説明

空気調和装置

【課題】ドレン管の凍結を防止するドレン管ヒータの消費電力を軽減する。
【解決手段】空気調和装置に、室内機2の熱交換器21で生じるドレン水を壁体Wの室外側に排出するドレン管23と、壁体Wと熱交換器21との間でドレン管23に密着して配設され、冷却運転時に熱交換器21に冷媒を流入させる冷媒用配管11と、ドレン管23を加温するドレン管ヒータ24と、冷媒用配管11内を循環する冷媒の冷媒温度を検出する冷媒温度センサ36と、ドレン管ヒータ24の駆動又は停止を切り換えるドレン管ヒータ回路25と、検出された冷媒温度が氷点下であるときはドレン管ヒータ24を駆動するように、氷点下でないときはドレン管ヒータ24を停止するように、ドレン管ヒータ回路25に切り換えさせるヒータ制御部41と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置に関し、特に、室内機の熱交換器で生じるドレン水を排出するドレン管の凍結を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、室内機の熱交換器で生じる凝縮水(ドレン水)を排出するドレン管の凍結を防止するために、ドレン管に取り付けられた電気ヒータ(ドレン管ヒータ)によってドレン管を加温する技術が開示されている。例えば、下記特許文献1には、冷凍冷蔵庫の排水用ホースに取り付けられた凍結防止用のホースヒータに通電して、当該排水用ホースの凍結を防止する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭58−008085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、ドレン管(排水用ホース)の凍結を防止するためには、室内機(冷凍冷蔵庫)とは別にドレン管ヒータ(ホースヒータ)に通電して、当該ドレン管ヒータを駆動する必要があった。このため、省エネルギー化の観点から、ドレン管ヒータによる消費電力を軽減する余地があった。
【0005】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ドレン水を排出するドレン管の凍結を防止するドレン管ヒータの消費電力を軽減することができる空気調和装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、当該室内機(2)の熱交換器(21)で生じるドレン水を壁体(W)の室外側に排出するドレン管(23)と、
前記壁体(W)と前記熱交換器(21)との間において前記ドレン管(23)に対して密着して配設され、冷却運転時に前記熱交換器(21)に冷媒を流入させる冷媒用配管(11)と、
前記ドレン管(23)を加温するドレン管ヒータ(24)と、
前記冷媒用配管(11)内を循環する冷媒の冷媒温度を検出する冷媒温度センサ(36)と、
前記ドレン管ヒータ(24)の駆動又は停止を切り換えるドレン管ヒータ回路(25)と、
前記冷媒温度センサ(36)で検出された冷媒温度が氷点下であるときは、前記ドレン管ヒータ(24)を駆動するように前記ドレン管ヒータ回路(25)に切り換えさせ、前記冷媒温度センサ(36)で検出された冷媒温度が氷点下でないときは、前記ドレン管ヒータ(24)を停止するように前記ドレン管ヒータ回路(25)に切り換えさせるヒータ制御部(41)と、
を備えた空気調和装置である。
【0007】
この発明では、冷却運転時に室内機(2)の熱交換器(21)に冷媒を流入させる冷媒用配管(11)が、壁体(W)と熱交換器(21)との間においてドレン管(23)に対して密着して配設されているため、冷媒温度センサ(36)で検出された冷媒温度が氷点下でないときは、冷媒用配管(11)からの伝熱でドレン管(23)を加温することができる。
【0008】
また、冷媒用配管(11)を循環する冷媒の冷媒温度が氷点下の場合は、冷媒用配管(11)に密着して配設されたドレン管(23)が凍結する虞が高まるが、この場合、ヒータ制御部(41)によって、ドレン管ヒータ(24)を駆動するようにドレン管ヒータ回路(25)が切り換えられるため、ドレン管ヒータ(24)によるドレン管(23)の加温によってドレン管(23)の凍結を防止することができる。
