説明

空調装置

【課題】室内への微粒子の侵入を抑制し、アレルギー症状を緩和することができるとともに、従来に比べてメンテナンス周期の長期化を図ることのできる空調装置を提供する。
【解決手段】外気導入路1内には、外気用花粉検知センサ5が設けられている。この外気用花粉検知センサ5の検出信号は制御装置6に入力されるようになっている。外気用花粉検知センサ5は、車室外から外気導入路1を通って導入される外気に含まれる花粉を検出する。この外気用花粉検知センサ5によって花粉が検出されると、制御装置6がダンパー4を動作させ、外気導入路1側を閉塞して、内気導入路2側を開放し、内気循環モードとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室外から外気を導入するための外気導入路と、室内から内気を導入して内気循環するための内気導入路とを有する空調装置に係り、特に自動車用として好適な空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、杉花粉等の花粉やその他のダスト、砂埃等の微粒子によりアレルギー症(所謂花粉症等)を示す人が増えつつある。症状としては、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ等があり、例えば、自動車等を運転する際に、このような症状に見舞われると、周囲への注意力が落ち、大変危険な状態となる虞がある。このようなアレルギー症の症状を緩和するためには、車室内への微粒子の侵入を防ぎ、かつ、車室内の微粒子の量を減少させる必要がある。このため、従来から、空調装置にフィルターを設置し、花粉等の微粒子の除去を行うことが行われている。
【0003】
また、上記のようなフィルターの早期の劣化を防ぐため、内気と外気に含まれる微粒子の径の差(内気には粒子径の小さな微粒子が多く含まれ、外気には粒子径の大きな微粒子が多く含まれる。)に着目し、内気導入口には粒子径の小さな微粒子を捕捉し易いフィルターを設置し、外気導入口には粒子径の大きな微粒子を捕捉し易いフィルターを設置する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、自動車用の空調装置において、外気に含まれるCO,HC,NOxといった排気ガスの濃度をガスセンサによって検知し、外気に排気ガスが多く含まれている場合は、自動的に空調装置のダンパーを切り替えて外気導入から内気循環とする技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平8−188046号公報
【特許文献2】特開昭58−177708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の技術のうち、内気導入口には粒子径の小さな微粒子を捕捉し易いフィルターを設置し、外気導入口には粒子径の大きな微粒子を捕捉し易いフィルターを設置する技術では、吸気は常時いずれかのフィルターを通過するため、空調装置の使用時間に応じてフィルターが劣化することは避けられない。このため、フィルター寿命が短期化し、その交換等のメンテナンスを頻繁に行う必要がある。
【0006】
また、外気に含まれる排気ガスの濃度をガスセンサによって検知し、外気に排気ガスが多く含まれている場合は、自動的に空調装置のダンパーを切り替えて内気循環とする技術では、車室内への排気ガスの侵入は抑制できるものの、車室内への花粉等の微粒子の侵入を抑制することはできず、アレルギー症状によって運転者が運転に適さない危険な状態となることを防止することはできない。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。本発明は、室内への微粒子の侵入を抑制し、アレルギー症状を緩和することができるとともに、従来に比べてメンテナンス周期の長期化を図ることのできる空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の空調装置は、空気流を形成して室内の空調を行う空調装置であって、室外から外気を導入するための外気導入路と、室内から内気を導入して内気循環するための内気導入路と、前記外気導入路と前記内気導入路とを切り替える導入路切替機構と、室外から外気とともに侵入する微粒子を検出するための外気用微粒子検知センサと、前記外気導入路から外気を導入している際に、前記外気用微粒子検知センサによって微粒子が検出されると、前記導入路切替機構を制御して、前記内気導入路による内気導入に切り替える制御装置とを具備したことを特徴とする。
【0009】
上記構成の空調装置では、外気導入路から外気を導入している際に、外気用微粒子検知センサによって微粒子が検出されると、制御装置が導入路切替機構を制御して、内気導入路による内気導入に切り替える。これによって、室内に外気とともに花粉等の微粒子が導入されることを防止することができ、運転者等が花粉等の微粒子の影響によってアレルギー症状を悪化させて、運転に適さない危険な状態となる可能性を低減することができる。また、微粒子を除去するフィルターを用いることなく、室外から微粒子が室内に導入されることを防止することができるので、フィルター交換によってメンテナンス周期が短期化することがない。
