説明

空冷式装置及び空冷式装置の風漏れ防止方法

【課題】 冷却用ファンユニットを交換する際に開口部からの風漏れを防ぐシャッターの開閉を作業者の操作なしで行うことができる空冷式装置を簡易な構成により実現する。
【解決手段】 複数のファンユニット12、13を直列に配置した空冷式装置11において、ファンユニット13を挿抜するための開口部15と、開口部15を閉じるためのシャッター21とを備える。シャッター21は、ファンユニット13と直列に配置したファンユニット12により生じる冷却エアーフロー18に対して揚力が発生する形状であり、ファンユニット13が抜去された場合、当該揚力により開口部15を閉じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空冷式装置及び空冷式装置の風漏れ防止方法に関し、特に、冷却ファンを冗長化した空冷式装置及び空冷式装置の風漏れ防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空冷式ラックマウント等の空冷式の装置において、装置の前面に複数の冷却用ファンユニットを直列に配置することにより、冷却ファンを冗長化する方法が知られている。
【0003】
冷却ファンが冗長化された空冷式装置の構成の例を図9に示す。図9において、空冷式装置11の前面には、2つのファンユニット12、13が直列に配置される。ファンユニット12、13は、空冷式装置11の上面の開口部14、15より挿抜される。ここで、例えばファンユニット13を交換のために抜去する場合、空冷式装置11内部の冷却エアーフロー(冷却気流)の開口部15からの漏れ(風漏れ)が発生する。この風漏れの発生により、空冷式装置11内部の冷却エアーフロー18が弱まり、空冷式装置11内部の冷却能力が低下する。したがって、ファンユニット13の交換作業の作業時間には、風漏れによる冷却能力低下で装置内部の温度上昇が上限値を越えないように、制限を設ける必要がある。作業時間がこの制限を超えてしまった場合、装置内部の温度上昇により空冷式装置11が停止する恐れがある。
【0004】
冷却ファンが冗長化された空冷式装置の構成の他の例を図10に示す。図10においては、空冷式装置11の上面の開口部14、15に、風漏れ防止のためのカバー61が設けられている。ファンユニット13を抜去する場合、開口部15からの風漏れを防止するために、作業者はカバー61をカバー回転軌跡62に沿って手動で開閉する必要がある。しかしながら、作業者がカバー61を閉め忘れた場合、開口部15からの風漏れが発生したままとなり、図9の空冷式装置11と同様に、装置内部の温度上昇により空冷式装置11が停止する恐れがある。
【0005】
このような冷却用ファンユニット交換時の空冷式装置内部の温度上昇を防ぐ方法が特許文献1に記載されている。特許文献1の冷却装置においては、ファンが抜去された場合、ファン挿抜穴(上記の開口部15に相当)を閉じるための蓋体がばねにより押し上げられることにより、ファン挿抜穴が閉じられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−006994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1の冷却装置においては、冷却用ファンユニットを交換するための開口部を閉じるための蓋体をばねにより動かすため、ファンユニットを収納する部分の構造が複雑になるという課題があった。
【0008】
(発明の目的)
本発明の目的は、上述した課題を解決した空冷式装置及び空冷式装置の風漏れ防止方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の空冷式装置は、複数のファンユニットを直列に配置した空冷式装置であって、前記複数のファンユニットの少なくとも1つを挿抜するための開口部と、前記開口部を閉じるためのシャッターとを備え、前記シャッターは、当該シャッターに対応する開口部により挿抜されるファンユニットと直列に配置した他のファンユニットにより生じる気流に対して揚力が発生する形状であり、当該シャッターに対応する開口部により挿抜されるファンユニットが抜去された場合、前記揚力により当該開口部を閉じる。
【0010】