【0009】
このため、ドレン管ヒータ(24)の駆動を軽減して、ドレン管ヒータ(24)の消費電力を軽減することができる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気調和装置であって、前記ドレン管ヒータ回路(25)に前記ドレン管ヒータ(24)を駆動させるか又は停止させるかの指示を入力する駆動指示入力部を更に備え、
前記ヒータ制御部(41)は、前記冷媒温度センサ(36)で検出された冷媒温度が氷点下でないときに、前記ドレン管ヒータ(24)を停止するように前記ドレン管ヒータ回路(25)に切り換えさせる制御において、前記冷媒温度センサ(36)で検出された冷媒温度が前記露点温度未満であって氷点下でない場合に、前記駆動指示入力部に前記指示が入力されたときは、当該入力された指示に応じて、前記ドレン管ヒータ回路(25)に前記ドレン管ヒータ(24)の駆動又は停止を切り換えさせる。
【0011】
この発明では、ヒータ制御部(41)による、冷媒温度センサ(36)で検出された冷媒温度が氷点下でないときに、ドレン管ヒータ(24)を停止するようにドレン管ヒータ回路(25)に切り換えさせる制御において、冷媒温度が予め定められた露点温度未満であって氷点下でない場合に、ドレン管ヒータ(24)を駆動させることによって加温されたドレン管(23)からの伝熱で冷媒用配管(11)の結露を防止するか、又は、ドレン管ヒータ(24)を停止させることによってドレン管(23)からの伝熱で冷媒温度を高めてしまうことを回避して、熱交換器(21)における熱変換効率を維持するかを、ユーザーの要望に応じて切り換えることができる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の空気調和装置であって、前記ヒータ制御部(41)は、前記冷媒温度センサ(36)で検出された冷媒温度が予め定められた露点温度以上の場合に、前記ドレン管ヒータ(24)を停止するように前記ドレン管ヒータ回路(25)に切り換えさせる。
【0013】
この発明では、冷媒温度が予め定められた露点温度以上の場合は、ヒータ制御部(41)によって、ドレン管ヒータ(24)を停止するようにドレン管ヒータ回路(25)が切り換えられるため、冷媒用配管(11)からの伝熱でドレン管(23)を加温することによって、ドレン管ヒータ(24)による消費電力を節約しつつドレン管(23)の凍結を防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ドレン水を排出するドレン管の凍結を防止するドレン管ヒータの消費電力を軽減することができる空気調和装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る空気調和装置の構成の一例を示す概略構成図。
【図2】ドレン管と冷媒用配管が密着して配設されている部分の一例を示す説明図。
【図3】ヒータ制御部によるドレン管ヒータの駆動制御の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る空気調和装置について図面を参照して説明する。図1に示すように、空気調和装置1は、室内機2と、室外機3と、制御部4と、を備えている。
【0017】
また、空気調和装置1は、ガス冷媒配管12と、液冷媒配管11と、を備え、室内機2と室外機3とを液冷媒配管11及びガス冷媒配管12で接続してなる冷媒回路10を有している。
【0018】
ここで、ガス冷媒配管12は、室外機3に配設された四路切換弁33及び圧縮機34を介して、室内機2に配設された熱交換器21と室外機3に配設された熱交換器31とを接続し、室内機2の冷却運転時に熱交換器21で蒸発されたガス冷媒を循環させるための冷媒用配管を示す。
【0019】
液冷媒配管11は、室外機3に配設された膨張弁35を介して、熱交換器21と熱交換器31とを接続し、室内機2の冷却運転時に熱交換器31で凝縮された液冷媒を循環させる冷媒用配管を示す。
【0020】
