説明

空気圧式バイオリアクター

空気圧式バイオリアクターは、混合される液体を入れる容器、及び気体圧力によって駆動される少なくとも1つの混合装置を備えている。第1の実施形態は、液体内で上昇及び降下する浮動羽根車を備えており、その羽根車は表面まで気泡によって上向きに運ばれ、気体が放出されて液体内に沈降可能とする。浮動羽根車は、可撓性部材及びプーリで第2の羽根車に係留することができる。混合速度は、容器内の電磁石が羽根車又はそのガイド内に備える磁気材料に作用して制御される。別の実施形態では、浮動ピストンが液体を混合し、また、1つ又は複数の開口部を備えた混合プレートを通過した液体を押す。第3の実施形態では、混合装置は、気泡捕捉ブレード、及び開口部を有する回転混合プレートを備えた回転ドラムである。これらの混合機の容器の上部は、上面及び滅菌フィルタを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液を混合する装置に関する。より詳細には、本発明は閉鎖無菌環境で使用される空気圧によって作動する混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオリアクターは、医薬品、飲料及びバイオテクノロジー産業において様々な生物又は化学製品を製造するための微生物の培養のために使用されてきた。製造用バイオリアクターは、無菌環境内で所望の生物因子の成長を支えるために必要な様々な栄養素を提供する培養培地を含んでいる。従来のバイオリアクターは、機械的に駆動させる羽根車を使用して、培養中に液体培地を混合する。バイオリアクターは、容器の洗浄及び滅菌後に、生物剤の次のバッチに対して再利用することができる。洗浄及び滅菌処理は、特に、生物薬剤製品の製造において再利用する前には、各洗浄ステップを監視及び検証するために、かなりの時間及び資源が必要である。従来のバイオリアクターは、その構築、保守、及び作動時の費用が高いために、使い捨てプラスチック材料からなる使い捨てのバイオリアクターシステムが代替として注目されている。
【0003】
近年、使い捨てバイオリアクターにおける液体の混合方法がいくつか提案されているが、高額な作業機械なしで大規模(1000リットル超)の混合を十分に行うものはない。このため、外部の機械操作を必要としない非侵襲性及び/又は使い捨ての混合システムがいくつか開発されている。これらのシステムの多くは、特定の規模範囲内では十分働くが、より大規模な混合システムを適用する場合に問題が生じる場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、汚染することなく溶液を効率良く完全に混合することができる空気圧式バイオリアクターを提供することにある。さらに、同じ技術を使用して比較的大規模化できるバイオリアクターを提供することを目的とする。本発明のさらに別の目的は、使い捨て形式で製造することができるバイオリアクターを提供することにある。本発明の別の目的は、溶液に加えられる混合力及び速度を、内部空気圧によって正確に制御することができ、泡立ちの問題が生じることのないバイオリアクターを提供することにある。最終的には、これらの性能基準の全てを満たしながら、製造及び操作が可能であり、単純且つ費用がかからないバイオリアクターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、格納容器内に混合装置を有する空気圧式バイオリアクターを対象としている。前記混合装置は、気体供給部と、その気体供給部によって駆動される浮力駆動混合機構を用いる。前記混合装置は、格納容器の断面にほぼ全域にわたって配置されている。
【0006】
本発明の第1の態様では、混合装置は、気体保持するチャンバと、当該チャンバ周りに複数の混合部を有する1つ又は複数の浮動混合器を備える。混合部は、浮動混合器が格納容器内で上昇する際に浮動混合器によって撹拌させるように形成されている。気体放出弁により、中心チャンバが液体表面に到達した際に気体を中心チャンバから放出可能になる。
【0007】
本発明の第2の態様では、浮力駆動混合機構は、気体保持する中心チャンバを有する少なくとも1つの浮動プランジャと、前記中心チャンバの周りに配置された少なくとも1つのディスクを有する備える。また、気体放出弁は、前記中心チャンバが液体表面に到達した際に気体を放出可能にする。さらに、格納容器内には、混合を増進するための開口部を少なくとも1つ備えた浮動プランジャに隣接して、混合隔壁が配置されている。
【0008】
本発明の第3の態様では、浮力駆動混合機構は、回転可能に取り付けられ、内側表面、外側表面を有する円筒形チャンバと、内側表面内に配置される少なくとも1つの混合プレートと、外側表面周りに配置される複数の気体保持部材とを備える。
