説明

空気ダクトを備えた液体包装容器カバー

包装容器から液体を排出する際に、包装容器内への空気の流通を調節する包装容器用のカバーアッセンブリ(20)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牛乳、果汁、オイル、鉱油、洗剤等、あらゆる種類の液体が収容される包装容器のカバー部品に対する改良に関する。
【0002】
特に、本発明は、液体を包装容器から排出させる際に飛散やこぼれが生じる問題を解決すると共に、最初に使用されるまでは中の液体が外部環境と接触しない無菌容器の開封機能を目的とするカバー装置に関する。この目的は、包装容器からの液体排出時に包装容器に生じる空気通路を調節することによって達成される。
【背景技術】
【0003】
現代生活の恩恵として、技術の発展と相俟って、長期に亘って新鮮さを保つという既存のニーズに応えるための研究が開始されている。この研究に関し、持ちの良い食品の貯蔵が重要になっている。そして、長期に亘って材料の特性が損なわれるのを阻止可能な無菌包装容器が開発されている。ニーズや要求の変化に合わせて包装容器業界は急速に成長し、技術的特徴と並行して開発される製品デサインが重要となる。今日の改良された包装容器デザインは、審美的に目に訴えるだけでなく、使用機能も提供する。
【0004】
今日では、食品製造業者の側から見ると、包装容器内の製品の品質と同様に、使用される包装容器の特性もマーケティングにおいて重要である。従来においては、鋭い線を有する単式の包装ラインのみが使用されていたが、競争の激化に伴い、外観や技術的側面から互いに異なる利点を提供する包装容器が使用され始めている。審美的外観に関しては包装容器の側面を保持し易くする種々の応用が見られるが、カバー部品に対してなされた改良により、消費者が使用しやすくなる。特に、カバー部品は、液体の排出に好都合であり、液状食品や液体の形態で保存される材料の衛生状態を確保するという観点で最も重要である。
【0005】
時代と共に、液体包装容器カバーに対してかなりの改良がなされてきた。しかし、これらの改良は、それぞれ独立して行われる。円運動させられるカバーに対しても、改良が施されている。当該カバーは、保護フォイルによって包装容器内の液体を外部環境と接触できないようにする。そして、包装容器を開封する間、包装容器側の歯によってフォイルが容易に切断される。
【0006】
これらの改良とは別に、包装容器から液体を排出させる際に、包装容器内に空気流を供給しないようにして、液体流に不規則性を発生させない改良がなされている。
【0007】
同じカバー装置で生じる全ての不利益の解決策を求める改良は、より有益であることに疑問の余地はない。
【0008】
結果として、現在の技術水準にある液体包装容器カバーの欠点を除去するニーズが存在し、空気循環を可能にすると共に液体の殺菌状態を確実にするニーズが存在し、無菌包装容器の開封時に、開閉操作を機能させる特徴に対するニーズが存在し、既存の解決策が不十分であるために、関連する技術分野における改良が必須となっている。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、技術水準に基づいて、上述の問題を解決することを目指すものである。
【0010】
本発明の目的は、外部に開口するように液体包装容器カバー内部に設けた空気ダクトにより、包装容器から液体を排出させる際に包装容器の別の部分を通して空気を導入できるようにすることにある。
【0011】
本発明の他の目的は、包装容器内部から液体を排出させる際に内部へ空気を導入するようにして、包装容器内部の液体の流れの中断や不規則性を除去することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、包装容器内部の液体を排出させる際に生じる流れの中断や不規則性を除去することにより、飛散やこぼれ等の望ましくない事象を除去することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、包装容器内部の液体を排出させる際に生じる流れの中断や不規則性を除去することにより、流体の流れをある程度加速することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、包装容器内部の液体を排出させる際に生じる流れの中断や不規則性を除去することにより、包装容器内部に収容されている液体の損失を防止することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、包装容器内部に収容されている液体の損失を防止することにより、包装容器の内部に収容されている液体を完全に使いきれるようにすることにある。
【0016】
本発明の他の目的は、包装容器が有するフォイルによって、最初の使用時まで内部の液体を外部と接触させないようにされた無菌構造包装容器を開封処理する機能がフォイル切断歯により確保されることにある。
【0017】
本発明の構造上及び特性上の特徴並びにその全ての利点は、添付の図面及びこれらの図面を参照して行われる詳細な説明からより明確に理解されるであろう。従って、その評価は図面及び詳細な説明を考慮してなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】開放状態の液体包装容器カバー及び空気ダクトの概略側面図である。
【図2】開放状態の液体包装容器カバーの概略平面図である。しかし、空気ダクトは閉じた状態にある。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、果汁、牛乳、水、鉱油、洗剤等、あらゆる種類の液体が収容される無菌包装容器のカバー装置(20)に接続された空気ダクト(40)及びフォイル切断歯(50)に関する。
【0020】