【0010】
上記の空調装置では、さらに、前記内気導入路により室内から内気を導入して内気循環する流路に設けられた微粒子を除去するための内気導入路用フィルターと、前記内気導入路により室内から内気を導入して内気循環する流路に設けられた内気用微粒子検知センサと、前記内気導入路用フィルターを通る流路と通らない流路とを切り替えるための内気導入路用流路切替機構とを具備し、前記制御装置は、前記内気導入路により室内から内気を導入して内気循環し、かつ、前記内気導入路用フィルターを通らない流路を使用している際に、前記内気用微粒子検知センサによって微粒子が検出されると、前記内気導入路用流路切替機構を制御して、前記内気導入路用フィルターを通る流路に切り替える構成とすることができる。これによって、室内に花粉等の微粒子が侵入してしまった場合においても、その内気に含まれる花粉等の微粒子の量を減少させることができる。また、内気に花粉等の微粒子が含まれていない場合は、内気導入路用フィルターを通らない流路を使用することにより、フィルターを常時使用する場合に比べてフィルター寿命を長期化することができ、従来に比べてメンテナンス周期の長期化を図ることができる。
【0011】
本発明の他の空調装置は、空気流を形成して室内の空調を行う空調装置であって、室外から外気を導入するための外気導入路と、室内から内気を導入して内気循環するための内気導入路と、前記外気導入路と前記内気導入路とを切り替える導入路切替機構と、室内の微粒子を検出するための室内用微粒子検知センサと、前記内気導入路により室内から内気を導入して内気循環する流路に設けられた微粒子を除去するための内気導入路用フィルターと、前記内気導入路用フィルターを通る流路と通らない流路とを切り替えるための内気導入路用流路切替機構と、前記外気導入路から外気を導入している際に、前記室内用微粒子検知センサによって微粒子が検出されると、前記導入路切替機構を制御して、前記内気導入路による内気導入に切り替えるとともに、前記内気導入路用流路切替機構を制御して、前記内気導入路用フィルターを通る流路に切り替える制御装置とを具備したことを特徴とする。
【0012】
上記構成の空調装置では、前述した空調装置と同様な効果を奏することができるとともに、例えば、空調装置以外の部分から室内に微粒子が侵入したような場合でも、室内用微粒子検知センサによって検出される室内の微粒子の有無によって、より迅速に室内の微粒子の除去を図ることが可能となる。
【0013】
本発明の他の空調装置は、空気流を形成して室内の空調を行う空調装置であって、室外から外気を導入するための外気導入路と、室内から内気を導入して内気循環するための内気導入路と、前記外気導入路と前記内気導入路とを切り替える導入路切替機構と、室外から外気とともに侵入する微粒子を検出するための外気用第1微粒子検知センサと、前記外気導入路の前記外気用第1微粒子検知センサの上流側に設けられた微粒子を除去するための外気導入路用フィルターと、前記外気導入路用フィルターのさらに上流側に設けられた外気用第2微粒子検知センサと、前記外気導入路用フィルターを通る流路と通らない流路とを切り替えるための外気導入路用流路切替機構と、前記外気導入路から外気を導入し、かつ、前記外気導入路用フィルターを通らない流路を使用している際に、前記外気用第2微粒子検知センサによって微粒子が検出されると、前記外気導入路用流路切替機構を制御して、前記外気導入路用フィルターを通る流路に切り替え、この状態で、前記外気用第1微粒子検知センサによって微粒子が検出されると、前記導入路切替機構を制御して、前記内気導入路による内気導入に切り替える制御装置とを具備したことを特徴とする。
【0014】
上記構成の本発明の空調装置では、外気からの微粒子の侵入を、外気導入路用フィルターによる除去と、外気導入路用フィルターで除去できない場合における内気循環モードへの切り替えとの2段階で防止するようになっている。したがって、外気導入路用フィルターでは除去しきれない微細な花粉等の微粒子が存在するような場合でも、その侵入を防止することができる。また、外気に微粒子が含まれていない場合は、外気導入路用フィルターを通らない流路を使用することにより、フィルターを常時使用する場合に比べてフィルター寿命を長期化することができ、従来に比べてメンテナンス周期の長期化を図ることができる
【0015】
上記の各空調装置では、室外から外気とともに侵入する内燃機関から排出される排気ガスの濃度を検出するための排気ガス検知センサを具備し、前記制御装置は、前記外気導入路から外気を導入している際に、前記排気ガス検知センサによって排気ガスの濃度が高くなっていることが検出されると、前記導入路切替機構を制御して、前記内気導入路による内気導入に切り替える構成とすることができる。このような構成とすれば、微粒子に加えて自動車等の内燃機関から排出される排気ガスの室内への侵入も防止することができる。
