説明

空気調和機及びイオン発生装置

【課題】フィルタ及びフィルタを清掃するための器具を清掃することなく、常に清浄なフィルタを使用することが可能な空気調和機及びイオン発生装置を提供する。
【解決手段】制御部10は、埃センサ9によって空気中の塵埃の量を検知し、検知した塵埃の量に基づいて、フィルタを巻き取る時間間隔(巻き取り間隔)を設定する。制御部10は、現在使用中のフィルタの使用時間が、設定した巻き取り間隔以上となった場合にサーボモータ16を駆動させて駆動軸及び巻き取り芯を回転させ、フィルタを所定長巻き取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の塵埃を除去するフィルタを備えた空気調和機及びイオン発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機は、吸込口から吸い込まれた室内の空気を熱交換器によって加熱又は冷却し、送風ファンの回転によって室内へ吹き出す。また空気調和機は、吸込口から吸い込まれた空気中の塵埃が空気調和機内部へ侵入することを防ぐためのフィルタを備えており、空気調和機の運転中に吸込口から吸い込まれた空気中の塵埃を除去するように構成されている。
【0003】
空気調和機の運転時、除去された塵埃がフィルタに徐々に付着し、フィルタが徐々に目詰まりする。その結果、フィルタを通過する風量が減少して空調処理の効率が低下する。従って、フィルタを空気調和機本体から着脱可能に構成し、定期的にフィルタを空気調和機本体から取り外して表面を清掃する必要があった。
【0004】
そこで例えば、特許文献1には、フィルタの表面に沿って移動可能な吸引ノズルと、吸引ノズルに連結された吸引装置とを備え、吸引ノズルによってフィルタの表面に付着した塵埃を吸引除去する空気調和機が開示されている。また、特許文献2には、フィルタの表面を清掃するブラシを2つ備え、2つのブラシでフィルタを挟み込んだ状態でフィルタを移動させることによってフィルタの両面を清掃する空気調和機が開示されている。
【0005】
更に、特許文献3には、駆動軸及び従動軸によって張設されたベルト状のフィルタと、フィルタの表面に接して設けられたブラシとを備え、駆動軸が回転することによって移動するフィルタの表面の塵埃をブラシで除去する空気調和機が開示されている。特許文献1〜3に開示された空気調和機によれば、フィルタを空気調和機本体から取り外すことなく、フィルタの表面を自動で清掃でき、フィルタのメンテナンスの手間を削減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−140405号公報
【特許文献2】特開2004−28487号公報
【特許文献3】特開平6−74521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された空気調和機は、吸引ノズルによってフィルタの表面の塵埃を吸引するので、浮いたような状態でフィルタに付着している綿埃等は容易に吸引できるが、フィルタの網目に絡んだ塵埃、油分を含む塵埃等のようにフィルタにこびりついた塵埃を除去することは困難であるという問題を有する。
【0008】
また、特許文献2,3に開示された空気調和機は、ブラシによってフィルタの表面の塵埃を掻き取るので、フィルタにこびりついた塵埃をある程度除去できるが、除去された塵埃がブラシの繊維に入り込み、ブラシ自体が汚れてしまう虞がある。その結果、フィルタの清掃性能が低下すると共に、ブラシの繊維に入り込んだ塵埃が、フィルタの清掃時にフィルタに再度付着する可能性がある。従って、特許文献2,3に開示された空気調和機は、ブラシを含む清掃部を定期的に清掃する必要があるという問題を有する。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フィルタ及びフィルタを清掃するための器具を清掃することなく、常に清浄なフィルタを使用することが可能な空気調和機及びイオン発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る空気調和機は、空気を吸い込む吸込口と、該吸込口から吸い込まれた空気を加熱又は冷却する熱交換器と、該熱交換器によって加熱又は冷却された空気を吹き出す吹出口とを備える空気調和機において、巻紙状に収納され、前記吸込口から吸い込まれた空気中の塵埃を除去するフィルタと、該フィルタの巻芯に平行に設けられ、前記フィルタを巻き取るローラと、該ローラが前記フィルタを巻き取るタイミング及び巻き取り量を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、吸込口から吸い込んだ空気を加熱又は冷却して吹出口から吹き出す空気調和機に、吸込口から吸い込んだ空気中の塵埃を除去するフィルタが巻紙状に収納されている。また、フィルタの巻芯に平行にフィルタを巻き取るローラが設けられている。制御部は、ローラがフィルタを巻き取るタイミング及び巻き取り量を制御する。よって、ローラが、制御部からの制御に従った適切なタイミングで、塵埃が付着したフィルタを巻き取るので、常に清浄なフィルタの使用が可能となる。
【0012】