尚、以下では説明のため、室内機2と室外機3との間のガス冷媒配管12側の配管をガス側連絡管14と示し、室内機2と室外機3との間の液冷媒配管11側の配管を液側連絡管13と示すものとする。
【0021】
室内機2は、熱交換器21と、送風機22と、ドレン管23と、ドレン管ヒータ24と、ドレン管ヒータ回路25と、を備えている。
【0022】
熱交換器21は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成され、液冷媒配管11又はガス冷媒配管12から流入される冷媒と室内空気とを熱交換する。送風機22は、熱交換器21に対して室内空気を送風する。
【0023】
ドレン管23は、熱交換器21の下方に設けられた図略のドレンパンに設けられた排出口から建屋壁Wを貫通して屋外に至るまで配設された、ドレンパンに貯留された熱交換器21で生じたドレン水を屋外に排出するための配管である。
【0024】
ドレン管ヒータ24は、通電によって加熱される電気ヒータである。具体的には、図2に示すように、ドレン管ヒータ24は、ドレン管23の内壁に配設され、ドレン管23の内部からドレン管23を加温する。尚、ドレン管ヒータ24が、ドレン管23に配設される形態をこれに限定する趣旨ではなく、例えば、ドレン管23の外壁に密着して取り付けられる形態であってもよい。
【0025】
また、室内機2と建屋壁Wとの間においては、ドレン管23と液側連絡管13とが密着するように配置され、更に、例えば発泡スチロール(発泡ポリスチレン)等から成る防熱材52で覆われている。例えば、ドレン管23と液側連絡管13は、粘着テープ51によって接合されることで密着するように配置されている。ただし、ドレン管23と液側連絡管13とが密着するように配置される形態をこれに限定する趣旨ではなく、例えば、ドレン管23と液側連絡管13とが粘着テープ51によって接合されていない形態であってもよい。
【0026】
ドレン管ヒータ回路25は、ドレン管ヒータ24と、図略の電源装置と、に両端が接続されるスイッチを備えている。当該スイッチは、後述するヒータ制御部41によってオン/オフが切り替えられる。つまり、当該スイッチのオン/オフが切り替えられることによって、ドレン管ヒータ24への通電又は当該通電の停止が切り替えられ、ドレン管ヒータ24の駆動又は停止が切り替えられる。
【0027】
室外機3は、四路切換弁33と、圧縮機34と、熱交換器31と、送風機32と、膨張弁35と、冷媒温度センサ36と、を備えている。
【0028】
四路切換弁33は、圧縮機34の吐出側に接続する吐出ポートP1、2つの切替ポートP2,P3、及び圧縮機34の吸入側に接続する吸入ポートP4を有し、ポートP1とポートP2が連通し、かつ、ポートP3とポートP4が連通する状態(図1に実線で示す状態)と、ポートP1とポートP3が連通し、かつ、ポートP2とポートP4が連通する状態(図1に一点鎖線で示す状態)とに切り替わる。つまり、制御部4による四路切換弁33の切り替え動作によって、冷却運転であるか加熱運転であるかに応じて適宜冷媒の循環方向が切り替えられる。
【0029】
圧縮機34は、例えば、図略の圧縮機構と当該圧縮機構を駆動する図略の電動機とを円筒状のハウジングに収納して構成された密閉型のスクロール圧縮機であり、制御部4によって電動機の回転数が段階的に又は連続的に変更されて、その容量が可変に構成されている。
【0030】
熱交換器31は、例えば、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成され、液冷媒配管11又はガス冷媒配管12から流入される冷媒と室外空気とを熱交換する。送風機32は、室外機3の側面に設けられた吸気口から室外空気を吸入し、熱交換器31に対して当該吸入した室外空気を送風する。
【0031】
膨張弁35は、制御部4によって所定の開度に調整され、液冷媒配管11内を循環する冷媒を減圧する。冷媒温度センサ36は、液冷媒配管11内を循環する冷媒の温度(液温)を検出し、当該検出した液温を示す制御信号を制御部4に出力する。
【0032】
