説明

空気調和機

【課題】専用のコントローラや電話回線を必要とせず、手間と費用がかからず、手軽に遠隔操作を行うことができる空気調和機を提供する。
【解決手段】あらかじめ登録した固定電話12や携帯電話13の着信音を認識すると指令を発する音声認識装置9と、前記音声認識装置9からの前記指令を受けて、空気調和機11の運転の開始又は/及び停止を行う空調制御装置10を備えたもので、前記空気調和機11の近傍に置いた固定電話12あるいは携帯電話13に、外出先等から電話するだけで、空気調和機3の運転の開始又は/及び停止が簡単にできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に関し、特に音声認識装置を利用して遠隔操作することができる空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の空気調和機は、ユーザーの声音を認識する音声認識装置と、前記音声認識装置により認識された内容に基づいて空気調和機を制御する空調制御装置を備えており、ユーザーの声音による指令で空気調和機を遠隔操作していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、他の従来の空気調和機として、コントローラと、前記コントローラと電話回線でつながった受信装置と、前記受信装置により認識された内容に基づいて制御する空調制御装置を備え、外出先等から遠隔操作ができるようにした空気調和機もある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
図6は、上記特許文献1に記載された、従来の空気調和機の制御システムの構成図を示すものである。図6に示すように、空気調和機3は、ユーザーの声音を認識する音声認識装置1と、前記音声認識装置1により認識された内容に基づいて制御する空調制御装置2を備え、ユーザーの声音による指令で空気調和機3を操作するようになっている。
【0005】
また、図7は、特許文献2に記載された、従来の空気調和機の制御システムの構成図を示すもので、空気調和機8は、コントローラ4と、前記コントローラ4と電話回線5でつながった受信装置6と、前記受信装置6により認識された内容に基づいて制御する空調制御装置7を備え、外出先等から空気調和機8を遠隔操作ができるようになっている。
【特許文献1】特開2000−161746号公報
【特許文献2】特開平10−93665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたような従来の空気調和機3の構成では、音声認識装置1は、ユーザーの声音による指令が必要で、また、特許文献2に開示されたような従来の空気調和機8の構成では、コントローラ4と電話回線5が必要であり、音声認識装置を利用した遠隔操作という組み合わせはなく、遠隔操作には、専用のコントローラと電話回線が必要であり、手間と費用がかかるため、手軽に遠隔操作を行うことができないという課題を有していた。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、専用のコントローラや電話回線を用いることなく、安価にしかも、手軽に遠隔操作を行うことができる空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の空気調和機は、あらかじめ登録した電話の着信音を認識すると指令を発する音声認識装置と、前記音声認識装置からの前記指令を受けて、空気調和機の運転の開始又は/及び停止を行う空調制御装置を備えたもので、前記空気調和機の近傍に置いた固定電話あるいは携帯電話に、外出先等から電話するだけで、空気調和機の運転開始又は/及び運転停止が簡単にできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の空気調和機は、専用のコントローラや電話回線が不要で、手間と費用がかからず、手軽に遠隔操作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は、あらかじめ登録した電話の着信音を認識すると指令を発する音声認識装置と、前記音声認識装置からの前記指令を受けて、空気調和機の運転の開始又は/及び停止を行う空調制御装置を備えたもので、前記空気調和機の近傍に置いた固定電話あるいは携帯電話に、外出先等から電話するだけで、空気調和機の運転開始又は/及び運転停止が簡単にできる。
【0011】
第2の発明は、特に、第1の発明の音声認識装置が、あらかじめ登録した電話の着信音を認識する都度、空調制御装置で空気調和機の運転の開始と停止を交互に行うようにしたもので、空気調和機の近傍においた固定電話あるいは携帯電話に、外出先等から電話するだけで、空気調和機の運転開始と停止が簡単にできる。
【0012】
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明の音声認識装置が、あらかじめ登録した電話の着信音を認識し、かつ、前記電話の着信音が所定の時間内に所定の回数鳴った場合のみ、空調制御装置で空気調和機の運転の開始又は/及び停止を行うようにしたもので、空気調和機の近傍においた固定電話あるいは携帯電話に、外出先等から電話して、所定の時間に、所定回数鳴らすようにするだけで、空気調和機の運転開始又は/及び運転停止を確実に行えると共に、他人から上記電話に不用意にかかってきた時の着信音で空気調和機の運転が開始したり停止することがない。
【0013】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の音声認識装置を内蔵したワイヤードリモコンを備え、前記音声認識装置の指令を前記ワイヤードリモコンを通じて空調制御装置に送信するもので、手近なところにあるワイヤードリモコンの近傍に固定電話あるいは携帯電話を置き、それらに外出先等から電話するだけで、空気調和機の運転開始又は/及び運転停止をすることができる。
【0014】
