説明

空気処理装置

少なくとも1つの空気入口と、少なくとも1つの空気出口と、これらの間の少なくとも1つの空気通路とを備えたハウジングと、該少なくとも1つの空気通路内に配置された少なくとも1つのファンと、使用中に空気通路内に空気フィルターを取り外し可能に保持する少なくとも1つの空気フィルター保持手段と、ハウジング内に空気処理剤の補充品を取り外し可能に固定する少なくとも1つの補充品固定手段と、ハウジング内に設けられた放出手段と、を備え、ハウジングには、少なくとも空気フィルター保持手段へのアクセスを可能にする扉が設けられ、該空気フィルター保持手段は、扉が閉じられたときにおける、該空気フィルターが該少なくとも1つの空気通路を実質的に完全に塞ぐ第1の位置から、扉が開いたときにおける、空気フィルターが該少なくとも1つの空気通路を実質的に完全に塞いでいない第2の位置に移動するように構成された、空気処理装置が記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気を処理する装置に関し、特に、限定的な意味ではないが、空気から汚染物質、及び/又は悪臭を除去すると共に、空気中に空気処理剤を導入する空気処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
室内空気の汚染量の増加は、人の健康に影響を及ぼすのではないか、という懸念に繋がっている。ある研究では、屋外の空気よりも、室内の空気のほうが著しく汚染されていることがあり、このことは、大部分の時間を室内で過ごしている人にとって、特に心配事となり得ることを示唆している。したがって、特定の環境において空気を処理し、感じられる空気の品質を向上させるだけではなく、埃、煙、花粉、バクテリア、煤、黴胞子、動物から剥離した垢、並びに他の微細刺激物を含め、室内空気に共通している汚染物質の多くを除去する試みによって、また悪臭を消す試みによって、実際の空気品質を向上させることにより、清浄で、健康的な、新鮮かつ快適な環境を創り出すことが、益々所望されるようになっている。
【0003】
空気清浄器は一般によく知られており、この装置は、実際の空気品質を向上させると考えられているが、この装置は、感知される空気の品質を劇的に向上させるものではないので、この装置が特に有効であると消費者に、信じさせることは容易ではない。
【0004】
一方、芳香剤は、感知される空気の品質を向上させるのに有効であることはよく知られているが、芳香剤は、本来、例えば悪臭の除去などを行うものであり、消費者の観点からは、空気の品質を劣化させる基本的な原因に特に有効なものとは考えられない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
空気の品質悪化の根本原因を対象とする、種々の処理、装置、及びシステムが商業的に利用できるようになっているが、本発明は、空気を濾過して、空気により運ばれる汚染物質量及び/又は悪臭を低減させること、及び芳香剤及び/又は消臭剤のような空気処理剤により空気を処理することの両方を可能にした、コスト的に有利であり、空気品質の向上を与える利点を消費者に対してより効率的に示すことができるように構成された装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の第1の態様によれば、少なくとも1つの空気入口と少なくとも1つの空気出口とを備え、これらの間に少なくとも1つの空気通路が設けられたハウジングと、該少なくとも1つの空気通路内に配置された少なくとも1つのファンと、使用中に空気通路内の空気フィルターを取り外し可能に保持する、少なくとも1つの空気フィルター保持手段と、前記ハウジング内に空気処理剤の補充品を取り外し可能に固定する、少なくとも1つの補充品固定手段と、前記ハウジング内に設けられた放出手段と、を備え、
前記ハウジングには、少なくとも前記空気フィルター保持手段へのアクセスを可能にする扉が設けられ、かつ、前記空気フィルター保持手段は、前記扉が閉じられたときにおける、前記空気フィルターが前記少なくとも1つの空気通路を実質的に完全に塞ぐ第1の位置から、前記扉が開いたときにおける、前記空気フィルターが前記少なくとも1つの空気通路を実質的に完全に塞いでいない第2の位置に移動するように構成されている空気処理装置が提供される。
【0007】
また、本発明の第2の態様によれば、少なくとも1つの空気入口と少なくとも1つの空気出口とを備え、これらの間に少なくとも1つの空気通路が設けられたハウジングと、該少なくとも1つの空気通路内に配置された少なくとも1つのファンと、使用中に空気通路内の平面状の空気フィルターを取り外し可能に保持する、少なくとも1つの空気フィルター保持手段と、該ハウジング内に空気処理剤の補充品を取り外し可能に固定する、少なくとも1つの補充品固定手段と、該ハウジング内に設けられた放出手段と、を備え、
