説明

空気調和機のリモートコントローラ

【課題】複数台の空気調和機の設定を容易とし、その設定に要する時間を短縮することを可能とする空気調和機のリモートコントローラを提供する。
【解決手段】各種指示や各種情報の入力操作を行うための操作部51と、各種情報を記憶する内部メモリ31と、外部メモリ200の書き込みおよび読み出しを行う外部メモリインターフェース部33と、一方の空気調和機に対応して設けられた一方のリモートコントローラ100において、入力操作により設定された設定情報を内部メモリ31に逐次保存し、設定情報格納指示に基づいて、内部メモリ31に保存された設定情報を外部メモリ200に格納し、他方の空気調和機に対応して設けられた他方のリモートコントローラ110において、設定情報保存指示に基づいて、一方のリモートコントローラ100により外部メモリ200に格納された設定情報を内部メモリ31に保存する情報処理部30と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機のリモートコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機の運転に関するスケジュールの設定やその設定の保存は、リモートコントローラで行われている。例えば、設定に関するデータがあらかじめ格納されたSDカードをリモートコントローラに挿入し、データの読み出し装置でSDカードの内部のデータを読み出すことにより、リモートコントローラに機能を追加して空気調和機の設定を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−198704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、リモートコントローラで設定した空気調和機の設定内容を、他の空気調和機のリモートコントローラに反映させることができない。このため、複数の空気調和機、あるいは複数の空気調和機グループに同様の設定を行う必要がある場合には、それぞれに対応しているリモートコントローラにより、個別に設定を行わなければならず、その設定作業に時間がかかり煩わしい、という問題点があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数台の空気調和機の設定を容易とし、その設定に要する時間を短縮することを可能とする空気調和機のリモートコントローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる空気調和機のリモートコントローラは、室外機および室内機を備えた空気調和機本体と通信手段を介して双方向通信を行う空気調和機のリモートコントローラであって、前記空気調和機に関する各種指示や各種情報の入力操作を行うための操作部と、前記各種情報を記憶する内部メモリと、外部メモリの書き込みおよび読み出しを行う外部メモリインターフェース部と、前記入力操作に応じて、前記内部メモリと前記外部メモリインターフェース部に接続された前記外部メモリとの間で前記各種情報を授受させる情報処理部と、を備え、前記情報処理部は、一方の前記空気調和機に対応して設けられた一方のリモートコントローラにおいて、前記入力操作により設定された前記空気調和機の運転モード、設定風量、設定温度、あるいは週間スケジュール設定を含む設定情報を前記内部メモリに逐次保存し、前記操作部からの設定情報格納指示に基づいて、前記内部メモリに保存された前記設定情報を前記外部メモリに格納し、他方の前記空気調和機に対応して設けられた他方のリモートコントローラにおいて、前記操作部からの設定情報保存指示に基づいて、前記一方のリモートコントローラにより前記外部メモリに格納された前記設定情報を前記内部メモリに保存することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数台の空気調和機の設定を容易とし、その設定に要する時間を短縮することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、実施の形態1かかるリモートコントローラを適用した空気調和システムの一例を示す図である。
【図2】図2は、実施の形態1にかかるリモートコントローラの概観の一例を示す図である。
【図3】図3は、実施の形態1にかかるリモートコントローラの機能ブロックの一例を示す図である。