本発明の空冷式装置の風漏れ防止方法は、複数のファンユニットを直列に配置した空冷式装置であって、ファンユニットが開口部から抜去された場合、当該開口部を閉じるためのシャッターを当該ファンユニットと直列に配置した他のファンユニットにより生じる気流に対して当該シャッターに発生する揚力により閉じる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果は、冷却用ファンユニットを交換する際に開口部からの風漏れを防ぐシャッターの開閉を作業者の操作なしで行うことができる空冷式装置を簡易な構成により実現できることである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第一の実施の形態における空冷式装置11の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態における空冷式装置11の内部の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態の空冷式装置11におけるシャッター21の断面形状を示す斜視図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態の空冷式装置11におけるシャッター21を係止するための構成の詳細を示す斜視図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態の空冷式装置11におけるシャッター21の開閉動作を示す断面図である。
【図6】本発明の第二の実施の形態における空冷式装置11の内部の構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態の空冷式装置11におけるシャッター41をスライドするための構成の詳細を示す斜視図である。
【図8】本発明の第一の実施の形態における空冷式装置11の特徴的な構成を示す斜視図である。
【図9】冷却ファンが冗長化された空冷式装置の構成の例を示す斜視図である。
【図10】冷却ファンが冗長化された空冷式装置の構成の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第一の実施の形態)
次に、本発明の第一の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の第一の実施の形態における空冷式装置11の外観を示す斜視図である。
【0015】
図1を参照すると、空冷式装置11は、前面吸気、背面排気を行う空冷式ラックマウント等の空冷式の装置である。空冷式装置11の吸気側(前面)には、1段目のファンユニット12と2段目のファンユニット13とが直列に設置されることにより、ファンユニットが冗長化されている。これらのファンユニット12及びファンユニット13は、内蔵されているモータファンにより冷却エアーフロー18を発生させる。
【0016】
空冷式装置11は、ファンユニット12の上部にファンユニット12を挿抜するための開口部14と、ファンユニット13の上部にファンユニット13を挿抜するための開口部15とを備える。ファンユニット12、ファンユニット13は、交換の際、ファンユニット挿抜方向19に挿抜される。ファンユニット12及びファンユニット13は、空冷式装置11の稼働中に交換可能である。
【0017】
また、空冷式装置11は、2段目のファンユニット13に対する開口部14に、シャッター21(21a、21b)を備える。シャッター21は、2段目のファンユニット13が抜去された場合、1段目のファンユニット12により発生する冷却エアーフロー18に対して生じる揚力により回転し、開口部15を閉じる。
【0018】
図2は、本発明の第一の実施の形態における空冷式装置11の内部の構成を示す斜視図である。
【0019】
図2を参照すると、空冷式装置11は、ファンユニット12を収容するフレーム16と、ファンユニット13を収容するフレーム17とを備える。シャッター21は、ファンユニット12とファンユニット13のファンの回転軸方向に平行な一方の端部にシャッター回転軸22を備える。フレーム17は、開口部15側にシャッター回転軸22を受けるシャッター軸受31を備える。シャッター軸受31は、シャッター21がシャッター回転軸22を中心に回転可能となるように、シャッター回転軸22を保持する。
【0020】
また、フレーム17は、開口部15周辺に、シャッター保持ばね32を備える。シャッター保持ばね32は、シャッター21が開口部15を閉じる位置まで回転した際、シャッター21を係止する。
【0021】
図2は、2段目のファンユニット13が、ファンユニット挿抜方向19に抜去された際に、1段目のファンユニット12により発生する冷却エアーフロー18により、シャッター21が開口部15を閉じる方向に回転中の状態を示している。シャッター21が開口部15を閉じる位置まで回転すると、シャッター21は、シャッター保持ばね32によって係止される。
【0022】
図3は、本発明の第一の実施の形態の空冷式装置11におけるシャッター21(21a)の断面形状を示す斜視図である。
【0023】
図3を参照すると、シャッター断面形状25は、飛行機の翼のように、冷却エアーフロー18に対して揚力方向26に揚力(冷却エアーフロー18によって生じるシャッター21両面の圧力差により、シャッター21を冷却エアーフロー18と垂直な方向に移動する力)が発生する形状をしている。シャッター断面形状25は、揚力方向26への揚力によって、シャッター21がシャッター回転軸22を中心に開口部15を閉じる方向に回転するように形成される。
【0024】
なお、シャッター21bはシャッター21aと対称の形状となる。