ハウジングには、少なくとも空気フィルター保持手段へのアクセスを可能にする扉が設けられ、かつ、空気フィルター保持手段は、扉が閉じられたときにおける、空気フィルターが上記少なくとも1つのファンと実質的に平行である第1の位置から、扉が開いたときにおける、空気フィルターが該少なくとも1つのファンと実質的に平行ではない第2の位置に移動するように構成されている空気処理装置が提供される。
【0008】
公知の空気フィルター装置では、一般的に、消費者が、装置から空気フィルターを特に取り外して、それを検査し、フィルターを清掃し、及び/又は交換することが必要かどうか判断することが必要であった。しかし実際には、一般の消費者はこのような役割を日常的には行わないので、空気で運ばれる汚染物質量が実質的に減少していないことに消費者が気づかず、時間の経過に伴って、徐々にフィルター性能の低下を引き起こしていた。対照的に、消費者は、空気処理剤の補充品を著しく頻繁に交換するようになる。
【0009】
したがって、本発明の第1の態様及び第2の態様のいずれによる装置であっても、消費者により扉が第2の位置に移動された時に消費者がフィルターの検査をするつもりであるかどうかに関わらず、消費者に対して可視検査できる位置に空気フィルターが提示されるようになるので、公知の装置よりも特に有利である。消費者は、装置の使用中に、空気で運ばれる汚染物質が減少して空気品質が改善していることを感知できないであろうが、このように、空気フィルターを可視検査できるように消費者に提示することにより、悪臭の減少、及び/又は周囲の環境に空気処理剤を発散させることで感知される空気品質の向上に加えて、空気が運ぶ汚染物質のレベルをフィルターが減少させて空気の品質を改善していることを、消費者が認識できるようにする。
【0010】
第1の態様又は第2の態様のいずれかによる装置は、1つの空気入口と、1つの空気出口とを備えていることが好ましく、更に、これらの空気入口と空気出口との両方は、ベントにより蔽われて、大きな異物が中に入り込むのを阻止し、使用中に装置の安全な作動を向上させるようにすることが好ましい。これらの装置は、2つの空気入口と、1つの空気出口とを備えていることが最も好ましい。
【0011】
第1の態様又は第2の態様のいずれかによる装置は、2つの区分された空気通路を有しており、一方の空気通路は、使用時には、空気入口を通って空気が装置内に入り、ファンにより、空気フィルターを通過して実質的に上向きに圧送するか/吸引するようになし、空気出口を通って装置より排出することを可能とし、他の空気通路は、使用時には、別の空気入口を通って空気が装置内に入り、該空気出口を通って装置から排出される前に、放出手段を通り抜けることを可能にすることが好ましい。
【0012】
第1の態様又は第2の態様のいずれかによる装置は、1つのファンを備えていることが好ましい。空気は、この装置が載置される表面に対して、実質的に上向きに空気を圧送するか/吸引するように方向付けることが好ましい。ファンは、この装置が置かれる表面に対して、0〜40度の間の角度となるように方向付けることが最も好ましい。
【0013】
第1の態様又は第2の態様のいずれかによる装置は、空気フィルター保持手段内に組み込まれた案内手段を有することが好ましい。この構成によれば、フィルターが特定の向きに装填されたとき、該フィルターは、保持手段により保持されるだけであり、フィルター保持手段内での空気フィルターの位置をフールプルーフに決めることができる。空気フィルターを特定の装填向きに強制することは、使用中における、及び/又は、1つ以上のフィルター表面をもった多目的フィルターを使用する場合に、装置の正しい作動を保証することができるという利点がある。
【0014】
第1の態様又は第2の態様のいずれかによる装置の空気フィルター保持手段は、空気フィルターの周辺部の全てを実質的に支持することが可能なように構成されていることが好ましい。この構成は、装置の使用中に、ファンの回転によって空気フィルターに働くせん断力に対する構造的支持を与えて、空気フィルターを元の形状のままに保持することに助けになり、有利と考えられる。
【0015】
第1の態様又は第2の態様のいずれかによる装置は、1組の補充品固定手段を備えることが好ましい。代替的には、第1の態様又は第2の態様のいずれかによる装置は、少なくとも2組の補充品固定手段を備えることができ、この代替的な配置においては、この少なくとも2組の固定手段が、少なくとも2つの補充品のネック部分を取り外し可能に把持するようにされる。1つ又はそれ以上の組の固定手段が、補充剤ボトル又はその類似物のような補充品のネック部分を、取り外し可能に把持するように構成されていることが好ましい。
