説明

空間内放射線量測定システム

【課題】所定の空間内において放射線量の変化が大きい位置を正確に特定することを実現した空間内放射線量測定システムを提供する。
【解決手段】所定の空間における放射線量を検出する放射線量検出ユニット1A、1B、1Cと、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cによる検出結果に基づいて、所定の空間において一定以上の放射線量の変化が検出された位置を特定する情報処理装置2とを有する空間内放射線量測定システムであって、情報処理装置2は、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cによる検出結果に基づいて、所定の空間における放射線量分布データを取得し、所定の空間内における放射線量の分布が正常である場合の比較用分布データと、放射線量分布データとを比較して一定以上の放射線量の変化が検出された位置を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、原子炉格納容器内の放射線量を検出し、異常の有無の判別及び異常箇所の特定を行う空間内放射線量測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来における、原子炉格納容器内の異常を検出する技術として、例えば、特許文献1記載の技術がある。この技術によれば、原子炉の運転中に発生するオフガスを測定し、オフガスの測定結果に基づいて燃料棒の破損を検出している。また、特許文献1には、燃料棒の破損を検出した場合、原子炉格納容器の炉水中のセシウム137、セシウム136及びセシウム138の放射能強度の測定結果に基づいて、破損した燃料棒以外の燃料棒が破損したか否かを判定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−241510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現状、原子力発電所運転中に燃料棒の破損が発生した場合、主蒸気モニタ、高感度オフガスモニタ等の放射線測定装置にて燃料棒の破損を検出している。しかし、放射線測定装置の測定結果から、燃料棒の破損が発生したことについて判別することは可能であるが、どの燃料棒が破損しているかまで判別することは困難である。このため、どの燃料棒が破損しているかを判別するためには、原子力発電所の運転出力を降下させ、PSTと呼ばれる試験を実施する必要がある。
【0005】
しかし、原子力発電所において運転出力を降下させる場合には、その理由を説明しなければならない。このために、原子力発電所に事故が発生したと疑われるおそれがあり、これによる社会的影響が大きく、さらに、電力の供給量が低下することによる金銭的損失が大きい。
【0006】
また、主要な原子炉機器を包み込む鋼鉄製の格納容器(ドライウエルともいう)内にて炉水等が漏洩した場合も同様であり、ドライウエル機器ドレンあるいは床ドレンの発生量、ドライウエル内冷却機チラードレンの発生量、ドライウエル漏洩検出モニタ指示値、格納容器露点計指示値等から総合的に判断することによって漏洩した事実は判別できる。しかし、どこから炉水が漏洩しているかについては、原子炉を停止し、作業員が格納容器内に立入って捜索、目視確認する必要(捜索には相当の人員と時間が必要)がある。このため、社会的影響、金銭的損失が大きい。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決し、所定の空間内において放射線量の変化が大きい位置を正確に特定することを実現した空間内放射線量測定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記目的を達成するため、次に記載する構成を備えている。
【0009】
(1) 所定の空間における放射線量を検出する放射線量検出装置と、当該放射線量検出装置による検出結果に基づいて、所定の空間において一定以上の放射線量の変化が検出された位置を特定する情報処理装置とを有する空間内放射線量測定システムであって、前記情報処理装置は、前記放射線量検出装置における測定対象箇所の位置のデータと当該位置の放射線量のデータからなる放射線量分布データを取得し、所定の空間内における放射線量の分布が正常である場合の比較用分布データと、前記放射線量の放射線量分布データとを比較し、所定の空間において一定以上の放射線量の変化が検出された位置を特定することを特徴とする空間内放射線量測定システム。
【0010】
(1)によれば、放射線量検出装置が所定の空間内の放射線量を検出し、情報処理装置は、放射線量検出装置の検出結果に基づいて所定の空間における放射線量の分布を求める。そして、所定の空間における放射線量の分布と、予め用意した正常時における放射線量の分布とを比較することにより、所定の空間内において放射線量が一定量以上変化した空間位置を特定することが可能になる。これにより、放射線量が多い環境下の空間において、作業員が直接赴くことなく、放射線量の変化が大きい位置を正確に特定することが可能になる。
【0011】