本発明に係る空気調和機は、空気中の塵埃の量を検知する空気検知部を備え、前記制御部は、前記空気検知部が検知した塵埃の量に応じたタイミングで、前記ローラに前記フィルタを巻き取らせるようにしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、制御部は、空気中の塵埃の量に応じたタイミングでローラにフィルタを巻き取らせる。空気中の塵埃が多い室内で空気調和機が使用される場合には、空気中の塵埃が少ない室内で使用される場合と比較して、フィルタに所定量の塵埃が付着するまでに要する時間が短いことが予想される。よって、空気中の塵埃の量に応じてローラがフィルタを巻き取る時間間隔を異ならせることにより、空気中の塵埃の量に拘わらず常に清浄なフィルタの使用が可能となる。
【0014】
本発明に係る空気調和機は、前記フィルタに付着した塵埃の量を検知するフィルタ検知部を備え、前記制御部は、前記フィルタ検知部が検知した塵埃の量に応じて、前記ローラに前記フィルタを巻き取らせるようにしてあることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、制御部は、フィルタに付着した塵埃の量に応じてローラにフィルタを巻き取らせる。よって、フィルタに実際に付着した塵埃の量を考慮してフィルタを巻き取ることができ、フィルタの汚れ具合を常に一定未満に保つことが可能となる。
【0016】
本発明に係る空気調和機は、前記ローラによる前記フィルタの巻き取りの終了を検出する終了検出部と、該終了検出部が前記終了を検出した場合に所定の信号を出力する出力部とを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、出力部は、ローラによるフィルタの巻き取りが終了した場合に所定の信号を出力する。ローラがフィルタの巻き取りを完了した場合、新たなフィルタに交換する必要があり、その旨を使用者に通知する必要がある。従って、空気調和機は、出力部が出力した所定の信号に基づいて、フィルタの交換を通知するためのランプの点灯又は点滅、フィルタの交換を通知するメッセージの表示等を行なうことが可能となる。
【0018】
本発明に係る空気調和機は、前記ローラが一度に巻き取る巻き取り量は一定量であることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、制御部は、ローラが一度に一定量のフィルタを巻き取るように制御する。フィルタ及びローラが配置される位置関係に応じてフィルタに付着する塵埃の領域の大きさが推測されるので、推測された領域を一度に巻き取るように制御することにより、常に清浄なフィルタの使用が可能となる。
【0020】
本発明に係るイオン発生装置は、空気を吸い込む吸込口と、正イオン、負イオン又は正負両イオンを発生させるイオン発生部と、前記吸込口から吸い込まれた空気及び、前記イオン発生部が発生させた正イオン、負イオン又は正負両イオンを吹き出す吹出口とを備えるイオン発生装置において、巻紙状に収納され、前記吸込口から吸い込まれた空気中の塵埃を除去するフィルタと、該フィルタの巻芯に平行に設けられ、前記フィルタを巻き取るローラと、該ローラが前記フィルタを巻き取るタイミング及び巻き取り量を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、吸込口から吸い込んだ空気と、発生させた正イオン、負イオン又は正負両イオンとを吹出口から吹き出すイオン発生装置に、吸込口から吸い込んだ空気中の塵埃を除去するフィルタが巻紙状に収納されている。また、フィルタの巻芯に平行にフィルタを巻き取るローラが設けられている。制御部は、ローラがフィルタを巻き取るタイミング及び巻き取り量を制御する。よって、ローラが、制御部からの制御に従った適切なタイミングで、塵埃が付着したフィルタを巻き取るので、常に清浄なフィルタの使用が可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、フィルタを手動で清掃する必要がなく、また自動でフィルタを清掃するためのブラシ等の清掃器具を清掃する必要がないので、フィルタ及びフィルタの清掃器具のメンテナンスの手間を削減できる。また、常に清浄なフィルタを使用することができるので、フィルタを通過する風量が減少せず、空調処理の効率を維持できる。よって、フィルタに塵埃が付着することにより生じる消費電力の上昇、運転時の騒音の増加等を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態1の空気調和機の室内機の構成例を示す縦断面図である。
【図2】フィルタを示す模式図である。
【図3】実施形態1の空気調和機の制御系の要部構成例を示すブロック図である。
【図4】実施形態1の空気調和機における制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】フィルタ及びフィルタセンサを示す模式図である。
【図6】実施形態2の空気調和機における制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】実施形態3のイオン発生装置の構成例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0025】