【0016】
第1の態様又は第2の態様のいずれかによる装置の放出手段は、1又はそれ以上のヒーターであることが好ましい。
【0017】
第1の態様又は第2の態様のいずれかによる装置は、単一の扉を備え、扉が開いた位置で、空気フィルター保持手段と補充品固定手段との両方にアクセスできるようにされていることが好ましい。
【0018】
第1の態様又は第2の態様のいずれかによる装置は、回転機構を介して取り外し可能な空気フィルターを移動させることができるように構成されていることが好ましく、特に、扉の内側表面に、扉から遠い端部に回転中心を有する1組の突出アームが備えられ、それぞれの回転中心に1組のロッドが回転可能に連結され、このロッドの遠位側の端部は、それぞれ空気フィルターの保持手段に回転可能に連結されており、付勢バネが、回転中心の一方又は両方の周りに連結され、アームとロッドに対して支持されている構成とすることが好ましい。扉が閉じた第1の位置において、この構成は、取り外し可能な空気フィルターが、実質的にファンの近傍で、ファンに平行に保持されるようにし、扉が開いた時には、この構成は、空気フィルターを、ファンに平行でファンの近傍にある位置から外れ、扉が閉じた位置にある時に占めていた向き、及び/又は位置に対し、実質的に直交する位置に移動させ、該フィルターの平らな表面が、消費者による検査のために明瞭に見えるようにする。
【0019】
別の態様では、フィルター保持手段が、第1の態様又は第2の態様のいずれかによる装置の縦方向に細長い扉形状に対して、実質的に直交する方向に突き出るように、該手段が、ハウジングの扉に取り付けられる。この好ましい別の態様では、扉が装置の起立している表面と実質的に平行になるように、該扉が開き位置に移動すると、空気フィルターは該表面に対して実質的に直交する方向に向けられ、このようにして、検査のために消費者に明瞭に見えるようになる。
【0020】
更に別の態様では、第1の位置において、空気フィルター及び/又は空気フィルター保持手段が、付勢手段及び扉の両方に接触するか、又は、停止部材が扉に接触して、該扉又は停止部材が、付勢手段から空気フィルター及び/又は空気フィルター保持手段に加わる力に抗するようにすることができる。この構成においては、扉が開いた第2の位置において、扉又は停止部材は、空気フィルター及び/又は空気フィルター保持手段に接することがないか、又は十分な反力を加えることがないので、該付勢手段が、空気フィルター及び/又は空気フィルター保持手段を、少なくとも1つの空気通路を実質的に完全に塞いだ状態から、離れさせるようにする。付勢手段は、扉の第1の位置において扉又は停止部材に接触する空気フィルター及び/又は空気フィルター保持手段の部分とは実質的に反対の位置で装置内に配置された1つ又は複数のバネからなることが好ましい。
【0021】
第1の態様又は第2の態様のいずれかによる装置には、該装置が載置される表面から離れるように装置の基部を持ち上げることができる複数の脚が備えられることが好ましく、この構成においては、少なくとも1つの空気入口が、装置の基部に配置されることが好ましい。
【0022】
第1の態様又は第2の態様のいずれかによる装置には、空気処理剤の補充品のための案内手段を設けて、消費者が、より簡便に、消費者にとって使いやすい形で、補充品の着脱を行うことができるようにすることが好ましい。この装置は、十分な大きさの凹部又はその類似物を設けて、装置に取り付けられた補充品に側面からアクセスでき、補充品の着脱を便利に行うのに十分に機械的に把持ができるようにすることが好ましい。
【0023】
第1の態様又は第2の態様のいずれかによる装置の扉には、装置内に固定された状態の補充品の位置に整合するように窓又はその類似物を設け、消費者に、補充品の寿命の終了を、簡便で安価に案内ができるようにすることが好ましい。補充品が、空気処理剤のボトルである場合、例えば、透明のガラス又はプラスチック製の処理剤ボトルに処理剤をボトルから送り出す芯が内部に配置されたものである場合、消費者は、その窓又はその類似物を通して、補充品に残っている残量により、補充品の交換が必要かどうかを簡単に見分けることが可能になる。
【0024】
第1の態様又は第2の態様のいずれかによる装置は、使用に際しては、処理剤をボトルから送り出す芯が内部に配置された透明のガラス又はプラスチックボトルのような、空気処理剤補充品ボトルが使用されることが好ましい。
【0025】