第5の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の音声認識装置を内蔵したワイヤレスリモコンを備え、前記音声認識装置の指令を前記ワイヤレスリモコンを通じて空調制御装置に送信するもので、ワイヤレスリモコンを、固定電話あるいは携帯電話のそばに置き、外出先等から固定電話あるいは携帯電話を鳴らすことで、空気調和機の運転開始又は/及び運転停止をすることができ、使用勝手が良い。
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施に形態により本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における空気調和機の制御システムの構成図を示すものである。
【0017】
図1において、空気調和機11は、音声認識装置9と、前記音声認識装置9により認識された内容に基づいて空気調和機11の運転を制御する空調制御装置10とを備えている。
【0018】
音声認識装置9は、空気調和機11に内蔵され、前記音声認識装置9は、あらかじめユーザーが登録した電話の着信音を認識して、その電話の着信音を合図に前記空調制御装置10に運転開始の指令を送信する装置である。
【0019】
以上のように構成された空気調和機について、以下その動作、作用を説明する。
【0020】
まず、ユーザーは、音声認識装置9に、あらかじめ固定電話12あるいは携帯電話13の着信音を登録する。
【0021】
次に、空気調和機11の近傍に固定電話12あるいは携帯電話13を設置しておき、外出先等から空気調和機11を遠隔操作するときに、前記固定電話12あるいは前記携帯電話13に電話する。
【0022】
そして、固定電話12あるいは携帯電話13から着信音が発せられると、音声認識装置9が、その着信音を認識し、それを合図に、空調制御装置10に運転開始の指令を送信し、前記空気調和機11の運転を開始する。
【0023】
以上のように、本実施の形態によれば、音声認識装置9と、音声認識装置9により認識された内容に基づいて制御する空調制御装置10を備えた空気調和機11において、音声認識装置9は、あらかじめユーザーが登録した電話の着信音を認識して、その着信音を合図に空調制御装置10に運転開始の指令を送信するようにしたことにより、空気調和機11の近傍に予め登録した固定電話12あるいは携帯電話13を置き、外出先等から固定電話12あるいは携帯電話13を呼び出し鳴らすだけで、空気調和機11の運転開始ができるので、専用のコントローラと電話回線が必要なく、手間と費用がかからず、手軽に遠隔操作を行うことができる。
【0024】
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態における空気調和機の制御システムの構成図を示すものである。
【0025】
なお、上記第1の実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0026】
図2において、音声認識装置14は、あらかじめユーザーが登録した電話の着信音を認識して、電話の着信音を合図に、空調制御装置10に、運転開始、運転停止の指令を交互に送信する装置である。
【0027】
以上のように構成された空気調和機について、以下その動作、作用を説明する。
【0028】
まず、ユーザーは、音声認識装置14に、あらかじめ固定電話12あるいは携帯電話13の着信音を登録する。次に、空気調和機11の近傍に固定電話12あるいは携帯電話13を置き、外出先等から固定電話12あるいは携帯電話13を呼び出して鳴らす。この時、音声認識装置14は、電話の着信音を合図に空調制御装置10に運転開始の指令を送信し、それを受けて空調制御装置10が空気調和機11の運転を開始する。
【0029】
次に、空気調和機11の運転を停止する場合は、外出先等から固定電話12あるいは携帯電話13を再び呼び出して鳴らす。この時、音声認識装置14は、電話の着信音を合図に空調制御装置10に運転停止の指令を送信し、それを受けて空調制御装置10が空気調和機11の運転を停止する。
【0030】
以上のように、本実施の形態によれば、音声認識装置14は、空気調和機11の近傍に置かれた固定電話12あるいは携帯電話13の着信音を認識して、その着信音を合図に、空調制御装置10に、運転開始、運転停止の指令を交互に送信して、空気調和機11の運転開始と運転停止が交互にできるので、専用のコントローラと電話回線が必要なく、手間と費用がかからず、手軽に空気調和機の運転の開始と停止の遠隔操作を行うことができる。
【0031】
(実施の形態3)
図3は、本発明の第3の実施の形態における空気調和機の制御システムの構成図を示すものである。
【0032】
なお、上記実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0033】
本実施の形態は、図3に示すように、音声認識装置15に、あらかじめ登録した電話の着信音の鳴った時刻を記憶する記憶手段15aを設け、あらかじめ登録した電話の着信音を認識し、かつ、電話の最初の着信音が鳴った時刻から所定の時間内に所定の回数、電話の着信音が鳴った場合にのみ空調制御装置10に運転開始あるいは運転停止の指令を送信するようにしたものである。
【0034】
以上のように構成された空気調和機について、以下その動作、作用を説明する。
【0035】
まず、ユーザーは、音声認識装置15に、あらかじめ固定電話12あるいは携帯電話13の着信音を登録する。次に、空気調和機11の近傍に固定電話12あるいは携帯電話13を置き、外出先等から固定電話12あるいは携帯電話13を、所定の時間内に所定の回数鳴らす。
【0036】
この時音声認識装置15は、電話の着信音を合図に空調制御装置10に運転開始あるいは運転停止の指令を送信し、空気調和機11は運転を開始あるいは停止する。
【0037】