【図4】図4は、実施の形態1にかかるリモートコントローラにおいて設定した設定情報を外部メモリに格納する手順の一例を示す処理フローを示す図である。
【図5】図5は、外部メモリに格納された設定情報を他のリモートコントローラの内部メモリに保存する手順の一例を示す処理フローを示す図である。
【図6】図6は、実施の形態1にかかるリモートコントローラを適用した空気調和機の設定情報の作成を支援する空気調和システムの一例を示す図である。
【図7】図7は、外部編集装置を用いて、実施の形態1にかかるリモートコントローラを適用した空気調和機の設定情報を作成する手順の一例を示す処理フローを示す図である。
【図8】図8は、空気調和機本体からリモートコントローラに送信される運転情報の一例を示す図である。
【図9】図9は、実施の形態2にかかるリモートコントローラを適用した空気調和機のエラー履歴情報を外部メモリに格納する手順の一例を示す処理フローを示す図である。
【図10】図10は、実施の形態3にかかるリモートコントローラを用いた空気調和機の試験手順の一例を示す処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態にかかる空気調和機のリモートコントローラについて説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかるリモートコントローラを適用した空気調和システムの一例を示す図である。図1に示す空気調和システムでは、空気調和機10は、室外機11と室内機12a,12bとを含み構成され、有線あるいは赤外線等の無線の通信手段13によりリモートコントローラ100に接続されている。また、空気調和機20は、室外機21と室内機22a,22bとを含み構成され、同様に有線あるいは赤外線等の無線の通信手段23によりリモートコントローラ110に接続されている。各室内機12a,12b,22a,22bは、所定の各部屋の内部(室内)に設けられ、各室外機11,21は、各部屋の外部(室外)に設けられる。
【0011】
外部メモリ200は、例えば、SDカード等のメモリカードやUSBメモリ等の可搬な外部記憶媒体であり、リモートコントローラ100,110の双方において、書き込みおよび読み出しが可能である。また、この外部メモリ200内のデータは、例えば、外部メモリ200とのインターフェースを有するPC等の外部編集装置300を用いて編集することも可能である。
【0012】
図2は、実施の形態1にかかるリモートコントローラの概観の一例を示す図である。図2(a)は、リモートコントローラ100,110の正面図を示し、図2(b)は、リモートコントローラ100,110の側面図を示している。図2に示すように、リモートコントローラ100,110は、それぞれ表示部50、操作部51、および外部メモリ挿入口52を備えている。外部メモリ挿入口52は、例えばSDカードやUSBメモリ等の外部メモリ200を挿入することができる。
【0013】
図3は、実施の形態1にかかるリモートコントローラの機能ブロックの一例を示す図である。図3に示すように、リモートコントローラ100,110は、例えばマイクロコンピュータ等により構成される情報処理部30と、表示部50と、操作部51と、内部メモリ31と、通信部32と、外部メモリインターフェース部33とを備えている。
【0014】
外部メモリインターフェース部33は、外部メモリ挿入口52に挿入された外部メモリ200に対する書き込みおよび読み出しを行うためのインターフェースである。
【0015】
表示部50は、例えば液晶表示装置やLED表示装置等により構成され、空気調和機10,20の運転モード、設定風量、室内温度についての設定温度、あるいは、例えば一週間分のタイマー運転、停止の週間スケジュール設定等の空気調和機10,20の設定内容に関する情報(以下、「設定情報」という)や、例えば、室内温度等の空気調和機10,20本体から送信された空気調和機10,20の運転状態に関する情報(以下、「運転情報」という)が表示される。
【0016】
操作部51は、ユーザーが空気調和機10,20に関する各種指示や上述した設定情報等の入力操作を行うためのユーザーインターフェースである。また、内部メモリ31は、上述した設定情報や運転情報等の各種情報が保存される。
【0017】
通信部32は、空気調和機10,20と各リモートコントローラ100,110との間で有線あるいは無線による通信手段23を介して双方向通信を行う。
【0018】