第1の態様又は第2の態様のいずれかによる装置は、使用においては、単層の空気フィルターを使用することが好ましく、より好ましくは、この装置は、多層の空気フィルターを使用することが好ましい。
【0026】
好ましい態様においては、前記空気フィルターは、フィルター層に、機械的フィルター層、静電フィルター層、消臭層、汚染物質抑制層のうちの少なくとも1つの特性を備えさせるように構成される。このフィルターは、上記特性の少なくとも2つを備えることが好ましく、上記特性の少なくとも3つを備えることがより好ましく、上記特性の少なくとも4つを備えることが最も好ましい。
【0027】
上記したように、特に好ましい態様においては、空気フィルターは、異なる特性を有する異なる層を備えた多層の空気フィルターである。例えば、このフィルターは、少なくとも2種類のフィルター層、即ち、1又はそれ以上の機械的フィルター層と1又はそれ以上の静電フィルター層を有するものとすることができ、装置の内部において、上記の種類のフィルター層は、空気が、必ず最初に機械的フィルター層を通過してから、静電フィルター層を通過するように、互いに接近して配置される。
【0028】
この空気フィルターは、本発明の装置におけるフィルターとして使用される場合には、フィルターを通過して濾過された空気から少なくともある悪臭を除去するように作動できるものであることが好ましく、フィルターを通過して濾過された空気から少なくとも50%の悪臭を除去するように作動できるものであることがより好ましく、フィルターを通過して濾過された空気から少なくとも80%の悪臭を除去するように作動できるものであることが更に好ましく、フィルターを通過して濾過された空気から実質的に全ての悪臭を除去するように作動できるものであることが最も好ましい。
【0029】
本発明の装置に使用されるフィルターは、この装置に使用されるフィルター層を通して下記種類の汚染物質、即ち、悪臭(台所の悪臭、及び/又は、ペットによる悪臭及び/又はタバコによる悪臭を含む)、埃、煙、花粉、バクテリア、煤、黴胞子、動物から剥離した垢、微細刺激物の少なくとも1つを、実質的に完全に除去可能であることが好ましい。このフィルターは、更に又、上記汚染物質の少なくとも2つを実質的に完全に除去できるものであることがより好ましく、このフィルターは、上記汚染物質の少なくとも3つを実質的に完全に除去できるものであることが更により好ましく、このフィルターは、上記汚染物質の少なくとも4つを実質的に完全に除去できるものであることが更により好ましく、このフィルターは、上記汚染物質の全てを実質的に完全に除去できるものであることが最も好ましい。
【0030】
第1の態様又は第2の態様のいずれかによる装置は、使用に際しては、送電線からの電力供給を受けて駆動されることが好ましいが、この装置は、電池及び/又は太陽パネル又はその類似物のような、どのような電源でも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明の実施形態が、以下の図面を参照して、単なる例示として説明される。
【図1】本発明の装置の第1の閉じ位置における、斜め側面から見た外観図を示す。
【図2】本発明の装置を切り欠いて示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1及び2の両図を参照すると分かるように、本発明の装置1は、細長い扉12が備えられた全体的に細長いハウジング10を有する。該装置の基部には、空気入口14があり、この空気入口14は、基部から突出している複数の脚16の分だけ、この装置が使用中に載置される表面から上方に離れている。ハウジング10の上部には空気出口18が設けられる。
【0033】
この装置1は、その中に空気処理剤のボトル20が係合した状態で図示されている。該ボトル20は、扉12に設けた窓22と整合した状態でこの装置内部に配置され、この装置の消費者がボトル20内の処理剤の残量レベルを容易に判定できるようにされている。
【0034】
特に、図2を参照すると分かるように、ボトル20のネック部を把持する固定手段22による取り外し可能な係合によって、ボトル20は装置内に固定され、この構成により、芯(図示されない)がボトル20の上部から突出し、その上方に位置するヒーター24内の穴に入ることを可能にする。ヒーター24は、芯の周りを囲む輪状の形状を有しており、装置の使用中に、芯に均一に熱を伝える。
【0035】
ハウジング10の内部は、2つの分離した空気通路30、32が定められたものとして示されており、この通路では、空気が矢印30’、32’方向に流れる。第1の空気通路30内には、ファン34と、該ファンの下方位置に空気フィルター26を内部に保持する空気フィルター保持手段28とが設けられる。
【0036】