【0016】
また、上記の各空調装置では、室外から外気とともに侵入する臭気ガスの濃度を検出するための臭い検知センサを具備し、前記制御装置は、前記外気導入路から外気を導入している際に、前記臭い検知センサによって臭気ガスの濃度が高くなっていることが検出されると、前記導入路切替機構を制御して、前記内気導入路による内気導入に切り替える構成とすることができる。このような構成とすれば、微粒子に加えてNH3等の臭気ガスの室内への侵入も防止することができる。
【0017】
さらに、上記の各空調装置では、前記微粒子検知センサを、花粉と花粉以外の微粒子とを識別して花粉を選択的に検知する構成とすることができる。このような構成とすれば、特に花粉によるアレルギー症状を緩和することができるとともに、フィルターの劣化をさらに抑制することができ、メンテナンス周期の長期化を図ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、室内への微粒子の侵入を抑制し、アレルギー症状を緩和することができるとともに、従来に比べてメンテナンス周期の長期化を図ることのできる空調装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の詳細を、実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明を自動車用の空調装置に適用した第1の実施形態に係る空調装置の要部構成を模式的に示すものである。図1に示すように、空調装置100には、外気導入口から車室外からの外気を導入するための外気導入路1と、内気導入口から車室内からの内気を導入して内気循環するための内気導入路2が設けられている。これらの外気導入路1と内気導入路2は、空気流路3に接続されている。
【0020】
上記空気流路3の空気流における下流側には、図示しないファン及びエバポレータが設けられている。そして、このファンが回転することにより、空気流が形成され、この空気がエバポレータと接触して熱交換することによって温度調節されて車室内に吐出されるようになっている。
【0021】
上記の外気導入路1と内気導入路2が合流する部位には、外気導入路1と内気導入路2とを切り替えるための導入路切替機構としてダンパー4が設けられている。このダンパー4によって、外気導入路1側が開放され、内気導入路2側が閉塞されると、車室外からの外気を導入して空調し、車室内に導入する外気導入モードとなる。一方、ダンパー4によって、外気導入路1側が閉塞され、内気導入路2側が開放されると、車室内から内気を導入して空調する内気循環モードとなる。
【0022】
上記外気導入路1内には、微粒子センサとして、花粉と他の微粒子とを識別して花粉のみを選択的に検知する外気用花粉検知センサ5が設けられている。この外気用花粉検知センサ5の検出信号は制御装置6に入力されるようになっており、制御装置6は、この外気用花粉検知センサ5の検出信号に基づいて、ダンパー4の開閉動作を制御するようになっている。すなわち、外気用花粉検知センサ5は、上記した外気導入モードにおいて、車室外から外気導入路1を通って導入される外気に含まれる花粉を検出する。そして、この外気用花粉検知センサ5によって花粉が検出されると、制御装置6がダンパー4を動作させ、外気導入路1側を閉塞して、内気導入路2側を開放し、内気循環モードとする。これによって、車室内に外気とともに花粉が導入されることを防止することができ、運転者等が花粉の影響によって花粉症の症状を悪化させて、運転に適さない危険な状態となる可能性を低減することができる。
【0023】
また、上記の実施形態の場合、基本的には花粉を除去するフィルターを用いることなく、車室外から花粉が車室内に導入されることを防止することができるので、フィルター交換を行う必要がなく、従来に比べてメンテナンス周期の長期化を図ることができる。
【0024】
なお、外気用花粉検知センサ5(以下に示す他の花粉検知センサも同じ。)としては、例えば、花粉が存在する場合、照射された光により生じる散乱光の強度から花粉量を定量する公知の光学式の花粉検知センサ等を用いることができる。また、上記の説明において、外気用花粉検知センサ5(以下に示す他の花粉検知センサについても同じ。)によって花粉が検知された場合とは、極微量の花粉が検知された場合の他、花粉検知センサの検出精度や花粉症の症状を悪化させない程度の花粉量等を考慮して、予め設定した一定量以上の花粉が検出された場合のことを含んでいる。
【0025】
次に、図2を参照して第2の実施形態について説明する。図2に示されるように、第2の実施形態の空調装置200は、内気導入路2内に、内気用花粉検知センサ7が設けられている。また、内気導入路2内にはフィルター8が設けられており、このフィルター8の部分には、ダンパー9が設けられている。このダンパー9は、内気導入路2内に導入された車室内の内気が通る流路を、フィルター8を通る流路と、フィルター8を通らない流路とに切り替えるための切り替え機構として作用する。なお、図1に示した第1の実施形態にかかる空調装置100と対応する部分には、同一の符号を付して重複した説明は省略する。