(実施形態1)
以下に、本発明に係る空気調和機を適用した実施形態1の空気調和機について説明する。図1は実施形態1の空気調和機の室内機の構成例を示す縦断面図である。本実施形態1の空気調和機1は、室内の暖房及び冷房をそれぞれ行なう暖房機能及び冷房機能を実行し、室内の温度を調節する空調動作を行なう。なお、空気調和機1は、暖房機能及び冷房機能のほかに、室内の除湿を行なう除湿機能、煙草の煙、空気中の埃等を除去する空気清浄機能、浮遊する細菌、ウィルス等を除菌する除菌機能、室内を加湿する加湿機能等を行なう構成であってもよい。また、空気調和機1は、室内/屋外の温度、湿度等に基づいて上述した各種機能を切り換える自動運転機能を行なう構成であってもよい。
【0026】
空気調和機1は、空調すべき室内の壁に取り付けられる室内機2と、室外に設置される室外機(図示せず)とを備える。室内機2は、室内の空気を吸い込むための吸込口2aと、空調された空気を室内へ吹き出すための吹出口2bとが適宜箇所に形成された筐体を備える。室内機2の内部には、吸込口2aから吸い込まれた空気中の塵埃を除去するフィルタ6、フィルタ6によって塵埃を除去された空気を加熱又は冷却することによって空調する熱交換器3が設けられている。なお、図示しない室外機にも熱交換器が設けられており、室外機内の熱交換器と、室内機2内の熱交換器3とによって、室外の空気と室内の空気との間で熱交換処理を行なうことにより冷房機能又は暖房機能を実行する。また、フィルタ6は、室内機2に着脱可能に構成されている。
【0027】
また、室内機2の内部には、熱交換器3によって空調された空気を送風して室内へ吹き出す送風機4、送風機4によって吹出口2bから室内へ吹き出される空気の吹出方向を上下方向及び左右方向に調整するルーバ5,5が更に設けられている。
【0028】
更に、室内機2の内部の適宜箇所には、フィルタ6の取り換え時期を検出するためのフィルタ終了検出部(終了検出部)15、吸込口2aから吸い込まれた室内の空気中の塵埃の量を検知する埃センサ(空気検知部)9も設けられている。なお、フィルタ終了検出部15の配置位置については後述する。また埃センサ9は、図1では、吸込口2aから吸い込まれてフィルタ6を通過し、熱交換器3によって空調された後の空気中の塵埃の量を検知する位置に配置されているが、このような配置位置に限らない。例えば、吸込口2aから吸い込まれてフィルタ6を通過する前の空気中の塵埃の量を検知する位置に埃センサ9を配置してもよい。
【0029】
図2はフィルタ6を示す模式図である。なお、図2(a)はフィルタ6の使用開始時点の状態を、図2(b),(c)はフィルタ6の使用終了時点の状態をそれぞれ示している。フィルタ6は、図2(a)に示すように、巻き芯6bに巻紙状に巻かれた使い捨てのフィルタであり、開放された端辺には巻き取り芯6aが貼付されている。具体的には、フィルタ6の開放端辺が巻き取り芯6aの外周面に貼付されている。また、フィルタ6は、合成繊維又は天然繊維を用いて網目状に織られた布又は不織布で構成されている。
【0030】
ここで、室内機2の適宜箇所には、サーボモータ16(図3参照)からの駆動力によって回転駆動する駆動軸7と、回動可能に構成された従動軸8とが設けられている。図1では、駆動軸7は、室内機2の前面近傍の、吹出口2bよりも上方で吸込口2aよりも下方の位置に設けられており、従動軸8は、室内機2の前面近傍の、吸込口2aよりも上方の位置に設けられている。
【0031】
図2(a)に示すようなフィルタ6は、巻き芯6bが従動軸8に嵌合されると共に、巻き取り芯6aが駆動軸7に嵌合されることによって室内機2に取り付けられる。このように取り付けられたフィルタ6は、平行に配置された巻き取り芯6a及び巻き芯6bによって張架され、吸込口2aから吸い込まれた空気が通過する領域に配置される。
【0032】
駆動軸7は、サーボモータ16によって図1上で反時計回りに回転駆動され、駆動軸7に嵌合された巻き取り芯(ローラ)6aも同様に反時計回りに回転し、巻き芯6bに巻かれているフィルタ6を、図1,2中の矢符で示す方向に巻き取っていく。従動軸8は、巻き取り芯6aによるフィルタ6の巻き取り動作に従動して回転する。
【0033】
フィルタ6には、図2(b),(c)に示すように、巻き芯6bが貼付してある端部に、フィルタ6の使用終了を示す終了マーク6cが施してある。終了マーク6cは、巻き芯6bとの境界全てに亘って設けられてもよいし、図2(b),(c)に示すように巻き芯6bとの境界の一部に設けられてもよい。また、終了マーク6cは、図2(b)に示すように所定領域に所定色の着色を施して形成されてもよいし、図2(c)に示すように所定領域に所定形状の孔又は切り欠きを設けて形成されてもよい。
【0034】