(2) 前記放射線量検出装置は、少なくとも3つの放射線量検出手段を有し、当該放射線量検出手段は、一定の距離を空けて設置された2つの検出部を有し、当該検出部は、NaI検出器と、放射線を遮蔽する部材からなり前記NaI検出器を覆う遮蔽体と、当該遮蔽体に設けられ、放射線をコリメートして前記NaI検出器に入射させるコリメータと、前記遮蔽体及び前記NaI検出器を駆動して前記NaI検出器による放射線の検出方向を変える駆動手段とを有し、前記情報処理装置は、前記2つの検出部の検出結果が一致したときの、各NaI検出器の相互の角度、前記コリメータにおけるコリメートの角度、前記一定の距離に基づいて、前記放射線量検出手段から前記測定対象箇所までの距離を求め、前記測定対象箇所の位置を前記3つの放射線検出手段からの距離によって特定し、前記3つの放射線検出手段によって検出された放射線量に基づいて、前記測定対象箇所の放射線量を特定し、前記3つの放射線検出手段からの距離によって特定された位置と前記放射線量とを関連付けて前記放射線量分布データを作成することを特徴とする空間内放射線量測定システム。
【0012】
(2)によれば、放射線量検出装置は、少なくとも3つの放射線検出手段を有しており、これら3つの放射線検出手段がそれぞれ異なる位置から放射線量を検出し、情報処理装置は、各放射線検出手段の検出結果に基づいて、放射線量の分布データを作成する。ここで、所定空間における測定対象箇所が、3つの放射線検出手段から測定対象箇所までの距離によって特定される。これにより、3つの放射線検出手段による放射線量の測定対象箇所を、同一の座標系によって表すことが可能になり、放射線量の変化が大きい位置を正確に特定することが可能になる。
【0013】
(3) (1)、(2)において、前記分布データを記憶する記憶手段を有し、前記情報処理装置は、所定時間毎に、前記分布データを作成して前記記憶手段に累積記憶することを特徴とする空間内放射線量測定システム。
【0014】
(3)によれば、放射線量の経時的な推移を把握することが可能になる。
【0015】
(4) (1)〜(3)において、所定の空間は、原子炉格納容器の内部空間であることを特徴とする空間内放射線量測定システム。
【0016】
(4)によれば、放射線量検出装置が原子炉格納容器の内部空間という、放射線が大量に発生する機器を収容している空間内において、燃料棒の破損や炉水漏れといった異常が発生した可能性がある場所に、作業員が直接赴くことなく、異常の有無の判定及び異常箇所の特定を行うことが可能になる。
【0017】
(5) (1)〜(3)において、所定の空間は、大気中において雲が形成されている空間であることを特徴とする空間内放射線量測定システム。
【0018】
(5)によれば、放射線量検出装置によって、積乱雲の内部に発生する放射線量及び位置を地上において検出することが可能になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、所定の空間内において放射線量の変化が大きい位置を正確に特定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態における空間内放射線量測定システムの概要を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態における空間内放射線量測定システムの構成を示すブロック図である。
【図3】検出器Aの構成を示すブロック図である。
【図4】第1NaI検出器及び第2NaI検出器の動作を示す図である。
【図5】本発明の空間内放射線量測定システムを、原子炉格納容器の内部空間における放射線量の測定に適用した図である。
【図6】本発明の空間内放射線量測定システムを、大気中において雷雲(積乱雲)が発生した空間における放射線量の測定に適用した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
[空間内放射線量測定システムの概要]
図1は、本発明の一実施形態における空間内放射線量測定システムの概要を示す説明図である。空間内放射線量測定システムは、3つの放射線量検出ユニット1A、1B、1Cからなる放射線量検出装置1と、空間内放射線量測定システム全体を制御する情報処理装置2と、表示装置3とによって構成される。
【0023】
放射線量検出ユニット1A、1B、1Cは、それぞれ同じ空間における所定の空間位置の放射線量を測定する検出器A、B、Cを備えている。検出器A、検出器B、検出器Cは、正三角形の頂点の位置に配置されている。
【0024】
情報処理装置2は、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cの放射線量の検出結果に基づいて、異常な放射線量が発生している箇所の有無や、発生箇所の特定等を行うものである。
【0025】
表示装置3は、情報処理装置2によって特定された、異常な放射線量が発生している箇所を、所定空間の図面に重ね合わせて視覚的に表示するものである。
【0026】
3つの放射線量検出ユニット1A、1B、1Cは、それぞれ所定空間において測定対象箇所を変えながら、測定対象箇所における放射線量を検出して、測定対象箇所の空間位置を特定するための情報と放射線量の検出結果を情報処理装置2に送信する。すなわち、3系統の測定対象箇所の空間位置を特定するためのデータと放射線量のデータが情報処理装置2に送信されることになる。