【0009】
したがって、本発明の主な目的は、改良型の空気圧式バイオリアクターを提供することである。他の及び別の目的及び利点は、これ以下で明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1〜図3の実施形態に示すように、空気圧式バイオリアクター10は、以下の部材から構成することによって、所望の特性の全てを提供することができる。格納容器15を備える。格納容器15は、上面20、底部25、及び側面を囲む側壁面30とからなり、混合される液体35及び混合装置40を入れるのに十分な寸法を有する。混合装置40は、少なくとも1つの気体供給部45を備える。気体供給部45は、その終端部であるオリフィス50が、格納容器15の底部25付近に位置するように延設されている。少なくとも1つの浮力駆動混合機構55が設けられている。気体供給部45からの気体60が混合装置55内に供給され、そこから放出されることによって、浮力駆動混合機構55は、液体35内を移動する。気体60が気体供給部45内に供給されると、その気体60が混合装置55に達し、当該装置が液体35を混合する。
【0011】
さらに、浮力駆動混合機構55は少なくとも1つの浮動混合器65を備えている。浮動混合器65は、気体保持する中心チャンバ70、及びこの中心チャンバ70周りに配置された複数の混合部75を有する。混合部75は、格納容器15内の液体35中で浮動混合器65が上昇するときに、浮動混合器65が液体35を撹拌させるように形成されている。図8及び図9に示すように、中心チャンバ70は、気体放出弁80を有する。当該気体放出弁80は、中心チャンバ70が液体35の表面85に到達した際に気体60を放出することができる。規制部材90が設けられている。規制部材90は、浮動混合器65が液体35内を上昇又は下降するときに、その水平移動を制限する。気体60が気体供給部45に供給されると、その気体60は気体保持する中心チャンバ70に入り、そして浮動混合器65を液体35内で上昇させつつ液体35を撹拌する。中心チャンバ70の気体放出弁80が液体35の表面85に到達すると、気体60は放出され、浮動混合器65は格納容器15の底部25に向かって沈降し、そこで中心チャンバ70は再び気体60で満たされて、浮動混合器65を上昇させる。
【0012】
図7の実施形態に示すように、浮動混合器65のアセント速度を制御する手段95が設けられている。浮動混合器65のアセント速度を制御する手段95は、浮動混合器65又は規制部材90のいずれかに取り付けられた強磁性体100、及び格納容器15の底部25に隣接配置された制御可能な電磁石105を備えている。
【0013】
図8及び図9の実施形態で示すように、気体保持する中心チャンバ70は、開口110を備えている。この開口110は、中心チャンバ70の上端部115に位置している。そして、通気キャップ117が設けられている。通気キャップ117は、気体供給部45からの気体60により生じる浮力によって上方へ相対移動された場合に、開口110を塞ぐような寸法及び形状をしている。支持ブラケット120が設けられている。支持ブラケット120は、中心チャンバ70内に配置され、中心チャンバ70から気体60が解放された後に下降する通気キャップ117を支持する。中心チャンバ70が液体35の表面85まで上昇すると、通気キャップ117はその自重により下降し、開口110では気体60が放出可能となり、中心チャンバ70はその後、液体35内に沈み、通気キャップ117は、通気キャップ117内に永久的に入れられた少量の気体60による浮力により、再び上昇し、それによって開口110を塞ぐ。
【0014】
図1〜図3に示す実施形態では、第2浮動混合器125が設けられている。第2の規制部材130が設けられて、液体35内で第2浮動混合器125が上昇するときに、その水平移動を制限する。追加の気体供給部135が設けられている。この追加の気体供給部135は、その終端部であるオリフィス143が、格納容器15の底部25付近に位置するように延設されている。少なくとも1つのプーリ140が設けられている。プーリ140は、格納容器15の底部25に取り付けられている。可撓性部材145が設けられている。可撓性部材145は、浮動混合器65の中心チャンバ70を、第2浮動混合器125の中心チャンバ150と接続する。可撓性部材145は、第2浮動混合器125の中心チャンバ70を格納容器15の底面25からの離間距離を保ちながら、浮動混合器65の中心チャンバ70の気体放出弁80が液体35の表面85に到達可能となる長さを有している。浮動混合器65が供給部45からの気体60による浮力によって上向きに推進されると、その気体放出弁80が液体35の表面85に到達し、気体60が浮動混合器65の中心チャンバ70から解放されるまで、第2浮動混合器125は、可撓性部材145によって下向きに引っ張られる。追加の供給部135から供給される気体60による浮力によって第2浮動混合器125が上昇すると、中心チャンバ70はその後、液体35内に沈む。これらの図から分かるように、混合装置は格納容器の断面のほぼ全域にわたって配置されている。
