説明

空気清浄装置およびフィルタ

【課題】多孔質体の広い範囲で効率のよい集塵性能と、高い脱臭性能と、が得られる空気清浄装置を得る。
【解決手段】空気清浄装置10は、帯電部10aと、帯電部10aの下流側に配置される集塵部10bとから構成される。帯電部10aは、放電電極1と、対向電極2と、両者間に所定の電圧を付与する電源10cと、から形成される。集塵部10bは、上流側から下流側に向かって順次配置された、接地電極3と、脱臭剤が担持されている繊維フィルタ5と、高圧電極4、から形成されている。そして、接地電極3と帯電部10aの対向電極2とが、高圧電極4と帯電部10aの放電電極1とが、それぞれ接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気清浄装置およびフィルタ、特に、電気集塵方式の空気清浄装置およびこれに好適なフィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、空気清浄装置として、圧力損失が低く、高い集塵性能が得られる電気集塵方式が知られている。電気集塵方式は、ガス粒子及び粉塵を帯電させる帯電部と、帯電したガス粒子及び粉塵を電気的に捕捉する集塵部と、から構成されるものであって、集塵部については、電界を形成する電極上にガス粒子及び粉塵を捕捉する平行平板方式と、電荷を帯びたフィルタ上で捕捉するろ材方式とがある。
平行平板方式は、低い圧力損失で高い集塵性能が得られるが、粉塵が平板上に堆積していくので、再飛散が起こりやすく、集塵部表面積も小さいため、粉塵保持容量も小さい。
一方、ろ材方式のフィルタには、予め電荷を帯びたエレクトレットフィルタを用いる方法と、誘電率の高いフィルタを電極で挟み、電極間に電圧を印加することでフィルタ表面に電荷を帯びさせる方法とがある。
【0003】
そして、集塵部を、通気性のある一対の電極によって挟まれた多孔質体によって形成し、上流側の電極と多孔質体との境界面でガス流れに乱流場を生じさせることによって捕集(集塵)効率を高める発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、電気集塵方式の空気清浄装置おける、吸引した粒子の臭気拡散を防止するため、集塵電極の表面に導電性の高い脱臭層をコーティングする発明が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平6―154651号公報(第3−4頁、図1)
【特許文献2】特開平6−154648号公報(第2−3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された発明は、上流側の電極と多孔質体との境界面でガス流れに乱流場を生じさせ、該乱流場の作用によって捕集効率の向上を図るものであるため、該作用の及ぶ範囲が限定され、該限定された範囲を除く広い範囲では必ずしも効率の良い捕集がなされないという問題があった。
また、特許文献1に開示された発明は、2段式電気集塵器の後段の集塵部平行平板電極上に導電性の高い脱臭層をコーティングすることで臭気の室内への拡散を抑制することを特徴とするものであるため、平行平板型では接触確率が低く、高い脱臭性能が得られないという問題があった。また、集塵部に導電性のコーティングを施す際には異常放電の発生が懸念される。
【0006】
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、多孔質体の広い範囲で効率のよい集塵性能と、高い脱臭性能と、が得られる空気清浄装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る空気清浄装置は、ガスが流通自在な帯電部と、該帯電部に形成されるガス流れの下流側に配置され、ガスが流通自在な集塵部と、を有する空気清浄装置であって、
前記帯電部が、放電電極と、該放電電極に対峙する対向電極と、放電電極と対向電極との間に所定の電圧を印加する電源と、を具備して通過する粒子を帯電させ、
前記集塵部が、誘電率の高いフィルタと、該フィルタの上流側に配置され、ガスが流通自在な接地電極と、前記フィルタの下流側に配置され、ガスが流通自在な高圧電極とを具備して帯電された粒子を捕集し、
前記放電電極と前記高圧電極とが接続され、かつ、前記対向電極と前記接地電極とが接続されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
したがって、本発明に係る空気清浄装置は、集塵部を構成する接地電極と高圧電極との間に電圧を印加してフィルタに電界強度を付与して、帯電しているガス粒子及び粉塵をフィルタ上に捕捉するものであるため、高い集塵効率が得られる。