空気フィルター26は、1又はそれ以上のフィルター材料を収納するのに十分な深さを有する、略四角状の平面形状をなしている。図示されていないが、該空気フィルターは、少なくとも2種の異なるフィルター層、即ち、1又はそれ以上の機械的フィルター層と1又はそれ以上の静電フィルター層とを有しており、これらの違う種類のフィルター層は、空気が、先ずより大径の微粒子を把持するのに適した機械的フィルター層を通過して、続いてより小径の微粒子を把持するのに適した静電フィルター層を通過するように、装置内部において、互いに接近して配置されている。作用は完全に解明されていないが、この配列は、使用中の装置において、フィルターを通った空気から少なくともある悪臭を除去するのにも、特に効果があると考えられる。
【0037】
図示されていないが、フィルター保持手段28は、該フィルター保持手段28に空気フィルター26を、フールプルーフに装填できるようにする案内手段をその内部に備えている。この案内手段は、空気フィルター26が特定の装填方向となるように強制するものであり、これは、フィルターに異なるフィルター種類が組み込まれている時に役立ち、例えば、より小径の微粒子を捕捉する前に、より大径の微粒子を捕捉することを確実にする。
【0038】
明確に図示されていないが、前記フィルター保持手段28は、空気フィルター26の周囲の全てを実質的に支持するように構成された開放された枠組み形態を有する。空気フィルター26は、その周囲部の回りに枠組みを備え、この枠組みがフィルター保持手段28の枠組みと組み合わされるようにしてもよい。この構成は、装置の使用中にファン34の回転により空気フィルターに働くせん断力に対して構造的な支持を備えるので、空気フィルター26を元の形状のまま保持する助けとなる点で、有利であると考えられる。
【0039】
ファン34は、装置の使用時に、空気を矢印30’方向に沿って空気出口18に押し出す前に、空気入口14とフィルター26を通って実質的に上方に空気を吸引するように方向付けられている。
【0040】
空気は更に、空気入口14及び/又は別の空気入口(図示されていない)を通って入り、空気通路32内をヒーター24に向かって矢印32’の方向に移動する。空気の流れ32’は、空気処理剤を取り込んで、空気出口18を通って装置から放出される。空気の流れ30’と32’を別々に維持することは、幾つかの理由により有利であると考えられ、特に、ファン34から押し出される空気流れが増加しても、ヒーター24により補充品の芯に加えられた熱が冷却されることはない点で有利である。更に、この構成は、消費者に対して、装置における2つの機能を必要により別々に作動させる、という選択枝を提供ができ、もし分離した空気通路30、32及び空気の流れ30’、32’が利用できなければ、この可能性は得られない。
【0041】
図示された装置1には、遠い側の端部にプラグ形態が備えられた電気コード(図示されていない)が設けられており、離れた位置から該装置に電力供給が行われる。しかしながら、この装置は、電池及び/又は太陽パネル又はその類似物のような、どのような電源でも使用することができる。
【0042】
この明細書(添付の特許請求の範囲、要約、及び図面の全てを含む)に開示された全ての構成、及び/又は、開示された如何なる製造方法又は工程の全ての段階は、少なくともその構成及び/又は段階が、互いに排他的な組み合わせである場合を除き、どのような組み合わせとしてでも組み合わせることができる。
【0043】
この明細書(添付の特許請求の範囲、要約、及び図面の全てを含む)に開示された各構成は、他に明確に述べられていない限り、同様な、或いは均等な又は類似の目的に叶う別の構成によって置き換えることができる。このように、他に明確に述べられていない限り、開示されている各構成は、均等物又は類似物を有する包括的系統のうちの、単に一例を表しているに過ぎない。
【0044】
本発明は、上述した詳細を含む実施形態(複数を含む)に限定されるものではない。本発明は、この明細書(添付の特許請求の範囲、要約、及び図面の全てを含む)に開示された構成のあらゆる新規なもの、又はあらゆる新規な組み合わせにも及び、更に、開示された製造方法又は工程の段階の、あらゆる新規なもの又はあらゆる新規な組み合わせにも及ぶものである。
【符号の説明】
【0045】
1 本発明の装置
10 ハウジング
12 扉
14 空気入口
16 脚
18 空気出口
20 空気処理剤ボトル
22 窓
24 ヒーター
26 空気フィルター
28 空気フィルター保持手段
30 第1空気通路
32 第2空気通路
34 ファン
30’ 第1空気通路における空気の流れ