【0015】
格納容器15は、弾性材料155で形成することができ、この素材はガンマ線照射法によって殺菌可能である。
【0016】
図5及び図6の実施形態で示すように、浮力駆動混合機構10は、少なくとも1つの浮動プランジャ160を備えている。当該浮動プランジャ160は、気体保持する中心チャンバ70、及びその中心チャンバ70周りに配置された少なくとも1つのディスク165を有する。ディスク165は、浮動プランジャ160が格納容器15内の液体35中を上昇するときに、浮動プランジャ160によって液体35が撹拌されるように形成されている。中心チャンバ70は気体放出弁80を有する。その気体放出弁80は、中心チャンバ70が液体35の表面85に到達するときに気体60を放出可能にしている。混合隔壁170が設けられている。混合隔壁170は、格納容器15内において、浮動プランジャ160に隣接して配置されており、浮動プランジャ160の混合動作を増進させるように少なくとも1つの開口部175を有する。規制部材180が設けられている。規制部材180は、液体35内で浮動プランジャ160が上昇又は下降するときに、その水平移動を制限する。気体60が気体供給部45内に供給されると、気体60は気体保持チャンバ70に入り、液体35内における浮力によって浮動プランジャ160を上昇させつつ液体35を撹拌する。中心チャンバ70の気体放出弁80が液体35の表面85に到達すると、気体60は放出され、浮動プランジャ160は格納容器15の底面25に向かって沈み、ここで中心チャンバ70が再び気体60で満たされて、浮動プランジャ160を上昇させる。
【0017】
第2の浮動プランジャ185が設けられている。第2の規制部材190が設けられて、第2の浮動プランジャ185が液体35内を上昇するときに、その水平移動を制限する。追加の気体供給部135が設けられている。追加の気体供給部135は、その終端部であるオリフィス143が、格納容器15の底部25付近に位置するように延設されている。少なくとも1つのプーリ140が設けられている。プーリ140は、格納容器15の底部25に取り付けられている。可撓性部材145が設けられている。可撓性部材145は、浮動プランジャ160の中心チャンバ70を第2の浮動プランジャ185の中心チャンバと接続する。可撓性部材145は、第2の浮動プランジャ185の中心チャンバ70を格納容器15の底部25からの離間距離を保ちながら、浮動プランジャ160の中心チャンバ70の気体放出弁80が液体35の表面85に到達可能にする長さを有している。混合隔壁170は、浮動プランジャ160と第2の浮動プランジャ185との間に配置されている。浮動プランジャ160が気体供給部45からの気体60による浮力によって上向きに推進されると、その気体放出弁80が液体30の表面85に到達し、気体60が浮動プランジャ160の中心チャンバ70から解放されるまで、第2の浮動プランジャ185は、可撓性部材145によって下向きに引っ張られる。第2の浮動プランジャ185が追加の供給部135から案内される気体60による浮力によって上昇すると、浮動プランジャ160はその後、液体35内に沈む。これらの図から分かるように、混合装置は格納容器の断面のほぼ全域にわたって配置されている。
【0018】
図10〜図13の実施形態に示すように、空気圧式バイオリアクター10は円筒形チャンバ195を備えている。当該円筒形チャンバ195は、内側表面200、外側表面205、第1端部210、第2端部215、及び中心軸(第1の軸)220を有する。少なくとも1つの混合プレート225を備える。混合プレート225は、円筒形チャンバ195の内側表面200に取り付けられている。第1フランジ230及び第2フランジ235が設けられている。フランジ230、235は、それぞれ円筒形チャンバ195の第1端部210及び第2端部215に取り付けられている。第1の旋回点240及び第2の旋回点245が設けられている。旋回点240、245はそれぞれ、第1のフランジ230及び第2のフランジ235に取り付けられ、且つ、格納容器15に取り付けられており、それによって円筒形チャンバ195を中心軸220回りに回転させることが可能となる。複数の気体保持部材250が設けられている。この気体保持部材250は、円筒形チャンバ195の外側表面205に沿って、第1フランジ230から第2フランジ235まで延設され、気体供給部45から気泡255を取り込み可能な寸法及び形状をしている。気体供給部45は、円筒形チャンバ195の第1の側部260であり且つ気体保持部材250の下方において、円筒形チャンバ195に沿って延設される。気体60が供給部45を通して格納容器15内に供給されると、気泡255が液体35内で上昇して気体保持部材250に捕捉される。これにより、旋回点240、245において、円筒形チャンバ195を第1の方向262に回転させ、少なくとも1つの混合プレート225が液体35を撹拌させる。これらの図から分かるように、混合装置は、格納容器の断面のほぼ全域にわたって配置されている。