【0026】
上記構成の空調装置200では、前述したように、外気導入モード時に、外気用花粉検知センサ5によって花粉が検知されると、制御装置6がダンパー4を切り替えて内気循環モードとする点は前述した空調装置100と同様である。そして、空調装置200では、この内気循環モードにおいて、制御装置6は、通常時(内気用花粉検知センサ7によって花粉が検知されない場合)は、ダンパー9をフィルター8を通らない流路が使用されるように設定し、内気用花粉検知センサ7によって、車室内から導入した内気中に花粉が含まれていることが検出されると、この検出信号に基づいて、制御装置6がダンパー9を切り替えてフィルター8を通る流路を使用して、内気に含まれる花粉を除去するようになっている。
【0027】
上記のように、空調装置200では、車室内に花粉が侵入してしまった場合においても、その内気に含まれる花粉の量を減少させることができる。したがって、運転者等が花粉の影響によって花粉症の症状を悪化させて、運転に適さない危険な状態となる可能性をより低減することができる。また、内気に花粉が含まれていない場合は、ダンパー9によって、フィルター8を通らない流路に設定することにより、フィルターを常時使用する場合に比べてフィルター寿命を長期化することができ、従来に比べてメンテナンス周期の長期化を図ることができる。
【0028】
次に、図3を参照して第3の実施形態について説明する。図3に示されるように、第3の実施形態の空調装置300では、車室10内に、室内用花粉検知センサ11が設けられている。なお、図1に示した第1の実施形態にかかる空調装置100、図2に示した第2の実施形態にかかる空調装置200と対応する部分には、同一の符号を付して重複した説明は省略する。
【0029】
この第3の実施形態の空調装置300では、外気導入モード時に、室内用花粉検知センサ11によって花粉が検知されると、制御装置6は、ダンパー4を切り替えて内気循環モードとする。さらに、制御装置6は、内気循環モードにおいて、通常時(室内用花粉検知センサ11によって花粉が検知されない場合)はダンパー9によって、フィルター8を通らない流路を使用するように設定する。そして、内気循環モードにおいて、室内用花粉検知センサ11によって、車室10内の内気中に花粉が含まれていることが検出されると、この検出信号に基づいて、制御装置6がダンパー9を切り替えてフィルター8を通る流路を使用し、内気に含まれる花粉を除去するようになっている。
【0030】
上記の空調装置300では、前述した空調装置200と同様な効果を奏することができるとともに、空調装置300以外の部分、例えば、ドアーの開閉等によってドアー部分から車室10内に花粉が侵入したような場合、室内用花粉検知センサ11によって検出される車室10内の花粉の有無によって、より的確なタイミングでダンパー4及びダンパー9を制御することができ、車室10内に侵入した花粉の迅速な除去を図ることが可能となる。
【0031】
次に、図4を参照して第4の実施形態について説明する。図4に示されるように、第4の実施形態の空調装置400では、外気導入路1内の外気用花粉検知センサ(外気用第1花粉検知センサ)5の上流側にフィルター12及びダンパー13が設けられている。さらに、これらのフィルター12及びダンパー13の上流側に外気用花粉検知センサ(外気用第2花粉検知センサ)14が設けられている。なお、図1に示した第1の実施形態にかかる空調装置100と対応する部分には、同一の符号を付して重複した説明は省略する。
【0032】
上記構成の空調装置400では、外気導入モード時において、制御装置6は、通常時(外気用花粉検知センサ5,14によって花粉が検知されない場合)はダンパー13によって、導入された外気がフィルター12を通らない流路に設定する。そして、この状態で外気用花粉検知センサ14によって花粉が検出されると、制御装置6によってダンパー13が制御され、フィルター12を通る流路に設定される。さらに、この状態で、フィルター12の下流側に設けられた外気用花粉検知センサ5によって花粉が検出されると、制御装置6によってダンパー4が制御され、内気循環モードに設定される。
【0033】
上記の空調装置400では、外気からの花粉の侵入を、フィルター12による除去と、フィルター12で除去できない場合における内気循環モードへの切り替えとの2段階で防止するようになっている。したがって、フィルター12では除去しきれないような微細な花粉が存在するような場合でも、その侵入を防止することができる。また、外気に花粉が含まれていない場合は、ダンパー13によって、フィルター12を通らない流路に設定されているため、フィルターを常時使用する場合に比べてフィルター寿命を長期化することができ、従来に比べてメンテナンス周期の長期化を図ることができる。
【0034】