【0025】
また、シャッター21には、プラスチック等の軽量な材料を用いることが望ましいが、冷却エアーフロー18に対する揚力によって回転可能であれば、どのような材料を用いてもよい。
【0026】
図4は、本発明の第一の実施の形態の空冷式装置11におけるシャッター21を係止するための構成の詳細を示す斜視図である。
【0027】
図4を参照すると、フレーム17は、4つのシャッター保持ばね32を備えている。シャッター保持ばね32は、それぞれ一端がフレーム17に固定し、他端が開放する板ばね形状であり、その開放端に突起型のシャッター保持ラッチ33(ラッチ部)を備えている。また、シャッター21は、シャッター回転軸22と反対側の端部のシャッター保持ラッチ33と対向する位置に、穴型のラッチ受けボス23(ラッチ係合部)を備えている。
【0028】
シャッター21が開口部15を閉じる位置まで回転した際、シャッター保持ラッチ33は、対向するラッチ受けボス23に係合する。これにより、シャッター保持ばね32は、開口部15を閉じた状態でシャッター21を係止する。
【0029】
なお、ここで、シャッター保持ラッチ33は、空冷式装置11内部のフレーム17に一体となるように形成してもよい。
【0030】
また、ラッチ部の突起とラッチ係合部の穴の関係を逆とし、シャッター保持ばね32に穴型のラッチ部、シャッター21に突起型のラッチ係合部を備えていてもよい。
【0031】
次に、本発明の第一の実施の形態の動作について図面を参照して説明する。
【0032】
図5は、本発明の第一の実施の形態の空冷式装置11におけるシャッター21の開閉動作を示す断面図である。
【0033】
図5は、2段目のファンユニット13がフレーム17に収納されている状態を示している。ファンユニット13がファンユニット挿抜方向19に沿って開口部15から抜去されると、開口部15に備えられているシャッター21a、21bに1段目ファンユニット12によって発生する冷却エアーフロー18が当たる。シャッター21a、21bには、冷却エアーフロー18に対して揚力が発生し、シャッター21a、21bは、シャッター回転軌跡24に沿って、シャッター回転軸22を中心に開口部15を閉じる方向に回転する。シャッター21a、21bが開口部15を閉じる位置まで回転した際、シャッター保持ばね32のシャッター保持ラッチ33は、シャッター21a、21bのラッチ受けボス23に係合する。これにより、シャッター21a、21bは、開口部15を閉じた状態で係止される。
【0034】
この状態において、開口部15は閉じたまま保持されるため、ファンユニット12により発生する冷却エアーフロー18が開口部15から漏れることはない。
【0035】
次に、2段目のファンユニット13がファンユニット挿抜方向19に沿って開口部15から挿入されると、シャッター21a、21bがファンユニット13により押し込まれることにより、シャッター保持ばね32のシャッター保持ラッチ33とシャッター21a、21bのラッチ受けボス23の係合状態は解除される。更に、ファンユニット13が挿入されると、シャッター21a、21bは、シャッター回転軌跡24に沿って、抜去時とは反対方向に回転し、ファンユニット13はフレーム17に収納される。
【0036】
以上により、本発明の第一の実施の形態の動作が完了する。
【0037】
次に、本発明の第一の実施の形態の特徴的な構成を示す。図8は、本発明の第一の実施の形態における空冷式装置11の特徴的な構成を示す斜視図である。
【0038】
空冷式装置11は、複数のファンユニット12、13を直列に配置した空冷式装置11であって、ファンユニット13を挿抜するための開口部15と、開口部15を閉じるためのシャッター21とを備える。ここで、シャッター21は、ファンユニット13と直列に配置したファンユニット12により生じる気流(冷却エアーフロー18)に対して揚力が発生する形状であり、ファンユニット13が抜去された場合、当該揚力により開口部15を閉じる。
【0039】
なお、上記の実施の形態においては、シャッター21の数を2つとしているが、開口部15を閉じることができれば、シャッター21の数は1つであってもよい。
【0040】
本発明の第一の実施の形態によれば、冷却用ファンユニットを交換する際に開口部からの風漏れを防ぐシャッターの開閉を作業者が操作することなしで行うことができる空冷式装置を簡易な構成により実現できるという効果がある。その理由は、ファンユニット13が抜去された場合、ファンユニット13と直列に配置した他のファンユニット12により生じる気流に対してシャッター21に発生した揚力により、シャッター21が開口部15を閉じるため、シャッター21を動作させるためのばねやモータ等の駆動機構が不要となるためである。
【0041】
また、本発明の第一の実施の形態によれば、冷却用ファンユニットを交換する際に開口部からの風漏れを防ぐシャッターの開閉を作業者が操作することなしで行うことができる空冷式装置を低コストで実現できるという効果がある。その理由は、上述の通り、空冷式装置11を簡易な構成で実現でき、機構部品を削減できるためである。