以上のように、本実施の形態によれば、音声認識装置15は、あらかじめ登録した電話の着信音を認識して、かつ、記憶手段15aに電話の最初の着信音の鳴った時刻を記憶し、所定の時間内に所定の回数、電話の着信音が鳴った場合にのみ空調制御装置10に運転開始あるいは運転停止の指令を送信することにより、空気調和機11の近傍に置いた固定電話12あるいは携帯電話13を所定の時間内に所定の回数鳴らすだけで、空気調和機10の運転開始あるいは運転停止を確実に行えると共に、他人からの不用意な電話による着信音で空気調和機11が運転開始あるいは運転停止することを防げることができ、しかも専用のコントローラや電話回線が必要なく、手間と費用がかからず、手軽に空気調和機の遠隔操作を行うことができる。
【0038】
(実施の形態4)
図4は、本発明の第4の実施の形態における空気調和機の制御システムの構成図を示すものである。なお、上記実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0039】
本実施の形態は、図4に示すように、音声認識装置16を内蔵したワイヤードリモコン17を備え、前記ワイヤードリモコン17を空調制御装置10に接続し、音声認識装置16の指令が、前記ワイヤードリモコン17を通じて前記空調制御装置10に送信されるようにしたものである。
【0040】
以上のように構成された空気調和機について、以下その動作、作用を説明する。
【0041】
まず、ユーザーは、音声認識装置16に、あらかじめ固定電話12あるいは携帯電話13の着信音を登録する。次に、ワイヤードリモコン17の近傍に固定電話12あるいは携帯電話13を置き、外出先等から固定電話12あるいは携帯電話13を鳴らすことで、前記空気調和機11の運転開始あるいは運転停止ができる。
【0042】
以上のように、本実施の形態によれば、音声認識装置16の指令は、音声認識装置16を内蔵したワイヤードリモコン17を通じて空調制御装置10に送信するようにし、ワイヤードリモコン17の近傍に置いた固定電話12あるいは携帯電話13を、外出先等から呼び出し鳴らすことにより、空気調和機11の運転開始あるいは運転停止ができるので、専用のコントローラと電話回線が必要なく、手間と費用がかからず、手軽に遠隔操作を行うことができる。
【0043】
(実施の形態5)
図5は、本発明の第5の実施の形態における空気調和機の制御システムの構成図を示すものである。
【0044】
なお、上記実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0045】
本実施の形態は、図5に示すように、音声認識装置18を内蔵し、かつ空調制御装置10と通信可能なワイヤレスリモコン19を設け、音声認識装置18の指令は、前記ワイヤレスリモコン19を通じて空調制御装置10に送信されるようにしたものである。
【0046】
以上のように構成された空気調和機について、以下その動作、作用を説明する。
【0047】
まず、ユーザーは、音声認識装置18に、あらかじめ固定電話12あるいは携帯電話13の着信音を登録する。
【0048】
次に、ワイヤレスリモコン19の近傍に固定電話12あるいは携帯電話13を置き、外出先等から固定電話12あるいは携帯電話13を呼び出して鳴らすことにより、空気調和機11の運転の開始又は/及び停止することができる。
【0049】
以上のように、本実施の形態によれば、専用のコントローラや電話回線が必要なく、手間と費用がかからず、手軽に空気調和機11の遠隔操作を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明にかかる空気調和機は、あらかじめ登録した電話の着信音を認識して、その電話の着信音を合図に空気調和機の運転開始あるいは運転停止ができるので、制御装置を備えた各種電気機器、装置の遠隔操作にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態1における空気調和機の制御システムの構成図
【図2】本発明の実施の形態2における空気調和機の制御システムの構成図
【図3】本発明の実施の形態3における空気調和機の制御システムの構成図
【図4】本発明の実施の形態4における空気調和機の制御システムの構成図
【図5】本発明の実施の形態5における空気調和機の制御システムの構成図
【図6】従来の空気調和機の制御システムの構成図
【図7】従来の空気調和機の制御システムの構成図
【符号の説明】
【0052】
9、14、15、16 音声認識装置
10 空調制御装置
11 空気調和機
12 固定電話(電話)
13 携帯電話(電話)
17 ワイヤードリモコン
18 音声認識装置
19 ワイヤレスリモコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ登録した電話の着信音を認識すると指令を発する音声認識装置と、前記音声認識装置からの前記指令を受けて、空気調和機の運転の開始又は/及び停止を行う空調制御装置を備えた空気調和機。
【請求項2】
音声認識装置が、あらかじめ登録した電話の着信音を認識する都度、空調制御装置で空気調和機の運転の開始と停止を交互に行う請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
音声認識装置が、あらかじめ登録した電話の着信音を認識し、かつ、前記電話の着信音が所定の時間内に所定の回数鳴った場合のみ、空調制御装置で空気調和機の運転の開始又は/及び停止を行うようにした請求項1又は2に記載の空気調和機。
【請求項4】
音声認識装置を内蔵したワイヤードリモコンを備え、前記音声認識装置の指令を前記ワイヤードリモコンを通じて空調制御装置に送信する請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項5】
音声認識装置を内蔵したワイヤレスリモコンを備え、前記音声認識装置の指令を前記ワイヤレスリモコンを通じて空調制御装置に送信する請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−200810(P2006−200810A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−12311(P2005−12311)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】