制御部4は、例えば、CPUやROMやRAM等のメモリを備えたマイクロコンピュータで構成され、室内機2及び室外機3に備えられた各装置の動作を制御して、室内機2及び室外機3の運転を制御する。
【0033】
特に、制御部4は、ドレン管ヒータ回路25にドレン管ヒータ24の駆動又は停止を切り替えさせることによってドレン管ヒータ24の駆動を制御するヒータ制御部41、及び、リモコンや室内機2及び室外機3に設けられた操作ボタン等のユーザーによる操作によって入力された、室内機2及び室外機3の運転に係る各種指示を受け付ける指示受付部42として機能する。
【0034】
次に、空気調和装置1の運転動作を説明する。空気調和装置1の運転時には、冷媒回路10において冷媒が相変化しつつ循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
【0035】
空気調和装置1の冷却運転時には、熱交換器21は蒸発器として機能し、冷媒を室内空気から吸熱させて蒸発させる。これにより、室内空気が冷却される。蒸発された冷媒は、ガス側連絡管14から室外機3に流入される。室外機3に流入された冷媒は、制御部4によって図1に実線で示す状態に切り替えられた四路切換弁33を介して、圧縮機34に吸入される。そして、圧縮機34によって圧縮された冷媒は、四路切換弁33を介して、熱交換器31へ流入される。熱交換器31は凝縮器として機能し、冷媒を室外空気へ放熱させて凝縮させる。凝縮された冷媒は、膨張弁35で減圧されて低温低圧状態となり、液側連絡管13から室内機2の熱交換器21に流入される。空気調和装置1の冷却運転時には、このように冷媒の循環が繰り返される。
【0036】
空気調和装置1の加熱運転時には、熱交換器21は凝縮器として機能し、冷媒を室内空気へ放熱させて凝縮させる。これにより、室内空気が加熱される。凝縮された冷媒は、液側連絡管13から室外機3に流入される。室外機3に流入された冷媒は、膨張弁35で減圧されて低温低圧状態となり、熱交換器31へ流入される。熱交換器31は蒸発器として機能し、冷媒を室外空気から吸熱させて蒸発させる。蒸発された冷媒は、制御部4によって図1に一点鎖線で示す状態に切り替えられた四路切換弁33を介して、圧縮機34に吸入される。そして、圧縮機34によって圧縮された冷媒は、四路切換弁33を介して、ガス側連絡管14から室内機2の熱交換器21に流入される。空気調和装置1の加熱運転時には、このように冷媒の循環が繰り返される。
【0037】
以下では、ヒータ制御部41によるドレン管ヒータ24の駆動の制御の流れについて説明する。
【0038】
図3に示すように、例えば、リモコン等を用いてユーザーによって入力された空気調和装置1の冷却運転を開始する指示が指示受付部42によって受け付けられると、制御部4は、冷却運転を開始する。
【0039】
空気調和装置1の冷却運転が開始されると、ヒータ制御部41は、冷媒温度センサ36で検出された液温が予め定められた露点温度よりも大きいか否かを判断する(S1)。尚、ここにいう予め定められた露点温度は、空気調和装置1の試験運転等の実験値に基づいて、液側連絡管13に結露を生じさせる温度として予め定められ、制御部4に備えられたROM等のメモリに予め記憶されている。
【0040】
ヒータ制御部41は、冷媒温度センサ36で検出された液温が露点温度よりも高いと判断した場合(S1;YES)、ドレン管ヒータ24の駆動を停止させるために、ドレン管ヒータ回路25に備えられたスイッチをオフして、ドレン管ヒータ24への通電を停止させる(S2)。
【0041】
つまり、冷媒温度センサ36で検出された液温が予め定められた露点温度以上の場合、ヒータ制御部41は、ドレン管ヒータ24を停止するようにドレン管ヒータ回路25を切り換えて、液側連絡管13からの伝熱で液側連絡管13に密着して配設されているドレン管23を加温することによって、ドレン管ヒータ24による消費電力を節約しつつドレン管23の凍結を防止することができる。
【0042】
一方、ヒータ制御部41は、ステップS1において、冷媒温度センサ36で検出された液温が露点温度よりも高くないと判断した場合(S1;NO)、更に、冷媒温度センサ36で検出された液温が氷点下であるか否かを判断する(S3)。
【0043】