このとき、フィルタを網目状に形成された無機繊維または有機繊維、多孔質体で構成しておけば、広い表面積が確保できるとともに、通過するガス粒子及び粉塵の繊維への接触確率を増大させるので、低い圧力損失で高い捕集効率が得られる。また、かかる繊維の表面に触媒、吸着剤もしくは化学添着剤のうち少なくとも1つ以上の材料(以下、「脱臭剤」とする)を担持して構成すれば、高い脱臭性能が得られると共に、集塵と脱臭とが同じ場所で実行されるため、空気清浄装置を小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
[実施の形態1:空気清浄装置]
図1は本発明の実施形態1に係る空気清浄装置の構成を模式的に表した断面図である。図1において、空気清浄装置10は、帯電部10aと、帯電部10aの下流側に配置される集塵部10bとから構成されている。
【0010】
(帯電部)
帯電部10aは、放電電極1と、対向電極2と、両者間に所定の電圧を付与する電源9と、から形成され、ガス粒子及び粉塵は両者の間を通過する際、帯電する。
【0011】
(集塵部)
集塵部10bは、上流側(帯電部10a側に同じ)から下流側に向かって順次配置された、接地電極3と、脱臭剤が担持されている繊維フィルタ5と、高圧電極4と、から形成されている。そして、集塵部10bの接地電極3と帯電部10aの対向電極2とが接続されている。
すなわち、繊維フィルタ5は、接地電極3と高圧電極4とによって挟まれているから、繊維フィルタ5は、電界が印加されて帯電している。このため、前記帯電部10aにおいて帯電したガス粒子及び粉塵は、繊維フィルタ5に効率良く捕捉されることになる。
【0012】
たとえば、帯電部10aの放電電極1と対向電極2の間に5〜15mA/m2の負電流を流して通過するガス粒子及び粉塵を帯電させ、集塵部10bの接地電極3と高圧電極4の間に電圧を印加して繊維フィルタ5に15〜25kV/cmの電界強度を付与した場合、帯電しているガス粒子及び粉塵(0.3μm粒子)の一過性粉塵を80%以上を捕集(風速1m/sの時)することができる。
このとき、帯電部10aで生成される活性酸素及びオゾンは繊維フィルタ5に担持されている脱臭剤によって除去されるため、空気清浄装置10の外に活性酸素及びオゾンが流出することはない。なお、放電電極1と対向電極2との間に電流を通電しない場合、及び接地電極3と高圧電極4との間に電界を形成しない場合、繊維フィルタ5は0.3μm粒子をほとんど捕集することができない。
【0013】
(絶縁繊維フィルタ)
絶縁繊維フィルタ8は、繊維フィルタ5との間の異常電流の発生を防ぐものであるが、ケイ素酸化物あるいはポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、アクリル、アラミド、ポリアミドのうち1種類以上の材料からなり、繊維の表面抵抗率が1010〜13Ω/□であることを特徴とし、繊維径が5〜30μm及び目付け量が40〜400g/m2とすることが好ましい。
さらに、絶縁繊維フィルタ8の繊維上には、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、フッ素、テフロン(登録商標)、ゼオライトなど、絶縁性及び誘電率の高い材料が添着されてもよい。絶縁性及び誘電率の高い材料を繊維表面に担持することで、繊維上に現れる表面電荷は増大し、通過する帯電した粒子を誘引する力は強くなる
【0014】
(接地電極)
また、集塵部10bに用いる帯電部10a側の接地電極3は、帯電部10aの対向電極2より高い抵抗率を有している。このため、帯電部10aと集塵部10bの距離を縮めても、帯電部10a(放電電極1)からの放電電流が集塵部10b(接地電極3)へ流れることがないため、帯電部10aと集塵部10bとの距離を縮めることができ、空気清浄装置10の小型化を実現している。
集塵部10bで用いる接地電極3および高圧電極4は、金属、ABS、ポリカーボネート、PPのうち少なくとも1つ以上の成分で成型され、上流側(帯電部10a側に同じ)の接地電極3の抵抗率は、下流側の高圧電極4の抵抗率と同等の材料、もしくは、後者より低い材料を用いる。
【0015】
(繊維フィルタ)