【0019】
円筒形チャンバ195の回転速度は、気体供給部45内への気体60の導入速度を変えることによって制御することができる。
【0020】
図12に示すように、追加の気体供給部135を設けることもできる。当該追加の供給部135は、円筒形チャンバ195の反対側の第2の側部265であり且つ気体保持部材250の下方において、円筒形チャンバ195に沿って延設される。追加の供給部135からの気体60は、旋回点240、245において、円筒形チャンバ195を反対側の第2の方向270に回転させる。
【0021】
図10及び図13に示すように、少なくとも1つの混合プレート225は、格納容器15内の液体35の混合を増加させるために、少なくとも1つの開口部275を有する。
【0022】
図14に示すように、格納容器15はさらに、閉塞可能な上面部280を備えている。上面部は通気孔285を有して、気体供給部45からの気体60を滅菌フィルタ290を通して放出可能にする。
【0023】
図15に示すように、温度制御ジャケット295が設けられている。当該温度制御ジャケット295は、格納容器15を囲んでいる。
【0024】
図1〜図3に示すように、空気圧式バイオリアクター10は格納容器15を備えている。当該容器15は、上部20、底部25、及び側面を囲む側壁面30を有し、混合される液体35及び混合装置40を入れるのに十分な寸法を備えている。混合装置40は、少なくとも1つの気体供給部45を備えている。当該気体供給部45は、前記格納容器15の側壁面25に隣接して延設され、端部にオリフィス50を備える。少なくとも1つの浮動羽根車300が設けられている。この浮動羽根車300は、気体を入れる中心チャンバ70を備え、且つ、当該中心チャンバ70周りに的確に配置された複数の羽根車ブレード305を有する。羽根車ブレード305は、前記浮動羽根車300が格納容器15内の液体35中で上昇するときに、当該浮動羽根車300を垂直軸310周りで旋回させるように形成されている。
【0025】
前記中心チャンバ70は気体放出弁80を有する。気体放出弁80は、中心チャンバ70が液体35の表面85に到達するときに、気体60を放出可能にする。外側ハウジング315が設けられている。前記外側ハウジング315はリング形であり、浮動羽根車300を囲み、その横移動を抑制する。少なくとも1つの支柱320が設けられている。前記支柱320は、底部25から上面20に向かって上向きに延びている。前記外側ハウジング315は、支柱320に摺動可能に取り付けられている。浮動羽根車300は回転可能に、外側ハウジング315に取り付けられている。気体60が気体供給部45内に供給されると、気体60は気体を保持する中心チャンバ70に入り、浮動羽根車300を液体35内で上昇させながら、液体35を回転及び混合させる。前記中心チャンバ70の気体放出弁80が液体35の表面85に到達すると、気体60は放出され、浮動羽根車300は格納容器15の底壁面25に向かって下降し、そこで中心チャンバ70に再び気体60が満たされて、浮動羽根車300を上昇させる。
【0026】
図2及び図4Aに示すように、羽根車ブレード305は、中心チャンバ70に回転可能に取り付けられ、中心チャンバ70は外側ハウジング315に固定して取り付けられている。
【0027】
図2A及び図4に示すように、羽根車ブレード305は中心チャンバ70に固定して取り付けられ、外側ハウジング315に回転可能に取り付けられている。
【0028】
外側ハウジング315はさらに、当該外側ハウジング315の内側表面325上に形成された水平内部溝322を備えている。羽根車ブレード305は、この溝322内に摺動可能に嵌合するような寸法及び形状をしている突起330を備えている。
【0029】
図7に示すように、浮動羽根車300のアセント速度を制御する手段95が設けられている。
【0030】
浮動羽根車300のアセント速度を制御する手段95は、浮動羽根車300又は外側ハウジング315のいずれかに取り付けられた強磁性体100、及び格納容器15の底部25に隣接して配置された制御可能な電磁石105を備えている。
【0031】