【0042】
また、本発明の第一の実施の形態によれば、空冷式装置において、冷却用ファンユニットを交換する際のシャッター閉め忘れを回避し、ファンユニット交換作業の制限時間を不要にすることができる。その理由は、上述の通り、ファンユニット13が抜去された場合、ファンユニット13と直列に配置した他のファンユニット12により生じる気流に対してシャッター21に発生した揚力により、作業者が操作することなしで、シャッター21が開口部15を閉じ、風漏れを防ぐためである。
【0043】
(第二の実施の形態)
次に、本発明の第二の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0044】
本発明の第二の実施の形態においては、シャッターが、冷却エアーフローにより発生する揚力により回転するのではなく、揚力により上方向に移動する点において、本発明の第一の実施の形態と異なる。
【0045】
図6は、本発明の第二の実施の形態における空冷式装置11の内部の構成を示す斜視図である。空冷式装置11は、2段目のファンユニット13に対する開口部15に、シャッター41を備える。シャッター41の断面形状は、本発明の第一の実施の形態におけるシャッター21のシャッター断面形状25と同様に、冷却エアーフロー18により生じる揚力によって、シャッター41が上方向に移動(スライド)し、開口部15を閉じるように形成される。
【0046】
図7は、本発明の第二の実施の形態の空冷式装置11におけるシャッター41をスライドするための構成の詳細を示す斜視図である。
【0047】
図7を参照すると、フレーム17は、内側に、シャッターガイド溝51(ガイド部)を備える。また、シャッター41は、シャッターガイド溝51に対向する位置に、シャッターガイド突起42(ガイド係合部)を備える。シャッターガイド溝51は、シャッター41が上下方向にスライド可能となるように、シャッターガイド突起42を保持する。
【0048】
なお、ここで、ガイド部の溝とガイド係合部の突起との関係を逆とし、フレーム17に突起型のガイド部、シャッター41に溝型のガイド係合部を備えていてもよい。
【0049】
また、フレーム17は、シャッター保持ばね52を備えている。シャッター保持ばね52は、本発明の第一の実施におけるシャッター保持ばね32形態と同様に、突起型のシャッター保持ラッチ53(ラッチ部)を備えている。また、シャッター41は、シャッター保持ラッチ53と対向する位置に、穴型のラッチ受けボス43(ラッチ係合部)を備えている。
【0050】
シャッター41が開口部15を閉じる位置まで移動した際、シャッター保持ラッチ53は、対向するラッチ受けボス43に係合する。これにより、シャッター保持ばね52は、開口部15を閉じた状態でシャッター41を係止する。
【0051】
本発明の第二の実施の形態の動作については、シャッター41が、冷却エアーフロー18により発生する揚力により回転するのではなく、シャッター移動軌跡44に沿って、揚力により上方向にスライドする点を除いて、本発明の第一の実施の形態の動作と同様となる。
【0052】
本発明の第二の実施の形態によれば、冷却用ファンユニットを交換する際に開口部からの風漏れを防ぐシャッターの開閉を作業者が操作することなしで行うことができる空冷式装置を、更に低コストで実現できるという効果がある。その理由は、シャッター41を動作させるために回転軸や軸受などの回転機構を必要とせず、より簡易な構成で、空冷式装置11を実現できるためである。
【0053】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細は、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0054】
例えば、上記の実施の形態においては、2つのファンユニットが空冷式装置11の吸気側(前面)に直列に設置されている場合を例に説明したが、2つのファンユニットが空冷式装置11の排気側(背面)に直列に設置されていてもよい。この場合、直列に設置されているファンユニットのうち、内側のファンユニットを挿抜する開口部にシャッター21、41を設けることにより、該開口部からの吸気によって生じる、空冷式装置11内部の冷却能力の低下を防ぐことができる。
【0055】
同様に、2つのファンユニットが空冷式装置11の中間に直列に設置されていてもよい。この場合、直列に設置されているファンユニットのそれぞれを挿抜する開口部にシャッター21、41を設けることにより、該開口部からの風漏れまたは吸気によって生じる、空冷式装置11内部の冷却能力の低下を防ぐことができる。
【0056】
また、上記の実施の形態においては、2つのファンユニットが空冷式装置11に直列に設置されている場合を例に説明したが、3つ以上のファンユニットが直列に設置されていてもよい。この場合、直列に設置されているファンユニットのそれぞれを挿抜する開口部にシャッター21、41を設けることにより、該開口部からの風漏れまたは吸気によって生じる、空冷式装置11内部の冷却能力の低下を防ぐことができる。
【0057】
また、上記の実施の形態においては、空冷式装置11は、ファンユニットを挿抜する開口部を空冷式装置11の上部に備えているが、ファンユニットを挿抜する開口部を空冷式装置11の側面や下部に備えていてもよい。この場合、シャッター21、41を、冷却エアーフロー18により側面や下部の開口部を閉じるように設置すれば、該側面や下部の開口部からの風漏れまたは吸気によって生じる、空冷式装置11内部の冷却能力の低下を防ぐことができる。
【0058】
また、上記の実施の形態においては、シャッター21、41の断面形状を図3のような翼型としているが、冷却エアーフロー18に対する揚力によってシャッター21、41が開口部15を閉じる方向に作動することができるものであれば、シャッター21、41の断面形状は、図3に示した形状以外でもよい。
【符号の説明】
【0059】
11 空冷式装置
12 ファンユニット
13 ファンユニット
14 開口部
15 開口部
16 フレーム
17 フレーム
18 冷却エアーフロー
19 ファンユニット挿抜方向
21 シャッター
22 シャッター回転軸
23 ラッチ受けボス
24 シャッター回転軌跡
25 シャッター断面形状
26 揚力方向
31 シャッター軸受
32 シャッター保持ばね
33 シャッター保持ラッチ
41 シャッター
42 シャッターガイド突起
43 ラッチ受けボス
44 シャッター移動軌跡
51 シャッターガイド溝
52 シャッター保持ばね
53 シャッター保持ラッチ
61 カバー
62 カバー回転軌跡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のファンユニットを直列に配置した空冷式装置であって、
前記複数のファンユニットの少なくとも1つを挿抜するための開口部と、
前記開口部を閉じるためのシャッターと
を備え、
前記シャッターは、当該シャッターに対応する開口部により挿抜されるファンユニットと直列に配置した他のファンユニットにより生じる気流に対して揚力が発生する形状であり、当該シャッターに対応する開口部により挿抜されるファンユニットが抜去された場合、前記揚力により当該開口部を閉じる
空冷式装置。
【請求項2】
前記シャッターは、前記揚力により回転することにより、当該開口部を閉じる
請求項1記載の空冷式装置。
【請求項3】
更に、前記開口部に、前記シャッターの回転軸を保持する軸受を備え、
前記シャッターは、端部に前記回転軸を有し、
前記軸受は、前記回転軸を前記シャッターが前記回転軸を中心に回転可能とし、前記回転軸を前記複数のファンユニットを直列に配置した際の軸方向に保持する
請求項2記載の空冷式装置。
【請求項4】
前記シャッターは、前記揚力により移動することにより、当該開口部を閉じる
請求項1記載の空冷式装置。
【請求項5】
更に、前記ファンユニットの挿抜方向に沿って、前記シャッターをスライドするためのガイド部を備え、
前記シャッターは、前記ガイド部と対向する位置に前記ガイド部と係合するガイド係合部を有し、
前記ガイド部は、前記ガイド係合部を前記シャッターが前記ガイド部に沿ってスライド可能となるように保持する
請求項4記載の空冷式装置。
【請求項6】
前記シャッターは、前記揚力が発生する翼型の断面形状を有する
請求項1乃至5のいずれかに記載の空冷式装置。
【請求項7】
更に、前記開口部にラッチ部を備え、
前記シャッターは、前記ラッチ部に対向する位置に、前記ラッチ部と係合可能なラッチ係合部を有し、
前記ラッチ部は、前記シャッターが前記開口部を閉じた際に、前記ラッチ係合部と係合することにより、前記シャッターを係止する
請求項1乃至5のいずれかに記載の空冷式装置。
【請求項8】
複数のファンユニットを直列に配置した空冷式装置の風漏れ防止方法であって、
ファンユニットが開口部から抜去された場合、当該開口部を閉じるためのシャッターを当該ファンユニットと直列に配置した他のファンユニットにより生じる気流に対して当該シャッターに発生する揚力により閉じる
空冷式装置の風漏れ防止方法。
【請求項9】
前記シャッターを、前記揚力により回転させることにより、当該開口部を閉じる
請求項8記載の空冷式装置の風漏れ防止方法。
【請求項10】
前記シャッターを、前記揚力により移動させることにより、当該開口部を閉じる
請求項8記載の空冷式装置の風漏れ防止方法。
【請求項11】
前記シャッターが、前記揚力が発生する翼型の断面形状を有する
請求項8乃至10のいずれかに記載の空冷式装置の風漏れ防止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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