繊維フィルタ5が、繊維径が5〜30μm、目付け量が40〜400g/m2、及び繊維へ担持される脱臭剤の担持量を100〜900g/m2とした無機材料、あるいは高分子有機材料からなる。このとき、前記無機材料は、ケイ素酸化物、あるいはニッケル、銅、鉄、アルミニウム、コバルトなどの遷移金属、あるいは炭素のうち1種類以上を主成分とし、前記高分子有機材料は、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、アクリル、アラミド、ポリアミドのうち1種類以上を主成分としている。
高い脱臭性能を得るためには、目付け量に関わらず触媒担持量を100g/m2以上とする必要があり、900g/m2以下でなければ繊維上に脱臭剤を保持する付着強度が弱くなり、経時変化にともなって脱臭剤の繊維からの脱落が起こり、脱臭性能の劣化につながる。
【0016】
また、繊維径が30μm以上では繊維が折れやすくなってしまい、繊維上に担持されている脱臭剤も同時に脱落し、脱臭性能の劣化につながる。さらに繊維径が5μm以下では繊維が軟化するため、フィルタを形成するために使用するバインダ量が多くなってしまい、繊維径も結果として5μm以上となる。
また、繊維の目付け量は少なくとも40g/m2以上なければ、必要な脱臭剤量100g/m2以上を担持することができず、また、繊維の目付け量は400g/m2以下でなければ脱臭剤が繊維上に均一に担持することができなくなり、繊維フィルタ5の目詰まりが生じる。
【0017】
(触媒及び吸着材)
繊維フィルタ5には触媒及び吸着材が担持されている。該触媒及び吸着材は、例えば、アクリル、メラニン、スチレン化合物、塩化化合物のうち1種類以上を主成分とする有機化合物、またはシリカ、アルミナのうち1種類以上を主成分とする無機化合物からなるバインダにより保持されている。
担持される触媒の主成分は、マンガン、コバルト、セシウム、銅、亜鉛、ニッケルのうち1種類以上を主成分とする金属酸化物からなり、白金、パラジウム、ルテニウム、金、銀のうち1種類以上を貴金属も含まれているとよい。
【0018】
さらに、上記触媒を担持することでアセトアルデヒド、アンモニア、メチルメルカプタン、トリメチルアミンの四大悪臭成分だけでなく、酢酸、二硫化メチル、イソ吉草酸、及び建築溶剤などから揮発するホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの揮発性有機化合物などを有害レベル以下まで低減することができる。また、同様に担持される吸着材は5Å〜500Åの細孔径を有するシリカ、活性炭、ゼオライトのうち1種類以上を主成分とする多孔質材料からなることで、吸着除去量および吸着速度を向上させることができる。
【0019】
よって、繊維フィルタ5は、一般的に広く適用されているハニカム状のフィルタと比較して、フィルタ容積当たりの表面積を広くすることができ、また、網目構造となることによってフィルタ内で乱流が生じるため、粒子との接触確率も増大する。
【0020】
[実施の形態2:繊維フィルタ]
図2は本発明の実施形態2に係る空気清浄装置に用いられる繊維フィルタの脱臭性能曲線図である。すなわち、アセトアルデヒドの除去性能をハニカム状のフィルタと比較した性能曲線であって、100cm2の繊維フィルタ5と、ハニカム状のフィルタと、がそれぞれ設置された風洞を、アセトアルデヒド1ppmで満たし箱内(内容積1m3)に設置し、風速1m/sで通気したときの30分間の当該箱内のアセトアルデヒド濃度の減衰を測定した結果である。図2において、同等の脱臭性能を得るためには、本発明の繊維フィルタ5は、ハニカム状のフィルタの2/5の量でよいことが分かる。
【0021】
また、繊維フィルタ5は、ハニカム状のフィルタよりも同一容積当たりの表面積が広く、また、網目構造となることによりフィルタ内で乱流が生じるため、繊維フィルタ5を抗菌フィルタとして用いることで、細菌との接触確率も増大し、細菌を捕捉しやすくなり、高い抗菌性能が得られる。
【0022】
(難燃剤)
図3は本発明の実施形態2に係る繊維フィルタを模式的に表した構成図である。図3において、フィルタ20は、難燃剤6がフィルタ表面に担持した脱臭剤7に混合されている。このとき、混合される難燃剤6は、臭素系化合物、塩素系化合物、水和金属化合物、りん系化合物、窒素含有化合物、シリコーン系化合物のうち一つ以上の材料からなる。
導火剤となりやすい触媒と難燃剤6を混合することによって、引火性を抑制することができる。
【0023】
また、難燃剤6の替わりに、シリカおよびチタン酸化物が担持されていてもよい。フィルタ間に電圧を印加したときにフィルタの抵抗率が低いと、フィルタ間に電流が流れてしまい、異常電流の発生による発火だけでなく、フィルタ繊維表面に電荷が誘引されなくなり、これによって、フィルタ上に捕捉されるガス粒子及び粉塵は少なくなってしまう。そのため、フィルタ20(図3参照)のように脱臭剤7と混合して抵抗の高い材料を担持することによって、フィルタ間の電子流れを抑制することができる。
【0024】
さらに、抵抗率の低い触媒間に、シリカ及びチタン酸化物などの抵抗の高い物質が入り込むことによって、フィルタ上の電子流れを抑制し、フィルタ繊維表面に電荷を誘引することができる。
【0025】
上記処理をフィルタに施すことによって、フィルタに電圧を印加したときに、フィルタ表面に電荷を効率的に誘引することができ、フィルタの「帯電したガス粒子及び粉塵の捕集効率」を格段に向上することができる。
【0026】
[実施の形態3:空気清浄装置]
図4は本発明の実施形態3に係る空気清浄装置を模式的に表した構成図である。なお、実施の形態1(図1)と同じ部分または相当する部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。図4において、空気清浄装置30は、帯電部10aと、帯電部10aの下流側に配置される集塵部10cとから構成されている。そして、放電電極1と対向電極2との最短距離(D)が、放電電極1と接地電極3cとの最短距離(L)より近くする(D<L)ことで、帯電部10a(放電電極1)から集塵部10b(接地電極3)へ電流が流れることを防いでいる。
このとき、帯電部10aの対向電極2と、集塵部10bの接地電極3c(帯電部10a側に配置されている)とを共有した部材で構成しているから、空気清浄装置30を構成する部材点数が減り、材料コストが抑制されている。
【0027】
[実施の形態4:空気清浄装置]
図5は本発明の実施形態4に係る空気清浄装置を模式的に表した構成図である。なお、実施の形態1(図1)と同じ部分または相当する部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。図5において、空気清浄装置40は、帯電部10aと、帯電部10aの下流側に配置される集塵部10dとから構成されている。
集塵部10dは、上流側(帯電部10a側に同じ)から下流側に向かって順次配置された、接地電極3と、脱臭剤が担持されている繊維フィルタ5と、高圧電極4と、第二繊維フィルタ5dと、第二接地電極3dと、から形成されている。そして、接地電極3と第二接地電極3dとが接続されている。
【0028】
すなわち、繊維フィルタ5は接地電極3と高圧電極4とによって挟まれ、また、第二繊維フィルタ5dが第二接地電極3dと高圧電極4とによって挟まれている。したがって、繊維フィルタ5は、電界が印加されて帯電し、また、第二繊維フィルタ5dは、繊維フィルタ5とは反対方向の電界が印加されて帯電しているから、前記両帯電部において帯電したガス粒子及び粉塵は、繊維フィルタ5および第二繊維フィルタ5dにおいて効率良く捕捉されることになる。
なお、以上は、集塵部10dを一対の集塵部10b(図1参照)によって構成されたものに相当して、第二高圧電極に相当する電極の機能を高圧電極4が共有して(共通の電極にして)いるから、部材点数が少なくなっている。
【0029】
なお、以上は、集塵部10dとして2つの集塵部10bを重ねたものであるが、本発明はこれに限定するものではなく、3つ以上の集塵部10bを重ねてもよい。このとき、図5に準じて、たとえば、第二接地電極と第三接地電極とを、第三高圧電極と第四高圧電極とを、それぞれ共通の電極にして、部材点数を減らしてもよい。
さらに、このように集塵部10bを複数重ねる場合、ガス粒子及び粉塵の流入する上流側に目付け量の粗いフィルタを配置して、下流側に目付け量の細かいフィルタを配置することで、上流側で大きいガス粒子及び粉塵を選択的に捕捉することができ、フィルタのメンテナンスを容易にすることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上より、本発明の空気清浄装置は、高い集塵効率および脱臭性能が得られると共に、装置を小型にすることができるから、事業用および家庭用の各種空気清浄装置として広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態1に係る空気清浄装置の構成を模式的に表した断面図。
【図2】図1に示す空気清浄装置に用いられる繊維フィルタの脱臭性能曲線図。
【図3】本発明の実施形態2に係る繊維フィルタを模式的に表した構成図。
【図4】本発明の実施形態3に係る空気清浄装置を模式的に表した構成図。
【図5】本発明の実施形態4に係る空気清浄装置を模式的に表した構成図。
【符号の説明】
【0032】
1:放電電極、2:対向電極、3:接地電極、3c:接地電極、3d:第二接地電極、4:高圧電極、4b:高圧電極、5:繊維フィルタ、5d:第二繊維フィルタ、6:難燃剤、7:脱臭剤、9:電源、10:空気清浄装置(実施の形態1)、10a:帯電部(実施の形態1)、10b:集塵部(実施の形態1)、10c:集塵部(実施の形態2)、10d:集塵部(実施の形態4)、20:フィルタ(実施の形態2)、30:空気清浄装置(実施の形態3)、40:空気清浄装置(実施の形態4)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスが流通自在な帯電部と、該帯電部に形成されるガス流れの下流側に配置され、ガスが流通自在な集塵部と、を有する空気清浄装置であって、
前記帯電部が、放電電極と、該放電電極に対峙する対向電極と、放電電極と対向電極との間に所定の電圧を印加する電源と、を具備して通過する粒子を帯電させ、
前記集塵部が、誘電率の高いフィルタと、該フィルタの上流側に配置され、ガスが流通自在な接地電極と、前記フィルタの下流側に配置され、ガスが流通自在な高圧電極とを具備して帯電された粒子を捕集し、
前記放電電極と前記高圧電極とが接続され、かつ、前記対向電極と前記接地電極とが接続されてなることを特徴とする空気清浄装置。
【請求項2】
前記フィルタが、無機繊維、有機繊維または多孔質体の何れかによって形成され、
前記無機繊維、有機繊維または多孔質体の何れかの表面に、触媒、吸着剤または化学添着剤のうち1種以上が担持されてなることを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
【請求項3】
前記接地電極の抵抗率が前記対向電極の抵抗率と同等、または、前記接地電極の抵抗率が前記対向電極の抵抗率より高いことを特徴とする請求項1または2記載の空気清浄装置。
【請求項4】
前記集塵部の接地電極が、前記帯電部に配置されてなることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の空気清浄装置。
【請求項5】
前記放電電極と前記対向電極との最短距離(D)が、前記放電電極と前記接地電極との最短距離(L)より小さい(D<L)ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の空気清浄装置。
【請求項6】
前記対向電極と前記接地電極とが、共通の部材によって形成されてなることを特徴とする請求項5記載の空気清浄装置。
【請求項7】
前記高圧電極の下流側に第二フィルタと、該第二フィルタの下流側に第二接地電極が配置され、
前記接地電極と前記第二接地電極とが接続されてなることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の空気清浄装置。
【請求項8】
触媒、吸着剤または化学添着剤のうち1種類以上である脱臭剤が担持されている、無機繊維、有機繊維または多孔質体の何れかによって形成されたフィルタであって、
前記無機繊維が、ケイ素酸化物または土類金属を主成分とすることを特徴とするフィルタ。
【請求項9】
前記有機繊維が、高分子材料からなることを特徴とする請求項8記載のフィルタ。
【請求項10】
前記無機繊維および前記有機繊維が、何れも繊維径5〜30μm、目付け量40〜400g/m2、および前記脱臭剤の担持量100〜900g/m2であることを特徴とする請求項8記載のフィルタ。
【請求項11】
前記触媒が、金属酸化物または貴金属のうち少なくとも1種類以上を主成分とすることを特徴とする請求項8記載のフィルタ。
【請求項12】
前記吸着剤が、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、ポーラスシリカ、のうち少なくとも1種類以上からなることを特徴とする請求項8記載のフィルタ。
【請求項13】
前記無機繊維または前記有機繊維に、難燃剤が混合された前記吸着剤が、担持されてなることを特徴とする請求項8記載のフィルタ。
【請求項14】
前記無機繊維、有機繊維または多孔質体の何れかの表面に担持している前記脱臭剤の上に、誘電率の高い材料がさらに担持されてなることを特徴とする請求項8記載のフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−221078(P2008−221078A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60452(P2007−60452)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】