32’ 第2空気通路における空気の流れ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの空気入口と少なくとも1つの空気出口とを備え、これらの間に少なくとも1つの空気通路が設けられたハウジングと、前記少なくとも1つの空気通路内に配置された少なくとも1つのファンと、使用中に空気通路内に空気フィルターを取り外し可能に保持する、少なくとも1つの空気フィルター保持手段と、前記ハウジング内に空気処理剤の補充品を取り外し可能に固定する、少なくとも1つの補充品固定手段と、前記ハウジング内に設けられた放出手段と、を備え、
前記ハウジングには、少なくとも前記空気フィルター保持手段へのアクセスを可能にする扉が設けられ、
前記空気フィルター保持手段は、前記扉が閉じられたときにおける、前記空気フィルターが前記少なくとも1つの空気通路を実質的に完全に塞ぐ第1の位置から、前記扉が開いたときにおける、前記空気フィルターが前記少なくとも1つの空気通路を実質的に完全に塞いでいない第2の位置に移動するように構成されている、ことを特徴とする空気処理装置。
【請求項2】
少なくとも1つの空気入口と少なくとも1つの空気出口とを備え、これらの間に少なくとも1つの空気通路が設けられたハウジングと、前記少なくとも1つの空気通路内に配置された少なくとも1つのファンと、使用中に空気通路内の平面状の空気フィルターを取り外し可能に保持する、少なくとも1つの空気フィルター保持手段と、前記ハウジング内に空気処理剤の補充品を取り外し可能に固定する、少なくとも1つの補充品固定手段と、前記ハウジング内に設けられた放出手段と、を備え、
前記ハウジングには、少なくとも前記空気フィルター保持手段へのアクセスを可能にする扉が設けられ、
前記空気フィルター保持手段は、前記扉が閉じられたときにおける、前記空気フィルターが前記少なくとも1つのファンと実質的に平行である第1の位置から、前記扉が開いたときにおける、前記空気フィルターが前記少なくとも1つのファンと実質的に平行ではない第2の位置に移動するように構成されている、ことを特徴とする空気処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれかに記載された空気処理装置において、該装置は、2つの区分された空気通路を有し、一方の空気通路は、使用時には、空気入口を通って空気が装置内に入り、ファンにより、空気フィルターを通過して実質的に上向きに圧送するか/吸引するようになし、空気出口を通って装置から排出することを可能とし、他の空気通路は、使用時には、別の空気入口を通って空気が装置内に入り、該空気出口を通って装置から排出される前に、放出手段を通り抜けることを可能としたことを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された空気処理装置において、該装置は、前記空気フィルター保持手段の内部に組み込まれた案内手段を有することを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された空気処理装置において、該装置は、前記空気フィルターの周辺部の実質的に全てを支持することができるように構成された前記空気フィルター保持手段を有する、ことを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された空気処理装置において、1組の補充品固定手段を有することを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された空気処理装置において、少なくとも2組の補充品固定手段を有することを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された空気処理装置において、単一の扉を備えており、扉が開いた位置では、前記空気フィルター保持手段と前記補充品固定手段との両方にアクセスできるようにされていることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載された空気処理装置において、該装置は、回転機構を介して取り外し可能な空気フィルターを移動させることが可能であり、扉の内側表面に、扉から遠い端部に回転中心を有する1組の突出アームが備えられ、それぞれの回転中心に1組のロッドが回転可能に連結され、このロッドの遠位側の端部は、それぞれ空気フィルターの保持手段に回転可能に連結されており、付勢バネが、回転中心の一方又は両方の周りに連結され、アームとロッドに対して支持されていることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項9に記載された空気処理装置において、該装置は、扉が閉