【0027】
情報処理装置2は、3つの放射線量検出ユニット1A、1B、1Cからの情報に基づいて、3つの放射線量検出ユニット1A、1B、1Cにおける同一の測定対象箇所の位置を、距離a、距離b、距離cによって特定する。さらに、3つの放射線量検出ユニット1A、1B、1Cが検出した放射線量に基づいて、同一の測定対象箇所における放射線量を求める。そして、距離a、距離b、距離cによって特定された位置のデータに、同一の測定対象箇所における放射線量のデータを対応付けて、所定空間における放射線量の分布データを作成する。
【0028】
また情報処理装置2は、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cの測定結果に基づく現時点の放射線量の分布データと、予め用意した正常時における放射線量の分布データとを比較することにより、異常な放射線量の箇所があるか否かを判別する。すなわち、一定量以上の放射線量の変化が検出された箇所の有無を判別する。
【0029】
情報処理装置2は、異常な放射線量の箇所があると判別した場合には、異常な放射線量の箇所の位置情報を分布データから割り出し、この位置情報、すなわち距離a、距離b、距離cに基づいて、異常な放射線の発生箇所が分かるように表示装置3に表示させる画像を作成する。
【0030】
例えば、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cが原子炉格納容器に配置されている場合には、異常な放射線量の発生箇所を示す画像を、格納容器内機器配置図に重ね合わせることで、異常量の放射線の発生箇所がわかりやすく表示される。これにより、例えば、原子炉格納容器において、燃料棒の破損や炉水漏洩があった場合に、燃料棒の破損箇所又は漏洩箇所が視覚的に分かるようになる。
【0031】
次に、本実施形態の空間内放射線量測定システムについて、図2、図3を用いてより詳細に説明する。
【0032】
[空間内放射線量測定システムの構成]
図2は、空間内放射線量測定システムの構成を示すブロック図である。空間内放射線量測定システムは、前述したように、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cからなる放射線量検出装置1と、情報処理装置2と、表示装置3とによって構成されている。
【0033】
放射線量検出ユニット1Aに備えられている検出器Aには、第1検出部11a及び第2検出部11bが備えられている。また、放射線量検出ユニット1Aには、検出器Aの他に、第1プリアンプ12a、第2プリアンプ12b、第1マルチチャンネルアナライザ(以下、第1MCAと称する)13a、第2マルチチャンネルアナライザ(以下、第2MCAと称する)13b、検出器駆動制御装置14、位置検出装置15が備えられている。
【0034】
第1プリアンプ12aは、第1検出部11aの出力信号を増幅して第1MCA13aに送信するものである。
第2プリアンプ12bは、第2検出部11bの出力信号を増幅して第2MCA13bに送信するものである。
【0035】
第1MCA13aは、第1検出部11aから送り出される放射線のエネルギーに対応したいろいろな高さの出力信号を、高さ別にいくつものチャンネルに分けて同時に測定するものである。この測定結果はMCA測定データ処理装置40に送信される。
第2MCA13bは、第2検出部11bから送り出される放射線のエネルギーに対応したいろいろな高さの出力信号を、高さ別にいくつものチャンネルに分けて同時に測定するものである。この測定結果はMCA測定データ処理装置40に送信される。
【0036】
検出器駆動制御装置14は、第1検出部11a及び第2検出部11bに備えた駆動装置19a、19b(図3参照)を駆動制御して、第1検出部11a及び第2検出部11bの方向を変化させるものである。
【0037】
位置検出装置15は、第1検出部11aの放射線量の検出方向データ、及び第2検出部11bの放射線量の検出方向データを、検出器位置データ処理装置50に送信するものである。第1検出部11aの検出方向データは、第1検出部11aに備えられている第1NaI検出器16a(図3参照)の水平方向の角度と高さ方向の角度のデータからなる。第2検出部11bの検出方向データは、第2検出部11bに備えられている、第2NaI検出器16b(図3参照)の水平方向の角度と高さ方向の角度のデータからなる。
【0038】
放射線量検出ユニット1Bに備えられている検出器Bには、第1検出部21a及び第2検出部21bが備えられている。放射線量検出ユニット1Bには、検出器Bの他に、第1プリアンプ22a、第2プリアンプ22b、第1MCA23a、第2MCA23b、検出器駆動制御装置24、位置検出装置25が備えられている。
【0039】
放射線量検出ユニット1Cに備えられている検出器Cには、第1検出部31a及び第2検出部31bが備えられている。放射線量検出ユニット1Cには、検出器Cの他に、第1プリアンプ32a、第2プリアンプ32b、第1MCA33a、第2MCA33b、検出器駆動制御装置34、位置検出装置35が備えられている。