情報処理部30は、操作部51からの指示に基づいて、表示部50、内部メモリ31、および外部メモリインターフェース部33の制御や、上述した設定情報等の各種情報の処理を行う。
【0019】
つぎに、実施の形態1にかかるリモートコントローラの動作について、図1〜図4を参照して説明する。図4は、実施の形態1にかかるリモートコントローラにおいて設定した設定情報を外部メモリに格納する手順の一例を示す処理フローを示す図である。また、図5は、外部メモリに格納された設定情報を他のリモートコントローラの内部メモリに保存する手順の一例を示す処理フローを示す図である。図4に示す例では、空気調和機10に対応するリモートコントローラ100において空気調和機10の設定を行い、その設定情報を外部メモリ200に格納する例を示し、図5に示す例では、空気調和機20に対応するリモートコントローラ110に外部メモリ200を移動して、外部メモリ200に格納された設定情報をリモートコントローラ110の内部メモリ31に保存する例を示している。
【0020】
ユーザーが空気調和機10に対応するリモートコントローラ100の表示部50を視認しつつ操作部51を操作し、空気調和機10に関する設定情報(例えば週間スケジュール設定)を入力すると、情報処理部30は、その設定情報を逐次内部メモリ31に保存する(ステップST101)。
【0021】
設定が終了した後に、ユーザーがリモートコントローラ100の操作部51を操作し、内部メモリ31に保存された設定情報の外部メモリ200への格納を指示(以下、「設定情報格納指示」という)すると、情報処理部30は、設定情報格納指示に基づいて、内部メモリ31に保存された設定情報を読み出し(ステップST102)、その設定情報を外部メモリ200に格納し(ステップST103)、図4に示す設定情報の外部メモリ200への格納処理フローを終了する。
【0022】
ユーザーは、リモートコントローラ100の外部メモリインターフェース部33から外部メモリ200を取り外し、空気調和機20に対応するリモートコントローラ110に外部メモリ200を接続して、続いて、図5に示す設定情報の内部メモリ31への保存処理フローに移行する。ユーザーがリモートコントローラ110の操作部51を操作し、外部メモリ200に格納された設定情報の保存を指示(以下、「設定情報保存指示」という)すると、情報処理部30は、設定情報保存指示に基づいて、外部メモリ200に格納された設定情報を読み出し(ステップST201)、リモートコントローラ110の内部メモリ31に保存する(ステップST202)。
【0023】
そして、ユーザーは、空気調和機10と同様の設定にしたい空気調和機が他にもある場合には、リモートコントローラ110の外部メモリインターフェース部33から外部メモリ200を取り外し、その空気調和機に対応するリモートコントローラに外部メモリ200を接続して、図5に示す設定情報の内部メモリ31への保存処理フローを繰り返し実施する。
【0024】
なお、図4および図5では、空気調和機10に対応するリモートコントローラ100の設定情報を空気調和機20に対応するリモートコントローラ110に保存する例について説明したが、例えば、空気調和機10に対応するリモートコントローラ100の外部メモリインターフェース部33から外部メモリ200を取り外した後に、外部編集装置300を用いて外部メモリ200内のデータ(ここでは、設定情報)を編集し、その編集した設定情報を各リモートコントローラ100,110内の内部メモリ31に保存することも可能である。また、外部編集装置300を用いて設定情報を作成して外部メモリ200に格納し、その作成した設定情報をリモートコントローラ100,110内の内部メモリ31に保存することも可能である。
【0025】
つぎに、外部編集装置300を用いて、実施の形態1にかかるリモートコントローラ100を適用した空気調和機10の設定情報の作成を支援する手法について、図6を参照して説明する。図6は、実施の形態1にかかるリモートコントローラを適用した空気調和機10の設定情報の作成を支援する空気調和システムの一例を示す図である。なお、図1に示す空気調和システムと同一あるいは同等の構成部には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0026】