ここで、ヒータ制御部41は、冷媒温度センサ36で検出された液温が氷点下であると判断すると(S3;YES)、ドレン管ヒータ24を駆動させるために、ドレン管ヒータ回路25に備えられたスイッチをオンして、ドレン管ヒータ24へ通電させる(S4)。これにより、ヒータ制御部41は、氷点下の液温で冷却された液側連絡管13によって、液側連絡管13に密着して配設されているドレン管23が凍結されるのを防止することができる。
【0044】
尚、ヒータ制御部41は、ステップS3において、冷媒温度センサ36で検出された液温が氷点下ではないと判断すると(S3;NO)、つまり、冷媒温度センサ36で検出された液温が露点温度以下であって氷点下でないときは、更に、ドレン管ヒータ24を駆動させる指示(ヒータ駆動指示)が入力されているか否かを判断する(S5)。
【0045】
ここでヒータ駆動指示は、例えば、ドレン管ヒータ回路25にドレン管ヒータ24を駆動させるか又は停止させるかの指示を入力するためのボタンがリモコンに設けられ、当該ドレン管ヒータ24を駆動させる指示を入力するためのボタンがユーザーによって押下されることによって入力される。つまり、当該ボタンによって、本発明に係る駆動指示入力部の一例が構成されている。
【0046】
図3に戻り、ヒータ制御部41は、例えば指示受付部42によってヒータ駆動指示の入力が受け付けられたことを以って、ヒータ駆動指示が入力されていると判断すると(S5;YES)、ドレン管ヒータ24を駆動させるために、ドレン管ヒータ回路25に備えられたスイッチをオンして、ドレン管ヒータ24へ通電させる(S6)。
【0047】
つまり、ヒータ制御部41は、冷媒温度センサ36で検出された液温が予め定められた露点温度未満であって氷点下でない場合に、ヒータ駆動指示が入力されているときは、ドレン管ヒータ24によって加温されたドレン管23からの伝熱で液側連絡管13を加温して、液側連絡管13に結露が生じることを防止することができる。
【0048】
一方、ヒータ制御部41は、ステップS5において、例えば、上記のようにリモコンに設けられたドレン管ヒータ24を停止させる指示を入力するためのボタンが押下され、指示受付部42によって当該停止させる指示の入力が受け付けられたことを以って、ヒータ駆動指示が入力されていないと判断すると(S5;NO)、ドレン管ヒータ24の駆動を停止させるために、ドレン管ヒータ回路25に備えられたスイッチをオフして、ドレン管ヒータ24への通電を停止させる(S7)。
【0049】
つまり、ヒータ制御部41は、冷媒温度センサ36で検出された液温が予め定められた露点温度未満であって氷点下でない場合に、ヒータ駆動指示が入力されていないときは、ドレン管ヒータ24を停止させることによってドレン管23からの伝熱で冷媒温度を高めることを回避して、熱交換器21における熱変換効率を維持することができる。
【0050】
尚、ヒータ駆動指示は、上記のようにユーザーに入力させるまでもなく、ドレン管ヒータ24を駆動させるか又は停止させるかの何れかを示すデータを制御部4に備えられたROM等のメモリに予め記憶しておき、これに合わせて、ヒータ制御部41は、ステップS5において、メモリに予め記憶されている当該データがドレン管ヒータ24を駆動させることを示すか又は停止させることを示すかを以って、ヒータ駆動指示の入力可否を判断するように構成してもよい。
【0051】
また、ステップS5の処理を行わないように簡易に構成して、ヒータ制御部41は、ステップS3において、冷媒温度センサ36で検出された液温が氷点下ではないと判断すると(S3;NO)、無条件にステップS7の処理を実行するように構成してもよい。
【0052】
図3に戻り、ヒータ制御部41は、ステップS2、ステップS4、ステップS6又はステップS7の処理を実行後、空気調和装置1の冷却運転を終了する指示が入力されているか否かの判断を行う(S8)。
【0053】
ヒータ制御部41は、ステップS8において、例えば、リモコン等を用いてユーザーによって入力された空気調和装置1の冷却運転を終了する指示が指示受付部42によって受け付けられたことを以って、空気調和装置1の冷却運転を終了する指示が入力されていると判断すると(S8;YES)、ドレン管ヒータ24の駆動制御を終了する。その後、制御部4によって、空気調和装置1の冷却運転が終了される。
【0054】
一方、ヒータ制御部41は、ステップS8において、例えば、指示受付部42によって空気調和装置1の冷却運転を終了する指示が受け付けられないことを以って、空気調和装置1の冷却運転を終了する指示が入力されていないと判断すると(S8;NO)、再びステップS1以降の処理を実行する。
【0055】
以上、本発明に係る空気調和装置の実施形態について説明したが、本発明に係る空気調和装置は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。また、上記図1乃至図3に示した構成及び処理は、本発明に係る実施形態の例示に過ぎず、本発明を当該実施形態に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0056】
1 空気調和装置
11 液冷媒配管(冷媒用配管)
12 ガス冷媒配管(冷媒用配管)
13 液側連絡管(冷媒用配管)
14 ガス側連絡管(冷媒用配管)
2 室内機
21 熱交換器(室内機)
22 送風機(室内機)
23 ドレン管
24 ドレン管ヒータ
25 ドレン管ヒータ回路
3 室外機
31 熱交換器(室外機)
32 送風機(室外機)
33 四路切換弁
34 圧縮機
35 膨張弁
36 冷媒温度センサ
4 制御部
41 ヒータ制御部
52 防熱材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該室内機(2)の熱交換器(21)で生じるドレン水を壁体(W)の室外側に排出するドレン管(23)と、
前記壁体(W)と前記熱交換器(21)との間において前記ドレン管(23)に対して密着して配設され、冷却運転時に前記熱交換器(21)に冷媒を流入させる冷媒用配管(11)と、
前記ドレン管(23)を加温するドレン管ヒータ(24)と、
前記冷媒用配管(11)内を循環する冷媒の冷媒温度を検出する冷媒温度センサ(36)と、
前記ドレン管ヒータ(24)の駆動又は停止を切り換えるドレン管ヒータ回路(25)と、
前記冷媒温度センサ(36)で検出された冷媒温度が氷点下であるときは、前記ドレン管ヒータ(24)を駆動するように前記ドレン管ヒータ回路(25)に切り換えさせ、前記冷媒温度センサ(36)で検出された冷媒温度が氷点下でないときは、前記ドレン管ヒータ(24)を停止するように前記ドレン管ヒータ回路(25)に切り換えさせるヒータ制御部(41)と、
を備えた空気調和装置。
【請求項2】
前記ドレン管ヒータ回路(25)に前記ドレン管ヒータ(24)を駆動させるか又は停止させるかの指示を入力する駆動指示入力部を更に備え、
前記ヒータ制御部(41)は、前記冷媒温度センサ(36)で検出された冷媒温度が氷点下でないときに、前記ドレン管ヒータ(24)を停止するように前記ドレン管ヒータ回路(25)に切り換えさせる制御において、前記冷媒温度センサ(36)で検出された冷媒温度が前記露点温度未満であって氷点下でない場合に、前記駆動指示入力部に前記指示が入力されたときは、当該入力された指示に応じて、前記ドレン管ヒータ回路(25)に前記ドレン管ヒータ(24)の駆動又は停止を切り換えさせる請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記ヒータ制御部(41)は、前記冷媒温度センサ(36)で検出された冷媒温度が予め定められた露点温度以上の場合に、前記ドレン管ヒータ(24)を停止するように前記ドレン管ヒータ回路(25)に切り換えさせる請求項2に記載の空気調和装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−24519(P2013−24519A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161859(P2011−161859)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】