室内機2の内部には、フィルタ6に形成された終了マーク6cの検出が可能な位置にフィルタ終了検出部15が設けられている。図1では、フィルタ終了検出部15は、室内機2の前面の内側の、吸込口2aよりも上方の位置に設けられている。フィルタ終了検出部15は、フォトセンサ又はマイクロスイッチ等の公知技術を用いて、フィルタ6の表面に形成された終了マーク6cを検出し、フィルタ6が全て巻き取られたことを検出する。フィルタ終了検出部(出力部)15は、フィルタ6が全て巻き取られたことを検出した場合に所定の信号を制御部10(図3参照)へ出力する。なお、巻き取りが完了したフィルタ6は、駆動軸7から巻き取り芯6aが取り外され、従動軸8から巻き芯6bが取り外されて廃棄される。
【0035】
上述した構成により、本実施形態1の空気調和機1では、フィルタ6が駆動軸7及び従動軸8によって適宜巻き取られることにより、常に清浄なフィルタ6の使用が可能となる。また、フィルタ6の巻き取りが完了した場合、即ち全てのフィルタ6が使用された場合、フィルタ6に取り付けられた巻き取り芯6a及び巻き芯6bと共に新たなフィルタ6に交換すればよい。よって、従来の空気調和機のようにフィルタ及びフィルタを清掃するための器具を清掃する必要がなく、フィルタのメンテナンスの手間を削減できる。
【0036】
以下に、本実施形態1の空気調和機1の制御系の構成について説明する。図3は実施形態1の空気調和機1の制御系の要部構成例を示すブロック図である。空気調和機1は、制御部10、記憶部11、操作部12、報知部13、上述のような構成により冷房機能及び暖房機能等を実現する空調部14、フィルタ終了検出部15、サーボモータ16、埃センサ9等を備えている。上述した各部はバス10aを介して相互に接続されている。
【0037】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit )又はMPU(Micro Processor Unit)等である。制御部10は、バス10aを介して接続される上述したようなハードウェア各部を制御すると共に、記憶部11に予め格納されている制御プログラムを適宜実行する。記憶部11は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)、フラッシュメモリ等である。記憶部11は、空気調和機1を本発明に係る空気調和機として動作させるために必要な種々の制御プログラム、制御部10による制御プログラムの実行時に発生する種々のデータ等を記憶する。
【0038】
操作部12は、ユーザが空気調和機1を操作するために必要な各種の操作キーを備えており、冷房機能及び暖房機能の選択、目標温度の設定、風向の変更等の指示を受け付ける。なお、空気調和機1は、リモートコントロール装置によって遠隔操作できるように構成されてもよい。この場合、空気調和機1は、リモートコントロール装置から出力される信号を受信し、制御部10が、受信した信号に基づいて暖房運転及び冷房運転を実行する。また、空気調和機1及びリモートコントロール装置は、例えば、赤外線を利用したIrDA(Infrared Data Association)規格に従う無線通信を行なうように構成される。
【0039】
報知部13は、ユーザに報知すべきメッセージを表示するための表示部、所定の条件に応じて点灯又は点滅することによってユーザに報知すべき情報を報知するための報知ランプ等である。また、報知部13は、ユーザに報知すべき音声メッセージを出力するための音声出力部、所定の報知音又は報知メロディを出力することによってユーザに報知すべき情報を報知するための音声出力部等でもよい。
【0040】
また、報知部13は、これらの構成を組み合わせてもよい。例えば、本実施形態1では、報知部13は、フィルタ終了検出部15がフィルタ6の使用終了を検出した場合に、新しいフィルタ6に交換すべき旨をユーザに報知するように構成されている。この場合、報知部13は、新しいフィルタ6に交換すべき旨を示す音声メッセージ、報知音又は報知メロディを所定時間(例えば1分程度)出力すると共に、ユーザがフィルタ6の交換を完了するまでの間、新しいフィルタ6に交換すべき旨を示すメッセージの表示又は報知ランプの点灯(又は点滅)を行なってもよい。なお、報知方法はこれらに限らず、通常行なわれている様々な方法を用いることができる。
【0041】
埃センサ9は、吸込口2aから吸い込まれてフィルタ6を通過し、熱交換器3によって空調された空気中の塵埃の量を検知する。なお、埃センサ9は、公知の技術を用い、例えば1m3 の空気中に含まれる浮遊粉塵の重さを検知する。また、埃センサ9は、空気調和機1の運転開始時、又は駆動軸7によるフィルタ6の巻き取りが行なわれた直後に塵埃の量を検知する。
【0042】
以下に、本実施形態1の空気調和機1における制御処理について説明する。図4は実施形態1の空気調和機1における制御処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、記憶部11に格納されている制御プログラムに従って制御部10によって実行される。
【0043】
空気調和機1が運転を開始した場合、制御部10は、前回の運転時における空気中の塵埃の量を示す情報と、現在使用中のフィルタ6の使用時間(フィルタ6が巻き取られてからの空気調和機1の運転時間)とが記憶部11に記憶されているか否かを判断する(S1)。本実施形態1の空気調和機1は、運転中における空気中の塵埃の量に応じて、駆動軸7によるフィルタ6の巻き取りタイミングを異ならせており、空気中の塵埃が多いほど、フィルタ6を巻き取る時間間隔を短くしている。また、本実施形態1の空気調和機1は、空気中の塵埃の量に応じたフィルタ6の巻き取り間隔を、駆動軸7によってフィルタ6を巻き取った直後に設定するようにしている。従って、制御部10は、空気調和機1の運転開始時に、前回運転時の空気中の塵埃の量と、現在使用中のフィルタ6の使用時間とを確認する。