外部編集装置300は、図6に示すように、空気調和機10の設定情報の作成を支援するソフトウェア(以下、「設定情報作成支援ソフトウェア」という)500が導入されているか、あるいは、例えば有線LAN、無線LANあるいはインターネット等のネットワーク400を介してサーバー600に接続され、サーバー600内の空気調和機10の設定情報の作成を支援するホームページ(以下、「設定情報作成支援ホームページ」という)600aにアクセスしている。
【0027】
図7は、外部編集装置を用いて、実施の形態1にかかるリモートコントローラを適用した空気調和機の設定情報を作成する手順の一例を示す処理フローを示す図である。
【0028】
ユーザーが外部編集装置300の入力装置(図示せず)を用いて設定情報作成支援ソフトウェアの起動操作、あるいは設定情報作成支援ホームページへのアクセス操作を行うと、外部編集装置300は、設定情報作成支援ソフトウェア500を起動するか、あるいは、サーバー600内の設定情報作成支援ホームページ600aにアクセスし(ステップST301)、設定情報作成支援ソフトウェア500あるいは設定情報作成支援ホームページ600aの環境情報入力画面を表示する(ステップST302)。
【0029】
そして、ユーザーが外部編集装置300の入力装置(図示せず)を用いて、その入力画面上において、例えば、空気調和機10が設置される環境が飲食店である場合には、その飲食店の営業時間、また、例えば、空気調和機10が設置される環境が学校の講義室である場合には、その講義室における開講時間等、空気調和機10が設置される環境に関する情報(以下、「環境情報」という)を入力すると、設定情報作成支援ソフトウェア500あるいは設定情報作成支援ホームページ600aから、入力された環境情報に応じた設定情報例(例えば、週間スケジュール例等)が提供され(ステップST303)、外部編集装置300は、その設定情報例を自身の表示部(図示せず)に表示する(ステップST304)。
【0030】
その設定情報例を基に、ユーザーが外部編集装置300の入力装置(図示せず)を用いて詳細設定を行い、設定情報の格納操作を実施すると、外部編集装置300aは、その設定情報を外部メモリ200に格納し(ステップST305)、図7に示す外部編集装置300による設定情報の作成処理フローを終了する。
【0031】
ユーザーは、外部編集装置300から外部メモリ200を取り外し、空気調和機10に対応するリモートコントローラ100に外部メモリ200を接続し、続いて、図5に示す設定情報の内部メモリ31への保存処理フローに移行する。なお、図5に示すステップST202において、外部メモリ200に格納された設定情報をリモートコントローラ100の内部メモリ31に保存した後に、その設定情報に対して、ユーザーがさらに詳細な設定を行うことも可能である。
【0032】
そして、ユーザーは、その設定情報を適用したい空気調和機が他にもある場合には、リモートコントローラ100の外部メモリインターフェース部33から外部メモリ200を取り外し、その設定情報を適用したい空気調和機に対応するリモートコントローラに外部メモリ200を接続して、図5に示す設定情報の内部メモリ31への保存処理フローを繰り返し実施する。
【0033】
以上説明したように、実施の形態1の空気調和機のリモートコントローラによれば、可搬な外部記憶媒体である外部メモリの書き込みおよび読み出しが可能な外部メモリインターフェース部を備え、設定情報格納指示に基づいて、リモートコントローラで設定した設定情報を外部メモリに格納すると共に、設定情報保存指示に基づいて、他のリモートコントローラで設定した設定情報を読み出して内部メモリに保存できるようにしたので、複数台の空気調和機の設定が容易となり、その設定に要する時間を短縮することができる。
【0034】
また、外部編集装置を用いて設定情報を作成あるいは編集することができるので、リモートコントローラのみを用いて設定情報を作成あるいは編集するよりも設定情報の作成あるいは編集作業が容易となる。
【0035】
また、外部編集装置に設定情報作成支援ソフトウェアを導入するか、あるいは、例えば有線LAN、無線LANあるいはインターネット等のネットワークを介して接続されたサーバー内の設定情報作成支援ホームページにアクセスし、設定情報作成支援ソフトウェアあるいは設定情報作成支援ホームページから空気調和機が設置される環境に応じて提供された設定情報例を基に、ユーザーが外部編集装置を用いて詳細設定を行うことにより、設定情報をさらに容易且つ適切に設定することが可能となり、その設定に要する時間をさらに短縮できると共に、ユーザーの使用環境に適した空気調和機の運転が可能となる。
【0036】
実施の形態2.