次に、図5を参照して第5の実施形態について説明する。この第5の実施形態の空調装置500は、図1に示した第1の実施形態の空調装置100において、外気導入路1内に、外気用花粉検知センサ5に加えて、排気ガスの濃度を検知するための排気ガス検知センサ15、臭気ガスの濃度を検知するための臭い検知センサ16を設けたものである。そして、これらの花粉検知センサ5、排気ガス検知センサ15、臭い検知センサ16の検出信号は、制御装置6に入力されるようになっており、制御装置6は、これらの外気用花粉検知センサ5、排気ガス検知センサ15、臭い検知センサ16の検出信号に基づいて、ダンパー4の開閉動作を制御するようになっている。なお、図1に示した第1の実施形態の空調装置100と対応する部分には、同一の符号を付して重複した説明は省略する。
【0035】
上記構成の空調装置500では、外気導入モードにおいて、外気用花粉検知センサ5によって花粉が検知された場合は、前述した空調装置100の場合と同様に、制御装置6がダンパー4を動作させ、外気導入路1側を閉塞して、内気導入路2側を開放し、内気循環モードとすることによって、車室内に外気とともに花粉が導入されることを防止することができる。これに加えて、排気ガス検知センサ15、臭い検知センサ16によって排気ガスや臭気ガスの濃度が高くなっていることが検知された場合についても、制御装置6がダンパー4を動作させ、内気循環モードとする。これによって、車室内に外気とともに排気ガスや、臭気ガスが導入されることを防止することができる。なお、上記の説明では、排気ガス検知センサ15と臭い検知センサ16を設けた場合について説明したが、これらの排気ガス検知センサ15と臭い検知センサ16は、いずれか一方のみとしても良い。
【0036】
次に、図6を参照して第6の実施形態について説明する。この第6の実施形態の空調装置600は、図2に示した第2の実施形態の空調装置200において、外気導入路1内に設けられた外気用花粉検知センサ5に加えて、排気ガスの濃度を検知するための排気ガス検知センサ15、臭気ガスの濃度を検知するための臭い検知センサ16を設けたものである。そして、これらの花粉検知センサ5、排気ガス検知センサ15、臭い検知センサ16の検出信号は、制御装置6に入力されるようになっており、制御装置6は、これらの外気用花粉検知センサ5、排気ガス検知センサ15、臭い検知センサ16の検出信号に基づいて、ダンパー4の開閉動作を制御するようになっている。なお、図2に示した第2の実施形態の空調装置200と対応する部分には、同一の符号を付して重複した説明は省略する。
【0037】
上記構成の空調装置600では、外気導入モードにおいて、外気用花粉検知センサ5によって花粉が検知された場合は、前述した空調装置200の場合と同様に、制御装置6がダンパー4を動作させ、外気導入路1側を閉塞して、内気導入路2側を開放し、内気循環モードとすることによって、車室内に外気とともに花粉が導入されることを防止することができる。これに加えて、排気ガス検知センサ15、臭い検知センサ16によって排気ガスや臭気ガスの濃度が高くなっていることが検知された場合についても、制御装置6がダンパー4を動作させ、内気循環モードとする。これによって、車室内に外気とともに排気ガスや、臭気ガスが導入されることを防止することができる。なお、上記の説明では、排気ガス検知センサ15と臭い検知センサ16を設けた場合について説明したが、これらの排気ガス検知センサ15と臭い検知センサ16は、いずれか一方のみとしても良い。
【0038】
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。例えば、上記の各実施形態では、花粉検知センサを用いた場合について説明したが、花粉以外の微粒子も検出する微粒子検知センサを用いて、花粉とともに、花粉以外のダストや砂埃等の車室内への侵入を防止する構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る空調装置の要部概略構成を模式的に示す図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る空調装置の要部概略構成を模式的に示す図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る空調装置の要部概略構成を模式的に示す図。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る空調装置の要部概略構成を模式的に示す図。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る空調装置の要部概略構成を模式的に示す図。
【図6】本発明の第6の実施形態に係る空調装置の要部概略構成を模式的に示す図。
【符号の説明】
【0040】
1……外気導入路、2……内気導入路、3……空気導入路、4……ダンパー、5……外気用花粉検知センサ、6……制御装置、100……空調装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気流を形成して室内の空調を行う空調装置であって、