【0044】
前回運転時の塵埃の量とフィルタ6の使用時間とが記憶部11に記憶されていないと判断した場合(S1:NO)、例えば、空気調和機1を初めて使用する場合、制御部10は、埃センサ9によって空気中の塵埃の量を検知する(S2)。制御部10は、検知した塵埃の量に基づいて、駆動軸7によってフィルタ6を巻き取る時間間隔(巻き取り間隔)を設定する(S3)。なお、空気中の塵埃の量に対応する巻き取り間隔は、予め実験的に算出されて記憶部11に格納されており、制御部10は、検知した塵埃の量に応じた巻き取り間隔を記憶部11から読み出して設定する。巻き取り間隔は、例えば、1m3 の空気中の塵埃の量が0.1mg未満であれば1800時間、0.1mg以上0.3mg未満であれば600時間、0.3mg以上であれば200時間など、空気中の塵埃が多いほど短い時間が設定される。
【0045】
制御部10は、この時点で駆動軸7及び従動軸8によって吸込口2aに対向する位置に張架されているフィルタ6の使用時間の計時を開始する(S4)。なお、制御部10は時計手段を有する。
【0046】
一方、前回運転時の塵埃の量とフィルタ6の使用時間とが記憶部11に記憶されていると判断した場合(S1:YES)、制御部10は、ステップS2の処理をスキップし、記憶部11に記憶されていた塵埃の量に基づいてフィルタ6の巻き取り間隔を設定する(S3)。即ちこの場合、制御部10は、今回運転時の空気中の塵埃の量ではなく、前回運転時の空気中の塵埃の量に応じた巻き取り間隔を設定する。そして制御部10は、記憶部11に記憶されていたフィルタ6の使用時間を開始時間として、フィルタ6の使用時間の計時を開始する(S4)。即ち、例えば記憶部11に記憶されていたフィルタ6の使用時間が100時間であった場合、制御部10は、100時間からの計時を行なう。
【0047】
制御部10は、ステップS4で開始した計時処理に基づいて、現在使用中のフィルタ6の使用時間が、ステップS3で設定した巻き取り間隔以上となったか否かを判断する(S5)。フィルタ6の使用時間が巻き取り間隔以上となっていないと判断した場合(S5:NO)、制御部10は、空気調和機1の運転の終了を指定されたか否かを判断する(S6)。
【0048】
運転の終了を指定されていないと判断した場合(S6:NO)、制御部10は、ステップS5に処理を戻し、フィルタ6の使用時間が巻き取り間隔以上となるまで、又は運転の終了を指定されるまでステップS5,S6の処理を繰り返しつつ、冷房運転又は暖房運転を行なう。フィルタ6の使用時間が巻き取り間隔以上となったと判断した場合(S5:YES)、制御部10は、サーボモータ16を駆動させることによってフィルタ6を所定長だけ巻き取る(S8)。なお、サーボモータ16を駆動させた場合、サーボモータ16からの駆動力によって駆動軸7及び巻き取り芯6aが回転し、この回転に伴ってフィルタ6が巻き取られる。
【0049】
またフィルタ6は、塵埃が付着した領域の全てが巻き取られる必要があり、また、1回に巻き取る巻き取り量(所定長)は、フィルタ6の配置位置に基づいて決定される。例えば、駆動軸7の中心軸と従動軸8の中心軸との距離と同程度の長さを1回に巻き取ることによって、吸込口2aに対向する位置には常に清浄なフィルタ6が配置される。なお、所定長のフィルタ6の巻き取りは、サーボモータ16への通電時間の制御、サーボモータ16を駆動させるためにサーボモータ16へ出力される駆動パルスの出力回数又はパルス長の制御等によって制御される。
【0050】
制御部10は、フィルタ終了検出部15からの信号に基づいて、フィルタ終了検出部15がフィルタ6に形成された終了マーク6cを検出したか否か、即ちフィルタ6の使用が終了したか否かを判断する(S9)。フィルタ6の使用が終了していないと判断した場合(S9:NO)、制御部10は、ステップS2に処理を移行し、埃センサ9によって空気中の塵埃の量を検知し(S2)、上述した処理を繰り返す。これにより、制御部10は、フィルタ6が所定時間(設定された巻き取り間隔)以上使用された場合に、フィルタ6を巻き取ると共に、この時点での空気中の塵埃の量を検知し、新しく使用されるフィルタ6に対する巻き取り間隔を設定する。
【0051】
フィルタ6の使用が終了したと判断した場合(S9:YES)、制御部10は、報知部13によって、フィルタ6の交換をユーザに報知し(S10)、ステップS2に処理を移行する。なお、運転の終了を指定されたと判断した場合(S6:YES)、制御部10は、今回の空気中の塵埃の量と、使用中のフィルタ6の使用時間とを記憶部11に記憶させ(S7)、空気調和機1の運転を終了する。ここでは、制御部10は、ステップS2で検知した塵埃の量が前回運転時の塵埃の量と異なる場合に、ステップS2で検知した塵埃の量を今回の塵埃の量として記憶部11に記憶させる。
【0052】