図1に示されるカバー装置(20)は、プラスチック系の材料から製造されている。厚紙、金属等の材料から製造され、水、果汁、牛乳、液状油、洗剤等の液状物質を収容する無菌包装容器は、これらの液体を容器から排出させる目的のために使用される。この排出処理においては、無菌包装容器内の液体は重力の影響でカバー装置(20)に向かう。無菌包装容器が傾けられると、その内部の液体がカバー装置(20)に向かって溜まり、その場所を通って液体が排出される。排出処理は、無菌包装容器内に収容されている液体が外部の空気と置き換えられることによって達成されるため、液体がカバー装置(20)に向かって溜まってしまうと、排出が困難となる。カバー装置(20)から外部に排出される液体量と同量だけ空気が入ろうとするため、両方向の流れが中断されてしまうことが時々ある。その結果、この短時間の流れの中断と、それに続く流れの加速により、単位時間当たりにカバー装置(20)を通過する液体と空気の量の比が不規則となる。この液体排出量の不規則性は、液体表面の変動を引き起こす。この変動は、液体が排出される際に飛散やこぼれを引き起こす。
【0021】
無菌包装容器内の液体と外部環境との接触を防ぐことは衛生上の観点から重要である。このため、無菌構造の包装容器が利用される。無菌構造の包装容器を開封する処理は、容器がフォイルを含んでいるため、使用者にとって困難である。
【0022】
図2に示されるカバー装置(20)は、2回以上開閉ができるので、非常に好都合である。液体の飛散問題を解消するために開発された空気ダクト(40)は、カバー装置(20)に沿って延在する通路であり、カバー(30)の真下に位置決めされている。
【0023】
カバー装置(20)は2個の要素部品、即ち、カバー(30)とカバーハウジング(31)を含んでいる。カバー装置(20)は、カバー装置(20)を維持する単純な可動接続の助けをかりて、カバー(30)を一方向に開けることによって開放状態となる。カバー装置(20)が開放状態のとき、空気ダクト(40)の押圧端(41)は、カバー(30)部分の近くに位置している。空気ダクト(40)は、カバーハウジング(31)内で細長い一片として延在する。押圧端(41)の真下にフォイル切断歯(50)が設けられている。空気ダクト(40)の反対側には回転端(42)が設けられている。この回転端(42)は、無菌包装容器を開封する際に空気ダクト(40)を回転させる助けとなる。空気ダクト(40)の中間部分には、ヒンジ(43)が位置決めされている。回転端の密接位置にロックピン(44)が設けられ、押圧端(41)の密接位置にロックハウジング(45)が設けられている。
【0024】
カバーハウジング(31)を、上方から完全に覆う部品であるカバー(30)が開放されると、カバーハウジング(31)に沿って延在する細長い一片形状の空気ダクト(40)が認められる。空気ダクト(40)上に配置された押圧端(41)に弱い圧力を加えると、回転端(42)が現われる。回転端(42)を用いて、空気ダクト(40)がヒンジ(43)の回りに180度回転される。この回転運動により、空気ダクト(40)が機能するようになる。回転運動の後、空気ダクト(40)上に位置決めされたロックピン(44)が、カバーハウジング(31)上に位置決めされたロックハウジング(45)内に固定される。回転運動の結果、フォイル切断歯(50)に形成される圧力により、無菌包装容器が簡単に開封される。
【0025】
本出願の保護範囲は請求の範囲によって特定されるものであり、上に例として提供された記載に限定されるものではない。関連する分野の当業者であれば、本発明によって開示された新規性を部品の形状を変えて導入でき、また、類似の構造を使用することで、類似の実施形態を関連する技術分野で使用される類似の目的の他の分野に適用できることは明らかである。従って、そのような実施形態は、新規性を欠くものであり、特に公知の従来技術を超えるものでないことは明らかである。
【符号の説明】
【0026】
20 カバー装置
30 カバー
31 カバーハウジング
40 空気ダクト
41 押圧端
42 回転端
43 ヒンジ
44 ロックピン
45 ロックハウジング
50 フォイル切断歯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無菌包装容器に収容された果汁、牛乳、水、植物油、鉱油、洗剤等の任意の液体が貫いて流れるカバー(30)と、当該カバー(30)の下に配置されるカバーハウジング(31)とを含むカバー装置(20)であって、
前記無菌包装容器の開封を容易にするフォイル切断歯(50)と
前記無菌包装容器に収容された液体を排出する間に無菌包装容器内への空気の流入を促進すると共に流れを規則的にする空気ダクト(40)とを含むことを特徴とするカバー装置(20)。
【請求項2】
前記空気ダクト(40)に設けられた押圧端(41)を含むことを特徴とする、請求項1記載のカバー装置(20)。
【請求項3】
前記空気ダクト(40)に設けられた回転端(42)を含むことを特徴とする、請求項1又2に記載のカバー装置(20)。
【請求項4】
前記空気ダクト(40)に設けられたヒンジ(43)を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカバー装置(20)。
【請求項5】
前記空気ダクト(40)に設けられたロックピン(44)を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカバー装置(20)。
【請求項6】
前記カバーハウジング(31)に設けられたロックハウジング(45)を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカバー装置(20)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2013−507299(P2013−507299A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533120(P2012−533120)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【国際出願番号】PCT/TR2010/000199
【国際公開番号】WO2011/043749
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(512092298)
【氏名又は名称原語表記】YAKICI, Mesut
【出願人】(512092302)
【氏名又は名称原語表記】EMIRCAN, Necat
【Fターム(参考)】