室外から外気を導入するための外気導入路と、
室内から内気を導入して内気循環するための内気導入路と、
前記外気導入路と前記内気導入路とを切り替える導入路切替機構と、
室外から外気とともに侵入する微粒子を検出するための外気用微粒子検知センサと、
前記外気導入路から外気を導入している際に、前記外気用微粒子検知センサによって微粒子が検出されると、前記導入路切替機構を制御して、前記内気導入路による内気導入に切り替える制御装置と
を具備したことを特徴とする空調装置。
【請求項2】
請求項1記載の空調装置であって、
前記内気導入路により室内から内気を導入して内気循環する流路に設けられた微粒子を除去するための内気導入路用フィルターと、
前記内気導入路により室内から内気を導入して内気循環する流路に設けられた内気用微粒子検知センサと、
前記内気導入路用フィルターを通る流路と通らない流路とを切り替えるための内気導入路用流路切替機構とを具備し、
前記制御装置は、前記内気導入路により室内から内気を導入して内気循環し、かつ、前記内気導入路用フィルターを通らない流路を使用している際に、前記内気用微粒子検知センサによって微粒子が検出されると、前記内気導入路用流路切替機構を制御して、前記内気導入路用フィルターを通る流路に切り替える
ことを特徴とする空調装置。
【請求項3】
空気流を形成して室内の空調を行う空調装置であって、
室外から外気を導入するための外気導入路と、
室内から内気を導入して内気循環するための内気導入路と、
前記外気導入路と前記内気導入路とを切り替える導入路切替機構と、
室内の微粒子を検出するための室内用微粒子検知センサと、
前記内気導入路により室内から内気を導入して内気循環する流路に設けられた微粒子を除去するための内気導入路用フィルターと、
前記内気導入路用フィルターを通る流路と通らない流路とを切り替えるための内気導入路用流路切替機構と、
前記外気導入路から外気を導入している際に、前記室内用微粒子検知センサによって微粒子が検出されると、前記導入路切替機構を制御して、前記内気導入路による内気導入に切り替えるとともに、前記内気導入路用流路切替機構を制御して、前記内気導入路用フィルターを通る流路に切り替える制御装置と
を具備したことを特徴とする空調装置。
【請求項4】
空気流を形成して室内の空調を行う空調装置であって、
室外から外気を導入するための外気導入路と、
室内から内気を導入して内気循環するための内気導入路と、
前記外気導入路と前記内気導入路とを切り替える導入路切替機構と、
室外から外気とともに侵入する微粒子を検出するための外気用第1微粒子検知センサと、
前記外気導入路の前記外気用第1微粒子検知センサの上流側に設けられた微粒子を除去するための外気導入路用フィルターと、
前記外気導入路用フィルターのさらに上流側に設けられた外気用第2微粒子検知センサと、
前記外気導入路用フィルターを通る流路と通らない流路とを切り替えるための外気導入路用流路切替機構と、
前記外気導入路から外気を導入し、かつ、前記外気導入路用フィルターを通らない流路を使用している際に、前記外気用第2微粒子検知センサによって微粒子が検出されると、前記外気導入路用流路切替機構を制御して、前記外気導入路用フィルターを通る流路に切り替え、この状態で、前記外気用第1微粒子検知センサによって微粒子が検出されると、前記導入路切替機構を制御して、前記内気導入路による内気導入に切り替える制御装置と
を具備したことを特徴とする空調装置。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか1項記載の空調装置であって、
室外から外気とともに侵入する内燃機関から排出される排気ガスの濃度を検出するための排気ガス検知センサを具備し、
前記制御装置は、前記外気導入路から外気を導入している際に、前記排気ガス検知センサによって排気ガスの濃度が高くなっていることが検出されると、前記導入路切替機構を制御して、前記内気導入路による内気導入に切り替えることを特徴とする空調装置。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか1項記載の空調装置であって、
室外から外気とともに侵入する臭気ガスの濃度を検出するための臭い検知センサを具備し、
前記制御装置は、前記外気導入路から外気を導入している際に、前記臭い検知センサによって臭気ガスの濃度が高くなっていることが検出されると、前記導入路切替機構を制御して、前記内気導入路による内気導入に切り替えることを特徴とする空調装置。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか1項記載の空調装置であって、
前記微粒子検知センサが、花粉と花粉以外の微粒子とを識別して花粉を選択的に検知することを特徴とする空調装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate