説明

空調制御システム、車両用空調制御装置、車両用空調装置、空調制御方法

【課題】乗員が温度設定することなく車両に適切な空調が可能な空調制御システム、車両用空調制御装置及び空調制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】住居用空調制御装置200から取得した情報に基づき車両用空調制御装置100が車室を空調する空調制御システム300であって、住居用空調制御装置200は、空調に用いる住居内外の住居環境情報を検出する住居環境検出手段16と、住居環境情報に対応する空調設定情報を、住居環境情報と共に記憶する環境情報記憶手段20と、空調設定情報及び住居環境情報を車両に送信する送信手段25と、を有し、車両用空調制御装置100は、空調設定情報及び住居環境情報を受信する受信手段33と、空調に用いる車両内外の車両環境情報を検出する車両環境情報検出手段34と、空調設定情報及び住居環境情報に基づき、車両環境情報に対応する車両用空調設定情報を決定する設定情報決定手段30と、を有する、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室を空調する空調制御システム等に関し、特に、車両外部の環境に応じて空調する空調制御システム、車両用空調制御装置、車両用空調装置及び空調制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車載された空調装置は、例えば乗員が設定した温度になるよう空調風の温度、風量、風向き等を制御している。しかしながら、車室内は車両外部の環境の影響を受けやすいため直射日光や室外温度により温度が変化しやすい。そこで、乗員が温度を再設定したときの日射量と室外温度を検出し、日射量のゲイン、室外温度のゲイン及び設定温度のゲインを調整する空調装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これにより、車両外部の環境に対する乗員の体感傾向の違いに対応して空調制御を実行できるとしている。
【0003】
しかしながら、特許文献1記載の空調装置では、乗員が空調装置の温度を設定する必要があり、また、車両外部の様々な環境で走行し空調装置の温度を設定するまで、乗員の車両外部の環境に対する体感傾向の違いに対応できない。
【0004】
また、乗員が温度設定することなく所望の温度に制御されるよう、乗員の住居における空調装置の設定温度と動作期間の履歴情報を車両へ送信し、住居から送信された履歴情報に基づき車両の空調装置の温度を制御することで、乗員による空調装置の温度設定を省略する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)
【特許文献1】特開平6−171341号公報
【特許文献2】特開2006−327459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように車室内は車両外部の環境の影響を受けやすく、住居と車室では外部の環境が温度等に与える影響が違うので、特許文献2記載の空調装置のように、単に住居の履歴情報を車両に適用しても車室内の空調環境を適切に調整できないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、乗員が温度設定することなく車両に適切な空調が可能な空調制御システム、車両用空調制御装置及び空調制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に鑑み、本発明は、住居用空調制御装置から取得した情報に基づき車両用空調制御装置が車室を空調する空調制御システムであって、住居用空調制御装置は、空調に用いる住居内外の住居環境情報を検出する住居環境検出手段と、住居環境情報に対応する空調設定情報を、住居環境情報と共に記憶する環境情報記憶手段と、空調設定情報及び住居環境情報を車両に送信する送信手段と、を有し、車両用空調制御装置は、空調設定情報及び住居環境情報を受信する受信手段と、空調に用いる車両内外の車両環境情報を検出する車両環境情報検出手段と、空調設定情報及び住居環境情報に基づき、車両環境情報に対応する車両用空調設定情報を決定する設定情報決定手段と、を有する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、乗員が温度設定することなく、車両の内外の環境に応じて適切な空調を乗員に提供することができる。
【0009】
また、本発明の一形態において、住居用空調制御装置は、住居環境情報に基づき、ユーザ毎に暑がり又は寒がり等の体感傾向を判定する体感傾向判定手段を有し、車両用空調制御装置は、運転者には車両用空調設定情報に応じた空調を提供し、運転者以外の乗員には体感傾向に応じて風向又は風量を制御する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、エアコンが一台しかなくても、ユーザの体感傾向に応じて風量や風向を調整することで、車両においてユーザ毎に適切な空調を提供することができる。
【0011】
また、本発明の一形態において、車両用空調制御装置は、着座位置毎にユーザを識別する識別手段を有し、設定情報決定手段は、ユーザの識別情報に対応づけられた空調設定情報及び住居環境情報に基づき、ユーザ毎に、車両環境情報に対応する車両用空調設定情報を決定する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、複数人のユーザが車両に乗車しても、ユーザ毎に適切な空調を提供することができる。
【0013】
また、本発明の一形態において、住居環境検出手段は、室内温度、室外温度、室内湿度、日射量及び着衣量を検出することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、住居の日当たり、ユーザの衣服量を参酌して、車両においてユーザ毎に適切な空調を提供することができる。
【発明の効果】
【0015】
乗員が温度設定することなく車両に適切な空調が可能な空調制御システム、車両用空調制御装置及び空調制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の車両400に搭載された空調制御装置100と住居500に設置された住居用空調制御装置200とを有する空調制御システム300の概略を示す図である。住居用空調制御装置200は、室外温度、室内温度等の環境情報(以下、住居500の環境情報を環境情報Aという)を各種のセンサにより検出し、ユーザの体感傾向データを収集する。体感傾向データとは、いわゆる暑がり又は寒がりという体感傾向の個人差を示す情報である。
【0017】
また、それぞれのユーザは環境情報Aを体感して所望の温度(以下、快適設定温度という)に住居用エアコン201を設定する。したがって、環境情報Aと快適設定温度の組は、ユーザがその環境で快適に感じる温度を示す。
【0018】
住居用空調制御装置200は、体感傾向データ、環境情報A及び快適設定温度を車両400に送信し、車両400の空調制御装置100が、環境情報(以下、車両400の環境情報を環境情報Bという)、快適設定温度及び体感傾向データに基づき空調することで、ユーザは車両用エアコン101に温度設定等をすることなく、車両内外の環境及び体感傾向に適した空調環境を得られる。
【0019】
なお、ユーザとは車両400の運転者及び他の乗員であって、かつ、住居500の住人である。また、空調環境とは、空調制御装置100により制御可能な温度、湿度、風量、吹き出し口、空調風の温度、等を含む。車両外部の環境とは、温度、日射量、湿度、路面温度、雨や雪などの天候等、車室内の空調環境に影響を与え得る全てを含む。
【0020】
図2は、体感傾向の判定の一例を説明する図である。図2(a)は一室に複数のユーザA,Bが存在するが、ユーザAは静止しておりユーザBは活動している。このような場合、ユーザAは暑いので活動したくないと感じていると考えられるので、ユーザAはユーザBよりも暑がりと判定する。
【0021】
図2(b)は2つの部屋にそれぞれユーザC、ユーザDが存在するが、ユーザCは日当たりのよい部屋に存在し、ユーザDは日当たりの悪い部屋に存在している。エアコンの設定温度は25度で共通なので、日が当たっていても同じ設定温度を好むユーザCは、ユーザDよりも寒がりと判定される。ユーザC、Dは後述するような方法で住居と車両のそれぞれで識別されるので、本実施形態の空調制御装置100は車両400でユーザCとDのそれぞれに最適な空調環境を提供する。
【0022】
〔住居用空調制御装置200〕
図3は、空調制御システム300の機能ブロック図を示す。住居用空調制御装置200は、例えば、コンピュータと各種のセンサにより実現される。コンピュータと各種のセンサは例えばLAN、ブルートゥース、ZIGBEE、ワイヤレスUSB、等で接続されている。コンピュータは、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェイス、ハードディスクドライブなどの不揮発メモリ、等を有し、CPUがプログラムを実行するか所定の演算回路により実現される、ユーザを識別するユーザ判定部14、ユーザ毎に体感傾向を判定するユーザ体感温度判定部15、及び、体感温度を決定する体感温度決定部23、を有する。
【0023】
室内カメラ11、携帯電話12及びスマートキー13は、いずれもユーザを識別するために用いられる。室内カメラ11は、ユーザの顔等の外観を撮影する。ユーザ判定部14は外観を撮影した撮影データを画像処理してユーザを識別する。例えば、ユーザの顔によりユーザを識別する場合、ユーザ判定部14は予めユーザの顔の特徴点の配置情報をユーザ情報に対応づけて記憶しておき、撮影データの顔の特徴点と一致するユーザをパターン認識して検索することでユーザを判定する。なお、外観から明らかなユーザの身長や外接矩形の縦横比によりユーザを識別してもよい。
【0024】
また、携帯電話12によりユーザを識別する場合、携帯電話12に予め製造番号、電話番号、ユーザ識別番号等のセキュリティトークンを記憶しておき、ユーザ判定部14からの問い合わせに応じて携帯電話12がブルートゥースやワイヤレスUSBでセキュリティトークンを送信する。ユーザ判定部14はセキュリティトークンをユーザ情報に対応づけて予め記憶しており、携帯電話12から送信されたセキュリティトークンに一致するユーザを検出する。
【0025】
スマートキー13によりユーザを識別する場合は、車両に乗車する際と同様の認識方法でユーザを識別する。スマートキー13はそれぞれ固有のキーIDを記憶しており、ユーザ判定部14はキーIDに対応づけてユーザ情報を記憶している。ユーザ判定部14がリクエスト信号を定期的に送信して形成するスマートキー13の検知エリアにユーザが進入すると、スマートキー13はキーIDを含むレスポンス信号をユーザ判定部14に送信する。ユーザ判定部14は受信したキーIDに一致するユーザを検出する。なお、ユーザの識別方法は、室内カメラ11、携帯電話12及びスマートキー13を用いた形態に限られず、例えば、指紋などの生体認証情報、声紋等により識別してもよく、また、室内カメラ11、携帯電話12及びスマートキー13の全てを用いる必要もない。
【0026】
外気温センサ16は住居の外の気温を検出する温度センサであり、内気温センサ17は各部屋毎に気温を検出する温度センサである。例えば、測温抵抗体の抵抗、熱電対の起電力に基づき検出した温度をユーザ判定部14に送信する。なお、外気温センサ16、内気温センサ17、湿度センサ18等は住居用エアコン201が有するセンサと兼用してもよい。
【0027】
湿度センサ18は、例えば高分子感湿膜の湿度に対するインピーダンス変化を利用し湿度を測定する。また、輻射センサ19は、例えば反射板と吸熱板を交互に配置し両者の接点に生じる起電力に基づき輻射温度を検出する。輻射センサ19により、日射量に影響されやすい壁や床面の温度に起因する輻射温度を検出できる。
【0028】
赤外線センサ21は、赤外帯域の光信号を電気信号に変換する素子を有し、着衣していない部分からはユーザの体温に相当する電気信号を、着衣している部分からは着衣量に応じて検出されるユーザの体温に相当する電気信号をそれぞれ検出する。例えば、手や顔以外から赤外線が検出されない場合、体感温度決定部23はユーザの着衣量が十分に多いと判定する。
【0029】
人感センサ22は赤外線を放出し、人が帯びている熱線及びその変化量に反応して、人が存在することを検出する。体感温度決定部23は、例えば熱線の変化量を時間的及び空間的に監視することで、ユーザの活動量を判定する。
【0030】
カレンダ装置24は、例えばクロック数のカウントに基づき時刻、月日、曜日、を計測すると共に、予め定めたその地域の季節情報と現在の月日を照らし合わせて現在の季節を決定する。
【0031】
体感温度決定部23は、室外温度、室内温度、室内湿度、輻射温度、着衣量、活動量、季節、時刻、に基づき、ユーザの体感温度を決定する。体感温度の基本となるのは室内温度であるため、室内温度に室外温度等に基づく補正を加え、体感温度を決定する。例えば、室外温度<室内温度であれば、室外温度は体感温度を上昇させ、室外温度>室内温度であれば、室外温度は体感温度を減少させると考えらえる。このため、例えば次のようにして体感温度を決定する。但し、αは一定又は室外温度と室内温度の少なくともいずれかに応じた正の係数である。
・室外温度<室内温度
体感温度=室内温度 + α×室外温度 … (1)−1
・室外温度>室内温度
体感温度=室内温度 − α×室外温度 … (1)−2
また、体感温度決定部23は湿度センサ18が検出した湿度に基づき体感温度を決定する。湿度が体感温度に与える影響は例えばミスナールの体感温度の算出式により見積もることができる。したがって、「室内温度−ミスナールの体感温度」が湿度に基づく室内温度の補正量βとなる。
体感温度=室内温度 − β …(2)
また、体感温度決定部23は、輻射センサ19が検出した輻射温度に基づき体感温度を決定する。輻射温度と体感温度には、例えば次のような関係が知られている。
体感温度*=(輻射温度+室内温度)/2
したがって、「室内温度−体感温度*」が輻射温度に基づく室内温度の補正量γとなる(「体感温度*」は最終的に算出する体感温度と区別するための識別子)。
体感温度=室内温度 − γ …(3)
また、体感温度決定部23は、赤外線センサ21が検出した着衣量に基づき体感温度を決定する。着衣量を例えば布地の厚みや枚数で特定することは困難なので、着衣量を例えば1〜3段階程度(数が大きいほど着衣量が多い)に区分し、着衣量が多いほど暑く感じると考え、区分された着衣量1〜3に応じて補正係数を次のように決定する。
着衣量1:補正係数−σ1
着衣量2:補正係数ゼロ
着衣量3:補正係数+σ2
体感温度 = 室内温度−σ1 or 室内温度+σ2 …(4)
また、体感温度決定部23は人感センサ22が検出した活動量に基づき体感温度を決定する。活動量は例えば1〜3段階程度(数が大きいほど活動量が大きい)に区分し、活動量が大きいほど体感温度に余裕がある(体感温度を低く感じやすい)と考え、区分された活動量1〜3に応じて補正係数を次のように決定する。
活動量1:補正係数+ε1
活動量2:補正係数ゼロ
活動量3:補正係数−ε2
体感温度 = 室内温度+ε1 or 室内温度−ε2 …(5)
また、体感温度は季節の影響を受けるので、体感温度決定部23は季節に応じて体感温度を決定する。一般的な傾向として、気温の高い季節では室内温度より体感温度は低くなり、気温の低い季節では、室内温度より体感温度が高くなる。したがって、季節毎に補正係数η1〜4、又は、1〜12月毎に補正係数η1〜η12を定めておき、これと室内温度に基づき体感温度を決定する。
体感温度 = 室内温度 + ηi(iは整数) …(6)
体感温度決定部23は、式(1)〜(6)を用いて体感温度を決定する。
【0032】
そして、ユーザ体感温度判定部15はユーザ毎に暑がりか寒がりかを判定する。各ユーザ毎に体感温度を比較すれば、ユーザ毎に暑がりか寒がりかを比較することができる。例えば、ユーザAの体感温度が26度、ユーザBの体感温度が23度であれば、高い体感温度を必要とするユーザAはユーザBよりも寒がりであると判定される。
【0033】
また、ユーザ体感温度判定部15は体感温度の差に応じて、暑がりの程度、及び、寒がりの程度を決定してもよい。この場合、例えば、暑がり度1〜5、寒がり度1〜5が体感傾向データとなる。
【0034】
なお、暑がりか寒がりかは、ユーザ間の比較による相対的な傾向なので、ユーザが一人しかいない場合、体感傾向を判定しない。例えば、ユーザが一人で体感温度が28度の場合、その温度が暑がりか寒がりのいずれを意味するかは、環境に大きく依存するので判定が困難である。したがって、体感傾向を判定するのは、住居500にユーザが複数いる場合である。
【0035】
このように体感傾向は相対的な指標なので、比較の対象となったユーザが互いに乗車すれば車両用エアコン101の空調環境を相対的に設定できるが、比較の組み合わせの違うユーザが乗車した場合、暑がりか寒がりかの基準が一致しないことになる。このため、暑がりか寒がりかは、ユーザ間の組み合わせごとに定めることが好ましい。全てのユーザの組み合わせ毎に、体感傾向が判定されていれば、どの組み合わせでユーザが車両400に乗車しても車両用エアコン101の空調環境を相対的に設定できる。
【0036】
ところで、ユーザによっては、夏は暑がりで冬は寒がりというように、同一のユーザでも体感傾向が変動する場合があるが、本実施形態の体感温度決定部23は随時、暑がりか寒がりかを判定するので、ユーザの体感傾向を柔軟に検出することができる。
【0037】
ユーザ体感温度判定部15は、住居用エアコン201と通信して住居用エアコン201の快適設定温度を検出している。また、体感温度決定部23は上記のように環境情報Aを検出している。快適設定温度と環境情報Aの関係は、車両において環境情報Bに基づき設定温度を算出する際に利用される。このため、ユーザ体感温度判定部15が判定した体感傾向データ、環境情報A、及び、快適設定温度はユーザ毎に環境情報DB20に記憶される。
【0038】
図4は環境情報DB20に記憶される情報の一例を示す。ユーザ毎に複数の環境情報A及び快適設定温度、並びに、各ユーザとの体感傾向データが記憶されている。環境情報DB20に記憶された体感傾向データ、環境情報A、及び、快適設定温度は、通信装置25から車両400に送信される。
【0039】
通信装置25は、例えば携帯電話又は無線LANの基地局に接続し、体感傾向データにプロトコル処理、誤り訂正処理、例えばOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)に従うOFDMAの送信フレーム信号の生成処理、ベースバンド信号の生成処理、変調等を施し、この変調波をアンプで増幅してアンテナから送信する。
【0040】
〔空調制御装置100〕
空調制御装置100は、例えば空調制御部40により制御され、ユーザを識別するユーザ識別部32,空調を制御する空調制御部40、各種のセンサ、及び、モータ39と、CAN(controller area network)等の車内LANを介して接続されている。空調制御部40は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェイス及び不揮発メモリを備えたコンピュータであって、例えばエアコンECU(Electronic Control Unit)として構成される。空調制御部40は、CPUがプログラムを実行するか又は所定の演算回路で実現される設定温度算出部30、を有する。
【0041】
通信装置33は、携帯電話や無線LANの基地局から送信される変調波に対し、増幅処理、復調処理、TDMAに従うフレーム同期処理、多重分離、デスクランブルや誤り訂正などの処理、プロトコル処理等、を施して体感傾向データ、住居用エアコン201の快適設定温度及び環境情報Aを受信する。
【0042】
ユーザ識別部32は、車内カメラ31、携帯電話12、スマートキー13を用いて、着座位置毎にユーザを識別する。車内カメラ31は各席毎に設けられるか、又は、全員の乗員の正面を画角に含めるように配置される。各席毎に撮影される顔、又は、複数の乗員が撮影された画像データのうち顔が撮影された場所を、顔認識技術を用いて検出することで、着座位置毎にユーザを特定することができる。
【0043】
また、携帯電話12やスマートキー13を用いた場合、ユーザ識別部32は通信エリアを例えば各席から数10cmの範囲に限定することで、着座位置毎にユーザを特定する。なお、ユーザの識別方法については住居用空調制御装置200と同様であるので説明は省略する。ユーザ識別部32は、着座位置毎にユーザの識別情報を空調制御部40に送出する。
【0044】
外気温センサ34は、車両外部の気温を検出する温度センサであって、例えばバンパ内側等に設けられる。内気温センサ35は、車室内の気温を検出する温度センサであって、例えばダッシュボード等に設けられる。ダクトセンサ36は車両用エアコン101の空調風の温度を検出する温度センサであって、例えば吹き出し口の内側に設けられる。
【0045】
日射センサ37は、例えばダッシュボード上に配置されフォトダイオードにより太陽光の強度に応じた電流を出力する。湿度センサ38は、湿度センサ18と同様に車室内の湿度を検出する。モータ39は、ブロアモータ等、車室内を空調するための各種モータである。
【0046】
図5は、車両用エアコン101の概略構成図を示す。図5の車両用エアコン101は左下(上流という)から右側(下流)に向かって空気が流れる。上流には、外気吸入口41と内気吸入口42が設けられ、インテークドア43によって外気と内気の割合が調節される。外気吸入口41、内気吸入口42から吸入された空気はブロアモータ44により車両用エアコン101の下流へ送風され、まずエバポレータ45で熱交換が行なわれて冷風となる。空調風の風量はブロアモータ44の回転速度に比例する。
【0047】
エバポレータ45の下流では空調風の流路が2つに分れる。一方はヒーターコア46を通過する流路47であり、流路47を通過する空気はヒーターコア46により加熱され温風となる。他方はヒーターコア46をバイパスする流路48であり、流路48を通過する空気はエバポレータ45を通過したままの冷風である。これら2つの流路47、48の手前にはエアーミックスドア49が設けられ、エアーミックスドア49の開度を調整することで両流路47、48を通過する空気の割合が調節され、空調風の温度が決定される。
【0048】
エアーミックスドア49により温度が調節された空調風は、ベンチレーター50、デフロスター51およびフット吹き出し口52からそれぞれ車室内に吹き出される。吹き出し口50、51、52にはそれぞれベントドア53、デフドア54、フットドア55が設けられ、空調風を吹き出すか否か及び風量を調整できるようになっている。ベンチレーター50はセンターベント50a、リアベント50b、サイドベント50c、ロアベント50dなどの吹き出し口に分岐される。デフロスター51はフロントデフロスター51a、サイドデフロスター51bなどの吹き出し口に分岐される。フット吹き出し口52はフロントフット吹き出し口52a、リアフット吹き出し口52bに分岐される。
【0049】
ところで、図5の車両用エアコン101は車両400に1台配置されることを想定しているが、座席毎又は前席用と後席用など、複数の車両用エアコン101が一台の車両400に搭載されることがある。この場合、図5の車両用エアコン101を座席毎、又は、前席用と後席用に配置してもよいし、例えば、エバポレータ45までを共通に設け、以降の流路(エアーミックスドア49、流路47,48以降)を各席毎に独立に設けてもよい。
【0050】
図3に戻り、設定温度算出部30について説明する。設定温度算出部30は、住居用空調制御装置200から送信された、体感傾向データ、住居用エアコン201の快適設定温度及び環境情報Aに基づき、運転者に快適な設定温度を算出し、更に、車両用エアコン101が複数搭載されている場合は、他の乗員に快適な設定温度を算出する。
【0051】
図6は、車両用エアコン101と住居用エアコン201の設定温度の関係を説明する図である。空調制御装置100には住居500の環境情報Aが送信されているので、住居用エアコン201の環境情報Aと、車両用エアコン101の環境情報Bを比較することで、車両用エアコン101の設定温度を算出することができる。具体的には、例えば、住居用エアコン201の快適設定温度と環境情報Aの関係を、教師信号ありクラスタリング(ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン等)を利用して学習する。ニューラルネットワークを用いる場合、入力層、中間層、出力層の間の結合荷重を、出力層の出力と教師信号とを比較して変化させることで、入力層への様々な入力に対して、教師信号に近い出力が得られるよう学習する。本実施形態では、入力層を「室外温度、室内温度、湿度及び輻射温度」の4端子、中間層を4端子、出力層を1端子とし、教師信号は住居用エアコン201の快適設定温度となる。十分な数の「住居用エアコン201の快適設定温度と、室外温度、室内温度、湿度及び輻射温度」の組み合わせについて結合荷重の修正を繰り返すと、室外温度、室内温度、湿度及び輻射温度から住居用エアコン201の快適設定温度に十分近い値が出力されるニューラルネットワークが得られる。なお、住居用エアコン201の快適設定温度の関係は、住居用空調制御装置200が学習してもよい。
【0052】
図6に示すように、住居用エアコン201の室外温度と車両用エアコン101の室外温度が対応し、住居用エアコン201の室内温度と車両用エアコン101の室内温度が対応し、住居用エアコン201の湿度と車両用エアコン101の湿度が対応する。また、車両400ではボディの輻射温度よりも日射量の方が体感温度への影響が大きいので、住居用エアコン201の輻射温度と車両用エアコン101の日射量が対応するとした。ここで、日射量と輻射温度は物理量が異なるので、予め日射量を温度(以下、日射温度という)に変換しておく。設定温度算出部30は、学習の結果得られた結合加重を、車両用エアコン101の室外温度、室内温度、湿度及び日射温度に適用して車両用エアコン101の設定温度を算出する。
【0053】
車両400の乗員が一人のみ、すなわち運転者のみの場合は、車両用エアコン101は設定温度算出部30が算出した設定温度により車両400の全体を温度制御する。乗員が2名以上の場合、設定温度算出部30は運転者の設定温度を算出し、他の乗員については体感傾向データに応じて風量や風向を調整する(車両用エアコン101が一台の場合)か、又は、他の乗員についても設定温度算出部30が設定温度を算出し、当該乗員の空調環境を制御する(座席毎に車両用エアコン101が配置されている場合)。
【0054】
〔住居用空調制御装置200の動作手順〕
図7は、住居用空調制御装置200が車両400に環境情報A、快適設定温度及び体感傾向データを送信する手順を示すフローチャート図である。図7のフローチャート図は、例えば、住居用エアコン201のスイッチがオンに操作されるとスタートする。
【0055】
体感温度決定部23は、センサ類から環境情報Aを検出する(S110)。すなわち、外気温センサ16により室外温度を、内気温センサ17により室内温度を、湿度センサ18により湿度を、輻射センサ19により輻射温度を、赤外線センサ21により着衣量を、人感センサ22により活動量を、カレンダ装置24により季節及び時刻を、それぞれ取得する。
【0056】
ついで、住居用エアコン201はステップS110で取得した環境情報Aに基づき、住居500における快適設定温度を算出する(S120)。算出方法は例えばニューロやファジイ制御といった公知の方法を用いる。算出した快適設定温度に対し、ユーザは所望の温度を設定することができるので、ユーザが所望の温度を設定すれば設定した温度が図6の快適設定温度になり、ユーザが温度設定しなければ算出した温度が図6の快適設定温度になる。快適設定温度を算出した後は、住居500の空調を開始する。
【0057】
ついで、ユーザ判定部14は、住居500のユーザを識別する(S130)。すなわち、室内カメラ11、携帯電話12及びスマートキー13を利用してユーザを識別する。
【0058】
そして、ユーザ体感温度判定部15は体感傾向を判定する前に、環境情報Aと快適設定温度を環境情報DB20に追加するか否かを判定する(S140)。例えば、ユーザが体調不良のため、既に環境情報DB20に記憶された同程度の環境情報Aに対し、ユーザが設定した快適設定温度が著しく異なる場合、かかる環境情報Aと快適設定温度の組は学習すべきでないので、環境情報DB20に登録しない。また、既に環境情報DB20に記憶された環境情報Aと快適設定温度の組と、今回の環境情報Aと快適設定温度の組が同じ場合、同じ情報を記憶する必要はないので、ユーザ体感温度判定部15は環境情報DB20に登録しない。なお、環境情報Aが従来と著しく異なる値を検出した場合、センサ異常のおそれがあるので、ユーザ体感温度判定部15は環境情報DB20に登録しない。
【0059】
環境情報Aと快適設定温度を環境情報DB20に追加する場合(S140のYes)、ユーザ体感温度判定部15はステップS110で検出した環境情報A、S120で算出した快適設定温度を環境情報DB20に記憶する(S150)。
【0060】
ついで、体感温度決定部23はユーザ毎の体感温度を決定し、ユーザ体感温度判定部15はユーザ毎に体感傾向を判定する(S160)。すなわち、ユーザ毎に暑がりか寒がりか、好ましくは、暑がり度1〜5、寒がり度1〜5を判定する。ユーザ体感温度判定部15は、体感傾向を環境情報DB20に記憶しておく。
【0061】
ついで、ユーザ体感温度判定部15は車両400から送信要求があるか否かを判定する(S170)。送信要求がない場合(S170のNo),ステップS110からの処理を繰り返す。この場合、送信要求があった場合に、体感傾向データ、環境情報A及び快適設定温度を車両400に送信する。
【0062】
送信要求があった場合(S170のYes)、ユーザ体感温度判定部15は体感傾向データ、環境情報A及び快適設定温度を車両400に送信する(S180)。以上のようにして、空調制御装置100は体感傾向データ、環境情報A及び快適設定温度を受信することができる。なお、車両400からの送信要求を待たずに、車両400に体感傾向データ、環境情報A及び快適設定温度を送信してもよい。
【0063】
〔空調制御装置100の動作手順〕
図8は、空調制御装置100がユーザ毎に空調環境を提供する手順を示すフローチャート図である。図8のフローチャート図は例えばイグニッションがオンになるとスタートする。
【0064】
空調制御装置100は通信装置33により住居500の通信装置25と通信可能か否かを判定する(S210)。通信できない場合(S210のNo)、住居500から体感傾向データ、環境情報A及び快適設定温度を受信できないので、ステップS210の判定を繰り返す。
【0065】
通信できた場合(S210のYes)、ユーザ識別部32は着座位置毎にユーザを識別する(S220)。例えば、住居500の住人でないユーザが乗車する場合のように、ユーザが特定できない場合(S220のNo)、そのユーザについては環境情報A、体感傾向データ及び快適設定温度に基づく温度設定を行わない。
【0066】
着座位置毎にユーザが特定された場合(S220のYes)、空調制御部40は通信装置33を介して体感傾向データ、環境情報A及び快適設定温度の送信を住居用空調制御装置200に要求する(S240)。これにより、空調制御装置100は、住居用空調制御装置200から体感傾向データ、環境情報A及び快適設定温度を受信する。
【0067】
ついで、設定温度算出部30は、受信した環境情報A及び快適設定温度に基づき車両400におけるユーザの設定温度を学習する(S250)。
【0068】
ついで、空調制御装置100は乗車したユーザが一人か否かを判定する(S260)。ユーザが一人の場合(S260のYes)、設定温度算出部30は、外気温センサ34が検出する室外温度、内気温センサ35が検出する室内温度、湿度センサ38が検出する湿度、日射センサ37が検出する日射量、を含む環境情報Bから、運転者の設定温度を算出する(S270)。そして、空調制御装置100は算出した設定温度になるようモータ39を制御する(S280)。
【0069】
また、ユーザが一人でない場合(S260のNo)、設定温度算出部30は、運転者となったユーザを特定し、運転者の設定温度を車両400の環境情報Bから算出する(S290)。そして、空調制御装置100は算出した運転席については算出した設定温度になるようモータ39を制御する(S280)。
【0070】
また、他の乗員については、車両用エアコン101が着座位置毎にある場合は各乗員毎に設定温度を算出し、車両用エアコン101が1台しかない場合は体感傾向データに応じて風量及び風向きを制御する(S300)。
【0071】
以上のような処理により、空調制御装置100は、運転者及び他の乗員は車両用エアコ202に温度を設定することなく、車両400の環境情報Bに応じて各乗員にそれぞれ快適な空調環境を提供することができる。
【0072】
〔具体例〕
本実施形態の空調制御システム300により得られる空調環境のパターンについて説明する。
図9(a)は、乗員が一人の場合に提供される空調環境の一例を示す。乗員(運転者)が一人なので、設定温度算出部30は運転者の設定温度を算出しその設定温度になるよう車両用エアコン101を制御する。
【0073】
図9(b)は乗員が二人の場合に提供される空調環境の一例を示す。ユーザCは日当たりの良い部屋にいるため、輻射温度が高くなり体感温度も高くなる。これに対し、ユーザDは日当たりの悪い部屋にいるため、輻射温度が低くなり体感温度も低くなる。この結果、ユーザ体感温度判定部15は、ユーザCはユーザDよりも寒がりと判定している。
【0074】
ユーザCが運転者として、ユーザDが助手席に乗車した場合、空調制御装置100はユーザCの設定温度を算出し、ユーザCに快適な空調環境を提供する。そして、ユーザDの空調環境は、車両用エアコン101が着座位置毎にあるか一台のみかで提供方法が異なる。
・着座位置(助手席)に設定温度による空調が可能な場合
設定温度算出部30はユーザDの設定温度を算出し、空調制御装置100はその設定温度になるよう車両用エアコン101を制御する。
・車両用エアコン101が一台のみの場合
ユーザDはユーザCよりも暑がりなので、暖房運転の場合はユーザCに空調風が当たらないように、空調制御装置100は助手席の風量及び風向きを制御する。また、冷房運転の場合は、空調制御装置100はユーザCに空調風が当たるように風量及び風向きが制御する。
【0075】
図9(c)は、乗員が三人の場合に提供される空調環境の一例を示す。ユーザEは日当たりの良い部屋で活動量が少ないため、同じ部屋で活動量の多いユーザFよりも暑がりと判定される。また、ユーザGは日当たりの悪い部屋に活動量が少ないためユーザEよりも暑がりと判定される。したがって、ユーザEはユーザFよりも暑がりでユーザGよりも寒がりである。
【0076】
ユーザEが運転者として、ユーザFが助手席に、ユーザGが後左席に乗車した場合、空調制御装置100はユーザEの設定温度を算出し、ユーザEに快適な空調環境を提供する。そして、ユーザF、Gの空調環境は車両用エアコン101が着座位置毎にあるか一台のみかで提供方法が異なる。
・着座位置毎に独立した設定温度による空調が可能な場合
設定温度算出部30はユーザF、Gの設定温度を算出しその設定温度になるよう車両用エアコン101を制御する。
・車両用エアコン101が一台のみの場合
ユーザFはユーザEよりも寒がりなので、暖房運転の場合はユーザEに空調風が当たるよう、空調制御装置100は助手席の風量及び風向きを制御する。また、冷房運転の場合は、空調制御装置100はユーザEに空調風が当たらないように風量及び風向きが制御する。
【0077】
また、ユーザGはユーザEよりも暑がりなので、暖房運転の場合はユーザGに空調風が当たらないように、空調制御装置100は助手席の風量及び風向きを制御する。また、冷房運転の場合は、空調制御装置100はユーザGに空調風が当たるように風量及び風向きが制御する。
【0078】
本実施形態の空調制御システム300によれば、車室外の環境が変化してもユーザが温度設定することなく快適な設定温度を算出するので、車両外の環境が変化しても常に快適な空調環境を提供できる。また、ユーザ毎に暑がりや寒がりといった体感傾向を判定するので、車両用エアコン101が1つの設定温度しか制御できない場合でも、体感傾向に応じて風量や風向きを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】車両に搭載された空調制御装置と住居に設置された住居用空調制御装置とを有する空調制御システムの概略を示す図である。
【図2】体感傾向の判定の一例を説明する図である。
【図3】空調制御システムの機能ブロック図の一例である。
【図4】環境情報DBに記憶される情報の一例を示す図である。
【図5】車両用エアコンの概略構成図の一例である。
【図6】車両用エアコンと住居用エアコンの設定温度の関係を説明する図である。
【図7】住居用空調制御装置が車両に環境情報を送信する手順を示すフローチャート図である。
【図8】空調制御装置がユーザ毎に空調環境を提供する手順を示すフローチャート図である。
【図9】空調制御システムにより得られる空調環境のパターンを説明する図である。
【符号の説明】
【0080】
100 空調制御装置
101 車両用エアコン
200 住居用空調制御装置
201 住居用エアコン
300 空調制御システム
400 車両
500 住居

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住居用空調制御装置から取得した情報に基づき車両用空調制御装置が車室を空調する空調制御システムであって、
住居用空調制御装置は、空調に用いる住居内外の住居環境情報を検出する住居環境検出手段と、
住居環境情報に対応する空調設定情報を、住居環境情報と共に記憶する環境情報記憶手段と、
空調設定情報及び住居環境情報を車両に送信する送信手段と、を有し、
車両用空調制御装置は、空調設定情報及び住居環境情報を受信する受信手段と、
空調に用いる車両内外の車両環境情報を検出する車両環境情報検出手段と、
空調設定情報及び住居環境情報に基づき、車両環境情報に対応する車両用空調設定情報を決定する設定情報決定手段と、を有する、
ことを特徴とする空調制御システム。
【請求項2】
住居用空調制御装置は、
住居環境情報に基づき、ユーザ毎に暑がり又は寒がり等の体感傾向を判定する体感傾向判定手段を有し、
車両用空調制御装置は、
運転者には車両用空調設定情報に応じた空調を提供し、
運転者以外の乗員には体感傾向に応じて風向又は風量を制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の空調制御システム。
【請求項3】
前記住居環境検出手段は、室内温度、室外温度、室内湿度、日射量及び着衣量を検出することを特徴とする請求項1又は2記載の空調制御システム。
【請求項4】
車両用空調制御装置は、
着座位置毎にユーザを識別する識別手段を有し、
前記設定情報決定手段は、ユーザの識別情報に対応づけられた空調設定情報及び住居環境情報に基づき、ユーザ毎に、車両環境情報に対応する車両用空調設定情報を決定する、
ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の空調制御システム。
【請求項5】
住居用空調制御装置から取得した情報に基づき車室を空調する車両用空調制御装置であって、
空調に用いる住居内外の住居環境情報、住居環境情報に対応する空調設定情報、を受信する受信手段と、
空調に用いる車両内外の車両環境情報を検出する車両環境情報検出手段と、
空調設定情報及び住居環境情報に基づき、車両環境情報に対応する車両用空調設定情報を決定する設定情報決定手段と、
を有することを特徴とする車両用空調制御装置。
【請求項6】
ユーザを識別する識別手段を有し、
前記設定情報決定手段は、ユーザの識別情報に対応づけられた空調設定情報及び住居環境情報に基づき、ユーザ毎に、車両環境情報に対応する車両用空調設定情報を決定する、
ことを特徴とする請求項5記載の車両用空調制御装置。
【請求項7】
請求項5又は6記載の車両用空調制御装置と、
空調装置の風量を決定するブロアモータ、
空調風と熱交換するエバポレータ、
空調風を加熱するヒータ、
空調風の風向き又は風量を可変にする可動ドア、
を有する車両用空調装置。
【請求項8】
住居用空調制御装置から取得した情報に基づく車両用空調制御装置の空調制御方法であって、
住居用空調制御装置が、空調に用いる住居内外の住居環境情報を検出するステップと、
住居環境情報に対応する空調設定情報を、住居環境情報と共に記憶するステップと、
空調設定情報及び住居環境情報を車両に送信するステップと、
車両用空調制御装置が、空調設定情報及び住居環境情報を受信するステップと、
空調に用いる車両内外の車両環境情報を検出するステップと、
空調設定情報及び住居環境情報に基づき、車両環境情報に対応する車両用空調設定情報を決定するステップと、
ことを特徴とする空調制御方法。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−184549(P2009−184549A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−27428(P2008−27428)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】