理作業を行える。また、これら二基のスチール缶用プレス機5とアルミ缶用プレス機6は可搬式の二台の架台8、9上にそれぞれ別々に搭載させるようにしたので、トラック等への積み込み可能なサイズに制限される架台上にも無理なく搭載させてその他装置等と一体的に組み込んでユニット化することが可能となり、可搬性や設置容易性を損なうことが無い。また、設置時には搬送コンベヤ2を中心としてその両側にスチール缶用プレス機5とアルミ缶用プレス機6とがそれぞれ略平行に配置される構成としたので、装置全体を比較的コンパクトにまとめることができて省スペース性も維持でき、取り扱い易い好適なものとすることができる。
【符号の説明】
【0030】
1…空き缶等の選別処理装置 2…搬送コンベヤ
3…スチール缶選別機 4…アルミ缶選別機
5…アルミ缶用プレス機 6…スチール缶用プレス機
7…空きビン回収ホッパ 8…第一の架台
9…第二の架台 10…アルミ缶貯留ホッパ
11…スチール缶貯留ホッパ 12…破袋台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回収した空き缶や空きビン等を搬送する搬送コンベヤと、磁力選別式のスチール缶選別機と、渦電流選別式のアルミ缶選別機と、前記各選別機にて選別したスチール缶やアルミ缶を圧縮減容処理するプレス機と、空きビン回収用の空きビン回収ホッパとから構成される空き缶等の選別処理装置において、可搬式の第一の架台上に前記搬送コンベヤとアルミ缶用のプレス機とを略平行に搭載し、搬送コンベヤの上位にはコンベヤの搬送方向と略直交方向にスチール缶選別機を配設する一方、搬送コンベヤの搬送端にはアルミ缶選別機を配設し、該アルミ缶選別機下位にはアルミ缶選別機にて選別されたアルミ缶を一時貯留して前記アルミ缶用プレス機に供給するアルミ缶貯留ホッパと、コンベヤから落下する空きビンを回収する空きビン回収ホッパとを備えると共に、前記第一の架台と略平行に、かつ搬送コンベヤを挟んでアルミ缶用プレス機と反対側に設置される可搬式の第二の架台上にはスチール缶用のプレス機を搭載し、該スチール缶用プレス機の上位には前記スチール缶選別機にて選別されたスチール缶を一時貯留してスチール缶用プレス機に供給するスチール缶貯留ホッパを備えたことを特徴とする空き缶等の選別処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−5958(P2012−5958A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144347(P2010−144347)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000226482)日工株式会社 (177)
【Fターム(参考)】