実施の形態1では、外部メモリを用いてリモートコントローラで設定した設定情報あるいは外部編集装置により作成あるいは編集した設定情報を複数台の空気調和機のリモートコントローラに適用する例について説明したが、実施の形態2では、空気調和機本体から送信される運転情報と、故障あるいはエラーが発生したことを示すエラー情報とを、エラー履歴情報として外部メモリに格納して、空気調和機の故障あるいはエラーの発生原因の解析支援を行う例について説明する。なお、実施の形態2にかかるリモートコントローラ100,110の概観および機能ブロックの構成、ならびに、リモートコントローラ100,110が適用される空気調和システムについては、実施の形態1と同様であるので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0037】
図8は、空気調和機本体からリモートコントローラに送信される運転情報の一例を示す図である。図8に示すように、空気調和機10,20本体からリモートコントローラ100,110に送信される運転情報としては、例えば、設定温度情報、室内温度情報、外気温情報、風量情報、あるいは風向情報等が含まれる。この運転情報は、所定間隔(ここでは、1分間隔)で送信され、送信された時刻毎に外部メモリ200に保存される。また、空気調和機10,20に故障あるいはエラーが発生した場合には、上述した運転情報と共に、エラー情報が空気調和機10,20本体からリモートコントローラ100,110に送信される。
【0038】
図9は、実施の形態2にかかるリモートコントローラを適用した空気調和機のエラー履歴情報を外部メモリに格納する手順の一例を示す処理フローを示す図である。ここでは、実施の形態2にかかるリモートコントローラを適用した空気調和機のエラー履歴情報を外部メモリに格納する手順について、図1、図3、図9を参照して説明する。
【0039】
情報処理部30は、空気調和機10,20本体から所定間隔(ここでは、1分毎)で送信される運転情報を、外部メモリ200に逐次保存する(ステップST401)。なお、外部メモリ200には、一定期間分の運転情報を保存する領域が設定され、この領域の上限を超えると、古い運転情報から随時新しい運転情報に上書きされる。
【0040】
空気調和機10,20本体からのエラー情報を受信すると(ステップST402)、情報処理部30は、そのエラー情報と、エラー情報を受信した時刻を含む所定期間分の運転情報(例えば、エラー情報を受信した時刻以前の10分間の運転情報)とを、エラー履歴情報として、新しい運転情報に上書きされないように外部メモリ200に格納し(ステップST403)、図9に示すエラー履歴情報の格納処理フローを終了する。
【0041】
以上説明したように、実施の形態2の空気調和機のリモートコントローラによれば、空気調和機のエラー履歴情報を外部メモリに逐次するようにしたので、故障あるいはエラーの発生した状況を容易に確認することができ、故障あるいはエラーの発生原因の解析に要する工数および時間を削減することができる。
【0042】
また、このようにして得た故障あるいはエラーの発生原因を以後の製品開発等に活用することができる。
【0043】
実施の形態3.
空気調和機の製品開発において、同一のハードウェア構成で、例えば、出力やファンスピード等の仕様の異なる複数種の空気調和機を製品化する場合がある。このような空気調和機を製造過程において試験する際に、一台の空気調和機において複数種の仕様で試験を行う必要がある場合がある。このような場合、室内機の制御基板を取り外し、プログラムの書き換えを行うのが一般的である。実施の形態4では、外部メモリに複数種の仕様情報を格納しておき、操作部から指定された仕様情報を空気調和機に送信して、室内機の制御基板のプログラムを書き換えることにより、各仕様毎の試験を行う例について説明する。なお、実施の形態3にかかるリモートコントローラ100,110の概観および機能ブロックの構成、ならびに、リモートコントローラ100,110が適用される空気調和システムについては、実施の形態1と同様であるので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0044】
図10は、実施の形態3にかかるリモートコントローラを用いた空気調和機の試験手順の一例を示す処理フローを示す図である。ここでは、実施の形態3にかかるリモートコントローラを用いた空気調和機の試験手順について、図3、図6、図10を参照して説明する。
【0045】
作業者が外部編集装置300の入力装置(図示せず)を用いて複数種の仕様情報をテーブル化した仕様情報テーブルを作成し、仕様情報テーブルの格納操作を実施すると、外部編集装置300は、外部メモリ200にその仕様情報テーブルを格納する(ステップST501)。
【0046】
作業者が外部編集装置300から外部メモリ200を取り外してリモートコントローラ100に外部メモリ200を接続し、操作部51を操作して所望の仕様情報を指定して仕様情報の送信を指示(以下「仕様情報送信指示」という)すると、情報処理部30は、仕様情報送信指示に基づいて、外部メモリ200に格納された仕様情報テーブルから指定された仕様情報を読み出し(ステップST502)、通信部32から通信手段13,23を介して試験対象の空気調和機10,20に送信する(ステップST503)。