上述したように、駆動軸7及び従動軸8によって張架されたフィルタ6を適宜巻き取ることにより、従来の空気調和機のようにフィルタ及びフィルタを清掃するための器具等を清掃することなく、吸込口2aに対向する箇所には常に清浄なフィルタ6を配置させることができる。また、空気調和機1の使用環境(空気中の塵埃の量)に応じてフィルタ6を巻き取る時間間隔を変更することにより、使用環境に拘わらず常に清浄なフィルタ6を使用できる。更に、駆動軸7によってフィルタ6を巻き取る構成とすることにより、長さが異なる複数種類のフィルタ6のいずれも用いることができ、汎用のフィルタ6の利用が可能となり、ユーザの利便性が増す。
【0053】
本実施形態1の空気調和機1は、駆動軸7によってフィルタ6を巻き取る都度、空気中の塵埃の量を検知して次にフィルタ6を巻き取るまでの時間(巻き取り間隔)を設定する構成であった。このほかに、例えば、空気調和機1の運転開始時又は空気調和機1の運転中に定期的に、空気中の塵埃の量を検知して巻き取り間隔を適宜変更するように構成してもよい。なお、このように構成した場合、適宜のタイミングで検知した空気中の塵埃の量がその直前に検知した塵埃の量と異なることが考えられる。従って、この場合には、その時点でのフィルタ6の使用時間を、新たに検知した塵埃の量に対応する使用時間に換算し、得られた使用時間からの計時処理を行なえばよい。これにより、例えば空気調和機1を運転させた日又は時間帯等によって空気中の塵埃の量が異なるような使用環境においても、適切なタイミングでフィルタ6を巻き取ることができる。
【0054】
本実施形態1では、埃センサ9が、吸込口2aから吸い込まれてフィルタ6を通過し、熱交換器3によって空調された後の空気中の塵埃の量を検知する位置に配置されていた。このほかに、例えば、吸込口2aから吸い込まれてフィルタ6を通過する前の空気中の塵埃の量を検知する位置に埃センサ9を配置してもよい。このように埃センサ9をフィルタ6の風下側に設けた場合とフィルタ6の風上側に設けた場合とにおいて、埃センサ9が検知する塵埃の量が異なる可能性が高い。従って、埃センサ9が検知する塵埃の量に応じて設定されるフィルタ6の巻き取り間隔は、埃センサ9の配置位置に応じて異ならせる必要がある。なお、埃センサ9は予め空気調和機1に設けられているものであるので、例えば工場からの出荷前に、埃センサ9が検知する塵埃の量に応じた適切な巻き取り間隔を記憶部11に記憶させておけばよい。
【0055】
本実施形態1では、空気中の塵埃の量に応じてフィルタ6の巻き取りタイミングを異ならせていたが、例えば、油煙及び煙草等の煙、臭気等も考慮してフィルタ6の巻き取りタイミングを設定してもよい。
【0056】
(実施形態2)
以下に、本発明に係る空気調和機を適用した実施形態2の空気調和機について説明する。なお、本実施形態2の空気調和機1は、上述した実施形態1の空気調和機1の構成と類似しており、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。具体的には、本実施形態2の空気調和機1は、図1に示した実施形態1の空気調和機1が備える埃センサ9の代わりにフィルタセンサ17(図5参照)を備える。
【0057】
図5はフィルタ6及びフィルタセンサ17を示す模式図である。本実施形態2の空気調和機1は、室内機2の内部の適宜箇所に、フィルタ6の表面に付着した塵埃の量を検知するフィルタセンサ(フィルタ検知部)17が設けられている。なお、フィルタセンサ17は、吸込口2aから吸い込まれた空気がフィルタ6を通過する際にフィルタ6によって除去された塵埃の量を検知するので、吸込口2aとフィルタ6との間で、フィルタ6の表面が直接観察できる位置に設けられる必要がある。図示は省略するが、例えば、室内機2の前面の内側の、吸込口2aが設けられた領域の中央近傍の位置にフィルタセンサ17が設けられる。
【0058】
フィルタセンサ17は、例えばLED(Light Emitting Diode)を用いて発光する発光部と受光する受光部とを備える。フィルタセンサ17は、発光部によってフィルタ6の表面に対して光L1を照射し、受光部によってフィルタ6の表面からの反射光L2を受光する。また、フィルタセンサ17は、定期的に発光及び受光を行ない、受光した反射光L2の強度を検知信号として制御部10へ出力する。
【0059】
フィルタ6に付着した塵埃の量が多いほど、フィルタ6からの反射光L2の強度が弱くなる傾向があるので、反射光L2の強度に基づいてフィルタ6自体の汚れ具合を判断できる。なお、油煙及び煙草等が多い環境で空気調和機1を使用した場合、フィルタ6に塵埃が付着するのに伴ってフィルタ6が着色するので、より容易にフィルタ6の汚れ具合を判断できる。よって、本実施形態2の制御部10は、フィルタセンサ17が受光した反射光L2の強度が所定値未満となった場合に、サーボモータ16を駆動させることによってフィルタ6を所定長だけ巻き取る。なお、フィルタ6を巻き取るか否かの判断基準(所定値)は、フィルタ6の材料等を考慮して予め実験的に算出されて記憶部11に格納されている。
【0060】