【0040】
なお、第1検出部21a及び第2検出部21b、第1検出部31a及び第2検出部31bは、第1検出部11a及び第2検出部11bと同一の機器である。第1プリアンプ22a及び第2プリアンプ22b、第1プリアンプ32a及び第2プリアンプ32bは、第1プリアンプ12a及び第2プリアンプ12bと同一の機器である。第1MCA23a及び第2MCA23b、第1MCA33a及び第2MCA33bは、第1MCA13a及び第2MCA13bと同一の機器である。検出器駆動制御装置24及び検出器駆動制御装置34は、検出器駆動制御装置14と同一の機器である。位置検出装置25及び位置検出装置35は、位置検出装置15と同一の機器である。
【0041】
情報処理装置2には、情報処理装置2全体の制御を行うCPU4、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cから送信されるデータを分析するデータ処理装置5、各種のデータを記憶する記憶装置6、表示装置3の制御を行う表示制御装置7等が備えられている。
【0042】
データ処理装置5は、MCA測定データ処理装置40と検出器位置データ処理装置50とを備えている。MCA測定データ処理装置40は、第1MCA13a、23a、33a及び第2MCA13b、23b、33bからの出力信号に基づいて、検出器A、B、Cが検出した放射線量を核種の成分毎に割り出すものである。
【0043】
検出器位置データ処理装置50は、位置検出装置15、25、35からの検出方向データに基づいて検出器A、B、Cの放射線量の検出方向を求めるとともに、位置検出装置15、25、35からの検出方向データ及びMCA測定データ処理装置40の分析結果に基づいて、及び検出器A、B、Cから測定対象箇所までの距離、すなわち、図1に示す距離a、距離b、距離cを求めるものである。距離a、距離b、距離cの求め方については、後述する。
【0044】
また、例えば、検出器Aによる放射線量の測定対象箇所は、距離aと、検出器Aによる放射線量の検出方向によって特定することができる。検出器Aによる放射線量の測定対象箇所が特定されると、検出器B、検出器Cの位置は一定であるため、距離b、距離cを特定することが可能になる。すなわち、検出器Aによる放射線量の測定対象箇所を、距離a、距離b、距離cによって特定することが可能になる。
【0045】
そこで、検出器位置データ処理装置50は、距離aと、検出器Aによる放射線量の検出方向によって測定対象箇所の位置が特定される座標系を、距離a、距離b、距離cによって位置が特定される座標系に変換する。さらに、距離a、距離b、距離cによって特定する座標系と、MCA測定データ処理装置40によって分析された、検出器Aの検出結果に基づく放射線量の測定値とを関連付けて、記憶装置6に記憶していく。これにより、記憶装置6に、検出器Aによる所定空間における放射線量の分布データが作成される。
【0046】
検出器位置データ処理装置50は、検出器B、Cによる放射線量の測定対象箇所についても、同様に、座標系を変換し、距離a、距離b、距離cによって特定する座標系と、MCA測定データ処理装置40によって分析された、検出器B、Cの検出結果に基づく放射線量の測定値とを関連付けて、記憶装置6に記憶していく。これにより、記憶装置6に、検出器B、Cによる所定空間における放射線量の分布データが作成、記憶される。
【0047】
そして、検出器A、B、Cによる所定空間における放射線量の分布データがそれぞれ作成されたのち、検出器位置データ処理装置50は、これら3つの分布データに基づいて、距離a、距離b、距離cによって特定される空間位置の放射線量を割り出して記憶装置6に記憶する処理を行う。これにより、記憶装置6に、検出器A、B、Cの検出結果に基づく、所定空間における放射線量の分布データが作成かつ記憶される。なお、以下の説明において、単に分布データと称する場合には、検出器A、B、Cの検出結果に基づく、所定空間における放射線量の分布データであるものとする。
【0048】
[検出器の構成]
図3は、検出器Aの構成を示すブロック図である。検出器Aの第1検出部11aは、第1NaI検出器16a、遮蔽体17a、コリメータ18a、駆動装置19aを備えている。第2検出部11bは、第2NaI検出器16b、遮蔽体17b、コリメータ18b、駆動装置19bを備えている。
【0049】
第1NaI検出器16a及び第2NaI検出器16bは、それぞれ遮蔽体17a、遮蔽体17bによって覆われている。また、遮蔽体17aには、コリメータ18aが形成されており、第1NaI検出器16aはコリメータ18aによってコリメート(指向性を持たせる)されるようになる。同様に、遮蔽体17bには、コリメータ18bが形成されており、第2NaI検出器16bはコリメータ18bによってコリメート(指向性を持たせる)されるようになる。
【0050】
遮蔽体17aは、駆動装置19aによって支持されており、この駆動装置19aは、遮蔽体17aを、十字方向に回動させる機能を備えている。すなわち、検出器駆動制御装置14が駆動装置19aを駆動制御することにより、第1NaI検出器16aの放射線量の検出方向を任意の方向に変えることが可能になる。同様に、遮蔽体17bは、駆動装置19bによって支持されており、この駆動装置19bは、遮蔽体17bを、十字方向に回動させる機能を備えている。すなわち、検出器駆動制御装置14が駆動装置19bを駆動制御することにより、第1NaI検出器16bの放射線量の検出方向を任意の方向に変えることが可能になる。