【0047】
試験対象の空気調和機10,20は、受信した仕様情報に基づいて、室内機の制御基板のプログラムを書き換える(ステップST504)。
【0048】
作業者がリモートコントローラ100,110の操作部51を操作して試験の実施を指示することにより、試験対象の空気調和機10,20の試験が実施される(ステップST505)。試験の実施後、試験対象の空気調和機10,20の試験を終了する場合には(ステップST506;Yes)、図10に示す試験処理フローを終了する。試験の実施後、引き続き異なる仕様情報に関する試験を行う場合には(ステップST506;Yes)、ステップST502に戻り、ステップST502〜ステップST506の処理を繰り返す。
【0049】
以上説明したように、実施の形態3の空気調和機のリモートコントローラによれば、外部メモリに複数種の仕様情報を格納しておき、指定された仕様情報を空気調和機に送信して、室内機の制御基板のプログラムを書き換えて試験を実施するようにしたので、異なる仕様で空気調和機の試験を行う際の工数および時間を削減することができ、効率よく試験を行うことができる。
【0050】
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0051】
10,20 空気調和機
11,21 室外機
12a,12b,22a,22b 室内機
13,23 通信手段
30 情報処理部
31 内部メモリ
32 通信部
33 外部メモリインターフェース部
50 表示部
51 操作部
52 外部メモリ挿入口
100,110 リモートコントローラ
200 外部メモリ
300 外部編集装置
400 ネットワーク
500 設定情報作成支援ソフトウェア
600 サーバー
600a 設定情報作成支援ホームページ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外機および室内機を備えた空気調和機本体と通信手段を介して双方向通信を行う空気調和機のリモートコントローラであって、
前記空気調和機に関する各種指示や各種情報の入力操作を行うための操作部と、
前記各種情報を記憶する内部メモリと、
外部メモリの書き込みおよび読み出しを行う外部メモリインターフェース部と、
前記入力操作に応じて、前記内部メモリと前記外部メモリインターフェース部に接続された前記外部メモリとの間で前記各種情報を授受させる情報処理部と、
を備え、
前記情報処理部は、
一方の前記空気調和機に対応して設けられた一方のリモートコントローラにおいて、前記入力操作により設定された前記空気調和機の運転モード、設定風量、設定温度、あるいは週間スケジュール設定を含む設定情報を前記内部メモリに逐次保存し、前記操作部からの設定情報格納指示に基づいて、前記内部メモリに保存された前記設定情報を前記外部メモリに格納し、
他方の前記空気調和機に対応して設けられた他方のリモートコントローラにおいて、前記操作部からの設定情報保存指示に基づいて、前記一方のリモートコントローラにより前記外部メモリに格納された前記設定情報を前記内部メモリに保存する
ことを特徴とする空気調和機のリモートコントローラ。
【請求項2】
前記設定情報は、前記外部メモリとのインターフェースを有する外部編集機器を用いて、前記外部編集機器に導入されたソフトウェア、あるいは、前記外部編集機器にネットワークを介して接続されたホームページにより提供された設定情報例に基づいて作成あるいは編集可能であることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機のリモートコントローラ。
【請求項3】
前記情報処理部は、前記空気調和機本体から所定間隔で受信した室内温度、外気温、風量、あるいは風向を含む前記空気調和機の運転状態を示す運転情報を前記外部メモリに逐次保存することを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機のリモートコントローラ。
【請求項4】
前記情報処理部は、前記空気調和機本体から故障あるいはエラーが発生したことを示すエラー情報を受信した場合に、前記エラー情報を前記運転情報と共に前記外部メモリに格納することを特徴とする請求項3に記載の空気調和機のリモートコントローラ。
【請求項5】
前記情報処理部は、前記操作部からの仕様情報送信指示に基づいて、前記外部編集機器により作成されて前記外部メモリに格納された前記空気調和機の機種毎に固有の仕様情報を前記空気調和機に送信することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の空気調和機のリモートコントローラ。
【請求項6】
前記情報処理部は、複数種の前記仕様情報のうち、前記仕様情報送信指示により指定された前記仕様情報を前記空気調和機に送信することを特徴とする請求項5に記載の空気調和機のリモートコントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−184903(P2012−184903A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49634(P2011−49634)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】