以下に、本実施形態2の空気調和機1における制御処理について説明する。図6は実施形態2の空気調和機1における制御処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、記憶部11に格納されている制御プログラムに従って制御部10によって実行される。
【0061】
空気調和機1が運転を開始した場合、制御部10は、フィルタセンサ17の発光部に光L1を照射させ、受光部が受光した反射光L2の強度を検知する(S21)。制御部10は、フィルタセンサ17による反射光L2の強度検知を定期的に(所定時間間隔で)行なっており、反射光L2の強度を検知した場合に、次に反射光L2を検知するまでの所定時間の計時を開始する(S22)。
【0062】
制御部10は、ステップS21で検知した反射光L2の強度が、記憶部11に予め格納されている所定値未満であるか否かを判断する(S23)。反射光L2の強度が所定値以上であると判断した場合(S23:NO)、制御部10は、ステップS27に処理を移行する。反射光L2の強度が所定値未満であると判断した場合(S23:YES)、制御部10は、サーボモータ16を駆動させることによってフィルタ6を所定長だけ巻き取る(S24)。これにより、制御部10は、フィルタ6が所定以上に汚れた場合に、フィルタ6を巻き取ることができる。
【0063】
制御部10は、フィルタ終了検出部15からの信号に基づいて、フィルタ終了検出部15がフィルタ6に形成された終了マーク6cを検出したか否か、即ちフィルタ6の使用が終了したか否かを判断する(S25)。フィルタ6の使用が終了していないと判断した場合(S25:NO)、制御部10は、ステップS27に処理を移行する。フィルタ6の使用が終了したと判断した場合(S25:YES)、制御部10は、報知部13によって、フィルタ6の交換をユーザに報知する(S26)。
【0064】
制御部10は、空気調和機1の運転の終了を指定されたか否かを判断し(S27)、運転の終了を指定されていないと判断した場合(S27:NO)、ステップS22で開始した計時処理に基づいて、所定時間が経過したか否かを判断する(S28)。所定時間が経過していないと判断した場合(S28:NO)、制御部10は、ステップS27に処理を戻し、運転の終了を指定されるまで、又は所定時間が経過するまでステップS27,S28の処理を繰り返しつつ、冷房運転又は暖房運転を行なう。
【0065】
制御部10は、所定時間が経過したと判断した場合(S28:YES)、ステップS21に処理を戻し、ステップS21〜S28の処理を繰り返し、運転の終了を指定されたと判断した場合(S27:YES)、空気調和機1の運転を終了する。
【0066】
上述したように、本実施形態2の空気調和機1では、フィルタ6の実際の汚れ具合に基づいてフィルタ6を適宜巻き取るので、フィルタ6の汚れ具合を常に一定以下に保つことができ、常に清浄なフィルタ6の使用が可能となる。
【0067】
上述した実施形態1の空気調和機1は、空気中の塵埃の量に応じた巻き取り間隔でフィルタ6を巻き取る構成であり、本実施形態2の空気調和機1は、フィルタ6が所定以上汚れた場合にフィルタ6を巻き取る構成であった。これらの構成を組み合わせて用いることもできる。例えば、空気中の塵埃の量に応じて設定された巻き取り間隔でのフィルタ6の巻き取りを行ないつつ、フィルタ6が所定以上汚れた場合には、設定された巻き取り間隔の経過を待たずにフィルタ6を巻き取るようにしてもよい。
【0068】
(実施形態3)
以下に、本発明に係るイオン発生装置を適用した実施形態3のイオン発生装置について説明する。図7は実施形態3のイオン発生装置の構成例を示す縦断面図である。なお、本実施形態3のイオン発生装置31は、上述した実施形態1の空気調和機1の構成と類似しており、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。具体的には、本実施形態3のイオン発生装置31は、図1に示した実施形態1の空気調和機1が備える熱交換器3の代わりに、正イオン、負イオン、又は正負両イオンを発生させるイオン発生器(イオン発生部)33を備える。
【0069】
イオン発生器33は、図示しないが、例えば、一方の端部が閉じられた円筒状の誘電体であるガラス管の外周面に沿って接地電極が配置され、内周面に沿って印加電極が配置されて構成されている。また、印加電極には高周波回路が接続されており、接地電極を接地電位として印加電極には高周波回路により交流電圧が印加される。印加電極に交流高電圧が印加されると、メッシュ状の接地電極の端面が強電界になり、接地電極からプラズマ放電が生じ、これが空気中の酸素及び水蒸気を電離してイオンを発生させる。
【0070】
なお、本実施形態3のイオン発生装置31において、制御部10が行なう制御処理は、上述した実施形態1で説明した図4に示した処理と同一であるので説明を省略する。
【0071】
上述した構成により、本実施形態3のイオン発生装置31においても、従来の装置のようにフィルタ及びフィルタを清掃するための器具等を清掃することなく、吸込口2aに対向する箇所には常に清浄なフィルタ6を配置させることができる。イオン発生器33によるイオンの発生量は風量の低下に伴って減少する傾向がある。しかし、本実施形態3のイオン発生装置31では常に清浄なフィルタ6を使用できるので風量の低下を防止でき、イオンの発生量を減少させず、イオン発生装置31の性能を維持できる。
【0072】
本実施形態3では、イオン発生器33が、フィルタ6の風下側の近傍位置に配置されているが、このような配置位置に限らず、例えば、埃センサ9の風下側、送風機4とルーバ5との間の位置等に配置されてもよい。
【0073】
本実施形態3のイオン発生装置31は、上述した実施形態1の空気調和機1の変形例として説明したが、上述した実施形態2の空気調和機1のように構成することもできる。即ち、イオン発生装置31内部の空気中の塵埃を検知する埃センサ9の代わりに、フィルタ6の表面に付着した塵埃を検知するフィルタセンサ17を備える構成とすることもできる。
【0074】
上述した各実施形態の装置は、巻き芯6bに巻かれていたフィルタ6が全て巻き取り芯6aに巻き取られた場合(フィルタ6が終了した場合)に、フィルタ6の交換を行なうようにユーザに報知する構成であった。このような構成に更に、フィルタ6が終了した場合に強制的に装置の運転を終了させる構成を備えてもよい。ただし、空気調和機及びイオン発生装置において、フィルタ6が汚れているということは重大な事故ではないので、上述した各実施形態のようにユーザに報知する構成に留めておく方がユーザの利便性がよい。また、例えば、フィルタ6が終了した場合に強制的に装置の運転を終了させるのか、装置の運転を終了させないのかをユーザが選択できるように構成してもよい。このような構成とした場合、ユーザが使用環境の清浄化を優先するのか、装置の運転を優先するのかに応じて適切な使用条件の設定が可能となり、ユーザの利便性が向上する。
【0075】
なお、本願は、フィルタ6の構成に特徴を有するものであり、上述したような空気調和機及びイオン発生装置のほかにも、空気清浄機、除湿機、加湿器等のようにエアーフィルタが装着される機器に適用できる。
【0076】
以上、本発明の好適な実施形態についてそれぞれ具体的に説明したが、各構成及び動作等は適宜変更可能であって、上述の実施形態に限定されることはない。
【符号の説明】
【0077】
1 空気調和機
2 室内機
2a 吸込口
2b 吹出口
3 熱交換器
6 フィルタ
6a 巻き取り芯(ローラ)
6b 巻き芯
7 駆動軸
8 従動軸
9 埃センサ(空気検知部)
10 制御部
15 フィルタ終了検出部(終了検出部)
17 フィルタセンサ(フィルタ検知部)
31 イオン発生装置
33 イオン発生器(イオン発生部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を吸い込む吸込口と、該吸込口から吸い込まれた空気を加熱又は冷却する熱交換器と、該熱交換器によって加熱又は冷却された空気を吹き出す吹出口とを備える空気調和機において、
巻紙状に収納され、前記吸込口から吸い込まれた空気中の塵埃を除去するフィルタと、
該フィルタの巻芯に平行に設けられ、前記フィルタを巻き取るローラと、
該ローラが前記フィルタを巻き取るタイミング及び巻き取り量を制御する制御部と
を備えることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
空気中の塵埃の量を検知する空気検知部を備え、
前記制御部は、前記空気検知部が検知した塵埃の量に応じたタイミングで、前記ローラに前記フィルタを巻き取らせるようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記フィルタに付着した塵埃の量を検知するフィルタ検知部を備え、
前記制御部は、前記フィルタ検知部が検知した塵埃の量に応じて、前記ローラに前記フィルタを巻き取らせるようにしてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記ローラによる前記フィルタの巻き取りの終了を検出する終了検出部と、
該終了検出部が前記終了を検出した場合に所定の信号を出力する出力部と
を備えることを特徴とする請求項1から3までのいずれかひとつに記載の空気調和機。
【請求項5】
前記ローラが一度に巻き取る巻き取り量は一定量であることを特徴とする請求項1から4までのいずれかひとつに記載の空気調和機。
【請求項6】
空気を吸い込む吸込口と、正イオン、負イオン又は正負両イオンを発生させるイオン発生部と、前記吸込口から吸い込まれた空気及び、前記イオン発生部が発生させた正イオン、負イオン又は正負両イオンを吹き出す吹出口とを備えるイオン発生装置において、
巻紙状に収納され、前記吸込口から吸い込まれた空気中の塵埃を除去するフィルタと、
該フィルタの巻芯に平行に設けられ、前記フィルタを巻き取るローラと、
該ローラが前記フィルタを巻き取るタイミング及び巻き取り量を制御する制御部と
を備えることを特徴とするイオン発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−112283(P2011−112283A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269091(P2009−269091)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】