【0051】
また、検出器Aにおいて、第1NaI検出器16aと第2NaI検出器16bは、図3に示すhの間隔を空けて配置されている。
【0052】
なお、検出器B、検出器Cの構成は、検出器Aと同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0053】
[検出器から測定対象箇所までの距離の特定方法]
次に、検出器から測定対象箇所までの距離を特定する方法について、図3を参照しながら説明する。
【0054】
まず、図3において、測定対象箇所は、第1NaI検出器16aによる検出範囲と第2NaI検出器16bによる検出範囲が交差している図中のP点であり、検出器Aから測定対象箇所Pまでの距離をaとする。この距離aは、第1NaI検出器16aと第2NaI検出器16bとを駆動させ、双方の検出結果が一致したときの第1NaI検出器16aと第2NaI検出器16bとの相互の角度θ、コリメータ18a、18bによるコリメートの角度φ、及び第1NaI検出器16aと第2NaI検出器16bとの相互の距離hから特定することが可能である。
【0055】
コリメートの角度φ及び相互の距離hの値は一定値であるため、角度φ、距離hの値は予め把握しておくことが可能である。また、第1NaI検出器16aと第2NaI検出器16bとを駆動させ、双方の検出結果が一致したか否かを判別することは、検出範囲が交差している図中のP点が存在するか否かを判別することを目的としている。P点が存在する場合には、相互の角度θ、角度φ、距離hから、距離aを演算によって求めることが可能になる。
【0056】
第1NaI検出器16aと第2NaI検出器16bの双方の検出結果が一致したか否かについては、次のような方法によって判定される。
【0057】
まず、MCA測定データ処理装置40は、第1NaI検出器16aに接続されている第1MCA13aの分析結果と、第2NaI検出器16bに接続されている第2MCA13bの分析結果とを相互比較する。比較の結果、同一チャンネルかつ同一のピーク値を示すもの以外の測定値は「ノイズ」と判定し、第1MCA13aの分析結果及び第1MCA13aの分析結果から「ノイズ」の値をカットする。一方、第1MCA13aの分析結果及び第1MCA13aの分析結果において、「同一チャンネルかつ同一のピーク値を示すもの」はその値を採用する。このように補正された第1MCA13aの分析結果と第2MCA13bの分析結果を重ね合わせることによって、測定結果が鋭敏化し、一致したという判定ができる。
【0058】
なお、補正された第1MCA13aの分析結果と第2MCA13bの分析結果が一致したということは、図3において、第1NaI検出器16aによる検出範囲と第2NaI検出器16bによる検出範囲とにおいてオーバーラップしている範囲の放射線量を測定していることになる。言い換えれば、第1NaI検出器16aと第2NaI検出器16bの双方の測定結果が一致したか否かを判定するということは、第1NaI検出器16aによる測定範囲と第2NaI検出器16bによる測定範囲とにおいてオーバーラップしている範囲があるか否かを判定することになる。
【0059】
また、検出器Bから測定対象箇所Pまでの距離b、検出器Cから測定対象箇所Pまでの距離cについても、前述した距離aと同様の方法で特定することが可能である。
【0060】
[異常な放射線量が発生している箇所の特定方法]
まず、所定の空間において検出可能範囲の全域を、検出器A、B、Cによって走査し、空間位置に対応する放射線量のデータを採取して、正常時の放射線量の分布データを作成しておく。
【0061】
具体的には、検出器Aにおいて、第1NaI検出器16aの検出方向を、円弧を描くように所定角度ずつ移動(走査)、停止を繰り返す。一方、第1NaI検出器16aが所定角度の方向を向いている間に、第2NaI検出器16bの検出方向を、第1NaI検出器16aの検出方向が描く円弧に対して直角方向に、円弧を描くように所定角度ずつ移動(走査)させながら、第1NaI検出器16aと第2NaI検出器16bによって放射線量を検出する。これにより、図4に示すように、第1NaI検出器16aの角度と距離によって決定される空間位置X1、X2、X3、・・・における放射線量が求められる。そして、空間位置X1、X2、X3、・・・に相当する距離a、距離b、距離cによる座標と放射線量とを対応させたデータを記憶装置6に記憶する。
【0062】
第2NaI検出器16bが所定範囲の角度を移動した後には、第2NaI検出器16bを初期位置に戻し、第1NaI検出器16aを移動させて検出方向を変えてから、第2NaI検出器16bを所定角度ずつ移動させる。このような動作を繰り返すことにより、所定の空間の検出可能範囲における、検出器Aによる正常時の放射線量の分布データが作成される。
【0063】
検出器B、Cについても同様な動作を繰り返すことにより、検出器B、Cによる正常時の放射線量の分布データが作成される。そして、検出器A、B、Cによる3つの正常時の放射線量の分布データに基づいて、正常時の放射線量の分布データが作成される。
【0064】
異常な放射線量が発生していると疑われる場合、予想領域もしくは全域を、検出器A、B、Cによって走査して放射線量を検出し、放射線量の分布データを取得する。そして、CPU4は、取得した放射線量の分布データと正常時の放射線量の分布データとを比較し、放射線量に一定量以上の差がある箇所の有無を判別する。そして、放射線量に一定量以上の差がある箇所が存在した場合に、その箇所を異常な放射線量が発生した箇所に特定する。
【0065】
そして、CPU4は、表示制御装置7に異常な放射線量が発生した箇所のデータを送信する。表示制御装置7は、送信されたデータに基づいて、所定の空間の画像に、異常な放射線量の発生を示す画像を重ね合わせて、表示装置3に表示させる制御を行う。
【0066】
[適用例1]
図5は、本実施形態の空間内放射線量測定システムを、原子炉格納容器の内部空間における放射線量の測定に適用した図である。
【0067】
原子炉格納容器100は、鋼鉄製の容器からなり、外側が厚いコンクリートによって覆われている。原子炉格納容器100の内部には、原子炉圧力容器110、主蒸気配管120、給水配管130、冷却機140等が配置されている。
【0068】
原子炉圧力容器110には、内部に図示しない燃料棒が収納されている。また、原子炉圧力容器110は、高い圧力の冷却材(水)に耐える鋼鉄製の容器からなり、放射性物質が外部に漏れない構造となっている。
【0069】
主蒸気配管120は、原子炉圧力容器110内の蒸気を、発電機(図示せず)を回転させるためのタービン(図示せず)に供給するものである。給水配管130は、タービン(図示せず)を通過した蒸気を冷却する復水器(図示せず)を通過した水を、原子炉圧力容器110に供給するものである。冷却機140は、原子炉圧力容器110内を冷却するものである。
【0070】
また、原子炉格納容器100の下部には、環状に形成され、内部に水を収容している圧力抑制室150が配置されている。原子炉格納容器100の下部と圧力抑制室150とは、ベント管160によって接続されている。
【0071】
原子炉格納容器100内の床面には、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cが原子炉圧力容器110の周囲に配置されている。ここで、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cに備えられている検出器A、B、Cは、それぞれ正三角形の頂点の位置に配置されている。
【0072】
なお、図1に示す情報処理装置2及び表示装置3は、原子炉格納容器100を管理する管理室に設置されており、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cと情報処理装置2は、有線又は無線によって送受信可能である。
【0073】
情報処理装置2の記憶装置6には、正常時における放射線量の分布データが記憶されている。この分布データは、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cが予め検出可能範囲を全域走査し、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cの検出結果に基づいて割り出した放射線量と空間位置とを対応付けてなるものである。正常時における放射線量の分布データは、原子力発電所が正常な状態(燃料棒の破損や漏洩が発生していない状態)において、停止中、原子炉臨界、50%発電中、100%発電中、定格熱出力運転中等の運転状態毎に作成され、記憶装置6に保存されている。
【0074】
そして、運転中は、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cによる原子炉格納容器100の内部の放射線量の検出結果に基づいて、情報処理装置2が原子炉格納容器100の内部における放射線量の分布データを作成する。そして、作成した放射線量の分布データと、運転状態に応じた正常時における分布データとを比較することにより、異常な放射線量の発生の有無を判別するとともに、異常な放射線量の発生箇所を特定する。
【0075】
さらに、情報処理装置2のCPU4は、異常な放射線量の発生箇所のデータを表示制御装置7に送信する。表示制御装置7は、原子炉格納容器100の内部の画像において、異常な放射線量の発生箇所の情報に対応する位置に、異常を報知する画像を重ね合わせて表示する。ここで、原子炉格納容器100の内部の画像は、視点の方向を変えることや、原子炉圧力容器110の内部に入り込むことが可能な三次元データに基づいて表示されている。このため、異常な放射線量の発生箇所は、三次元画像内に表示されるようになり、作業者が燃料棒の破損箇所又は漏洩箇所を特定することが容易に可能となる。
【0076】
[適用例2]
図6は、本発明の空間内放射線量測定システムを、大気中において雷雲(積乱雲)が発生した空間における放射線量の測定に適用した図である。
【0077】
原子力発電所の敷地内に、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cが配置されている。ここで、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cに備えられている検出器A、B、Cは、それぞれ正三角形の頂点の位置に配置されている。
【0078】
また、原子力発電所の敷地内外に、原子力発電所施設内及び周辺への放射線の影響を把握するためのモニタリングポスト200が配置されている。モニタリングポスト200による測定結果は、管理事務所の情報端末に逐次送信される。また、情報処理装置2は、管理事務所内に設置されている。
【0079】
モニタリングポスト200は、空間ガンマ線線量率を常時把握するものであり、周囲の放射線量の変化がモニタリングポスト200の指示値に影響をあたえる可能性がある。この適用例は、雷雲によって発生した放射線がモニタリングポスト200の指示値に影響を与えたか否かを判別することに、本発明の空間内放射線量測定システムを適用したものである。
【0080】
まず、正常時の放射線量の分布データを取得する。正常時の放射線量の分布データとしては、雷が発生していない状態の雷雲を、検出器A、B、Cによって1回走査することによって求める。次に、同一の雷雲にターゲットを絞り、検出器A、B、Cによって一定時間毎に放射線量の計測を行い、一定時間単位で分布データを取得し、記憶装置6に分布データを累積記憶する。そして、一定時間単位で取得した分布データと、正常時の放射線量の分布データとを比較することによって、雷雲の中の放射線量の変化を検出することができる。なお、計測時間間隔は任意に変えられるものとする。
【0081】
そして、モニタリングポストの指示値が上昇したときと同時刻の、雷雲の中の放射線量を参照する。そして、雷雲の中に所定量の放射線が発生した場合には、モニタリングポストの指示値の上昇が、雷雲からきた放射線による指示値の上昇であると判定することが可能になる。なお、適用例2によれば、雷雲の中の放射線量の分布データを取得しているが、測定対象の雲は、雷雲に限るものではなく、雲の種類に依存するものではない。
【0082】
以上説明したように、本実施形態によれば、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cが所定の空間内の放射線量を検出し、情報処理装置2は、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cの検出結果に基づいて所定の空間における放射線の分布データを求める。そして、所定の空間における放射線の分布データと、予め用意した正常時における放射線の分布データとを比較することにより、所定の空間内において放射線量が変化した空間位置を特定することが可能になる。これにより、放射線量が多い環境下の空間において、作業員が直接赴くことなく、放射線量の変化が大きい位置を正確に特定することが可能になる。
【0083】
また本実施形態によれば、放射線検出装置1は、少なくとも3つの放射線量検出ユニット1A、1B、1C(放射線検出手段)を有しており、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cに備えられた検出器A、B、Cがそれぞれ異なる位置から放射線量を検出し、情報処理装置2は、3つの検出器A、B、Cの検出結果に基づいて、放射線量の分布データを作成する。ここで、所定空間における測定対象箇所が、3つの検出器A、B、Cから測定対象箇所までの距離によって特定される。これにより、3つの検出器A、B、Cによる放射線量の測定対象箇所を、同一の座標系によって表すことが可能になり、放射線量の変化が大きい位置を正確に特定することが可能になる。また、表示装置3を用いて、所定空間内の施設の画像に放射線量が多い箇所(異常発生箇所)を示す場合に、所定空間内の施設の画像の中における異常発生箇所を特定することが容易になり、画像表示を行う処理が軽減されるようになる。
【0084】
また本実施形態によれば、3つの検出器A、B、Cの検出結果に基づく放射線量の分布データを記憶装置6に、所定時間毎に累積的に記憶することにより、放射線量の経時的な推移を把握することが可能になる。
【0085】
また本実施形態によれば、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cが原子炉格納容器100の内部空間に配置されている。これにより、原子力発電所を停止することなく燃料棒の破損箇所、漏洩箇所を立体的に把握することが可能になる。その結果、作業員が原子炉格納容器100に直接赴くことなく、異常の有無の判定及び異常箇所の特定を行うことが可能になる。
【0086】
特に、燃料棒の破損位置については、従来、燃料集合体を特定することは可能であるが、高さ方向のどの位置が破損しているか、という点については、燃料集合体を炉心から取り出して調べないとわからなかった。本実施形態によれば、三次元的に燃料棒の破損位置が特定できるため、炉心から燃料集合体を取り出さなくても高さ方向の位置が特定可能となり、燃料棒の破損箇所・修理のための作業効率向上及び作業員の安全性の向上を図ることが可能になる。
【0087】
また本実施形態によれば、放射線量検出ユニット1A、1B、1Cによって、雷雲(積乱雲)の内部に発生する放射線量を、地上において検出することが可能になる。これにより、例えば、原子力発電所の構内、構外に設置されているモニタリングポスト200の指示値が上昇した場合に、この上昇が、雷雲の放射線の影響によるものか否かを判断することが可能になる。
【0088】
また、第1MCA13a、23a、33a、第2MCA13b、23b、33bによるデータ分析を行うため、原子炉格納容器100に放射線量検出ユニット1A、1B、1Cを設置した場合において、異常発生している放射線の核種を判別することができる。これにより、何が漏れているかといった漏洩物質の特定も可能となり、修理作業の立案・計画を事前に行う可能となる。その結果、発電所停止期間を短縮することができる。
【0089】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限るものではない。例えば、本実施形態においては、3つの放射線量検出ユニット1A、1B、1Cを用いているが、それ以上であってもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 放射線量検出装置
1A、1B、1C 放射線量検出ユニット
2 情報処理装置
3 表示装置
4 CPU
5 データ処理装置
6 記憶装置
7 表示制御装置
11a、21a、31a 第1検出部
11b、21b、31b 第2検出部
12a、22a、32a 第1プリアンプ
12b、22b、32b 第2プリアンプ
14、24、34 検出器駆動制御装置
15、25、35 位置検出装置
16a 第1NaI検出器
16b 第2NaI検出器
17a、17b 遮蔽体
18a、18b コリメータ
19a、19b 駆動装置
13a、23a、33a 第1MCA
13b、23b、33b 第2MCA
40 測定データ処理装置
50 検出器位置データ処理装置
60 表示制御装置
100 原子炉格納容器
110 原子炉圧力容器
120 主蒸気配管
130 給水配管
140 冷却機
150 圧力抑制室
160 ベント管
200 モニタリングポスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の空間における放射線量を検出する放射線量検出装置と、
当該放射線量検出装置による検出結果に基づいて、所定の空間において一定以上の放射線量の変化が検出された位置を特定する情報処理装置とを有する空間内放射線量測定システムであって、
前記情報処理装置は、前記放射線量検出装置における測定対象箇所の位置のデータと当該位置の放射線量のデータからなる放射線量分布データを取得し、
所定の空間内における放射線量の分布が正常である場合の比較用分布データと、前記放射線量の放射線量分布データとを比較し、所定の空間において一定以上の放射線量の変化が検出された位置を特定することを特徴とする空間内放射線量測定システム。
【請求項2】
前記放射線量検出装置は、少なくとも3つの放射線量検出手段を有し、
当該放射線量検出手段は、一定の距離を空けて設置された2つの検出部を有し、
当該検出部は、NaI検出器と、放射線を遮蔽する部材からなり前記NaI検出器を覆う遮蔽体と、当該遮蔽体に設けられ、放射線をコリメートして前記NaI検出器に入射させるコリメータと、前記遮蔽体及び前記NaI検出器を駆動して前記NaI検出器による放射線の検出方向を変える駆動手段とを有し、
前記情報処理装置は、
前記2つの検出部の検出結果が一致したときの、各NaI検出器の相互の角度、前記コリメータにおけるコリメートの角度、前記一定の距離に基づいて、前記放射線量検出手段から前記測定対象箇所までの距離を求め、
前記測定対象箇所の位置を前記3つの放射線検出手段からの距離によって特定し、
前記3つの放射線検出手段によって検出された放射線量に基づいて、前記測定対象箇所の放射線量を特定し、
前記3つの放射線検出手段からの距離によって特定された位置と前記放射線量とを関連付けて前記放射線量分布データを作成することを特徴とする請求項1記載の空間内放射線量測定システム。
【請求項3】
前記放射線量分布データを記憶する記憶手段を有し、
前記情報処理装置は、所定時間毎に、前記放射線量分布データを作成して前記記憶手段に累積記憶することを特徴とする請求項1又は2記載の空間内放射線量測定システム。
【請求項4】
所定の空間は、原子炉格納容器の内部空間であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の空間内放射線量測定システム。
【請求項5】
所定の空間は、大気中において雲が形成されている空間であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の空間内放射線量測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−180057(P2011−180057A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46263(P2010−46263)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】