じた第1の位置において、取り外し可能な空気フィルターが、実質的にファンの近傍で、ファンに平行に保持されるようにし、扉が開いた第2の位置においては、空気フィルターを、ファンに平行でファンの近傍にある位置から外れ、扉が閉じた位置にある時に占めていた向き、及び/又は位置に対し、実質的に直交する位置に移動させ、該フィルターの平らな表面が、消費者による検査のために明瞭に見えるようにされていることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載された空気処理装置において、フィルター保持手段が、装置の縦方向に細長い扉形状に対して、実質的に直交する方向に突き出るように、該手段が、ハウジングの扉に取り付けられることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項11に記載された空気処理装置において、扉が装置の起立している表面と実質的に平行になるように、該扉が開き位置に移動すると、空気フィルターは該表面に対して実質的に直交する方向に向けられる、ことを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載された空気処理装置において、第1の位置において、空気フィルター及び/又は空気フィルター保持手段が、付勢手段及び扉の両方に接触するか、又は、停止部材が扉に接触して、該扉又は停止部材が、付勢手段から空気フィルター及び/又は空気フィルター保持手段に加わる力に抗するようにする、ことを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項13に記載された空気処理装置において、付勢手段は、扉の第1の位置において扉又は停止部材に接触する空気フィルター及び/又は空気フィルター保持手段の部分とは実質的に反対の位置で装置内に配置された1つ又は複数のバネからなることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載された空気処理装置において、該装置は、該装置が載置される表面から離れるように装置の基部を持ち上げることができる複数の脚が備えられ、少なくとも1つの空気入口が、装置の前記基部に配置されていることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載された空気処理装置において、空気処理剤補充品のための案内手段を有することを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項1から請求項16までのいずれか1項に記載された空気処理装置において、使用時には、多層の空気フィルターが使用されることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項1から請求項17までのいずれか1項に記載された空気処理装置に使用される多層空気フィルターは、該フィルター層に、機械的フィルター層、静電フィルター層、消臭層、汚染物質抑制層のうちの少なくとも1つの特性を備えることを特徴とする空気フィルター。
【請求項19】
請求項18に記載されたフィルターは、上記特性の少なくとも2つを具備する、ことを特徴とするフィルター。
【請求項20】
請求項18に記載されたフィルターは、上記特性の少なくとも3つを具備する、ことを特徴とするフィルター。
【請求項21】
請求項18に記載されたフィルターは、上記特性の少なくとも4つを具備する、ことを特徴とするフィルター。
【請求項22】
請求項18に記載されたフィルターは、異なる特性を有する異なる層を備えた多層の空気フィルターである、ことを特徴とするフィルター。
【請求項23】
請求項18に記載されたフィルターは、フィルターを通過して濾過される悪臭の少なくとも50%を除去するように作動できる、ことを特徴とするフィルター。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−524582(P2012−524582A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506554(P2012−506554)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【国際出願番号】PCT/GB2010/000707
【国際公開番号】WO2010/122279
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(509134020)レキット アンド コールマン (オーヴァーシーズ) リミテッド (14)
【Fターム(参考)】