図8及び図9に示すように、気体を入れた中心チャンバ70は、当該中心チャンバ70の上端部115に配置された開口110を備えている。通気キャップ117が設けられている。通気キャップ117は、気体供給部45からの気体60による圧力によって相対的に上昇移動された場合に開口110を密封するような寸法及び形状をしている。支持ブラケット120が設けられている。支持ブラケット120は、前記中心チャンバ70から気体60が解放された後に通気キャップ117が下降した場合に、それを支持するように中心チャンバ70内に配置されている。前記中心チャンバ70が液体35の表面まで上昇すると、通気キャップ117は自重により下降し、開口110は気体60を放出可能にする。浮動羽根車300はその後、液体35内に沈み、通気キャップ117は、再び気体供給部45から中心チャンバ70内に案内される気体60による圧力によって上昇し、それによって開口110を封止する。
【0032】
通気キャップ117はさらに、気体封入セル310を備えている。当該気体封入セル310は、キャップ117を液体35内で浮動させ、それによって、中心チャンバ70が液体35の表面85に到達して気体60が放出された後に、開口110を再び密封する。
【0033】
図1及び図3に示すように、空気圧式バイオリアクター10はさらに、第2浮動羽根車317を備えている。第2浮動羽根車317を囲む第2の外側ハウジング324が設けられている。少なくとも1つの支柱326が設けられている。追加の気体供給部135が設けられている。この追加の気体供給部135は、その終端部であるオリフィス143が、前記格納容器15の底部25に位置している。第2の外側ハウジング324は、追加の支柱325に摺動可能に取り付けられている。第2浮動羽根車317は、第2の外側ハウジング324に回転可能に取り付けられている。少なくとも1つのプーリ140が設けられている。プーリ140は、格納容器15の底面25に取り付けられている。
【0034】
可撓性部材145が設けられている。可撓性部材145は、浮動羽根車300の中心チャンバ70から第2の浮動羽根車317の中心チャンバ70までを接続する。可撓性部材145は、第2浮動羽根車317の中心チャンバ70を格納容器15の底部25から離間させながら、浮動羽根車300の中心チャンバ70の気体放出弁80が液体35の表面85に到達可能となる長さをしている。浮動羽根車300が気体供給部45からの気体60による圧力によって上向きに推進されると、第2浮動羽根車315は、その気体放出弁80が液体35の表面85に到達して、気体60が浮動羽根車300の中心チャンバ70から解放されるまで、可撓性部材145によって下向きに引っ張られ、その後、第2浮動羽根車315が追加の気体供給部135から案内される気体60による圧力を受けて上昇するときに、前記浮動羽根車300は液体35内に沈む。
【0035】
本発明の他の目的及び対象の解釈、及びその理解は、添付の図面及び好ましい実施形態の詳細な説明を参照することによって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施形態における浮動羽根車及びその制御機構を示す斜視図である。
【図2】図1の実施形態において、抑制部材に固定され、中心チャンバにおいて回転する羽根車ブレードを備えた浮動チャンバを示す上面図である。
【図2A】図1の実施形態において、チャンバに固定された羽根車ブレードを備え、抑制部材内で回転する浮動チャンバを示す上面図である。
【図3】図1の実施形態の側面図である。
【図4】図2Aの実施形態に示す浮動羽根車の側面図である。
【図4A】図2の実施形態における浮動羽根車の側面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の、浮動プランジャ及びその制御機構を示す斜視図である。
【図6】図5の実施形態の浮動プランジャを示す上面図である。
【図7】気体供給部及び磁気アセント制御機構の斜視図である。
【図8】閉位置にある通気キャップを示す、浮動チャンバの側方断面図である。
【図9】開位置にある通気キャップを示す、浮動チャンバの側方断面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態であり、気体供給部を備えた回転ドラム混合器を示す斜視図である。
【図11】図10の実施形態の単一の気体供給部を示す側面図である。
【図12】図10の実施形態における1対の気体供給部を示す側面図である。
【図13】図10の実施形態の格納容器を示す側面図である。
【図14】図5の実施形態の閉塞可能な上部及び殺菌フィルタを示す斜視図である。
【図15】図5の実施形態の容器を囲む温度制御ジャケットを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
10 空気圧式バイオリアクター
15 格納容器
50,143 オリフィス
55 浮力駆動混合機構
65,125 浮動混合器
70,150 中心チャンバ
75 混合部
80 気体放出弁
90,130,180,190 規制部材
140 プーリ
145 可撓性部材
160,185 浮動プランジャ
165 ディスク
170 混合隔壁
175,275 開口部
195 円筒形チャンバ
225 混合プレート
250 気体保持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
格納容器と、この格納容器内に、少なくとも1つのオリフィスを有する気体供給部及び当該オリフィスの上方に少なくとも1つの浮力駆動混合機構からなる混合装置とを備え、
前記混合装置は、実質的に前記格納容器の断面にほぼ全域にわたって配置される空気圧式バイオリアクター。
【請求項2】
前記浮力駆動混合機構は、気体保持する中心チャンバを有する少なくとも1つの浮動混合器と、当該中心チャンバの周りに設けられた複数の混合部とを備え、
前記混合部は、前記浮動混合器が格納容器内を上昇する際に撹拌するように形成され、
前記中心チャンバには、当該中心チャンバが液体表面に到達した際に気体を放出可能にする気体放出弁を備え、
前記浮動混合器の上昇時又は下降時において、その水平移動を制限する規制部材を有する請求項1に記載の空気圧式バイオリアクター。
【請求項3】
前記浮動混合器のアセント速度を制御する手段をさらに備えた請求項2に記載の空気圧式バイオリアクター。
【請求項4】
前記浮力駆動混合機構はさらに、第2浮動混合器と、当該第2浮動混合器に取り付けられた第2の規制部材と、少なくとも1つのプーリとを備え、
前記プーリは前記格納容器に固定され、
前記プーリに係止され、前記第1浮動混合器と第2浮動混合器との間を接続する可撓性部材を備えた請求項3に記載の空気圧式バイオリアクター。
【請求項5】
前記浮力駆動混合機構は、中心チャンバを備える少なくとも1つの浮動プランジャと、前記中心チャンバ周りに配置された少なくとも1つのディスクとからなり、
前記中心チャンバには、当該中心チャンバが液体上面に到達したときに気体を放出可能にする気体放出弁と、前記浮動混合器の上昇時又は下降時にその水平移動を制限する規制部材とを備え、
前記格納容器内に、前記浮動プランジャに隣接して混合隔壁が配置され、
前記浮動プランジャの混合動作を増進させる少なくとも1つの開口部と、前記浮動プランジャの上昇時又は下降時に、当該浮動プランジャの水平移動を制限する規制部材を有する請求項1に記載の空気圧式バイオリアクター。
【請求項6】
前記浮力駆動混合機構は、第2の浮動プランジャと、当該第2の浮動プランジャに取り付けられた第2の規制部材と、第2のオリフィスと、少なくとも1つのプーリとを備え、
前記プーリは前記格納容器に対して固定され、
前記プーリに係止され、第1の浮動プランジャと第2の浮動プランジャとの間を可撓性部材によって接続し、
前記混合隔壁は、前記浮動プランジャと前記第2の浮動プランジャとの間に配置された請求項5に記載の空気圧式バイオリアクター。
【請求項7】
前記浮力駆動混合機構は、第1の軸において回転可能に、前記格納容器に対して取り付けられた円筒形チャンバを備え、
内側表面及び外側表面を備える円筒形チャンバにおいて、少なくとも1つの混合プレートを前記内側表面に内接させ、
円筒形チャンバの外側表面の周囲には、前記気体供給部から気泡を取り込むような寸法及び形状を備える複数の気体保持部材が固定された請求項1に記載の空気圧式バイオリアクター。
【請求項8】
前記気体供給部は第2のオリフィスを有し、
第1のオリフィス及び第2のオリフィスは、前記気体保持部材の下方に配置された前記第1の軸の両側方に位置し、
前記円筒形チャンバを、2つの前記オリフィスから放出される気体によって異なる方向に回転させる請求項7に記載の空気圧式バイオリアクター。
【請求項9】
少なくとも1つの前記混合プレートは、前記格納容器内の液体の混合を増進させる少なくとも1つの開口部を有する請求項7に記載の空気圧式バイオリアクター。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2009−513148(P2009−513148A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538145(P2008−538145)
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/060183
【国際公開番号】WO2007/111677
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(508127546)
【Fターム(参考)】